JP4242616B2 - 水域浄化方法 - Google Patents

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湖沼等の水域を浄化するための水域浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
閉鎖性水域である例えば湖沼,ダム湖,閉鎖海岸の多くは、自然に負荷をかける生活の急速な進展に伴い汚濁が進行しており、その対策は遅々として進んでいない。
【0003】
特に、汚濁物質が蓄積され易い下流域にあたる湖沼では、生活排水や畜産し尿等が湖沼に流入し、該湖沼が富栄養化されて汚濁し、これにより、この湖沼の底部に汚泥が沈殿する。そして、この汚泥から有機物,窒素,リン等の汚濁物質が溶出して前記湖沼の富栄養化が進行し、よって、悪臭や水質汚染やプランクトンが大量に発生する原因となり、利水,水資源面に多大な影響が生じてきている。
【0004】
そこで、従来は、汚濁の原因である湖沼の底部に沈殿した汚泥を該湖沼から除去する水域浄化方法が行われていた。
【0005】
具体的には、浚渫船に備えたクラムシェルにより湖沼の底部から汚泥を採取し、該採取した汚泥を沿岸に設けた貯溜ピットに運び、該貯溜ピットでこの汚泥に土壌改良材を添加して土壌改質を行い、その後に、ダンプ等で投棄場まで運んで投棄埋立てしていた。
【0006】
しかしながら、近年、この汚泥を投棄する投棄場の確保が容易ではなく、特に作業現場の近くに投棄場を確保することが極めて困難であるという問題点がある。
【0007】
また、湖沼の底部に溜まった汚泥を採取して沿岸まで運び貯溜した後、この汚泥を、更に投棄場まで運んで投棄埋め立てる必要があるため、作業に極めて手間がかかる問題点がある。
【0008】
また、湖沼の底部に溜まった汚泥を投棄場まで運び投棄埋め立てするまでには、運搬車等を用いる必要があり、更にこの運搬車等を動かす燃料等を考慮すると極めてコスト高となってしまう問題点がある。
【0009】
そこで、湖沼の底部から汚泥を採取し、該汚泥を投棄場に投棄埋立てする湖沼の浄化方法ではなく、湖沼等の底部の汚泥に吸着作用を有するゼオライトを敷設する湖沼の浄化方法がある。
【0010】
この方法によれば、湖沼の底部に溜まった汚泥上に敷設したゼオライトが、該ゼオライトの吸着作用により前記汚泥及び水中に含まれる汚濁物質を吸着し、これにより、湖沼の底部及び水中から汚濁物質が除去され、湖沼を浄化することができる。
【0011】
また、汚泥上に敷設するゼオライトは、該汚泥に所謂蓋をするかたちとなるため、汚泥から汚濁物質が水中に溶出することが阻止され、この点においても、湖沼を浄化することができる。
【0012】
また、この方法は、湖沼の底部の汚泥上にゼオライトを単に敷設するだけのため簡易に実現することができる。
【0013】
また、この方法は、汚泥を投棄埋立てしないため、投棄場を確保する必要がなく、また、汚泥を陸上に上げる必要もないため、簡易且つコスト安に実現することができる。
【0014】
ところで、汚泥上に敷設するゼオライトの吸着能力には限界がある。
【0015】
従って、ゼオライトの吸着能力の限界以上に湖沼の底部に汚濁物質が溜まってしまった場合には、該汚濁物質を吸着することができず、よって、この方法は該湖沼を浄化するのに限界があるという欠点がある。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、水域を限界なく浄化でき、その上、簡易且つコスト安で水域を浄化できる極めて実用性に秀れる水域浄化方法を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0018】
富栄養化された湖沼,ダム湖,閉鎖海岸等の水域1を浄化する方法であって、前記水域1の底部に設けた区画体5で該水域1の一部を区画した区画部6に、前記水域1の底泥2を充填し、この底泥2上にゼオライトを敷設して該底泥2に含まれる過剰な栄養分を吸収するゼオライト層3を形成し、このゼオライト層3上で植物4を該ゼオライト層3中に吸収された栄養分により植生し、この植物4が摂取した分の前記栄養分を前記底泥2からゼオライト層3に補充し、この繰り返しにより前記水域1を浄化することを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0019】
また、請求項1記載の水域浄化方法において、前記ゼオライト層3として、前記ゼオライトに汚泥を混合したゼオライト混合物から成るゼオライト層3を採用したことを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0020】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記水域1の前記底泥2上に前記ゼオライトを敷設する前に、前記底泥2上に前記植物4の苗や地下茎や種子を混合した植生土壌9を敷設し、この植生土壌9上に前記ゼオライトを敷設して前記ゼオライト層3を形成することを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0021】
また、請求項3記載の水域浄化方法において、前記植物4の種子として、ヨシ,ガマ,マコモ,フトイ,コウホネ,オランダガラシ若しくはオオフサモの種子を採用したことを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0022】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記区画体5として、前記ゼオライトをブロック状としたゼオライトブロックを採用したことを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0023】
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記区画部6と残余の前記水域1とを前記ゼオライト層3の上方位置において通水可能に連通せしめることで該区画部6を湿地帯とすることを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0024】
また、請求項〜6いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記区画部6に前記水域1の前記底泥2を充填する際、所定厚さに前記底泥2を充填した後、この底泥2上に前記ゼオライトを敷設してゼオライト層7を形成し、続いて、このゼオライト層7上に所定厚さに前記底泥2を充填し、更に、この底泥2上に前記ゼオライトを敷設して該底泥2上に前記ゼオライト層3を形成することを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0025】
また、請求項7記載の水域浄化方法において、前記底泥2と前記ゼオライト層7との間に透水シート8を敷設することを特徴とする水域浄化方法に係るものである。
【0026】
【発明の作用及び効果】
底泥2上に敷設したゼオライト層3を形成するゼオライトが、該底泥2に含まれる過剰な栄養分を吸着するため、底泥2から水質汚濁等の原因となる栄養分を吸着除去して水域1を浄化できることになる。
【0027】
また、ゼオライト層3上で植生される植物4は、ゼオライトが吸着した栄養分を栄養源として摂取し成長することになる。
【0028】
即ち、ゼオライト層3を形成するゼオライトが底泥2から吸着した過剰な栄養分は、該ゼオライトの吸着能力が限界に達する前に、植物4の栄養源として該植物4に摂取されるため、底泥2の過剰な栄養分はゼオライト層3を介して植物4により繰り返し除去されることになる。
【0029】
従って、本発明のゼオライト層3を形成するゼオライトは、所謂半永久的に底泥2に含まれる栄養分を吸着し続けることができ、また、この吸着された栄養分は植物4が栄養源として摂取し続けるため、底泥2の過剰な栄養分を限界なく吸収して除去できることになり、よって、所定水域を半永久的に浄化し続けることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の第一実施例,図5は第二実施例,図6,図7は第三実施例,図8は第四実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0031】
第一実施例
第一実施例は、湖1の汚濁の大きな原因である該湖1の底部に堆積する底泥2に含まれる過剰な栄養分(有機物,窒素,リン等)を該底泥2から除去することで、湖1を浄化するものである。
【0032】
先ず、閉鎖水域1である湖1の湖岸部に、鋼矢板5(区画体5)を該鋼矢板5の下部を該湖1の底部に突きさした状態で立設せしめ、この鋼矢板5により前記湖1の湖岸部を区画する。尚、本実施例では湖1の湖岸部を鋼矢板5により区画したが、例えば湖1の中央部を鋼矢板で区画しても良い。
【0033】
また、鋼矢板5は、上部が湖面から突出するように設けられている。
【0034】
即ち、前記湖岸部を鋼矢板5により、該湖岸部の水が湖岸部外の水と通水不可能となるように所定形状に区画し該湖1に区画部6を形成する。
【0035】
この区画部6は、鋼矢板5と湖1の湖岸とで構成されることになる。
【0036】
続いて、区画部6内の湖水を排水ポンプ10により区画部6外へ排水する。この排水は、鋼矢板5が、区画部6内と区画部6外との水圧差によって倒れることがない範囲において、できる限り多量に排水するように行う。
【0037】
続いて、この湖1の区画部6外の底部に堆積している底泥2を取り出して区画部6内へ導入する。
【0038】
この区画部6外の湖1の底部からの底泥2の取り出し及び区画部6内への底泥2の導入は、浚渫船に設けたクラムシェルにより行う。
【0039】
また、区画部6内への底泥2の導入は、該区画部6に予め存在する湖水及び底泥2を導入した際に一緒に流入した湖水を除去しつつ行う。即ち、区画部6内に底泥2を一気に一杯になるまで導入するのではなく、区画部6内の湖水が過剰となった時点で底泥2の導入を一旦中断し、該過剰な湖水を排水ポンプ10により区画部6外へ排水した後に再び区画部6内へ底泥2を導入する。
【0040】
また、前記区画部6内に底泥2を導入する際、この底泥2に凝集剤を添加して該底泥2を沈殿させる。尚、この際、底泥2は自然沈降により沈殿させても良い。
【0041】
続いて、凝集沈殿した底泥2上に溜まった湖水を排水ポンプ10により可能な限り排水する(図1参照)。底泥2上に溜まった湖水を区画部6外へ排出した後、再び浚渫船のクラムシェルにより、区画部6内へ底泥2を充填する。そして、区画部6内の湖水が多量となった時点で底泥2の導入を一旦中断し、再び底泥2に凝集剤を添加して前記底泥2を凝集沈殿させ、この底泥2上に溜まった湖水を排水ポンプ10により区画部6外に排出する。
【0042】
この区画部6内への底泥2の導入と該区画部6内からの湖水の排出を繰り返しながら、区画部6内に過剰な栄養分を含んだ底泥2を湖1の水面近くまで導入していく。この際、底泥2の導入は湖沼の水面よりも若干低い位置までとする。
【0043】
続いて、図2に図示したように、区画部6内に導入した底泥2上に、予め植物4の種子を混合した植生土壌9を敷設する。尚、第一実施例では、植生土壌9として植物4の種子を混合した土壌を敷設したが、この植物4の種子に替えて植物の苗や地下茎を混合しても良い。
【0044】
また、植物4の種子としては、湿性植物の種子、例えばヨシ,ガマ,マコモ,フトイ,コウホネ,オランダガラシ,オオフサモ等の抽水植物の種子を採用すると良い。
【0045】
続いて、図3に図示したように、この植生土壌9上にゼオライトを敷設することでゼオライト層3を形成する。尚、ゼオライトを単体として用いてゼオライト層3を形成する以外にも、採取した底泥2にゼオライトを50%(体積)以上混合したものを敷設してゼオライト層3を形成しても良い。
【0046】
続いて、ゼオライト層3を所定期間放置して該ゼオライト層3をある程度乾燥せしめる。
【0047】
続いて、鋼矢板5の上端部を切断して区画部6内と区画部6外とを通水せしめる。
【0048】
この通水により、区画部6内の植生土壌9に水分が供給され、該植生土壌9の種子等の生育が促進される。これにより、ゼオライト層3上で植物4が良好に植生されて区画部6内が人工の湿地帯(緑化湿地帯)となる。
【0049】
以上の第一実施例によれば、ゼオライト層3を形成するゼオライトが、該ゼオライト層3の下方にある底泥2に含まれ水質汚染の原因となっている過剰な栄養分(有機物,窒素,リン等)を植生土壌9を介して吸着するため、底泥2から該過剰な栄養分が除去されることになる。また、ゼオライト層3を形成するゼオライトは、区画部6外の湖水中に含まれる水質汚染の原因となる過剰な栄養分をも吸着するため、該湖水中から過剰な栄養分が除去されることになる。
【0050】
更に、ゼオライトが底泥2や湖水中から吸着した栄養分は、植生土壌9から発生してゼオライト層3上に成長する植物4が栄養源(肥料)として摂取することで除去されることになる。
【0051】
また、前記植物4が摂取した栄養分の分は、底泥2や湖水中から再びゼオライト層3に補充されることになる。
【0052】
即ち、ゼオライト層3が、底泥2から栄養分を吸着する吸着能力が限界に達する前に、この栄養分を植物4が摂取して該植物4の成長に使用し、この植物4が摂取して除去した分の栄養分が底泥2や湖水中から再びゼオライト層3に補充されることから、この繰り返しによって半永久的に底泥2や湖水中から過剰な栄養分が除去し続けられることになる。
【0053】
また、ゼオライト層3を形成するゼオライトは、該ゼオライト層3の下方にある底泥2にたとえ人体に悪影響を及ぼし得る重金属が含まれていても、この重金属も植生土壌9を介して吸着できるため、底泥2及び湖水中から該重金属が除去されることになる。
【0054】
また、ゼオライト層3を形成するゼオライトは、たとえ湖水中に前記重金属が含まれていても、この重金属も吸着できるため、該湖水中から該重金属が除去されることになる。
【0055】
更に、このゼオライトが吸着した重金属は、植生土壌9から発生してゼオライト層3上に成長する植物4に、前述の過剰な栄養分と共に摂取されることで該ゼオライトから除去されることになる。
【0056】
即ち、底泥2や湖水中に含まれていた重金属は、植物4に摂取されて蓄積されることになり、この植物4がある程度生育した時点において該植物4を刈り取ることで、該底泥2や湖水から(湖1から)重金属を除去できることになる。
【0057】
また、この際、例えば植物4を刈り取る前に該植物4が区画部6内に落とした種子(若しくは、植物4を刈り取った後に植生土壌9に残存した地下茎)等により、植物4がゼオライト層3上で植生され続けることで、前述の過剰な栄養分と同様、該湖1から重金属を半永久的に除去し続けられることになる。
【0058】
第一実施例は上述のようにするから、湖1の底部に堆積する底泥2や湖水から水質汚染の原因となる過剰な栄養分(有機物,窒素,リン等)を半永久的に除去し続けることができ、これにより、湖1を良好に浄化することができる。
【0059】
即ち、ゼオライト層3を形成するゼオライトが底泥2や湖水から吸着した過剰な栄養分は、該ゼオライトの吸着能力が限界に達する前にゼオライト層3上で植生される植物4の栄養源として該植物4に摂取されて除去され、この植物4が摂取して除去した分の栄養分は、底泥2や湖水から再びゼオライト層3に補充されるため、この繰り返しによって半永久的に過剰な栄養分を吸着し続け、湖1を浄化することができる。
【0060】
また、ゼオライト層3は、植生土壌9を介して底泥2に蓋をする形で敷設されるため、該底泥2からゼオライト層3上の湖水中に過剰な栄養分が溶出することを防止することができる。また、底泥2に含まれる過剰な栄養分(有機物,窒素,リン等)が湖水に溶出することを防止できるため、該過剰な栄養分が湖水中に溶出することによって、湖水中に生息する生物の生存が阻害されることがない。
【0061】
また、ゼオライト層3は、植生土壌9を介して底泥2に蓋をする形で敷設されるため、底泥2に含まれる過剰な栄養分により発生する臭いの発生を抑制することができる。
【0062】
また、区画部6内と区画部6外とが通水可能であるため、区画部6外の湖水中に溶け込んでいる過剰な栄養分も、ゼオライトの吸着作用及び植物4の栄養源としての摂取によって良好に吸着され除去される。
【0063】
また、湖1の底部に堆積する底泥2や湖水中から人体に悪影響を及ぼすとされる重金属を半永久的に除去し続けることができる。
【0064】
また、第一実施例は、湖1の湖岸部に鋼矢板5を立設することで区画部6を形成し、該区画部6内に人工の湿地帯を形成することで行われるため、従来のように、底泥を投棄するための投棄場所を確保する必要がなく容易且つコスト安に湖1の浄化を行うことができる。
【0065】
また、湖1の湖岸部に鋼矢板5を立設することで形成した区画部6に導入する底泥2は、同じ湖1の底部から取り出した底泥2であるため、第一実施例の水域浄化方法を行うことで該湖1の生態系に悪影響を与えることはない。
【0066】
更に、湖1の底部から取り出した底泥2を該湖の浜辺に圧送して貯溜したり、該貯溜した底泥2を投棄場所に運搬する必要がないため、大掛かりな装置や運搬車等の重機を用意する必要がなく、これにより、更にコスト安に湖1の浄化を行うことができる。
【0067】
また、第一実施例の水域浄化方法は、区画部6内に底泥2を導入し、該導入した底泥2の上に前記植生土壌9を敷設し、該植生土壌9の上にゼオライトを敷設するだけで実現できるため、時間をかけずにスピィーディに行うことができる。
【0068】
また、区画部6は、鋼矢板5により区画されているため、該区画部6内への土壌の流入を防止することができ、これにより、植生土壌9上に敷設されたゼオライトが埋没してしまうこともない。
【0069】
また、水質汚染の原因物質である過剰な栄養分は、ゼオライト層3のゼオライトの吸着作用と、植物4の栄養源としての摂取により、相乗的に除去されるため、スピィーディに除去することができる。
【0070】
また、人体に悪影響を与えるとされる重金属も、ゼオライト層3のゼオライトの吸着作用と植物4の摂取により、相乗的に除去されるため、スピィーディに除去することができる。
【0071】
また、湖1の一部に人工の湿地帯を形成することで、ビオトープ(植物の植生帯)を創出することができる。
【0072】
また、区画部6内に人工ではあるが湿地帯を形成するため、生態系の改善を期待することができる。
【0073】
尚、第一実施例では、湖岸部を区画する区画体5として鋼矢板5を採用したが、ゼオライト混入布団籠やゼオライトブロック(即ち、ゼオライト混入コンクリートブロック)、二重以上の矢板の間にゼオライトを混入させることで形成された区画層等を採用しても良い。
【0074】
また、ゼオライト上で植生する植物4を定期的に刈り込むことで栄養分の吸収力を高め、これにより、ゼオライトからより良好に栄養分と重金属とを吸着できるようにしても良い。
【0075】
第二実施例
第二実施例は、第一実施例と同様に、閉鎖水域1である湖1の湖岸部に人工の湿地帯を形成するもので、湖1の底泥2や湖水に含まれる水質汚濁の原因となる過剰な栄養分を除去することで該湖1の浄化を行うものである。
【0076】
第二実施例では、図5に示すように、湖1の底部にゼオライトをブロック状としたゼオライトブロック5(区画体5)を設置し、該湖1の湖岸部に区画部6を形成する。
【0077】
具体的には、湖岸部に所定大きさのゼオライトブロック5を複数積み重ね、係止金具(図示省略)で夫々のゼオライトブロック5を係止することで、湖1の一部を区画し区画部6を形成する。
【0078】
また、このゼオライトブロック5は、上部が水面から突出する高さまで積み重ねる。
【0079】
区画部6はゼオライトブロック5と湖1の湖岸とで構成されることになる。
【0080】
続いて、ゼオライトブロック5の一側面(区画部6内側面)に透水シート8を張設する。この透水シート8はゼオライトブロック5の上端部から下端部まで十分に覆われるように張設する。
【0081】
この透水シート8は、水分は通過できるが、底泥2やゼオライト層3のゼオライトは通過できない機能を有する透水シート8を採用している。
【0082】
続いて、第一実施例と同様に、浚渫船に設けたクラムシェルを用いて区画部6外の底部から過剰な栄養分を含む底泥2を取り出して該区画部6内に所定量を導入する。
【0083】
続いて、第一実施例と同様に、区画部6に充填した底泥2を凝集沈殿させるための凝集剤を添加して該底泥2を沈殿させる。
【0084】
続いて、凝集沈殿した底泥2上に別途の透水シート8を敷設する。
【0085】
続いて、底泥2上に敷設した透水シート8上にゼオライトを敷設して排水作用を有するゼオライト層7(以下、排水ゼオライト層7という。)を形成する。排水ゼオライト層7や排水ゼオライト層7上に溜まった水分は、該排水ゼオライト層7の排水作用により、区画部6外に排水される。尚、第二実施例では、排水ゼオライト層7や排水ゼオライト層7上に溜まった水分を該排水ゼオライト層7を通過せしめることにより区画部6外へ排出するが、第一実施例のように、排水ポンプを用いて排水しても良い。
【0086】
また、ゼオライトブロック5の一側面に張設した透水シート8の透水作用によっても、区画部6内の水分は区画部6外へ排水される。尚、この際、区画部6内の水分を排水ポンプにより排水しても良い。
【0087】
排水ゼオライト層7上の水分を排水した後、排水ゼオライト層7上に透水シート8を敷設し、この透水シート8上に再び底泥2を導入する。
【0088】
尚、前述の排水は、排水ゼオライト層7上に透水シート8を敷設してから行っても良い。
【0089】
この底泥2の導入と排水ゼオライト層7の形成とを、底泥2の上部が湖1の湖面近くに達するまで繰り返し行う。そして、最上部に底泥2が導入された状態で、前記底泥2の導入及び排水ゼオライト層7の形成を終了する。
【0090】
図5は、排水ゼオライト層7が二層形成されるように底泥2の導入及び排水ゼオライト層7の形成を行った場合を図示したが、排水ゼオライト層7が一層若しくは三層以上形成されるように底泥2の導入及び排水ゼオライト層7の形成を行っても良い。
【0091】
続いて、最上部の底泥2上に植物4の種子を含んだ植生土壌9を敷設する。
【0092】
また、植物4の種子は、第一実施例と同様に、湿性植物の種子、例えば、ヨシ,ガマ,マコモ,フトイ,コウホネ,オランダガラシ,オオフサモ等の抽水植物の種子を採用する。また、植生土壌9には植生植物の種子の他にも、植生植物の苗や地下茎等を植えたものを採用しても良い。
【0093】
続いて、植生土壌9上にゼオライトを敷設してゼオライト層3を形成する。尚、ゼオライト層3は、ゼオライトを単体として用いて形成する以外にも、湖1の底部から取り出した底泥2にゼオライトを50%(体積)以上混合して形成されたものを用いて形成しても良い。
【0094】
また、第二実施例では、底泥2と排水ゼオライト層7との間に透水シート8を敷設したが、最上部のゼオライト層3(植生土壌9上にゼオライトを敷設することで形成したゼオライト層3)と底泥2との間には、透水シート8は敷設していない。これは、仮にゼオライト層3と底泥2との間(例えば植生土壌9と底泥2との間)に透水シート8を敷設してしまうと、ゼオライト層3上で植生される植物4の根の生長が該透水シート8によって妨げられ、これにより、植物4の生育が阻害されてしまうためである。
【0095】
一方、排水ゼオライト層7と底泥2との間には、排水ゼオライト層7の排水経路としての機能を維持する為、透水シート8を設けた方が良い。
【0096】
続いて、ゼオライトブロック5の一側(区画部6形成側)に張設されている透水シート8を上部だけ切断し、これによりゼオライトブロック5の上部を介して区画部6内と区画部6外とを通水せしめる。
【0097】
この通水により、前記植生土壌9中の種子等の生育が促進され、ゼオライト層3上で植物4が植生されて区画部6内が人工の湿地帯となる。
【0098】
以上の第二実施例によれば、ゼオライトブロック5の上部を介して区画部6外から区画部6内へ湖水が流入すると、この流入した湖水はゼオライト層3から植生土壌9,底泥2へと浸透していき、透水シート8を介して排水ゼオライト層7に達した際、この湖水は排水ゼオライト層7内を区画部6外に向けて浸透していき、ゼオライトブロック5の一側に張設された透水シート8を通過し、ゼオライトブロック5を通過して区画部6外へ排水されることになる。
【0099】
即ち、区画部6内の湖水が、排水ゼオライト層7によって区画部6外へ排出されることで、区画部6外の湖水はゼオライトブロック5の上部を介して区画部6内へ流入するため、区画部6内の湖水と区画部6外の湖水が循環することになる。尚、この際、植生土壌9上に敷設したゼオライト層3もまた、排水作用を発揮する。
【0100】
また、降雨等により区画部6内が水分過剰となった場合にも、排水ゼオライト層7から排水されることで区画部6内が植物4が良好に生育できる環境を維持できる。
【0101】
また、ゼオライトブロック5を形成するゼオライトは吸着作用を有するため、区画部6内外の湖水が循環する際、該湖水中に含まれる過剰な栄養分をゼオライトブロック5が吸着することになる。
【0102】
また、この際、ゼオライトブロック5は、湖水に含まれる人体に悪影響を及ぼし得る重金属も吸着することになる。
【0103】
第二実施例は上述のようにするから、ゼオライトブロック5の吸着作用により、該ゼオライトブロック5の周辺に存在する過剰な栄養分や、ゼオライトブロック5内を通過する湖水中に含まれる過剰な栄養分を吸着することができる。
【0104】
更に、ゼオライトブロック5の吸着作用により、該ゼオライトブロック5の周辺に存在する重金属や、ゼオライトブロック5内を通過する湖水中に含まれる重金属を吸着することができる。
【0105】
また、ゼオライトブロック5の通水性により、排水ゼオライト層7を通過した水は区画部6外へ良好に排水されることになる。
【0106】
また、排水ゼオライト層7及びゼオライトブロック5により、区画部6内の湖水と区画部6外の湖水とを循環させることができるため、第一実施例の作用効果を一層良好に発揮でき、更にこの循環の際に、湖水中の過剰な栄養分や人体に悪影響を及ぼし得る重金属がゼオライトブロック5に吸着されることで、湖1をより一層効率良く浄化することができる。
【0107】
また、区画部6を形成するゼオライトブロック5は、湖1の底部に単に載置し積み重ねるだけで、湖岸部を区画することができるため、一層簡易に区画部6を形成することができる。
【0108】
第三実施例
第三実施例は、図6,図7に図示したように、第一,第二実施例とは異なり湖1の湖岸部ではなく該湖1の中央底部に仕切り部6を形成し、該仕切り部6の底泥2上に敷設したゼオライト上で植物4を植生するものである。
【0109】
先ず、浚渫船11に設けたクレーンにより、湖1の底部にゼオライトブロック5を所定範囲を囲繞するように設置して仕切り部6を形成する。
【0110】
続いて、図6に図示したように、浚渫船に備えた配送ポンプにより前記仕切り部6の底部上に(即ち底泥2上に)ゼオライトを敷設してゼオライト層3を形成する。
【0111】
そして、図7に図示したように、このゼオライト層3若しくは底泥2に植物4を植えて該植物4を植生する。
【0112】
この際、植物4として、ササバモ,ヒロハノエビモ等の沈水植物を用いると良い。
【0113】
尚、第三実施例では、仕切り部6を湖1の中央底部に形成したが、仕切り部を湖岸部に設けても良い。この場合には、植物4として、ヒシ,アサザ,カガブタ等の浮葉植物を用いると良い。
【0114】
第三実施例は上述のようにするから、湖1の底部にゼオライトブロック5を所定範囲を囲繞するように設置して仕切り部6を形成し、この仕切り部6内の底部にゼオライトを敷設して該ゼオライト又は仕切り部6内の底部(底泥2上)に植物4を植えるだけで湖1の浄化を行うことができる。即ち、第一実施例,第二実施例に比して一層簡単に湖1の浄化を行うことができる。
【0115】
また、湖1の底部にゼオライトブロック5を設置し、ゼオライトを敷設した後植物4を植えるだけのため、生態環境に悪影響を及ぼすことなく湖1を浄化することができる。
【0116】
また、仕切り部6を形成するゼオライトブロック5及び該仕切り部6に形成したゼオライト層3は、湖水と連通状態であるため、湖水中に存在する過剰な栄養分や人体に悪影響を及ぼし得る重金属を良好に吸着することができる。
【0117】
また、湖1の底部で植物4を繁茂させるため、湖1の底部の生態系の改善が期待できる。
【0118】
尚、第一実施例から第三実施例までの浄化方法は、湖1の水質浄化と生態系の改善のために利用することができるが、河川の水質浄化と生態系の改善や港湾の水質浄化と生態系の改善にも利用しても良い。
【0119】
第四実施例
第四実施例は図8に図示したように、湖1の水中に含まれる過剰な栄養分を水域の浄化作用を有する浮島21を用いて該水中から除去することにより湖1を浄化するものである。
【0120】
即ち、湖1に該湖1の水面に浮上した状態を維持し得る浮力を有する浮島21を形成し、この水面に浮く浮島21に前記湖1と通水可能な詰入部22を設け、この詰入部22にゼオライトを詰入してゼオライト部3’を形成し、このゼオライト部3’に植物4を根付かせて該植物4を植生することにより湖1を浄化するものである。
【0121】
浮島21は、面状の透水部材23とフロート24とから構成している。
【0122】
具体的には、透水部材23として所定面積を有する透水シート23を採用し、この透水シート23の周囲全周に保形用枠体26を介してフロート24を繞設した構成としている。
【0123】
また、この透水シート23を底部とし保形用枠体26を壁部として囲まれた部位を詰入部22に設定している。
【0124】
この詰入部22にゼオライトと汚泥との混合物を詰入してゼオライト部3’を形成している。尚、第四実施例では、ゼオライト部3’をゼオライトと汚泥との混合物を詰入することで形成したが、ゼオライトを単体で詰入部22に詰入してゼオライト部3’を形成しても良いし、ゼオライトと汚泥と植生植物の種子を含んだ土壌で形成された混合物を詰入部22に詰入してゼオライト部3’を形成しても良い。
【0125】
そして、このゼオライト部3’に植物4を根付かせる。尚、この植物4は、第一実施例,第二実施例と同様に、湿性植物(抽水植物等)を採用すると良い。
【0126】
浮島21と湖1の底部とは、連結部材25、具体的には、浮島21を係止できる強度を有し且つ水の抵抗を受けにくいワイヤー25により連結した構成としている。尚、第四実施例では浮島21を湖1の底部と連結部材25を介して連結した構成としたが、浮島21を湖1の岸部と連結部材25を介して連結した構成としても良い。この場合には、例えば湖岸に連結部材25を係止するための杭等の係止部材を打ち込み、この係止部材に連結部材25を連結することで浮島21と湖岸とを連結すると良い。
【0127】
また、湖1の底部には、浮島21が流されることなく所定位置に留めておける重量を有したアンカー27を設け、このアンカー27に、浮島21に連結された連結部材25を連結することで湖1の所定位置に浮島21を設けている。
【0128】
また、浮島21と湖1の底部との連結は、湖1の水位が上下動した際、該上下動に連動して浮島21が上下動するように設定されている。
【0129】
具体的には、湖1の底部に設けたアンカー27と浮島21とを結ぶ連結部材25の長さを、浮島21を湖1の通常の湖面水位(即ち、通年で一番多い湖面水位)に浮かべた際、該連結部材25が弛む長さに設定することで、湖1の水位の上下動に連動して浮島21が上下動できるように構成されている。尚、第四実施例では、連結部材25の長さを湖1の通常の湖面水位に浮島21を浮かべた際に弛む長さに設定したが、アンカー27若しくはフロート24に連結部材25の長さを調整し得る調整機構を設け、この調整機構を、湖1の水面の上下動に連動して連結部材の長さを調整できるように設定しても良い。
【0130】
以上の第四実施例によれば、湖水中の過剰な栄養分が詰入部22内に前記浮島21の底部を構成する透水シート23を介して浸透し、この詰入部22内に浸透した過剰な栄養分が、該詰入部22内に形成したゼオライト部3’のゼオライトの吸着作用により吸着されることになる。
【0131】
そして、このゼオライト部3’のゼオライトに吸着された過剰な栄養分は、ゼオライト部3’に根付いた植物4の栄養源として摂取され除去されることになる。即ち、湖1の水中の過剰な栄養分は、ゼオライト部3’のゼオライトと植物4とにより半永久的に湖水中から除去し続けられることになる。
【0132】
また、湖水中に存在して人体に悪影響を及ぼす可能性のある重金属も透水シート23を介して詰入部22内に浸透し、この浸透した重金属が、詰入部22に形成したゼオライト部3’のゼオライトの吸着作用により吸着されることになる。
【0133】
そして、このゼオライト部3’のゼオライトに吸着された重金属は、ゼオライト部3’に根付いた植物4に、前記過剰な栄養分と共に吸着され蓄積することになる。また、植物4がある程度生育した時点においてこの植物4を刈り取ることで、湖1から重金属を除去することができる。また、この際、植物4を刈り取る前に該植物4が詰入部22内に落とした種子(若しくは、植物4を刈り取った後に詰入部22内に残存した該植物4の地下茎)等により植物4はゼオライト部3’に再び根付いて生育を続けるため、湖1の湖水中から重金属を半永久的に除去し続けることができる。
【0134】
第四実施例は上述のようにするから、湖1の水中に存在し、水質汚染の原因となる過剰な栄養分(有機物,窒素,リン等)を半永久的に除去し続けることができ、これにより、湖1を良好に浄化することができる。
【0135】
即ち、湖水中の過剰な栄養分が浮島21の底部を構成する透水シート23を介してゼオライト部3’を形成するゼオライトに吸着され、該ゼオライトの吸着能力が限界に達する前にゼオライト部3’に根付いた植物4の栄養源として摂取されるため、ゼオライト部3’を形成するゼオライトと植物4とにより、半永久的に過剰な栄養分を吸収し続けることができ、よって、湖1の湖水から過剰な栄養分を除去し続けることができる。
【0136】
また、湖1の湖水から過剰な栄養分を除去し続けられることで、該過剰な栄養分が該湖1の底部に堆積することを良好に抑制することができる。
【0137】
また、湖1の水中に存在する人体に悪影響を及ぼし得る重金属をも半永久的に除去し続けることができ、これにより、湖1を一層良好に浄化することができる。
【0138】
また、浮島21と湖1とは、該湖1の底部のアンカー27と湖面との距離よりも長めに設定した連結部材25により連結したため、湖1の水位の上下動に連動して浮島21が上下動することができ、よって、例えば水位の上昇によって浮島21が湖水中に沈んでしまうことはなく、植物4は良好に生育し、湖1の浄化は良好に行われる。
【0139】
また、湖1の湖面に植物4を植生できる浮島21を形成するため、湖面に生物生息空間を創出することができる。
【0140】
また、浮島21で湿性植物等の植物4を植生できるため、湖1に新たな景観を形成することができる。
【0141】
また、湖1の湖面に浮島21を形成することで、消波効果を発揮し、湖岸保全を行うこともできる。
【0142】
尚、第四実施例は、浮島21が湖1の湖面に浮くようにしたが、浮島21が湖水中に水没するようにしても良い。また、この場合には、植物4として、第三実施例で採用したような沈水植物や浮葉植物等の湿性植物を採用すると良い。
【0143】
第一実施例から第四実施例に示した本実施例は、湖等の閉鎖水域から過剰な栄養分を除去できるだけでなく、該閉鎖水域から人体に悪影響を及ぼし得る重金属をも除去することができる画期的な技術といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例の人工の湿地帯を形成する一過程を示す説明図である。
【図2】 第一実施例の人工の湿地帯を形成する一過程を示す説明図である。
【図3】 第一実施例の人工の湿地帯を形成する一過程を示す説明図である。
【図4】 第一実施例の人工の湿地帯を示す説明図である。
【図5】 第二実施例の人工の湿地帯を示す説明図である。
【図6】 第三実施例の湖の底部に該湖を浄化し得る区画部を形成する一過程を示す説明図である。
【図7】 第三実施例の湖の底部に形成した該湖を浄化し得る区画部を示す説明図である。
【図8】 第四実施例の浮島を示す説明図である。
【符号の説明】
1 水域
2 底泥
3 ゼオライト層
3’ ゼオライト部
4 植物
5 区画体(仕切り体)
6 区画部(仕切り部)
7 ゼオライト層
8 透水シート
9 植生土壌

Claims (8)

  1. 富栄養化された湖沼,ダム湖,閉鎖海岸等の水域を浄化する方法であって、前記水域の底部に設けた区画体で該水域の一部を区画した区画部に、前記水域の底泥を充填し、この底泥上にゼオライトを敷設して該底泥に含まれる過剰な栄養分を吸収するゼオライト層を形成し、このゼオライト層上で植物を該ゼオライト層中に吸収された栄養分により植生し、この植物が摂取した分の前記栄養分を前記底泥からゼオライト層に補充し、この繰り返しにより前記水域を浄化することを特徴とする水域浄化方法。
  2. 請求項1記載の水域浄化方法において、前記ゼオライト層として、前記ゼオライトに汚泥を混合したゼオライト混合物から成るゼオライト層を採用したことを特徴とする水域浄化方法。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記水域の前記底泥上に前記ゼオライトを敷設する前に、前記底泥上に前記植物の苗や地下茎や種子を混合した植生土壌を敷設し、この植生土壌上に前記ゼオライトを敷設して前記ゼオライト層を形成することを特徴とする水域浄化方法。
  4. 請求項3記載の水域浄化方法において、前記植物の種子として、ヨシ,ガマ,マコモ,フトイ,コウホネ,オランダガラシ若しくはオオフサモの種子を採用したことを特徴とする水域浄化方法。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記区画体として、前記ゼオライトをブロック状としたゼオライトブロックを採用したことを特徴とする水域浄化方法。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記区画部と残余の前記水域とを前記ゼオライト層の上方位置において通水可能に連通せしめることで該区画部を湿地帯とすることを特徴とする水域浄化方法。
  7. 請求項〜6いずれか1項に記載の水域浄化方法において、前記区画部に前記水域の前記底泥を充填する際、所定厚さに前記底泥を充填した後、この底泥上に前記ゼオライトを敷設してゼオライト層を形成し、続いて、このゼオライト層上に所定厚さに前記底泥を充填し、更に、この底泥上に前記ゼオライトを敷設して該底泥上に前記ゼオライト層を形成することを特徴とする水域浄化方法。
  8. 請求項7記載の水域浄化方法において、前記底泥と前記ゼオライト層との間に透水シートを敷設することを特徴とする水域浄化方法。
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