JP2000191617A - 3,4―ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法 - Google Patents

3,4―ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法

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JP2000191617A
JP2000191617A JP10368611A JP36861198A JP2000191617A JP 2000191617 A JP2000191617 A JP 2000191617A JP 10368611 A JP10368611 A JP 10368611A JP 36861198 A JP36861198 A JP 36861198A JP 2000191617 A JP2000191617 A JP 2000191617A
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喜朗 古川
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啓介 八重樫
Kazumasa Higami
和正 樋上
Shinichiro Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程数が少なく、かつ有毒ガスの発生の恐れ
がない3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製
造法を提供する。 【解決手段】 3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオー
ル[I]の水酸基を、酸触媒下アセタール化剤でアセター
ル化あるいは塩基存在下エーテル化剤でエーテル化して
保護することにより、3−ハロゲノメチル−1,2−プ
ロパンジオール誘導体[II]を得、次いでこれにシアノ化
剤を作用させて、3,4−ジヒドロキシブチロニトリル
誘導体[III]を得る。式中、P1 およびP2 は、両方と
も水酸基の保護基であるか、P1 が水酸基の保護基でP
2 が水素原子であり、P1 およびP2 が共に水酸基の保
護基である場合、同一であっても互いに異っていてもよ
く、共同で環を形成してもよい。Xはハロゲン原子を意
味する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬、農薬等の合成
中間体として有用な3,4−ジヒドロキシブチロニトリ
ル誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、3,4−ジヒドロキシブチロニト
リル誘導体の製造法としては、(1) アスコルビン酸から
出発してこれをそのアセトナイドへ導き、ついでこれを
グリセロールアセトナイドへ導き、その水酸基をトシル
化した後トシルオキシ基をシアノ基で置換する方法(J.
Am. Chem. Soc., 102, 6304, (1980))、(2) 3−クロ
ロ−1,2−プロパンジオールを出発原料としてこれを
シアノ化剤と反応させて3,4−ジヒドロキシブチロニ
トリルを得、続いてその水酸基をトリチル基等で保護す
る方法(特許第2535436号公報、特開平2−26
2537号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の合成法は工業化を考慮するといずれも下記のような問
題を有する。まず、(1) の方法は、アスコルビン酸から
グリセロールアセトナイドを得るまでに4工程を要する
ことから反応工程が長い上、中間体であるイソプロピリ
デングリセルアルデヒドが不安定であり、工業的には実
用的でない。また、(2) の方法では、シアノ化生成物が
水溶性であるため有機溶媒による抽出分液操作が困難な
ことから、シアノ化反応後、鉱酸により反応液を中和し
た後、溶媒を留去し、最後に塩の濾去により中間物質と
して3,4−ジヒドロキシブチロニトリルを得ている
が、この操作では中和段階で、過剰に供したシアノ化剤
の余剰分から有毒な青酸ガスが発生する危険性がある。
また、上記中間物質自体不安定であり保存等の取り扱い
が難しい。
【0004】本発明は、従来技術の上記問題点に鑑み、
工程数が少なく、かつ有毒ガスの発生の恐れがない3,
4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々検討を重ねた結果、出発原料として3
−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールを用い、目的と
する3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体を簡便
かつ効率的に得ることができる方法を見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、一般式[I]
【化6】 (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)で表される3
−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールの水酸基を、酸
触媒下アセタール化剤でアセタール化あるいは塩基存在
下エーテル化剤でエーテル化して保護することにより、
一般式[II]
【化7】 (式中、Xは前掲と同じものを意味する。P1 およびP
2 は、両方とも水酸基の保護基であるか、P1 が水酸基
の保護基でP2 が水素原子であり、P1 およびP2 が共
に水酸基の保護基である場合、同一であっても互いに異
っていてもよく、共同で環を形成してもよい。)で表さ
れる3−ハロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘
導体を得る工程と、次いでこれにシアノ化剤を作用させ
て、一般式[III]
【化8】 (式中、P1 およびP2 は前掲と同じものを意味す
る。)で表される3,4−ジヒドロキシブチロニトリル
誘導体を得る工程とを含む、3,4−ジヒドロキシブチ
ロニトリル誘導体の製造方法に関する。
【0007】本発明の反応は下記式[IV]のごとく示され
る。
【0008】
【化9】 以下、本発明方法を工程ごとに詳述する。
【0009】まず、出発原料3−ハロゲノ−1,2−プ
ロパンジオール[I]の水酸基をアセタール化またはエー
テル化により保護して中間物質3−ハロゲノ−1,2−
プロパンジオール誘導体[II]を得る水酸基の保護工程に
ついて説明をする。
【0010】出発原料3−ハロゲノ−1,2−プロパン
ジオール[I]は、どのような方法によって得られたもの
でもよい。その光学活性体は特公平4−73998また
は特公平4−73999の各公報に記載の方法に準じて
容易に得ることができる。3−ハロゲノ−1,2−プロ
パンジオールのハロゲン原子としては、塩素原子または
臭素原子が好ましい。
【0011】水酸基をアセタール化により保護する場合
に用いるアセタール化剤としては、アセトン、ジエチル
ケトン、ベンゾフェノン、シクロヘキサノン等のケトン
系試薬、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアル
デヒド系試薬、2,2−ジメトキシプロパン、3,3−
ジメトキシペンタン等のケトンのジアルコキシアセター
ル系試薬、2−メトキシプロペン等のケトンのエノール
エーテル系試薬等が挙げられる。
【0012】アセタール化剤の使用量は、出発原料[I]
に対して好ましくは1.0〜3.0当量である。また、
アセタール化剤を反応溶媒として大過剰に用いてもよ
い。
【0013】アセタール化において使用される酸触媒と
しては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、ピリジニウムパラトルエン
スルホネート、カンファースルホン酸、メタンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、三フッ化ホウ素エー
テル、三塩化アルミニウム、四塩化スズ、四塩化チタン
等のルイス酸が挙げられる。酸触媒の使用量は、出発原
料[I]に対して好ましくは0.05〜0.1当量であ
る。
【0014】アセタール化で用いられる溶媒としては、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルス
ルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の
非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、グリム、ジグリム、トリグリム等のエーテ
ル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジ
クロロエタン等のハロゲン系溶媒等が挙げられるが、非
プロトン性極性溶媒、特にN,N−ジメチルホルムアミ
ド、アセトン等が好ましい。また、上記したアセタール
化剤をそのまま反応溶媒として用いることもできる。
【0015】アセタール化の反応温度は0℃から溶媒の
還流温度までの範囲で適宜選択される。反応圧力は通常
は常圧であるが、加圧下に反応を行うことも可能であ
る。反応時間は、温度、圧力等との関係で適宜決められ
る。
【0016】水酸基をエーテル化により保護する場合に
使用できるエーテル化剤としては、トリエチルシリルク
ロライド、トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホ
ネート、トリイソプロピルシリルクロライド、トリイソ
プロピルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert
−ブチルジメチルシリルクロライド、tert−ブチルジメ
チルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert−ブ
チルジフェニルシリルクロライド、tert−ブチルジフェ
ニルシリルトリフルオロメタンスルホネート等のハロゲ
ン化シリルおよびシリルスルホン酸エステル系試薬、ベ
ンジルクロライド、ベンジルブロマイド、トリチルクロ
ライド等のハロゲン化ベンジル系試薬、メトキシメチル
クロライド、エトキシエチルクロライド等のハロゲン化
アルコキシアルキル系試薬等が挙げられる。
【0017】エーテル化剤としてトリイソプロピルシリ
ルクロライド、トリイソプロピルシリルトリフルオロメ
タンスルホネート、tert−ブチルジメチルシリルクロラ
イド、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタン
スルホネート、tert−ブチルジフェニルシリルクロライ
ド、tert−ブチルジフェニルシリルトリフルオロメタン
スルホネート、トリチルクロライド等の、嵩高い分子構
造を有する試薬を使用すれば、P1 およびP2 のうちP
1 にのみ選択的に保護基を導入することができる。
【0018】エーテル化剤の使用量は、出発原料[I]に
対して好ましくは1.0〜3.0当量であり、特にP1
にのみ選択的に保護基を導入する場合は好ましくは1.
0〜1.1当量である。
【0019】エーテル化において使用される塩基試薬と
しては、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、
ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾー
ル、ルチジン、コリジン等の3級アミンが挙げられる。
塩基試薬の使用量は出発原料[I]に対して好ましくは
1.0〜3.0当量であり、特にP1 にのみ選択的に保
護基を導入する場合は好ましくは1.0〜1.2当量で
ある。
【0020】エーテル化は無触媒でも進行するが、反応
系に4−N,N−ジメチルアミノピリジンを添加すると
反応が促進される。この添加物の使用量は、出発原料
[I]に対して好ましくは0.01〜1.0当量、通常は
0.01当量程度である。
【0021】エーテル化に使用する溶媒としては、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極
性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、グ
リム、ジグリム、トリグリム等のエーテル系溶媒、ベン
ゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル等
のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ならびに
これらの混合溶媒等が挙げられるが、非プロトン性極性
溶媒、エーテル系溶媒の使用が好ましく、特にN,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好まし
い。
【0022】エーテル化の反応温度は0℃から溶媒の還
流温度までの範囲て適宜選択され、好ましくは室温から
50℃程度である。反応圧力は通常は常圧であるが、加
圧下に反応を行うことも可能である。反応時間は、温
度、圧力等との関係で適宜決められる。
【0023】つぎに、前工程で得られた中間物質3−ハ
ロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘導体[II]を
シアノ化して目的物質3,4−ジヒドロキシブチロニト
リル誘導体[III] を得るシアノ化工程について説明をす
る。
【0024】中間物質[II]のシアノ化に用いられるシア
ノ化剤としては、シアン化ナトリウム、シアン化カリウ
ム、シアン化マグネシウム、シアン化銀、シアン化銅等
が挙げられるが、好ましくはシアン化ナトリウム、シア
ン化カリウムである。シアノ化剤の使用量は中間物質[I
I]に対して好ましくは1〜3当量、より好ましくは1〜
2当量である。シアノ化剤を過剰に使用しても収率に影
響はないが経済的に不利である。
【0025】シアノ化は無触媒でも進行するが、反応系
に反応促進剤を添加すると反応が促進される。特に中間
物質[II]のハロゲン原子Xが脱離能の低い原子である塩
素である場合、また水酸基が嵩高い分子構造を有する保
護基で保護されている場合、反応促進効果が顕著に現れ
る。好ましい反応促進剤としては、ヨウ化セシウム、ヨ
ウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物、臭化セ
シウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム等の臭化物、テ
トラブチルアンモニウムクロリド、トリメリルベンジル
アンモニウムブロミド等の4級アンモニウム相間移動触
媒、18−クラウン−6が挙げられ、特に好ましい反応
促進剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ
化ナトリウム、ヨウ化カリウムが挙げられる。反応促進
剤の添加量は中間物質[II]に対して好ましくは0.05
〜1.1当量である。
【0026】シアノ化に使用する溶媒としては、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非
プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグラ
イム、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエ
ーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等
のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン等のハロゲン系溶媒、水媒体、ならびにこれらの
混合溶媒等が挙げられる。
【0027】シアノ化の反応温度は0℃から溶媒の還流
温度までの範囲て適宜選択されるが、反応温度が低すぎ
ると反応速度が低下し実用的でない。反応圧力は通常は
常圧であるが、加圧下に反応を行うことも可能である。
反応時間は、温度、圧力等との関係で適宜決められる。
【0028】出発原料[I]に光学活性な3−ハロゲノ−
1,2−プロパンジオールを用いると、上記反応式[IV]
に従い、中間物質[II]として光学活性な3−ハロゲノ−
1,2−プロパンジオール誘導体を経て、目的物質[II
I] として光学活性な3,4−ジヒドロキシブチロニト
リル誘導体が得られる。この反応中、顕著なラセミ化は
起こらない。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0030】実施例1 (S)−3−ヒドロキシ−4−トリチルオキシブチロニ
トリルの製造 i) トリチルクロライド(252.3g、0.905
mol)、トリエチルアミン(100.7g、0.99
5mol)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン
(1.106g、9.050mmol)およびトルエン
(500g)の混合物に(R)−3−クロロ−1,2−
プロパンジオール(100.0g、0.905mol、
光学純度98.9%ee)を加え、全体を25℃で5時
間撹拌した。
【0031】次いで、反応液を5%塩酸水溶液、5%重
曹水溶液、水にて順次洗浄し、トルエン層を減圧下濃縮
して、粗(R)−3−クロロ−1−トリチルオキシ−2
−プロパノール322.0gを得た。
【0032】ii) 粗(R)−3−クロロ−1−トリチ
ルオキシ−2−プロパノール(332.0g)とN,N
−ジメチルホルムアミド(1000g)の混合物に、水
(100g)中のシアン化ナトリウム(48.79g、
0.995mol)溶液を加え、全体を70℃で3時間
撹拌した。
【0033】次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを
減圧下留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した
後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチル層を減圧
下濃縮した。残った粗生成物をメタノールにより再結晶
化して標題の(S)−3−ヒドロキシ−4−トリチルオ
キシブチロニトリル223.75g(全体収率72%、
光学純度98.8%ee)を白色結晶(mp:147〜
148℃)として得た。
【0034】実施例2 (S)−4−tーブチルジフェニルシリルオキシ−3−
ヒドロキシブチロニトリルの製造 i) (R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール
(10.00g、90.50mmol、光学純度98.
9%ee)、2,6−ルチジン(10.67g、99.
54mmol)および塩化メチレン(50g)の混合物
に撹拌下5℃でtーブチルジフェニルシリルトリフルオ
ロメタンスルホネート(35.16g、90.50mm
ol)を加え、全体を同温度下で2時間撹拌した。
【0035】次いで、反応液を5%塩酸水溶液、5%重
曹水溶液、水にて順次洗浄し、塩化メチレン層を減圧下
濃縮して、粗(R)−1−tーブチルジフェニルシリル
オキシ−3−クロロ−2−プロパノール33.51gを
得た。
【0036】ii) 粗(R)−1−tーブチルジフェニ
ルシリルオキシ−3−クロロ−2−プロパノール(3
3.51g)とN,N−ジメチルホルムアミド(100
g)の混合物にシアン化ナトリウム(4.879g、9
9.54mmol)を加え、全体を70℃で9時間撹拌
した。
【0037】次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを
減圧下留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した
後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチル層を減圧
下濃縮した。残った粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製して標題の(S)−4−tーブチ
ルジフェニルシリルオキシ−3−ヒドロキシブチロニト
リル23.04g(全体収率75%、光学純度98.8
%ee)を得た。
【0038】実施例3 3,4−ジメトキシメチルオキシブチロニトリルの製造 i) 3−クロロ−1,2−プロパンジオール(10.
00g、90.50mmol)、ジイソプロピルエチル
アミン(29.24g、226.2mmol)および塩
化メチレン(50g)の混合物に撹拌下5℃でメトキシ
メチルクロライド(16.03g、199.1mmo
l)を加え、全体を25℃で7時間撹拌した。
【0039】次いで、反応液を5%塩酸水溶液、5%重
曹水溶液、水にて順次洗浄し、塩化メチレン層を減圧下
濃縮して、粗3−クロロ−1,2−ジメトキシメチルオ
キシプロパン18.20gを得た。
【0040】ii) 粗3−クロロ−1,2−ジメトキシ
メチルオキシプロパン(18.20g)とN,N−ジメ
チルホルムアミド(100g)の混合物にシアン化ナト
リウム(4.879g、99.54mmol)を加え、
全体を70℃で12時間撹拌した。
【0041】次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを
減圧下留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した
後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチル層を減圧
下濃縮した。残った粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製して標題の3,4−ジメトキシメ
チルオキシブチロニトリル13.87g(全体収率81
%)を得た。
【0042】実施例4 2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−アセト
ニトリルの製造 i) 3−クロロ−1,2−プロパンジオール(10
4.4g、0.945mol)とアセトン(1500
g)の混合物にパラトルエンスルホン酸(1.79g)
を加え、全体を25℃で12時間撹拌した。
【0043】次いで、減圧下でアセトンを留去し、残っ
た粗生成物を蒸留することにより4−クロロメチル−
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン128.01
g(収率89%、bp:45℃/5mmHg)を得た。
【0044】ii) 4−クロロメチル−2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキソラン(60.02g、0.39m
ol)とN,N−ジメチルホルムアミド(600g)の
混合物に臭化ナトリウム(43.01g、0.42mo
l)とシアン化ナトリウム(20.58g、0.42m
ol)を加えて、全体を150℃で15時間撹拌した。
次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下留去
し、残渣に水を加えてトルエンで抽出した後、抽出液を
飽和食塩水で洗浄し、トルエン層を減圧下濃縮した。残
った粗生成物を蒸留することにより標題の2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン−4−アセトニトリル3
2.74g(収率65%、bp:60℃/1mmHg)
を得た。
【0045】実施例5 2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−アセト
ニトリルの製造 実施例4の工程i)と同様にして得られた4−クロロメ
チル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(4
2.38g、0.282mol)と、N,N−ジメチル
ホルムアミド(400g)の混合物にシアン化ナトリウ
ム(13.82g、0.282mol)を加えて全体を
150℃で3日間撹拌した。
【0046】次いで、N,N−ジメチルホルムアミドを
減圧下留去し、残渣に水を加えてトルエンで抽出した
後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、トルエン層を減圧下
濃縮した。残った粗生成物を蒸留することにより標題の
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−アセト
ニトリル19.67g(収率54%、bp:62℃/1
mmHg)を得た。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、3−ハロゲノ−1,2
−プロパンジオール[I]を出発原料として2工程で目的
物質3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体[III]
を得ることができ、工程数が少なくてすみ、工業的に実
用的な3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製
造法を提供することができる。
【0048】また、出発原料[I]の2つの水酸基のうち
少なくとも1−位の水酸基を保護した後、得られた中間
物質3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール誘導体[I
I]をシアノ化するので、得られた目的物質[III] を有機
溶媒によって反応混合物から容易に抽出分離することが
できる。したがって、シアノ化反応後、鉱酸により反応
液の中和およびこれに伴う青酸ガスの発生の恐れがな
く、操作を安全に行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋上 和正 兵庫県尼崎市大高洲町9番地 ダイソー株 式会社内 (72)発明者 中村 振一郎 兵庫県尼崎市大高洲町9番地 ダイソー株 式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC43 AC54 AC81 BA02 BA37 BA51 BA69 BD70 BE90 QN14 4H039 CA70 CD20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[II] 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を意味する。P1 およびP2
    は、両方とも水酸基の保護基であるか、P1 が水酸基の
    保護基でP2 が水素原子であり、P1 およびP2が共に
    水酸基の保護基である場合、同一であっても互いに異っ
    ていてもよく、共同で環を形成してもよい。)で表され
    る3−ハロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘導
    体にシアノ化剤を作用させて、 一般式[III] 【化2】 (式中、P1 およびP2 は前掲と同じものを意味す
    る。)で表される3,4−ジヒドロキシブチロニトリル
    誘導体を得る工程を含む、3,4−ジヒドロキシブチロ
    ニトリル誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式[I] 【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)で表される3
    −ハロゲノ−1,2−プロパンジオールの水酸基を、酸
    触媒下アセタール化剤でアセタール化あるいは塩基存在
    下エーテル化剤でエーテル化して保護することにより、 一般式[II] 【化4】 (式中、Xは前掲と同じものを意味する。P1 およびP
    2 は、両方とも水酸基の保護基であるか、P1 が水酸基
    の保護基でP2 が水素原子であり、P1 およびP2 が共
    に水酸基の保護基である場合、同一であっても互いに異
    っていてもよく、共同で環を形成してもよい。)で表さ
    れる3−ハロゲノメチル−1,2−プロパンジオール誘
    導体を得る工程と、 次いでこれにシアノ化剤を作用させて、 一般式[III] 【化5】 (式中、P1 およびP2 は前掲と同じものを意味す
    る。)で表される3,4−ジヒドロキシブチロニトリル
    誘導体を得る工程とを含む、3,4−ジヒドロキシブチ
    ロニトリル誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 式中のハロゲン原子Xが塩素原子または
    臭素原子である、請求項1または2に記載の3,4−ジ
    ヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】 式中の保護基P1 およびP2 がシリル系
    保護基、ベンジル系保護基、アルコキシアルキル系保護
    基、または共同で環を形成したアセタール系保護基であ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の3,4−ジヒドロ
    キシブチロニトリル誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】 シリル系保護基がトリエチルシリル基、
    トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル
    基またはt−ブチルジフェニルシリル基であり、ベンジ
    ル系保護基がベンジル基またはトリチル基であり、アル
    コキシアルキル系保護基がメトキシメチル基またはエト
    キシエチル基であり、共同で環を形成したアセタール系
    保護基がイソプロピリデン基、ジエチルメチレン基、ジ
    フェニルメチレン基、シクロヘキシリデン基、エチリデ
    ン基またはベンジリデン基である、請求項4に記載の
    3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  6. 【請求項6】 シアノ化剤がアルカリ金属シアン化物で
    ある、請求項1〜5のいずれかに記載の3,4−ジヒド
    ロキシブチロニトリル誘導体の製造法。
  7. 【請求項7】 アルカリ金属シアン化物がシアン化ナト
    リウム、シアン化カリウムまたはこれらの混合物であ
    る、請求項6に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニト
    リル誘導体の製造法。
  8. 【請求項8】 3−ハロゲノメチル−1,2−プロパン
    ジオール誘導体[II]にシアノ化剤を作用させる際、反応
    系に反応促進剤を添加する、請求項1〜7のいずれかに
    記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の製
    造法。
  9. 【請求項9】 反応促進剤がアルカリ金属臭化物、アル
    カリ金属ヨウ化物またはこれらの混合物である、請求項
    8に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体
    の製造法。
  10. 【請求項10】 アルカリ金属臭化物が臭化ナトリウム
    または臭化カリウムであり、アルカリ金属ヨウ化物がヨ
    ウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムである、請求項9
    に記載の3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘導体の
    製造法。
  11. 【請求項11】 3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオ
    ール[I]、3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール誘
    導体[II]および3,4−ジヒドロキシブチロニトリル誘
    導体[III] がいずれも光学活性体である、請求項2〜1
    0のいずれかに記載の3,4−ジヒドロキシブチロニト
    リル誘導体の製造法。
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