JP4236261B2 - ヒータ - Google Patents
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図7に示されているヒータ21は、カーボンワイヤー発熱体22と、前記カーボンワイヤー発熱体22を収納する、両端が開放されたU字状の小径の石英ガラス管23と、前記小径の石英ガラス管23の両端部23a、23bに圧縮収納されたワイヤーカーボン材Aと、前記小径の石英ガラス管23を収容すると共に、一端が閉塞されかつ他端が開放された大径の石英ガラス管24と、前記大径の石英ガラス管24の開放された端部に取り付けられた、カーボンワイヤー発熱体22と接続される接続線32a、32bとを備える封止端子部30とから構成されている。
なお、前記小径の石英ガラス管23は、その頂部において大径の石英ガラス管24の内部に固定部25を介して固定されている。
そして、小径の石英ガラス管23内に圧縮収納されているカーボンワイヤーに接続されるタングステン(W)からなる接続線32a、32bは、タングステン(W)ガラス部31cのピンチシール部31dでピンチシールされる。
このように、ピンチシール部31dを、接続線を構成するタングステン(W)の熱膨張係数に近いタングステン(W)ガラスで形成することにより、接続線32a、32bの高温時熱膨張に伴うガラス部(ピンチシール部31d)の破損を防止している。
そのため、セラミックス接着剤、セラミックス充填剤が固化する前に、セラミックス接着剤、セラミックス充填剤に含まれている気体(気泡)を、ワイヤーカーボン部材側に溶剤(例えば水)と共に毛細管現象により、引き寄せることができる。その結果、固化したセラミックス接着剤、セラミックス充填剤(封止部)には、外部と内部に連通する細孔がなく、ヒータの耐久性を向上させることができる。
また、前記セラミックス充填剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等のセラミックス粉末とその溶媒である水またはアルコールからなる充填剤であることが、耐熱性の観点から好ましい。
なお、前記セラミックス接着剤、セラミックス充填剤は、300cps〜20000cps、より好ましくは1000cps〜15000cpsの粘性を有していることが好ましい。
また、ワイヤーカーボン材間に接続線が圧接状態で収容されるため、ワイヤーカーボンの炭素成分が還元性の作用をし、接続線の酸化の増大を抑制することができる。その結果、接続線の酸化に伴うスパークの発生を防止することができる。また、ワイヤーカーボン材が圧縮収納された部分に、カーボンワイヤー発熱体及び接続線が取り付けられるため、カーボンワイヤー発熱体によって高温になっても、接続が緩んでしまうことがなく、良好な電気的接続状態が維持される。
前記の場合において、ワイヤーの編み込みスパンは2乃至5mm程度であり、カーボンファイバーによる表面の毛羽立ちは0.5乃至2.5mm程度である。なお、前記毛羽立ちとは、図3の符号aに示すような、カーボンファイバーが切断されたものの一部が、カーボンワイヤーの外周面から突出したものである。
なお、同一の構成材料とは、カーボンファイバー直径、カーボンファイバーの束ねた本数、ファイバー束を束ねる束数、編み込み方、編み込みスパン長さ、毛羽立ち長さ、材質が同一であることを意味している。
また、前記カーボンワイヤーを5本束ねたときの電気抵抗は、室温で略2Ω/1m・1本、1000℃で1Ω/1m・1本である。
その結果、ワイヤーカーボン材Aによる発熱を、カーボンワイヤー発熱体2の発熱に比べ、極端に低下させることができる。
なお、接続線6a、6bは、小径石英ガラス管4a,4b内に圧縮収納されているワイヤーカーボン材に容易に接続ができるように、その先端部は尖っている。
ここで、セラミックス接着剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等のセラミックス粉末とその溶媒である水またはアルコールおよび接着成分であるアクリルエマルジョンまたは水ガラスからなる接着剤が用いられる。このようにセラミック接着剤は、耐熱性の観点から好ましい。
また、前記セラミックス充填剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等のセラミックス粉末とその溶媒である水またはアルコールからなる充填剤が用いられる。このセラミックス充填剤は、耐熱性の観点から好ましい。
なお、前記セラミックス接着剤、セラミックス充填剤は共に、300cps〜20000cpsの粘性を有していることが好ましい。
粘性が300cps未満の場合には、接着剤または充填剤がガラス管4a(4b)と3a(3b)の隙間に入り込み水分の抜けを妨げたり異常発熱を発生し断線に至ることがある。またワイヤーカーボン材A内に浸透することでワイヤーカーボン材Aの持つ断熱効果を妨げるという弊害が生じ、粘性が2000cpsを超えた場合には、ワイヤーカーボン材からはみ出したy部分が接着剤または充填剤内と充分に接することができなくなり同時にy部分を埋没させることができないという弊害が生じるためである。
このようにガラス管内部と外部とが連通すると、ガラス管内部に不活性ガスを封入し、密閉状態にしておくことができず、ヒータの寿命を短くする。
そして、セラミックス接着剤、セラミックス充填剤が固化する前に、セラミックス接着剤、セラミックス充填剤に含まれている気体(気泡)を、ワイヤーカーボン部材側に溶媒(例えば水)と共に毛細管現象により、引き寄せる。
これによって、固化したセラミックス接着剤、セラミックス充填剤(封止部5a、5b)に、外部から内部に連通する細孔の発生を防止でき、ヒータの耐久性を向上させることができる。
このように、ワイヤーカーボン部材Aを小径のガラス管4a,4bの径方向に突出させることによって、低粘性のセラミックス接着剤、セラミックス充填剤を用いた場合にも、前記セラミックス接着剤、セラミックス充填剤が、大径ガラス管3(3a,3b)と小径ガラス管(4a,4b)の間隙に侵入するのを抑制できる。
ワイヤーカーボン部材Aの突出量が0の場合、充填剤が、大径のガラス管と、小径のガラス管の間に流れ込んでしまう傾向がある。また、ワイヤーカーボン部材Aが封止部の長さを超えた場合には、ヒータ内外に連続的な気孔ができるため断線する可能性が高い。
このヒータ10は、大径の石英ガラス管3と、前記大径の石英ガラス管3の内部に収納された小径の石英ガラス管4と、前記小径の石英ガラス管4内に収納されたカーボンワイヤー発熱体2と、前記小径の石英ガラス管4の端部4a、4bに充填され、前記カーボンワイヤー発熱体2の端部を保持するワイヤーカーボン部材Aと、前記ワイヤーカーボン部材Aに保持された電力供給用の接続線6a、6bとを備えている。
即ち、この形態のヒータ10にあっては、カーボンワイヤー発熱体2が小径のガラス管4に収納され、該小径のガラス管4の端部4a,4bにワイヤーカーボン部材Aが充填されている点に特徴がある。
尚、前記したように、突出したワイヤーカーボン部材Aを、前記セラミックス接着剤内あるいはセラミックス充填剤内に埋設するように構成しても、同様の効果を得ることができる。
2 カーボンワイヤー発熱体
3 大径の石英ガラス管
3a 大径の石英ガラス管の端部
3b 大径の石英ガラス管の端部
4 小径の石英ガラス管
4a、4b 小径の石英ガラス管
5 封止部
5a、5b 封止部
6a,6b 接続線
10 ヒータ
A ワイヤーカーボン材
a 毛羽立ち
Claims (5)
- 第一のガラス管と、前記第一のガラス管内に収納されたカーボンワイヤー発熱体と、前記第一のガラス管の内部に収納された第二のガラス管部と、前記第二のガラス管部の内部に充填され、前記カーボンワイヤー発熱体の端部を保持するワイヤーカーボン部材と、前記ワイヤーカーボン部材に保持された電力供給用の接続線とを備え、
前記ワイヤーカーボン部材の一部が第二のガラス管部から突出し、
前記突出したワイヤーカーボン部材は、少なくとも、前記第一のガラス管の端部を封止するセラミックス接着剤あるいはセラミックス充填剤と接するように構成されていることを特徴とするヒータ。 - 第一のガラス管と、前記第一のガラス管の内部に収納された第二のガラス管部と、前記第二のガラス管内に収納されたカーボンワイヤー発熱体と、前記第二のガラス管部の内部に充填され、前記カーボンワイヤー発熱体の端部を保持するワイヤーカーボン部材と、前記ワイヤーカーボン部材に保持された電力供給用の接続線とを備え、
前記ワイヤーカーボン部材の一部が第二のガラス管部から突出し、
前記突出したワイヤーカーボン部材は、少なくとも、前記第一のガラス管の端部を封止するセラミックス接着剤あるいはセラミックス充填剤と接するように構成されていることを特徴とするヒータ。 - セラミックス接着剤は、セラミックス粉末とその溶媒である水またはアルコールおよび接着成分であるアクリルエマルジョンまたは水ガラスからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたヒータ。
- セラミックス充填剤は、セラミックス粉末とその溶媒である水またはアルコールからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたヒータ。
- 前記ワイヤーカーボン部材と前記カーボンワイヤー発熱体は、それぞれ複数のカーボン繊維を束ねて一本のカーボン繊維束とし、このカーボン繊維束を複数本編み上げてなる編紐または組紐であって、
前記ワイヤーカーボン部材が前記第二のガラス管に圧縮状態で収納されると共に、接続線がワイヤーカーボン材間に圧接状態で収容されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたヒータ。
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