JPH072741B2 - (−)−16−ブロモビンカジホルミンおよびその製造方法 - Google Patents

(−)−16−ブロモビンカジホルミンおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH072741B2
JPH072741B2 JP29288487A JP29288487A JPH072741B2 JP H072741 B2 JPH072741 B2 JP H072741B2 JP 29288487 A JP29288487 A JP 29288487A JP 29288487 A JP29288487 A JP 29288487A JP H072741 B2 JPH072741 B2 JP H072741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bromovincadiformin
solvent
tartaric acid
japanese patent
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29288487A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01135786A (ja
Inventor
宏司 高梨
和弘 大蔵
宏 梅沢
正昭 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17787625&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH072741(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kawaken Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP29288487A priority Critical patent/JPH072741B2/ja
Publication of JPH01135786A publication Critical patent/JPH01135786A/ja
Publication of JPH072741B2 publication Critical patent/JPH072741B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な(−)−16−ブロモビンカジホルミン
およびその製造方法に関するものである。本発明の新規
な(−)−16−ブロモビンカジホルミンは、脳循環代謝
改善剤として知られる(+)−11−ブロモビンカミン
〔下記式(II)で示される化合物〕の合成中間体として
極めて有用な化合物である。
従来の技術 ビンカジホルミンの臭化物は、ビンカミン型アルカロイ
ド類の合成原料として知られている(特開昭55−33482
号、特開昭55−33483号、特開昭54−163599号、特開昭5
4−9300号)。これらに開示されているのは、いずれも1
5位の位置に臭素が置換したものであり、本発明に開示
されるものとは異なる。
発明が解決しようとする問題点 (+)−11−ブロモビンカミンは脳循環代謝改善作用が
あり(特公昭58−17474号、特公昭61−11952号)、特に
老人性の脳血管損傷および硬化症の治療薬として注目を
集めている。
(+)−11−ブロモビンカミンは、キョウチクトウ科の
植物から抽出により得られる(+)−ビンカミンを臭素
化して得る方法が公知である(特公昭58−17474号、特
開昭59−80681号)。しかし、これらの方法は天然化合
物から複雑な抽出操作を経てさらに数工程を経由して合
成し、かつ臭素化の位置選択性から10−ブロム体が副生
して繁雑な精製工程を必要とする不利益はまぬがれな
い。
化学的合成により、(+)−11−ブロモビンカミンを製
造する方法もいくつか提案されている(特公昭58−1747
4号、特公昭61−11952号)。しかし、これらの方法は合
成経路が長く、高価な反応試薬を用いなければならない
などの欠点がある。
本発明は、(+)−11−ブロモビンカミンの合成中間体
としてきわめて有用な化合物を提供することを目的とす
る。
問題点を解決するための手段 上記問題点は本発明により解決される。すなわち本発明
は、一般式(I) で示される(−)−16−ブロモビンカジホルミンおよび
その製造方法に関するものである。
本発明の(−)−16−ブロモビンカジホルミンは、文献
未記載の新規な化合物である。
この新規な(−)−16−ブロモビンカジホルミンは本発
明方法によって容易に製造される。すなわち溶媒中にお
いて、(±)−16−ブロモビンカジホルミンに光学活性
な酒石酸を作用させることにより形成される2種のジア
ステレオマー塩を溶解度差を利用して相互に分割するこ
とにより新規な(−)−16−ブロモビンカジホルミンを
製造することができる。
本発明において出発物質となる(±)−16−ブロモビン
カジホルミンは、本出願人の開示した方法(特願昭61−
198644号、特願昭61−310496号)により容易に製造する
ことができる。すなわち、1−メチル−1−メトキシカ
ルボニル−1,2,3,4−テトラハイドロ−β−カルボリン
の7位を特異的に臭素化し(特願昭61−310496号)、酸
の存在下5−ブロモペンタナール化合物を反応させる
(特願昭61−198644号)ことにより(±)−16−ブロモ
ビンカジホルミンが得られる。
本発明方法において光学分割剤として用いられる光学活
性な酒石酸は容易に入手が可能であり、(+)−d−酒
石酸はとくに安価な光学分割剤として各方面で利用され
ている。また、(+)−d−酒石酸を使用することによ
り、有用な(−)−16−ブロモビンカジホルミンの難溶
性の塩が析出するため、(−)−16−ブロモビンカジホ
ルミンを得る目的では安価な酒石酸を利用できることか
ら、非常に有利である。
本発明方法においては、溶媒中に、(±)−16−ブロモ
ビンカジホルミンと光学活性な酒石酸を混合し、加熱溶
解した後、好ましくは(−)−16−ブロモビンカジホル
ミン・(+)−d−酒石酸塩または、(+)−16−ブロ
モビンカジホルミン・(−)− −酒石酸塩の結晶核を
加えた後冷却する。もしくは(±)−16−ブロモビンカ
ジホルミンと光学活性な酒石酸の両者を別々に溶媒に溶
解した後両者を混合し、冷却する。このとき、この溶液
は静置しても撹拌してもよい。
このようにして形成されるジアステレオマー塩は溶解性
が異なるため、1種のジアステレオマー塩が優先的に析
出する。このとき、溶媒の種類、量を適宜選択すること
により、(−)−16−ブロモビンカジホルミンの収量、
光学純度をコントロールすることができる。この際用い
られる溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール、アセトン等の有機溶媒を単独
あるいは混合して用いることができるが、工業的にはア
セトン、メタール主体の混合溶媒が特に好ましい。使用
する溶媒の量は、溶媒の種類により異なるが、精製する
塩に対して適当な倍量を用いればよく、例えばアセトン
−メタノール(3:1)の混合溶媒を用いる場合は、3〜1
0倍量が好ましい。
また、難溶性塩を析出させる温度は、溶媒の種類、量に
より、−10〜50℃位の範囲で可能であるが、操作上の簡
便さから室温付近が特に好ましい。(+)−16−ブロモ
ビンカジホルミンと光学活性な酒石酸の混合モル比も特
に限定されないが、等モル程度ずつ使用するものがもっ
とも効率がよく好ましい。
析出した難溶性塩は濾過等の操作により分離し、必要に
応じこれを再結晶したのち、水溶性の塩基で処理し、遊
離したアミンを有機溶媒で抽出しブロモビンカジホルミ
ンを得る。難溶性塩を分離した液は水溶性の塩基で処理
し、遊離したアミンを有機溶媒で抽出し、次に常圧もし
くは減圧下で有機溶媒を留去して難溶性塩として析出し
たアミンと反対の光学活性アミンを大量に含有するアミ
ンを回収することができる。この回収したアミンを最初
に使用した光学分割剤と反対の光学活性を持つ酒石酸塩
使用すれば同様の操作で最初に得られた光学活性アミン
と反対の光学活性を持つ16−ブロモビンカジホルミンを
高純度で得ることができる。
本発明の(−)−16−ブロモビンカジホルミンから
(+)−11−ブロモビンカミンが容易に合成される。す
なわち、(−)−16−ブロモビンカジホルミンを酸化し
て、N−オキシアスピドスペルミン化合物を得て、次い
で還元、転移することにより脳循環代謝改善剤として有
用な(+)−11−ブロモビンカミンが得られる。
実施例1 (+)−d−酒石酸43.5g(290ミリモル)をメタノール
150gに加温溶解したところに、(±)−16−ブロモビン
カジホルミン120.0g(288ミリモル)をメタノール300g
に加温溶解して加え、30分間還流下撹拌した。還流中徐
々に結晶が析出してきた。その後、撹拌しながら徐冷
し、室温まで冷却した。析出した結晶固体を濾取し、少
量のメタノールで洗浄した。結晶を減圧下で乾燥したと
ころ、(−)−16−ブロモビンカジホルミン・(+)−
d−酒石酸塩74.0g(130ミリモル)が得られた。このも
のの融点は196〜201℃であった。得られた(−)−16−
ブロモビンカジホルミン・(+)−d−酒石酸塩をメタ
ノール−アセトンで再結晶を繰り返したところ、比旋光
度は▲[α]20 D▼=−271°(C=0.230、メタノー
ル)となり、その後、数回再結晶を繰り返したが、比旋
光度に変化は認められなかった。この塩を10%水酸化ナ
トリウム水溶液でフリーのアミンとし、トルエンで抽出
した後溶媒を留去して白色結晶性粉末の(−)−16−ブ
ロモビンカジホルミンを得た。
このものの物性は以下の通りであった。
・融点:161〜162℃ ・比旋光度(▲[α]20 D▼):−476° (C=0.335、クロロホルム) ・MS(m/z):419(5),418(M+,24),416(24),124
(100) 〔カッコ内の数字は相対強度を表す〕 ・NMR(CDCl3)δ値: 0.59(t,3H),0.8−3.2(m,15H), 3.72(s,3H),6.8−7.1(m,3H), 8.82(br s,1H) ・IR(KBr)νmax:3352cm-1(N−H)1674cm-1(C=
O) 上記の光学分割母液を濃縮して、10%水酸化ナトリウム
水溶液でフリーのアミンとし、トルエンで抽出し、脱溶
媒して白色結晶性粉末の(+)−16−ブロモビンカジホ
ルミン64.7g(155ミリモル)を得た。このものの比旋光
度は、▲[α]20 D▼=+377°(C=0.306,クロロホル
ム)であった。
実施例2 (+)−d−酒石酸75.0g(500ミリモル)をメタノール
200gに加温溶解したところに、(±)−16−ブロモビン
カジホルミン208.0g(498ミリモル)をトルエン150gお
よびアセトン500gの混合溶媒に加温溶解して加え、30分
間還流下攪拌した。還流中徐々に結晶が析出してきた。
その後、攪拌しながら徐冷し、−5℃まで冷却した。析
出した結晶固体を濾取し、少量のアセトンで洗浄した。
結晶を減圧下で乾燥したところ、(−)−16−ブロモビ
ンカジホルミン・(+)−d−酒石酸塩131.0gが得られ
た。このものの比旋光度は▲[α]20 D▼=−258.4°
(C=0.227、メタノール)であった。この塩を10%水
酸化ナトリウム水溶液でフリーのアミンとし、トルエン
で抽出した後溶媒を留去して白色結晶性粉末の(−)−
16−ブロモビンカジホルミン96.0gを得た。このものの
比旋光度は▲[α]20 D▼=−448°(C=0.298,クロロ
ホルム)であった。
発明の効果 本発明により(+)−11−ブロモビンカミンの合成中間
体として有用な(−)−16−ブロモビンカジホルミンが
製造できるようになった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) で示される(−)−16−ブロモビンカジホルミン。
  2. 【請求項2】溶媒中において、(±)−16−ブロモビン
    カジホルミンに光学活性な酒石酸を作用させることによ
    り形成される2種のジアステレオマー塩を溶解度差を利
    用して相互に分割することを特徴とする下記式(I) で示される(−)−16−ブロモビンカジホルミンの製造
    方法。
JP29288487A 1987-11-19 1987-11-19 (−)−16−ブロモビンカジホルミンおよびその製造方法 Expired - Lifetime JPH072741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29288487A JPH072741B2 (ja) 1987-11-19 1987-11-19 (−)−16−ブロモビンカジホルミンおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29288487A JPH072741B2 (ja) 1987-11-19 1987-11-19 (−)−16−ブロモビンカジホルミンおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01135786A JPH01135786A (ja) 1989-05-29
JPH072741B2 true JPH072741B2 (ja) 1995-01-18

Family

ID=17787625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29288487A Expired - Lifetime JPH072741B2 (ja) 1987-11-19 1987-11-19 (−)−16−ブロモビンカジホルミンおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH072741B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1083779B1 (en) 1998-05-19 2007-01-24 Ibiden Co., Ltd. Printed circuit board and method of production thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01135786A (ja) 1989-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0149172B1 (ko) 치환 이소플라본 유도체의 개량된 제조방법
US7208616B2 (en) Cis-diiodo-(trans-L-1,2-cyclohexanediamine) platinum (II) complex and processes for preparing high purity oxaliplatin
CZ20013658A3 (cs) Syntéza a krystalizace sloučenin obsahujících piperazinový kruh
US6197998B1 (en) Process for producing N-glycyltyrosine and its crystal structure
JPH072741B2 (ja) (−)−16−ブロモビンカジホルミンおよびその製造方法
NO179517B (no) Fremgangsmåte for fremstilling av 8-klorkinolonderivater
US6545149B2 (en) Synthesis and crystallization of piperazine ring-containing compounds
JP2510586B2 (ja) 9−アミノ−2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ(b)キノリンの製造方法
US3705150A (en) Process for the preparation of 21-deoxy - 21-n-(n'-methylpiperazinyl)-prednisolone and salts thereof
US4798895A (en) Process for preparing levomepromazine hydrogen maleate
EP0341991A2 (en) Method for recovery of antibiotics from mother liquors and novel pharmaceutically-acceptable salts thereof
US2466665A (en) Process for purifying pteroylglutamic acid
US5169955A (en) Process for producing 2-hydroxyquinoxaline derivatives
JP2917495B2 (ja) 光学活性1,2―プロパンジアミンの製造法
JPH0558985A (ja) シアノグアニジン誘導体の製造法
JPS61172846A (ja) (±)−2−クロロプロピオン酸の光学分割法
EP0090202B1 (en) Process for preparing p.chlorophenoxyacetyl-piperonylpiperazine
JPH0796537B2 (ja) 3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリンの精製方法
US20040176591A1 (en) Novel synthesis and crystallization of peperazine ring-containing compounds
JPH051053A (ja) 6−(3−ジメチルアミノプロピオニル)フオルスコリンの新規製造法
SU333171A1 (ru) Способ получени акридиновых производных 0,0-диалкилфосфонатов
JP2856331B2 (ja) 2,2‐ジアミノ‐1,1‐ビナフチルの製造法
CN111333664A (zh) 生物素交联剂、应用及其制备方法
JPH10175913A (ja) 光学活性2−フェノキシプロピオン酸の製造方法
JPH02264757A (ja) ニトロインドール類の製造方法