JP2008005636A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路中の抵抗やインダクタンスの増加を防止しながら電力変換装置において電流を検出することである。
【解決手段】本発明による電力変換装置は、電気回路の正極に接続される導体と、同じ電気回路あるいは別の電気回路の負極に接続される導体との対向部分に流れる電流によって生じる磁束を検出する磁束検出装置を備える。
【効果】上記手段によれば、配線インダクタンスの増加を生じることなく、電力変換装置中の電流を検出することができるので、電力変換装置及びそれを適用したシステムの信頼性向上が図れる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明による電力変換装置は、電気回路の正極に接続される導体と、同じ電気回路あるいは別の電気回路の負極に接続される導体との対向部分に流れる電流によって生じる磁束を検出する磁束検出装置を備える。
【効果】上記手段によれば、配線インダクタンスの増加を生じることなく、電力変換装置中の電流を検出することができるので、電力変換装置及びそれを適用したシステムの信頼性向上が図れる。
【選択図】図1
Description
本発明は適用した電力変換装置に関する。
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等の高速半導体スイッチング装置を用いた電力変換装置が様々な分野で使われている。このような電力変換装置においては、モータ電流検出部や直流電流検出部によって、モータを制御するための電流情報及び過電流を検出する。
例えば、特開2004−289971号公報(特許文献1)の電力変換装置では、半導体スイッチング素子が正負一対をなして直列接続された回路の中点からモータへ電力を供給する配線の電流を電流トランスによって検出している。また、直流電源と負極側半導体スイッチング装置との間に流れる電流をシャント抵抗により検出している。
また、特開2004−15910号公報(特許文献2)における半導体スイッチング素子の2並列回路では、インダクタンスにより電流変化を検出してゲート調整することにより、二つの半導体スイッチング素子に流れる電流アンバランスを低減している。
上記の従来技術においては、回路中に抵抗成分やインダクタンス成分を挿入するため、回路の抵抗やインダクタンスが大きくなる。また、配線中に電流トランスを挿入する部分が必要なため、配線長が長くなり、配線インダクタンスが増える。
本発明の課題は、このような回路中の抵抗やインダクタンスの増加を防止しながら電力変換装置において電流を検出することである。
本発明による電力変換装置は、電気回路の正極に接続される導体と、同じ電気回路あるいは別の電気回路の負極に接続される導体との対向部分に流れる電流によって生じる磁束を検出する磁束検出装置を備える。
上記手段によれば、配線インダクタンスの増加を生じることなく、電力変換装置中の電流を検出することができるので、電力変換装置及びそれを適用したシステムの信頼性向上が図れる。
以下本発明の詳細について図面を用いながら説明する。
図1は本発明の第1の実施例である電力変換装置を示す。
まず、本実施例の主回路動作を説明する。図2は、図1の実施例の主回路構成を示す。図2に示すように、直流電源3から、自己消弧形半導体スイッチング装置(ここでは、その代表であるIGBTを例として説明する)11P〜13Nで構成される逆変換回路を介してモータ4に任意の電力を供給する。直流電源3は、例えば、交流電源を直流に変換する順変換回路及び平滑コンデンサから構成される。
モータ4に流れる電流を電流検出装置61〜63で検出して、制御回路50により、ゲート駆動回路511〜532を介してIGBT11P〜13Nを駆動する。すなわちP側とN側のIGBTを交互にオン,オフさせることで所望の交流電力を発生させる。
モータに大電力を供給する場合に、IGBT電流容量の制約から複数のIGBTを並列接続して電流を増大させる。例えば、図3のように図2における変換回路の1アーム11Pを11P1及び11P2の並列接続とし、また、11Nを11N1及び11N2の並列接続とする。また、直流電源3となる平滑コンデンサについても、コンデンサ31,32を並列接続する。図2及び図3のように回路構成を示す場合には、配線部分の浮遊インダクタンスを表記しないことが多いが、実際には配線部分に浮遊インダクタンスが存在し、これがスイッチング時の電圧跳上りに影響を及ぼしている。スイッチングの瞬間に影響を及ぼしているのは図3に破線で示した経路、すなわち上下アームのIGBT及び平滑コンデンサの一巡ループを流れる電流変化に伴う現象であり、このループの浮遊インダクタンスを低減することにより跳上り電圧を抑制することができる。
図1において、直流電源3の正極端子P及び負極端子Nは、各相の正極UP,VP,
WP及び負極UN,VN,WNにそれぞれ接続されている。この接続配線は往復電流を近接対向させ、往復電流全体がつくる磁束が互いに打ち消しあうようにしてインダクタンス低減を図る。図1においてこのように近接対向させている部分は、各相に分岐していない部分の近接対向部800及び各相に分岐した部分の近接対向部801〜803である。
WP及び負極UN,VN,WNにそれぞれ接続されている。この接続配線は往復電流を近接対向させ、往復電流全体がつくる磁束が互いに打ち消しあうようにしてインダクタンス低減を図る。図1においてこのように近接対向させている部分は、各相に分岐していない部分の近接対向部800及び各相に分岐した部分の近接対向部801〜803である。
それぞれの近接対向部には、その往復電流を取り囲む磁束の変化を検出する磁束検出装置21〜24が設けられ、それらの検出信号は検出判定部201を介して制御回路50へと伝達される。
なお図1においては、モータ4を巻線41〜43によって模式的に示している。
次に、本実施例の動作について図4〜図7を用いて説明するが、図1,図2の3相のうちの1相(ここでは、U相)に着目して説明する。
図4〜図7に示すように、直流電源3の正極Pから出る電流をIpt、負極Nに戻ってくる電流をInt、正極側IGBT11Pの正極UPに入る電流をIup、負極側
IGBT11Nの負極UNから出る電流をIun、正極側IGBT11Pと負極側
IGBT11Nとの接続点、すなわち交流出力点Uから出る電流をIuとする。
IGBT11Nの負極UNから出る電流をIun、正極側IGBT11Pと負極側
IGBT11Nとの接続点、すなわち交流出力点Uから出る電流をIuとする。
ここでは、図4の一点鎖線のように交流電流Iuが負で負極側IGBT11Nに通電されている状態と、図5の二点鎖線のように正極側IGBTと逆並列接続されている還流ダイオードで還流している状態との転流を示す。
図7の時刻T1までは、負極側IGBT11Nへのゲート信号Gunにオン信号が与えられており、負極側IGBTがオンしている。すなわち図4の一点鎖線の経路で電流が流れている。
この期間ではU相電流のマイナス向きが増大するため、U相PN電流対向部801すなわち、Iup−Iunが作り出す磁束φuはマイナスで絶対値がわずかながら増大していく。そのため、検出電圧Vcuもわずかに負の値をとる。なお、一般的に負荷電流の周波数に対してスイッチング周波数は高いため、図7での時間軸で考えればU相電流の傾きは小さい。そのため、磁束φuの変化も小さく、検出電圧Vcuの絶対値も小さい。
また、直流電源PN電流対向部800すなわちIpt−Intが作る磁束φtはIpt=Intであるため、ゼロでありφt=0,Vct=0となる。
時刻T1で、負極側IGBTへのゲート信号Gunがオフになるため、負極側IGBTの電流Iunが低下していくとともに、正極側の還流ダイオードに電流が移っていく。この時、U相PN電流対向部801の磁束φuは、絶対値が小さくなるように変化していくため、検出電圧Vcuは正に変化していく。ただし、著しい磁束変化はないため、Vcuの検出閾値よりは小さい。また、直流電源の電流対向部800において、Ipt及びIntは低下していくことになるが、Ipt=Intであるため、磁束φt=0及びVct=0である。
時刻T2で正極側の還流すなわち図5の二点鎖線の状態に転流する。還流モードでは還流ダイオードのオン電圧及び配線の抵抗などによって電流がわずかに低下していくため、検出電圧Vcuはごくわずかに正となる。
時刻T3で、正極側IGBT11Pへのゲート信号Gupにオン信号が与えられるが、電流の向きが逆向きで還流ダイオードが通流しているため、電流経路としては変わりない。なお、T1からT3までの時間は、片側がオフする前に反対側がオン始めて短絡することがないように設ける時間であり、デッドタイムと呼ばれている。
時刻T4で正極側ゲート信号Gupがオフしてもやはり変化はしない。
それからデッドタイム後の時刻T5にて、負極側ゲート信号Gunがオンとなる。
時刻T5において負極側IGBT11Nがオンすることにより、正極側の還流ダイオードにとって逆電圧が印加されるため逆回復動作をする。この状態での電流経路を示したのが図6であり、二点鎖線のように正極側と負極側とで短絡したような経路で電流が流れる。図7において、電流Iup及びIunにサージ状の電流となるのはこの逆回復電流のためである。この時にU相電流対向部801で逆向き電流IupとIunとが対向して全体としての磁束変化を抑制するので、配線インダクタンスが低減されて跳上り電圧が低減される。
時刻T5からT6では、U相PN電流対向部801の磁束φuは絶対値が大きくなるほうに変化していくため、検出電圧Vcuは正から負に変わっていく。
時刻T6〜T7においては前述の時刻T1以前の状態と同じであり、また時刻T7〜
T8は前述の時刻T1〜T2と同じであり、さらに時刻T8〜T9は、前述のT2〜T3と同じなので、説明は省略する。
T8は前述の時刻T1〜T2と同じであり、さらに時刻T8〜T9は、前述のT2〜T3と同じなので、説明は省略する。
これまで説明したように、通常のスイッチングを繰り返している場合は、電流対向部
800及び801における磁束変化は小さく検出電圧が閾値以下であり異常と判定されない。
800及び801における磁束変化は小さく検出電圧が閾値以下であり異常と判定されない。
次に、異常状態について説明する。
異常状態として、図7の時刻Taすなわち、正極側で還流している図5の状態において、交流出力端子Uが直流電源のN端子と短絡した場合を想定する。例えば、放熱器を直流電源の負極側すなわちNの電位に固定しておいた状態で、U端子あるいはその近傍の導体が放熱器と短絡してしまった場合に相当する。
図8が異常状態を示したもので、当初は図中の一点鎖線及び二点鎖線で示す電流経路であったのに対して、時刻Taにて、図中のU点とN点とが太い破線で接続されることによって細い破線の電流経路に変わる。
図9に時刻Taでの異常による変化を示す。なお、図9は図7に比べて時間軸を拡大している。
時刻TaでU点とN点が短絡することにより、正極側IGBP11Pには直流電圧が印加され、Iupは絶対値が急減して還流ダイオードが逆回復動作をする。この間、N側電流Iunはゼロのまま変化しないため、U相PN電流対向部801の磁束φuも電流Iupに相似する形で急変する。そのため、検出閾値以上の検出電圧Vcuが発生して異常検出が可能となる。
同様に、直流電源PN電流対向部800でも正極側(Ipt)だけに逆回復電流が流れるため、磁束φtが発生して検出閾値以上の検出電圧Vctが発生するので異常を検出することができる。
本実施例によれば、正極側IGBT11Pにオン信号が入る時刻T3の前に異常を検出することが可能であり、異常検出の信頼性が向上する。
また、本実施例によれば、図1のように各相のPN電流対向部(801〜803)で検出(21〜23)することで、どの相に異常が発生した相を特定できる。
図10は本実施例の実装例を部分的に示す。
ここでは、正極側アームと負極側アームとが一体化された半導体モジュール11〜13で3相インバータを構成しており、直流電源に相当する平滑コンデンサ3が正極側導体
71及び負極側配線導体72で接続されている。
71及び負極側配線導体72で接続されている。
なお、平滑コンデンサ3には電源及び整流回路が接続されているが、図示は省略している。
また、正極側導体71と負極側配線導体72との間には絶縁板が存在するが、これも図示は省略している。さらに、ゲート駆動回路及び配線についても図示は省略している。
磁束検出装置21〜24として、円環状にコイルを巻いたロゴゥスキーコイルが用いられる。導体においてロゴゥスキーコイルを取り付けるための場所が必要となるが、ロゴゥスキーコイルはPN電流が近接対向している部分を取り囲むように設けられるので、配線インダクタスの増大すなわち跳上り電圧の増大を抑制することができる。
なお、本実施例においては、ロゴゥスキーコイルによって磁束変化を検出するので、積分回路を用いて同コイルで電流を検出する場合に比べ、検出回路が簡単になる。
また、直流電源PN電流対向部800の磁束検出装置24は、負荷電流の大きさに関わらず通常時は磁束がほぼゼロのため、鉄芯入りコイルでも磁気飽和の問題が無い。従って、鉄芯入りの環状コイルを用いて、コイルの巻数を減らすことができる。
ここで示した実装例は一例にすぎず、様々な半導体モジュール形状及び配置においても本発明は適用することが可能である。また、ロゴゥスキーコイルに限らず種々の環状コイルを用いることができる。
本発明の第2の実施例を以下に説明する。
図11は本発明の第2の実施例である電力変換装置であり、3並列接続したインバータの1相分の回路構成を示す。なお、本実施例においては、いわゆる3in1モジュールが用いられる。
直流電源部分は2並列(31,32)の構成となっている。各端子配線部分のインダクタンスが841P〜842Nであり、片方31の負極側841Nと他方32の正極側842Pとの電流がつくる合計の磁束φtの変化を検出する磁束検出装置27がある。磁束検出装置27からの磁束変化検出電圧Vctが変換器制御回路50に伝達され、極端に電流アンバランスしている場合には異常とみなすことで異常を検出できる。
また、正極側IGBTは11P1〜11P3の3並列で構成されていて、共通の正極側ゲート駆動回路51によってゲート駆動する。同様に負極側IGBTは11N1〜11N3の3並列で構成されていて、共通の負極側ゲート駆動回路52によってゲート駆動する。ゲート駆動回路51,52は変換器制御回路50からのオン,オフ指令によって制御される。
正極側端子P1〜P3に正極導体821P〜823Pが接続され、負極側端子N1〜
N3に負極導体821N〜823Nが接続されている。正極側IGBTと負極側IGBTとの接続点すなわちインバータの交流出力点U1〜U3は配線導体881〜883により並列接続されて(U点)負荷へと接続される。
N3に負極導体821N〜823Nが接続されている。正極側IGBTと負極側IGBTとの接続点すなわちインバータの交流出力点U1〜U3は配線導体881〜883により並列接続されて(U点)負荷へと接続される。
負極端子N1の電流と正極端子P2の電流とがつくる合計の磁束φc1の変化を検出する磁束検出装置25からの検出電圧Vc1及び負極端子N2の電流と正極端子P3の電流とがつくる合計の磁束φc2の変化を検出する磁束検出装置26からの検出電圧Vc2が検出判定部202に取り込まれる。検出判定部202からはゲート駆動回路51及び52に制御指令が送られ、並列接続間の電流アンバランスを低減するように調整する。同時に電流アンバランス信号は変換器制御回路50にも送られて、著しく電流アンバランスが発生したり、続いていたりする場合には故障と判定して保護動作に入る。
実際の動作について図12,図13を用いて説明する。
図12及び図13は、当初負極側で還流している状態から時刻T1で正極側IGBT
(3並列)がターンオンして負極側還流ダイオードが逆回復(T2)した後に正極側IGBTに通流する時の波形を示している。
(3並列)がターンオンして負極側還流ダイオードが逆回復(T2)した後に正極側IGBTに通流する時の波形を示している。
一番上の図は、直流電源電流It1,It2で、2段目が磁束検出装置27部分の磁束φt、3段目が磁束検出装置27の電圧Vct、その下が正極側IGBTの正極端子電流Ip1〜Ip3、さらに、負極側IGBTの負極端子電流In1〜In3、下から2段目が磁束検出装置25部分の磁束φc1、最下段が磁束検出装置25の電圧Vc1である。
図12は、電源31及び32の間の電流アンバランス、及び、IGBT間の電流アンバランスともに小さい場合を示している。
T1〜T2の期間はdIt1/dt>dIt2/dtであるため、Vct>0であるがあまり差が大きくないためVctの値は検出閾値未満であるため異常とはみなさない。
同様に正極側IGBTの電流Ip1〜Ip3及び負極側IGBT(実際は還流ダイオード)の負極電流In1〜In3の電流アンバランスも小さいため、磁束検出装置27の検出電圧Vc1も検出閾値未満であるため、ゲート回路への調整指令を出さない。
一方、図13ではT1〜T2の期間でdIt1/dt≫dIt2/dtのため、φtが大きく変化してVctは検出閾値を超える。これにより大きく電流アンバランスしていることが検出できる。この状態が続く場合には、片側の電源(コンデンサ)が故障している可能性があり、電力変換装置を停止させる。
同様にIGBT電流Ip1〜Ip3についてもdIp1/dt≫dIp2/dt=dIn2/dtのため、φc1が大きく変化してVc1が検出閾値を超える。これにより、Ip1側の電流を抑制してIp2側の電流を増大させるようなゲート回路の調整を行うことで
T2時点での電流アンバランスを抑制することが可能である。なお、ゲート回路の調整方法については、特許文献2等の公知技術を用いることができる。
T2時点での電流アンバランスを抑制することが可能である。なお、ゲート回路の調整方法については、特許文献2等の公知技術を用いることができる。
また、並列接続のうち開放故障しているものがあれば、電流アンバランスが大きくなり、本実施例によって検出することが可能であり、図11に示した検出判定部202から変換器制御回路50へ異常停止指令信号を送出する。
次に、本発明の第3の実施例を図14〜図19を用いて説明する。
図14は本発明による第3の実施例である電力変換装置を示す。半導体モジュール111と112とを並列接続し、直流電源部分となる平滑コンデンサも31と32とを並列接続している。半導体モジュール111は正極側(11P1)及び負極側(11N1)で構成され、同様に半導体モジュール112は正極側(11P2)及び負極側(11N2)で構成されている。
ここでは、第1の正極端子P1に接続される導体部分と第2の負極端子N2に接続される導体部分とが磁気的に結合(811)して、第2の正極端子P2に接続される導体部分と第1の負極端子N1に接続される導体部分とが磁気的に結合(812)している。
この磁気結合部811に磁束検出装置27が備え付けられて、I1とI2との差から生じる磁束φq1の変化が電圧Vq1として検出判定部202に送られる。これにより、ゲート駆動回路51あるいは52に電流アンバランスの情報が伝送されて、ゲート回路の中で電流アンバランスを抑制するように調整される。また、異常判定をして異常信号を変換器制御回路50に伝送して装置を停止あるいは制限させることも可能である。
なお、もう一方の導体結合部812の磁束変化を検出しても良いが、どちらか片方で検出すれば電流アンバランスは検出できる。
平滑コンデンサに関しても第1のコンデンサ正極端子C1Pに接続される導体部分と第2のコンデンサ負極端子C2Nに接続される導体部分とが磁気的に結合(831)して、第2のコンデンサ正極端子C2Pに接続される導体部分と第1のコンデンサ負極端子C1Nに接続される導体部分とが磁気的に結合(832)している。また、コンデンサ部分と半導体モジュール部分とを全体的に接続する導体に関しても正極側導体と負極側導体とを近接対向して磁気的結合(804)させて配線インダクタンス低減を図っている。
平滑コンデンサの端子導体結合部831の磁束検出装置28で磁束φc1の変化を検出して電圧Vc1がコンデンサ部磁束検出判定部201に送られる。これにより平滑コンデンサ31と32との電流アンバランスを検出し、異常を検出した時には変換器制御回路
50に異常検出信号を送り停止させる。
50に異常検出信号を送り停止させる。
なお、もう一方の導体結合部832の磁束変化を検出しても良いが、どちらか片方で検出すれば電流アンバランスは検出できる。
本実施例の動作について、図15,図16を用いて説明する。
図15及び図16は、当初負極側で還流している状態から時刻T1で正極側IGBT
(2並列)がターンオンして負極側還流ダイオードが逆回復(T2)した後に正極側IGBTに通流する時の波形を示している。
(2並列)がターンオンして負極側還流ダイオードが逆回復(T2)した後に正極側IGBTに通流する時の波形を示している。
一番上の図は、直流電源電流Ic1,Ic2で、2段目が磁束検出装置27部分の磁束φc1、3段目が磁束検出装置27の電圧Vc1、その下が正極側IGBTの正極端子電流Ip1,Ip2、さらに、負極側IGBTの負極端子電流In1,In2、下から2段目が磁束検出装置25部分の磁束φq1、最下段が磁束検出装置25の電圧Vq1である。
図15は、電源31及び32の間の電流アンバランス、及び、IGBT間の電流アンバランスともに小さい場合を示している。
T1〜T2の期間はdIc1/dt>dIc2/dtであるため、Vc1>0であるがあまり差が大きくないためVc1の値は検出閾値未満であるため異常とはみなさない。
同様に正極側IGBTの電流Ip1,Ip2及び負極側IGBT(実際は還流ダイオード)の負極電流In1,In2の電流アンバランスも小さいため、磁束検出装置27の検出電圧Vq1も検出閾値未満であるため、ゲート回路への調整指令を出さない。
一方、図16ではT1〜T2の期間でdIc1/dt≫dIc2/dtのため、φc1が大きく変化してVc1は検出閾値を超える。これにより大きく電流アンバランスしていることが検出できる。この状態が続く場合には、片側の電源(コンデンサ)が故障している可能性があり、電力変換装置を停止させる。
同様にIGBT電流Ip1,Ip2についてもdIp1/dt≫dIp2/dt=
dIn2/dtのため、φq1が大きく変化してVq1が検出閾値を超える。これにより、Ip1側の電流を抑制してIp2側の電流を増大させるようなゲート回路の調整を行うことでT2時点での電流アンバランスを抑制することが可能である。なお、ゲート回路の調整方法については、特許文献2等の公知技術を用いることができる。
dIn2/dtのため、φq1が大きく変化してVq1が検出閾値を超える。これにより、Ip1側の電流を抑制してIp2側の電流を増大させるようなゲート回路の調整を行うことでT2時点での電流アンバランスを抑制することが可能である。なお、ゲート回路の調整方法については、特許文献2等の公知技術を用いることができる。
また、並列接続のうち開放故障しているものがあれば、電流アンバランスが大きくなり、本実施例によって検出することが可能であり、図14に示した検出判定部202から変換器制御回路50へ異常停止指令信号を送出する。
図17〜図19に本実施例の実装構造を示す。
図17は、半導体モジュール111,112及び平滑コンデンサ31,32を上面から見た図であり、図18がA−A′矢視図とB−B′矢視図であり、図19がC−C′矢視図である。
図に示すように、半導体モジュール111の正極端子P1と第1正極配線導体711との接続部が、他方の半導体モジュール112の負極端子N2と負極配線導体72との接続部と近接対向していて、その部分の磁束を検出する磁束検出装置27が取り付けられている。
第1の平滑コンデンサ31の正極端子C1Pの接続部と第2の平滑コンデンサ32の負極端子C2Nの接続部とが近接対向していて、その部分の磁束検出器28が取り付けられている。
ここで示した実装構造の例は2つの正極側配線導体711と712とが共通になる部分が存在しないので、図14における全体の正極側配線導体と負極側配線導体とが近接対向している部分804は存在していないが、存在しているものについても同様である。
このように正極端子の電流とそれとは並列になった負極端子の電流がつくる磁束の変化を検出することで電流アンバランス抑制のための制御及び異常検出が可能となる。そのため、信頼性向上や考慮すべき電流アンバランス分が低減できるので装置の小型化が図れる。
11P〜13N,11P1〜11N2…IGBT、3…直流電源、4…モータ、21〜28…磁束検出装置、50…変換器制御回路、51,52…ゲート駆動回路、72,711,712…配線導体、111,112…半導体モジュール、201,202…検出判定部。
Claims (8)
- 正極と負極を有する少なくとも一個の電気回路を有する電力変換装置において、
前記正極に接続される第1の導体と、
前記負極に接続される第2の導体と、
前記第1の導体と前記第2の導体との対向部分に流れる電流によって生じる磁束を検出する磁束検出装置と、
を備えることを特徴とする電力変換装置。 - 正極と負極を有する少なくとも第1及び第2の電気回路を有する電力変換装置において、
前記第1の電気回路の前記正極に接続される第1の導体と、
前記第1の電気回路の前記負極に接続される第2の導体と、
前記第2の電気回路の前記正極に接続される第3の導体と、
前記第2の電気回路の前記負極に接続される第4の導体と、
前記第1の導体と前記第4の導体との対向部分に流れる電流によって生じる磁束を検出する磁束検出装置と、
を備えることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2において、前記第2の導体と前記第3の導体との対向部分を有することを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1において、前記磁束検出装置が前記対向部分を囲む環状コイルであることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項2または請求項3において、前記磁束検出装置が、前記第1の導体と前記第4の導体との前記対向部分を囲む環状コイルであることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4または請求項5において、前記環状コイルが磁性体コア入りであることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記電気回路が半導体スイッチング素子とダイオードとの逆並列回路を2個直列に接続した回路であることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記電気回路が直流電源回路であることを特徴とする電力変換装置。
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