JP4237539B2 - クリーンルームに設置される容器回転型処理装置及び該容器回転型処理装置をクリーンルームに設置した被処理物処理設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物たる各種粉粒体(例えば医薬、食品、電子材料等の粉粒体)等の混合処理、反応処理、乾燥処理等を行う際に用いられるクリーンルームに設置される容器回転型処理装置及び該容器回転型処理装置をクリーンルームに設置した被処理物処理設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術にかかる容器回転型処理装置としては、例えば、図4に示すような装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この図4に示された従来技術にかかる容器回転型処理装置は、被処理物を収容可能な容器101を備え、この容器101は、その回転中心部の一方に設けられた従動軸102と他方に設けられた駆動軸103とにて支持されるように構成されている。
【0004】
この従動軸102および駆動軸103は、それぞれ台座104に設けられた軸受部(従動側軸受部105および駆動側軸受部106)にて回転自在に支持されている。そして、駆動軸103を電動モータ等の駆動手段にて回転駆動させることによって、従動軸102および駆動軸103にて支持された容器101も回転駆動し、容器101内に収容された被処理物の混合処理および乾燥処理等を実施することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第3138456号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にかかる容器回転型処理装置においては、次のような問題があった。
【0007】
まず、従来技術にかかる容器回転型処理装置は、容器101の両側を支持する構成であるため、装置のコンパクト化に限界があるという問題があった。具体的には、このように構成された容器回転型処理装置は、装置の両側に軸受部105,106等を設ける必要があり、また、これらの軸受部105,106等を設けるために、容器101の全長を超える大きさの台座104も必要となるため、装置のコンパクト化に限界があった。
【0008】
また、上述したように、装置の両側に軸受部105,106等を設け、容器101の全長を超える大きさの台座104が必要となるため、容器101に被処理物を投入等する際の作業領域が限定されるという問題があった。つまり、それぞれの軸受部105,106が設けられた箇所の周辺は、作業領域としては利用できないため、基本的には、作業領域が二方に限られるという問題があった。
【0009】
さらに、容器101をクリーンルーム内に配設する場合において、従来技術にかかる装置は、容器101のみではなく、従動軸102、および従動軸102が設けられている側の軸受部105と台座104をもクリーンルーム内に設ける必要がある。よって、従来技術によれば、クリーンルームの省スペース化にも限界があった。
【0010】
また、容器101の両側に回転軸102,103および軸受部105,106が設けられており、さらに、容器101を回転させるために機能するモータおよび減速機が右側の台座104A内に設けられている。これらの軸受部、モータ、および減速機は、必要に応じてメンテナンス処理を行う必要があり、このメンテナンス処理をクリーンルーム内で行うとすれば、油塵、ゴミ、ほこり等が飛散するという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、装置自身のコンパクト化、クリーンルームの省スペース化、メンテナンスの容易化、クリーンルームの維持管理の容易さ、および作業領域の拡大を実現可能なクリーンルームに設置される容器回転型処理装置及び該容器回転型処理装置をクリーンルームに設置した被処理物処理設備を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するための本発明にかかるクリーンルームに設置される容器回転型処理装置は、被処理物が投入される容器本体部と該容器本体部の外側に設けられるジャケット部とを有し、上端部に被処理物を投入するための投入口が設けられた容器と、前記容器を支持すると共に回転駆動させ得る駆動軸と、前記駆動軸に回転駆動力を与え得る駆動手段と、容器本体部の内部に設けられる圧力調整管に圧力調整配管部を介して連通し、容器本体部の内部の圧力を調整可能な圧力調整手段と、ジャケット部に対して熱交換配管部を介して熱媒体を供給及び回収することによって、容器本体部の内部の被処理物に対する熱交換を実施可能な熱交換手段と、を備え、前記容器は、回転駆動する際の回転軸方向の一方側のみが前記駆動軸の一端部に支持されており、圧力調整配管部と熱交換配管部とは、駆動軸の内部に設けられており、駆動軸は、容器がクリーンルーム内に配設され、駆動手段と圧力調整手段と熱交換手段とがクリーンルーム外に配設されるように、クリーンルームを形成する仕切板に対して挿通した状態でシール可能に構成されていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、回転駆動して被処理物の混合処理等を実施可能な前記容器の一方側のみが前記駆動軸の一端部に支持されているため(従来のように両側が支持された構成でないため)、従来設けられていた他方側の軸受部や両側の軸受部を支持すべく容器の全長を超える大きさに形成された台座が不要となる。したがって、このような構成によれば、従来よりもコンパクトに構成可能な容器回転型処理装置を得ることができる。
また、上記のように前記容器の一方側のみが前記駆動軸の一端部に支持されているため、前記容器の他方側領域(従来他方側の軸受部が設けられていた領域)についても、被処理物投入時等の作業領域として利用可能となる。つまり、従来と異なり、前記容器周りの三方を作業領域として利用することができる。
さらに、軸受部が前記容器の片方側(一方側)のみに設けられることとなるため、前記容器を回転駆動させる際のメンテナンス箇所を一箇所にまとめることができる。
また、上述した構成にかかる容器回転型処理装置によれば、他方側の軸受部や大きな台座等をなくすことが可能であるため(つまり、容器回転型処理装置をコンパクトに構成可能であるため)、容器回転型処理装置をクリーンルーム内に配設する場合、クリーンルームの省スペース化も実現できる。さらに、軸受部、モータ、および減速機のメンテナンス処理時における汚染も防止することができる。
【0014】
また、本発明にかかるクリーンルームに設置される容器回転型処理装置においては、前記駆動手段と圧力調整手段と熱交換手段よりも容器側に、前記駆動軸を支持する軸受部が設けられており、駆動軸は、該駆動軸における容器と軸受部との間の領域で、前記仕切板に対して挿通した状態でシール可能に構成されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明にかかるクリーンルームに設置される容器回転型処理装置においては、前記駆動軸は、クリーンルームに設置した状態で、前記仕切板に形成されている長穴に挿通されるように構成されており、該挿通状態の駆動軸を、前記仕切板に形成されている長穴に沿って昇降させる昇降手段が設けられていることが好ましい。
【0016】
また、本発明にかかるクリーンルームに設置される容器回転型処理装置においては、前記駆動軸には、前記挿通状態で前記長穴を覆うように構成された板部材が設けられており、板部材は、前記昇降手段による昇降移動時において、前記長穴をシールした状態で駆動軸と共に長穴に沿って移動するように構成されていることが好ましい。
【0017】
また、本発明にかかる被処理物処理設備は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の容器回転型処理装置をクリーンルームに設置してなる。
【0018】
すなわち、本発明にかかる容器回転型処理装置は、
被処理物を投入可能な容器と、前記容器内部の被処理物に対する熱交換を実施可能な熱交換手段と、前記容器内部の圧力を調整可能な圧力調整手段と、前記容器を支持すると共に回転駆動させ得る駆動軸と、前記駆動軸を回転駆動させる駆動手段とを備え、
前記容器は、回転駆動する際の回転軸方向の一方側のみが前記駆動軸の一端部に支持され、前記熱交換手段および前記圧力調整手段は、前記駆動軸の他端部側に設けられており、
前記駆動軸内部には、前記熱交換手段を用いて前記容器内部の前記被処理物の熱交換を行う際に使用される熱交換配管部と、前記圧力調整手段を用いて前記容器内部の圧力調整を行う際に使用される圧力調整配管部とが設けられており、
前記駆動手段が、前記容器と、前記熱交換手段および前記圧力調整手段との間に設けられた
ことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態にかかる容器回転型処理装置の概略側面図を示したものである。ここで、本実施形態にかかる容器回転型処理装置は、容器内に投入された被処理物の混合処理、反応処理、乾燥処理等を実施可能に構成されている。
【0021】
本実施形態にかかる容器回転型処理装置は、図1に示すように、被処理物を投入可能な容器1、この容器1内部の被処理物に対する熱交換を実施可能な熱交換手段2、容器1内部の圧力を調整可能な圧力調整手段3、容器1を支持すると共に回転駆動させ得る駆動軸4、および駆動軸4を回転駆動させる駆動手段を成す電動モータ5等を用いて構成されている。ここで、駆動手段は、電動モータ5および減速機6等を用いて構成され、これらの駆動手段は、容器1と、熱交換手段2および圧力調整手段3との間に設けられている。また、熱交換手段2としては、熱媒体を供給可能な装置(例えば、熱媒体温度調節装置、スチーム発生装置(ボイラ)等)があげられ、圧力調整手段3としては、コンプレッサ、真空吸引装置等があげられる。
【0022】
容器1は、回転駆動する際の回転軸方向の一方側1aのみが駆動軸4の一端部4aに支持されている。そして、熱交換手段2および圧力調整手段3は、駆動軸4の他端部側4bに設けられている。駆動軸4内部には、熱交換手段2を用いて容器1内部の被処理物の熱交換を行う際に使用される熱交換配管部(図示省略)と、圧力調整手段3を用いて容器1内部の圧力調整を行う際に使用される圧力調整配管部(図示省略)とを備えた調整配管部42が設けられている。
【0023】
また、容器回転型処理装置を成すダブルコーン型の容器1の上端部には、蓋体15が開閉自在に備えられた投入口16が設けられ、容器1の下端部には、バタフライ弁(図示省略)等を備えた排出口17が設けられている。さらに、容器1は、被処理物が投入され得る容器本体部11と、容器本体部11の外側に設けられたジャケット部12と、熱交換手段2からジャケット部12に供給された熱媒体を回収する回収部13と、これらの要素11,12,13の外側に設けられたケーシング部14とを用いて構成されている。
【0024】
熱交換手段2からジャケット部12に対しては、熱媒体入口部21と調整配管部42を成す熱媒体供給流路(図示省略)とを介して熱媒体(例えば、温水、冷水等)が供給され、ジャケット部12から熱媒体出口部22に対しては、回収部13と調整配管部42を成す熱媒体回収流路(図示省略)とを介して熱媒体が回収される。なお、熱媒体出口部22から回収された熱媒体は、温度調整を行ってから熱交換手段2に再送された後、あるいは熱交換手段2に再送されて温度調整が行われた後、再び熱媒体入口部21からジャケット部12に供給されてもよい。すなわち、熱媒体は循環使用させるべく構成されてもよい。
【0025】
容器1内部には、容器本体部11内の圧力を調整する際に用いられる圧力調整管31が設けられており、この圧力調整管31は、駆動軸4と共に回転駆動すべく駆動軸4に連接して設けられている。この圧力調整管31は、調整配管部42を成す圧力調整配管部(図示省略)を介して圧力調整手段3と連通されている。圧力調整手段3としては、上述したように、例えば、コンプレッサや真空吸引装置等が用いられるため、容器本体部11内は、必要に応じて加圧あるいは減圧される。
【0026】
また、圧力調整管31の先端部には、駆動軸4および圧力調整管31内部を挿通した温度計鞘管43が設けられている。この温度計鞘管43内には、熱電対等が配設される。
【0027】
上述したように、駆動軸4内部には、容器1内部の温度調整を行う際に用いられる熱媒体供給流路および熱媒体回収流路から成る熱交換配管部と、容器1内部の圧力調整を行う際に用いられる圧力調整配管部と、容器1内部の温度測定を行うために熱電対等が配設される温度計鞘管43とが設けられている。そして、本実施形態においては、駆動軸4を構成する中空状の外管41内部に、外側から順番に、熱媒体回収流路、熱媒体供給流路、圧力調整配管部、および温度計鞘管43が設けられている。
【0028】
本実施形態においては、駆動手段を成す電動モータ5および減速機6が、台座7に設けられており、この減速機6にて、駆動軸4が支持されている。
本実施形態にかかる減速機6は、ウォーム歯車を用いて構成されることが好ましい。このようにウォーム歯車を用いた構成の減速機6であれば、一般的な歯車を用いて構成された減速機よりも、小型で大きな減速比(例えば1/100)を得られると共に、駆動軸4を回転駆動させる際における振動および騒音等も減少させることができる。また、ウォーム歯車は、ねじれ角が小さいと逆転不能の特徴を有するため、特に制動装置等を設けることなく、回転駆動される容器1を任意の位置に停止させることが可能となる。つまり、本実施形態によれば、ウォーム歯車を用いることによって、容器1の回転停止時あるいは容器1に対する被処理物の投入時等において容器1の停止状態が適切に保持されるため、作業容易性、信頼性、および安全性等に優れた容器回転型処理装置を制動装置を設けることなく構成することができる。
【0029】
本実施形態にかかる容器回転型処理装置は、以上のように構成されて次のように機能する。以下においては、本実施形態にかかる容器回転型処理装置を用いて、被処理物の混合乾燥処理を行う場合について説明する。
【0030】
まず、本実施形態にかかる容器回転型処理装置においては、均一に処理(混合、乾燥等)されるべき粉粒体等の被処理物が、投入口16から容器本体部11内に投入される。ここで、粉粒体等の被処理物としては、例えば、化学・医薬品業界等の分野における医薬原体または中間体等があげられる。
【0031】
次に、容器本体部11内に被処理物が投入された後、圧力調整手段3および圧力調整管31等を用いて容器本体部11内を減圧し、熱交換手段2およびジャケット部12等を用いて容器本体部11内を加熱しつつ、駆動手段(電動モータ5および減速機6等)および駆動軸4を用いて容器1を回転駆動させる。本実施形態においては、上記のように、減圧と加熱とによって容器本体部11内の被処理物に必要な熱量を与えることが可能となるため、必要に応じて、低温にて乾燥処理を実現することができる。かかる構成によれば、熱に敏感な医薬品、食品等の混合・乾燥処理をより効果的に実施することができる。
【0032】
本実施形態においては、上記の減圧工程、加熱工程、および回転工程を適切に制御することによって、被処理物の混合・乾燥処理が行われ、かかる処理が終了した後には、容器本体部11内の圧力を大気圧状態にまで復帰させる工程(復圧工程)が実施される。
そして、容器1の回転工程および復圧工程が終了した後、適切な混合・乾燥処理が終了した処理物が排出口17から排出され、次工程に搬送される。
【0033】
以上のように、本実施形態にかかる容器回転型処理装置は構成され機能することによって、次のような効果を得ることができる。
【0034】
まず、本実施形態によれば、容器1の一方側1aのみが駆動軸4の一端部4aに支持されているため(いわゆる「片持ち構造」であるため)、従来設けられていた他方側の軸受部や台座(容器の全長を超える大きさに形成された台座)が不要となる。したがって、本実施形態によれば、従来よりもコンパクトに構成可能な容器回転型処理装置を得ることができる。
【0035】
また、従来は容器1の回転軸方向の両側に軸受等の構成要素が設けられていたため、容器1の左右両側にメンテナンス作業を行うためのスペースが必要であった。しかしながら、本実施形態においては、上述したように、駆動軸4の他端部4b側に容器1以外の全ての構成要素(熱交換手段2および圧力調整手段3等)が設けられているため、メンテナンス作業を行うスペースは、駆動軸4の他端部4b側のみに設ければよい。したがって、本実施形態によれば、メンテナンス作業を行う際のスペースを含めた装置の設置スペースを縮小することができる。さらに、メンテナンス作業が一箇所で実施可能であるため(例えば、移動等の手間が省かれるため)、メンテナンス作業の容易化も図ることができる。
【0036】
また、従来は容器の左右両側に軸受等の構成要素が設けられているため、容器内への被処理物の投入は、この軸受等の後方に回り込んで軸受等越しに行うか、あるいは容器の正面(あるいは背面)側から行われる。軸受等越しに行うと、容器等との距離が離れると共に、軸受等に被処理物が付着するおそれがあるため、あまり好ましくない。また、容器の正面あるいは背面側は、容器の回転方向であって回転範囲内に入るおそれがあるため好ましくない。
しかしながら、本実施形態においては、容器1の他方側1bには軸受等の構成要素が設けられていないため、この他方側1bから容器1に対する被処理物の投入を行うことができる。つまり、本実施形態によれば、容器1の回転方向に対面することなく、特に障害物もない状態で被処理物の投入を行うことができる。
なお、被処理物の投入以外の他の作業領域としても従来技術にかかる装置においては、基本的に軸受等の設けられていない容器の正面側と背面側とが利用されていたが、本実施形態によれば、これらに加えて、容器1の他方側1bも作業領域とすることができる。
【0037】
また、上述した構成にかかる容器回転型処理装置によれば、容器1の他方側1bに軸受部や大きな台座等を設ける必要がないため、容器回転型処理装置をクリーンルーム内に配設する際、例えば、図1に示すように、仕切板9の左側領域に設けられた容器1のみを収容可能なクリーンルームとすることができる。つまり、装置自身のコンパクト化に加えて、クリーンルームの省スペース化も実現できる。また、クリーンルームの汚染原因(他方側の軸受部や大きな台座)が削減されるので、クリーンルーム内をできる限りクリーンに保つことができる。
【0038】
さらに、図1には特に示さなかったが、容器1を昇降させる機構を付加する場合、本実施形態によれば、従来技術にかかる容器回転型処理装置よりもより簡単な構成とすることができる。つまり、従来技術では容器の両側(各軸受の下方)に、容器1の両軸を昇降させるためのシリンダ等を設け、これらが同期して駆動するように昇降手段を構成する必要がある。しかしながら、本実施形態によれば、容器1が駆動軸4に支持され、この駆動軸4が駆動手段を成す減速機6にて支持されているため(片持ち構造であるため)、この減速機6の下方にのみシリンダ等から成る昇降手段を設ければよく、従来のように二つの昇降手段もこれらを同期させる手段も必要としない。よって、本実施形態によれば、より簡単な構造に基づいて、容器1を昇降させるように構成することができる。
【0039】
例えば、容器1を昇降させる構成としては、図2に示すようなものがあげられる。図2は、昇降手段(図示省略)を設けた容器回転型処理装置をクリーンルーム内に設置した場合における要部断面図を示したものである。
この図2によれば、減速機6の下方にのみ昇降手段が設けられ、この減速機6上に設けられた駆動軸4にて容器が支持されており、この容器が、仕切板9にて仕切られたクリーンルーム内に配設されている。そして、この仕切板9には、駆動軸4が昇降移動可能な長穴91が形成され、駆動軸4には長穴91を覆うように板部材92が設けられている。この図2に示された構成によれば、板部材92が仕切板9の長穴91を移動すると共に移動時においてシール可能に構成されているため、駆動軸4を介して容器が昇降可能であると共にクリーンルーム内外の遮蔽状態を効果的に維持することができる。よって、クリーンルーム内をできる限りクリーンに保つことが可能となる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0041】
上記実施形態においては、台座7上に設けられた減速機6にて駆動軸4を支持する場合について説明したが本発明はこの構成に限定されるものではなく、容器1が駆動軸4の一端部4aに支持された片持ち構造であって、他の構成要素が駆動軸4の他端部4b側に設けられる構成であれば、必要に応じて、駆動軸4の支持手段等を変更してもよい。
したがって、例えば、図3に示すような構成としてもよい。
【0042】
図3は、本発明の他の実施形態にかかる容器回転型処理装置の部分概略側面図を示したものである。この図3に示した容器回転型処理装置は、容器1(図示省略)等の基本的な構成は図1に示した実施形態と同様であって、台座7周辺における駆動軸4の支持手段が異なる。よって、ここでは、主に図1にて示した実施形態と異なる部分について説明し、同様の構成要素については同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0043】
図3に示された他の実施形態にかかる容器回転型処理装置は、台座7上に二つの軸受部8が設けられ、これらの軸受部8にて駆動軸4が支持されている。そして、この軸受部8の駆動軸他端部4b側に、電動モータ5および減速機6等から構成される駆動手段が設けられている。かかる駆動手段は、台座7に支持されている。
【0044】
この図3に示すような構成によれば、図1にて説明した種々の効果と共に、容器の大型化に伴う、減速機6内に組み込まれた軸受の負荷を軽減させることができる。したがって、容器の大きさに耐え得るような構成とするために、減速機のサイズを大きくする必要がなくなり、容器を回転駆動させるだけの減速機を選定することが可能となる。
【0045】
なお、この軸受部8の数は二つに限定されず、必要に応じて、一つでもまた三つ以上でもよい。
【0046】
また、上記各実施形態においては、容器1に対する熱交換手段として、熱媒体を流通させる構成のものを示したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば、電気的に温度を制御可能な熱交換手段を容器1外部に設けるような構成としてもよい。
【0047】
さらに、上記各実施形態においては、容器1がダブルコーン型である場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。したがって、例えば、容器1が、球型、直方体型、円筒型、V型等であってもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかるクリーンルームに設置される容器回転型処理装置及び該容器回転型処理装置をクリーンルームに設置した被処理物処理設備は、容器が駆動軸の一端部に支持された、いわゆる片持ち構造であって、駆動軸の他端部側に他の構成要素が設けられている。
したがって、本発明によれば、装置自身のコンパクト化、クリーンルームの省スペース化、メンテナンスの容易化、クリーンルームの維持管理の容易さ、および作業領域の拡大等を実現可能なクリーンルームに設置される容器回転型処理装置及び該容器回転型処理装置をクリーンルームに設置した被処理物処理設備を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる容器回転型処理装置の概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる容器回転型処理装置を成す容器を昇降させる構成の一例であって、その要部断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる容器回転型処理装置の部分概略側面図である。
【図4】従来技術にかかる容器回転型処理装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1…容器、2…熱交換手段、3…圧力調整手段、4…駆動軸、5…電動モータ、6…減速機、7…台座、8…軸受部、9…仕切板、11…容器本体部、12…ジャケット部、13…回収部、ケーシング部、15…蓋体、16…投入口、17…排出口、21…熱媒体入口部、22…熱媒体出口部、31…圧力調整管、41…外管、42…調整配管部、43…温度計鞘管、91…長穴、92…板部材
Claims (5)
- 被処理物が投入される容器本体部と該容器本体部の外側に設けられるジャケット部とを有し、上端部に被処理物を投入するための投入口が設けられた容器と、前記容器を支持すると共に回転駆動させ得る駆動軸と、前記駆動軸に回転駆動力を与え得る駆動手段と、容器本体部の内部に設けられる圧力調整管に圧力調整配管部を介して連通し、容器本体部の内部の圧力を調整可能な圧力調整手段と、ジャケット部に対して熱交換配管部を介して熱媒体を供給及び回収することによって、容器本体部の内部の被処理物に対する熱交換を実施可能な熱交換手段と、を備え、
前記容器は、回転駆動する際の回転軸方向の一方側のみが前記駆動軸の一端部に支持されており、圧力調整配管部と熱交換配管部とは、駆動軸の内部に設けられており、駆動軸は、容器がクリーンルーム内に配設され、駆動手段と圧力調整手段と熱交換手段とがクリーンルーム外に配設されるように、クリーンルームを形成する仕切板に対して挿通した状態でシール可能に構成されていることを特徴とするクリーンルームに設置される容器回転型処理装置。 - 前記駆動手段と圧力調整手段と熱交換手段よりも容器側に、前記駆動軸を支持する軸受部が設けられており、駆動軸は、該駆動軸における容器と軸受部との間の領域で、前記仕切板に対して挿通した状態でシール可能に構成されている請求項1に記載のクリーンルームに設置される容器回転型処理装置。
- 前記駆動軸は、クリーンルームに設置した状態で、前記仕切板に形成されている長穴に挿通されるように構成されており、該挿通状態の駆動軸を、前記仕切板に形成されている長穴に沿って昇降させる昇降手段が設けられている請求項1または2に記載のクリーンルームに設置される容器回転型処理装置。
- 前記駆動軸には、前記挿通状態で前記長穴を覆うように構成された板部材が設けられており、板部材は、前記昇降手段による昇降移動時において、前記長穴をシールした状態で駆動軸と共に長穴に沿って移動するように構成されている請求項3に記載のクリーンルームに設置される容器回転型処理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の容器回転型処理装置をクリーンルームに設置してなる被処理物処理設備。
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