以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しながら説明する。本発明を適用した弾球遊技機の一例として、図1および図2にパチンコ機の正面図および背面図を示しており、まずこれらの図面を参照してパチンコ機PMの全体構成について要約説明する。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成された開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ機構3,3により前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉止状態に保持される。
前枠2の表側(前面側)上部には、ガラス扉5が前方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉止状態に保持される。ガラス扉5の背後に位置する前枠上部には、遊技盤20を着脱可能に収容する収容枠が設けられており、この収容枠に立設姿勢で係止保持された遊技盤20がガラス扉5を通して視認されるようになっている。
遊技盤20は、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルーター加工した化粧板21を基板とし、前面側に遊技球をガイドする案内レール22が設けられて略円形の遊技領域PAが区画形成される。遊技領域PAには、多数本の遊技釘とともに風車や各種の入賞具23,24,25、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる図柄表示装置27、LEDや表示ランプなどの遊技構成部品が取り付けられ、遊技領域PAの下端部にアウト口28が形成されている。化粧板21の裏面側には中央部に図柄表示装置27の作動や各種ランプの作動、効果音等の作動制御を行う図柄・音声制御装置87が取り付けられ、その周囲には各入賞具に落入して化粧板21の裏面側に導かれたセーフ球、およびアウト口28を通って化粧板21の裏面側に導かれたアウト球(これらをまとめて「遊技済み球」という)を、化粧板21の背面に沿って裏セット盤30の遊技済み球排出通路に導く球寄せカバー29が取り付けられている。
前枠2の前面下部には、遊技補助盤と称される補助機構部が設けられるとともに、その前方に球皿ユニット6が前方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた球皿施錠装置を利用して遊技補助盤の前面を覆う閉止状態に保持される。遊技補助盤には球皿ユニット6から送り出された遊技球を遊技盤20に向けて発射する遊技球発射装置、遊技の展開状況に応じた効果音を発生させるスピーカなどが設けられ、その前方を覆う球皿ユニット6の下部右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル8が取り付けられている。
一方、前枠2の裏面側には、裏セット盤30が遊技盤20の背後を覆って着脱可能に取り付けられている。裏セット盤30は、中央部に遊技盤20の図柄・音声制御装置87を受容する窓口32を有して外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの方形枠状に形成された基枠体31をベースとして構成される。基枠体31は、表裏に遊技済み球排出通路や球払出制御機構の球通路、球抜き通路等が立体的に形成された前後二層構造になっており、基枠体31を前後に仕切る支持面の前面側に主として遊技盤20から排出された遊技済み球を集合させて遊技島の回収装置に導く遊技済み球排出通路および球抜き通路が、支持面の後面側に主として遊技球を払い出す球払出制御機構が形成されている。
また基枠体31の背面各部には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御装置(81、図2では主制御装置を取り外した状態で示している)、遊技球の払い出し作動を制御する球払出制御装置82、各制御装置や電子部品に電力を供給する電源ユニット84、遊技施設側と信号や電力の入出力を行うターミナル基板85等の各種制御装置や回路基板、球払出装置53等の電子部品が取り付けられ、これらが図示しないコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される。
パチンコ機PMは、球皿ユニット6およびガラス扉5が閉止施錠された状態で遊技に供され、球皿ユニット6の球受け皿に遊技球を貯留させて発射ハンドル8を回動操作することで遊技が開始される。発射ハンドル8が回動操作されると、球受け皿に貯留された遊技球が球皿ユニット6の背面側に装着された球送り装置によって1球ずつ遊技球発射装置に送り出され、遊技球発射装置のハンマーにより遊技領域PAに発射されてパチンコゲームが展開される。
このように概要構成されるパチンコ機PMにあって、遊技領域PAに発射された遊技球が各入賞具に落入したときの遊技球の払い出し処理について、球払出制御機構のブロック図を示す図9を併せて参照しながらもう少し詳しく説明する。遊技盤20に設けられる入賞具には、その外観意匠や入賞時の動作を含めて種々の形態のものがあり、ゲージ設定に応じてどのような形態の入賞具を用いるものであってもよいが、例えば図1に例示した遊技盤20では、一般入賞具23、始動入賞具24、アタッカー装置25の3種類の入賞具を設けた例を示している。
一般入賞具23は、遊技球が落入可能な入賞口を有する固定入賞具であり、入賞口の内部に遊技球を検出する入賞検出センサ23sが取り付けられている。一般入賞具23の後部には落入したセーフ球を化粧板21の裏面側に導くセーフ球誘導路が設けられており、一般入賞具23に落入したセーフ球は入賞検出センサ23sに検出され、セーフ球誘導路および球寄せカバー29を通って基枠体31前面側の遊技済み球排出通路に受け止められ、この球排出通路を流下して遊技島の回収装置に排出される。
始動入賞具24は、一般入賞具23と同様の固定入賞具を用いた例を示し、入賞口の内部に遊技球を検出する入賞検出センサ24sが取り付けられている。始動入賞具24の後部には落入したセーフ球を化粧板21の裏面側に導くセーフ球誘導路が設けられており、始動入賞具24に落入したセーフ球が入賞検出センサ24sに検出され、セーフ球誘導路、球寄せカバー29、遊技済み球排出通路を流下して遊技島の回収装置に排出される。
アタッカー装置25は、いわゆるアタッカー型の可動入賞具であり、横長方形状の大入賞口を覆う開閉扉が開閉可能に取り付けられている。開閉扉は通常閉止されており、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉の上部が前方にほぼ90度倒されて大入賞口が開放される。大入賞口の内部には左右二つの領域開口が設けられて各々に入賞検出センサ25s,25tが設けられるとともに、アタッカー装置25の後側に上記二つの領域開口に繋がって化粧板21を貫通する二つのセーフ球誘導路が設けられており、大入賞口に落入したセーフ球はいずれかの領域開口を通って入賞検出センサ25s,25tに検出され、セーフ球誘導路、球寄せカバー29、遊技済み球排出通路を流下して遊技島の回収装置に排出される。
入賞検出センサ23s,24s,25s,25tの検出信号は主制御装置81に入力されており、主制御装置81は入力された検出信号に基づいてパチンコ機PMの作動を制御する。例えば、始動入賞具24に遊技球が落入し入賞検出センサ24sから入賞検出信号が出力されると、主制御装置81は入力信号から、遊技球が始動入賞具24に入賞したことを検知し、この入賞条件に応じた遊技プログラムを呼び出して実行する。具体的には、主制御装置内で図柄の組み合わせ抽選を行うとともに、図柄・音声制御装置87に抽選結果を出力して図柄表示装置27に表示される図柄を変動および停止制御させ、停止図柄の組み合わせに応じた作動、例えば各種ランプの点滅表示やスピーカによる効果音の発生等を行わせる。また球払出制御装置82に入賞条件に応じた払出指令信号を出力して球払出装置53を作動させ遊技球の払い出し作動を行わせる。
遊技盤20の背後に位置する裏セット盤30に、遊技球の払い出し処理を行う球払出制御機構が設けられている。球払出制御機構を含む裏セット盤の右枠杆(基枠体31における窓口右側の枠杆部)33の背面図を図3に示す。なお、遊技球の払い出しに関する主要機構部は、前後二層構造を有する基枠体31の裏面側に設けられており、背面図を主として参照しながら説明するため、以降では図2および図3に示す背面図における左右方向を左方または右方と称し、紙面直交方向の向こう側(パチンコ機前面側)を前方、手前側(同裏面側)を後方と称して説明する。
球払出制御機構は、基枠体31の左上部に取り付けられて遊技球を貯留する球貯留タンク41、基枠体31における右枠杆33の下部に取り付けられて遊技球の払出を行う球払出装置53、球貯留タンク41と球払出装置53との間を結んで設けられ球貯留タンク41に貯留された遊技球を整列させて球払出装置53に導く案内通路、球払出装置53の下方に設けられて球払出装置から払い出された遊技球を球皿ユニット6の球受け皿に導く球払出通路60、基枠体31の背面下部に取り付けられて球払出装置53の作動を制御する球払出制御装置82、および案内通路に設けられてこの球通路を流下する遊技球を整流し、また払出作動の起動時に球払出装置53に作用する遊技球の圧力を軽減させる受圧制御ユニット100などから構成される。
球貯留タンク41は、上面開放の箱状態をなし、タンク内部に500〜800個程度の遊技球を貯留可能になっている。球貯留タンク41の底面は緩く左傾および前傾して形成され左前方には上下連通する開口部が形成されて下方の案内通路に繋がっている。案内通路は、球貯留タンク41から供給された遊技球を流下させる過程で整列させる整列通路と、整列通路から供給された遊技球を受けて下方の球払出装置53に導く待機通路とからなり、整列通路は球貯留タンクの直下に取り付けられたタンクレール42に、待機通路は右枠杆33に取り付けられた待機通路形成部材52の前後に形成される。
タンクレール42は、窓口32上方の基枠体31にねじ止めされた取付姿勢において前後の壁面に囲まれた樋状体をなし、底面には右方に向けて高さが高くなるリブ状の仕切壁が立設され、この仕切壁の前後に各一列(前後二列)の整列通路42a,42bが形成される(図5を参照)。タンクレール42は左上方の球貯留タンク41側から右下方の待機通路側に向けて4度程度の傾斜角で取り付けられるとともに、通路中間部には上下方向に積み重なった遊技球を平らに均す球均し具44が垂設されており、球貯留タンク41から供給された遊技球が傾斜下流に向けて流下する過程で整列され、右枠杆33の上部では前後二列の整列通路42a,42bに整列された状態で待機通路側に向けて流下する。
整列通路42a,42bの下流部には、整列通路を通る遊技球の流下を規制する球止め状態および規制を解除した解除状態に切り替え操作可能な上部球止め機構45が設けられている。上部球止め機構45は、前後の通路位置に合わせた鉤状のフック部を有し整列通路の上方に揺動可能に枢着された上部球止め部材46を主体として構成され、この上部球止め部材46を反時計廻りに揺動させてフック部を整列通路42a,42bに突出させることで遊技球を堰き止め、フック部の突出位置(球止め位置)よりも上流側に位置する遊技球の流下を規制する球止め状態に設定できるようになっている。タンクレール42の傾斜端部すなわち整列通路42a,42bの終端部は下方に滑らかに屈曲され、下端に開口する偏向出口42eで待機通路と繋がっている。
右枠杆33には、偏向出口42eから送り出された遊技球を受けて待機通路52a,52bに整列状態で待機させる待機通路形成部材52と、この待機通路形成部材52の下側に取り付けられて待機通路に待機された遊技球を所定の払出条件に基づいて払い出す球払出装置53、および右枠杆33に支持された待機通路形成部材52の後方を覆って取り付けられ待機通路形成部材52の前後面に上記二列の待機通路を形成させる蓋部材58などが取り付けられる。
待機通路形成部材52は、中間に形成された仕切壁52w(図4を参照)と、この仕切壁52wを挟む前後面に遊技球の球径よりも幾分大きめの間隔をおいて左右平行に立設された通路壁52L,52Rとを有し、仕切壁52wの前後に通路壁52L,52Rで囲まれた凹状の通路溝が形成されている。前後の通路溝は上下に鉛直に延びる鉛直部と、その下方にS字状に屈強された屈曲部とからなり、球詰まりが生じない確実な球流れと、遊技球の自重による球圧が下流側で過大な圧力にならないように抑制する球圧抑制とを考慮した形態になっている。待機通路形成部材52は通路溝の清掃容易化等のため基枠体31と別体に構成されており、右枠杆33に立設された支持支柱35に嵌挿して支持させ、後方から蓋部材58をねじ固定することにより右枠杆33に固定される。
待機通路形成部材52が右枠杆33に固定されると、前後の通路溝の開放部が前方の右枠杆33の支持面と後方の蓋部材58とに覆われて前後二列の待機通路52a,52bが形成される。待機通路形成部材52の下端部は球払出装置53の受容口と位置整合して形成され、偏向出口42eから導入された遊技球を前後二列の整列状態で球払出装置53に導くとともに、球払出装置53の作動停止時に遊技球を待機通路52a,52bに整列状態で待機させる。
球払出装置53は、上部中央に前後の待機通路52a,52bと連絡して遊技球を受容する受容口53a,53b、下部の左右に遊技球を払い出す球出口53c,53dが形成されるとともに、ケース内部には前後二段のインペラを有する球送り回転体53rと、球送り回転体53rを回転させる球払出モータ53mとが設けられている。球送り回転体53rの前列側および後列側の各インペラには、それぞれ遊技球を受容するU溝状の球受容部が120度間隔で三カ所設けられるとともに、前後のインペラはそれぞれ球受容部の角度位置が60度オフセットして形成されている。このため、受容口53a,53bから供給された遊技球は、球送り回転体53rの回動に伴って前後のインペラの球受容部に交互に受け入れられ、球受容部の回動により右または左のカセット内通路に1個ずつ移動されて左右いずれかの球出口53c,53dから払い出される。
ここで、各図には、左右の球出口のうち、右側の球出口53dを「球払出口」、左側の球出口53cを「球排出口」に設定した構成例を示しており、球払出口53dの下方には球皿ユニット6の球受け皿に繋がる球払出通路60、球排出口53cの下方には基枠体31の前面側に形成された遊技済み球排出通路と合流する球抜き通路が形成されている。球払出口53dに繋がるカセット内通路には、遊技球の通過を検出して球払出通路60に払い出された遊技球の実数をカウントするための球計数センサ54が設けられその検出信号が球払出制御装置82に入力されている。
球払出制御装置82には、主制御装置81から遊技盤20における入賞条件に応じた払出指令信号が入力されており、球払出制御装置82は主制御装置81から入力された払出指令信号に応じたモータ駆動信号を球払出装置53に出力し、球払出装置53は入力されたモータ駆動信号に基づいて球払出モータ53mを作動させ、球送り回転体53rを時計廻りに所要の回転角度分だけ回転させて、モータ駆動信号に対応する数量の遊技球を球払出口53dから球払出通路60に払い出す。
また、プリペイドカードユニットが接続されたいわゆるCR機では、球皿ユニット6の前面側に球貸要求ボタンを有するCR操作パネル92が設けられてその出力信号が球払出制御装置82に入力されており、球払出制御装置82は、CR操作パネル92から入力された球貸要求信号に応じたモータ駆動信号を球払出装置53に出力し、球払出装置53は入力されたモータ駆動信号に基づいて球払出モータ53mを作動させ、球送り回転体53rを時計廻りに所要の回転角度分だけ回転させ、モータ駆動信号に対応する数量の遊技球を球払出口53dから球払出通路60に払い出す。
球払出口53dから払い出される遊技球は、途中のカセット内通路で球計数センサ54により通過が検出され、球払出制御装置82は球計数センサ54から入力された検出信号に基づいて払い出された遊技球の数量をカウントして目標数量と比較し、球払出装置53の作動を制御する。これにより、主制御装置81から入力される払出指令信号やCR操作パネル92から入力される球貸要求信号に対応した数量の遊技球が球払出通路60に払い出され、球払出通路60を転動流下して球皿ユニット6の球受け皿に払い出される。
さて、このように構成される払い出し機構における待機通路52a,52bの中間部に受圧制御ユニット100が設けられている。以下図4〜図12の各図を併せて参照しながら、まず受圧制御ユニット100の構成および作用について詳細に説明する。なお、図4は受圧制御ユニット100を斜め後方から見た分解斜視図、図5は図3中のV〜矢視の側断面図、図6、図7および図8はそれぞれ図3中のVI〜矢視、VII〜矢視、およびVIII〜矢視の平断面図、図9は球払出制御機構の制御形態を主として示すブロック図、図10は球払出制御機構におけるソレノイドと球払出モータの駆動タイミングを示すタイミングチャート、図11は受圧制御ユニットにより規制状態にしたときの遊技球の係止状況を示す背面図、図12は下部球止め機構により球止め状態にしたときの遊技球の係止状況を示す背面図である。
受圧制御ユニット100は、遊技球の球径よりも小さいピッチで複数の凹凸が形成された受圧部を有して各待機通路に出没変位可能に設けられた受圧部材120a,120b、これらの受圧部材の受圧部を待機通路52a,52bに突出させて遊技球の流下を規制する規制状態と規制を解除した解放状態とに変移させる受圧駆動機構140、および受圧駆動機構140の作動を制御する球払出制御装置82とを主体とし、本構成例では、受圧部材120a,120bを人為的に規制状態に変位させて球止め状態にする下部球止め機構150を付設した構成例を示す。
なお以降の説明では、受圧部材120a,120b、下部球止め機構150における下部球止め部材151a,151b、受圧部材枢支軸125a,125bなどのように、前後の待機通路52a,52bに対応して各列に設けられた部材を総称して説明するときには、煩雑な表記を避けるため、受圧部材120、球止め部材151、受圧部材枢支軸125のように、前後列を表す添え字「a」,「b」を省略して記載する。
受圧部材120(120a,120b)は、前後に所定幅を有して上下に延びる本体部121と、この本体部121の上端に前後方向に延びる円筒状に形成された軸孔122、本体部121の左側面に左方に突出して形成されたカムプレート部123、本体部121の右側面に設けられた受圧部124などからなり、基本的には同一形状の受圧部材120が仕切壁52wを挟む前後の待機通路に対応して2個用いられる。
カムプレート部123は、本体部121の左側面の前後中央部に、本体部121から左方に突出して上下に延びるリブ状に形成されている。カムプレート部123の上下中間部には受圧駆動機構140における駆動伝達具143の配設位置および昇降ストロークに合わせて下方に向けて徐々に張り出し量が高くなる駆動係合面が形成され、その下方には本体部と平行に鉛直に延びて下部球止め機構150のロックカム部153と係脱可能な球止め係合面が形成されている。
受圧部124は、待機通路に臨んで配設される右側面に遊技球の球径よりも小さいピッチの凹凸が上下方向に並んで複数形成されており、待機通路内の遊技球と係脱可能になっている。各図には、前後に延びる断面視三角形の凸部(凹部)を遊技球の球径に対して約1/2のピッチで上下に4条並べて鋸歯状ないし三角波状に形成した構成例を示しており、上下の凸部間に遊技球を挟み込むように係合して遊技球の流下を規制する。
受圧部材120は、例えばABS樹脂などの樹脂材料を用い受圧部124を含めて一体に成型することも可能であるが、本構成例では、受圧部124を硬質ポリウレタン(ウレタンゴム)やシリコンゴム等のようなゴム弾性を有する高分子材料を用いて成型し、これを本体部121の右側面に接着や嵌着等により一体的に接合した構成例を示す。このため後述する受圧駆動機構140や下部球止め機構150からカムプレート部123に作用する押圧力を効率的に受圧部124に伝達するとともに、受圧部124で遊技球を弾性的に且つ確実に係止可能になっている。
受圧部124の上部には、待機通路の左側壁と係合して反時計廻りに作用する押圧力を受け止める斜面形態の側壁係合部が形成されており、受圧部材120が過度に揺動することを規制するとともに、下部球止め機構150により球止め状態に設定したときに、側壁係合部が弾性変形して反撥弾性力を保持し、ガタや緩みが生じないようになっている。
待機通路形成部材52の上部には、中空円筒状の受圧部材枢支軸125が仕切壁52wから前後に突出して形成され、受圧部材枢支軸125と隣接する通路壁52Lに受圧部124を待機通路に挿通させる受圧挿通部126が形成されている。
受圧部材枢支軸125(125a,125b)は、待機通路における鉛直部の下部に位置して、受圧部材120の軸孔122の内径よりもわずかに小さめの外径で形成され、受圧部材120を軸回りに回転自在に支持するように構成されている。軸の中心にはネジを挿通させるネジ挿通孔が前後の受圧部材枢支軸125a,125bを貫通して形成されており、蓋部材58の背面側から蓋固定ネジを挿入し、前後の受圧部材枢支軸125を挿通させて右枠杆33のネジ孔に締め込むことで蓋部材58の上部中央を固定可能になっている。
受圧挿通部126(126a,126b)は、受圧部材枢支軸125と隣接する左通路壁52Lに、受圧部124の揺動軌跡を基準として切り欠き形成されており、前後の受圧部材120a,120bをそれぞれ受圧部材枢支軸125a,125bに支持させた状態で、各受圧部が待機通路52a,52bに出没可能になっている。
受圧部材120を揺動駆動する受圧駆動機構140は、球払出制御装置82からの指令信号により駆動が制御されるソレノイド141、ソレノイド141のプッシュロッド先端に取り付けられた駆動伝達具143を主体として構成される。
ソレノイド141は、金属製のケース141cと、ケース内に収められた駆動コイル、駆動コイルの空芯部に上下にスライド変位可能に支持されたプランジャ141d、プランジャ141dの外周部に装着されたリターンスプリング141e、空芯部内でプランジャの下端部に固着されケース141cから下方に突出して上下にスライド変位可能に支持されたプッシュロッド141fなどからなり、駆動コイルにソレノイド駆動信号を印加したときにプランジャ141dが吸引されてプッシュロッド141fが下方に突出作動され、ソレノイド駆動信号をOFFにしたときにリターンスプリング141eのバネ力によりプランジャ141dが引き上げられてプッシュロッド141fが基準位置に戻るスプリングリターン式の直動型電磁ソレノイドである。駆動コイルの信号線は球払出制御装置82に接続され、ソレノイド141は球払出制御装置82によって作動が制御される。
駆動伝達具143は、前後の受圧部材120a,120bのカムプレート部123をともに押圧し得る前後方向幅を有して平面視矩形のブロック状に形成されている。駆動伝達具143は、例えば高分子ポリエチレンやポリアセタール樹脂などの低摩擦係数の樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段で一体に形成され、プッシュロッド141f先端のフランジ部に嵌着することでソレノイド141と一体化される。
待機通路形成部材52の上部には、受圧部材枢支軸125と隣接してソレノイド141を支持するソレノイド支持部145が形成されている。ソレノイド支持部145は、仕切壁52wの上部をソレノイドのケース141cの外形寸法、およびプランジャ141d並びに駆動伝達具143の移動範囲に合わせて切り欠くとともに、ソレノイドのケース141cを左右から挟み込んで支持する支持壁が切り欠き部の開口縁部に前後に突出して形成され、窓口側(背面視左側)の支持壁には、ケース141cに設けられたネジ孔との整合位置に、固定ネジ148を挿通させるネジ受容スリット145sが形成されている。駆動機構140は、プッシュロッド141f先端に駆動伝達具が嵌着されたソレノイド141fをソレノイド支持部145に装着し、側方からネジ受容スリット145sを通して固定ネジ148を螺合締結することで待機通路形成部材52に組付けられる。
下部球止め機構150は、前後の待機通路に対応して設けられた球止め部材151と、この球止め部材を回動操作する球止め操作軸156とを主体とし、図では球止め部材151の角度位置を検出する第3スイッチ163を付設した構成例を示す。
球止め部材151(151a,151b)は、厚肉円盤状のボス部152と、このボス部152から軸直交方向に延びるロックカム部153、および部と所定角度をもって軸直交方向に延びる検出カム部154などからなり、基本的には同一形状の球止め部材151が仕切壁52wを挟む前後の待機通路に対応して2個用いられる。
ボス部152には、軸外周の一面が面取りされた球止め操作軸156の断面形状と同一形状でわずかに小さめの嵌着孔が形成されている。ロックカム部153は、ボス部の円筒外周面が、反時計廻り方向へのラジアル角度の増加とともに外径方向に緩やかに拡大する放物面状に形成されており、球止め部材151を球止め操作軸156の軸回りに回動したときに、カムプレート部123の下部に形成された球止め係合面と滑らかに係脱するようになっている。検出カム部154は、いわゆる卵形のカム形状をなし球止め部材151を球止め操作軸156の軸回りに回動したときに、第3スイッチ163の検出レバーと係脱するようになっている。
ロックカム部153および検出カム部154は、図3に示す角度位置(解除状態の角度位置)において、それぞれカムプレート部123および第3スイッチ163の検出レバーと離隔して配設される一方、図12に示す角度位置(球止め状態の角度位置)では、ロックカム部153がカムプレート部123と係合して受圧部材120を右方(待機通路側)に押圧し、検出カム部154が第3スイッチ163の検出レバーと係合して左方(窓口側)に押圧するように構成されている。
球止め部材151は、例えばポリアセタール樹脂や高分子ポリエチレンなどの樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段により一体に成型される。球止め操作軸156は六角穴付きボルトを利用して形成した構成例を示し、軸外周の一面を前後にわたり面取りして球止め部材151に回転トルクを伝達可能に形成されている。
一方、待機通路形成部材52の中間部には、中空円筒状の球止め部材軸受部155および第3スイッチ取着部168がそれぞれ仕切壁52wから前後に突出して形成されている。
球止め部材軸受部155(155a,155b)は、ソレノイド支持部の下方に位置して短円筒状に形成されている。球止め部材軸受部155の内径は球止め操作軸156の軸外径よりもわずかに大きめに形成されており、球止め部材軸受部155の前後に球止め部材151a,151bを配置して球止め操作軸156を嵌挿したときに、球止め操作軸156をその軸回りに回動自在に支持し、前後の球止め部材151a,151bを球止め操作軸156と一体に回動可能に支持するようになっている。
第3スイッチ取着部168(168a,168b)は、球止め部材軸受部155の左方に位置して設けられ、中心にネジを螺合可能なネジ受容部が形成されたネジボスと、中心に第3スイッチ163の位置決め孔と嵌合する位置決めピンが突出成型されたピンボスとから構成される。ネジボスおよびピンボスの支持面の形成高さは、これらの支持端面に第3スイッチ163を支持したときに、検出レバーの配設位置が球止め部材の検出カム部154と整合するように設定されている。各図では、第3スイッチ163として、揺動可能な検出レバーを有し、検出レバーを揺動させたときにスイッチ接点が反転(開閉)するリミットスイッチを用いた形態を示し、この第3スイッチ163を後列側の球止め部材151bに対応して仕切壁52wの後面側に1個配設した構成例を示す。なお第3検出スイッチ163を前列側の球止め部材151aに対応して仕切壁の前面側に配設しても勿論かまわない。
受圧部材120および球止め部材151の各部寸法、これら各部材の配設位置関係では、受圧部材120を受圧部材枢支軸125に支持させ、球止め部材151および球止め操作軸156を球止め部材軸受部155に支持させ、第3スイッチ163を第3スイッチ取着部168に取り付けた状態で、球止め操作軸156を時計廻り・反時計廻りに回動したときに、検出カム部が下方を向く角度位置において、ロックカム部153および検出カム部154がそれぞれカムプレート部123および第3スイッチ163の検出レバーと離隔して配設される一方、検出カム部154が略水平の左方を向く角度位置において、ロックカム部153がカムプレート部123と係合して受圧部材120を待機通路側に押圧し、受圧部124を待機通路内に突出させるとともに、検出カム部154が第3スイッチ163の検出レバーと係合して検出レバーを窓口側に押圧し、スイッチ接点を反転させるように設定されている。仕切壁52wの後面側には球止め部材151が過度に揺動しないように規制するストッパピン158が設けられている。
ここで、検出カム部154は、カム先端部が円弧状に形成されて第3スイッチ163の検出レバーと滑らかに係合するとともに、図12に示すように、検出カム部154の先端の揺動軌跡が左側方に最大となる角度位置(すなわち検出カム部154が水平になって検出カムの側面がストッパピン158に当接する角度位置)で、検出レバーがスイッチ本体と平行に上方に延びる程度のカム高さに設定されており、第3スイッチ163に過大な負荷が作用しないようになっている。
またロックカム部153のカム面は、外径寸法が緩やかに拡大する放物面上に形成されており、受圧部材のカムプレート部123と滑らかに係合して受圧部124を待機通路に突出させるとともに、検出カム部154が水平になる角度位置に到達する手前で受圧部上方の側壁係合部が待機通路の左側壁52Lと係合し、検出カム部124が水平になる角度位置では側壁係合部が弾性変形して反撥弾性力を発生する。さらにストッパピン158は、検出カム部154が水平を越えてわずかに上方に向いた角度位置で検出カム部の側面と係合するように設定されている。このため、球止め部材151は、検出カム部154がストッパピン158に当接した球止め状態の角度位置に安定的に保持され、受圧部材120がガタついたり、球止め部材151が回動して球止め状態が緩んだりしないようになっている。
待機通路形成部材52の下部には、第2スイッチ162を装着する第2スイッチ取着部167が形成され、待機通路形成部材52を右枠杆33に組付けた状態で第2スイッチ162の前方に位置する右枠杆33の前面側に第1スイッチ161を装着する第1スイッチ取着部166が設けられている。
各図には、第1スイッチ161として検出レバーを有するリミットスイッチを用いるとともに、検出レバーに過大な押圧力が作用しないように、検出レバーの前方に前後に弾性変形して検出レバーと係脱し得る薄板板金製の操作レバー165を設けた構成例を示している。第1スイッチ161は、右枠杆33の前面側に形成された第1スイッチ装着部166に組付けられ、その前方に第1スイッチ161を保護する操作レバー165がねじ止めされる。操作レバー165の先端部は右枠杆33からわずかに右側方に突出するとともに、ハートキーと称される保守作業用の操作ピン181が滑ることなく係合するように前方に屈曲して成形されている。
前枠2およびガラス扉5には、操作レバー165の先端前方に対峙する位置に、ハートキー181を挿通させる球抜き操作孔5hが形成されており、球抜き操作孔5hにハートキー181を挿入して操作レバー165を押圧操作することにより、操作レバー165を介して第1スイッチ161をスイッチ操作できるように構成されている。このため、遊技施設の係員は、前枠2を閉鎖施錠した状態でパチンコ機PMの前面側から第1スイッチ161をスイッチ操作可能になっている。操作レバー165の先端部は右枠杆33から側方に突出して配設されており、必要に応じて前枠2を開放した状態で操作レバー165を直接操作し、パチンコ機PMの背面側からも第1スイッチ161をスイッチ操作できるようになっている。
また各図には、第2スイッチ162としてモーメンタリ型の自照式押しボタンスイッチを用いた構成例を示しており、第2スイッチ162が待機通路形成部材52に設けられた第2スイッチ取着部167に嵌着され、蓋部材58に形成されたスイッチ操作孔169を通して押圧操作できるようになっている。このため遊技施設の係員は前枠2を開放した状態でパチンコ機PMの背面側から第2スイッチ162をスイッチ操作可能になっている。第1スイッチ161および第2スイッチ162の信号は球払出制御装置82に入力されている。
右枠杆33の支持面には、待機通路形成部材52の四隅に設けられた位置決め座52eと位置整合して中空円筒状の支持支柱35が支持面から後方に突出して形成されており、支持支柱の外周部に位置決め座52eを嵌合させて待機通路形成部材52を位置決め可能に、また支持支柱35の中心部にネジを螺合させて蓋部材58を締結可能になっている。右枠杆33の支持面の中央各部には、このようにして位置決めされた待機通路形成部材52の前列側の受圧部材枢支軸125a、球止め操作軸156の各先端部を受容する受け座が形成されている。
待機通路形成部材52の四隅には、右枠杆33の支持支柱35と嵌合し得る円環状の位置決め座52eおよび蓋部材58を支持する支持カラーが仕切壁52wの前後同軸上に形成され、その中心にネジを挿通させるネジ挿通孔が形成されている。
一方蓋部材58の四隅には、待機通路部材側の支持カラーと整合して中空円筒状のネジ支柱58eが形成されるとともに、中央各部には受圧部材枢支軸125bの先端部を受容する受け座、球止め操作軸156の頭部を挿通させる球止め操作孔、および第2スイッチ162の操作ボタンを裏セット盤の後方から操作可能に配設するスイッチ操作孔169が形成されている。
そこで、受圧部材120,受圧駆動機構140,下部球止め機構150,第2および第3スイッチ162,163等が組付けられた待機通路形成部材52の四隅の位置決め座52eを各支持支柱35に嵌合させると、待機通路形成部材52が右枠杆33に位置決めされるとともに、前列側の受圧部材枢支軸125a、球止め操作軸156の先端部が受け座に受容されて受圧部材120a、球止め部材151aが右枠杆33の支持面と仕切壁52wとの間に変位可能に挟持される。またその後方から蓋部材58を覆い被せて各受け座に後列側の受圧部材枢支軸125bを受容させると、後列側の受圧部材120b、球止め部材151bが仕切壁52wと蓋部材58との間に変位可能に挟持される。そして蓋部材58の後方から四隅のネジ支柱58eおよび位置決め座52eに固定ネジを挿通させて支持支柱35に螺合締結するとともに、ソレノイド141の信号線、第1,第2,第3スイッチ161,162,163の各信号線を球払出制御装置82に接続することで受圧制御ユニット100を含む球払出制御機構が形成され、その作動が球払出制御装置82によって制御される。
受圧制御ユニット100は、通常の遊技状態において、駆動機構140のソレノイド141に対する駆動信号(ソレノイド駆動信号)がOFF、かつ下部球止め機構150が図3に示す解除状態に設定されており、ソレノイド141のプッシュロッド141fがプランジャ外周部に装着されたリターンスプリング141eのバネ力により駆動コイル内に収容され、駆動伝達具143がソレノイドのケース141c下面に当接してカムプレート部123の上方に位置する基準位置に配設される。
このため、前後の受圧部材120a,120bは、駆動伝達具143および球止め部材151a,151bから押圧力を受けることなく受圧部材枢支軸125a,125bに垂下され、微少角度範囲で揺動可能に配設される。この状態では受圧部124a,124bの先端部が左側壁の内壁面と同一または左側壁からわずかに待機通路52a,52bに突出した状態で配設され、待機通路52a,52bを下方に移動する遊技球は、各受圧部材120a,120bから規制を受けることなく球払出装置53に向けて流下する。このように遊技球の流下規制が解除された状態を「解放状態」Pfという。
なお、例えば受圧部材120と受圧部材枢支軸125との間に捻りバネを設けて受圧部材120を反時計廻りに付勢し、あるいは受圧部材120とソレノイド支持部との間にコイルバネを設けて受圧部材120を反時計廻りに付勢し、受圧部124を待機通路内に所定の付勢力をもって突出配設することにより、待機通路内を流下する遊技球の流下を妨げることなく球圧を低減させるように構成してもよい。
従って、図3に示す解放状態Pfでは、上流側に貯留された遊技球から作用する圧力が下流側に停留する遊技球に伝達され、待機通路を流下する遊技球は流下規制を受けることなく球払出装置53に向けて流下する。球払出制御機構では、遊技球の払い出しが開始される以前においては解放状態Pfに設定されている。
一方、球払出制御機構では遊技球の払い出しが開始されるときに、球払出モータ53mの回転起動に先立って受圧駆動機構140を作動させ、受圧部124を待機通路の内方に突出させて遊技球の圧力を受け止めさせる。以下では、図9に示した球払出制御機構における制御構成のブロック図、および図10に示したソレノイド141と球払出モータ53mの駆動タイミングを示すタイミングチャートを参照しながら球払出制御機構の作動を中心に説明する。なお図10における(a)(b)(c)の各図は遊技盤20における入賞条件やCR操作パネル92の球貸要求ボタンによる球貸しなど、払出条件が相違する場合の各制御タイミングを例示したものである。
主制御装置81には、各入賞具の入賞検出センサ23s,24s,25s,25tから信号が入力されており、主制御装置81は各入賞検出センサから入賞検出信号が入力されたときに、当該入賞検出信号から入賞条件を判断し入賞条件に基づいた払出指令信号を球払出制御装置82に出力する。
例えば、入賞検出信号が一般入賞具23の入賞検出センサ23sまたは始動入賞具24の入賞検出センサ24sから入力されたときには、主制御装置81は、これらの入賞具23,24に入賞したときの払出数量が少数個(例えば7個)に該当することを内部メモリーに設定記憶されたテーブルから判断し、当該少数個に対応した払出指令信号C1を球払出制御装置82に出力する。また入賞検出信号がアタッカー装置25の入賞検出センサ25s,25tから入力されたときには、主制御装置81は大入賞口に入賞したときの払出数量が多数個(例えば13個)に該当することを同様に判断し、多数個に対応した払出指令信号C2を球払出制御装置82に出力する。
球払出制御装置82には、主制御装置81から入力される上記払出指令信号C1,C2に加えて、CR操作パネル92から球貸要求信号C3が入力されている。球貸しは一般に25個を単位として行われており、球貸要求信号はこの25個の払い出しを要求する信号である。
球払出制御装置82にこれらの信号が入力されると、球払出制御装置82は受圧制御ユニット100および球払出装置53にそれぞれ駆動信号を出力し、遊技球の払い出しを行わせる。ここで、球払出制御装置82に入力された払出指令信号C1,C2および球貸要求信号C3は、それぞれ異なる個数の払い出しを求める信号である。そこで球払出制御装置82は、装置内部の球払出制御部において、入力された払出指令信号等C1,C2,C3から球払出モータの回転方向および払い出すべき遊技球の払出数量(払出条件)を判断する。そして球払出モータ駆動制御部において払出条件に応じたモータ駆動信号M1,M2,M3を生成し、球払出装置53の球払出モータ53mに出力して球払出装置53の作動を制御する。またソレノイド駆動制御部において払出条件に応じたソレノイド駆動信号S1,S2,S3を生成し、受圧駆動機構140のソレノイド141に出力して受圧制御ユニット100の作動を同期制御する。
図10(a)(b)(c)に、それぞれ球払出数量が少数個(a)、多数個(b)、球貸し(c)の払出条件で、それぞれ複数回連続動作させたとき(複数の払出指令信号等が蓄積されて連続払出状態のとき)のモータ駆動信号M1,M2,M3と、ソレノイド駆動信号S1,S2,S3との関係をタイミングチャートで示すように、ソレノイド駆動信号S(S1,S2,S3)はモータ駆動信号M(M1,M2,M3)と同期して、モータ駆動信号Mが出力される直前(換言すれば球払出モータ53mの回転起動前)にONになり、モータ駆動信号Mが出力されて所定時間経過後(球払出モータ53mの回転起動後)にOFFになるパルス状の駆動信号である。
すなわちソレノイド駆動信号SがONされる時点では、球払出モータ53mは未だ回動しておらず、整列通路42a,42bおよび待機通路52a,52bには、遊技球が前後二列に整列されて上流の球貯留タンク41から下流の球払出装置53まで密に繋がった状態で停留されている。
ソレノイド駆動信号SがONになると、ソレノイド141のプランジャ141dがリターンスプリング141eのバネ力に抗してケース内に引き込まれ、プッシュロッド141fが下方に押し出されて駆動伝達具143を下動させる。下動した駆動伝達具143はカムプレート部123上部の駆動係合面と係合し、この傾斜した駆動係合面を押圧することで前後の受圧部材120a,120bを反時計廻りに揺動させて、受圧部124a,124bを待機通路52a,52bの内方に突出させる。
ここで、受圧部124は、前後に延びる断面視三角形の凸部が上下に並んで鋸歯状に形成されている。このため、受圧部124a,124bが待機通路52a,52bの内方に突出されると、通路内に停留された遊技球が上下の凸部の間に挟み込まれるように係合し、待機通路の上方に位置する遊技球から作用する球圧が受圧部に受け止められて遊技球の流下が規制される。また受圧部124は、凸部の配設ピッチが遊技球の球径の約1/2に設定され上下に4列並んで形成されている。このため、球払出装置53のインペラ構成により、待機通路52a,52bに連接状態で停留された遊技球の配設位置が前列側と後列側とで遊技球の球径の1/2程度ずれていても、前後列とも2箇所の凸部で支持されるようになっている。
さらに、本構成では受圧部124がゴム弾性を有する高分子材料を用いて形成されており、遊技球と係合した受圧部124が弾性変形可能になっている。このため待機通路52a,52bに連接状態で停留された遊技球の配設位置が各列の整列状態の変化により上下方向に多少ずれても、受圧部材120や駆動機構140、待機通路形成部材52等に無理な負荷を生じさせることなく、通路内の遊技球を弾性的に且つ確実に係止可能になっている。
こうして前後の受圧部124a,124bが待機通路に突出され待機通路内の遊技球と係合されると、係合された遊技球は下流側の凸部に支持されて流下を規制され、上流側に貯留された遊技球から作用する圧力が各列の受圧部材120a,120bに受け止められた状態で係止される。このように、上流側に貯留された遊技球から作用する圧力を受圧部材120が受け止めて遊技球の流下を規制した状態を規制状態Prという。
規制状態Prでは、受圧部材120よりも下流側に位置する遊技球に作用する圧力が大幅に軽減され、球払出モータ53mには、このように圧力が軽減された状態、具体的には遊技球を受け止めた受圧部124と球送り回転体53rとの間に位置する各列13球程度の重量に軽減された状態で、球払出制御装置82からモータ駆動信号M(M1,M2,M3)が出力される。
モータ駆動信号M1,M2,M3は、払い出し数量に相当する回転角度分、球送り回転体53rを時計回りまたは反時計回りに回動させる信号であり、例えば少数個の払出指令信号C1が7個の場合には球払出モータを420度時計回りに回動させるモータ駆動信号M1を出力して球送り回転体53rを回動させ、右側の払出口53dから球払出通路60に払い出す。多数個の払出信号の場合も同様であり、13個の払出指令信号C2に対して球払出モータを780度時計回りに回動させるモータ駆動信号M2を出力して球送り回転体53rを回動させ、払出口53dから球払出通路60に払い出す。また球貸要求信号C3(25個)の場合には、球払出モータを1500度(4回転と60度)時計回りに回動させるモータ駆動信号M3を出力して球送り回転体53rを回動させ、払出口53dから球払出通路60に払い出す。
モータ駆動信号Mが出力されて所定時間(例えば50〜200ms程度の時間)が経過すると、球払出制御装置82はソレノイド駆動信号SをOFFにする。ソレノイド駆動信号がOFFになると、リターンスプリング141eのバネ力によりプッシュロッド141fが引き込まれて駆動伝達具143が基準位置に戻り、カムプレート部123への押圧力が解放される。
このため、受圧部材120a,120bは初期の解放状態Pfに戻り、上方の遊技球から球圧を受ける遊技球が堰を切ったように待機通路52a,52bを流下する。そして球送り回転体53rの回転起動に伴って待機通路52a,52bを先に下動する遊技球に追いつき滑らかに払い出される。なお受圧部材120の配設位置は、待機通路における鉛直部の下方に設けられるとともに、受圧部材120の下流側に、払出条件に応じて払い出される数量(本実施例では球貸し操作に基づく払出数量25球と同一若しくはわずかに多い26〜27球程度)を停留可能に設定されている。このため、待機通路内に連接待機される遊技球の自重に基づく球圧が下流側で過大にならないように抑制するとともに、待機通路内で球詰まりを生じることなく良好な球流れで滑らかに払い出されるようになっている。
こうして球払出口53dから払い出される遊技球は、球計数センサ54によりカセット内通路で通過が検出され、球払出制御装置82は球計数センサ54から入力された検出信号により払い出された遊技球の実数をカウントして払出条件に係る目標数量と比較し、球払出モータ53mの作動を制御する。これにより、遊技盤20における入賞条件やCR操作パネル92から入力される球貸要求等の払出条件に合致した数量の遊技球が球払出通路60に払い出され、球払出通路60を転動流下して球皿ユニット6の球受け皿に払い出される。
遊技球の払い出し作動は、払出指令信号Cが複数蓄積されている場合、例えば払出指令信号C2がn個蓄積されている場合でも、各払出指令信号C2に対応して1作動ずつn回繰り返して行われ、ソレノイド駆動信号S2はモータ駆動信号M2の出力ごとに、モータ駆動信号M2の立ち上がりに先立って出力される。
このため、球払出装置53にとって最も大きな回転トルクが必要とされる球払出モータ53mの回転起動時に、受圧部材120が上流側の遊技球の圧力を受け止めて球払出モータ53mに対する負荷を軽減し、これにより、小型のモータを用いた球払出装置でも適正な払出作動を確保することができる。また球払出モータ53mのみならず、球送り回転体53rや受容口53a,53bの周辺部材等に対する負荷をも軽減できるため、小型の球払出装置を用いても長期間安定して作動させることができる。さらに、受圧駆動機構140を含めた受圧制御ユニット100の主要機構部を待機通路形成部材52にユニット組立体として形成し、これを右枠杆33の支持面と蓋部材58との間に組付ける構成にしているため、裏セット盤30の厚さを増加させないコンパクトかつ組立作業性の良好な構成で、上述した各効果を具備した球払出制御機構を提供することができる。
なお、裏セット盤30の背面側における視認可能な位置、例えば球払出装置53の側部やソレノイド近傍の窓口側面に、裏セット盤30の背面側から視認可能にLED等の発光素子を設けるとともに、球払出制御装置82から発光素子を点滅させる発光制御信号をソレノイド駆動信号Sと同時に出力させ、ソレノイド141の駆動時に発光素子を点灯させるように構成することも好ましい。このような構成によればソレノイド141の駆動時、すなわち受圧部材120が規制状態Prになったときに発光素子が点灯され、受圧制御ユニット100の作動状況を裏セット盤30の背面側から容易に目視確認することができる。
以上では、球払出制御装置82に入力される払出指令信号等Cが、少数個または多数個の球払出指令信号C1,C2であるか球貸し要求信号C3であるかによらず、球払出装置53の作動時全てについて受圧制御ユニットの作動を制御する制御形態を例示したが、入力される信号の種別に応じて作動状態を変化させ、あるいは払い出される遊技球の数量や払い出しの連続状況等に応じて、作動状態を適宜変更して構成すること(例えば、少数個の払出指令信号C1が複数蓄積されているような場合には、最初の払出作動時のみ受圧制御ユニットを作動させるように構成すること等)も可能である。
さて、球払出制御機構には、以上説明した球払出モータ53mの回転起動時の負荷を軽減させつつ遊技球の払い出しを行う球払出制御装置の機能に加えて、裏セット盤に貯留された遊技球の球抜きを行う球抜き装置の機能が具備されている。この球抜き装置の機能は、下部球止め機構150と、この下部球止め機構150が球止め状態であるか否かを検出する第3スイッチ163、球抜き操作を行う第2スイッチ162、および球払出装置の作動を制御する球払出制御装置82を主体として実現され、作業目的に応じた球抜きを行えるように構成されている。以下、球抜き装置の各構成形態について、図13〜図15の各図を併せて参照しながら説明する。
ここで、図13は参考例として、及び後述する第1若しくは第2の本発明に併設可能な実施形態として示す第1構成形態の球抜き装置の作動を説明するタイミングチャート、図14は第1の本発明の実施形態である第2構成形態の球抜き装置の作動を説明するタイミングチャート、図15は第2の本発明の実施形態である第3構成形態の球抜き装置の作動を説明するタイミングチャートである。なお第1〜第3構成形態の球抜き装置の主たる相違点は球払出制御装置82の内部構成にあり、具体的には、第3検出スイッチ163により下部球止め機構150の球止め状態が検出されたときの、球払出装置等に対する制御形態が相違している。
まず、機構構成について既述した下部球止め機構150では、球止め操作軸156の頭部が蓋部材58に形成された球止め操作孔を通して操作可能に配設されており、頭部に形成された六角穴に六角レンチ182を嵌合させて時計廻りに回動操作することで、下部球止め機構150を人為的に球止め状態に切り替え設定可能になっている。
すなわち、下部球止め機構150は、通常の遊技状態においては、図3に示したようにロックカム部153がカムプレート部123と離隔して配設された解除状態Pc(かつ解放状態Pf)に設定されており、この解除状態Pcから球止め操作軸156を時計廻りに回動操作すると、球止め操作軸156に嵌着された前後の球止め部材151が操作軸とともに時計廻りに回動され、回動角度の増加とともにロックカム部153が受圧部材のカムプレート部123の各球止め係合面と滑らかに係合して受圧部材120を反時計廻りに揺動させ、鋸歯状の受圧部124a,124bを前後の待機通路52a,52bにそれぞれ突出させる。待機通路に突出された受圧部124は、各列の通路内に停留された遊技球と係合し、上下の凸部間に遊技球を挟み込むように弾性的に係合する。また検出カム部154の先端部が第3スイッチ163の検出レバーと係合し検出レバーが反時計廻りに揺動される。
ここからさらに球止め操作軸156を時計廻りに回動操作すると、検出カム部154が水平になる角度位置に到達する手前で、受圧部上方の側壁係合部が待機通路の左側壁52Lと係合して弾性変形し過度の揺動変位を規制する。また検出カム部154が第3スイッチ163の検出レバーを本体部と平行になる角度位置まで揺動させ、第3スイッチの接点を反転(例えば開→閉)させ、球止め検出信号を出力させる。そして、検出カム部154が水平左方を向く角度をわずかに越えた角度位置で、検出カム部154の側面がストッパピン158に当接し、球止め部材151の回動が規制される(図12を参照)。
この状態では、受圧部124および側壁係合部の弾性反力により、受圧部材120がロックカム部153と左側壁52Lとの間に弾性的に挟持され、受圧部材枢支軸125の軸回りに自由揺動することなく(ガタなく)配設される。またロックカム部153の右側側面がストッパピン158に当接した状態では、検出カム部154が第3スイッチ163の検出レバーと直交する角度を越えた上向きの角度位置て係合しており、検出レバーから作用する反力は、球止め部材151を時計廻りに回転させる方向(すなわちロックカム部の係合が緩まない回転方向)に作用する。これにより前後の受圧部材120a,120bは当該回転角度位置に安定的に保持され、受圧部124a,124bが凸部間に遊技球を弾性的に係止して遊技球の流下を規制する球止め状態Psに設定される。
第3スイッチ163の信号は、第1スイッチ161、第2スイッチ162とともに球払出制御装置82に入力されており(図9を参照)、球払出制御装置82は、これらの各スイッチ161,162,163から入力される信号に応じて球払出装置53の作動を制御する。
参考例として、及び後述する第1若しくは第2の本発明に併設可能な実施形態として示す第1構成形態の球抜き装置では、上記のように下部球止め機構150が球止め状態Psに設定され、第3スイッチ163により球止め状態が検出されているときに、球払出制御装置82が報知手段170により報知作動を行わせる。すなわち、球払出制御装置82は、図13(d)に示すように、第3スイッチ163から球止め状態Psを検出する球止め検出信号C13が入力され入力検出されたときに、下部球止め機構150が球止め状態Psであると判定し、報知手段170に報知信号E13を出力して下部球止め機構150が球止め状態Psに設定されていることを報知作動させる。
ここで、報知手段170による報知作動としては、例えばパチンコ機前面のガラス扉5に設けられた各種表示ランプを点灯または点滅させる作動や、パチンコ機PMのスピーカからビープ音等の所定の音声を発生させる作動、裏セット盤30の背面側における下部球止め機構150の近傍に表示ランプを設けて点灯・点滅させる作動、パチンコ機PMが取り付けられた遊技島の報知ランプを点灯・点滅させる作動、遊技施設のホールコンピュータに所定の表示をさせる作動などが例示され、これらの作動を単一若しくは組み合わせて複合的に行わせることが可能である。
一方、本構成形態の球抜き装置では、球払出制御装置82は、下部球止め機構150が球止め状態Psであるか解除状態Pcであるかによらず、操作されたスイッチが第1スイッチ161か第2スイッチ162かによって当該スイッチ応じた異なる所定時間だけ球払出装置53を作動させる制御を行う。
すなわち、球払出制御装置82に第1スイッチ161から球抜き操作信号C11が入力されたとき、あるいは第2スイッチ162から球抜き操作信号C12が入力されたときに、球払出制御装置82は、装置内部の球抜きスイッチ入力判定部において、入力された球抜き操作信号C11またはC12から操作された球抜きスイッチが第1スイッチ161であるか第2スイッチ162であるかを判定する。そしてこれらの判定結果に対応して予め設定された球払出モータ53mの回転方向および球抜き作動させるべき動作時間(排出条件)を呼び出し、この排出条件に基づいたモータ駆動信号M11,M12を球払出モータ53mに出力して球払出装置53の作動を制御する。
図13(a)(b)(c)に、それぞれ(a)第1スイッチ161が操作されたとき、(b)第2スイッチ162が操作されたとき、(c)第2スイッチ162が操作されて球抜き作動中に再び第2スイッチ162が操作されたときの各々について、球抜き操作信号C11,C12とモータ駆動信号M11,M12との関係をタイミングチャートで示す。
図13(a)に示すように、第1スイッチ161がスイッチ操作され、球抜き操作信号C11が球払出制御装置82に入力されると、球払出制御装置82はこの球抜き操作信号C11に対応した作動時間T11のモータ駆動信号M11を球払出装置53に出力する。作動時間T11は、球払出装置53を連続作動させたときに、球貯留タンク41に貯留された遊技球を全量排出し得る時間とされ、パチンコ機の機種ごとに各部構成に応じて定まる30秒〜1分程度の所定時間が設定されている。
また、図13(b)に示すように、第2スイッチ162がスイッチ操作されて球抜き操作信号C12が球払出制御装置82に入力されたときには、球払出制御装置82は球抜き操作信号C12に対応した作動時間T13のモータ駆動信号M13を球払出装置53に出力する。ここで作動時間T13は、下部球止め機構150を球止め状態Psに設定して球払出装置53を作動させたときに、下部球止め機構150によって流下が規制された球止め位置(受圧部124の配設位置)〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球を排出する時間、すなわち下部球止め機構による球止め位置よりも下流側に位置する遊技球を排出するのに好適な時間とされ、パチンコ機PMの待機通路および球払出装置の構成に応じて定まる2秒〜5秒程度の所定時間が設定されている。
モータ駆動信号M11またはM13を受けた球払出装置53は、球払出モータ53mを反時計廻りにそれぞれの作動時間T11,T13だけ回転作動させ、左側の球排出口53cから球抜き通路に払い出す。球排出口53cから球抜き通路に払い出された遊技球は、基枠体31の前面側に形成された遊技済み球排出通路に合流して流下し、基枠体31の下端から遊技施設側の回収装置に排出される。
このため、例えば定量制における打ち止め後の球抜きや営業終了後の球抜き処理等を行うときには、遊技施設の係員はハートキー181を球抜き操作孔5hに挿入して操作レバー165を介して第1スイッチ161をスイッチ操作することにより、前枠2を閉鎖施錠した状態のまま、球払出モータ53mを時間T11だけ作動させて球貯留タンク41に残留する遊技球を全量遊技施設側の回収装置に排出させることができる。
また、前枠2を開放して球払出装置53の点検や交換などの保守作業を行うときには、球払出装置53の直上に位置する球止め操作軸156を回動操作して下部球止め機構150を球止め状態Psに設定し、第2スイッチ162を押圧操作する。すると受圧部124よりも上流側に停留する遊技球は待機通路内に突出された受圧部124に規制されて流下せず、受圧部124よりも下方に停留された遊技球のみが球払出モータ53mの回動とともに球排出口53cから排出される。このとき球払出モータ53mは時間T13だけ回転作動され受圧部124〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球が排出されたのち球払出モータ53mの回転作動が停止する。これにより、わずか数秒で球抜き処理を終了し、直ちに目的とする球払出装置53の点検や交換等の作業を迅速に行うことができる。
そして、本構成形態の球抜き装置では、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定された状態のときに、報知手段170により報知作動が行われる。このため、球払出装置53の保守作業を行うために下部球止め機構150を球止め状態Psに設定した作業者は、保守作業中に下部球止め機構150が球止め状態に設定されていることを認識することができ、解除状態Pcへの復帰操作を忘れずに行うことができる。また、保守作業が終了してパチンコ機を遊技島に閉鎖した後にも、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定されたままであるか、解除状態Pcに復帰されているかをランプや音声等で確認することができ、あるいは施設管理者がホールコンピュータの表示で確認することができるため、復帰確認のための余計な作業を排除して早期に遊技に供することができる。
なお、例えば受圧制御ユニット100の点検や交換などの保守作業を行うときには、受圧制御ユニット100の上方に設けられた上部球止め機構45および第2スイッチ162を利用して球抜き処理することができる。ここで、受圧部124の配設位置は、待機通路52a,52bにおける鉛直部の下部であるとともに、上部球止め機構45との位置関係では、上部球止め部材46のフック部による球止め位置〜受圧部材53r間の球通路における中間位置よりも幾分上方に設定されている。このため、上部球止め部材46を反時計廻りに揺動操作して上部球止め機構45を球止め状態に設定した場合には、第2スイッチ162を2回スイッチ操作することで球止め位置よりも下流側に停留された遊技球を排出させることができ、球抜き処理後に球払出モータ53mの作動が停止する。
また本構成形態の球抜き装置では、図13(c)に示すように、第2スイッチ162からの球抜き操作信号C12に基づいてモータ駆動信号M13を出力中に、さらに第2スイッチ162から球抜き操作信号C12が重ねて入力されたときに、球払出制御装置82が、最初の球抜き操作信号C12に対応して出力した作動時間T13のモータ駆動信号M13を2倍の作動時間に延長して球払出装置53に出力する(全体として作動時間T12のモータ駆動信号M12を出力する)ように構成されている。
このため、上部球止め機構45を球止め状態に設定し、第2スイッチ162を2回続けてスイッチ操作すると、上部球止め機構45による球止め位置よりも下流側に停留された遊技球を排出するのに適切な時間T12だけ球払出モータ53mが回転作動され、球抜き処理の終了後に球払出モータ53mの回転作動が自動停止する。これにより、上部球止め機構45を利用した球抜き作業においても数秒程度で球抜き処理を終了し、目的とする受圧ユニット100の保守作業を効率的に行うことができる。
なお、受圧部124を待機通路の上部に設けた形態のように、連続作動時間を2T13まで延長する必要がない場合等には、重ねて入力された2度目の球抜き操作信号C12の入力が検出されたときから時間T13の経過後に球払出モータ53mの作動を停止させるように構成してもよい。
次に、第1の本発明の実施形態である第2構成形態の球抜き装置について、図14を参照しながら説明する。本構成形態の球抜き装置では、下部球止め機構150が球止め状態Psであるか解除状態Pcであるかにより、また操作されたスイッチが第1スイッチ161であるか第2スイッチ162であるかによって、球払出制御装置82が球払出装置53を異なる所定時間作動させる制御を行う。
図14(a)〜(c)は、球払出制御装置82による球払出装置53の制御状況を示すタイミングチャートであり、このうち(a)および(b)は、下部球止め機構150が解除状態Pcで第1スイッチ161がスイッチ操作されたとき、および下部球止め機構150が解除状態Pcで第2スイッチ162がスイッチ操作されたときの、球払出モータ53mの作動制御状況をそれぞれ示し、(c)は下部球止め機構150が球止め状態Psに設定された状態で、第2スイッチ162がスイッチ操作されたときの球払出モータ53mの作動制御状況を示している。
すなわち、球払出制御装置82は、第3スイッチ163から球止め状態Psを検出する球止め検出信号C13が入力されていないときに、下部球止め機構150が解除状態Pcであると判定する。また第1スイッチ161から球抜き操作信号C11が入力されたとき、あるいは第2スイッチ162から球抜き操作信号C12が入力されたときに、入力された球抜き操作信号C11またはC12から操作された球抜きスイッチが第1スイッチ161であるか第2スイッチ162であるかを判定する。そしてこれらの判定結果に対応して予め設定された排出条件(球払出モータ53mの回転方向および球抜き作動させるべき動作時間)を呼び出し、排出条件に基づいたモータ駆動信号M11,M12を球払出モータ53mに出力して球払出装置53の作動を制御する。
例えば、図14(a)に示すように、下部球止め機構150が解除状態Pcで、第1スイッチ161から球抜き操作信号C11が入力されると、球払出制御装置82はこの球抜き操作信号C11に対応した作動時間T11のモータ駆動信号M11を球払出装置53に出力する。作動時間T11は、球払出装置53を連続作動させたときに、球貯留タンク41に貯留された遊技球を全量排出するのに好適な時間とされ、パチンコ機の機種ごとに各部構成に応じて定まる30秒〜1分程度の所定時間が設定されている。
また、図14(b)図に示すように、下部球止め機構150が解除状態Pcで、第2スイッチ162から球抜き操作信号C12が入力されたときには、球払出制御装置82はこの球抜き操作信号C12に対応した作動時間T12のモータ駆動信号M12を球払出装置53に出力する。ここで作動時間T12は、上部球抜き機構45を球止め状態に設定して球払出装置53を作動させたときに、上部球止め機構45による球止め位置(フック部の配設位置)〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球を排出するのに適切な時間とされ、このパチンコ機PMの待機通路および球払出装置の構成に応じて定まる4秒〜10秒程度の所定時間が設定されている。
モータ駆動信号M11またはM12を受けた球払出装置53は、球払出モータ53mを反時計廻りにそれぞれの作動時間T11,T12だけ回転作動させ、左側の球排出口53cから球抜き通路に払い出す。球排出口53cから球抜き通路に払い出された遊技球は、基枠体31の前面側に形成された遊技済み球排出通路に合流して流下し、基枠体31の下端から遊技施設側の回収装置に排出される。
このため、定量制における打ち止め後の球抜きや営業終了後の球抜き処理等を行うときには、遊技施設の係員がハートキー181を球抜き操作孔5hに挿入して操作レバー165を介して第1スイッチ161をスイッチ操作することにより、前枠2を閉鎖施錠した状態のまま、球払出モータ53mを時間T11だけ作動させて球貯留タンク41に残留する遊技球を全量遊技施設側の回収装置に排出させることができる。
また、前枠2を開放して受圧制御ユニット100の点検や交換などの保守作業を行うときには、上部球止め部材46を反時計廻りに揺動操作して上部球止め機構45を球止め状態に設定し、第2スイッチ162を押圧操作する。すると球止め位置よりも上流側に位置する遊技球は整列通路に突出されたフック部に規制されて流下せず、球止め位置よりも下流側に停留された遊技球のみが球払出モータ53mの回動とともに球排出口53cから排出される。球払出モータ53mは時間T12だけ回転作動され、フック部〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球が排出されたのち球払出モータ53mの回転作動が自動停止する。これにより、受圧制御ユニット近傍の遊技球が短時間に球抜き処理され、目的とする受圧ユニット100の保守作業を効率的に行うことができる。
一方、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定され第3スイッチ163から球払出装置82に球止め検出信号C13が入力されると、球払出制御装置82は下部球止め機構150が球止め状態Psであると判定する。また球払出装置82は、球抜き操作信号が入力されたときに、入力された球抜き操作信号C11,C12から操作された球抜きスイッチが第1スイッチ161であるか第2スイッチ162であるかを判定する。そしてこれらの判定結果から排出条件を呼び出し、排出条件に応じたモータ駆動信号を球払出モータ53mに出力して球払出装置53の作動を制御する。
本構成の球抜き装置では、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定されていると判定された場合と、解除状態Pcに設定されていると判定された場合とで、球抜き操作信号C12が入力されたときの排出条件が異なり、下部球止め機構150が球止め状態Psであると判定された場合には作動時間T13のモータ駆動信号M13を出力するように設定されている。作動時間T13は、下部球止め機構150を球止め状態Psに設定して球払出装置53を作動させたときに、下部球止め機構150による球止め位置(受圧部材124の配設位置)〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球を排出するのに好適な時間とされ、パチンコ機PMの待機通路および球払出装置の構成に応じて定まる2秒〜5秒程度の時間が設定されている。
そこで、球払出装置53の点検や交換などの保守作業を行うときには、球払出装置53の直上に位置する球止め操作軸156を回動操作して下部球止め機構150を球止め状態Psに設定し、第2スイッチ162を押圧操作する。すると受圧部124よりも上流側に停留する遊技球は待機通路内に突出された受圧部124に規制されて流下せず、受圧部124よりも下流側に停留された遊技球のみが球払出モータ53mの回動とともに球排出口53cから排出される。球払出モータ53mは受圧部124〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球を排出させるのに必要な時間T13だけ回転作動され、この間に停留された遊技球が排出されたのち球払出モータ53mの回転作動が自動停止する。これにより、わずか数秒という短時間で球抜き処理を終了し、直ちに目的とする球払出装置53の点検や交換等の作業を迅速に行うことができる。
このように、本構成の球抜き装置では、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定されているか、あるいは解除状態Pcに設定されているかを判断し、下部球止め機構150の状態に応じて球払出装置の作動を制御する。このため、球払出装置53の作動時間を球抜き作業の目的に合致した適切な時間に自動設定することができ、これにより、球抜き終了後の無駄な電力消費や球払出装置の損耗を防止するとともに、作業性が良好で効率的に保守作業等を行うことができる。
なお、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定されている状態で、第1球抜きスイッチ161から球抜き操作信号C11が入力されたときの排出条件は、上記第2球抜きスイッチ162から球抜き操作信号C12が入力されたときの排出条件と同様に作動時間T13のモータ駆動信号M13を出力するように設定することができるほか、例えば、作動時間T12のモータ駆動信号M12出力するように設定し、あるいは下部球止め機構150が解除状態Pcに設定されている状態と同様の作動時間T11のモータ駆動信号M11出力するように設定してもよい。
球払出装置82には、球抜きスイッチ優先判定部が設けられており、この優先判定部では二つの球抜き操作信号C11,C12が同時に入力されたとき、あるいは何れかの球抜き操作信号に基づいてモータ駆動信号を出力中に第2スイッチ162から球抜き操作信号C12が入力されたときに、第2スイッチ162からの球抜き操作信号C12に基づく作動制御を優先させて処理するように構成されている。
図14(d)は、この優先制御の状況を、下部球止め機構150が解除状態Pcに設定されている状態において例示したものであり、第1スイッチ161から入力された球抜き操作信号C11に基づいてモータ駆動信号M11を出力し球払出モータ53mの作動制御中に、第2スイッチ162から球抜き操作信号C12が入力されその入力が検出されたとき、球抜きスイッチ優先判定部ではこの球抜き操作信号C12に基づく作動制御を優先させてモータ駆動信号M12を出力し、当該入力検出から作動時間T12の経過後に球払出モータ53mの作動を停止させる。
逆に、第2スイッチ162から入力された球抜き操作信号C12に基づいてモータ駆動信号M12を出力して球払出モータ53mの作動制御中に、第1スイッチ161から球抜き操作信号C11が入力されその入力が検出されても、球抜きスイッチ優先判定部では球抜き操作信号C12に基づく作動制御を優先させてモータ駆動信号M12を維持させ、球抜き操作信号C12に基づく作動時間T12の経過後に球払出モータ53mの作動を停止させる。
このため、例えば、受圧制御ユニット100の保守・点検作業や待機通路52a,52bの清掃作業を行うような場合に、この優先制御の機能を利用することで効率的に作業を行うことができる。すなわち、前述した上部球止め機構45を利用して整列通路の下流部で球止め状態としたうえ、パチンコ機の背面側から第1スイッチ161をスイッチ操作して球抜き処理を開始させ、遊技球の排出状況を確認しながら第2スイッチ162をスイッチ操作することで、遊技球がちょうど排出された頃に球払出モータ53mの回転作動を停止させることができる。
また、蓋部材58を透明または半透明の樹脂材料で形成することで、待機通路内の遊技球の流下状況等を蓋部材58を通して目視確認することができ、第1スイッチ161をスイッチ操作して球抜き処理を開始させたのち、遊技球の流下状況を目視確認しながら上端位置の遊技球が受圧部124を通過した時点で第2スイッチ162をスイッチ操作することで、当該上端位置の遊技球がちょうど排出された頃に球払出モータ53mの回転作動を停止させることができる。またこの優先制御機能により第1スイッチ161を誤ってスイッチ操作した場合でも、第2スイッチ162を操作すれば数秒の時間内に球払出モータ53mの作動を停止させることが可能である。
次に、第2の本発明の実施形態である第3構成形態の球抜き装置について、図15を参照しながら説明する。本構成形態の球抜き装置では、球払出制御装置82は、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定されてその状態が検出されたときに、下部球止め機構150による球止め位置よりも下流側に位置する遊技球を排出させる時間分、球払出装置53を作動させる制御を行う。
図15(a)〜(c)は、球払出制御装置82による球払出装置53の制御状況を示すタイミングチャートである。このうち図15(a)および(b)は、下部球止め機構150が解除状態Pcで第1スイッチ161がスイッチ操作されたとき、および下部球止め機構150が解除状態Pcで第2スイッチ162がスイッチ操作されたときの、球払出モータ53mの作動制御状況をそれぞれ示しており、このときの球払出制御装置82による制御形態は、先に図14(a)(b)を参照して説明した第2構成形態の球抜き装置の制御形態と同様である。
一方、図15(c)は、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定され第3スイッチ163から球止め検出信号C13が入力されたときの球払出モータ53mの作動制御状況を示しており、本構成の球抜き装置の特徴を示すタイミングチャートである。
すなわち、第3構成形態の球抜き装置では、球払出制御装置82は、第3スイッチ163から球止め状態Psを検出する球止め検出信号C13が入力され入力検出されたときに、下部球止め機構150が球止め状態Psに設定されたと判定し、この判定結果に対応して予め設定された排出条件に応じた作動時間T13のモータ駆動信号M13を球払出モータ53mに出力して球払出装置53の作動を制御する。作動時間T13は、下部球止め機構150を球止め状態Psに設定して球払出装置53を作動させたときに、下部球止め機構150による球止め位置〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球を排出するのに好適な時間であり、パチンコ機PMの待機通路および球払出装置の構成に応じて定まる2秒〜5秒程度の時間が設定されている。
そこで、球払出装置53の点検や交換などの保守作業を行うときに、球止め操作軸156を回動操作して下部球止め機構150を球止め状態Psに設定すると、球払出モータ53mが回転起動して球払出装置53が自動的に球抜き作動を開始し、受圧部124〜球送り回転体53rの間に停留された遊技球を排出させるのに必要な時間T13だけ回転作動されて球止め位置より下流側の遊技球が排出されたのち、球払出モータ53mの回転作動が自動的に停止する。このため、下部球止め機構150を球止め状態Psに設定すれば、球抜き作動を実行させるために第1スイッチ161または第2スイッチ162をスイッチ操作する必要がなく、球止め操作からわずか数秒という短時間で球抜き処理を終了して、直ちに目的とする球払出装置53の点検や交換等の作業を迅速に行うことができる。
このように、本構成の球抜き装置では、下部球止め機構150を球止め状態Psに設定しさえすれば、あとは自動的に球抜き作動が開始され、球抜き処理に必要な作動時間の経過後に球抜き作動が自動停止される。これにより、球抜き処理終了後の無駄な電力消費や球払出装置の損耗を防止するとともに、作業性が良好で効率的に保守作業等を行うことができる。
なお、以上では、煩雑な説明を避けるため球抜き装置の代表的な構成形態を例示したが、各構成形態は適宜組み合わせて実施することも可能であり、組み合わせにより各構成形態ごとに説明した効果を併せ持った球抜き装置を構成することができる。例えば、第1の本発明の実施形態である第2構成形態および第2の本発明の実施形態である第3構成形態の球抜き装置に、参考例として示す第1構成形態の報知手段や図13(c)に示した作動時
間延長制御の機能を併設し、あるいは参考例として示す第1構成形態および第3構成形態の球抜き装置に図14(d)に示した優先制御の機能を併設することも、好適な構成形態である。
さて、以上説明してきた球抜き装置には、球抜き処理の実行中に球抜き状態であることを表示する球抜き表示機能が備えられている。この球抜き表示機能は、球払出制御装置82と表示手段とから構成され、球払出制御装置82が球払出モータ53mに球抜き作動を指令するモータ駆動信号を出力するときに、表示手段に球抜き表示信号を出力して球抜き処理の実行中であることを表示するように構成される。
例えば、球払出制御装置82は、第1スイッチ161から球抜き操作信号C11が入力されて球払出モータ53mにモータ駆動信号M11を出力するときに、ガラス扉5の表示ランプに球抜き表示信号を出力して球払出モータ53mの作動中、当該ランプを点滅または点灯作動させる。また第2スイッチ162から球抜き操作信号C12が入力されて球払出モータ53mにモータ駆動信号M12 (M13)を出力するとき、あるいは第3スイッチ163から球止め検出信号C13が入力されて球払出モータ53mにモータ駆動信号M13を出力するときに、第2スイッチ162に球抜き表示信号を出力して球払出モータ53mの作動中、当該スイッチに内蔵されたランプを点灯または点滅作動させる。
これによりパチンコ機PMの前面側からハートキー181を用いて球抜き操作を行った係員は、この操作に基づいて球抜き処理が開始されたこと〜球抜き処理中であること〜球抜き処理が完了したことなどを、遊技島に閉止したパチンコ機の正面で検知することができ、また前枠2を開放して球抜き操作を行った係員は、当該操作に基づいた球抜き処理が実行されていることを操作したスイッチ等の手元で確認することができる。
従って、以上説明したような球払出制御機構によれば、小型のモータを用いた球払出装置でも適正な払出作動を確保することが可能であり装置の小型化および低廉化を実現できるとともに、負荷を軽減することで長期間安定して作動させ得る払出制御機構を提供することができる。また、第1〜第3スイッチを設けてスイッチ位置に応じた適宜な球抜き作動を行わせることにより、前枠を開放して行う保守作業時に無駄な電力を消費させたり、球払出装置を損耗させたりすることなく、作業性が良好で効率的に球抜き作業を行うことができる。