JP4238745B2 - ポリノルボルネンオキシドの製造方法 - Google Patents

ポリノルボルネンオキシドの製造方法 Download PDF

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ポリノルボルネンオキシドの製造方法に関する。
ポリノルボルネンオキシドは適度の耐熱性(Tg72〜80℃)を有し、化学的にも安定であるため産業上の応用が期待されているポリマーである。その製造方法は既に知られている(非特許文献1参照)。
これはトリフェニルメチル ヘキサフルオロアーセナート{(C6H5)3C+AsF6 -}を開始剤としてジクロロエタン溶媒中でノルボルネンオキシドを開環重合することによりポリノルボルネンオキシドを得る方法である。しかし、この方法は有害な砒素を含有する化合物を使用するため、有害な産業廃棄物が発生する。従って、この方法をそのまま工業生産に適用するには問題があった。また、この方法で得られたポリノルボルネンオキシドの重量平均分子量も1,000前後であり、この程度の分子量では充分な成形性は有してなく、機械的強度も不充分である。
J. Macromol. Sci. Chem., A11(3), 603 (1977)
本発明はこの様な従来技術の課題を解決し、汎用な触媒及び化合物を用いて高分子量のポリノルボルネンオキシドの製造を可能にしたものである。
本発明は次の構成よりなる。
[1]遷移金属錯体の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[2]遷移金属錯体及びアミンの存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[3]遷移金属錯体と一酸化炭素の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[4]遷移金属錯体、アミン及び一酸化炭素の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[5]アミンが環状アミンである項2または4に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[6]アミンのpKaが5〜11である項2、4または5に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[7]アミンが少なくとも1個の水酸基を有する化合物である項2、4、5または6に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[8]遷移金属錯体がコバルト含有錯体である項1〜7のいずれか1項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[9]アルカリ金属ハライドの存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[10]アルカリ金属ハライドとノルボルネンオキシドの混合物に溶媒を加えることによって混合物を溶媒に溶解させて、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[11]溶媒が芳香族化合物である項10に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[12]アルカリ金属ハライドがリチウムハライドである項9〜11の何れか1項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[13]リチウムハライドが塩化リチウムまたはヨウ化リチウムである項12に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[14]パラジウム錯体触媒の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
[15]パラジウム錯体が式(1)で表される化合物である請求項14に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
(Pd(II)4−q+2−s r (1)
ここで、Pd(II)は2価のパラジウムであり、pは1または2であり、Xはトリフラート、ハロゲン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ピリジン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、1−ピペリジンカルボニトリルの1種または2種以上の混合物であり、Yは1以上の結合サイトを持つ1以上の単座配位子、二座配位子または三座配位子であり、qは1〜3の整数であって、配位子結合サイトの総数に等しく、Zは錯体をカチオン形にしうるまたは安定化する弱または非配位性アニオンであり、rは1または2であり、sは2または1である。
本発明の製造方法は毒性の少ない汎用な触媒及び化合物を用いて、適度な耐熱性及び化学的に安定な化合物である工業上有用な高分子量のポリノルボルネンオキシドを製造することを可能にしたのである。
本発明は、3種類の触媒からなる製造方法よりなる。詳しくは、遷移金属化合物を触媒とするもの、アルカリ金属ハライドを触媒とするもの及びパラジウム錯体を触媒とするものである。以下、この順序で説明する。
本発明において、遷移金属化合物を触媒とする製造方法においては、必須成分はモノマーであるノルボルネンオキシド、触媒としての遷移金属化合物である。更に、添加物としてアミンを添加することにより、得られたポリノルボルネンオキシドの分子量を増大させることができる。別の添加物として一酸化炭素を添加することにより、ポリノルボルネンオキシドの収量を増大させることができる。添加物としてこれらの両方を添加することもできる。反応熱の除去を容易にするため溶媒を添加してもよい。
遷移金属錯体としてはジコバルトオクタカルボニル、コバルトアセチルアセトナート等のコバルト錯体、トリルテニウムドデカカルボニル等のルテニウム錯体、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル等のロジウム錯体等があるが、好ましくはコバルト錯体であり、更に好ましくはジコバルトオクタカルボニルである。
アミンとしては環状アミンが好ましい。また、pKa(酸解離度)が5〜11のアミンが好ましい。更に、アミンが少なくとも1個の水酸基を有する化合物が好ましい。本発明で用いられるアミンの具体例としてピリジン若しくは4−メトキシピリジン等のアルコキシピリジン、2,6−ジメチルピリジン等のアルキルピリジン、ジメチルアミノピリジン等のアミノ基含有ピリジン、3−ヒドロキシピリジン等の水酸基を有するピリジンまたはイミダゾール若しくはN−メチルイミダゾール等のイミダゾール類を挙げることができる。また、アミンの内でも3−ヒドロキシピリジン等のように水酸基を有するアミンを添加するとより高分子量のポリノルボルネンオキシドが得られる。
重合溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒、ジエチルエーテル、ジエチルングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドルフラン、ジオキサン等のエーテル基含有化合物、クロロエタン、ジクロロエタン等のハロゲン化化合物、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等の含窒素化合物、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物、ヘキサメチルホスホルアミド等の含リン化合物等を挙げることができる。これらの混合物でもよい。
もし添加物としてアミンが使用される場合、遷移金属錯体とアミンの比率(前者/後者(モル比))は20以下であり、好ましくは5以下である。反応は溶媒の存在下または非存在下何れでもよい。反応温度は30〜200℃であり、好ましくは50〜120℃である。反応時間は1〜200時間であり、好ましくは3〜30時間である。
本発明の製造方法における具体例の1つを化学式により以下に示す。

Figure 0004238745
本発明において、アルカリ金属ハライドを触媒とする製造方法では、必須成分はモノマーであるノルボルネンオキシド、触媒としてのアルカリ金属ハライドである。更に、溶媒を使用することができる。溶媒を使用することにより、撹拌が容易になり、反応熱の除去が容易になる。
アルカリ金属ハライドとしてはリチウム、ナトリウム、カリウム等のイオダイド、ブロマイド、クロライド、フルオライドである。
溶媒としては前述した化合物を使用することができる。好ましい溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物を挙げることができる。
反応は溶媒の存在下または非存在下何れでもよい。反応温度は30〜300℃であり、好ましくは100〜250℃である。反応時間は0.2〜200時間であり、好ましくは0.5〜30時間である。
本発明の製造方法における具体例の1つを化学式により以下に示す。

Figure 0004238745
本発明において、パラジウム錯体を触媒とする製造方法では、必須成分はモノマーであるノルボルネンオキシド、触媒としての前記式(1)で示されるパラジウム錯体である。更に、溶媒を使用することができる。溶媒を使用することにより、撹拌が容易になり、反応熱の除去が容易になる。
本発明で使用される式(1)で示されるパラジウム錯体触媒は以下の方法で合成することができる。その第1の製造方法は(a)ニトロソニウム テトラフルオロボレート及び元素状パラジウム及び合成用溶媒を接触させて溶液をつくり、(b)この溶液と単座、二座または三座配位子と、パラジウム(II)及び弱または非配位性アニオンのカチオン性有機金属錯体を形成するに十分な反応条件下に、混合する工程からなる。触媒の第2の製造方法は、(a)強酸及び元素状パラジウム及び合成用溶媒を接触させて溶液をつくり、(b)この溶液と単座、二座または三座配位子と、パラジウム(II)及び弱または非配位性アニオンのカチオン性有機金属錯体を形成するに十分な反応条件下に、混合する諸工程からなる。触媒の第3の製造方法は(a)ジハロゲン化パラジウム及び金属含有塩及び合成用溶媒を接触させて溶液をつくり、(b)この溶液と単座、二座または三座配位子と、パラジウム(II)及び弱または非配位性アニオンのカチオン性有機金属錯体を形成するに十分な反応条件下に、混合する諸工程からなる。
この触媒は通常、合成溶媒中、パラジウム源、適宜のアニオンを反応させて合成される。アニオンは好ましくは強酸のアニオン、即ち測定し得るpKa値が2未満のpKaをもつ酸のアニオンであり、特にテトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート、過酸素酸塩、ヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメタンスルホネート、フルオロ酢酸またはそれらの混合物が好ましい。
触媒の合成に用いる合成用溶媒はパラジウム錯体または何れの反応剤をも分解しないものである。その具体例を以下に示す。
即ち、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ピリジン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、1−ピペリジンカルボニトリルの1種または2種以上の混合物である。
アニオン源としては強酸のアニオンが好ましい。これらの酸と塩の例としてニトロシウムテトラフルオロボレート、テトラフルオロホウ酸、過塩素酸銀、過塩素酸、ナトリウムテトラフルオロボレート、ナトリウムヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロ酢酸、及び銀トリフルオロメタンスルホネートを挙げることができる。
配位子は単座、二座または三座配位子である。好ましい配位用配位子の例としては脂肪族または芳香族置換窒素含有化合物、ホスフィン、アルシン及びスチビンがある。好ましく用いられる配位子は実質上水に不溶性のものである。
パラジウム錯体の具体例として以下の化合物を挙げることができる。
Figure 0004238745
重合溶媒としては前述した化合物を使用することができる。好ましい溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物を挙げることができる。
反応は溶媒の存在下または非存在下何れでもよい。反応温度は30〜300℃であり、好ましくは100〜250℃である。反応時間は0.2〜200時間であり、好ましくは0.5〜30時間である。
本発明の製造方法における具体例の1つを化学式により以下に示す。

Figure 0004238745
本発明の製造方法により製造されたポリノルボルネンオキシドの分子量は重量平均分子量により表すと3,000〜500,000である。成形性を考慮すると好ましくは5,000〜300,000である。
以下に、本発明の実施例を示すことにより、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)の測定:カラム(昭和電工社製「 Shodex KF-8041x2」)及び示差屈折率計(昭和電工社製「RI SE-61」)を備えたゲル透過クロマトグラフ(GL Sciences社製)を用いて、40℃のテトラヒドロフラン溶液中で、ポリスチレン換算で求めた。
H-NMRの測定:日本電子データム株式会社(JEOL)製、核磁気共鳴装置(JNM-ECP500)を用いた。
重合触媒であるCo2(CO)855mg(0.16mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解させ、オートクレーブに導入した後、ノルボルネンオキシド0.88g(8mmol)、一酸化炭素3.75g(130mmol)を添加し、75℃で22時間反応させた。反応液にメタノールを添加し、生成物を沈殿させた。
得られた生成物は0.19gであった。H-NMRによって分析し、生成物がポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5,100であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
重合触媒であるCo2(CO)55mg(0.16mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解させ、これを3−ヒドロキシピリジン30.4mg(0.32mmol)と共に50mlオートクレーブに導入した後、ノルボルネンオキシド0.88g(8mmol)、一酸化炭素3.75g(130mmol)を添加して、75℃で22時間反応させた。反応液にメタノールを添加して生成物を沈殿させた。
得られた生成物は0.13gであった。H-NMRによって分析し、生成物がポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5,400であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
重合触媒であるCo2(CO)165mg(0.48mmol)をテトラヒドロフラン15mlに溶解させ、これをイミダゾール65.4mg(0.96mmol)と共に50mlオートクレーブに導入した後、ノルボルネンオキシド0.88g(8mmol)、一酸化炭素3.75g(130mmol)を添加して、75℃で17時間反応させた。反応液にメタノールを添加して生成物を沈殿させた。
得られた生成物は0.41gであった。H-NMRによって分析し、生成物がポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5,200であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
重合触媒であるCo2(CO)855mg(0.16mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解させ、オートクレーブに導入した後、ノルボルネンオキシド0.88g(8mmol)を添加し、75℃で22時間反応させた。反応液にメタノールを添加して生成物を沈殿させた。
得られた生成物は0.15gであった。H-NMRによって分析し、生成物がポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5,200であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
重合触媒であるCo2(CO)855mg(0.16mmol)をベンゼン5mlに溶解させ、オートクレーブに導入した後、ノルボルネンオキシド0.88g(8mmol)を添加し、75℃で22時間反応させた。反応液にメタノールを添加して生成物を沈殿させた。
得られた生成物は0.11gであった。H-NMRによって分析し、生成物がポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは4,100であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
重合体の重量平均分子量(Mw)の測定:カラム(昭和電工社製「 Shodex KF-8041x2」)及び示差屈折率計(GL Sciences社製「RI 704」)を備えたゲル透過クロマトグラフ(GL Sciences社製)を用いて、40℃のテトラヒドロフラン溶液中で、ポリスチレン換算で求めた。
H-NMRの測定:日本電子データム株式会社(JEOL)製、核磁気共鳴装置(JNM-ECP500)を用いた。
重合触媒である塩化リチウム1.6mg(0.04mmol)とノルボルネンオキシド0.88g(8mmol)をシュレンクに入れて、この容器内部をアルゴンガスで置換した後、150℃で2時間反応させた。反応終了後、生成物をトルエンに溶かして、メタノールに再沈殿して生成物を得た。
得られた生成物は0.11gであった。H-NMRによって分析し、得られた生成物は、ポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5400であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
重合触媒である塩化リチウム1.6mg(0.04mmol)とノルボルネンオキシド0.88g(8.0mmol)をシュレンクに入れて、この容器内部をアルゴンガスで置換した後、トルエンmlを加えて上記化合物を溶解させる。その後、180℃で1時間反応させた。反応終了後、生成物をトルエンに溶かして、メタノールに再沈殿して生成物を得た。
得られた生成物は0.16gであった。H-NMRによって分析し、得られた生成物は、ポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5500であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
重合触媒であるヨウ化リチウム5.4mg(0.04mmol)とノルボルネンオキシド0.88g(8.0mmol)をシュレンクに入れて、この容器内部をアルゴンガスで置換した後、トルエンmlを加えて上記化合物を溶解させる。その後、180℃で1時間反応させた。反応終了後、生成物をトルエンに溶かして、メタノールに再沈殿して生成物を得た。
得られた生成物は0.08gであった。H-NMRによって分析し、得られた生成物は、ポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5600であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
前記式(2)で示されるパラジウム錯体をOrganometallics 2000, 19, 5160に記載されている方法で合成した。このパラジウム錯体を重合触媒として、以降の実施例で使用した。
パラジウム錯体14mg(0.014mmol)とノルボルネンオキシド0.30g(2.7mmol)をシュレンクに入れて、この容器内部をアルゴンガスで置換した後、130℃で5時間反応させた。反応終了後、生成物をクロロホルムに溶かして、メタノールに再沈殿して生成物を得た。
得られた生成物は0.16gであった。H-NMRによって分析し、得られた生成物は、ポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは3700であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
パラジウム錯体12mg(0.012mmol)とノルボルネンオキシド0.30g(2.7mmol)をシュレンクに入れて、この容器内部をアルゴンガスで置換した後、トルエン3mlを加えて上記化合物を溶解させる。その後、130℃で5時間反応させた。反応終了後、メタノールに再沈殿して生成物を得た。
得られた生成物は0.06gであった。H-NMRによって分析し、得られた生成物は、ポリノルボルネンオキシドであることを確認した。また、得られた重合体のMwは5000であった。
H-NMR測定結果>
1H-NMR(500 MHz, CDCL3, 300K, TMS):δ= 0.92, 1.40, 1.61, 1.72, 2.01, 2.30, 3.23, 3.30, 3.38, 3.50, 3.52, 3.77
ある程度の耐熱性を有する高分子化合物であるため溶媒に溶解させることにより各種コーティング剤として使用できる。即ち、半導体あるいは液晶表示素子用の各種保護膜として有用である。また、溶融成形することにより、各種成形体、繊維、フィルムとして使用することができる。更に、分子末端の水酸基を利用して反応性高分子としてポリエステル、ポリウレタン等の原料としての利用も可能である。


Claims (14)

  1. 遷移金属錯体の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  2. 遷移金属錯体と一酸化炭素の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  3. 遷移金属錯体、アミン及び一酸化炭素の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  4. アミンが環状アミンである請求項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  5. アミンのpKaが5〜11である請求項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  6. アミンが少なくとも1個の水酸基を有する化合物である請求項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  7. 遷移金属錯体がコバルト含有錯体である請求項1〜のいずれか1項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  8. アルカリ金属ハライドの存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  9. アルカリ金属ハライドとノルボルネンオキシドの混合物に溶媒を加えることによって混合物を溶媒に溶解させて、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  10. 溶媒が芳香族化合物である請求項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  11. アルカリ金属ハライドがリチウムハライドである請求項10の何れか1項に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  12. リチウムハライドが塩化リチウムまたはヨウ化リチウムである請求項11に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  13. パラジウム錯体触媒の存在下、ノルボルネンオキシドを重合させることを特徴とするポリノルボルネンオキシドの製造方法。
  14. パラジウム錯体が式(1)で表される化合物である請求項13に記載のポリノルボルネンオキシドの製造方法。
    (Pd(II)4−q+2−s r (1)
    ここで、Pd(II)は2価のパラジウムであり、pは1または2であり、Xはトリフラート、ハロゲン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ピリジン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、1−ピペリジンカルボニトリルの1種または2種以上の混合物であり、Yは1以上の結合サイトを持つ1以上の単座配位子、二座配位子または三座配位子であり、qは1〜3の整数であって、配位子結合サイトの総数に等しく、Zは錯体をカチオン形にしうるまたは安定化する弱または非配位性アニオンであり、rは1または2であり、sは2または1である。
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