JP4242254B2 - 熱溶着装置 - Google Patents
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この一体化された熱溶着装置Aを溶着機Bに取り付ける場合には、図16に示すように、溶着機Bの取付部200に摺動自在に取り付けられている取付具201のV溝202に熱溶着装置Aの冷却用エアーパイプ103を組み込んだ後、固定板203にて押さえ、次にネジ204を締め付けることにより固定板203を冷却用エアーパイプ103へ押圧し、これにより熱溶着装置Aを取付部200に固定するものである。
このようにして溶着機Bに取り付けて用いられる熱溶着装置としては、次のようなものが公知である。
a,従来の熱溶着装置は、抵抗発熱体、電線、冷却用エアーパイプ、が支持部材で一体的に固定されているため、熱溶着装置の交換時には位置出しの再調整が必要であり、この調整が十分に成されていないと所望する精度が出ず、その結果、溶着強度にバラツキが生じてしまうことから、全てを交換しなければならない。
b,さらに、熱溶着装置の位置出しに伴う調整は時間がかかるため、生産を止めたり操業終了後行うなど業務の進行がスムーズにいかない。
c,熱溶着装置全体を交換するため、大きな経費がかかる。
本発明は、上記a、b、cの課題を解決するために発明されたものであり、その目的は、熱溶着装置の交換時における位置合わせ等の時間を短縮し、さらに、溶着の精度を維持できると共に、抵抗発熱体が損傷した際に、交換に大きな経費がかからないで済む熱溶着装置を提供することにある。
b.前記溶着チップには、先端面に当接面を形成した円筒状を呈したチップ本体と、このチップ本体において、前記当接面の後方にはエアー逃し用のスリットを180°位置において後端面から2ヶ所対称的に形成することにより、チップ本体の後方を二股状に形成して+と−極の受電端子部を夫々形成すると共に、この受電端子部間に冷却用エアーパイプ組込穴を形成したこと、
c.前記熱溶着装置本体には、前記溶着チップの受電端子部に対して接続自在の電極と、前記溶着チップの冷却用エアーパイプ組込穴内に絶縁部材を介して嵌合自在の冷却用エアーパイプと、前記電極間及び冷却用エアーパイプ間を絶縁状態に保持しながら一体化している絶縁材製の支持部材を形成したこと、
d.前記溶着チップと電極に夫々ネジ孔を形成し、このネジ孔に止めネジをねじ込んで双方を固定することができるように形成したこと、
e.を特徴とするものである。
この発明によると、溶着チップが損傷したり、別の形状のものに交換したい場合に、溶着機に固定した溶着装置本体はそのままにして、溶着チップだけを差し替えることができる。
a.溶着チップを交換自在としたことで、溶着チップが損傷等した時、あるいは溶着チップの当接面の形状等を変えたい時には、溶着装置本体側は溶着機に取り付けたまま、溶着チップだけを交換すれば良く、作業が簡単である。
b.溶着チップだけを交換できるため、固定されている冷却用エアーパイプの取付ネジを緩めることなく、また、電線を取り外すことなく、先端の溶着チップのみを交換できることから、組み込み寸法精度を保つことができる。
c.溶着チップのみを交換自在としたことで、交換に付随する問題要因箇所が集約できる。
d.溶着チップを交換自在としたことで、溶着チップのみの交換であり、交換、及び調整時間の短縮が可能である。また、交換時間の算出が可能になり、作業がスムーズに進められる。
e.溶着チップの交換だけで済むので、大きな経費がかからない。
カートリッジ式チップについて説明すると、このチップは、先端にカップ状の当接面を持つ筒状の中空体であり、更にその側面には前記当接面から後端の開口部に向けて冷却用エアーを外部に排出するためのスリットが形成されている。そして、このスリットにより、チップの後部は二股状に別れていて、一方が+極、もう一方が−極の受電端子部となっている。
また、ネジで固定するタイプの場合、カートリッジ式チップの側面には、固定用のネジ孔が形成されている。
一方、カートリッジ式チップの着脱において、圧入タイプにおいては、受電端子部が更に後方に延長されていて、この延長部が圧入部となる。
溶着装置本体は、カートリッジ式チップに電圧を印加するための電極、冷却用エアーパイプが、円筒型セラミック製の支持部材で一体化されている。
大径部6から開口部3へは、大径部6より薄肉となり、かつその内径が後述する支持部材の外形とほぼ同等な寸法となるように形成されている。
図2はカートリッジ式チップ1へネジ止めし、電圧を印加するための電極11、11aを示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。この電極11、11aは、平板状から成り、先端側にはカートリッジ式チップ1の受電端子部3a、3bに夫々ネジ止めするためのネジ孔12が設けてある。
図3はカートリッジ式チップ1の内側にエアーを吹きかけるための冷却用エアーパイプ13である。このパイプ13は、金属製の中空体で、先端側には一段細く形成した係合部14が形成され、この係合部14はカートリッジ式チップ1の空洞10内にセラミックで形成された絶縁部材13aを介して嵌合し、後端には冷却用エアー供給装置(図示せず)から延長されたエアーチューブを接続するための接続部15が形成されている。
冷却用エアーパイプ13の先端側には、あらかじめ円筒型セラミックで形成された絶縁部材13aが取り付けてあり、冷却用エアーパイプ13をカートリッジ式チップ1内に開口部3側から挿入して嵌合したときに、絶縁部材13aの材質である円筒型セラミックで、カートリッジ式チップ1の異極同士がショートするのを防止している。
次に、熱溶着装置本体について、先ずその製造方法から説明する。
まず、予め冷却用エアーパイプ13と結合した絶縁部材13aの部分を上方からパイプ挿入孔32内に挿入し、一対の電極11、11aを上方から電極孔32内に組み込む。
次に、充填室31へ耐熱樹脂(例えば、金属粉入りエポキシ樹脂)を流し込んで冷却用エアーパイプ13及び電極11を孔内にある部分を除き充填室31内においてインモールドする(図5)。その上で、耐熱樹脂の固化を待ち、治具30の充填室31内から冷却用エアーパイプ13と電極11、11aを取り出すと、この電極11、11a、絶縁部材13a、冷却用エアーパイプ13は充填室31の形を有する支持部材16で一体化される。これが熱溶着装置本体20である。
図6は、カートリッジ式チップ1と溶着装置本体20を組み立てる前の図である。カートリッジ式チップ1の開口部3内に冷却用エアーパイプ13の絶縁部材13a側を挿入した後、ネジ21を電極11、11aのネジ孔12及びカートリッジ式チップ1側のネジ孔5内にねじ込むことにより、カートリッジ式チップ1側と電極11、11aを固定する。
なお、この固定を行う時、ネジ21が緩まないようネジ21と電極11、11aの間にはスプリングワッシャー22と平ワッシャー23を入れてネジ止めする。このことによりネジ21の緩みを防ぎ、カートリッジ式チップ1の固定が確実となり、溶着時のズレ発生を防ぐことができる。以上により、カートリッジ式チップ1と溶着装置本体20が一体化されて熱溶着装置となる。
完成した熱溶着装置は、図16において説明した溶着機Bに対し、従来方法と同じ方法で取り付け、各電極11、11aへは、電源装置(図示せず)から延長されたリード電線(図示せず)を接続して給電可能とする。その上で、成形品側との微細な溶着の位置合わせを行い、溶着が行われる。
カートリッジ式チップ1の交換時には、溶着装置本体20を溶着機Bの取付部200に取り付けたままで、ネジ21、スプリングワッシャー22、平ワッシャー23を取りはずし、使用する別のカートリッジ式チップと前述したカートリッジ式チップ1とを溶着装置本体20に装着し、再度ネジ21を締める。溶着ボスとの位置合わせは溶着装置本体20を取り付ける最初の時点で調整済のため、再度調整の必要はなく、精度は保たれ、バラツキが発生しない。
このように、カートリッジ式チップに損傷が発生したようなときに、カートリッジ式チップ1のみの交換で済むので、位置修正を含め、従来では、20分を要していた交換作業が、本発明によると約2分で終った。
図8(a)はカートリッジ式チップ1の斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のE−E断面図、(d)は(b)のF−F断面図である。
本参考例2のカートリッジ式チップ1については、先端に溶着ボスへ当接する当接面2を形成し、他方が開放されている開口部3をもつ中空形状であるとともに、側面には当接面2から開口部3へ延びる複数のスリット4を有し、後端側には、電極11、11aに具備された固定部19の正面に形成された取付孔17a、17b内(図9、10参照)に挿入される受電端子部3a、3bが形成されている。
この受電端子部3a、3bは、取付孔17a、17b内に挿入されるため、受電端子部3a、3bは取付孔17a、17bの長さに合うよう、また、取付孔17a、17b内にある板バネ18によって十分押さえられる長さに設定されている。
また、実施例1と同様にカートリッジ式チップ1の内部へエアーを噴射する冷却用エアーパイプ13と、冷却用エアーパイプ13を受ける円筒型セラミック製の絶縁部材13aが組み込まれている。
これら電極11、11a、冷却用エアーパイプ13、絶縁部材13aを実施例1同様に治具30を用いて耐熱樹脂からなる支持部材で一体化したことで溶着装置本体20が完成し熱溶着装置本体200へ取付時に精度を保つことができる。
カートリッジ式チップ1の交換時には、そのままカートリッジ式チップ1を引いて取りはずし、交換用の別のチップに絶縁部材13aを嵌めるのと同時に、カートリッジ式チップ1の受電端子部3a、3bを取付孔17a、17b内に挿入し、板バネ18で押さえる。位置合わせは冷却用エアーパイプ13が最初の時点で調整固定されているので、再度調整の必要はなく、精度は保たれ、バラツキが発生しない。またカートリッジ式チップ1のみの交換で済むので、この場合も、従来位置修正を含めて交換作業に約20分かかっていたものが、約2分で終了した。
2 当接面
3 開口部
3a、3b 受電端子部
4 スリット
5 ネジ孔
6 大径部
7 側面
8 段部
9 空洞
10 空洞
11、11a 電極
12 ネジ孔
13 冷却用エアーパイプ
13a 絶縁部材
14 係合部
15 エアーチューブ接続部
17a、17b 取付孔
20 溶着装置本体
21 止めネジ
22 スプリングワッシャー
23 平ワッシャー
30 治具
31 充填室
Claims (1)
- a.プラスチック成形品に一体成形された溶着ボスを熱変形又は熱溶融させて被固定物を前記プラスチック成形品に固定する際に用いられる熱溶着装置であって、電圧の印加により発熱し、前記溶着ボスに当接させて熱変形又は熱溶融を行う溶着チップと、この溶着チップに電圧を印加し、併せて冷却用エアーを吹き込む熱溶着装置本体とを着脱自在に形成してなる熱溶着装置において、
b.前記溶着チップには、先端面に当接面を形成した円筒状を呈したチップ本体と、このチップ本体において、前記当接面の後方にはエアー逃し用のスリットを180°位置において後端面から2ヶ所対称的に形成することにより、チップ本体の後方を二股状に形成して+と−極の受電端子部を夫々形成すると共に、この受電端子部間に冷却用エアーパイプ組込穴を形成したこと、
c.前記熱溶着装置本体には、前記溶着チップの受電端子部に対して接続自在の電極と、前記溶着チップの冷却用エアーパイプ組込穴内に絶縁部材を介して嵌合自在の冷却用エアーパイプと、前記電極間及び冷却用エアーパイプ間を絶縁状態に保持しながら一体化している絶縁材製の支持部材を形成したこと、
d.前記溶着チップと電極に夫々ネジ孔を形成し、このネジ孔に止めネジをねじ込んで双方を固定することができるように形成したこと、
e.を特徴とする熱溶着装置。
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