JP4240925B2 - 半導体記憶装置及びその書き込み方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は不揮発性半導体記憶装置及びその書き込み方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラッシュメモリに代表される不揮発性半導体記憶装置は電気的にデータの書き換えが可能で、電源を切った状態でも記憶したデータを保持することができるため様々な分野で使用される。
【0003】
図20は代表的な不揮発性半導体記憶装置の一つであるフラッシュメモリのメモリトランジスタの一断面図を示したものである。基板1401上に形成されたウェル領域1402内に二つのP型の拡散層としてドレイン領域1403及びソース領域1404が形成されている。なお、このドレイン領域とソース領域はそれぞれに印加される電圧条件によって決まるものである。
【0004】
トンネル酸化膜1408は上記ドレイン領域1403とソース領域1404との間に形成される。トンネル酸化膜1408上には浮遊ゲート1409が形成される。更に、浮遊ゲート1409上には例えばONO膜のような絶縁膜1410を介して制御ゲート1411が形成されている。
【0005】
なお、ドレイン領域1403にはビット線1405が接続され、ソース領域1404にはソース線1407が接続され、制御ゲート1411にはワード線1406が接続されている。ここでは、1つのメモリトランジスタから構成されるメモリセルを例として説明する。
【0006】
次に、図20を用いて上記メモリセルの書き込み方法について説明する。書き込み動作時には書き込み対象のメモリセル(以下、書き込み対象セル)の各端子(ワード線、ビット線、ソース線、ウェル)には、それぞれ以下に示すような電圧が印加される。
【0007】
ワード線1406には例えば+10V(ボルト)程度の正の電圧、ビット線1405には例えば−5.5V程度の負の電圧、ウェル1402には例えば+2.5V程度の正の電圧を印加する。また、ソース線1407は開放状態とする。
【0008】
以上のような電圧をメモリセルの各端子に印加し、バンド−バンド間トンネル電流誘起ホットエレクトロン現象によりトンネル酸化膜1408を介して浮遊ゲート1409に電子を注入する。
【0009】
なお、ここで書き込み電圧とは、書き込み対象セル(または、書き込み対象のメモリトランジスタ)の浮遊ゲートに電子注入を行うために、メモリセルの各端子に印加される電圧値と定義しておく。
【0010】
次に、上記メモリセルを用いて構成された半導体記憶装置の書き込み動作波形について図21を参照しながら説明する。
【0011】
先ず、時刻T0で、モード信号ModeがProgramモードに設定される。このMode信号の切り替わりに同期してソース線1407(SL1)への電圧出力が停止され、ソース線1407は開放状態(HiZ状態)となる。なお、このときトリガ信号NTRGは"H"レベルの信号であり、ワード線1406(WL1)及びビット線1405(BL1)の電圧はVDD(電源電圧)レベルである。
【0012】
次に、時刻T1でトリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号の変化に伴い、ワード線WL1に電圧VPPが印加される。ビット線1405(BL1)には電圧VNNが印加される。
【0013】
上記のようにワード線WL1に電圧VPPが印加されると、ソース線が開放状態であるため、制御ゲート−ソース線間の容量結合によって制御ゲートの電位上昇に追従してソース線1407の電位が上昇する。
【0014】
次に、時刻T2で、トリガ信号NTRGが"L"から"H"に変化し、ワード線への電圧VPPの印加が停止され、再びVDDが印加される。また、ビット線への電圧VNNの印加も停止され、再びVDDが印加される。
【0015】
次に、時刻T3で、モード信号Modeが変化しProgramモードから他のモードへ遷移する。この遷移に伴い、ソース線SL1へはVDDが印加される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体記憶装置においては書き込み動作時に次のような課題があった。
【0017】
一つは、ビット線電位の上昇による書き込み速度の劣化である。前述したようにソース線は制御ゲートに電圧VPPを印加する以前に開放状態であるため、制御ゲートに正の電圧(VPP)を印加した際に、制御ゲートとソース線との容量結合によってソース線の電位が上昇する。
【0018】
書き込み動作により浮遊ゲート1409にある程度電子が注入されると、浮遊ゲートに負の電荷が蓄積されるため、浮遊ゲートの電位が低下する。そして、前述したようにソース線の電位は上昇しているため、浮遊ゲートとソース線との間の電位差がメモリセルをオンさせるのに十分な電圧に到達する可能性がある。
【0019】
仮に、浮遊ゲートとソース線との間の電位差が書き込み対象セルの閾値電圧以上の電圧値に到達すると、書き込み対象セルがドレインターンオンする。即ちトンネル酸化膜直下にチャネルが形成され、ドレイン領域とソース領域とが導通状態になる。このようにソース領域とドレイン領域が導通状態になると、ソース線の容量(寄生容量)に保持されていた正の電荷がビット線に向かって流れ込みビット線の電位が上昇する。ビット線の電位の上昇は、同時に書き込み動作を行っているメモリセルの書き込み速度の低下をもたらす。
【0020】
一つは、過剰書き込み状態によるリテンション、酸化膜へのストレス等の信頼性の課題である。また、浮遊ゲートに過剰に電子が注入されるとメモリトランジスタの書き込み分布の収束性が劣化するという課題も生じる。
【0021】
前述したように書き込み動作時にソース線の電位が制御ゲートとの容量結合によって上昇する。さらに書き込みによる浮遊ゲートの電位低下に伴い、ドレインターンオンが起こる。ソース線の電位が上昇しているため、メモリセルのドレイン−ソース間の電圧が、制御ゲートとソース線との容量結合によるソース線電位の上昇が起こらない場合と比べて、より大きくなる。これによりドレイン領域の近傍で高電界が発生すると、この高電界によってドレインアバランシェ現象が新たに生じる。
【0022】
そして、ドレインアバランシェ現象によりドレイン領域の近傍で新たなホットキャリア(ホットエレクロン)が生成する。このようなホットキャリアが発生すると制御ゲートに加えられた高電圧によってトンネル酸化膜を介して浮遊ゲートへと電子が更に注入される。これは浮遊ゲートへ電子が過剰に注入されることを意味する。浮遊ゲートへと電子が過剰に注入されるとトンネル酸化膜に過剰なストレスが加わることから、例えばトンネル酸化膜の欠陥発生を促し、例えば絶縁耐圧が低下する等のトンネル酸化膜の信頼性に課題が発生する。
【0023】
一つは、書き込みディスターブによる誤書き込みの課題である。これは書き込み非対象セルに対して誤って書き込みが行われることをいう。この誤書き込みの課題は、制御ゲートとソース線を備えるメモリトランジスタと、ワード線とビット線を備え、上記メモリトランジスタを選択する役割をもつ選択トランジスタの二つのトランジスタから構成されるメモリセルを有する半導体記憶装置で、メモリブロック毎に制御ゲートとウェルとソース線とを共通とするメモリアレイ構成をとった場合に特に重要な課題となる。
【0024】
上記誤書き込みについて以下に説明する。書き込み対象セルが存在するメモリブロックにおいて、制御ゲート、ソース線およびウェルは書き込み非対象のメモリセル(以下、書き込み非対象セル)と共通である。即ち、書き込み非対象セルの制御ゲートとウェルに対しても上記書き込み対象セルと等しい電圧が印加される。また、書き込み非対象セルのソース線は書き込み対象セルと同様に開放状態である。
【0025】
ここで、前述したように書き込み対象セルでドレインターンオンが生じると、書き込み動作時に開放状態にあるソース線から充電電荷が放出され、ソース線の電位が低下する。書き込み対象セルのソース線は、書き込み対象セルが存在するメモリブロック内の書き込み非対象セルのソース線と共通である構成なため、書き込み非対象セルのソース線の電位も低下する。したがって書き込み非対象セルはソース側からの書き込みディスターブを受け、誤書き込みが発生する。
【0026】
以上のように従来の技術では、メモリトランジスタの書き込み動作時に制御ゲート−ソース線間の容量結合によってソース線電位が上昇し、ドレインターンオンが発生することをきっかけとして以上に示したような課題が発生する。
【0027】
本発明は、上記課題を解決するものであり、本発明の主な目的は上記課題を引き起こす主要因である書き込み対象セルのドレインターンオンを防止するため、書き込み動作時におけるソース線電位の上昇を抑制する手段を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、制御ゲートとソース線とビット線とを備えたメモリトランジスタで構成される不揮発性メモリセルを有する半導体記憶装置において、メモリセルへの書き込み動作時に制御ゲートの電圧が特定の電圧値に達した後に、ソース線を所定の電位から開放状態にする、半導体記憶装置を提供するものである。
【0029】
また、本発明は制御ゲートとソース線とビット線とを備えたメモリトランジスタで構成される不揮発性メモリセルを有する半導体記憶装置において、メモリセルへの書き込み動作時に制御ゲートへ書き込み電圧の印加を開始してから所定の時間が経過した後に、ソース線を所定の電位から開放状態にする、半導体記憶装置を提供するものである。
【0030】
また、本発明は制御ゲートとソース線とを備えたメモリトランジスタとワード線とビット線とを備えた選択トランジスタとの2つのトランジスタから構成される不揮発性メモリセルを有する半導体記憶装置において、メモリセルへの書き込み動作時に前記制御ゲートの電圧が特定の電圧値に達した後に、ソース線を所定の電位から開放状態にする、半導体記憶装置を提供するものである。
【0031】
また、本発明は制御ゲートとソース線とを備えたメモリトランジスタと、ワード線とビット線とを備えた選択トランジスタとの2つのトランジスタから構成される不揮発性メモリセルを有する半導体記憶装置において、メモリセルへの書き込み動作時に前記制御ゲートへ書き込み電圧の印加を開始してから所定の時間が経過した後に、前記ソース線を所定の電位から開放状態にする半導体記憶装置を提供するものである。
【0032】
以上のことから、書き込み動作時にソース線の開放を制御ゲートへの書き込み電圧の印加より前に行わないため、制御ゲートとの容量結合による上記ソース線の電位上昇を回避することができる。そして、書き込み動作時に浮遊ゲートの電位が低下したとしても浮遊ゲートとソース線との電位差の拡大を抑制でき、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0033】
また、本発明はソース線を備えたメモリトランジスタで構成されるメモリセルを有する半導体記憶装置において、メモリセルの書き込み動作時に前記ソース線の容量を増やす半導体記憶装置を提供するものである。
【0034】
上記容量を増やす方法としては、例えばメモリトランジスタの上記ソース線を共通とするメモリブロックと、メモリブロックのソース線間を接続又は分離するスイッチ回路とを備え、メモリセルへの書き込み動作時に前記スイッチ回路が少なくとも1つ以上の前記メモリブロックのソース線間を接続する構成をとることで実現できる。
【0035】
以上のように書き込み動作時に選択ブロックと非選択ブロックのソース線を接続することでソース線の容量を大きくすることができる。ソース線の容量を大きくすることで、制御ゲートとソース線との容量結合比を変化させることができ、制御ゲートに電圧を印加した時のソース線の電位上昇を抑制することができる。このため、書き込み動作により浮遊ゲートの電位が低下しても浮遊ゲートと上記ソース線との電位差の拡大を抑制でき、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明は前述したように書き込み対象セルのドレインターンオンを防止するため、例えば次に示すような手段を用いるものである。即ち、書き込み動作時において(1)ソース線の開放のタイミングを制御する、(2)ソース線の容量を増やす、というものである。
【0037】
なお、(1)に関しては、例えば書き込み動作時のメモリトランジスタの制御ゲート電圧(電圧値や電圧変動)をモニターすることによって実現する手段を示す。
【0038】
(第1の実施形態)
本実施形態は制御ゲートと二つの拡散領域(ソース領域及びドレイン領域)を備えたメモリトランジスタから構成されるメモリセルを有する半導体記憶装置において、書き込み動作時に制御ゲートに印加する電圧値を検知し、制御ゲートの電圧値が特定の値に達した後に、ソース線を所定の電圧状態から開放状態(オープン状態)にすることで、上記ソース線電位の上昇を防止する手段を示すものである。なお、ソース領域及びドレイン領域はそれぞれに印加される電圧条件から決まるものである。本実施形態に関してはビット線に接続された拡散領域をドレイン領域、もう一方の拡散領域をソース領域(ソース線が接続される領域)と呼ぶことにする。
【0039】
(回路構成)
図1は、本発明の第1の実施形態を示す半導体記憶装置の回路構成図である。
【0040】
メモリブロック100は制御ゲートCGと浮遊ゲートFGを有するPチャネル型のメモリトランジスタ130をマトリクス状に配置している。図1では説明を簡単にするために、同一ビット線上の二つのメモリトランジスタのみを示している。なお、このように1つのメモリトランジスタで構成されるメモリセルを適宜1トランジスタ型のメモリセルと呼ぶ。また、メモリトランジスタの構造は、例えば、二つの拡散層(ソース領域とドレイン領域)と浮遊ゲートと制御ゲートを有した構造を有している。上記二つの拡散領域は例えばB(ボロン)等のP型の不純物を例えばイオン注入法によりドープして形成される。この二つの拡散領域の不純物プロファイルは互いに対称(等しい)構造であってもよい。なお、このようにソース領域とドレイン領域との不純物プロファイルを等しくすると、例えば、ドレイン領域とソース領域のイオン注入用のマスクを一つで兼用することができ、マスク枚数の削減及び製造工程の削減による半導体記憶装置のコストの低減が可能である。また、後述する第2〜第5の実施形態においても同様に用いることができる。
【0041】
また、書き込み電圧発生回路110、制御ゲート電圧検知回路120、ワード線駆動回路140、ソース線制御回路150、ビット線制御回路(図示せず)が配置される。
【0042】
書き込み電圧発生回路110は、制御ゲート電圧検知回路120とワード線駆動回路140とソース線制御回路150のそれぞれに電圧を供給する。
【0043】
ワード線駆動回路140はワード線WL1とWL2に接続される。このワード線WL1とWL2は各々異なるメモリトランジスタの制御ゲートに接続されている。ワード線駆動回路140からの出力電圧はワード線WL1(又はWL2)に出力され、メモリトランジスタ130の制御ゲートCGに印加される。
【0044】
ソース線制御回路150はソース線SL1に印加する電圧を制御する回路である。このソース線制御回路150は検知信号Dctに応じてソース線SL1に電圧を出力する。
【0045】
ビット線BL1はビット線制御回路からメモリブロック100へと配置される。ビット線制御回路からの電圧はビット線BL1に印加される。
【0046】
制御ゲート電圧検知回路120は、書き込み電圧発生回路110で発生し、ワード線駆動回路140に供給される書き込み電圧が特定の電圧値に到達しているかを検知する回路である。この制御ゲート電圧検知回路120は書き込み電圧発生回路110からの電圧が予め設定した電圧に到達した後に、"H"レベルの検知信号Dctを出力する。一方、書き込み電圧発生回路110からの電圧が予め設定した特定の電圧値に到達していない場合は"L"レベルの検知信号Dctを出力する。なお、ウェルに印加される電圧値は、制御ゲートに印加される電圧値以下であり、かつ、ビット線に印加される電圧値以上である。
【0047】
次に、メモリトランジスタ130への書き込み動作について説明する。なお、メモリトランジスタの構造としては図20と同様な構造である。メモリトランジスタへの書き込みは浮遊ゲートFGへの電子の注入によって行われる。具体的には、バンド−バンド間トンネル電流誘起ホットエレクトロンによる注入方法を用いる。
【0048】
ここでバンド−バンド間トンネル電流誘起ホットエレクトロン注入方法は、ワード線WL1とビット線BL1に互いに極性の異なる高電圧を印加した場合にメモリトランジスタのドレイン領域で発生するホットエレクトロンを利用した電子注入方法である。なお、後述する第2〜第5の実施形態においても同様に用いることができる。
【0049】
次に、具体的な書き込み方法について説明する(図20を参照)。
【0050】
先ず、ワード線(制御ゲート)に例えば10V程度の正の電圧を印加し、ビット線(ドレイン領域)に例えば−5.5V程度の負の電圧を印加する。また、ソース線(ソース領域)には動作開始時にはウェルに印加する電圧値以下を印加し、後述するようなタイミングで所定の電圧状態から開放状態(Hiz状態)とする。ウェルには例えば電源電圧を印加する。
【0051】
なお、浮遊ゲートのまわりは絶縁物で構成されるため、この電子が注入された状態は通常状態では保持(例えば電子が注入された状態が"0"データ保持の状態、電子がない状態を"1"データ保持の状態)される。
【0052】
(動作波形)
以下、上記回路の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、上記半導体記憶装置の書き込み動作時の波形図を示したものである。
【0053】
先ず、時刻T0でモード信号ModeがProgramモードに設定される。書き込み電圧発生回路110は電圧VDNを発生し、ソース線制御回路を通してソース線SL1にVDNが印加される。なお、ソース線SL1に印加される電圧VDNはウェルに印加される電圧値以下である。また、このときのワード線WL1の電圧はVDD(電源電圧)に設定されている。なお、ウェルNW1の電圧波形については図示していないが、図中に示す間は常時、VDDが印加されている。トリガ信号NTRGは"H"レベルの信号である。
【0054】
次に、時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号の変化に伴い、書き込み電圧発生回路110は電圧VNNを発生し、ビット線制御回路を通してビット線に電圧VNNを印加する。また、書き込み電圧発生回路110はワード線駆動回路140に電圧VPPを供給する。ワード線駆動回路140は上記電圧VPPを出力し、容量性負荷である制御ゲートを充電し始める。制御ゲート電圧検知回路120は、書き込み電圧発生回路110がワード線駆動回路140に供給する電圧VPPをモニターすることで、ワード線WL1(制御ゲート)の電圧が特定の電圧値に到達したか否かを検知する。
【0055】
なお、書き込み電圧発生回路における電圧VNNの発生はモード信号Modeに応じて行ってもよい。但し、このときビット線制御回路はトリガ信号NTRGに応じてビット線に電圧VNNを出力する。
【0056】
次に、時刻T2で、ワード線WL1の電圧が特定の電圧値に到達すると、検知信号Dctは"H"になる。ソース線制御回路150がこの"H"レベルの検知信号Dctを受け取ると、ソース線制御回路150はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1をHiZ状態(開放状態)にする。
【0057】
ソース線SL1の開放後、ソース線SL1は電圧VDNに維持される。これは次のような理由による。ワード線WL1の電圧の立ち上がり初期は、ソース線SL1には電圧VDNが印加されており、ワード線WL1の電圧が特定の電圧値まで立ち上がった後に、ソース線SL1を開放しているため、時刻T1から時刻T2までの間にソース線SL1の電位が上昇することはない。このように、ソース線SL1の電位は制御ゲートとの容量結合による影響を受けず、ソース線SL1の電位上昇が回避できる。
【0058】
なお、前述したように書き込み対象セルの浮遊ゲートに電子が注入されると、次第に浮遊ゲートの電位は低下する。しかしながら、ソース線SL1の電位が電圧VDNに保持されているため、ソース線電位の上昇による浮遊ゲートとソース線SL1の電位差の拡大を抑制できる。したがって、メモリトランジスタのドレインターンオンを防止することができる。
【0059】
次に、時刻T3で、トリガ信号NTRGが"L"から"H"に変化する。制御ゲート電圧検知回路120はトリガ信号NTRGに応じて検知信号Dctを"H"から"L"に切り替える。この検知信号Dctの変化に応じて、ソース線制御回路150は再び電圧VDNをソース線SL1に印加する。書き込み電圧発生回路110は、ワード線駆動回路140への電圧供給を電圧VPPからVDDに変化させる。また、ビット線制御回路への電圧供給を電圧VNNからVDDに変化させる。これに伴い、ビット線の電圧はVNNからVDDへと変化する。
【0060】
次に、時刻T4で、モード信号Modeが変化し、Programモードから他のモードへ遷移する。書き込み電圧発生回路110は電圧VDNの発生をやめ、VDDを出力する。ソース線制御回路150の入力電圧はVDDに設定され、同時にソース線SL1の電圧もVDDに設定される。
【0061】
次に、図3に書き込み動作時の回路制御を変えた場合における動作波形を示す。
【0062】
先ず、時刻T0で、モード信号ModeがProgramモードに設定される。ここで書き込み電圧発生回路110は電圧VPP及び電圧VDNを発生する。電圧VPP及び電圧VDNは、それぞれワード線駆動回路140及びソース線制御回路150に供給される。電圧VDNはソース線制御回路150を通してソース線SL1に印加される。ただし、この時点では電圧VPPはワード線WL1(制御ゲート)には印加されない。なお、ウェルNW1の電圧波形については図示しないが、書き込み動作中、常時VDDが印加されている。また、ビット線BL1にはVDDが印加される。
【0063】
次に、時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号NTRGの変化に伴い、書き込み電圧発生回路110は電圧VNNを発生する。電圧VNNは、ビット線制御回路を通してビット線BL1に印加される。
【0064】
なお、書き込み電圧発生回路110における電圧VNNの発生はMode信号に同期して行っても構わない。但し、このときビット線制御回路はトリガ信号NTRGに応じてビット線に電圧VNNを印加する。
【0065】
また、上記トリガ信号NTRGの変化に応じてワード線駆動回路140はワード線WL1にVPPの電圧を印加する。この時、ノードVcgの電位が一時的にVPPから低下し、再びVPPのレベルまで回復する。このノードVcgの電圧変動は次のような現象により発生する。ワード線WL1にVPPの電圧が印加されると、ワード線WL1の負荷容量(寄生容量)を充電するために、ノードVcgからワード線WL1の負荷容量に電流が流れ込む。このためノードVcgの電位は一時的に電圧VPPから低下する。その後、上記負荷容量に十分な電荷が充電されると、ノードVcgの電位は電圧VPPに回復する。トリガ信号NTRGの変化に応じて制御ゲート電圧検知回路120は検知信号Dctの出力を許可する。不許可時には、検知信号Dctは"L"出力とする。
【0066】
なお、制御ゲート電圧検知回路120の検知信号Dctの出力許可は、必ずしもトリガ信号NTRGに同期させる必要はなく、例えば、ノードVcgの電位が検知レベルより低くなったときに検知信号Dctの出力を許可し、ノードVcgの電位が検知レベルよりも高くなったときに検知信号を"L"から"H"に変化させるようにしてもよい。
【0067】
なお、異なる2つの検知レベルを持たせ、ノードVcgの電位が低い側の検知レベルより低くなったときに検知信号Dctの出力を許可し、ノードVcgの電位が高い側の検知レベル(特定の電圧レベルに相当する)より高くなったときに、検知信号Dctを"L"から"H"に変化させるようにしてもよい。
【0068】
次に、時刻T2で、制御ゲート電圧検知回路120が、ノードVcgの電位が予め設定した所定の電圧レベルに到達したことを検知すると、検知信号Dctは"L"レベルから"H"レベルとなる。
【0069】
上記"H"レベルの検知信号Dctがソース線制御回路150に入力されると、ソース線制御回路150はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態にする。ワード線WL1の電圧レベルが十分に立ち上がっているので、ソース線SL1は制御ゲートとの容量結合による影響を受けないため、電圧VDNに保持される。
【0070】
なお、メモリトランジスタに書き込み電圧が印加されると、書き込み対象セルの浮遊ゲートに電子が注入される。浮遊ゲートに電子が注入されると浮遊ゲートの電位は低下するが、ソース線SL1の電位が電圧VDNに保持されているため、浮遊ゲートとソース線SL1との間の電位差の拡大を抑制でき、書き込み対象セルのドレインターンオンを防止することができる。
【0071】
次に、時刻T3で、トリガ信号NTRGが"L"から"H"に変化する。検知信号Dctは"H"から"L"へと切り替わる。このトリガ信号NTRGの変化に応じて、書き込み発生回路110はワード線駆動回路140及びビット線制御回路への書き込み電圧(電圧VPP及び電圧VNN)の供給を停止する。ワード線駆動回路及びビット線制御回路は、それぞれワード線WL1及びビット線BL1への電圧印加を停止し、VDDを印加する。
【0072】
次に、時刻T4でモード信号Modeが変化し、Programモードから他のモードへ遷移する。同時に書き込み電圧発生回路110は電圧VDNの発生を停止し、ソース線制御回路150からソース線への印加電圧もVDNからVDDに切り替わる。また、書き込み電圧発生回路110は、ワード線駆動回路140への書き込み電圧(電圧VPP)の供給を停止する。これに伴い、ワード線駆動回路140に供給される電圧がVPPからVDDへと切り替わる。
【0073】
次に、図4にソース線SL1を開放するタイミングに合わせてビット線BL1に書き込み電圧の印加を開始した場合の動作波形を示す。なお、ビット線以外の回路の動作については時刻T0〜時刻T1までの動作は既に述べた通りであるので、省略する。
【0074】
時刻T2に、制御ゲート電圧検知回路120が特定の電圧値に到達したことを検知すると、制御ゲート電圧検知回路120は検知信号Dct"H"をソース線制御回路150だけでなく、ビット線制御回路にも出力する。ソース線制御回路150は、この"H"レベルの検知信号Dctを受け取ると、ソース線SL1を開放する。ビット線制御回路は、この"H"レベルの検知信号Dctを受け取ると、ビット線BL1に負の電圧VNNを印加する。
【0075】
なお、時刻T3以降の動作は前述の実施形態と同様である。このように、制御ゲート電圧検知回路120のソース線SL1を開放状態とするタイミングに合わせてビット線BL1を制御することもできる。
【0076】
以上の説明の通り、ソース線SL1を開放状態にする制御をワード線駆動回路140に供給される電圧レベルを検知して行うことにより、ソース線電位の上昇を回避することができる。そして、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。したがって、ドレインターンオンを原因とする種々の課題、例えば、ビット線電位の低下による書き込み速度の低下や、過剰書き込み状態によるリテンション、酸化膜へのストレス等の信頼性の課題、また、メモリセルの書き込み分布収束性劣化の課題をも防止することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
(回路構成)
図5は、本発明の第2の実施形態を示す半導体記憶装置の回路構成図である。本実施形態では、上記第1の実施形態での制御ゲート電圧検知回路120に代えてタイマー回路320を配置した構成である。
【0078】
上記タイマー回路320はメモリセルへの書き込み動作時にワード線WL1(制御ゲート)に書き込み電圧の印加を始めてから所定の時間が経過した後に、ソース線SL1を所定の電位から開放状態にするものである。タイマー回路320の構成としては、例えば、遅延回路等の構成をとることができる。
【0079】
タイマー回路320は例えばトリガ信号NTRGに応じて動作する。この場合、トリガ信号NTRGが"H"レベルから"L"レベルへと切り替わった時刻から予め設定した時間(T)が経過すると、タイマー回路320からの出力信号Timが"L"レベルから"H"レベルへと切り替わる。ソース線制御回路350に入力される信号Timが"H"レベルの間はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態とする。その後、トリガ信号NTRGが"L"レベルから"H"レベルに切り替わると、タイマー回路320からの出力信号Tim信号は"H"レベルから"L"レベルへと切り替わり、ソース線に再びVDNを印加することになる。
【0080】
なお、上記予め設定する所定の時間は、半導体記憶装置内の配線抵抗や制御ゲートの負荷容量成分等のプロセスパラメータに基づいて設計する。
【0081】
なお、この所定の時間はワード線WL1(制御ゲート)の電圧が十分にVPPとなる時間以上に設定することが望ましい。
【0082】
(動作波形)
以下、上記半導体記憶装置の動作について図面を参照しながら説明する。図6は、上記半導体記憶装置の書き込み動作時の波形図である。
【0083】
なお、時刻T0から時刻T1までの動作は上記第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0084】
時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号NTRGの変化に伴い、書き込み電圧発生回路310は電圧VPP及び電圧VNNを発生し、それぞれワード線駆動回路340及びビット線制御回路(図示せず)に供給する。
【0085】
なお、書き込み電圧発生回路310はトリガ信号NTRGに応じてVPPを発生する以外に、モード信号Modeに応じてVPPを発生するようにしてもよい。
【0086】
なお、書き込み電圧発生回路310はトリガ信号NTRGに応じてVNNを発生する以外に、モード信号Modeに応じてVNNを発生するようにしてもよい。
【0087】
ビット線制御回路はビット線BL1に電圧VNNを印加する。ワード線駆動回路340はワード線WL1に電圧VPPを出力し、容量性負荷を持つ制御ゲートCGを充電し始める。また、タイマー回路320は上記トリガ信号NTRGをきっかけとして時間をカウントし始める。
【0088】
次に、時刻T2で、時刻T1から所定の時間(図中Tで示す)が経過した後に信号Timが"L"レベルから"H"レベルに切り替わる。この"H"レベルの信号Timがソース線制御回路350に入力されると、ソース線制御回路350はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態(Hiz状態)にする。
【0089】
この後、ソース線SL1はVDNに保持される。ワード線WL1(制御ゲートCG)の電圧レベルが十分に立ち上がっているので、ソース線SL1は制御ゲートとの容量結合による影響を受けることがない。このためソース線SL1の電位の上昇を回避できる。
【0090】
上記第1の実施形態と同様、書き込み対象セルの浮遊ゲートFGに電子が注入されると、次第に浮遊ゲートFGの電位が低下する。ソース線SL1の電位はVDNに保持されているため、浮遊ゲート−ソース線間の電位差の拡大を抑制することができる。したがって、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0091】
なお、時刻T3以降の動作は上記第1の実施形態と同様である。
【0092】
次に、図7にソース線SL1を開放するタイミングに合わせてビット線BL1に書き込み電圧を印加した場合の動作波形を示す。
【0093】
なお、時刻T0〜時刻T2までのビット線BL1を除く、動作は前述した実施形態と同様である。
【0094】
時刻T2に、タイマー回路320の信号Timが"L"レベルから"H"レベルに切り替わる。タイマー回路320は、上記信号Timをソース線制御回路350及びビット線制御回路(図示せず)に入力する。ソース線制御回路350は、"H"レベルの上記信号Timを受けると、ソース線SL1への電圧出力を停止する。ビット線制御回路は"H"レベルの上記信号Timを受けると、ビット線BL1に電圧VNNを印加する。
【0095】
なお、時刻T3以降の動作はこれまでの実施形態と同様である。
【0096】
このように、タイマー回路320を用いてソース線SL1を開放状態とすると共に、このソース線SL1の開放のタイミングに合わせてビット線BL1を制御することもできる。
【0097】
以上のように、ワード線WL1の電圧が十分立ち上がった後に、ソース線SL1を開放状態にするため、書き込み動作時におけるソース線SL1の電位の上昇を回避することができ、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制できる。したがって、ドレインターンオンを原因とする種々の課題、例えば、ビット線の電位の低下による書き込み速度の低下や、過剰書き込み状態によるリテンション、酸化膜へのストレス等の信頼性の課題、また、メモリセルの書き込み分布収束性劣化の課題をも解決することができる。
【0098】
(第3の実施形態)
本実施形態のメモリセルは、制御ゲートと二つの拡散領域(ソース領域とドレイン領域)を備えたメモリトランジスタと、このメモリトランジスタを選択する役割をもつ選択トランジスタとの二つのトランジスタから構成される。ワード線は選択トランジスタのゲートに接続され、ビット線は選択トランジスタの一方の拡散領域に接続されている。また、選択トランジスタの他方の拡散領域は、メモリトランジスタのドレイン領域に拡散領域を部分的に共有する形で接続されている。ソース線はメモリトランジスタのソース領域に接続されている。なお、メモリブロックにおいて、制御ゲート・ソース線・ウェルの3端子はそれぞれ複数のメモリセルで共通になっている。
【0099】
本実施形態は第1の実施形態で示したソース線を制御する場合に加えて、選択トランジスタのワード線及びビット線を制御することでソース線とビット線との間のリークを回避すると共に、メモリトランジスタのドレインターンオンを抑制するものである。
【0100】
(回路構成)
図8は、本発明の第3の実施形態を示す半導体記憶装置の回路構成図である。なお、説明を簡単にするために、同一ビット線上の二つのメモリセルのみを示している。
【0101】
メモリブロック500は制御ゲートと浮遊ゲートを有するメモリトランジスタMC、及びこのメモリトランジスタMCを選択する役割をもつ選択トランジスタSGの2つのトランジスタから構成されるメモリセル560を備えている。このように選択トランジスタSGとメモリトランジスタMCの二つのトランジスタから構成されるメモリセル560を以下適宜2トランジスタ型のメモリセルと略す。
【0102】
メモリトランジスタMCにはソース線SL1、制御ゲートCG1、ウェルNW1がそれぞれ接続されている。
【0103】
選択トランジスタSGにはビット線BL1、BL2とワード線WL1、WL2とが接続されている。また、ワード線WL1又はWL2は選択トランジスタSGのゲート絶縁膜上のゲート電極に接続されている。メモリトランジスタMC及び選択トランジスタSGは共にP型の拡散領域を備えたPチャネル型で構成される。上記二つのトランジスタはメモリブロック500内にマトリクス状に配置されている。
【0104】
メモリブロック500は制御ゲートCG1、ソース線SL1及びウェルNW1がそれぞれ複数のメモリセルで共通になっている。
【0105】
更に、書き込み電圧発生回路510、制御ゲート制御回路520、ソース線制御回路550、ワード線駆動回路540、制御ゲート電圧検知回路530が配置される。
【0106】
上記書き込み電圧発生回路510で生成された電圧は制御ゲート制御回路520、制御ゲート電圧検知回路530、ワード線駆動回路540及びソース線制御回路550にそれぞれ供給される。
【0107】
制御ゲート制御回路520は制御ゲートCG1に電圧を出力する。
【0108】
制御ゲート電圧検知回路530は制御ゲート制御回路520に入力される電圧が特定の電圧値に到達しているかを検知する。ノードVcgが特定の電圧値に到達した場合には"H"レベルの検知信号Dctを出力する。なお、ノードVcgが特定の電圧値に到達していない場合は"L"レベルの検知信号Dctを出力する。
【0109】
また、上記制御ゲート電圧検知回路530の検知する特定の電圧値はウェルに印加される電圧値及びビット線に印加される電圧値より大きい。
【0110】
検知信号Dctはソース線制御回路550に入力される。ソース線制御回路550は、検知信号Dctに応じてソース線SL1に電圧出力を制御する。
【0111】
なお、ソース線制御回路550の電圧出力の制御は、必ずしも検知信号Dctだけで行う必要はない。
【0112】
(書き込み方法)
具体的な回路の動作について説明する前に上記半導体記憶装置の書き込み動作について説明する。
【0113】
図9は前述した図8に示したX−X間の一断面図を示したものである。二種類のトランジスタ620及び621は、例えば、P型不純物でドープされた基板601上に形成されN型不純物でドープされたウェル領域602内に、P型不純物でドープされたドレイン領域603、P型不純物でドープされたソース領域605とが形成されている。図9中の604及び606は二種類のトランジスタの中間ノードとなる。
【0114】
メモリトランジスタ621及び622は、それぞれトンネル酸化膜608及び609上に浮遊ゲート611と612が形成されている。また、浮遊ゲート611と612上には、例えばONO膜のような絶縁膜613と614を介して制御ゲート615と616が形成される。制御ゲート615と616は、メモリブロック内で共通であり、制御ゲート617に接続されている。また、メモリトランジスタ621及び622のソース領域605は、ソース線(図示せず)に接続され、メモリブロック内で共通である。
【0115】
選択トランジスタ620は、メモリトランジスタ621を選択するトランジスタであり、ウェル領域602内に形成されたドレイン領域603と、メモリトランジスタ621との中間ノード604の間にゲート酸化膜607が形成されている。ゲート酸化膜607上にはゲート電極610が形成されている。また、選択トランジスタ620のドレイン領域603にはビット線618が接続されている。選択トランジスタ620のゲート電極610にはワード線619が接続されている。
【0116】
書き込み対象のメモリトランジスタ621は選択トランジスタ620によって選択される。書き込み動作時には、ビット線618及びワード線619に例えば−5.5V、−7.5Vの電圧をそれぞれ印加する。また、ウェルには例えば+2.5Vの電圧を印加し、書き込み対象のメモリトランジスタ621の制御ゲート617に例えば+10Vの正の電圧を印加して、書き込み対象のメモリトランジスタ621と選択トランジスタ620との中間ノード604で発生したホットエレクトロンを、トンネル酸化膜608を介して浮遊ゲート611に注入する。
【0117】
ところで、制御ゲート617とウェル領域602とソース線は同一のメモリブロック内で書き込み非対象のメモリトランジスタ622と共通であるため、書き込み非対象のメモリトランジスタの制御ゲート616とウェル602とソース線には書き込み対象のメモリトランジスタ621と同様な電圧が印加される。
【0118】
ここで仮に、ソース線電位の上昇により書き込み対象のメモリトランジスタ621でドレインターンオンが起こった場合、ビット線618から選択トランジスタ620及びメモリトランジスタ621を介してソース線までが導通状態となる。このような導通状態が生じると、書き込み非対象のメモリトランジスタ622に関しても、書き込み対象セルと同様な電圧が印加されているため、ソース領域605(ソース線)でホットキャリア(ホットエレクロン)が発生する。このホットキャリアにより書き込み非対象のメモリトランジスタ622の浮遊ゲート612に電子が注入され、誤書き込みが発生する。
【0119】
本実施形態ではソース線の電位上昇を回避できる構成を有し、上記のように書き込み対象のメモリトランジスタ621のドレインターンオンを抑制できるため、書き込み非対象のメモリトランジスタ622への誤書き込みの課題に対しても有効な手段である。
【0120】
前述のとおり、本実施形態のメモリセルは、メモリトランジスタと選択トランジスタの2つのトランジスタから構成される。2トランジスタ型のメモリセルを用いる構成において、以降の説明では、書き込み対象のメモリセルを書き込み対象セル、書き込み非対象のメモリセルを書き込み非対象セルと呼ぶことにする。
【0121】
(動作波形)
以下、上記回路の動作について図面を参照しながら説明する。
【0122】
図10は、上記半導体記憶装置の書き込み動作時の一波形図である。
【0123】
先ず、時刻T0で、モード信号ModeがProgramモードに設定される。ここで書き込み電圧発生回路510が電圧VDNを発生する。電圧VDNは、ソース線制御回路550を介してソース線SL1に印加される。
【0124】
このときトリガ信号NTRGは"H"レベルのVDD(電源電圧)、検知信号Dctは"L"レベルのVSS(接地電位)である。書き込み対象セルのソース線以外の端子(制御ゲートCG1、ワード線WL1、ビット線BL1、ウェルNW1)はすべてVDDに設定される。
【0125】
なお、ウェルNW1の電圧波形については図示していないが、書き込み動作中、常時VDDが印加される。また、図中に示していないが、書き込み非対象セルに接続されるワード線WL2に対しても、上記書き込み動作の間、常時VDDが印加されている。
【0126】
次に、時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。この変化に伴い、書き込み電圧発生回路510は正の電圧VPP、負の電圧VNN、及び負の電圧VBBを発生する。ワード線WL1には負の電圧VBBが印加され、ビット線BL1には負の電圧VNNが印加される。なお、VNNはVBBよりも絶対値的に小さい電圧値である。また、制御ゲート制御回路520は電圧VPPを出力し、容量性負荷を持つ制御ゲートCG1を充電し始める。
【0127】
制御ゲート電圧検知回路530は、ノードVcgの電位をモニターすることで、制御ゲートCG1の電圧が特定の電圧値に到達したか否かを検知する。
【0128】
次に、時刻T2で、ノードVcgの電位が特定の電圧値に到達すると、検知信号Dctは"H"レベルになる。この検知信号Dctを受けてソース線制御回路550はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態(Hiz状態)にする。制御ゲートCG1の電圧レベルは十分に立ち上がっているので、ソース線SL1は制御ゲートとの容量結合による影響を受けず、ソース線SL1の電位上昇が抑制され、VDNが保持される。
【0129】
メモリセルに書き込み電圧が印加されると、書き込み対象セルの浮遊ゲートに電子が注入される。電子が注入されると浮遊ゲートの電位は低下するが、前述のようにソース線SL1の電位がVDNに保持されているため、浮遊ゲートとソース線SL1との間の電位差の拡大を、従来例に対して、抑制することができ、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0130】
次に、時刻T3で、トリガ信号NTRGが"L"から"H"に変化し、これに応じて検知信号Dctは"H"から"L"となる。書き込み電圧発生回路510は電圧VPP、電圧VBB及び電圧VNNの発生を停止する。ソース線SL1を除くメモリセルの各端子の電位はすべてVDDになる。また、ソース線制御回路550はソース線SL1に再びVDNを印加する。
【0131】
次に、時刻T4で、モード信号Modeが変化し、Programモードから他のモードへ遷移する。ソース線制御回路550の出力電圧はVDNからVDDとなり、ソース線SL1の電圧はVDDとなる。
【0132】
以上の一連の動作により書き込み動作が完全に終了する。このように制御ゲートCG1の電圧レベルを検知してソース線SL1を開放状態にすることによって、ソース線SL1の電位上昇を抑制することができる。このため、書き込み動作時にメモリトランジスタのドレインターンオンを抑制することができる。
【0133】
次に、図11に書き込み動作時における回路制御を変えた場合における動作波形を示す。
【0134】
先ず、時刻T0で、モード信号ModeがProgramモードに設定される。ここで書き込み電圧発生回路510は電圧VPP及び電圧VDNを発生する。電圧VDNはソース線制御回路550を通してソース線SL1に印加される。また、書き込み電圧発生回路510は制御ゲート制御回路520に電圧VPPを供給する(つまり、ノードVcgはVPPになる)。ただし、この時点では、制御ゲートCG1にはVPPを印加せず、制御ゲートCG1はVDD(電源電圧)が印加されている。また、書き込み対象セルの他の端子(ワード線WL1、ビット線BL1、ウェルNW1)はVDDに設定される。なお、ウェルNW1の電圧波形については図示しないが、書き込み動作中、常時VDDが印加される。また、図中に示していないが、書き込み非対象セルに接続されるワード線WL2は、上記書き込み動作の間、常時VDDが印加されている。
【0135】
次に、時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号NTRGの変化に伴い、書き込み電圧発生回路510においてVBB、VNNの電圧が生成される。ビット線BL1には負の電圧VNNを印加される。また、ワード線WL1には負の電圧VBBが印加される。なお、VNNはVBBよりも絶対値的に小さい電圧値である。
【0136】
また、制御ゲート制御回路520は書き込み電圧発生回路510から供給されていた電圧VPPを制御ゲートCG1に印加する。このとき、ノードVcgの電位は一時的にVPPから低下し、再びVPPのレベルまで回復する。このノードVcgの電位変動は次のような現象により発生する。制御ゲートCG1にVPPを印加すると、制御ゲートCG1の負荷容量(寄生容量)を充電するために、ノードVcgから制御ゲートCG1の負荷容量に電流が流れ込む。これによりノードVcgの電位は一時的に低下する。その後、上記負荷容量に十分な電荷が充電されると、ノードVcgは再び電圧VPPまで回復する。
【0137】
次に、時刻T2で制御ゲート電圧検知回路530が、ノードVcgの電位が予め設定した特定の電圧値に到達したことを検知すると、検知信号Dctが"L"レベルから"H"レベルとなる。
【0138】
上記"H"レベルの検知信号Dctがソース線制御回路550に入力にされると、ソース線制御回路550はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態にする。このとき制御ゲートCG1の電圧レベルは十分に立ち上がっているので、ソース線は、制御ゲートとの容量結合による影響を受けず、電位上昇を抑制できるため、電圧VDNが保持される。
【0139】
なお、メモリトランジスタに書き込み電圧が印加されると、書き込み対象セルの浮遊ゲートに電子が注入される。浮遊ゲートに電子が注入されると浮遊ゲートの電位は低下するが、ソース線SL1の電位が電圧VDNに保持されているため、浮遊ゲートとソース線SL1との間の電位差の拡大を抑制でき、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0140】
次に、時刻T3で、トリガ信号NTRGが"L"から"H"に変化する。トリガ信号NTRGの変化に伴い、検知信号も"H"から"L"へと切り替わる。書き込み電圧発生回路510は電圧VBB及びVNNの発生を停止する。ワード線駆動回路540及びビット線制御回路(図示せず)は、それぞれワード線WL1及びビット線BL1への書き込み電圧の印加を停止し、VDD(電源電圧)を印加する。また、制御ゲート制御回路520は、制御ゲートCG1への電圧VPPの印加を停止し、VDDに切り替える。
【0141】
なお、本実施形態における書き込み電圧とは、例えば、ビット線BL1においてはVNN、ワード線WL1においてはVBB、制御ゲートCG1においてはVPP、ソース線SL1で言えば開放状態(HiZ状態)に相当する。これは前述のとおり、書き込み対象セルの浮遊ゲートに電子注入を行う際に、書き込み対象のメモリセルに印加される電圧値である。
【0142】
次に、時刻T4でモード信号Modeが変化し、Programモードから他のモードへ遷移する。書き込み電圧発生回路510は電圧VDN及びVPPの発生を停止する。これに伴い、ソース線SL1への印加電圧もVDNからVDDに切り替わる。また、制御ゲート制御回路520への供給電圧もVPPからVDDへと切り替わり、ノードVcgの電位がVDDとなる。
【0143】
ところで、上記ソース線SL1を開放状態とするのに加えてワード線WL1とビット線BL1を制御することもできる。このようにワード線WL1又はビット線BL1を制御する理由を以下に示す(図9参照)。
【0144】
書き込み動作を行う際には、すべての書き込み対象のメモリセルが消去状態にあるとは限らず、書き込み状態(浮遊ゲートに電子が蓄積された状態)にあるメモリセルも存在する可能性がある。したがって、書き込み対象セルに浮遊ゲート611の電位が低いメモリトランジスタ621が存在する可能性がある。
【0145】
ワード線619を通して書き込み電圧が選択トランジスタ620のゲート電極610に印加されると、選択トランジスタ620はオンし、選択トランジスタ620とメモリトランジスタ621との中間ノード604にビット線618の電位が伝達される。また、このときビット線618に書き込み電圧が印加されていると、選択トランジスタ620を介して、選択トランジスタ620とメモリトランジスタ621との中間ノード604にはビット線に印加された書き込み電圧が印加される。これらが浮遊ゲート611の電位の低いメモリトランジスタ621に関して、制御ゲート615の電圧が十分に立ち上がる前に行われると、選択トランジスタ620及びメモリトランジスタ621を介して、ビット線618とソース線(ソース領域605)との間でリーク電流が流れる可能性がある。
【0146】
これはソース線(ソース領域605)とビット線618が比較的高い抵抗を介して接続されるようなもので、ソース線(ソース領域605)及びビット線618に印加する電圧の供給源の電流能力によってはソース線(ソース領域605)及びビット線618の電位に影響を与えることになる。
【0147】
このリーク電流を更に回避するために、ワード線619又はビット線618又はワード線619及びビット線618の両方への書き込み電圧の印加を開始するタイミングも制御することもできる。なお、他の実施形態においても、同様のことが言える。
【0148】
次に、図12に図10に示した動作をもとに、ソース線SL1を開放するタイミングに合わせてワード線WL1に電圧を印加した場合の動作波形を示す。なお、時刻T0〜時刻T1までの動作は、前述した通りである。また、図12、13の動作においても同様に適用できる。
【0149】
時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。この変化に伴い、書き込み電圧発生回路510は正の電圧VPP、負の電圧VNN、及び負の電圧VBBを発生する。ビット線BL1には負の電圧VNNが印加される。ワード線駆動回路540には負の電圧VBBが供給されるが、ワード線WL1にはこの時点ではVBBは印加されない。なお、VNNはVBBよりも絶対値的に小さい電圧値である。また、制御ゲート制御回路520は電圧VPPを出力し、容量性負荷をもつ制御ゲートCG1を充電し始める。
【0150】
制御ゲート電圧検知回路530は、ノードVcgの電位をモニターすることで、制御ゲートCG1の電圧が特定の電圧値に到達したか否かを検知する。
【0151】
時刻T2で、制御ゲート電圧検知回路530が、ノードVcgの電位が特定の電圧値に到達したことを検知すると、検知信号Dctは"L"レベルから"H"レベルに変化する。検知信号Dctは、制御ゲート電圧検知回路530からソース線制御回路550及びワード線駆動回路540に入力される。ソース線制御回路550は、"H"レベルの検知信号Dctが入力されると、ソース線SL1への電圧出力を停止し、開放状態(HiZ状態)にする。また、ワード線駆動回路540は、"H"レベルの検知信号Dctが入力されると、負の電圧VBBをワード線WL1に印加する。なお、時刻T3以降の動作は前述した通りである。
【0152】
次に、図13に上記図12に示した動作をもとにソース線SL1を開放するタイミングに合わせてワード線WL1だけでなくビット線BL1にも書き込み電圧の印加を開始する場合の動作波形を示す。なお、時刻T0〜時刻T1までの動作は前述した通りである。
【0153】
時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。この変化に伴い、書き込み電圧発生回路510は正の電圧VPP、負の電圧VNN、及び負の電圧VBBを発生する。ビット線制御回路(図示せず)には負の電圧VNNが供給されるが、ビット線BL1にはこの時点では負の電圧VNNは印加されない。ワード線駆動回路540には負の電圧VBBが供給されるが、ワード線WL1にはこの時点ではVBBは印加されない。なお、VNNはVBBよりも絶対値的に小さい電圧値である。また、制御ゲート制御回路520は電圧VPPを出力し、容量性負荷をもつ制御ゲートCG1を充電し始める。
【0154】
制御ゲート電圧検知回路530は、ノードVcgの電位をモニターすることで、制御ゲートCG1の電圧が特定の電圧値に到達したか否かを検知する。
【0155】
時刻T2に、制御ゲート電圧検知回路530が、ノードVcgの電位が特定の電圧値に到達したことを検知すると、制御ゲート電圧検知回路530は"H"レベルの検知信号Dctをソース線制御回路550、ワード線駆動回路540及びビット線制御回路(図示せず)に入力する。この検知信号Dctを受けて、ソース線制御回路550はソース線SL1への電圧出力を停止し、開放状態(HiZ状態)する。また、この検知信号Dctを受けて、ワード線駆動回路540は負の電圧VBBをワード線WL1に印加し、ビット線制御回路は負の電圧VNNをビット線BL1に印加する。なお、時刻T3以降の動作は前述した通りである。
【0156】
このように、ソース線SL1を開放状態とするタイミングに加えてワード線WL1だけでなくビット線BL1への書き込み電圧の印加を開始することもできる。
【0157】
以上のように、制御ゲートCG1の電圧が十分立ち上がった後に、ソース線SL1を開放状態にするため、書き込み動作におけるソース線SL1の電位の上昇を回避することができ、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制できる。したがって、ドレインターンオンを原因とする種々の課題、例えば、ビット線の電位の低下による書き込み速度の低下や、過剰書き込み状態によるリテンション、酸化膜へのストレス等の信頼性の課題、また、メモリセルの書き込み分布収束性劣化の課題をも解決することができる。
【0158】
(第4の実施形態)
(回路構成)
図14は、本発明の第4の実施形態を示す半導体記憶装置の回路構成図である。本実施形態では、上記第3の実施形態での制御ゲート電圧検知回路530に代えてタイマー回路930を配置した構成である。
【0159】
上記タイマー回路930はメモリセルへの書き込み動作時に制御ゲートCG1へと書き込み電圧の印加を開始してから所定の時間が経過した後にソース線SL1を開放状態にするものである。
【0160】
タイマー回路930はトリガ信号NTRGに応じて動作する。なお、タイマー回路930は外部からの入力信号に応じて動作してもよい。トリガ信号NTRGが"H"レベルから"L"レベルへと切り替わった時刻から予め設定した時間(T)が経過すると、タイマー回路930から出力される信号Timが"L"レベルから"H"レベルへと切り替わる。タイマー回路930からソース線制御回路950への入力信号Timが"H"レベルの間、ソース線制御回路950はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態とする。その後、トリガ信号NTRGが"L"レベルから"H"レベルに切り替わるとタイマー回路930からの出力信号Timは"H"レベルから"L"レベルへと切り替わる。この信号Timがソース線制御回路950に入力されると、ソース線制御回路950はソース線SL1に再び電圧VDNを印加する。
【0161】
上記予め設定する所定の時間(T)は、半導体記憶装置内の配線抵抗や制御ゲートの負荷容量成分等のプロセスパラメータに基づいて設計する。なお、この所定の時間は制御ゲートの電圧が十分にVPPとなる時間以上に設定することが望ましい。
【0162】
(動作波形)
以下、上記半導体記憶装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0163】
図15は上記半導体記憶装置の書き込み時の波形図である。
【0164】
時刻T0から時刻T1までの動作は上記第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0165】
時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号NTRGの変化に伴い、書き込み電圧発生回路910はVNN、VBB及びVPPを発生する。ビット線制御回路(図示せず)はビット線BL1に電圧VNNを印加する。制御ゲートCG1には電圧VPPが印加される。また、ワード線駆動回路940を介してワード線WL1には負の電圧VBBが印加される。
【0166】
次に、時刻T1から時間T経過した時刻T2で、タイマー回路930からソース線制御回路950に"H"レベルの信号Timが入力される。この"H"レベルの信号Timを受けて、ソース線制御回路950はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態(Hiz状態)にする。
【0167】
このとき制御ゲートCG1の電圧レベルは十分に立ち上がっているので、ソース線SL1は制御ゲートCG1との容量結合による影響を受けることがない。このため、ソース線SL1の電位の上昇を回避することができる。上記第3の実施形態と同様に、書き込み対象セルの浮遊ゲートに電子が注入されると、次第に浮遊ゲートの電位が低下するが、ソース線SL1の電位がVDNに保持されているため、従来例に対して、浮遊ゲートとソース線SL1との間の電位差の拡大を抑制することができる。したがって、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0168】
次に、時刻T3以降の動作は上記第3の実施形態で示した内容と同様である。
【0169】
以上のように、制御ゲートCG1の電圧が十分に立ち上がった後に、ソース線SL1を開放状態にするため、ソース線SL1の電位上昇を回避することができ、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制できる。
【0170】
ここで、上記第3の実施形態で示したように、上記ソース線SL1の開放に合わせてワード線WL1又はビット線BL1又はワード線WL1及びビット線BL1の両方への書き込み電圧の印加も制御することもできる。
【0171】
次に、図16に上記半導体記憶装置においてソース線SL1を開放するタイミングに合わせて、ワード線WL1に書き込み電圧を印加した場合の動作波形を示す。
【0172】
時刻T0から時刻T1までの動作は上記第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0173】
時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号NTRGの変化に伴い、書き込み電圧発生回路910はVNN、VBB及びVPPを発生する。ビット線制御回路(図示せず)はビット線BL1に電圧VNNを印加する。制御ゲートCG1には電圧VPPが印加される。また、ワード線駆動回路940には負の電圧VBBが供給されるが、この時点ではワード線WL1には負の電圧VBBは印加されない。
【0174】
時刻T1から時間T経過した時刻T2で、タイマー回路930は"H"レベルの信号Timをソース線制御回路950及びワード線駆動回路940に対して出力する。この"H"レベルの信号Timを受けて、ワード線駆動回路940は負の電圧VBBをワード線WL1に印加し、ソース線制御回路950はソース線SL1への電圧出力を停止しソース線SL1を開放状態(Hiz状態)にする。時刻T3以降の動作はこれまでの実施形態と同様である。
【0175】
また、図17に上記半導体記憶装置においてソース線SL1を開放するタイミングに合わせてワード線WL1とビット線BL1との両方に書き込み電圧を印加する場合の動作波形を示す。
【0176】
時刻T0から時刻T1までの動作は上記第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0177】
時刻T1で、トリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。このトリガ信号NTRGの変化に伴い、書き込み電圧発生回路910はVNN、VBB及びVPPを発生する。ビット線制御回路(図示せず)及びワード線駆動回路940にはそれぞれVNN及びVBBが供給されるが、この時点では、ビット線BL1及びワード線WL1には共に書き込み電圧は印加されない。制御ゲートCG1には制御ゲート制御回路920を通して電圧VPPが印加される。
【0178】
時刻T1から時間T経過した時刻T2で、タイマー回路930は"H"レベルの信号Timをソース線制御回路950、ワード線駆動回路940及びビット線制御回路(図示せず)に対して出力する。
【0179】
この"H"レベルの信号Timがワード線駆動回路940及びビット線制御回路に入力されると、ワード線駆動回路940は負の電圧VBBをワード線WL1に印加し、ビット線制御回路はビット線BL1に負の電圧VNNを印加する。ソース線制御回路950に"H"レベルの信号Timが入力されると、ソース線制御回路950はソース線SL1への電圧出力を停止し、ソース線SL1を開放状態(Hiz状態)にする。時刻T3以降の動作はこれまでの実施形態と同様である。
【0180】
以上のように、タイマー回路930を用いて制御ゲートCG1に書き込み電圧の印加を開始してから一定時間が経過した後に、ソース線SL1を開放状態とすると共に、このタイミングに合わせてワード線WL1又はビット線BL1又はワード線WL1及びビット線BL1の両方を制御することで2トランジスタ型の半導体記憶装置においても書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0181】
(第5の実施形態)
本実施形態においては、書き込み動作時におけるソース線の電位上昇を抑制できる別の実施形態について説明する。本実施形態では書き込み動作時にソース線の容量を増加させることでソース線の電位の上昇を抑制するものである。
【0182】
(回路構成)
図18は本発明の第5の実施形態における半導体記憶装置の構成を示したものである。本実施形態では上記第3又は第4の実施形態と同様な2トランジスタ型のメモリセルで説明する。なお、2トランジスタ型ではなく、第1又は第2の実施形態に示した1トランジスタ型のメモリセルであってもよい。また、図18の回路構成図は、回路構成の一形態を示したものであり、回路の種類や設置個数又は配置位置等はこの実施形態に限られる訳ではない。
【0183】
書き込み電圧発生回路1210はモード信号Modeに応じて、書き込み電圧を発生し、出力する。この書き込み電圧発生回路1210の出力電圧は、同一経路で同じ電圧がソース線制御回路1230a〜1230cに供給される。
【0184】
制御回路1220はモード信号Modeに応じて、メモリブロックのソース線SL1〜SLnを接続するためのスイッチ活性化信号Conを出力する。このスイッチ活性化信号Conはスイッチ回路1250a〜1250bに入力される。このスイッチ回路1250a〜1250bは、スイッチ活性化信号Conに応じて、メモリブロックのソース線間SL1〜SLnの接続又は分離を行う。また、このスイッチ回路は書き込み動作時には少なくとも1つ以上のメモリブロックのソース線SL1〜SLn間を接続する。この際、ソース線間が接続されるメモリブロックには、必ず書き込み対象セルを含むメモリブロックが含まれる。一方、書き込み動作時以外の動作時にはメモリブロックのソース線SL1〜SLn間を分離するものである。
【0185】
なお、上記スイッチ回路1250a〜1250bにはバイポーラトランジスタや電界効果(MOS)トランジスタ等を使うことができる。
【0186】
また、ソース線容量1240a〜1240cはソース線SL1〜SLnの負荷容量(C1〜Cn:寄生容量)を示したものである。
【0187】
(動作波形)
以下、上記半導体記憶装置の動作波形について図面を参照しながら説明する。図19は本実施形態の半導体記憶装置の書き込み方法における波形図を示したものである。書き込み対象セルが存在するメモリブロックは図18中のメモリブロック1200として考える。
【0188】
先ず、時刻T0で、モード信号ModeがProgramモードに設定される。書き込み電圧発生回路1210で電圧VDN及び電圧VNNが生成される。この電圧VDNはソース線制御回路1230a〜1230cを介してソース線SL1〜SLnに印加される。なお、このVDNの電圧値はウェルに印加される電圧値以下に設定する。電圧VNNはビット線制御回路(図示せず)を介してビット線BL1に印加される。
【0189】
また、このときワード線WL1〜WL2、制御ゲートCG1、ウェルNW1にはVDD(電源電圧)が印加されている。なお、ウェルNW1の電圧波形については図示していないが、書き込み動作中、常時VDDが印加されている。
【0190】
制御回路1220はモード信号ModeがProgramモードに設定されることでスイッチ活性化信号Conを"L"から"H"に変化させる。
【0191】
"H"レベルのスイッチ活性化信号Conがスイッチ回路1250a〜1250bに入力されると、スイッチ回路1250a〜1250bはメモリブロックのソース線SL1〜SLn間をそれぞれ接続する。これによって隣接するソース線間がスイッチ回路によって接続される為、等価的に書き込み対象セルが存在するメモリブロックのソース線SL1にソース線SL2〜SLnが接続されることになり、ソース線SL1の容量は接続される前のC1からC1+C2+・・・+Cnへと増加する。
【0192】
次に、時刻T1でトリガ信号NTRGが"H"から"L"に変化する。この変化に伴い、書き込み対象セルの5端子(CG1、SL1、NW1、WL1、BL1)にはそれぞれ次のような電圧が印加される。
【0193】
ワード線WL1及びビット線BL1には、それぞれ電圧VBB及び電圧VNNが印加される。なお、書き込み非対象セルのワード線WL2にはVDDが印加されたままである。一方、書き込み非対象セルのビット線BL1は書き込み対象セルと共通である為、VNNが印加される。制御ゲートCG1にはVPPが印加される。なお、制御ゲートCG1は同一メモリブロック内では共通であるため、書き込み非対象セルの制御ゲートCG1にも同じVPPの電圧が印加される。また、ウェルNW1はVDDのままである。
【0194】
なお、書き込み対象セルが存在しないメモリブロックの制御ゲートは、一連の書き込み動作中、常時VDDが印加されたままである。
【0195】
ソース線制御回路1230a〜1230cはソース線SL1〜SLnへの電圧印加を停止し、開放状態(Hiz状態)にする。
【0196】
ここで、制御ゲートCG1とソース線SL1の結合容量は変わらないが、前述したようにソース線SL1〜SLnが接続されることで、ソース線の負荷容量がC1+C2+・・・+Cnと増加するため、容量結合比が変化し、制御ゲートCG1の電圧変化がソース線SL1に伝達しにくくなる。これはソース線SL1電位の上昇の抑制に効果があることを意味している。
【0197】
以上のように、書き込み対象セルが存在するメモリブロック1200のソース線SL1に書き込み対象セルの存在しないメモリブロックのソース線SL2〜SLnを接続することにより未接続の状態に比べてソース線SL1の電位変化を小さくすることができる。
【0198】
したがって、制御ゲートCG1とソース線SL1との容量結合によるソース線SL1の電位上昇は抑制される。電子注入により浮遊ゲートの電位が低下しても、制御ゲートCG1とソース線SL1の電位差の拡大を未接続状態の場合よりも抑えることができるため、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0199】
次に、時刻T2で、トリガ信号NTRGは"L"から"H"に変化する。ワード線WL1、制御ゲートCG1、ウェルNW1はVDDとなる。ソース線SL1〜SLnには電圧VDNが印加され、開放状態は解除される。
【0200】
次に、時刻T3で、モード信号Modeが変化し、Programモードから他のモードへ遷移する。これで一連の書き込み動作が完全に終了する。書き込み電圧発生回路1210は電圧VDN及び電圧VNNの発生を停止する。これに伴い、ソース線SL1〜SLnの電圧はVDNからVDDになり、ビット線BL1の電圧はVNNからVDDとなる。また、制御回路1220から出力されるスイッチ活性化信号Conは"H"から"L"に変化し、このスイッチ活性化信号Conを受けてスイッチ回路1250a〜1250bはソース線SL1〜SLn間の接続を解除しソース線SL1〜SLnはそれぞれ分離状態となる。
【0201】
なお、本実施形態では、ビット線へのVNNの印加をモード信号Modeに応じて行っているが、トリガ信号NTRGに応じて行ってもよい。
【0202】
上記説明の通り、書き込み対象セルが存在するメモリブロックのソース線SL1の容量を大きくすることで、制御ゲートCG1とソース線SL1の容量結合によるソース線SL1の電位上昇を抑制することができる。このため書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができる。
【0203】
以上の第5の実施形態では、主に書き込み動作時にスイッチ回路を用いてメモリブロックのソース線間を接続することで、ソース線容量を増加させる方法を示したが、他の方法を用いても良い。例えば、書き込み対象のソース線を半導体記憶装置内部の容量素子等に接続することによってソース線容量を増加させる方法でも実現できる。
【0204】
以上の第1〜5の実施形態に示したメモリセルに印加する電圧値は相対的に必要な電位差があればよく、あくまで一例を示したものである。
【0205】
以上の第1〜5の実施形態に示したメモリセルに印加する電圧の制御は、必ずしも書き込み電圧発生回路で行う必要はなく、複数のメモリセルに1つの割合で存在する端子の制御回路(例えば、ワード線駆動回路)やメモリブロックに1つの割合で存在する制御回路(例えば、制御ゲート制御回路、ソース線制御回路)等で行ってもよい。また、書き込み対象セルへの印加電圧の制御は、各動作波形を可能とするすべての制御の組み合わせが許容され、各実施形態において、追記した電圧印加のタイミング制御(例えば、ソース線の開放と合わせてワード線への書き込み電圧の印加を行う制御)の組み合わせも許容するものである。
【0206】
以上の第1〜5の実施形態に示した本発明の不揮発性半導体記憶装置は電子機器に組み込み搭載して使用することができる。電子機器の例としては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、DVC(Digital Video Camera)、ビデオテープレコーダ等が考えられる。
【0207】
さらに、例えばICカード用のマイクロコンピュータに内蔵した、又はマイクロコンピュータやマイクロプロセッサを搭載した集積回路(LSI)として用いることができる。また、上記以外の適用例としては、例えば、携帯電話(移動体通信)やPDA(Personal Digital Assistant)等のデジタルモバイルの通信端末やパーソナルコンピュータ(ノート型、ディスクトップ型)などにも搭載して使用することができる。
【0208】
最後に、今回示された上記実施形態は、全ての点で例示であり、制限的なものではない。本発明の範囲は上記の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等及びその範囲内の全ての変更が含まれる。
【0209】
【発明の効果】
上記のような構成または書き込み方法を用いることで、書き込み動作時のソース線電位の上昇を抑制することができる。このため、書き込み対象セルのドレインターンオンを抑制することができ、ドレインターンオンを抑制することで、これを原因とする種々の課題の発生をも抑制することができる。したがって、半導体記憶装置の信頼性向上、書き込み分布の収束性向上、書き込みディスターブによる誤書き込み防止、書き込み速度の劣化防止等の効果を期待することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の回路構成図
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図3】本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図4】本発明の第1の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図5】本発明の第2の実施形態における半導体記憶装置の回路構成図
【図6】本発明の第2の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図7】本発明の第2の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図8】本発明の第3の実施形態における半導体記憶装置の回路構成図
【図9】本発明の第3の実施形態における半導体記憶装置の一断面図
【図10】本発明の第3の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図11】本発明の第3の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図12】本発明の第3の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図13】本発明の第3の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図14】本発明の第4の実施形態における半導体記憶装置の回路構成図
【図15】本発明の第4の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図16】本発明の第4の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図17】本発明の第4の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図18】 本発明の第5の実施形態における半導体記憶装置の回路構成図
【図19】本発明の第5の実施形態における半導体記憶装置の動作波形図
【図20】従来の半導体記憶装置の一断面図
【図21】従来の半導体記憶装置の動作波形図
【符号の説明】
110 書き込み電圧発生回路
120 制御ゲート電圧検知回路
130 メモリトランジスタ
140 ワード線駆動回路
150 ソース線制御回路
320 タイマー回路
510 書き込み電圧発生回路
520 制御ゲート制御回路
530 制御ゲート電圧検知回路
540 ワード線駆動回路
550 ソース線制御回路
1200 メモリブロック
1210 書き込み電圧発生回路
1220 制御回路
1230a〜c ソース線制御回路
1240a〜c ソース線容量
SG 選択トランジスタ
MC メモリトランジスタ
WL1〜WL2 ワード線
BL1 ビット線
CG1 制御ゲート
SL1〜SLn ソース線
NW1 ウェル
Mode モード信号
NTRG トリガ信号
Dct 検知信号
Con スイッチ活性化信号

Claims (20)

  1. 制御ゲートとソース線とウェルとを備えたメモリトランジスタとワード線とビット線と前記ウェルとを備えた選択トランジスタとの2つのPチャネル型トランジスタで構成される不揮発性メモリセルを有し、書き込み動作時に前記制御ゲートには前記ウェルに印加する電圧値よりも高い電圧を印加し、前記ビット線には前記ウェルに印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ワード線には前記ビット線に印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ソース線を開放状態に設定する半導体記憶装置において、前記メモリセルの書き込み動作時に前記制御ゲートの電圧が書き込み動作時の前記ソース線電位の上昇によるターンオンを防止する特定の電圧値に達した後に、前記ソース線を前記ウェルに印加する電圧値以下である所定の電位から開放状態に設定しさらに前記ワード線へ書き込み電圧の印加を開始することを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記メモリセルの書き込み動作時に前記制御ゲートの電圧が特定の電圧値に達した後に、さらに前記ビット線へ書き込み電圧の印加を開始する、請求項記載の半導体記憶装置。
  3. 制御ゲートとソース線とウェルとを備えたメモリトランジスタとワード線とビット線と前記ウェルとを備えた選択トランジスタとの2つのPチャネル型トランジスタで構成される不揮発性メモリセルを有し、書き込み動作時に前記制御ゲートには前記ウェルに印加する電圧値よりも高い電圧を印加し、前記ビット線には前記ウェルに印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ワード線には前記ビット線に印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ソース線を開放状態に設定する半導体記憶装置において、前記メモリセルの書き込み動作時に前記制御ゲートへ書き込み電圧の印加を開始してから書き込み動作時の前記ソース線電位の上昇によるターンオンを防止する所定の時間が経過した後に、前記ソース線を前記ウェルに印加する電圧値以下である所定の電位から開放状態に設定しさらに前記ワード線へ書き込み電圧の印加を開始することを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 前記メモリセルの書き込み動作時に前記制御ゲートへ書き込み電圧の印加を開始してから所定の時間が経過した後に、さらに前記ビット線へ書き込み電圧の印加を開始する、請求項記載の半導体記憶装置。
  5. 前記半導体記憶装置は、前記制御ゲートの電圧が特定の電圧値に到達したことを検知し信号を出力する制御ゲート電圧検知回路と、前記制御ゲート電圧検知回路が出力する前記信号によって前記ソース線への電圧出力を制御するソース線制御回路とを備える、請求項1又は2記載の半導体記憶装置。
  6. さらに前記制御ゲート電圧検知回路が出力する前記信号によって前記ワード線への電圧出力を制御するワード線駆動回路を備える、請求項記載の半導体記憶装置。
  7. さらに前記制御ゲート電圧検知回路が出力する前記信号によって前記ビット線への電圧出力を制御するビット線制御回路を備える、請求項記載の半導体記憶装置。
  8. 前記半導体記憶装置は、前記制御ゲートに書き込み電圧の印加を開始してからの経過時間が所定の時間に達した場合に信号を出力するタイマー回路と、前記タイマー回路が出力する前記信号によって前記ソース線への電圧出力を制御するソース線制御回路とを備える、請求項3又は4記載の半導体記憶装置。
  9. さらに前記タイマー回路が出力する前記信号によって前記ワード線への電圧出力を制御するワード線駆動回路を備える、請求項記載の半導体記憶装置。
  10. さらに前記タイマー回路が出力する前記信号によって前記ビット線への電圧出力を制御するビット線制御回路を備える、請求項記載の半導体記憶装置。
  11. 複数の前記メモリセルのソース線が共通であり、かつ、複数の前記メモリセルの制御ゲートが共通であるメモリブロックを有する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の半導体記憶装置。
  12. 前記制御ゲート電圧検知回路は前記信号の出力を外部信号に応じて有効にする、請求項5〜7のいずれか一つに記載の半導体記憶装置。
  13. 前記制御ゲート電圧検知回路は前記制御ゲートの電圧が所定の電圧値以下になった後に前記信号の出力を有効にする、請求項5〜7のいずれか一つに記載の半導体記憶装置。
  14. 制御ゲートとソース線とウェルとを備えたメモリトランジスタとワード線とビット線と前記ウェルとを備えた選択トランジスタとの2つのPチャネル型トランジスタで構成される不揮発性メモリセルを有し、書き込み動作時に前記制御ゲートには前記ウェルに印加する電圧値よりも高い電圧を印加し、前記ビット線には前記ウェルに印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ワード線には前記ビット線に印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ソース線を開放状態に設定する半導体記憶装置の書き込み方法であって、前記制御ゲートの電圧が書き込み動作時の前記ソース線電位の上昇によるターンオンを防止する特定の電圧値に達した後に、前記ソース線を前記ウェルに印加する電圧値以下である所定の電位から開放状態に設定しさらに前記ワード線へ書き込み電圧の印加を開始することを特徴とする半導体記憶装置の書き込み方法。
  15. 前記半導体記憶装置の書き込み方法は、前記制御ゲートの電圧が特定の電圧値に達した後に、さらに前記ビット線へ書き込み電圧の印加を開始する、請求項14記載の半導体記憶装置の書き込み方法。
  16. 制御ゲートとソース線とウェルとを備えたメモリトランジスタとワード線とビット線と前記ウェルとを備えた選択トランジスタとの2つのPチャネル型トランジスタで構成される不揮発性メモリセルを有し、書き込み動作時に前記制御ゲートには前記ウェルに印加する電圧値よりも高い電圧を印加し、前記ビット線には前記ウェルに印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ワード線には前記ビット線に印加する電圧値よりも低い電圧を印加し、前記ソース線を開放状態に設定する半導体記憶装置の書き込み方法であって、前記制御ゲートに書き込み電圧の印加を開始してから書き込み動作時の前記ソース線電位の上昇によるターンオンを防止する所定の時間が経過した後に、前記ソース線を前記ウェルに印加する電圧値以下である所定の電位から開放状態に設定し、さらに前記ワード線に書き込み電圧の印加を開始することを特徴とする半導体記憶装置の書き込み方法。
  17. 前記半導体記憶装置の書き込み方法は、制御ゲートに書き込み電圧の印加を開始してから所定の時間が経過した後に、さらに前記ビット線に書き込み電圧の印加を開始する、請求項16記載の半導体記憶装置の書き込み方法。
  18. 前記メモリトランジスタは、P型にドープされた二つの拡散領域と、前記二つの拡散領域に挟まれたチャネル領域の上方にトンネル酸化膜を介して形成された前記浮遊ゲートと、前記浮遊ゲートの上方に絶縁膜を介して形成された前記制御ゲートとを有する、請求項1〜13のいずれか一つに記載の半導体記憶装置。
  19. 前記メモリセルの書き込みは、バンド−バンド間トンネル電流誘起ホットエレクロン注入によって、前記トンネル酸化膜を介して前記浮遊ゲートへと電子を注入する、請求項18記載の半導体記憶装置。
  20. 前記二つの拡散領域は互いに不純物プロファイルが等しい、請求項18又は19記載の半導体記憶装置。
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