JP4238704B2 - ウエザーストリップ - Google Patents

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Description

本発明は、車両のドア開口周縁に設けられるウエザーストリップに関するものである。
一般に、自動車等の車両のドア開口周縁には、ウエザーストリップが設けられる。ウエザーストリップは、例えば、EPDMのソリッド材からなる断面略U字形のトリム部と、前記トリム部から車外側に突出して設けられ、EPDMのスポンジ材からなる中空状のシール部と、内装品に向けて延び、EPDMのソリッド材からなるカバーリップとを備えている。このようなウエザーストリップは、ドア開口周縁のフランジに対し、断面形状一定のトリム部を嵌め込む構成となっており、トリム部に埋設されたインサートの緊縛力により取付状態が保持される。しかし、インサートの存在により重量が増大したり、フランジの厚みによっては、嵌め込み時の応力が大きくなったり、フランジから脱落しやすくなったりするおそれがある。
この対策として、図8に示すような本体部42がクリップ43で取付けられるように構成されたウエザーストリップ44が提案されている(特許文献1参照)。前記本体部42は、車外側に突出するシール部45と、車内側に延びるカバーリップ46とを備えていると共に、前記トリム部に代えて、基部47を備えている。基部47は、ソリッド材からなり、フランジ48の車外側面に沿って当接される。また、基部47のフランジ48側の壁面には、リップ部49が具備されている。
さらに、基部47には、長手方向に所定間隔を隔てて複数の孔50が形成されており、各孔50に前記クリップ43が設置されている。そして、フランジ48に設けられた取付孔51にクリップ43を嵌め込むことで、ウエザーストリップ44がフランジ48に装着される。
これにより、ウエザーストリップ44の装着時における嵌め込み応力が、一定になると共に、フランジ48からのウエザーストリップ44の脱落の抑制が図られている。
特開2003−104068号公報
上記のクリップ式のウエザーストリップ44では、基部47の車内側壁面(フランジ48側)に設けられたリップ部49によって、基部47とフランジ48との隙間が封鎖されるようになっている。これにより、該隙間から水が車内へと浸入するといった不具合を抑制するようになっている。
ところが、前記クリップ式のウエザーストリップ44に対し、より高い水圧が加わるような場合においても、前記隙間からの水の車内側への浸入を抑制したいといった要請があるのも事実である。
本発明は、上記要請に応えるべくなされたのもであって、その目的は、軽量化、取付状態の安定化を図るとともに、フランジとの隙間を封鎖し、車内側への水等の浸入をより確実に抑制できるウエザーストリップを提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.車両のドア開口周縁のフランジに沿って略平板形状をなし、ソリッド材または微発泡材からなる基部と、
前記基部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状又はリップ状のシール部と
前記基部の前記フランジの付根側位置から車外側に延びる車外側リップと、
前記基部の前記フランジの先端側位置から車内側に延びるカバーリップと、
前記カバーリップ及び前記基部の連結部近傍の前記フランジの先端側に対応する部分に設けられ、前記カバーリップよりも断面肉厚に構成される補助部と
を備え、
前記基部に別体の保持部材を設けると共に、該保持部材を前記フランジに係止させることにより、前記フランジに取付固定されるウエザーストリップであって、
前記基部のフランジ側に発泡材からなり、所定厚さを有する略平板形状の緩衝部を一体形成し、
前記保持部材は、前記ウエザーストリップの前記フランジへの取付に際し、前記基部の前記シール部と前記車外側リップとの間に形成された孔を通して設けられ、前記フランジに形成された取付孔に係止させられるものであって、当該係止状態にあっては、前記基部を前記フランジに向けて押し付ける構造を具備しており、
前記緩衝部は、前記フランジの付根部にも当接するよう構成されているとともに、
前記孔のフランジ側の開口部に対して、少なくとも前記フランジの先端側と付根側とに略同一厚さで設けられていることを特徴とするウエザーストリップ。
上記手段1によれば、車両のドア開口周縁のフランジに沿って略平板形状をなす基部と、この基部から突出した中空状又はリップ状のシール部に対し、ドア閉時にドアの周縁が押付けられることで、車両のドア開口周縁とドア間がシールされる。かかるウエザーストリップは、従来のようなフランジに嵌め込んで取付ける構成をしたトリム部のような断面略U字形状でなく、基部は略平板形状をなしフランジの一方の壁面にのみ対応しているため、ウエザーストリップの体積を小さく形成できる。その結果、インサートを埋設しないことも相まって、ウエザーストリップ全体の軽量化を図ることができる。また、基部には保持部材が設けられ、該保持部材をフランジに係止させることで、ウエザーストリップがフランジに確実に係止固定される。さらに、基部のフランジ側の面に、発泡材からなる緩衝部が設けられている。このため、緩衝部によって、大きな弾性変形量を確保することが可能となる。従って、保持部材の設置部近傍では、緩衝部が、比較的大きく弾性変形して、緩衝部とフランジとが密接させられることとなる。その結果、保持部材の設置部近傍では、基部とフランジとの間の隙間が確実に封鎖され、非常に高いシール性が確保される。一方、保持部材の設置間では、前記保持部材の設置部近傍よりも前記緩衝部の弾性変形量が幾分小さくなるだけで、緩衝部をフランジに密接させることができる。その結果、保持部材間においても、比較的高いシール性が確保されることとなる。ひいては、ウエザーストリップの長手方向全体に渡り、確実にシール性が確保され、ウエザーストリップとフランジとの間から水等が浸入するといった不具合を抑制することができる。加えて、基部が発泡材からなる場合には、ウエザーストリップの長手方向において、基部が変形してフランジから離間してしまうおそれがある。この点、手段1では、基部にソリッド材または微発泡材が用いられているため、基部が変形しにくく、基部のフランジからの離間を抑制できる。従って、基部の車内側全体を、ウエザーストリップの長手方向全体に渡ってフランジに当接させることができる。その結果、前記水等の浸入をさらに一層確実に抑制することができる。なお、各手段に記載の発泡材、ソリッド材及び微発泡材について説明すると、発泡材は、比較的柔軟なスポンジ材であり、具体的には、発泡量(全体積に占める気泡の体積の割合)が25%より多く、硬度がJIS−Aタイプで65度未満のものが好ましい。素材としては、例えば、EPDM、TPO等が挙げられる。一方、ソリッド材及び微発泡材は、比較的硬質で、前記略平板形状を保持することができる剛性を有するものである。具体的には、ソリッド材及び微発泡材の硬度が、JIS−Aタイプで65度以上85度以下であり、さらに、微発泡材の場合には、その発泡量が25%以下のものであることが好ましい。素材としては、例えば、EPDM、TPO、PP等が挙げられる。
た、緩衝部が、所定厚さを有する略平板形状であるため、緩衝部を確実に弾性変形させることができると共に、フランジへ確実に接触させることができる。従って、基部とフランジとの隙間をより確実に封鎖することができる。その結果、ウエザーストリップとフランジとの間から水等が浸入するといった不具合を確実に抑制することができる。
また、前記緩衝部が、フランジの付根部にも当接させられる。このため、フランジの側面だけでなく、フランジ付根側においても、緩衝部の弾性変形によりシール性が確保される。従って、前記水等の浸入をより確実に抑制することができる。
また、保持部材によって、基部がフランジに向けて押し付けられる。本手段では、基部が比較的硬質なソリッド材または微発泡材からなることと相まって、基部の全体が、ウエザーストリップの長手方向全体に渡ってしっかりとフランジの方へと押し付けられることとなる。従って、前記水等の浸入をさらに一層確実に抑制することができる。
また、基部に形成された孔を通して、保持部材が基部に設置されており、フランジの取付孔に係止されることで、ウエザーストリップがフランジに確実に固定される。また、緩衝部が、前記孔の開口部に対して、前記フランジの先端側と付根側とに略同一厚さで設けられている。前記孔に対して一方のみに緩衝部が存在する場合や、緩衝部の厚みに極端な差がある場合には、緩衝部の設けられていない側や厚みの薄い側に隙間が形成されてしまうおそれがある。この点、手段では、隙間の形成が抑制されるため、前記水等の浸入をさらに一層確実に抑制することができる。
手段.前記緩衝部は、フランジ側へと突出する少なくとも1つのリップ部を具備することを特徴とする手段1に記載のウエザーストリップ。
上記手段によれば、緩衝部は、リップ部を具備しているため、フランジに当接させられる際の、緩衝部の弾性変形量が一層大きなものとなる。従って、緩衝部とフランジとを一層確実に密接させることができる。その結果、ウエザーストリップとフランジとの間の隙間が封鎖され、水等が浸入するといった不具合を一層確実に抑制することができる。
手段.前記発泡材は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、または、熱可塑性エラストマーよりなることを特徴とする手段1又は2に記載のウエザーストリップ。
上記手段のように、発泡材が、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、または、熱可塑性エラストマーよりなることで、適度な柔軟性が得られ、緩衝部によるシール性の確保を一層確実なものとすることができる。その結果、前記水等の浸入をさらに一層確実に抑制することができる。
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図2に示すように、本実施の形態におけるウエザーストリップ1は、自動車2の側方のドア3に対応するボディ側のドア開口4周縁に装着されている。ウエザーストリップ1は、長尺状の本体部5と複数のクリップ6とを備えている(図1参照)。
前記本体部5は、押出成形法によって成形されており、図3に示すような断面構造を有している。本体部5の断面構造について説明すると、ドア開口4周縁に設けられたフランジ7に沿って略平板形状をなす基部8を備えている。
また、基部8のフランジ7の先端側近傍の車外側壁面には、中空状のシール部10が設けられている。ドア3閉時には、このシール部10が潰れ変形することで、ドア3と自動車2のボディとの間がシールされるようになっている。
さらに、基部8には、フランジ7の先端側から車内側へと延びるカバーリップ11が連結されており、基部8とカバーリップ11とは全体として断面略J字形状をなしている。また、カバーリップ11は、その先端部分が天井やガーニッシュ等の内装品12の端部を覆うようになっている。
併せて、カバーリップ11と基部8との連結部近傍、すなわち、フランジ7の先端側に対応する部分には、補助部15が設けられている。補助部15は、カバーリップ11よりも断面肉厚に構成されており、カバーリップ11よりも剛性が高くなっている。これにより、カバーリップ11と基部8との連結部分の変形が抑制され、カバーリップ11が内装品12から浮き上がり見栄えが悪化するといった不具合が抑制されるようになっている。特に、ドア開口4周縁のコーナー対応部において、ウエザーストリップ1を曲げた時にこの変形抑制効果が高い。
加えて、基部8のフランジ7の付根側には、車外側に延びる車外側リップ16が連結されており、基部8と車外側リップ16とは全体として断面略レ字形状をなしている。
特に、本実施の形態では、基部8の車内側壁面及び基部8のフランジ7の付根側端面の全面に、略平板形状をなし、略同一の厚みを有する緩衝部17が設けられている。さらに、緩衝部17は、フランジ7に向けて突出する複数のリップ部18を具備している。
なお、カバーリップ11の外側面は、被覆部19で被覆されている。該被覆部19は、シボ加工が施されたオレフィン系熱可塑性エラストマーであるフィルム状のTPOや、ファブリック等からなる。被覆部19が設けられた位置は、ウエザーストリップ1の装着時に車内側からの目視が容易であるため、被覆部19によって外観品質の向上が図られている。
ここで、本体部5の材質について説明する。本体部5は、主として2種類の硬度が異なる材質からなる。本実施の形態では、基部8、カバーリップ11及び補助部15は、比較的硬い硬質材Hからなる。一方、シール部10、車外側リップ16及び緩衝部17は、前記硬質材Hよりも柔軟な軟質材Sからなる。具体的には、軟質材Sとして、例えばエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)のスポンジ材(発泡材)が用いられ、硬質材Hとして、例えばEPDMのソリッド材が用いられる。なお、カバーリップ11、補助部15及び基部8は、硬質材Hにより一体的に構成されており、また、緩衝部17は、軟質材Sにより車外側リップ16と一体的に構成されている。
次に、ウエザーストリップ1の全体構造について説明する。図4に示すように、本体部5には、該ウエザーストリップ1の長手方向に沿ってほぼ一定間隔L(例えば、100mmピッチ)毎に、基部8及び緩衝部17を連通するように複数の孔20が形成されている。各孔20には、保持部材としてのクリップ6が設置されている。クリップ6は、PA6(6ポリアミド)により形成されており、基底部22と該基底部22から略垂直に突出する軸部23とを備えている。軸部23の先端、つまり、基底部22とは反対側には、一対の係止部25,26が一体形成されている。両係止部25,26は、前記軸部23から、基底部22側に向かって斜めに突出するように翼状に形成されている。かかるクリップ6は、本体部5の車外側の前記シール部10と車外側リップ16との間から基部8の孔20に係止部25,26を弾性変形させつつ押し込ませることで、本体部5に係止させることができる。また、押し込まれたクリップ6の基底部22は、シール部10及び車外側リップ16によって覆われ、外観上目視されにくい状態となる。
さて、上記ウエザーストリップ1は、図1に示すように、クリップ6がフランジ7に対し係止固定されることで、取付けられている。フランジ7は、インナパネル31及びアウタパネル32と、両パネル31,32間に存在するリーンフォース33とを備えており、基本的にはこれら31,32,33の周縁部が接合されることによって形成されている。但し、部位によっては、リーンフォース33が設置されなかったり、2枚のリーンフォース33が設置されたりしている。
これに対し、本実施の形態では、前記アウタパネル32には、クリップ6を取付けるための取付孔35が形成されている。また、フランジ7のうち、アウタパネル32を除いたインナパネル31やリーンフォース33には、取付孔35に対応する位置に該取付孔35よりも充分に大きな大径孔36,37がそれぞれ形成されている。
このようなフランジ7にクリップ6を係止固定させる際には、アウタパネル32の車外壁面側からクリップ6の軸部23を取付孔35に挿入させる。すると、両係止部25,26が一旦内側に弾性変形し、軸部23が取付孔35に挿入された状態にあっては、係止部25,26が自身の弾力性によって復元され、広げられる。すると、前記広げられた係止部25,26の先端と基部8とによってアウタパネル32が挟持されることとなる。これによって、クリップ6がフランジ7に係止固定される。
そして、各取付孔35にクリップ6が係止固定されることで、ウエザーストリップ1がフランジ7に沿って装着される。また、ウエザーストリップ1が装着された際には、緩衝部17の車内側及びフランジ7付根側がアウタパネル32に当接するように、ウエザーストリップ1の各寸法が設定されている。これにより、軟質材Sからなる緩衝部17が弾性変形させられつつ、アウタパネル32に密接させられることとなる。
以上詳述したように、本実施の形態では、クリップ6を取付孔35に係止させることでウエザーストリップ1を取付けることとした。このため、ウエザーストリップ1を確実にフランジ7に固定でき、ウエザーストリップ1がフランジ7から脱落するといった事態を防止できる。また、インサートを要しないことから、重量の増大を抑制でき、リサイクル製にも優れる。
また、硬質材からなる基部が直接フランジ7に当接させられる場合には、ウエザーストリップ1の長手方向のクリップ6間におけるフランジ7に対するシール性が低減し、高圧の水が接触する際には、本体部とフランジ7との間から水が浸入してしまうおそれがある。この点、特に本実施の形態では、基部8の車内側に、軟質材Sからなる緩衝部17が設けられている。このため、緩衝部17によって、比較的大きな弾性変形量を確保することが可能となる。従って、クリップ6の装着部近傍では、緩衝部17が、大きく弾性変形して、緩衝部17とフランジ7とが密接させられることとなる。その結果、クリップ6の装着部近傍では、本体部5とフランジ7との間の隙間が確実に封鎖され、非常に高いシール性が確保される。一方、クリップ6間では、前記クリップ6の装着部近傍よりも前記緩衝部17の弾性変形量が幾分小さくなるだけで、緩衝部17をフランジ7に密接させることができる。その結果、クリップ6間においても、比較的高いシール性が確保されることとなる。ひいては、ウエザーストリップ1の長手方向全体に渡り、確実にシール性が確保され、本体部5とフランジ7との間から水等が浸入するといった不具合を抑制することができる。
そのうえ、緩衝部17の厚さは、孔20の開口部に対して、前記フランジ7の先端側と付根側と(図1における孔20の上側と下側と)で略同一となっている。前記孔20に対して一方のみに緩衝部が存在する場合や、緩衝部の厚みに極端な差がある場合には、緩衝部の設けられていない側や厚みの薄い側に隙間が形成されてしまうおそれがある。この点、本実施の形態では、隙間の形成が抑制されるため、前記水等の浸入をさらに一層確実に抑制することができる。
さらに、緩衝部17のフランジ7付根側も、フランジ7を構成するアウタパネル32に当接させられる。このため、緩衝部17のフランジ7付根側においても、弾性変形によりシール性が確保される。このため、前記水等の浸入を確実に抑制することができる。
併せて、緩衝部17は、複数のリップ部18を具備している。このため、フランジ7に当接させられる際の、緩衝部17の弾性変形量が一層大きなものとなる。従って、緩衝部17とフランジ7とを一層確実に密接させることができる。その結果、本体部5とフランジ7との間の隙間が封鎖され、水等が浸入するといった不具合を一層確実に抑制することができる。
加えて、基部8に硬質材Hが採用されているため、アウタパネル32に密接する範囲が、クリップ6近傍の狭い面積に限られてしまうことなく、比較的広い面積をなる。また、ウエザーストリップ1の長手方向のクリップ6間においても、基部8が変形してフランジ7から離間してしまうことなく、基底部22によって基部8の全体が、しっかりとフランジ7の方へと押し付けられることとなる。加えて、基部8が変形しにくいため、基部8のフランジ7からの離間を抑制できる。従って、基部8の車内側全体が、ウエザーストリップ1の長手方向全体に渡ってフランジ7(アウタパネル32)に押し付けられる。その結果、前記水等の浸入をさらに一層確実に抑制することができる。
また、本体部5のフランジ7(アウタパネル32)に当接させられる部位に緩衝部17が設けられている。このため、緩衝部17がクッションとなり、フランジ7に対する本体部5のガタツキの抑制を図ることができる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、軟質材SとしてEPDMのスポンジ材を採用しているが、比較的柔軟な材質であれば、他の発泡材を採用してもよい。具体的には、発泡量(全体積に占める気泡の体積の割合)が25%より多く、硬度がJIS−Aタイプで65度未満のものが好ましい。素材としては、例えば、TPO等が挙げられる。一方、硬質材Hとしては、EPDMのソリッド材を採用しているが、前記略平板形状を保持することができる剛性を有するものであれば、他のソリッド材や微発泡材を採用してもよい。具体的には、硬度が、JIS−Aタイプで65度以上85度以下のものであり、さらに、微発泡材の場合には、発泡量が25%以下のものであることが好ましい。素材としては、例えば、TPO、PP等が挙げられる。また、軟質材Sと硬質材Hとの組み合わせとして、EPDMのスポンジ材とソリッド材とを採用しているが、これに代えて、前記の材料を組み合わせて用いても差し支えない。例えば、TPOのスポンジ材とソリッド材とを用いてもよい。また、TPOのスポンジ材とPP(ポリプロピレン)との組み合わせでもよい。この場合、カバーリップについては、TPOのスポンジ材を採用することで、フランジ7に対する追従性を確保することができる。さらに、シール部とカバーリップとにおけるTPOのスポンジ材を連続して一体的に構成することで、製造の複雑化を抑制できる。
)上記実施の形態では、緩衝部17がリップ部18を具備しているが、リップ部18を省略しても差し支えない。
)ウエザーストリップ1にクリップ6を必ずしも一定間隔で設ける必要はない。例えば、ドア開口4周縁が曲線を描く部位では、クリップ6の間隔を狭く設定し、前記周縁が略直線を描く部位では、クリップ6の間隔を広く設定してもよい。
)上記実施の形態では、クリップ6の材質としてPA6を採用しているが、TPOや他のTPE(熱可塑性エラストマー)やPP(ポリプロピレン)等の他の樹脂材料を採用してもよい。
)本体部5に代えて、図5に示すように車外側リップを省略し、基部8bに対して大きなシール部10bを備えた形状の本体部5bとしてもよい。該本体部5bにおいては、シール部10bと緩衝部17bとが連続的に一体形成することとしてもよい(但し、いずれも参考例)。これにより、軟質材からなる部分が一体化されることとなる。軟質材からなる部分が複数に分割されてなる場合には、本体部5bを押出成形する際の押出ダイスへの軟質材用ゲートを複数設ける必要があり、押出成形機の構造が複雑になってしまうおそれがある。この点、軟質材からなる部分が一体化されることで、軟質材のゲートが1つでよく、押出成形機の構造の簡素化を図ることができる。また、このような本体部5bにクリップ6を係止させる際には、基部8bの孔20bを弾性変形させつつ、クリップ6の基底部22を挿入する。なお、中空状のシール部10,10bに代えて、リップ状のシール部を設けても差し支えない。
)クリップ6の形状としては、必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、係止部25,26の数を3本以上に増加させてもよい。また、図6のように、本体部5cの基部8cとフランジ7とを挟み込むようなタイプのクリップ6cを用いてもよい(但し、参考例)。
)本体部5に変えて、図7に示すようにカバーリップを短くした本体部5cを採用してもよい。この場合、フランジ7と内装品12との間に隙間を形成させないために、内装品12の端部でフランジ7を覆う構成としてもよい。
)上記実施の形態では、(サイドフロント)ドア3に対応するボディ側のドア開口4周縁に設けられるウエザーストリップ1について具体化しているが、リアドア、バックドア、ラッゲージドア(トランクリッド)、ルーフドア(スライディングルーフパネル)等の他のドアの開口周縁に設けられるウエザーストリップについて適用することも可能である。
ウエザーストリップの取付構造を示す断面図である。 自動車を示す斜視図である。 一実施の形態におけるウエザーストリップの本体部を示す断面図である。 本体部とクリップの関係を示す斜視図である。 別の実施の形態を示す図であって、本体部の形状が異なる場合の図である。 別の実施の形態を示す図であって、クリップの形状が異なる場合の図である。 別の実施の形態を示す図であって、カバーリップを省略した場合の図である。 従来のウエザーストリップの取付構造を示す断面図である。
符号の説明
1…ウエザーストリップ、2…自動車、3…ドア、4…ドア開口、5…本体部、6…保持部材としてのクリップ、7…フランジ、8…基部、10…シール部、17…緩衝部、20…孔、35…取付孔。

Claims (1)

  1. 車両のドア開口周縁のフランジに沿って略平板形状をなし、ソリッド材または微発泡材からなる基部と、
    前記基部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状又はリップ状のシール部と
    前記基部の前記フランジの付根側位置から車外側に延びる車外側リップと、
    前記基部の前記フランジの先端側位置から車内側に延びるカバーリップと、
    前記カバーリップ及び前記基部の連結部近傍の前記フランジの先端側に対応する部分に設けられ、前記カバーリップよりも断面肉厚に構成される補助部と
    を備え、
    前記基部に別体の保持部材を設けると共に、該保持部材を前記フランジに係止させることにより、前記フランジに取付固定されるウエザーストリップであって、
    前記基部のフランジ側に、発泡材からなり、所定厚さを有する略平板形状の緩衝部を一体形成し、
    前記保持部材は、前記ウエザーストリップの前記フランジへの取付に際し、前記基部の前記シール部と前記車外側リップとの間に形成された孔を通して設けられ、前記フランジに形成された取付孔に係止させられるものであって、当該係止状態にあっては、前記基部を前記フランジに向けて押し付ける構造を具備しており、
    前記緩衝部は、前記フランジの付根部にも当接するよう構成されているとともに、
    前記孔のフランジ側の開口部に対して、少なくとも前記フランジの先端側と付根側とに略同一厚さで設けられていることを特徴とするウエザーストリップ。
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