JP4239576B2 - Dcポンプとその半径方向推力の軽減方法 - Google Patents

Dcポンプとその半径方向推力の軽減方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出側圧力による半径方向推力と羽根車重量の傾斜方向の成分とをバランスさせるDCポンプとその半径方向推力の軽減方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半径方向から吸込み、半径方向に吐き出す構造の薄型化に適した渦流ポンプ(摩擦ポンプ)は公知である。図11は従来の渦流ポンプの構成図である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図11の渦流ポンプにおいて、ポンプ軸受105がインサートされ、ポンプ軸104が装着されている。このポンプ軸受105の外周には被駆動マグネット106、最外周には羽根107がリング状に形成されている。被駆動マグネット106と羽根107は磁性樹脂材で一体成形されたものである。モータの回転動力が被駆動マグネット106に伝達され、被駆動マグネット106に伝達された回転動力により羽根107が回転し、吸込口101より半径方向に流入した液体は、通水路103を矢印の方向に流れ、吐出口102から流れ出る。
【0004】
この従来の渦流ポンプにおいては、ポンプの吸込口101と吐出口102との圧力差に基づいてモータに作用する半径方向推力109は、駆動源であるポンプ軸104とポンプ軸受け105及びシール材との摺動に対する荷重となって釣り合っていた。これによりポンプの羽根107がポンプケーシング108等に接触することを防いでいた。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−129642号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の渦流ポンプの構成では、ポンプの圧力差を軸荷重と釣り合わせているため、機械損失が増大するという課題を有していた。さらに、動圧型の流体軸受けを使用してポンプの取扱い液である水による動圧でバランスをとる場合、ポンプの吐出口と吸込口との圧力差によって発生するモータの半径方向推力を考慮した動圧を発生させるため、溝加工量が数μmという精密加工をしなければならないという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明は、吐出側からの半径方向推力を簡単に軽減でき、機械損失が少なく、高度な機械加工が不要なDCポンプを提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、簡単に半径方向推力を軽減できるDCポンプの半径方向推力軽減方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のDCポンプは、外周に多数の羽根が形成されたリング状の羽根車と、リング状の羽根車の内周に設けられたマグネットロータと、マグネットロータの内周側に配設され、先端に突極が形成された複数のティースに巻線された電機子と、羽根車とマグネットロータとを収容するためのポンプ室が設けられるとともに、該ポンプ室に羽根車外周方向から流体を吸込む吸込口と羽根車外周方向へ流体を吐出する吐出口とが設けられたポンプケーシングとを備え、ポンプケーシングが、水平面を基準にしたとき吸込口より吐出口の方が低い位置となるように下端面を傾斜されて設置されたことを特徴とする。
【0010】
これにより、吐出側からの半径方向推力を簡単に軽減でき、機械損失が少なく、高度な機械加工が不要となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、外周に多数の羽根が形成されたリング状の羽根車と、リング状の羽根車の内周に設けられたマグネットロータと、
マグネットロータの内周側に配設され、先端に突極が形成された複数のティースに巻線された電機子と、羽根車とマグネットロータとを収容するためのポンプ室が設けられるとともに、該ポンプ室に羽根車外周方向から流体を吸込む吸込口と羽根車外周方向へ流体を吐出する吐出口とが設けられたポンプケーシングとを備え、ポンプケーシングが、水平面を基準にしたとき吸込口より吐出口の方が低い位置となるように下端面を傾斜されて設置されたことを特徴とするDCポンプであり、吐出口付近で発生する圧力差による半径方向推力と釣り合うようにポンプケーシングを傾斜して据え付け、羽根車の重量でバランスをとることができ、機械損失の低減が可能になる。軸と軸受けをなくした軸レスのDCポンプとすることができ、ポンプの長寿命化、低コスト化できる。また、動圧型の流体軸受けを使用して取扱い液の動圧でバランスをとる場合には、吐出側圧力による半径方向推力もバランスさせる流体軸受けのための高度な機械加工を不要とすることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、勾配調整手段が設けられ、該勾配調整手段によってポンプケーシングの傾斜角を調整することを特徴とする請求項1記載のDCポンプであり、吐出口付近で発生する圧力差による半径方向推力と釣り合うようにポンプケーシングの傾斜角を調節して設置し、羽根車の重量でバランスをとることができ、機械損失の低減が可能になる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、勾配調整手段が1ケ所以上に設けられた螺合調節部であって、螺合により傾斜角を調整することを特徴とする請求項2記載のDCポンプであり、半径方向推力と釣り合うように螺合調節部で簡単に傾斜角を調整でき、機械損失の低減が可能になる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、ポンプケーシングの傾斜角を検出する勾配量検出手段が設けられ、該勾配量検出手段の出力信号に従ってポンプ能力を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のDCポンプであり、ポンプケーシングの傾斜角を検出し、この傾斜角に応じて羽根車の重量の分力と釣り合うようにポンプ能力を可変させ、両者のバランスをとることにより、傾斜した状態で使用するポンプであっても機械損失の低減が可能になる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、ポンプケーシングを水平面に対して吸込口より吐出口を下方にして傾斜させ、羽根車に作用する吐出側圧力による半径方向推力と羽根車重量の傾斜方向の成分とをバランスさせることを特徴とするDCポンプの半径方向推力の軽減方法であり、吐出側圧力による半径方向推力と釣り合うようにポンプケーシングを傾斜して据え付け、羽根車の重量でバランスをとることができ、機械損失の低減が可能になる。軸と軸受けをなくした軸レスのDCポンプとすることができ、ポンプの長寿命化、低コスト化できる。また、動圧型の流体軸受けを使用して取扱い液の動圧でバランスをとる場合には、吐出側圧力による半径方向推力もバランスさせる流体軸受けのための高度な機械加工を不要とすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、ポンプケーシングを水平面に対して傾斜して流量を測定し、最大吐出流量を検出したときの傾斜角でポンプケーシングを設置することを特徴とするDCポンプの半径方向推力の軽減方法であり、半径方向推力と羽根車の重量のバランスを簡単にとることができ、機械損失の低減が可能になる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、ポンプケーシングを水平面に対して傾斜してマグネットロータを回転させ、最大の回転数を検出したときの傾斜角でポンプケーシングを設置することを特徴とするDCポンプの半径方向推力の軽減方法であり、半径方向推力と羽根車の重量のバランスを簡単にとることができ、機械損失の低減が可能になる。
【0018】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1におけるDCポンプとその半径方向推力の軽減方法について図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態1におけるDCポンプの断面図、図2は図1のDCポンプの構成を示す説明図である。
【0019】
図1、図2において、1はDCポンプのリング状の羽根車であり、外周に所定ピッチで刻設された溝によって構成された多数の羽根をもち、内周にはマグネットロータ2が設けられている。なお、本発明においては半径方向推力を流体から受けるターボ型のDCポンプのどの型式のポンプであってもよいが、渦流ポンプがその典型である。ここで羽根車1は、羽根とマグネットロータ2とを違う材料で構成して嵌め合わせて一体化しても良いし、磁性樹脂材で構成して羽根とマグネットロータ2とを同一材料で一体構造としてもよい。
【0020】
3はマグネットロータ2の内周側に設けられたステータコアである。ステータコア3の先端には突極が形成され、複数のティースには巻線されて、電機子を構成してマグネットロータ2を回転駆動する。なお、DCポンプというはこの電機子とマグネットロータ2で構成されるDCブラシレスモータで駆動されるポンプであることを意味する。4は羽根車1を収容すると同時に羽根車1が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口8へと導くためのポンプ室Cを有するポンプケーシング、5はケーシングカバーであってポンプケーシング4と共に羽根車1を収納したポンプ室Cを密閉する。ケーシングカバー5とポンプケーシング4とは実施の形態1のポンプケーシングを構成する。
【0021】
6はポンプケーシング4に固定されている軸であり、羽根車1の中心の貫通孔に挿入され、羽根車1が回転自在に支持される。なお、軸6は別部品として圧入やインサート成形によりポンプケーシング4に固定されてもよく、また、ポンプケーシング4と同一材料による一体成形で形成されてもよい。また、軸6は固定されるのではなく、ポンプケーシング4と摺動(回転)可能に設けられてもよい。7は吸込口、8は吐出口であり、いずれも羽根車1の外周方向(羽根車回転面の外方向)から流体が流入、流出される。9はDCポンプ中の流体の圧力が最大になる吐出口8付近の部分であり、Rはその流体の圧力が羽根車に及ぼすラジアル方向の力(以下、半径方向推力)である。
【0022】
本実施の形態1のDCポンプは、外部電源から電力を供給されると、ポンプに設けられた電気回路により制御された電流がステータコア3のコイルに流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界がマグネットロータ2に作用するとマグネットロータ2に物理力が発生する。ところで、このマグネットロータ2は羽根車1と一体化されているため、羽根車1に回転トルクが作用し、この回転トルクにより羽根車1が回転を始める。羽根車1の外周に設けられた羽根は羽根車1の回転によって吸込口7から流入した流体に運動エネルギーを与え、その運動エネルギーによりポンプケーシング4内の流体の圧力が徐々に高められ吐出口8から吐き出される。
【0023】
ところで、実施の形態1のDCポンプにおいては、吐出口8側の高圧が軸6方向へ作用する半径方向推力Rとなるが、これが直接軸6に作用すると大きな機械損失を招来する。そこで本発明の実施の形態1においては、この半径方向推力Rと釣り合うように羽根車1の重量を利用してマグネットロータ2のバランスをとり、軸6への荷重をなくすという手段を講じている。
【0024】
すなわち、所定の水平面Hを基準にして、DCポンプの下端面を傾斜し、吸込口7の位置より吐出口8の位置の方を低い位置に配置するものである。図3は本発明の実施の形態1におけるDCポンプの設置状態の説明図である。図3において、h1は水平面Hからみたときの吐出口8側のポンプ設置高さ(ポンプケーシングの下端面を構成する平坦部の水平面Hからの設置高さ)であり、h2はポンプ設置高さh1と対角線方向のポンプ設置高さであり、Lがこの対角線方向の長さである。このようにポンプ設置高さh2がポンプ設置高さh1より高い位置に設置されるため、ポンプケーシング4は傾斜した状態で設置され、羽根車1に作用する重力の傾斜方向の分力Fが半径方向推力Rとが相殺されてバランスをとることができる。
【0025】
図4に基づいてこの釣り合いについて説明する。図4(a)は本発明の実施の形態1における半径方向推力の説明図、図4(b)は本発明の実施の形態1における半径方向推力と羽根車の重量との釣り合いの説明図である。図4(a)のようにポンプ吐出口8側の高圧はラジアル方向、図4(a)においては軸6方向への力となる。そこで、図4(b)のように水平面Hからの吐出口8側のポンプ設置高さh1をその対角線方向のポンプ設置高さh2と比較して低く位置することにより、羽根車1の重量をMg(gは重力加速度)としたときMg・sinθ=Mg(h2−h1)/Lの大きさの分力Fと半径方向推力Rとが釣り合う。なお、θは傾斜角である。
【0026】
本実施の形態1のDCポンプは軸6に対する半径方向推力Rが重力の分力Fと釣り合っており、軸6の寿命を長くすることができ、羽根車1の回転が安定したものにできる。また、騒音、振動を低減できる。
【0027】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図5、図6(a)、(b)に基づいて説明する。また図1は基本的構成として参照する。実施の形態2のDCポンプは、実施の形態1の軸をなくし、羽根車1をリング状にし羽根車1の内側に溝1*を加工したものである。図5は本発明の実施の形態2におけるDCポンプで軸がない構成を示す説明図、図6(a)は本発明の実施の形態2におけるDCポンプの半径方向推力の説明図、図6(b)は本発明の実施の形態2におけるDCポンプの半径方向推力と羽根車の重量との釣り合いの説明図である。
【0028】
本実施の形態2のDCポンプは、実施の形態1で設けられていた軸をなくした軸レスポンプである。そして図6(b)に示す実施の形態2のDCポンプは、実施の形態1と同様、所定の水平面Hを基準して、DCポンプの吸込口7側のポンプの設置高さh2より吐出口8のポンプの設置高さh1の方を低い位置になるようにポンプケーシング下端面を傾斜して配置する。羽根車1の重量とDCポンプの半径方向推力Rとを釣り合わせるものである。
【0029】
半径方向推力Rが羽根車1に作用する重力の分力Fとバランスよく釣り合っていることから、動圧を発生させるための羽根車の溝1*のみの形成を考えればよく、仮にこの分力Fまで釣り合わせようとすると溝1*の構成はかなり複雑になるが、こうした余計な圧力バランスを考慮しなくてすみ、溝1*の加工がし易くなる。
【0030】
ここで、半径方向推力Rと羽根車1の重量の分力Fとでバランスをとることについて図6(a)、(b)に基づいて説明する。図6(a)のようにポンプの吐出口8側の高い圧力は半径方向推力R、すなわち回転中心方向への力となる。そこで、図6(b)のように水平面Hに関して、吐出口8側のポンプの設置高さh1を吸込口7側のポンプの設置高さh2より低くすることにより、羽根車1の重量Mgにおける分力Fと吐出口8側の半径方向推力Rが相反して釣り合う。これは実施の形態1で説明したのと同様である。
【0031】
本実施の形態2のDCポンプは、羽根車1のラジアル方向のバランスがよいので、軸をなくした軸レスポンプとすることができ、低コスト化が実現できる。そして、羽根車1がポンプケーシング4等に接触することを防げるため、長寿命のポンプを提供することができ、またこれによって振動、騒音を低減できる。さらに、ラジアル方向のバランスがよいため、動圧を発生させるための溝1*を加工するときに余計な力を考慮した加工が不要になる。
【0032】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3のDCポンプについて図7に基づいて説明する。図7は本発明の実施の形態3におけるDCポンプを傾斜させてバランス調整する説明図である。図7(a)、(b)において、10はポンプケーシング4に設けた勾配調整手段の設置個所であり、11は勾配調整手段を構成する雌ネジ、12は雌ネジ11に螺合してポンプケーシング4の傾斜角を調整するボルトである。雌ネジ11,ボルト12が、本発明の実施の形態3における螺合調節部を構成する。
【0033】
吐出口8側の半径方向推力Rと羽根車1の重量の分力F(図4(b)参照)とでバランスをとるために、DCポンプを設置するとき傾斜させる。3ヶ所に設けた雌ネジ11に3本のボルト12を螺合し、その螺合程度を調節して、ボルト12の3点支持によりポンプケーシング4の傾斜角の調整が可能になる。最適傾斜角は半径方向推力Rと羽根車1の重量のバランスをとり、最適傾斜角を設定する。これらについては、実施の形態4,5で説明する。なお、勾配調整に設けた3ヶ所の雌ネジ11,ボルト12は、このうち2本を固定して1本で調整したり、あるいはこれ以上の本数で調整することができる。
【0034】
以上のように、本実施の形態3のDCポンプは、吐出口側と吸込口側の圧力差により発生する半径方向推力Rと釣り合うように羽根車1の分力Fでバランスをとることにより、軸への荷重をなくすことが実現できる。また、このような勾配調整手段により、最適なバランスを求めることができるため、軸への荷重負担が少なくなる。
【0035】
軸に対する荷重が釣り合っており、実施の形態1と同様に軸の寿命を長くすることができ、羽根車1の回転が安定したものにできる。また、騒音、振動を低減できる。また、羽根車1のラジアル方向のバランスがよいので、実施の形態2と同様、軸を廃止した軸レスポンプにすることができ、低コスト化ができる。そして、羽根車1がポンプケーシング4等に接触することを防げるので、長寿命のDCポンプを提供することができ、またこれによって振動、騒音を低減できる。さらに、ラジアル方向のバランスがよいため、動圧を発生させるための溝1*を加工するときに余計な力を考慮した加工が不要になる。
【0036】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4のDCポンプとその半径方向推力の軽減方法について図8に基づいて説明する。図8は本発明の実施の形態4におけるDCポンプの傾斜角とポンプ流量の関係図である。実施の形態4のDCポンプは、実施の形態2のような軸をなくしたDCポンプにおいて、実施の形態3の傾斜角を吐出流量より決定したDCポンプである。吐出流量Qは傾斜角aに関して最大値をもった凸状曲線の流量特性を示す。そこで、図示しない吐出流量検出センサにより吐出流量Qを検出し、流量Qが最大になったQmaxに対するa1を求め、DCポンプの最適傾斜角とするものである。
【0037】
以上のように、実施の形態4のDCポンプとその半径方向推力の軽減方法は、流量Qが最大になったQmaxを求めるだけできわめて簡単に傾斜角を決定することができる。この傾斜角を利用し、ポンプの圧力差により発生する半径方向推力Rと釣り合うように羽根車1の重量の分力Fでバランスをとることにより、羽根車1のラジアル方向のバランスがよいので軸レスポンプにおいても羽根車1がポンプケーシング4等に接触することを防ぐことができ、長寿命のDCポンプを提供することができ、またこれによって振動、騒音を低減できる。さらに、ラジアル方向のバランスがよいため、動圧を発生させるための溝1*を加工するときに余計な力を考慮した加工が不要になる。
【0038】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5のDCポンプとその半径方向推力の軽減方法について図9に基づいて説明する。図9は本発明の実施の形態5におけるDCポンプの傾斜角とポンプ回転数の関係図である。実施の形態5のDCポンプは、実施の形態2のような軸がないDCポンプにおいて、実施の形態3の傾斜角をマグネットロータの回転数Nより決定したDCポンプである。回転数Nは傾斜角aに関して最大値をもった凸状曲線の流量特性を示す。そこで、図示しない回転数検出センサにより回転数Nを検出し、回転数Nが最大となったNmaxに対するa1を求め、DCポンプの最適傾斜角とするものである。
【0039】
以上のように、実施の形態5のDCポンプとその半径方向推力の軽減方法は、回転数Nが最大となったNmaxを求めるだけできわめて簡単に傾斜角を決定することができる。この傾斜角を利用し、ポンプの圧力差により発生する半径方向推力Rと釣り合うように羽根車1の重量の分力Fでバランスをとることにより、羽根車1のラジアル方向のバランスがよいので軸レスポンプにおいても羽根車1がポンプケーシング4等に接触することを防ぐことができ、長寿命のDCポンプを提供することができ、またこれによって振動、騒音を低減できる。さらに、ラジアル方向のバランスがよいため、動圧を発生させるための溝1*を加工するときに余計な力を考慮した加工が不要になる。
【0040】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6のDCポンプについて図10(a)、(b)、(c)に基づいて説明する。図10(a)は本発明の実施の形態5におけるDCポンプの制御機能ブロック図、図10(b)は本発明の実施の形態5におけるDCポンプの勾配量検出手段の出力信号説明図、図10(c)は本発明の実施の形態5におけるDCポンプの電源電圧と傾斜角の関係図である。
【0041】
図10(a)において、13は勾配量検出センサ(本発明の勾配量検出手段)、14は制御装置(本発明の制御手段)、15は電源部である。実施の形態6のDCポンプは、図10(a)に示すように実施の形態5のDCポンプを制御する方法で、勾配量検出センサ13の出力信号が制御装置14へ伝わりその制御された信号はDCポンプの電源部15へ伝わり、電源部15を可変することによりポンプ能力を制御する。水平面に対し平行に設置されたDCポンプの傾斜角を0度とし、吐出口が下向きになる傾斜角を90度とし、その後回転し再び水平面と平行になる180度まで傾けた際に検出する勾配量検出センサ13の出力信号(出力電圧)は、傾斜角との関係で図10(b)のように変化する。傾斜角が90度となるときが、その出力信号である電圧が最大となるときである。
【0042】
図10(b)に示す傾斜角に比例した信号が制御装置14に伝わり、その後ポンプの電源部15の電圧を図10(c)のように伝える。DCポンプが水平面に対し平行になる傾斜角0度、180度の場合において羽根車1は水平面に対し平行になるが、吐出口8が下向きになる傾斜角90度の場合、羽根車1の重量により羽根車1は吐出口8側に近づくため、制御装置14が電源部15の電源電圧を上げることで吐出口8側の圧力を上げてバランスさせるものである。
【0043】
以上のように、DCポンプの傾斜角を検出する勾配量検出センサ13を設け、傾斜角に比例した勾配量検出センサ13の信号を受け、ポンプ能力を可変する制御装置14を設け電源部15を制御することにより、軸への荷重負担が少なくなる。また、ノートパソコンを液冷する冷却用ポンプとしてDCポンプを使用した場合など、傾斜角の変わるノートパソコンの液晶部にこのDCポンプを設置しても液晶部の角度変化に応じたポンプ能力を提供し、半径方向推力Rと重量をバランスさせて円滑な運転を可能にすることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のDCポンプは、吐出口付近で発生する圧力差による半径方向推力と釣り合うようにポンプケーシングを傾斜して据え付け、羽根車の重量でバランスをとることができ、機械損失の低減が可能になる。軸と軸受けをなくした軸レスのDCポンプとすることができ、ポンプの長寿命化、低コスト化できる。また、動圧型の流体軸受けを使用して取扱い液の動圧でバランスをとる場合には、吐出側圧力による半径方向推力もバランスさせる流体軸受けのための高度な機械加工を不要とすることができる。
【0045】
勾配調整手段によって傾斜角を調整するから、半径方向推力と釣り合うようにポンプケーシングの傾斜角を調節して設置し、羽根車の重量でバランスをとることができ、機械損失の低減が可能になる。勾配調整手段が1ケ所以上に設けられた螺合調節部であるため、半径方向推力と釣り合うように螺合調節部で簡単に傾斜角を調整でき、機械損失の低減が可能になる。
【0046】
勾配量検出手段の出力信号に従ってポンプ能力を制御するDCポンプであるから、ポンプケーシングの傾斜角を検出し、この傾斜角に応じて羽根車の重量と釣り合うようにポンプ能力を可変させ、両者のバランスをとることにより、傾斜した状態で使用するポンプであっても機械損失の低減が可能になる。
【0047】
本発明のDCポンプの半径方向推力の軽減方法は、吐出側圧力による半径方向推力と釣り合うようにポンプケーシングを傾斜して据え付け、羽根車の重量でバランスをとることができ、機械損失の低減が可能になる。軸と軸受けをなくした軸レスのDCポンプとすることができ、ポンプの長寿命化、低コスト化できる。また、動圧型の流体軸受けを使用して取扱い液の動圧でバランスをとる場合には、吐出側圧力による半径方向推力もバランスさせる流体軸受けのための高度な機械加工を不要とすることができる。
【0048】
最大吐出流量を検出したときの傾斜角でポンプケーシングを設置するから、半径方向推力と羽根車の重量のバランスを簡単にとることができ、機械損失の低減が可能になる。
【0049】
最大の回転数を検出したときの傾斜角でポンプケーシングを設置するから、半径方向推力と羽根車の重量のバランスを簡単にとることができ、機械損失の低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるDCポンプの断面図
【図2】図1のDCポンプの構成を示す説明図
【図3】本発明の実施の形態1におけるDCポンプの設置状態の説明図
【図4】(a)本発明の実施の形態1における半径方向推力の説明図
(b)本発明の実施の形態1における半径方向推力と羽根車の重量との釣り合いの説明図
【図5】本発明の実施の形態2におけるDCポンプで軸がない構成を示す説明図
【図6】(a)本発明の実施の形態2におけるDCポンプの半径方向推力の説明図
(b)本発明の実施の形態2におけるDCポンプの半径方向推力と羽根車の重量との釣り合いの説明図
【図7】本発明の実施の形態3におけるDCポンプを傾斜させてバランス調整する説明図
【図8】本発明の実施の形態4におけるDCポンプの傾斜角とポンプ流量の関係図
【図9】本発明の実施の形態5におけるDCポンプの傾斜角とポンプ回転数の関係図
【図10】(a)本発明の実施の形態5におけるDCポンプの制御機能ブロック図
(b)本発明の実施の形態5におけるDCポンプの勾配量検出手段の出力信号説明図
(c)本発明の実施の形態5におけるDCポンプの電源電圧と傾斜角の関係図
【図11】従来の渦流ポンプの構成図
【符号の説明】
1 羽根車
*
2 マグネットロータ
3 ステータコア
4 ポンプケーシング
5 ケーシングカバー
6 軸
7 吸込口
8 吐出口
9 ポンプ中の流体の圧力が最大になる部分
10 勾配調整手段の設置個所
11 雌ネジ
12 ボルト
13 勾配量検出センサ
14 制御装置
15 電源部
101 吸込口
102 吐出口
103 通水路
104 ポンプ軸
105 ポンプ軸受
106 被駆動マグネット
107 羽根
108 ポンプケーシング
109 半径方向推力
C ポンプ室
F ラジアル方向の分力
R 半径方向推力
h1,h2 ポンプ設置高さ
L 対角線方向の長さ
Mg 重量
θ 傾斜角

Claims (7)

  1. 外周に多数の羽根が形成されたリング状の羽根車と、
    前記リング状の羽根車の内周に設けられたマグネットロータと、
    前記マグネットロータの内周側に配設され、先端に突極が形成された複数のティースに巻線された電機子と、
    前記羽根車と前記マグネットロータとを収容するためのポンプ室が設けられるとともに、該ポンプ室に羽根車外周方向から流体を吸込む吸込口と羽根車外周方向へ流体を吐出する吐出口とが設けられたポンプケーシングとを備え、
    前記ポンプケーシングが、水平面を基準にしたとき前記吸込口より前記吐出口の方が低い位置となるように下端面を傾斜されて設置されたことを特徴とするDCポンプ。
  2. 勾配調整手段が設けられ、該勾配調整手段によって前記ポンプケーシングの傾斜角を調整することを特徴とする請求項1記載のDCポンプ。
  3. 前記勾配調整手段が1ケ所以上に設けられた螺合調節部であって、螺合により傾斜角を調整することを特徴とする請求項2記載のDCポンプ。
  4. ポンプケーシングの傾斜角を検出する勾配量検出手段が設けられ、該勾配量検出手段の出力信号に従ってポンプ能力を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のDCポンプ。
  5. ポンプケーシングを水平面に対して吸込口より吐出口を下方にして傾斜させ、羽根車に作用する吐出側圧力による半径方向推力と羽根車重量の傾斜方向の成分とをバランスさせることを特徴とするDCポンプの半径方向推力の軽減方法。
  6. ポンプケーシングを水平面に対して傾斜して流量を測定し、最大吐出流量を検出したときの傾斜角で前記ポンプケーシングを設置することを特徴とするDCポンプの半径方向推力の軽減方法。
  7. ポンプケーシングを水平面に対して傾斜してマグネットロータを回転させ、最大の回転数を検出したときの傾斜角で前記ポンプケーシングを設置することを特徴とするDCポンプの半径方向推力の軽減方法。
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