JP4241558B2 - 光モジュール - Google Patents

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本発明は、光ファイバに光素子(発光素子と受光素子)を着脱自在に突き合わせ結合するための光モジュールに関する。光ファイバの先端に設けた光コネクタに対し、光素子を内蔵した光モジュールを結合する場合、レセプタクル型と、ピグテール型がある。ピグテール型は光素子と短い光ファイバ前端をハウジングの中で対向させ固定したものであり、ファイバの他端がハウジングより外へ出ており別の光コネクタに取り付けられたものである。その光コネクタと、別の光ファイバの光コネクタを結合離脱できるようになっている。だからピグテール型の場合は光素子に対向する光ファイバは固定されており着脱するのは外部の光コネクタである。
レセプタクル型というのは、円筒形スリーブをもつハウジングの中に光素子を設け、それに対し光ファイバ先端のフェルールを円筒形スリーブに差し込んで光ファイバと光素子を対向結合させるものである。レセプタクル型の光モジュールは既に多数使用されている。レセプタクル型の場合は、光素子を保有するパッケージ、レンズホルダ、スリーブ等を二次元方向に調芯して固定している。パッケージ、レンズホルダ、スリーブなどは全て金属であった。
ところが半導体レーザを内蔵する光モジュールの場合、半導体レーザを駆動する電気回路の周波数が高くなり電波を空間に放射するようになっている。通常の用途には電波が出ても差し支えないのであるが、特別の場合は電波が外部に出て他の機器にノイズを与えたりすることが規制されるようになった。光モジュール自体の構造を工夫して外部にノイズを放射しないようなものが望まれる。
光モジュールに関して、FCCPart15というアメリカの規格がある。図7にそれを示す。外部の電波が入らないように電磁シールドした電波暗室の中において、基準大地面42の上にテーブル43が置いてある。その上に試験対象となる光モジュール44を固定する。それからほぼ基準距離だけ離れている部位に支持台45が置いてある。支持台45に対し高さ調整可能な保持棒46があり、保持棒にアンテナ47が固定してある。光モジュール44とアンテナ47の距離を基準距離にする。光モジュールを電流駆動し光モジュールから飛んでくる電波をアンテナで受信し周波数ごとの電界強度(dBμV/m)を調べ、それがある基準の値より以下でなければならないとするものである。
基準長さは10mであって、周波数によって電界強度の限界も異なる。クラスAとクラスBがある。基準長さは10mなのであるが、それは広い電波暗室を要求するので3mに換算する。周波数が低いときは(10kHz〜1MHz)10mと3mでは30dB程度の違いがある、周波数が100MHz〜10GHzになると、20dB程度の相違がある。換算式は周波数によって3mと10mの場合の限界値の関係を決めるものである。次に3m換算のクラスA、Bの限界値を示す。
Figure 0004241558
ClassBの方がより強い要求をしている。そこでClassBに着目する。3mでの電界強度が上の値より小さいということが基準の意味するところであるが、自然のノイズは上の値よりも低いので、半導体レーザや発光ダイオードの場合の駆動周波数でのノイズの値が問題になる。駆動周波数fcで半導体レーザや発光ダイオードを駆動する場合、駆動回路からその周波数の電波が生ずる。周波数が高いほど電波が出やすい。ここではfc=10.312GHzで半導体レーザを駆動するものを例とする。
アンテナは30MHz〜18GHzを受信しなければならないし、周波数ごとの電界強度を調べなければならない。しかし問題なのは駆動周波数fcでのノイズである。960MHz以上では54dBμV/mが限界であり、これより電界強度が低ければ良い。しかし全体を金属で製作した光送信モジュールの場合はこの値を越える。だから上の基準を満たすことができない。本発明は上の基準を満足する光モジュールを与える事を目的とする。
そのような広い範囲の信号を受信できるアンテナは得難いので2種類のアンテナを使っている。30MHz〜1GHzをバイログアンテナで受信し1GHz〜18GHzをホーンアンテナで受信する実験室で光モジュールの電波特性を調べた。
実開平4−130460号「光レセプタクルモジュール」
特許文献1は光素子の外殻をなす部分と、光ファイバを保持するレセプタクルの間に絶縁部材を入れたモジュールを提案している。これは絶縁部材を入れたことによって、溶接のときに光素子に故障が起こらず+5V電源でも−5V電源でも使用可能とすることを目的としている。
図6によってその構造を説明する。円筒形でフェルールを挿入離脱できるレセプタクル60と、レセプタクルに続く円筒形のホルダ58と、ホルダ58に固定されていて光素子50を保持する円筒形パッケージ55、56、57とよりなる。そのパッケージが絶縁物によって上下に分割されており金属上部分57と金属下部分55の間に絶縁体リング56が入っている。
絶縁体リング56によって、パッケージが上下に二分される。金属下部分55が光素子50を保持し、金属上部分57がホルダ58、レセプタクル60に続いている。
だから絶縁体リング56が光素子50をレセプタクル60から電気的に絶縁している。レセプタクル60は光ファイバ先端を固定したフェルールを挿入するための穴66、65を中心に有する。さらに穴64が続きレンズ63が設けられる。
特許文献1は、溶接のときに素子が故障しないこと、動作中に金属が接触しても故障しないことを目的にしており、国際規格FCCPart15を満たすのが目的ではない。しかし、これ以外に適当な文献が見当たらなかったので、これを従来例として挙げた。
特許文献1は光モジュールのパッケージの途中に絶縁物56を入れて光素子50とレセプタクル60を電気的に遮断している。それは光素子50をレセプタクル60の電位から切り離し、溶接のときに光素子が故障しないようにし、光素子を+5Vの電源でも−5Vの電源でも駆動でき、動作中に金属に接触しショートして故障することがないようにするのが目的である。
外部にノイズを発信しないようにする本発明と目的が異なる。しかし絶縁物をレセプタクルと光素子の間に挿入したという点で共通するところがある。それで特許文献1を挙げた。その構造のレセプタクルは現在も利用されていないようである。それは±5Vの電源で駆動するという必要が未だにないのかもしれない。
特許文献1の製品は実在しないが、そのレセプタクルの難点を推測すると、発光素子を積んだパッケージ下部分55、絶縁リング56、パッケージ上部分57が光軸と垂直な接合面68、69によって接合される。そしてパッケージ下部分55、絶縁リング56、パッケージ上部分57は溶接面59を介してホルダ58に溶接される。ホルダ58とレセプタクル60が光軸と垂直な接合面62において接合されている。これらの接合面68、69、62は調芯して最適の位置を探して固定することになる。横方向の位置決めの自由度が高い。
しかしその反面、次の欠点がある。
(1)厳しい組立精度が要求される。
(2)温度特性が不安定である。
(3)信頼性が低い。
絶縁物56と上下の金属部分57、55とは温度による熱膨張率が異なる。温度によって絶縁体56、金属部分57、55が膨張収縮するが、その程度が異なるので軸心がずれる可能性がある。絶縁体と金属の間では半田付けや溶接はできないから接合面68、69を接着剤で接合する。接着剤は信頼性に乏しく、横方向の力によって接着剤が取れることもある。
それに特許文献1のような構造で先ほどから述べているFCCPart15の基準を満足できるかどうか不明である。
本発明の光モジュールは、光素子と、光素子を保持しレンズホルダとステムからなるパッケージと、光ファイバフェルールを着脱自在に保持するレセプタクルと、レセプタクルとパッケージを結合するスリーブを有し、レセプタクルとパッケージの間のスリーブを内外上下方向に3分割して上下内外に金属部を設け、それによって中間に絶縁部を挟み込むような嵌合形状としている。つまりスリーブは上金属部分と中の絶縁部と下の金属部分とよりなり、上中下の金属・絶縁部・金属部分を軸心を等しくするよう内外上下方向に嵌合させたものである。スリーブの下金属部分は光素子を内蔵するパッケージに嵌合し、スリーブの上金属部分は軸垂直方向の調芯をしてレセプタクルと一体化するようにした。
光素子を内蔵するパッケージを水平面にそって3分割するのではなくて、パッケージとレセプタクルの間にあるスリーブを内外上下方向に3分割して中間に絶縁部を挟み込むような嵌合形状としている。接着や溶接でなくスリーブを構成する3つの部材は圧入で嵌合する。スリーブは3つの部材よりなるが嵌合してしまえば一つの部品として扱える。
スリーブの中間に絶縁部材を挿入したので電気信号がレセプタクルまで伝達しない。レセプタクルは容積の大きい部材でありアンテナとしての作用を持つ。ところが駆動周波数信号は絶縁体で遮断されレセプタクルに伝わらない。レセプタクルの電位はグランド電位にできる。グランドでなくて任意の直流電位に保持できる。また浮遊電位にしてもよい。いずれにしてもレセプタクルには駆動周波数が入ってこない。だから発光素子の駆動回路の信号が光モジュールのレセプタクルをアンテナとして周囲に伝搬するということがない。ために前方3mあるいは10mで電界強度を測定した場合、駆動周波数においても基準値未満になる。だから前述のFCCPart15のClassBの基準を満足する光モジュールとすることができる。
スリーブを構成する3つの部材は圧入で嵌合するので、その部材間での調芯は不要である。接着剤も不要である。圧入であって接着剤を使わないので信頼性が向上する。
xy方向の調芯が必要なのはレセプタクルとスリーブの間だけであり、それは従来の全金属タイプのものと同じである。調芯部位、調芯作業量が増加するということはない。
図1によって本発明の光モジュールの概略の構造を述べよう。金属円盤であるステム2上面には光素子が付いているが図示を略している。光素子というのは発光素子と受光素子を含む包括概念である。発光素子は発光ダイオードと半導体レーザを含む。受光素子はフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、PINフォトダイオードなどである。
ノイズを発生するのは発光素子の駆動回路であるからFCCPart15が問題になるのは発光素子を有する場合である。しかし同じ構造を受光素子のモジュールにも適用することができる。その場合は外部ノイズの影響を受けにくい受光素子モジュールとすることができる。
ステム2の上方には有天円筒形のレンズホルダ3が溶接される。ステム2とレンズホルダ3によりパッケージ1が構成される。レンズホルダ3の上方には上板部26があり中央部に穴27が穿孔されている。穴27にレンズ4が固定されている。レンズホルダ3の外側上方に3部材からなるスリーブ9が設けられる。円筒形で内径が最も小さい下金属リング5と円筒形で内径が中間値を取る絶縁体リング6と、円盤形で内径が最も大きい上金属蓋7とよりなる。上金属蓋7が円盤状であるのは、その上にレセプタクルを載せ調芯して固定する必要があるからである。円筒形のレセプタクル8が上金属蓋7の上に溶接固定されている。
3枚組スリーブ9は内外上下に金属環5、7があり、中間に絶縁部6を有する。下金属リング5の外側には突条28があって、絶縁体リング6の下端がこれによって止まる。絶縁体リング6の下端の押し込み量を突条28が正確に規制している。絶縁体リング6の上端は上金属蓋7の裏面に当たって止まる。だから3つのスリーブ部材5、6、7の上下方向の位置関係は厳密に決まる。調整の余地はなく正確な関係を保持することができる。下金属リング5と絶縁体リング6の間の接触面は圧入面34となっている。接着剤は不要である。絶縁体リング6と上金属蓋7の間の接触面も圧入面35となっている。接着剤は不要である。
図1では下金属リング5の上端高さと上金属蓋7の下端高さはほぼ同一であるように描かれているが、それは限界の高さを示している。下金属リング5の上端高さは、上金属蓋7の下端高さと同じかより高ければ良い。下金属リング5の上端高さが、上金属蓋7の下端高さより低いと絶縁体リング6に斜めの応力が強く掛かって絶縁体リング6が破断する可能性がある。それは好ましくないから下金属リング5の上端高さが、上金属蓋7の下端高さより低くなってはならない。
レンズホルダ脚部25とステム2の接触面は溶接面32である。レンズホルダ3の上外周面と下金属リング5の内周面の接触面は溶接面33である。下金属リング5と絶縁体リング6の接触面は圧入面34である。絶縁体リング6と上金属蓋7の接触面は圧入面35となっている。上金属蓋7の上面とレセプタクル8の下面は溶接面37である。
本発明においては、レンズホルダ3とレセプタクルの間にあるスリーブ9を下金属リング5、絶縁体リング6、上金属蓋7に分割し中間に絶縁体6を入れている。だから絶縁体リング6で電気的な導通が遮断される。光素子のパッケージと、レセプタクルが電気的に絶縁される。通常の全体が金属でできたモジュールであると、光素子に高周波の駆動電流が流されると、レセプタクルがアンテナの作用をして駆動電流と同じ周波数の電波を四辺へ遍く及ぼすのであるが、本発明の場合はレセプタクルがアンテナとならず駆動電流周波数の電波が周囲へ飛ぶということがない。
図2に本発明の実施例にかかる光モジュールの全体を示す。金属円盤であるステム2の下方からリードピン22、23、24が伸びている。ステム2の上には円筒状下金属リング5、絶縁体リング6、上金属蓋7の3部材が組み合わさったスリーブ9が固定されている。上金属蓋7の上にはレセプタクル10が固定される。レセプタクル10の上部開口に光ファイバを固定したフェルールを挿入できるようになっている。
寸法を述べる。ピンの先からレセプタクルの頂部下面取り部までの長さは18.42mmである。レセプタクル部分10の長さは7.05mmである。本発明が特徴とするところの3つ組スリーブ9の高さは2.60mmである。上金属蓋7の直径は5.20mmである。ステム2の外径は3.90mmである。絶縁体リング6の直径は4.50mmである。レセプタクル10の上部開口直径は1.25mmである。
図3に同じ光モジュールの断面図を示す。図1のものとスリーブの3つの部材の関係が少し違う。円盤状金属のステム2は光素子20を取り付ける台座となっている。ここでは光素子20は半導体レーザ、発光ダイオード、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、PINフォトダイオードなど任意の発光素子、受光素子である。ステム2の上に円筒形のレンズホルダ3が固着される。ステム2とレンズホルダ3でパッケージ1を構成している。
溶接面32は抵抗溶接を用いることができる。レンズホルダ3の上板部26のレンズ穴27にはレンズ4が取り付けてある。レンズホルダ3の上外周面にはスリーブ9が溶接される。スリーブ9は下金属リング5、絶縁体リング6、上金属蓋7からなる。下金属リング5の外側には絶縁体リング6が、絶縁体リング6の外側には上金属蓋7が設けられている。3つの部材は圧入によって組み合わされている。下金属リング5の外側に突条28があるから絶縁体リング6の進入深さが決まる。突条28は位置決め突起となっている。
絶縁体リング6はプラスチックではいけない。圧入で組み合わせ、それ自体で構造を維持しなければならない。絶縁体は剛性の高いセラミックが適する。たとえばジルコニア(ZrO)である。下金属リング5はたとえばSUS−SF20Tである。上金属蓋はたとえばSUS−SF20Tである。絶縁体リング6は図11に示すように完全なリング状とすることもできる。しかし完全にリング状であると絶縁体リングには圧入するときに罅が入る事もある。
絶縁体リング6の一部を切り欠いておけば圧入で罅が入ることはない。図12に切欠き49をもつ絶縁体リング6を示す。しかし一部を切り欠くと強度がやや低下してしまう。上金属蓋7は強磁性体とするのがよい。上金属蓋7が強磁性体であると電波の磁界成分を吸収してノイズを減らすことができる。もとより金属だから電界成分は渦電流によってかなり吸収するのであるが、磁界成分も吸収することができ電波漏れをより完璧に防止できる。ステンレスは磁性のないものが多いが、上記のSUS−SF20Tは強磁性体で導電性のあるステンレスである。
上金属蓋7の上には円筒状レセプタクル10が固定される。レセプタクル10は、スタブホルダ11、ハウジング38、ジルコニアスリーブ39、スタブ40、光ファイバ41からなる。スタブ40、光ファイバ41を斜めに研磨して戻り光を少なくしている。信号伝送用の光ファイバの先端を固定するフェルール(図示しない)はレセプタクル10の前部開口部に差し込まれ、スタブ40と突き合わせられる。光ファイバ端面から光ファイバ端面へと直接に光信号が飛ぶ。
光素子20が発光素子であれば、発光素子20の光がレンズ4で光ファイバ41の端面で集光され、それが光ファイバ41を通り、さらに突き合わせ固定される外部光ファイバに伝わる。
光素子20が受光素子である場合は、外部光ファイバを伝達してきた光信号が突き合わせ面から光ファイバ41上端へ入り下端から抜けて、自由空間に出て広がり、レンズ4で集光されて光素子20に入る。
上金属蓋7の穴29は光が通る穴であるが、これは実施例では0.5mmφである。あまりに狭いと光が通りにくく調芯が難しくなるので下限は0.2mmφ程度である。広すぎるとこの穴29から電波が飛んで行きノイズを前部へ逃がす可能性がある。だから、大きくても1.2mmφである。であるから穴29の寸法は0.2mmφ〜1.2mmφで最適は0.5mmφである。
先にも述べたように、本発明の目的の一つは、駆動用ICから発せられる外部ノイズの影響を受けにくい光モジュールを提供するということである。
例えば光リンクなどで光デバイスのすぐ背後に駆動用ICが配置されているということがよくある。例えば1Gbpsで光ファイバ通信する場合、1GHzのクロックでICを駆動するため、駆動用ICは1GHzのノイズを発生する。そのようなノイズに対して影響を受けないような光モジュールを与えるというのが本発明の課題である。
図8はスリーブ部分だけの底面図、図9はスリーブ部分だけの正面図、図10は断面図である。この例で、上金属蓋7は5.20mmφの外径をもつ金属(磁性体金属)である。その内部に絶縁体リング6(たとえばジルコニア)が挿入され、その内部に下金属リング5が挿入される。絶縁体リング6は上下内外の稜線が面取りしてあって圧入しやすいようになっている。上金属蓋7の上面から下金属リング5の下端までの距離(スリーブ9の厚み)は2.60mmである。絶縁体リング6の厚みは0.3mm(外径4.50mmφ、内径3.90mmφ)である。
実際に本発明の実施例にかかる光モジュールと、絶縁部のない従来例の光モジュールについて図7の実験装置を用いて3m距離でのノイズ測定をした。
図4は絶縁物のない光モジュール(半導体レーザ内蔵)の発する電波の電界強度を、図7の電波暗室内の測定装置によって測定した結果を示すグラフである。横軸は周波数(GHz)である。縦軸は電界強度(dBμV/m)である。先ほど述べた基準によると1GHz以上でClassBであれば54dBμV/m未満であればよい。図中に一点鎖線で限界を示している。半導体レーザの駆動周波数はfc=10.312GHzである。
1GHz〜3GHzで、電界は20〜30dBμV/mであり、これはバックグラウンドである。周波数が増えると電界も増えるが10GHzまででも40dBμV/m以下である。これもバックグラウンドである。駆動周波数fc=10.312GHzにおけるノイズ強度が問題である。○印の点は電界ベクトルが水平方向にあるfc=10.312GHzでの成分で、63.5dBμV/mである。これは基準値の54dBμV/mを越えている。×印の点は電界ベクトルが垂直方向にあるfc=10.312GHzでの成分で、60.4dBμV/mである。これは基準値を越えている。だから絶縁部がない従来の全金属タイプの光モジュールでは54dBμV/m未満という基準を満たすことができないということである。
図5はこれまでに述べた実施例にかかる光モジュール(半導体レーザ)について同じように電波暗室で3mの距離に置いたアンテナで光モジュールの発生するノイズを測定した結果を示す。横軸は周波数(GHz)であり1GHz〜18GHzの範囲を示す。バックグラウンドの雑音については、先ほどの従来例と殆ど変わらない。1GHz〜10GHzで40dBμV/m以下である。
問題は駆動周波数fc=10.312GHzでのノイズである。○で示すのは水平方向に電界ベクトル成分のあるものであり、33dBμV/mでありバックグラウンド以下である。垂直方向の電界強度は43dBμV/mであり、これも基準値の54dBμV/mより小さい。ということは半導体レーザの駆動回路の周波数が電波となって外部へ飛んで行っていないということである。つまり本発明によればFCCPart15のClassBの基準を満たすことができるというわけである。
光モジュールにおいて、パッケージとレセプタクルの間にあるスリーブを3分割して一部に絶縁体リングを設けているから、発光素子モジュールの場合は外部へ駆動回路のノイズが出て行かない。受光素子モジュールの場合は、外部ノイズの影響を好適に遮断できる。
内外上下方向に下金属リング5、絶縁体リング6、上金属蓋7を組み合わせており相互に圧入で固定している。接着剤は不要であり結合の工程を単純化できる。 接着剤を使うと偏心したりして位置が狂うが圧入であると位置決めが正確になる。絶縁体リング6の上下内外に金属リング5、7が入るので絶縁リングが割れない。位置決めのために突条28を下金属リング5に付けておくと上下の位置も決まり、より便利である。上金属蓋7を強磁性体で作るので電波をそれによって吸収でき周囲にノイズをまき散らさないようにできる。
本発明の光モジュールのステム、レンズホルダ、スリーブ部分の拡大断面図。
本発明の実施例にかかる光モジュールのステム、レンズホルダ、スリーブを含む全体の外観図。
本発明の実施例にかかる光モジュールのステム、レンズホルダ、スリーブを含む全体の縦断面図。
絶縁物のない全金属タイプの従来例にかかる半導体レーザ内蔵型光モジュールを10.312GHzの周波数で駆動したとき3m離隔したアンテナで受信した実験において、1GHz〜18GHzにおいて周波数ごとに測定した電界強度のグラフ。10.312GHzでノイズが63.5dBμV/mとなっており基準(54dBμV/m未満)を満足していない。
絶縁物を挿入した本発明の実施例にかかる半導体レーザ内蔵型光モジュールを10.312GHzの周波数で駆動したとき3m離隔したアンテナで受信した実験において、1GHz〜18GHzにおいて周波数ごとに測定した電界強度のグラフ。10.312GHzでノイズが33dBμV/m、43dBμV/mとなっており基準(54dBμV/m未満)を満足する。
実開平4−130460号「光レセプタクルモジュール」において提案された従来例にかかる光レセプタクル構造を示す断面図。
電波暗室内において、テーブルの上に試験すべき光モジュールを置いて、これを駆動し、3m離れた所にあるアンテナで光モジュールが出すノイズを周波数の関数として測定する装置の概略を示す図。
下金属リング、絶縁体リング、上金属蓋よりなる3つの部材を圧入によって上下内外に組み合わせた本発明の光モジュールに用いられるスリーブ構造を示す底面図。
下金属リング、絶縁体リング、上金属蓋よりなる3つの部材を圧入によって上下内外に組み合わせた本発明の光モジュールに用いられるスリーブ構造を示す正面図。
下金属リング、絶縁体リング、上金属蓋よりなる3つの部材を圧入によって上下内外に組み合わせた本発明の光モジュールに用いられるスリーブ構造を示す縦断面図。
完全な円環である絶縁体リングの平面図。
一部に切欠きを有する円環である絶縁体リングの平面図。
符号の説明
1 パッケージ
2 ステム
3 レンズホルダ
4 レンズ
5 下金属リング
6 絶縁体リング
7 上金属蓋
8 レセプタクル
9 スリーブ
10 レセプタクル
11 スタブホルダ
20 光素子
22 ピン
23 ピン
24 ピン
25 レンズホルダ脚部
26 上板部
27 穴
28 突条
29 穴
32 溶接面
33 溶接面
34 圧入面
35 圧入面
37 溶接面
38 ハウジング
39 ジルコニアスリーブ
40 スタブ
41 光ファイバ
42 基準大地面
43 テーブル
44 光モジュール
45 支持台
46 保持棒
47 アンテナ
49 切欠き
50 光素子
55 金属下部分
56 絶縁体リング
57 金属上部分
58 ホルダ
59 溶接面
60 レセプタクル
62 接合(溶接)面
63 レンズ
64 穴
65 穴
66 穴
68 接合面
69 接合面

Claims (10)

  1. 少なくとも発光素子または受光素子である光素子を搭載するステムと、ステムの上に固定される光素子を収容する円筒形レンズホルダと、レンズホルダの外周面に外接する円筒形下金属リングと、下金属リングの周面に外接する絶縁体リングと、絶縁体リングの周面に外接し穴を有し強磁性体で作られた上金属蓋と、上金属蓋の上に固定され外部ファイバのフェルールを着脱できる開口部を有するレセプタクルとよりなり、下金属リング、絶縁体リング、上金属蓋は接着剤を用いずに圧入によって嵌合されており、下金属リングの上端高さが、上金属蓋の下端高さと同じかより高いことを特徴とする光モジュール。
  2. 絶縁体リングが剛性の高いセラミック製である事を特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. 絶縁体リングがジルコニア(ZrO)を主とする焼結体である事を特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  4. 絶縁体リングには切欠きがあることを特徴とする請求項3に記載の光モジュール。
  5. 下金属リングには突状があって絶縁体リングの下金属リングに対する嵌込量を規定するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光モジュール。
  6. 上金属蓋の穴の直径は0.2mm〜1.2mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光モジュール。
  7. 光素子が半導体レーザであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光モジュール。
  8. 光素子がPINフォトダイオードであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光モジュール。
  9. 光素子がアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光モジュール。
  10. 1Gbps以上の速度で1.26〜1.65μmの波長域の光を使用し光ファイバ通信を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光モジュール。
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