JP4241925B2 - ホリニン酸のジアステレオマー塩の製造および分離法 - Google Patents

ホリニン酸のジアステレオマー塩の製造および分離法 Download PDF

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Description

本発明は、抗腫瘍治療において、アミノプテリン又は、メトトレキセートという拮抗薬のような葉酸拮抗薬に対する解毒剤として、そのカルシウム塩の形で使用されるホリニン酸の塩の立体異性体類の製造、分離および精製法に関する。実際にこれらの物質は、生体内における葉酸の代謝を遮断して、ジヒドロ葉酸のテトラヒドロ葉酸への変換を妨げる。これに反して、別の抗腫瘍薬、すなわち5−フルオロアシル、と組み合わせると、ホリニン酸カルシウムは葉酸の活性を増大させる。ホリニン酸カルシウム塩はまた、葉酸塩の欠乏からおこるすべての貧血状態にも使用される。
本発明の方法は、2つのジアステレオマー形の上記塩を便利に高収率でしかも高光学純度で製造することを可能にする。
ホリニン酸、N−(5−ホルミルー(6RS)−5,6,7,8−テトラヒドロプテロイル)−L−グルタミン酸、は合成によって得られるときは、2つのジアステレオマー形、各々(6R)および(6S)、の等モル混合物より成る。
カルシウム塩として(6S)−異性体のみが所望の薬理学的活性をかなえることは公知であり;そのため上記の光学的に純粋な(6S)形の製造を可能にする方法が広く研究されてきた。
不斉合成によって(6S)異性体を得るためにいくつかの試みがなされた[リース・エル(Rees L.)、バレンテ・イー(Valente E.)、サックリング・シー・ジェイ(Suckling C.J.)、ウッド・エイチ・シー・エス(Wood H.C.S.)−テトラヘドロン(Tetrahedron)第42巻−第1号、第117−136ページ、1986年;リース・エル(Rees L)、サックリング・シー・ジェイ(Suckling C.J.),ウッド・エイチ・シー・エス(Wood H.C.S.)−J.Chem.Soc.,Chem.Commun.、第470−472ページ、1987年、ブランナー・エイチ(Brunner H.)、フーバー・シー(Huber C.)、ドゥブラック・ピー(Dublack P.)、EP 551642−Al(BASF−AG)]が、しかしどれも工業的に成功であるとはいえなかった。このため、アール・アンド・ディー(R&D)の仕事のほとんどは、例えばシー・テンプル(C.Temple)および協力者により記述されたもの[US 4,148,999;US 4,206,307;J.Med.Chem.22;731(1979)]のような公知の合成法により得られる(6RS)ジアステレオマー混合物の分離に集中した。
上記の等モル混合物からの(6R)および(6S)ジアステレオマーの分離に関連する技術の状態の例は、以下のリストにより与えられる:US 2,688,018;EP−A 0266042;EP−A 0348641;EP−A 035934;EP−A 0367902;EP−A 0432441;EP−A 0455013;EP−A 0495204;WO 9113890;WO8808844;WO 9317022。
全体的な収率に関連するかまたは得られるジアステレオマーの光学純度に関連して、工業的生産に関する限り問題はまだ解決されていない。
本発明は、公知の重要な中間体、すなわち(6RS)−5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸塩化物塩酸塩[例えばシー・テンプル(C.Temple);US 4,148.999;US 4,206,307;J.Med.Chem.22,731(1979)に従って得られる]から出発して、ホリニン酸の少なくとも二塩基性の有機アミンとのジアステレオマー塩の製造、分離および単離を可能にして、次の、所望の相当するカルシウム塩への変換が別の複雑な精製段階を実施しなくても可能であるほど高い化学的および光学的純度水準が得られ、そのため工業的見地から明確な利点を与える方法に関する。
反応工程1で報告するように、ホリニン酸カルシウム塩は通常(S)−グルタミン酸に相当する分子の部分に(S)キラル中心を含む葉酸から出発して製造される、プテリン残基の5−および6−位の間の二重結合の水素化によって、新しいキラル中心が、(6RS)配置をもつ6位に形成される。これに続く5−位の窒素のホルミル化により(6RS)−5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロー葉酸ホルメートが製造される。塩酸を用いる酸性化によって相当する塩化物塩酸塩の結晶化が得られる。
反応工程1
Figure 0004241925
この中間体を、好ましくは強無機塩基(例えばNaOH)で、またはトリエチルアミンのような強塩基性有機モノアミンで、そして厳密に制御されたpH条件下で、加水分解する。
ホリニン酸のジアステレオマー塩類の混合物を、相当するカルシウム塩の混合物に変換する(CaCl2で)。この混合物をエタノールから沈殿させると、粗製の(6RS)ホリニン酸カルシウムが得られるが、このものは種々の精製段階により精製される。精製された(6RS)ホリニン酸カルシウムの水溶液を酸で処理することにより、(6RS)ホリニン酸が沈殿し、このものは簡単にジアステレオマー分離することができる。
上記の一連の操作は、特に(6RS)−5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸塩化物塩酸塩の加水分解の反応の特異性が非常に高いわけではないという事実のために、非常に複雑であり;その結果数多くの不純物が生成されて反応収率の低下をひきおこし、そのためホリニン酸カルシウムの精製は、ホリニン酸の単離およびそれに続くジアステレオマーの分離の前に実施されなくてはならない。
今回驚くべきことに、先行技術の方法に反して、上記の加水分解反応は、適当な量の、少なくとも二塩基性の有機アミン(このものは、この反応の高い変換および選択性を可能にする)より成る比較的弱い塩基の存在において実施することができることがわかった。その上、上記のジアミンは、その加水分解作用に加えて同時に、形成されたホリニン酸に対する塩化剤として作用する。
結局、(6RS)−ホリニン酸のジアミンとのジアステレオマージアミン塩の混合物を含有する最終的な粗製溶液は、通常は95%より高い光学純度で、2つのジアステレオマー形のうちの1つを選択的に結晶化させるために直接使用することができる。
使用するジアミンの型は結晶化の選択性に大きく影響し:例えば(6S)ジアミン塩を最初に単離することができ、そして次に相当する(6R)形を結晶化母液から回収することができる。例えばこのことは、二塩基性アミンとしてピペラジンを使用するときに起こる。
反対の結果も同じように達成することができる。塩基としてエチレンジアミンを使用するときは、結晶化する最初の異性体は(6R)塩であり、相当する(6S)形は、さらに結晶化を行うことによって次に母液から回収することができる。
加水分解反応の粗製溶液からの水溶性の小さい方のジアステレオマー塩の選択的な結晶化は、公知方法(WO 9317022,BRACCO)に従って実施することができる。好ましくは、より水溶性の小さい形のものの結晶化を促進するために、上記溶液を、非プロトン性(aprotic)双極性溶媒または有機プロトン性溶媒あるいはこれらの混合物のような溶媒で適当に希釈する。
一方、溶液中に残っている反応の不純物および副生成物の除去は、ジアミン塩の丁度1回の再結晶で99%より高い光学純度が得られるような程度まで達成される。
最も好ましい場合には、加水分解から導かれる粗生成物から直接結晶化されるジアミノホリネート(diamino folinate)ジアステレオマーの光学的ならびに化学的純度は非常に高くて、それ以上精製することなく上記の塩を相当するカルシウム塩に簡単に変換することが可能である。
(6RS)−5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸塩化物塩酸塩のホリニン酸のジアミン塩への加水分解反応の化学量論は、使用するジアミンのアミノ基の塩基性度に依存する。
例えば、エチレンジアミンおよび1,3−ジアミノー2−プロパノールは、出発生成物に対して2:1のモル比で(すなわち中和されるべき酸の量に対して化学量論比で)使用される。前記のものよりも塩基性の弱いピペラジンおよびN,N−ジメチルピペラジンについては、3:1のモル比が好ましい。この場合でさえ、残っているジアミン2モルの各々が1当量の塩酸を中和する(例えばピペラジンモノ塩酸塩を与える)ので、得られるジアステレオマー塩は、1:1モル比のホリニン酸およびジアミンより成る。
適当な少なくとも二塩基性の有機アミンは、少なくとも1個の、置換または非置換で少なくとも2個の炭素原子より成る炭化水素鎖によって結合されている少なくとも2個のアミノ基を含む、脂肪族、直鎖状、環式または複素環式の、置換または非置換の、ラセミまたは光学活性のアミン群から選択することができる。
特に好ましいアミンは、一般式(I)ないし(III)のジアミン類である:
Figure 0004241925
[式中:
1→R8は、同一であるかまたは異なっていて、Hであるかまたは、1−4個のOH基によって置換されているかまたは非置換の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基であり;
9→R10は、同一であるかまたは異なっていて、R1−R8と同じ意味を有するかまたはヒドロキシ基を表し;
nは、0から6までの整数であり;
mは、2から8までの整数である]。
特に好ましいアミンの例は:エチレンジアミン、1,2−ジアミノープロパン、1,3−ジアミノープロパン、1,3−ジアミノー2−ヒドロキシープロパン、(シス)−1,2−ジアミノーシクロヘキサン、(トランス)−1,2−ジアミノーシクロヘキサン、ピペラジン、1,4−ジメチルーピペラジン、2−メチルーピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、から選択される。
ホリニン酸塩と上記アミンとのジアステレオマー混合物の結晶化のための適当な溶媒は好ましくは、水/有機非プロトン性双極性溶媒または水/有機非プロトン性双極性溶媒/有機プロトン性溶媒の二成分または三成分混合物である。
好ましい非プロトン性双極性溶媒は、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルーピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)である。
好ましい有機プロトン性溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ホルムアミド、N−メチルーホルムアミドである。
本発明の方法を、出発生成物として好ましくはシー・テンプル(C.Temple)により記載された手順[US 4,148,999;US 4,206,307;J.Med.Chem.22,731(1979)]に従って製造される(6RS)−5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸クロリド塩酸塩を、そしてジアミンの例としてピペラジンを、使用することにより下記の反応工程2で説明する。
反応工程2
Figure 0004241925
(6RS)−5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸クロリド塩酸塩の加水分解。
この反応は好ましくは、下記の条件下で実施される:
・酸/ジアミンモル比:1:2ないし1:4、好ましくは1:2ないし1:3.2
・溶媒:水、または重量比1:0.5ないし1:20の水/非プロトン性双極性溶媒混合物(例えばDMAC)
・酸/溶媒混合物希釈比:1:2ないし1:80w/w、好ましくは1:4ないし1:45w/w
・温度:60ないし100℃
・反応時間:3時間ないし12時間、好ましくは5時間ないし8時間。
この反応は、好ましくは不活性ガス雰囲気下で実施される。
加水分解後の粗製溶液からのホリニン酸ジアミンの水溶性の小さいジアステレオマーの優先的(選択的)結晶化。
一旦加水分解反応が終わったとき得られる粗製溶液を冷却し、次に下記の方法のいずれか一つに従って処理する:
・できる限りさらに非プロトン性双極性溶媒(例えばDMAC)で希釈して、水/非プロトン性双極性溶媒比を好ましくは最大1:60w/wまで増大させる。
・必要があれば、好ましくは最大重量が溶液の重量の12倍になるように、さらに有機プロトン性溶媒(例えばEtOH)を添加する。
この結晶化は、一般に0ないし25℃の範囲の温度で10ないし120時間、好ましくは24ないし72時間、実施する。
ジアミン塩の、相当するカルシウム塩への変換。
変換は、水溶液中、過剰のカルシウム塩(好ましくはCaCl2)の存在においてほぼ中性pHで、好ましくは下記の条件下で起こる:
・希釈比ジアミン塩/水:1:4ないし1:40w/w、
好ましくは1:8ないし1:15w/w
・ジアミン塩/CaCl2・2H2O比:1:1ないし1:6w/w、
好ましくは1:3ないし1:5w/w
・温度:5ないし25℃
・結晶化時間:10ないし60時間
・pH:6.5と7.5との間、必要ならばIN NaOHを添加する。
残りの母液からは、もし必要ならばジアミノホリネート[使用したジアミンに従って、各々(6S)または(6R)]の選択的結晶化後に、他方のジアステレオマーさえも極めて高い光学純度で回収することができる。
好ましい条件は、基本的には、WO 9317022(BRACCO)に開示されたものと同様であり、適当な溶媒または溶媒混合物を用いて母液を希釈することによる残留するジアステレオマーのジアミン塩の結晶化、その再結晶およびこれに続く相当するカルシウム塩への変換、を包含する。
別法として、カルシウム塩は、出発母液中のジアミン塩から直接得ることができ;回収および精製は公知方法(WO 9317022,BRACCO)に従って実施することができる。
以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
ピペラジンを用いる加水分解および(6S)−ホリニン酸ピペラジンの選択的結晶化。
25gの5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸クロリド塩酸塩をN,N−ジメチルアセトアミド200gおよび水49.0g中に懸濁させる。この懸濁液を、75℃に加熱して、11.28gのピペラジンを加える。溶液を80℃に加熱して、この温度に5時間保つ。次にこれを250gのN,N−ジメチルアセトアミドで希釈して、15℃に冷却する。15℃で48時間の間に結晶化が起こる。結晶固体を濾過し、40gのエタノールで洗浄し、乾燥させる。98%より高い光学純度をもつ(6S)−ホリニン酸ピペラジン9gが得られる。
実施例2
(6S)−ホリニン酸ピペラジンの(6S)−ホリニン酸カルシウムへの変換。
実施例1に従って得た(6S)−ホリニン酸ピペラジン8gを120gの水に溶解させる。32gの塩化カルシウム二水和物を加える。1N NaOHを用いてpHを7に調整した後、16℃に24時間おくと結晶化が起こる。結晶した固体を、濾過し、エタノール水溶液で洗浄し、乾燥させる。99%より高い光学純度をもつ(6S)−ホリニン酸カルシウムが6g得られる。この生成物を水に再溶解させ、エタノールを添加することによって再沈殿させる。光学純度が99%より高く、塩化物イオンを含まない(6S)−ホリニン酸カルシウムが、5.7g得られる。
実施例3
実施例1の結晶母液からの粗製(6R)−ホリニン酸ピペラジンの単離。
エタノール270gを、実施例1の母液に加える。この溶液は、5℃に64時間おくと結晶化する。次に、沈殿した固体を濾過して除き、エタノール40gで洗浄する。90%より高い光学純度をもつ(6R)−ホリニン酸ピペラジンが8g得られる。
実施例4
高い光学純度(>99%)をもつ(6R)−ホリニン酸ピペラジンの製造。
実施例3に従って得られる(6R)−ホリニン酸ピペラジン6gを、50℃で水20gおよびN,N−ジメチルアセトアミド110gに溶解させる。この溶液を25℃に冷却した後、20gのエタノールを加えて、溶液を5℃に冷却する。生成物は、5℃に64時間おくと結晶化する。この結晶を濾過し、エタノールで洗浄し、乾燥させる。99%より高い光学純度の(6R)−ホリニン酸ピペラジンが5.0g得られる。
実施例5
(6R)−ホリニン酸ピペラジンの(6R)−ホリニン酸カルシウムへの変換。
実施例4に従って得た(6R)−ホリニン酸ピペラジン4gを、20gの水に溶解させる。20gの水に溶解させた12gの塩化カルシウム二水和物を加える。1N NaOHでpHを7に調整する。100gのエタノールを加えて、(6R)−ホリニン酸カルシウムを沈殿させる。99%より高い光学純度の(6R)−ホリニン酸カルシウムが、3.2g得られる。
実施例6
エチレンジアミンによる加水分解および粗製(6R)−ホリニン酸エチレンジアミンの選択的結晶化。
30gの5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸クロリト塩酸塩を水176gおよびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)204g中に懸濁させる。この懸濁液を、80℃に加熱し、DMAC26.9gおよび水23.1g中の6.3gのエチレンジアミンの溶液を3.5時間かけて滴加して、かくはんしながら5時間80℃に保持する。この溶液を5℃に冷却して、24時間放置する。結晶した固体を濾過して、エタノール15gで洗浄した後、乾燥させる。光学純度95.5%の(6R)−ホリニン酸エチレンジアミンが、10.3g得られる。
実施例7
実施例6の母液から出発する(6S)−ホリニン酸エチレンジアミンの単離。
42.5gのDMACを、実施例6の母液に加える。溶液を10℃に冷却し、(6)−ホリニン酸エチレンジアミンの種を入れる。92時間後に、結晶した固体を濾過し、10gのエタノールで洗浄した後、乾燥させる。光学純度99%の(6)−ホリニン酸エチレンジアミンが2.6g得られる。
実施例8
実施例6の母液から出発する(6S)−ホリニン酸カルシウムの製造。
80gの塩化カルシウム二水和物を、実施例6の母液に加える。900gのエタノールを添加した後、溶液を、30分間かくはんし続け、沈殿を濾過して、40gのエタノールで洗浄する。生成物を乾燥させた後、水に再溶解させ、エタノールを加えることによりpH7で再沈殿させる。光学純度75%の(6S)−ホリニン酸カルシウムが16g得られる。この生成物を、pH7で、4重量部の塩化カルシウム二水和物の存在で水から3回再結晶させる。水に溶解させ、エタノールを用いて沈殿させた後、99%より高い光学純度の(6S)−ホリニン酸カルシウムが5g得られる。
実施例9
高い光学純度(>99%)の(6R)−ホリニン酸エチレンジアミンの製造。
実施例6に従って得た(6R)−ホリニン酸エチレンジアミン5gを、100gの水/N,N−ジメチルアセトアミド1:1、16w/wから再結晶させる。99%より高い光学純度の(6R)−ホリニン酸エチレンジアミンが4g得られる。
実施例10
(6R)−ホリニン酸カルシウムの製造。
実施例9に従って得た(6R)−ホリニン酸エチレンジアミン3.5gを20gの水に溶解させる。水15g中の12gの塩化カルシウム二水和物の溶液を加える。1N NaOHでpHを7に調整し、50gのエタノールを加えて、(6R)−ホリニン酸カルシウムを沈殿させる。99%より高い光学純度の(6R)−ホリニン酸カルシウムが3g得られる。
実施例11
1,3−ジアミノ−2−プロパノールを用いる加水分解および(6R)−ホリニン酸1,3−ジアミノ−2−プロパノールの選択的結晶化。
30gの5,10−メテニルー5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸クロリド塩酸塩を、水100gおよびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)220g中に懸濁させる。この懸濁液を、80℃に加熱した後、水80g中の9.5gの1,3−ジアミノー2−プロパノールの溶液を、3.5時間かけて滴加する。添加が終わった時、溶液を5時間80℃に放置する。5℃まで冷却後に、48時間で結晶化が起こる。結晶した生成物を濾過し、15gのエタノールで洗浄した後、乾燥させる。光学純度95%の(6R)−ホリニン酸1,3−ジアミノー2−プロパノールが9.5g得られる。
実施例12
(6S)−ホリニン酸1,3−ジアミノー2−プロパノールの製造。
45gのDMACを、実施例11の母液に加える。溶液を5℃に冷却し、5℃で2日間かくはんをを続ける。結晶した生成物を濾過し、5gのエタノールで洗浄し、乾燥させる。98%より高い光学純度の(6S)−ホリニン酸1,3−ジアミノー2−プロパノールが2.5g得られる。

Claims (8)

  1. (6RS)−5,10−メテニルー5,6,78−テトラヒドロ葉酸クロリド塩酸塩の加水分解および該6Rおよび6S異性体を分離することを含むホリニン酸塩の(6S)および(6R)ジアステレオマーを調合、分離および精製する方法であって、
    該加水分解を水中または水/非プロトン性双極性溶媒混合物中で少なくとも二塩基性のアミンを用いて実施すること、該非プロトン性双極性溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N―メチルーピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドから選択されること、および得られた(6RS)ホリニン酸から前記(6S)および前記(6R)ジアステレオマー二塩基性アミン塩を前以て精製することなく、前記加水分解によって得られた粗製溶液から直接選択的結晶化によって分離し、場合によってはカルシウム塩に変換することを特徴とする方法。
  2. 上記の少なくとも二塩基性のアミンが、一般式(I)ないし(III)
    Figure 0004241925
    [式中:
    1〜R8は、同一であるかまたは異なっていて、Hであるかまたは、1−4個のOH基によって置換されているかまたは非置換の直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり;
    9〜R10は、同一であるかまたは異なっていて、R1−R8と同じ意味を有するかまたはヒドロキシ基を表し;
    nは、0から6までの整数であり;
    mは、2から8までの整数である]
    のジアミン類から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 好ましいアミンが:エチレンジアミン、1,2−ジアミノ−プロパン、1,3−ジアミノ−プロパン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシ−プロパン、(シス)−1,2−ジアミノ−シクロヘキサン、(トランス)−1,2−ジアミノ−シクロヘキサン、ピペラジン、2−メチル−ピペラジン、1,4−ジメチル−ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記(6S)および前記(6R)ジアステレオマーの二塩基性アミン塩のうちの溶解度の小さい方のジアステレオマーの二塩基性アミン塩の沈殿を、非プロトン性双極性溶媒と有機プロトン性溶媒との混合物の添加によって得る、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記有機プロトン性溶媒が:メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ホルムアミド、N−メチル−ホルムアミド、から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. さらに、各々1:0.5(w/w)ないし1:20(w/w)の範囲の比率の水/非プロトン性双極性溶媒混合物、または水/非プロトン性双極性溶媒/有機プロトン性溶媒混合物から前記(6S)および前記(6R)ジアステレオマーの二塩基性アミン塩各々を再結晶させて、99%より高い光学純度の前記(6S)および前記(6R)ジアステレオマーの二塩基性アミン塩を得ることを包含する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. さらに、前記(6S)および前記(6R)ジアステレオマーの二塩基性アミン塩各々の、99%より高い光学純度の対応するホリニン酸カルシウム塩への変換を包含し、この変換が、水中で、CaCl2前記(6S)および前記(6R)ジアステレオマーの二塩基性アミン塩の重量比が1から6までの範囲のCaCl2の存在において、温度0ないし35℃、pH値6ないし7の範囲で実施される、請求項1に記載の方法。
  8. さらに、前記(6S)および前記(6R)ジアステレオマーの二塩基性アミン塩のうち溶解度の小さい方のジアステレオマーの二塩基性アミン塩を分離した後の前記粗製溶液である母液から残留する他方のジアステレオマーの二塩基性アミン塩を回収するに際し、この回収が:
    上記の母液を、前記他方のジアステレオマーの二塩基性アミン塩が沈殿するまで非プロトン性双極性溶媒または有機プロトン性溶媒で希釈すること;
    濾過し、99%より高い光学純度の前記他方のジアステレオマーの二塩基性アミン塩を得るために上記溶媒混合物から該他方のジアステレオマーの二塩基性アミン塩を再結晶させること;
    または:
    上記の母液を、前記他方のジアステレオマーの二塩基性アミン塩/CaCl2の重量比1:6w/wまでの過剰のCaCl2で処理し、次いで有機プロトン性溶媒で希釈し、沈殿した粗製カルシウム塩を濾過し、そして最後に水から再結晶させること;
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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