JP4235413B2 - インクジェット記録用シアンインク、インクジェット記録方法およびインクジェット記録画像 - Google Patents

インクジェット記録用シアンインク、インクジェット記録方法およびインクジェット記録画像 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像堅牢性に優れたインクジェット記録用シアンインク、該インクを使用したインクジェット記録方法および褪色防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像記録材料では、フルカラー画像を再現あるいは記録する為に、いわゆる減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
【0003】
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
【0004】
このようなインクジェット記録用インクに用いられる着色剤(染料)に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好な3原色の色相を有し、光、湿度、熱に対して堅牢であること、中でも多孔質の白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字する際に環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であることが着色剤に強く望まれている。
【0005】
着色剤のうち、シアン染料としては、フタロシアニン染料が代表的である。
最も広範囲に利用されているフタロシアニン系染料は、C.I.Direct Blue 86、同87、同199に代表され、これらはマゼンタやイエロー染料に比べ耐光性に優れるという特徴があるものの、昨今環境問題として取りあげられることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによる変色や褪色が著しい。
これまで、耐オゾンガス性を付与したフタロシアニン系染料としては、特開平3−103484号、特開平4−39365号、特開2000−303009号等が開示されているが、いずれも酸化性ガス堅牢性の改良効果は甚だ不十分であり,更なる改良が望まれていた。
色再現性に優れ且つ堅牢なカラー画像を得るためには、画像を構成するシアン染料に以下の要件が求められる。
▲1▼優れた吸収特性(良い色相)をもつこと
▲2▼高い堅牢性を有すること
▲3▼同時に用いる他の染料を悪化させないこと
しかしながら、堅牢性、特に昨今インクジェット印刷で大きな問題となっているオゾンなどの酸化性ガスに対する堅牢性については、どのような構造或いは物性がオゾン堅牢性に対して有効に働くのかといった染料の性質に関する報告例はまったく無いため、染料の選択の為の指針が得られないのが現状である。さらには、光に対する堅牢性も兼ね備えているものを選択するとなると、さらに困難を極める。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、1)オゾン褪色を抜本的に解決できるシアン染料を提供し、2)オゾンガスに対する堅牢性に優れたカラー着色画像を与えることのできるインクジェット印刷用のインク組成物を提供し3)色再現性に優れ、光堅牢性も高い画像を形成することができるインクジェット記録用インク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録画像を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、良好な色相を有し、光堅牢性及びガス堅牢性(特に、オゾンガス)が高い染料とそうではない染料を詳細に検討したところ、特定の化学的特性を有するフタロシアニン染料により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、フタロシアニン染料がある条件を満たした混合物であるとき、全体としてオゾンに対する反応性が大きく抑制されるばかりか光堅牢性も向上し、異なる色の染料同志の相互作用も無く混色した部分の褪色にも問題が生じないことが判った。これとは逆に、フタロシアニン染料としてこの条件の条件を満たしていないものを用いると、オゾンや光に対する堅牢性が大きく劣化することが判り、特に色再現性を高める為に昨今用いられている濃度の異なるインクを用いた場合には、淡色インクのオゾンや光に対する堅牢性が大きな問題になることがわかった。
すなわち、前記課題を解決するための事項および好ましい態様はとして、以下のものが挙げられる。
<1>、少なくとも1種の下記一般式4で表されるフタロシアニン染料を含有するシアンインクにおいて、インク中のフタロシアニン染料の全てを化学的に分解したときに生成するフタル酸誘導体を定量した際に、下記一般式1、1’、2および2’で表される無置換フタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体のモル数の合計が、分解前のフタロシアニン染料のモル数の4倍に対して40%以下となることを特徴とするインクジェット記録用シアンインク。
【0008】
【化2】
Figure 0004235413
【0009】
R1とR2は、それぞれ独立にカルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基およびシアノ基から選ばれるいずれかの置換基を表す。またR1とR2は結合して酸無水物を形成していても良い。V、Wはそれぞれ独立に酸素原子またはNHを表す。Mはカチオンを表す。
【化10】
Figure 0004235413
上記一般式4において、Mは水素原子または金属原子を表し、X11〜X14はそれぞれ異なっていても良い置換されてもよいスルファモイル基を表し、n11 〜n14 は各々1または2を表す。
<2>、<1>の条件を満たすフタロシアニン染料であって、さらにその酸化電位が1.0Vよりも貴であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
<3>、<1>の条件を満たすフタロシアニン染料がスルファモイル基が全てのベンゼン環に導入されたフタロシアニン染料であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
<4>、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有する受像材料上に、<1>に記載のインクジェット記録用インクを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
〔染料が満たすべき要件〕
本発明では、フタロシアニン染料を化学的に分解したときの分解物を定量した際に、一般式1、1’、2および2’の化合物(すなわち、無置換のフタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体)のモル数の合計が、分解前のフタロシアニン染料のモル数の4倍に対して40%以下(すなわち、分解前のフタロシアニン染料のモル数の1.6倍以下)であるフタロシアニン染料を用いる。以下に説明する理由により、無置換のフタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体の合計の割合は、分解前のフタロシアニン染料のモル数の4倍に対して、低ければ低いほど望ましく、30%以下のものがより好ましく、20%以下のものがさらに好ましく、10%以下となるものが最も好ましい。尚、本発明のフタロシアニン染料は単一の化合物であっても良いが、多くの場合には以下に述べる理由からフタロシアニン染料混合物であることが多い。
【0011】
代表的なフタロシアニン染料である一般式3の染料を例に挙げて本発明について説明するが、本発明のフタロシアニン染料は一般式3に挙げるものに限られるわけではない。
【0012】
【化3】
Figure 0004235413
【0013】
上記式において、X はスルファモイル基を、Y はスルホ基を表し、n,mは各々0から8までの正の数を表す。Mは水素原子または金属原子を表し、例えば、銅、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、コバルトなどが挙げられる。
上記染料の合成法は、国際公開(WO)00/17275、同00/08103、同00/08101、同98/41853、特開平10−36471号などに記載されているように、無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経てスルファモイル基を導入する例が代表的である。この場合、スルホン化がフタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。従って、このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料としてスルファモイル基が導入された染料を合成する時には、スルファモイル基の個数や置換位置は特定できず分布を持った混合物になってしまう。また多くの場合、C.I.Direct Blue 199のように、スルホン化、スルホニルクロライド化あるいはアミド化を部分的に行って、置換基の種類、数、位置に分布を持たせた混合物として使用していることが一般的である。従って、この合成法に従って合成されたフタロシアニン染料は、一般式3のように表されていても、これら類縁体混合物を統計的に平均化して表しているもので、n,mは各々の置換基X、Yの平均導入数を表すことになる。
【0014】
本発明では、これらの類縁体染料混合物において特定の化学分解特性を有する染料混合物が特に好ましいオゾン堅牢性を示すことを見出したものである。フタロシアニン染料混合物のベンゼン環上にどれだけ漏れなく置換基Xが導入されているかを機器分析などにより直接求めることは困難である。そこで本発明では、フタロシアニン染料をフタル酸誘導体にまで化学的に分解し、その分解物の定量結果をオゾン堅牢性と対比した結果、本発明に至ったものである。このようにフタロシアニン染料を化学的に分解することでオゾン堅牢性を評価できるのは、前記一般式3において、4つあるベンゼン環にできる限り漏れなく、スルファモイル基Xが導入されていることがオゾンガスに対して堅牢であるためと考えられる。その理由は、オゾンの反応が求電子的反応であるため、電子密度が高いところが1箇所でもあると、そこにオゾンが反応し消色が起こる為と推定している。
【0015】
最も好ましい場合は、全てのベンゼン環にスルファモイル基が導入された場合である。このような化合物の合成は上述の方法では困難な場合が多いが、以下の方法に従えば確実に、例えば一般式4で表されるようなスルファモイル基が漏れなくベンゼン環に導入された染料を合成することができる。
【0016】
【化4】
Figure 0004235413
【0017】
上記一般式において、X11〜X14はそれぞれ異なっていても良いスルファモイル基を表し、n11 〜n14 は各々1または2を表す。
【0018】
すなわち、例えば下記式で表されるフタロニトリル誘導体、ジイミノイソインドリン誘導体、フタル酸誘導体および無水フタル酸誘導体(以下まとめてフタル酸誘導体と記す)を一般式(A)で表される金属誘導体と反応させるか、或いは4−スルホフタロニトリル誘導体と一般式(A)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化合物からスルファモイル基を有するフタロシアニン染料を誘導する。
【0019】
【化5】
Figure 0004235413
【0020】
各式中、X’は上記一般式4におけるX11、X12、X13またはX14に相当する。nは1または2を表す。
【0021】
一般式(A):M−(Z)d
一般式(A)中、Mは前記一般式3のMと同定義であり、Zはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
【0022】
即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換基を特定の数だけ導入することができるのである。上記方法では、用いるフタル酸誘導体の置換基の位置を特定することで、いわゆるβ置換型の置換パターンを持つ染料を合成することができる。
(β位置換型:2及び/または3位、6及び/または7位、10及び/または11位、14及び/または15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。)
【0023】
原因は詳細には不明であるが、スルファモイル基Xが全てのベンゼン環に導入された染料の中でもα位置換型よりはβ−位置換型の方が色相・光堅牢性・オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向にあった。
(α位置換型:1及び/または4位、5及び/または8位、9及び/または12位、13及び/または16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。)
【0024】
かくして得られる前記一般式4で表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xnの各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ−位置換型位置異性体混合物となっている。下記一般式(a)−1〜4において、X1 〜X4 は、一般式4のX11〜X14と同義である。
【0025】
【化6】
Figure 0004235413
【0026】
上記合成法において、Xnとして全て同一のものを使用すればX11、X12、X13およびX14が全く同じ置換基であるβ位置換型フタロシアニン染料を得ることができる。一方、Xnとして異なるものを組み合わせて使用すれば、部分的に互いに異なるスルファモイル基をもつ染料を合成することができる。一般式4の染料の中でも互いに異なるスルファモイル基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合性、インクの経時安定性などを調整できる為、特に好ましい。
【0027】
なお、上記β位置換型だけを用いれば堅牢性は最も優れるが、無置換フタロシアニンへのスルホン化からスルファモイル基を導入する合成法に従うコストに優れる染料混合物に対して、別途調製した4つのベンゼン環全てにスルファモイル基を導入したフタロシアニン染料を、中でもβ位置換型を混合することで本発明の染料混合物を調製しても良い。
【0028】
本発明のフタロシアニン染料は、4つのベンゼン環に出来るだけ漏れなくスルファモイル基を導入したものである。導入されたスルファモイル基の数が多ければ多いほど酸化電位が貴になるが、中でも酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であるものが好ましく、1.1(vs SCE)Vよりも貴であるものがより好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であるものが特に好ましい。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New InstrumentalMethods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
【0029】
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、電位を一義的に規定する為、本発明では、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で直流ポーラログラフィーにより測定した値(vs SCE )を染料の酸化電位とする。水溶性染料の場合では直接ジメチルホルムアミドに溶解し辛い場合があるが、その場合には出来る限り少量の水を用いて染料を溶解した後、含水量が1%以下となるようにジメチルホルムアミドで希釈して測定する。
【0030】
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格のベンゼン環に出来る限り漏れなく電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。
【0031】
<フタロシアニン染料の化学的分解手段>
フタロシアニン染料を化学的に分解する手段としては、オゾン分解、加熱分解、アルカリ加熱分解等の方法があり、フタル酸誘導体へと導くことができる。中でもオゾン分解は簡便で好ましく、本発明における化学的分解法として、このオゾン分解を用いることとする。フタロシアニン染料のオゾン分解については、William E. HillおよびR.D.Andersonによって報告があり(Int.Conf.Exhib.,AATCC,390(1995))、分光光度計で分光吸収をモニターしながら約90%〜99%オゾン分解させたサンプルを定量に使用することが分解生成物であるフタル酸誘導体の更なる分解がないので好ましい。オゾン分解に用いられたフタロシアニン染料は、中心金属イオン(例えばCuイオン)の定量から求めたオゾン分解前のサンプル量からオゾン分解反応後の残存量(モニターした分光吸収から容易に求められる)を減じることで容易に求めることができる。分解生成物中の無置換フタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体の定量は、それぞれを単離して定量しても良いが、液体クロマトグラフィーを用いて定量することが簡便で好ましい。以上の操作により無置換フタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体の生成量を求め、分解に使用したフタロシアニン染料のモル数の4倍に対する比率を求める。
尚、オゾン分解反応は染料混合物を適当な溶媒(水などオゾン分解に対し耐性のある溶媒が好ましい)に溶解あるいは分散して行っても良いが、インク液を希釈して、あるいはそのまま、オゾン分解に使用しても良い。
【0032】
[インクジェット記録用インク]
本発明のインクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記フタロシアニン系色素を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
【0033】
前記乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
【0034】
前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0035】
前記浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。前記浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0036】
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
【0037】
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VII のIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
【0038】
前記防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
【0039】
前記pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10と夏用に添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
【0040】
前記表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
【0041】
前記消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
【0042】
本発明のフタロシアニン染料が油溶性の場合に水性媒体に分散させる方法としては、特開平11-286637号、特願平2000-78491号、同2000-80259号、同2000-62370号のように染料と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特願平2000-78454号、同2000-78491号、同2000-203856 号,同2000-203857 号のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明の染料を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明の染料を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、前記特許に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、染料を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特願2000−87539号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
【0043】
前記水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
【0044】
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中、本発明の染料を0.2質量部以上10質量部以下含有するのが好ましい。また、本発明のインクジェット用シアンインクは、化学的に分解した時に生成するフタル酸誘導体の量及び/または酸化電位が本発明の範囲内となるのであれば2種類以上のフタロシアニン染料を併用してもよい。また、フタロシアニン以外の染料を併用しても良い。2種類以上の染料を併用する場合は、染料の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
近年高画質化を目的に、イエロー,マゼンタ、シアンの各インクがしばしば染料濃度の異なる2種類以上のインクから構成されるが、本発明においては、濃度の異なる各シアンインクのうちの少なくとも一つが本発明のフタロシアニン染料であればよく、特に最も淡色インクが本発明の染料であることが好ましく、全ての濃度のインクが本発明の染料であることが最も好ましい。本発明において濃度が異なる2種類以上のインクを用いる場合、1種のインク濃度に対して他種のインク濃度が0.05〜0.5 倍であることが好ましい。
【0045】
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が20℃において40mPa・s以下であるのが好ましく、より好ましくは1.5〜30mPa・sである。また、その表面張力は20℃において20〜70mN/m、好ましくは25〜60mN/mであるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
【0046】
本発明のインクジェット記録用シアンインクは、公知のイエロー染料,マゼンタ染料を併用してフルカラーの画像形成に用いることができ、さらに色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。カーボンブラックの分散体については特に自己分散性のカーボンブラックが好ましい。これらの好ましいイエロー,マゼンタ、ブラックの各染料及び顔料については、特願2002-43490号に記載されたものを好ましく用いることが出来る。
【0047】
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
【0048】
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり、耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特願2000−363090、同2000−315231、同2000−354380、同2000−343944、同2000−268952に記載された方法を好ましく用いることが出きる。
【0049】
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2 が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0050】
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
【0051】
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
【0052】
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0053】
前記耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
【0054】
前記耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダーアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
【0055】
前記界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。 界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0056】
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0057】
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0058】
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
【0059】
本発明のインクはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<染料の調製>
特願2001−226275 に詳細に説明された合成法に従い、下記フタロニトリル化合物Sより銅フタロシアニン染料Aを調製した。また、フタロニトリル化合物Sを単独で使用する変わりに、化合物S,3,4−ジシアノベンゼンスルホン酸ナトリウム,フタロニトリルをそれぞれ9:1:0(染料B)、8:1:1(染料C)、7:2:1(染料D)の比率で用いることにより、銅フタロシアニン染料BからDを調製した。また、上記において比率を5:2:3とした比較の染料1も同様に調製した。 上記以外の染料として、市販の染料であるC.I.Direct Blue 87(比較染料2), C.I.Direct Blue 199(比較染料3)も以下の試験に用いた。
【0061】
【化7】
Figure 0004235413
【0062】
染料A x:y:z=4:0:0
染料B x:y:z=3.6:0.4:0
染料C x:y:z=3.2:0.4:0.4
染料D x:y:z=2.8:0.8:0.4
染料1 x:y:z=2:0.8:1.2
<染料のオゾン分解>
上記各染料の水溶液を、William E. Hill およびR.D.Andersonらの方法(Int.Conf.Exhib.,AATCC,390(1995)のp391〜392の実験項 )に従って、分光光度計でモニターしながら各染料が約90%〜99%分解されるようにオゾン分解し、サンプルを調製した。オゾン分解に用いられたフタロシアニン染料は、Cuイオンの定量から求めたオゾン分解前のサンプル量からオゾン分解反応後の残存量(分光吸収から容易に求められる)を減じることで求めることができる。分解生成物中の無置換フタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体の定量は、内部標準法を用い液体クロマトグラフィーにて定量できる。表1の「オゾン分解物の定量値」は、染料のモル数の4倍に対する分解生成物中の無置換フタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体の合計モル数の割合で示した。
上記のフタロシアニン染料各々について、下記(染料A)の組成に従いインク液を調製した。インク液は下記成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌し、その後NaOH 10mol/LにてpH=7に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過することで調製した。
【0063】
インク液の組成:
シアン染料A 25.0g
ジエチレングリコール 20g
グリセリン 120g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 230g
2-ピロリドン 80g
トリエタノールアミン 17.9g
ベンゾトリアゾール 0.06g
サーフィノール TG 8.5g
PROXEL XL2(アビシア(株)の商標名) 1.8g
【0064】
尚、各インク液は、染料の添加量が等モルとなるように使用した。
【0065】
(画像記録及び評価)
以上の各実施例(染料A〜Dのインク液)及び比較例(比較染料1〜3のインク液)のインクジェット用インクについての評価結果を表1に示す。
なお、表1において、「耐光性」及び「耐オゾンガス性」は、各インクジェット用インクを、インクジェットプリンター(EPSON(株)社製;PM−700C)でフォト光沢紙(EPSON社製PM写真紙<光沢>(KA420PSK、EPSON)に画像を記録した後で評価したものである。
【0066】
<耐オゾンガス性>
前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が0.5±0.1ppm、室温、暗所に設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X-Rite 310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1点が70%未満をB、2点が70%未満をC,全ての濃度で70%未満の場合をDとして、4段階で評価した。
【0067】
<耐光性>
前記画像を形成したフォト光沢紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を14日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X-Rite 310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。
何れの濃度でも色素残存率が80%以上の場合をA、1点が80%未満をB、2点が80%未満をC、全ての濃度で80%未満の場合をDとして、4段階で評価した。
【0068】
【表1】
Figure 0004235413
【0069】
表1から明らかなように、本発明のインクジェット用インクは耐光性並びに耐オゾン性に優れるものであった。
【0070】
[実施例2]
実施例1で作製した同じカートリッジを、実施例1の同機にて画像を富士写真フイルム製インクジェットペーパーフォト光沢紙EX(支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有する受像材料)にプリントし、実施例1と同様な評価を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
【0071】
[実施例3]
実施例1で作製した同じインクを、インクジェットプリンターBJ−F850(CANON社製)のカートリッジに詰め、同機にて同社のフォト光沢紙GP−301(支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有する受像材料)に画像をプリントし、実施例1と同様な評価を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、1)三原色の色素として色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ堅牢性、特に環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有する新規なフタロシアニン系色素を提供し、2)該フタロシアニン系色素の使用により良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインクジェット記録用インク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録画像を提供することができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも1種の下記一般式4で表されるフタロシアニン染料を含有するシアンインクにおいて、インク中のフタロシアニン染料の全てを化学的に分解したときに生成するフタル酸誘導体を定量した際に、下記一般式1、1’、2および2’で表される無置換フタル酸誘導体、スルホフタル酸誘導体、フタルイミド誘導体およびスルホフタルイミド誘導体のモル数の合計が、分解前のフタロシアニン染料のモル数の4倍に対して40%以下となることを特徴とするインクジェット記録用シアンインク。
    Figure 0004235413
    R1とR2は、それぞれ独立にカルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基およびシアノ基から選ばれるいずれかの置換基を表す。またR1とR2は結合して酸無水物を形成していても良い。V、Wはそれぞれ独立に酸素原子またはNHを表す。Mはカチオンを表す。
    Figure 0004235413
    上記一般式4において、Mは水素原子または金属原子を表し、X11〜X14はそれぞれ異なっていても良い置換されてもよいスルファモイル基を表し、n11〜n14は各々1または2を表す。
  2. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有する受像材料上に、請求項1に記載のインクジェット記録用インクを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法
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