JP4239849B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
また、この発明の他の目的は、無励磁式のブレーキ機構を用いずに制動でき、メンテナンス時や移動体を軌道上に載せる場合にブレーキ解除を行うための励磁電源を必要としない搬送装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、軌道に沿って走行する移動体と、前記移動体を駆動する電動機と、前記電動機を駆動または制御する電動機駆動手段とからなる搬送装置であって、
前記移動体の駆動系もしくは電源系に何らかの異常が発生したときに、発電制動指令信号を出力する発電制動制御手段と、前記電動機に対して発電制動を行う発電制動手段とを備え、前記発電制動手段は、陽極がグランドに接続され、前記電動機に加えられる電流を全波整流する全波整流部と、前記全波整流部の陰極に接続され、前記電動機の巻線抵抗に応じて抵抗値が設定される第1の抵抗と、前記第1の抵抗に陽極が接続されたダイオードと、前記ダイオードの陰極に自身の陽極が接続されるとともに、自身の陰極が前記グランドに接続されたサイリスタと、前記サイリスタの陽極と前記グランドとの間において前記サイリスタに並列に接続され、互いに直列接続されたスナバ抵抗及びスナバコンデンサと、前記全波整流部の陰極と前記グランドとの間において前記第1の抵抗、前記ダイオード及び前記サイリスタと並列に接続され、前記サイリスタに対する陽極電流の立ち上がりの遅れ時間を補償し、前記サイリスタに対する急激な電圧変化を抑制する第2の抵抗及びコンデンサとを備え、前記異常が発生したときに、前記サイリスタは、前記発電制動指令信号によりオン状態となり、前記全波整流部を介して、前記電動機の巻線抵抗、前記第1の抵抗及び前記ダイオードとともに閉ループを構成することを特徴とする。
この発明によれば、移動体の走行中に駆動系または電源系に異常が発生した場合に、発電制動制御手段がサイリスタをターンオンする構成としたため、発電制動制御手段の制御電源がダウンしても、発電制動を働かせることが可能となる。
この発明によれば、発電制動制御手段が、パルス信号を出力する構成としたため、それを受けて発電制動を行うデバイスとして、一旦ターンオンするとその状態を保つサイリスタを用いることとなり、発電制動制御手段の制御電源がダウンしても、発電制動を働かせることが可能となる。
また、この発明によれば、発電制動制御手段が、絶縁回路によって、入出力のグランドを分離して信号を伝達するので、入力信号と出力信号のグランド電位が異なる場合にも、信号伝達を行うことが可能となる。
この発明によれば、電動機駆動手段の内部のスイッチング素子の制御回路の電源部にコンデンサを付加することによって、電動機駆動手段の制御回路の電源電圧を一定時間保っておく構成としたため、移動体の電源系がダウンすることによる、移動体のフリーラン状態への移行を回避することが可能となる。
軌道に沿って走行する移動体が、走行中に駆動系または電源系に異常が発生した場合にフリーラン状態にならないように、サイリスタやトライアック等を用いて発電制動を働かせ、且つ、メンテナンス時や軌道の上に載せるときにブレーキ解除装置の電源を必要とせず、確実に停止するまでは、モータの制御回路が動作して、制動力が働くようにした搬送装置である。
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態による搬送装置の運転部の構成図である。この図において、搬送装置は、交流モータのモータ1(電動機)と、モータ駆動回路2a(電動機駆動手段)と、全波整流回路5ならびにサイリスタ3とからなる発電制動回路9a(発電制動手段)と、発電制動信号(パルス)を作り、サイリスタ3に伝達する発電制動制御回路12(発電制動制御手段)とから構成される。モータ1は、移動体を駆動する。モータ駆動回路2aは、モータ1の運転と停止の制御を行う。
本実施形態においては、モータ駆動回路2aの制御により、モータ1が停止した後には、発電制動制御回路12がオフする。
搬送装置の各部の電源が投入され、移動体の運転がスタートすると、モータ駆動回路2a内において、交流電源201から出力された交流電流が全波整流回路202によって整流され、整流された直流電流がインバータ203内のスイッチング素子および制御回路に出力される。該制御回路によって、スイッチング素子が制御され、該直流電流から交流電流を生成してモータ1に出力し、それにより、モータ1を運転し、また、停止させる。移動体の運転に異常がない場合、発電制動制御回路12はオン信号を出力せず、発電制動回路9aは動作しない。
次に、この発明の第2の実施形態について図3を参照して説明する。
本実施形態による搬送装置の運転部の構成を示すブロック図(図3)は図1と類似しているが、発電制動回路9b(発電制動手段)の構成および動作が第1の実施形態における発電制動回路9aと異なっている。図3に示す第2の実施形態においては、抵抗10(第2の抵抗)とコンデンサ11とを直列接続した回路が、全波整流回路5と並列に設けられている。
図3において、発電制動制御回路12からサイリスタ3にオン信号が印加されると、サイリスタ3がターンオンする。そして、コンデンサ11が供給する電流によって、サイリスタ3のターンオン状態が維持される。コンデンサ11に蓄えられたエネルギーは減少し、それにつれて、陽極電流が低下していくが、この間に、モータ1の巻線抵抗、インダクタンスによる電流立ち上がりの遅れが追いつき、陽極電流が増加するので、その後も、サイリスタ3のターンオン状態は維持され、発電制動が行われる。追加する抵抗10およびコンデンサ11の値は、モータ1のインダクタンス、巻線抵抗および直列抵抗4との時定数により選定する。
次に、この発明の第3の実施形態について図5を参照して説明する。
本実施形態による搬送装置の運転部の構成を示すブロック図(図5)は図1と類似しているが、発電制動回路9d(発電制動手段)の構成および動作が第1の実施形態における発電制動回路9aと異なっている。図5に示す第3の実施形態においては、抵抗20とコンデンサ21とを直列接続した回路が、サイリスタ3と並列に設けられている。
図5において、抵抗20とコンデンサ21との直列回路は、抵抗10とコンデンサ11との直列回路と同様の構成であるため、第2の実施形態にて述べた電流、また電圧の安定化の効果を同様に得ることができる。そして、第2の実施形態に比して、抵抗20とコンデンサ21との直列回路が介挿される接続点が、抵抗10とコンデンサ11との直列回路が介挿される接続点と異なり、直列抵抗4を介さずにサイリスタ3に接続されるため、より、サイリスタ3の電流または電圧の安定化を図ることができる。
次に、この発明の第4の実施形態について図7を参照して説明する。
図7に示す発電制動回路9fは、第2の実施形態による発電制動回路9bと比較して、ダイオード50が、陽極側を直列抵抗4に、陰極側をサイリスタ3の陽極側に接続されるように介挿され、抵抗とコンデンサの直列回路からなるスナバ51(電位保持手段)が、サイリスタ3の陽極と陰極間に並列に接続される点が異なっている。
先ず、スナバ51内のコンデンサには、電荷が蓄積されていないとする。全波整流回路5から出力される電圧によって、直列抵抗4およびダイオード50を介してスナバ51内のコンデンサが充電される。その後、全波整流回路5からパルス性の電圧が印加されても、スナバ51内のコンデンサは、放電経路がないため、モータ線間電圧のピーク値をホールドしており、スナバ51の電位より低い入力電圧に対してはダイオード50がオンせず、サイリスタ3へのパルス性の電圧印加を抑制する。
次に、この発明の第5の実施形態について図8を参照して説明する。
第5の実施形態による搬送装置の運転部の構成を示すブロック図(図8)および動作は図1と類似しているが、発電制動回路9g(発電制動手段)の構成が第1の実施形態における発電制動回路9aと異なっている。
このとき、コンデンサCbuの値は、搬送装置が最高速度で走行している状態から発電制動により停止するまでの時間だけ、モータ駆動回路2bの制御回路へ電源が供給できるような容量とする。
2a、2b モータ駆動回路(電動機駆動手段)
3 サイリスタ
4 直列抵抗(第1の抵抗)
5、202 全波整流回路
6 ゲート回路(パルス信号発生手段)
7 絶縁回路
8 ゲート駆動パルス回路(パルス信号発生手段)
9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g 発電制動回路(発電制動手段)
10 抵抗(第2の抵抗)
11 コンデンサ
12 発電制動制御回路(発電制動制御手段)
20 抵抗
21 コンデンサ
30 ダイオード
40 ダイオード
50 ダイオード(高速タイプ)
51 スナバ(電位保持手段)
60 トライアック
201 交流電源
203 インバータ
Claims (4)
- 軌道に沿って走行する移動体と、前記移動体を駆動する電動機と、前記電動機を駆動または制御する電動機駆動手段とからなる搬送装置であって、
前記移動体の駆動系もしくは電源系に何らかの異常が発生したときに、発電制動指令信号を出力する発電制動制御手段と、
前記電動機に対して発電制動を行う発電制動手段とを備え、
前記発電制動手段は、
陽極がグランドに接続され、前記電動機に加えられる電流を全波整流する全波整流部と、
前記全波整流部の陰極に接続され、前記電動機の巻線抵抗に応じて抵抗値が設定される第1の抵抗と、
前記第1の抵抗に陽極が接続されたダイオードと、
前記ダイオードの陰極に自身の陽極が接続されるとともに、自身の陰極が前記グランドに接続されたサイリスタと、
前記サイリスタの陽極と前記グランドとの間において前記サイリスタに並列に接続され、互いに直列接続されたスナバ抵抗及びスナバコンデンサと、
前記全波整流部の陰極と前記グランドとの間において前記第1の抵抗、前記ダイオード及び前記サイリスタと並列に接続され、前記サイリスタに対する陽極電流の立ち上がりの遅れ時間を補償し、前記サイリスタに対する急激な電圧変化を抑制する第2の抵抗及びコンデンサとを備え、
前記異常が発生したときに、前記サイリスタは、前記発電制動指令信号によりオン状態となり、前記全波整流部を介して、前記電動機の巻線抵抗、前記第1の抵抗及び前記ダイオードとともに閉ループを構成することを特徴とする搬送装置。 - 前記発電制動制御手段は、
パルス信号を出力するパルス信号発生手段と、
パルストランス等の絶縁回路とを備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。 - 前記発電制動制御手段は、
前記サイリスタ及び前記グランドに接続されたゲート回路と、
前記ゲート回路に駆動パルスを出力する駆動パルス回路と、
前記ゲート回路と前記駆動パルス回路との間に接続された絶縁回路とを備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。 - 前記電動機駆動手段が、内部のスイッチング素子を切り替える制御回路の電源部を、コンデンサを付加した回路で構成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置。
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