JP4240618B2 - 3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法 - Google Patents

3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医薬、農薬等の合成中間体として有用な3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法としては、(1) アスコルビン酸から出発してこれをそのアセトナイドへ導き、ついでこれをグリセロールアセトナイドへ導き、その水酸基をトシル化した後トシルオキシ基をシアノ基で置換する方法(J. Am. Chem. Soc., 102, 6304, (1980))、(2) 3−クロロ−1,2−プロパンジオールを出発原料としてこれをシアノ化剤と反応させて3,4−ジヒドロキシブチロニトリルを得、続いてその水酸基をトリチル基等で保護する方法(特許第2535436号公報、特開平2−262537号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの合成法は工業化を考慮するといずれも下記のような問題を有する。まず、(1) の方法は、アスコルビン酸からグリセロールアセトナイドを得るまでに4工程を要することから反応工程が長い上、中間体であるイソプロピリデングリセルアルデヒドが不安定であり、工業的には実用的でない。また、(2) の方法では、シアノ化生成物が水溶性であるため有機溶媒による抽出分液操作が困難なことから、シアノ化反応後、鉱酸により反応液を中和した後、溶媒を留去し、最後に塩の濾去により中間物質として3,4−ジヒドロキシブチロニトリルを得ているが、この操作では中和段階で、過剰に供したシアノ化剤の余剰分から有毒な青酸ガスが発生する危険性がある。また、上記中間物質自体不安定であり保存等の取り扱いが難しい。
【0004】
本発明は、従来技術の上記問題点に鑑み、工程数が少なく、かつ有毒ガスの発生の恐れがない3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、出発原料として3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールを用い、目的とする3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体を簡便かつ効率的に得ることができる方法を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、一般式[I]
【化6】
Figure 0004240618
(式中、Xはハロゲン原子を意味する。)で表される3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールの水酸基を、酸触媒下アセタール化剤でアセタール化あるいは塩基存在下エーテル化剤でエーテル化して保護することにより、
一般式[II]
【化7】
Figure 0004240618
(式中、Xは前掲と同じものを意味する。P1 およびP2 は、両方とも水酸基の保護基であるか、P1 が水酸基の保護基でP2 が水素原子であり、P1 およびP2 が共に水酸基の保護基である場合、同一であっても互いに異っていてもよく、共同で環を形成してもよい。)で表される3−ハロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘導体を得る工程と、
次いでこれにシアノ化剤を作用させて、
一般式[III]
【化8】
Figure 0004240618
(式中、P1 およびP2 は前掲と同じものを意味する。)で表される3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体を得る工程とを含む、
3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造方法に関する。
【0007】
本発明の反応は下記式[IV]のごとく示される。
【0008】
【化9】
Figure 0004240618
以下、本発明方法を工程ごとに詳述する。
【0009】
まず、出発原料3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール[I]の水酸基をアセタール化またはエーテル化により保護して中間物質3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール誘導体[II]を得る水酸基の保護工程について説明をする。
【0010】
出発原料3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール[I]は、どのような方法によって得られたものでもよい。その光学活性体は特公平4−73998または特公平4−73999の各公報に記載の方法に準じて容易に得ることができる。3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールのハロゲン原子としては、塩素原子または臭素原子が好ましい。
【0011】
水酸基をアセタール化により保護する場合に用いるアセタール化剤としては、アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェノン、シクロヘキサノン等のケトン系試薬、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド系試薬、2,2−ジメトキシプロパン、3,3−ジメトキシペンタン等のケトンのジアルコキシアセタール系試薬、2−メトキシプロペン等のケトンのエノールエーテル系試薬等が挙げられる。
【0012】
アセタール化剤の使用量は、出発原料[I]に対して好ましくは1.0〜3.0当量である。また、アセタール化剤を反応溶媒として大過剰に用いてもよい。
【0013】
アセタール化において使用される酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ピリジニウムパラトルエンスルホネート、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、三フッ化ホウ素エーテル、三塩化アルミニウム、四塩化スズ、四塩化チタン等のルイス酸が挙げられる。酸触媒の使用量は、出発原料[I]に対して好ましくは0.05〜0.1当量である。
【0014】
アセタール化で用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、グリム、ジグリム、トリグリム等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒等が挙げられるが、非プロトン性極性溶媒、特にN,N−ジメチルホルムアミド、アセトン等が好ましい。また、上記したアセタール化剤をそのまま反応溶媒として用いることもできる。
【0015】
アセタール化の反応温度は0℃から溶媒の還流温度までの範囲で適宜選択される。反応圧力は通常は常圧であるが、加圧下に反応を行うことも可能である。反応時間は、温度、圧力等との関係で適宜決められる。
【0016】
水酸基をエーテル化により保護する場合に使用できるエーテル化剤としては、トリエチルシリルクロライド、トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリイソプロピルシリルクロライド、トリイソプロピルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert−ブチルジメチルシリルクロライド、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert−ブチルジフェニルシリルクロライド、tert−ブチルジフェニルシリルトリフルオロメタンスルホネート等のハロゲン化シリルおよびシリルスルホン酸エステル系試薬、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、トリチルクロライド等のハロゲン化ベンジル系試薬、メトキシメチルクロライド、エトキシエチルクロライド等のハロゲン化アルコキシアルキル系試薬等が挙げられる。
【0017】
エーテル化剤としてトリイソプロピルシリルクロライド、トリイソプロピルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert−ブチルジメチルシリルクロライド、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert−ブチルジフェニルシリルクロライド、tert−ブチルジフェニルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリチルクロライド等の、嵩高い分子構造を有する試薬を使用すれば、P1 およびP2 のうちP1 にのみ選択的に保護基を導入することができる。
【0018】
エーテル化剤の使用量は、出発原料[I]に対して好ましくは1.0〜3.0当量であり、特にP1 にのみ選択的に保護基を導入する場合は好ましくは1.0〜1.1当量である。
【0019】
エーテル化において使用される塩基試薬としては、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、ルチジン、コリジン等の3級アミンが挙げられる。塩基試薬の使用量は出発原料[ I]に対して好ましくは1.0〜3.0当量であり、特にP1 にのみ選択的に保 護基を導入する場合は好ましくは1.0〜1.2当量である。
【0020】
エーテル化は無触媒でも進行するが、反応系に4−N,N−ジメチルアミノピリジンを添加すると反応が促進される。この添加物の使用量は、出発原料[I]に対して好ましくは0.01〜1.0当量、通常は0.01当量程度である。
【0021】
エーテル化に使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、グリム、ジグリム、トリグリム等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられるが、非プロトン性極性溶媒、エーテル系溶媒の使用が好ましく、特にN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
【0022】
エーテル化の反応温度は0℃から溶媒の還流温度までの範囲て適宜選択され、好ましくは室温から50℃程度である。反応圧力は通常は常圧であるが、加圧下に反応を行うことも可能である。反応時間は、温度、圧力等との関係で適宜決められる。
【0023】
つぎに、前工程で得られた中間物質3−ハロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘導体[II]をシアノ化して目的物質3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体[III] を得るシアノ化工程について説明をする。
【0024】
中間物質[II]のシアノ化に用いられるシアノ化剤としては、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化マグネシウム、シアン化銀、シアン化銅等が挙げられるが、好ましくはシアン化ナトリウム、シアン化カリウムである。シアノ化剤の使用量は中間物質[II]に対して好ましくは1〜3当量、より好ましくは1〜2当量である。シアノ化剤を過剰に使用しても収率に影響はないが経済的に不利である。
【0025】
シアノ化は無触媒でも進行するが、反応系に反応促進剤を添加すると反応が促進される。特に中間物質[II]のハロゲン原子Xが脱離能の低い原子である塩素である場合、また水酸基が嵩高い分子構造を有する保護基で保護されている場合、反応促進効果が顕著に現れる。好ましい反応促進剤としては、ヨウ化セシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物、臭化セシウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム等の臭化物、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリメリルベンジルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム相間移動触媒、18−クラウン−6が挙げられ、特に好ましい反応促進剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムが挙げられる。反応促進剤の添加量は中間物質[II]に対して好ましくは0.05〜1.1当量である。
【0026】
シアノ化に使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0027】
シアノ化の反応温度は0℃から溶媒の還流温度までの範囲て適宜選択されるが、反応温度が低すぎると反応速度が低下し実用的でない。反応圧力は通常は常圧であるが、加圧下に反応を行うことも可能である。反応時間は、温度、圧力等との関係で適宜決められる。
【0028】
出発原料[I]に光学活性な3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールを用いると、上記反応式[IV]に従い、中間物質[II]として光学活性な3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール誘導体を経て、目的物質[III] として光学活性な3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体が得られる。この反応中、顕著なラセミ化は起こらない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例1
(S)−3−ヒドロキシ−4−トリチルオキシブチロニトリルの製造
i) トリチルクロライド(252.3g、0.905mol)、トリエチルアミン(100.7g、0.995mol)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(1.106g、9.050mmol)およびトルエン(500g)の混合物に(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール(100.0g、0.905mol、光学純度98.9%ee)を加え、全体を25℃で5時間撹拌した。
【0031】
次いで、反応液を5%塩酸水溶液、5%重曹水溶液、水にて順次洗浄し、トルエン層を減圧下濃縮して、粗(R)−3−クロロ−1−トリチルオキシ−2−プロパノール322.0gを得た。
【0032】
ii) 粗(R)−3−クロロ−1−トリチルオキシ−2−プロパノール(332.0g)とN,N−ジメチルホルムアミド(1000g)の混合物に、水(100g)中のシアン化ナトリウム(48.79g、0.995mol)溶液を加え、全体を70℃で3時間撹拌した。
【0033】
次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチル層を減圧下濃縮した。残った粗生成物をメタノールにより再結晶化して標題の(S)−3−ヒドロキシ−4−トリチルオキシブチロニトリル223.75g(全体収率72%、光学純度98.8%ee)を白色結晶(mp:147〜148℃)として得た。
【0034】
実施例2
(S)−4−tーブチルジフェニルシリルオキシ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造
i) (R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール(10.00g、90.50mmol、光学純度98.9%ee)、2,6−ルチジン(10.67g、99.54mmol)および塩化メチレン(50g)の混合物に撹拌下5℃でtーブチルジフェニルシリルトリフルオロメタンスルホネート(35.16g、90.50mmol)を加え、全体を同温度下で2時間撹拌した。
【0035】
次いで、反応液を5%塩酸水溶液、5%重曹水溶液、水にて順次洗浄し、塩化メチレン層を減圧下濃縮して、粗(R)−1−tーブチルジフェニルシリルオキシ−3−クロロ−2−プロパノール33.51gを得た。
【0036】
ii) 粗(R)−1−tーブチルジフェニルシリルオキシ−3−クロロ−2−プロパノール(33.51g)とN,N−ジメチルホルムアミド(100g)の混合物にシアン化ナトリウム(4.879g、99.54mmol)を加え、全体を70℃で9時間撹拌した。
【0037】
次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチル層を減圧下濃縮した。残った粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題の(S)−4−tーブチルジフェニルシリルオキシ−3−ヒドロキシブチロニトリル23.04g(全体収率75%、光学純度98.8%ee)を得た。
【0038】
実施例3
3,4−ジメトキシメチルオキシブチロニトリルの製造
i) 3−クロロ−1,2−プロパンジオール(10.00g、90.50mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(29.24g、226.2mmol)および塩化メチレン(50g)の混合物に撹拌下5℃でメトキシメチルクロライド(16.03g、199.1mmol)を加え、全体を25℃で7時間撹拌した。
【0039】
次いで、反応液を5%塩酸水溶液、5%重曹水溶液、水にて順次洗浄し、塩化メチレン層を減圧下濃縮して、粗3−クロロ−1,2−ジメトキシメチルオキシプロパン18.20gを得た。
【0040】
ii) 粗3−クロロ−1,2−ジメトキシメチルオキシプロパン(18.20g)とN,N−ジメチルホルムアミド(100g)の混合物にシアン化ナトリウム(4.879g、99.54mmol)を加え、全体を70℃で12時間撹拌した。
【0041】
次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチル層を減圧下濃縮した。残った粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題の3,4−ジメトキシメチルオキシブチロニトリル13.87g(全体収率81%)を得た。
【0042】
実施例4
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−アセトニトリルの製造
i) 3−クロロ−1,2−プロパンジオール(104.4g、0.945mol)とアセトン(1500g)の混合物にパラトルエンスルホン酸(1.79g)を加え、全体を25℃で12時間撹拌した。
【0043】
次いで、減圧下でアセトンを留去し、残った粗生成物を蒸留することにより4−クロロメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン128.01g(収率89%、bp:45℃/5mmHg)を得た。
【0044】
ii) 4−クロロメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(60.02g、0.39mol)とN,N−ジメチルホルムアミド(600g)の混合物に臭化ナトリウム(43.01g、0.42mol)とシアン化ナトリウム(20.58g、0.42mol)を加えて、全体を150℃で15時間撹拌した。
次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下留去し、残渣に水を加えてトルエンで抽出した後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、トルエン層を減圧下濃縮した。残った粗生成物を蒸留することにより標題の2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−アセトニトリル32.74g(収率65%、bp:60℃/1mmHg)を得た。
【0045】
実施例5
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−アセトニトリルの製造
実施例4の工程i)と同様にして得られた4−クロロメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(42.38g、0.282mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(400g)の混合物にシアン化ナトリウム(13.82g、0.282mol)を加えて全体を150℃で3日間撹拌した。
【0046】
次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下留去し、残渣に水を加えてトルエンで抽出した後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、トルエン層を減圧下濃縮した。残った粗生成物を蒸留することにより標題の2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−アセトニトリル19.67g(収率54%、bp:62℃/1mmHg)を得た。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール[I]を出発原料として2工程で目的物質3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体[III] を得ることができ、工程数が少なくてすみ、工業的に実用的な3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法を提供することができる。
【0048】
また、出発原料[I]の2つの水酸基のうち少なくとも1−位の水酸基を保護した後、得られた中間物質3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール誘導体[II]をシアノ化するので、得られた目的物質[III] を有機溶媒によって反応混合物から容易に抽出分離することができる。したがって、シアノ化反応後、鉱酸により反応液の中和およびこれに伴う青酸ガスの発生の恐れがなく、操作を安全に行うことができる。

Claims (10)

  1. 一般式[I]
    Figure 0004240618
    (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)で表される3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールの水酸基を、酸触媒下アセタール化剤でアセタール化あるいは塩基存在下エーテル化剤でエーテル化して保護することにより、
    一般式[II]
    Figure 0004240618
    (式中、Xは前掲と同じものを意味する。P1 およびP2 は、両方とも水酸基の保護基であるか、P1 が水酸基の保護基でP2 が水素原子であり、P1 およびP2 が共に水酸基の保護基である場合、同一であっても互いに異っていてもよく、共同で環を形成してもよい。)で表される3−ハロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘導体を得る工程と、
    次いでこれにシアノ化剤を作用させて、
    一般式[III]
    Figure 0004240618
    (式中、P1 およびP2 は前掲と同じものを意味する。)で表される3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体を得る工程とを含む、
    3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造方法。
  2. 式中のハロゲン原子Xが塩素原子または臭素原子である、請求項1に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  3. 式中の保護基P1 およびP2 がシリル系保護基、ベンジル系保護基、アルコキシアルキル系保護基、または共同で環を形成したアセタール系保護基である、請求項1又は2に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  4. シリル系保護基がトリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基またはt−ブチルジフェニルシリル基であり、ベンジル系保護基がベンジル基またはトリチル基であり、アルコキシアルキル系保護基がメトキシメチル基またはエトキシエチル基であり、共同で環を形成したアセタール系保護基がイソプロピリデン基、ジエチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシリデン基、エチリデン基またはベンジリデン基である、請求項に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  5. シアノ化剤がアルカリ金属シアン化物である、請求項1〜のいずれかに記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  6. アルカリ金属シアン化物がシアン化ナトリウム、シアン化カリウムまたはこれらの混合物である、請求項に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  7. 3−ハロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘導体[II]にシアノ化剤を作用させる際、反応系に反応促進剤を添加する、請求項1〜のいずれかに記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  8. 反応促進剤がアルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物またはこれらの混合物である、請求項に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  9. アルカリ金属臭化物が臭化ナトリウムまたは臭化カリウムであり、アルカリ金属ヨウ化物がヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムである、請求項に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  10. 3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール[I]、3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール誘導体[II]および3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体[III] がいずれも光学活性体である、請求項1〜のいずれかに記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
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