JP4235339B2 - 画像処理装置およびその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置およびその方法に関し、例えば、カラー画像を処理する画像処理装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置は、RGB形式で指定される色をYMCKデータに変換して印刷を行う。0<R=G=B<255はグレーであるが、グレイの文字や図形の場合、YMCの色材を使用せずにK(黒)だけで印刷した方が輪郭がぼけずシャープな出力が得られる。逆に、写真画像などはYMCの色材を使って印刷した方が、他の色とのバランスがよく、美しい出力を得ることができる。グレイをKの色材だけで印刷する機能をグレイ補償と呼び、必要に応じて、グレイ補償を有効にするのが一般的である。
【0003】
グレイ補償をオンにするかオフにするかは、印刷データの内容によって分けられ、例えば、文字および図形はオン、イメージはオフといった基準がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図形の場合でも、グレイ補償をオンにすると、逆効果になる場合がある。例えば、図1に示すような、七つの矩形1から7を直線状に並べた図形があり、七つの矩形内部の色を少しずつ変えて七つの図形全体でグラデーションが描かれているとする。矩形1から3および5から7はR≠G≠Bであり僅かずつRGBの各値が異なる。一方、矩形4はR=G=Bのグレイである。
【0005】
このような図形の場合、グレイ補償がオフであればすべての矩形の内部はYMCKの混色で色が再現されるので美しいグラデーションが得られるが、グレイ補償をオンにすると矩形4の内部だけがKだけで再現されるため、美しいグラデーションを得ることができない。つまり、このような例では、グレイ補償をオフにした方が美しい出力を得ることができる。
【0006】
逆に、図形のグレイ補償をオフにすると、グレイの1ドット幅のラインはその色が変化してしまう場合が多い。これは、印刷装置は少ない階調で多くの色を表現するために、疑似階調表現を行っているためである。
【0007】
例えば、図3は、図2に示すグレイの1ドット幅のラインをYMCKの各色のディザパターンで形成する場合を示している。この場合、YおよびCのディザパターンとラインxとは1ドットが重なるからラインxに沿ってYおよびCのドットが印刷されるが、MおよびKのディザパターンとラインxとは重ならないからMおよびKのドットは印刷されない。つまり、YおよびCだけでラインxが印刷され、グレイとは異なる色にみえる。この例は、グレイ補償をオンにすればKだけのディザパターンによりドットが印刷されるから色が全く違ってみえるということはない。言い換えれば、この例ではグレイ補償をオンにした方が美しい出力を得ることができる。
【0008】
本発明は、描画すべきオブジェクトの属性に応じて色の変換を制御することを目的とする。とくに、タイルパターンが指定された図形かつ指定色がグレイ色のオブジェクトを高品質に形成することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0010】
本発明にかかる画像処理装置は、複数色に応じたディザパターンを用いてドットの形成位置を決定し画像を形成する画像処理装置であって、複数の色成分により表される色を前記複数色の混色または単色へ変換する変換手段と、描画すべきオブジェクトの属性を検出する検出手段と、前記検出手段によりオブジェクトの属性としてタイルパターンが指定された図形かつグレイ色の指定色が検出された場合は、前記タイルパターンと前記ディザパターンの論理積に基づき前記タイルパターンのドットと前記ディザパターンのドットの重なりを判定し、前記複数色のディザパターンの何れかにおいて前記ドットの重なりがない場合は、前記オブジェクトの色を前記黒単色に変換するように前記変換手段の変換動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる画像処理方法は、複数色に応じたディザパターンを用いてドットの形成位置を決定し画像を形成する画像処理方法であって、複数の色成分により表される色を前記複数色の混色または黒単色へ変換する変換ステップと、描画すべきオブジェクトの属性を検出する検出ステップと前記検出ステップにおいてオブジェクトの属性としてタイルパターンが指定された図形かつグレイ色の指定色が検出された場合は、前記タイルパターンと前記ディザパターンの論理積に基づき前記タイルパターンのドットと前記ディザパターンのドットの重なりを判定する判定ステップと、前記複数色のディザパターンの何れかにおいて前記ドットの重なりがない場合は、前記オブジェクトの色を前記黒単色に変換するように前記変換ステップの変換動作を制御する制御ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
以下では、本発明をレーザビームプリンタに適用する実施形態を説明するが、本発明が適用できるプリンタは、レーザビームプリンタに限らず、他の方式のプリンタでもよい。
【0014】
【第1実施形態】
[装置概観]
図4はレーザビーム方式のカラー複写機の構成例を示す概観図である。
【0015】
図4において、201はイメージスキャナ部で、原稿画像を読み取って得られるディジタル画像信号を処理する。また、200はプリンタ部で、イメージスキャナ部201に読み取られる原稿画像に対応する画像を記録紙にフルカラープリントする。
【0016】
イメージスキャナ部201において、原稿台ガラス203および原稿圧板202の間に画像が読み取られる原稿204が置かれ、原稿204はハロゲンランプ205の光に照射される。原稿204からの反射光は、ミラー206および207に導かれ、レンズ208により3ラインセンサ210上に像が結ばれる。なお、レンズ208には赤外カットフィルタ231が設けられている。さらに、図示しないモータにより機械的に、ミラー206およびハロゲンランプ205を含むミラーユニットは速度Vで、ミラー207を含むミラーユニットは速度V/2で矢印の方向、つまり3ラインセンサ210の電気的走査方向(主走査方向)に対して垂直方向(副走査方向)に移動され、原稿204の全面が走査される。
【0017】
3ラインのCCDからなる3ラインセンサ210は、入力される光情報を色分解して、フルカラー情報レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色成分を読み取り、その色成分信号を信号処理部209へ送る。なお、3ラインセンサ210を構成するCCDはそれぞれ5000画素分の受光素子を有し、原稿台ガラス203に載置可能な原稿の最大サイズであるA3サイズの原稿の短手方向(297mm)を400dpiの解像度で読み取ることができる。
【0018】
211は標準白色板で、3ラインセンサ210の各CCD210-1から210-3によって読み取られたデータを補正するためのものである。標準白色板211は、可視光でほぼ均一の反射特性を示する白色である。
【0019】
信号処理部209は、3ラインセンサ210から入力される画像信号を電気的に処理して、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)およびブラック(Bk)の各色成分信号を生成し、生成したMCYBkの色成分信号をプリンタ部202に送る。また、イメージスキャナ部201における一回の原稿走査(スキャン)につきMCYBkのうちの一つの色成分信号がプリンタ部200に送られ、計四回の原稿走査により一回のプリントアウトが完成する。
【0020】
さらに、信号処理部209は、後述するように、外部のホストコンピュータと接続するためのインタフェイスを有し、ホストコンピュータから供給される文字情報(文字コード)、フォーム情報およびマクロ命令などを入力して記憶するとともに、それらの情報に従って対応する文字パターンやフォームパターンなどを作成する。また、信号処理部209には、ホストコンピュータから文字パターンや定型書式(フォームデータ)などを登録することができる。
【0021】
プリンタ部200において、イメージスキャナ部201より送られてくるM、C、YまたはBkのビデオ信号はレーザドライバ212へ送られる。レーザドライバ212は、入力されるビデオ信号に応じて半導体レーザ素子213を変調駆動する。半導体レーザ素子213から出力されるレーザビームは、ポリゴンミラー214、f-θレンズ215およびミラー216を介して感光ドラム217を走査し、感光ドラム217上に静電潜像を形成する。
【0022】
219から222はそれぞれ現像器で、マゼンタ現像器219、シアン現像器220、イエロー現像器221およびブラック現像器222から構成される。四つの現像器が交互に感光ドラム217に接することで、感光ドラム217上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像してトナー像を形成する。223は転写ドラムで、記録紙カセット225から供給される記録紙が巻き付けられ、感光ドラム217上のトナー像を記録紙に転写する。
【0023】
このようにしてM、C、YおよびBkの四色のトナー像が順次転写された記録紙は、定着ユニット226を通過することで、トナー像が定着された後、装置外へ排出される。
【0024】
[信号処理部]
図5は信号処理部209の構成例を示すブロック図である。
【0025】
図5において、ホストコンピュータ2000は、印刷データおよび制御コードからなる印刷情報を信号処理部209へ入力する。信号処理部209は、大きく分けてフォーマッタ1100、インタフェイス(I/F)1200および出力制御部1300から構成される。
【0026】
フォーマッタ1100の受信バッファ1101は、インタフェイス(I/F)1200を介してホストコンピュータ2000から受信される印刷情報を一時的に保持する記憶部である。コマンド判別部1102は、印刷情報に含まれる印刷制御コマンドを判別する。判別された印刷制御コマンドは、コマンド解析部1103によって解析され、後段のコマンド実行部1104が処理し易い形式の中間コードに変換される。コマンド実行部1104は、中間コードを処理して、ページメモリ1105に各色の画像を展開する。
【0027】
グレイ補償制御部1106は、コマンド解析部1103により印刷制御コマンドが文字や図形などの中間コードへ変換される場合、コマンド実行部1104を制御してグレイ補償を行う。つまり、グレイ補償制御部1106は、印刷制御コマンドにより指定される色がグレーである場合に、YMCKで印刷するかKだけで印刷するかを決定する。
【0028】
一般に、フォーマッタ1100は、CPU、フォーマッタ用のソフトウェアが格納されたROM、並びに、CPUのワークメモリおよびページメモリとして利用されるRAMなどから構成される。
【0029】
また、出力制御部1300は、ページメモリ1105に格納された画像をビデオ信号に変換し、プリンタ部200へ供給する。
【0030】
[印刷システム]
図6は上記のホストコンピュータ2000、信号処理部209およびプリンタ部200を合わせた印刷システムの構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態の機能が実現されるのであれば、印刷システムは単体の機器、複数の機器の組み合わせ、さらにLANなどのネットワークを介した構成であってもよい。
【0031】
図6において、ホストコンピュータ2000のCPU1は、ROM3のプログラムROMに記憶された文書処理プログラムなどに基づき図形、イメージ、文字、表(表計算などを含む)などが混在する文書処理を実行するとともに、システムバス4に接続される各デバイスを統括的に制御する。また、ROM3のプログラムROMにはCPU1の制御プログラムなどが記憶され、フォントROMには文書処理の際に使用されるフォントデータなどが記憶され、データROMには文書処理などを行う際に使用する各種データが記憶されている。また、RAM2は、CPU1の主メモリ、ワークエリアなどとして機能する。
【0032】
キーボードコントローラ(KBC)5は、キーボード(KB)9や図示しないポインティングデバイスからの入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)6は、CRTディスプレイ10の表示を制御する。メモリコントローラ(MC)7は、システムプログラム、種々のアプリケーションプログラム、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイルなどが記憶されるハードディスク(HD)やフロッピディスク(FD)などの外部メモリ11とのアクセスを制御する。プリンタコントローラ(PRTC)8は、所定の双方向性インタフェイス21を介してカラー複写機1000に接続され、カラー複写機1000との通信制御を実行する。
【0033】
なお、CPU1は、例えばRAM2に割り当てられた表示情報RAMへアウトラインフォントを展開(ラスタライズ)する処理を実行し、CRT10におけるWYSIWYGを可能にしている。また、CPU1は、CRT10に表示されるマウスカーソルなどで指示されたコマンドに基づき、登録された種々のウィンドウを開き、種々のデータ処理を実行する。
【0034】
カラー複写機1000において、CPU12は、ROM13のプログラムROMあるいは外部メモリ14に記憶された制御プログラムなどに基づき、システムバス15に接続される各種のデバイスとのアクセスを統括的に制御するとともに、印刷部インタフェイス(I/F)16を介して接続されるプリンタ部200にビデオ信号を出力する。また、ROM13のプログラムROMには、後述するフローチャートに示されるようなCPU12の制御プログラムなどが記憶される。フォントROMにはプリンタ部200へ出力するビデオ信号を生成する際に使用するフォントデータなどが記憶され、データROMにはハードディスクなどの外部メモリ14がない場合にホストコンピュータ2000が利用する情報などが記憶される。
【0035】
CPU12は、入力部18を介してホストコンピュータ2000と通信することが可能であり、カラー複写機1000内の情報などをホストコンピュータ2000に通知可能に構成されている。RAM19は、CPU12の主メモリ、ワークエリアなどとして機能し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができる。なお、RAM19は、図5に示すページメモリ1105、並びに、環境データなどを格納する不揮発性メモリなどにも用いられる。
【0036】
操作部17には、カラー複写機1000を操作するためのスイッチやLCD表示器などが配されている。メモリコントローラ(MC)20によりアクセス制御されるハードディスクやICカードなどの外部メモリ14は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータなどが記憶される。カラー複写機1000に接続可能な外部メモリ14は一個に限らず、一個以上の外部メモリ14を接続可能にして、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリなどを複数接続できるように構成してもよい。さらに、不揮発性メモリを備えて、操作パネル17から入力されたプリンタモードなどの設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0037】
[印刷制御]
次に、上記の構成における印刷制御の手順を説明する。図7から図9は印刷制御の手順例を示すフローチャートで、主に図6に示すCPU12によって行われる処理である。
【0038】
図7はCPU12による印刷処理のメイン処理を示している。ステップS401で、ホストコンピュータ2000から印刷データを受信し、ステップS402で、受信した印刷データを受信バッファ1101に格納し、ステップS403で描画処理を行う。その後、ステップS404で、印刷終了命令を受け取ったか、印刷データが終了した場合は、印刷終了として印刷動作を終了する。印刷終了でなければステップS401からの処理を繰り返す。
【0039】
図8は信号処理部209による描画処理を示している。ステップS501で、コマンド解析部1103は、受信バッファに格納された印刷データを読み出し、ステップS502で、コマンドを解析して排紙命令か否かを判定し、排紙命令の場合はステップS508に進む。また、排紙命令ではない場合、ステップS503で、解析したコマンドが文字または図形の描画など、ページメモリ1105への展開処理を示すコマンドか否かを判定する。展開処理を示すコマンドではない場合はステップS504へ進んで、そのコマンドを直ちに実行する。一方、展開処理を示すコマンドの場合は、ステップS505でグレイ補償処理を含む色変換処理を行い、ステップS506でコマンド実行部1104が処理し易い形の中間コードに変換する。中間コードを受け取ったコマンド実行部1104は、ステップS507で、ページメモリ1105への展開処理を行う。
【0040】
展開処理が終了した後、処理はステップS501に戻り、ステップS501以降の処理を繰り返す。そして、ステップS502において排紙命令と判定された場合、ステップS508で、出力制御部1300により、ページメモリ1105の内容がビデオ信号に変換されてプリンタ部200に出力される。プリンタ部200は、ステップS509で、受け取ったビデオ信号に基づき記録紙に可視像を形成する印刷処理を行う。そして、ステップS510で可視像が形成された記録紙が排紙される。
【0041】
図9はステップS505のグレイ補償処理を含む色変換処理を示している。ステップS601で描画すべきオブジェクトが図形であるか否かを判定し、図形であればステップS602で線の描画か否かを判定する。線描画であればステップS603で線の指定色を取得し、ステップS604でグレイ(R=G=B)か否かを判定する。グレイであればステップS605でグレイ補償をオンに設定し、ステップS606でRGBからKへの変換テーブルをセットし、色変換処理を行う。
【0042】
一方、描画すべきオブジェクトが図形ではない、または、線ではない場合はステップS607でオブジェクトの色を取得する。オブジェクトとは、中間コードで構成される単位図形(文字、図形、イメージをすべて含む)のことで、詳細は後述するが、描画位置、外形の座標点、幅高、指定色などが記述されており、これらの情報から色を知ることができる。次に、ステップS608で指定色がグレイか否かを判定し、グレイであればステップS609で不揮発性メモリからグレイ補償の設定値(GRC)を取得する。GRCには文字、図形、イメージそれぞれについてグレイ補償のオンオフが設定されている。GRCの設定は操作部17などによって変更することができ、設定は不揮発性メモリに保持される。そして、描画すべきオブジェクトに対応するGRCの設定がオンであればステップS605へ進んでグレイ補償をオンにする。
【0043】
他方、GRCの設定がオフであればステップS611へ進んでグレイ補償をオフに設定し、ステップS612でRGBからYMCKへの変換テーブルをセットし、色変換処理を行う。また、ステップS604またはS608でグレイではないと判定された場合も処理はステップS612へ進んだ後、処理を終了する。
【0044】
図10はオブジェクトの情報を説明する図である。オブジェクト管理テーブル1301は、同一頁に描画すべきオブジェクトを管理するもので、文字列(string char)、多角形(polygon fill)、矩形(box fill)、イメージ(image)などのオブジェクトに対応するエントリが管理されている。各エントリにはそれぞれオブジェクトの属性を示すデータ1302から1309がリンクされている。各データは、オブジェクト一つ一つについて、その描画位置、大きさ、外形などの情報を含み、その情報の一つとしてRGB形式の指定色がある。なお、データ1302から1309はコマンド解析後の中間コードであり、これら一つ一つをオブジェクトと呼ぶ。
【0045】
例えば、文字列オブジェクト1302の色指定はRGB=(200,200,200)、多角形オブジェクト1307の色指定はRGB=(100,100,100)である。従って、オブジェクト1302および1307の指定色はグレイであり、グレイ補償の対象オブジェクトである。また、イメージオブジェクト1309は、1ピクセル当りRGB24ビットの多値イメージであることが判る。なお、イメージオブジェクトは、バイナリデータ1310へのデータポインタが含まれ、実際のデータは別のメモリ領域に読み込まれる。
【0046】
【第2実施形態】
第1実施形態では、線を描画する場合は自動的にグレイ補償をオンにする例を示したが、第2実施形態ではタイルパターンとの重ね合わせ具合いによりグレイ補償を制御する例を説明する。
【0047】
図11はタイルパターンの一例を示す図である。タイルパターンは、図形の塗り潰し模様を表現し、例えば図形に塗り潰しパターンおよび色を同時に指定した場合、図11のタイルパターンと図3に示したディザパターンとが合成されて出力される。図11のタイルパターンと図3に示したディザパターンのそれぞれと重ね合わせると、MおよびKのディザパターンとだけ重なり合う部分が発生し、指定色と異なる色で出力される。勿論、R=G=Bのグレイの場合はグレイ補償をオンにしてKのみのディザで表現すれば、この問題を回避することができる。
【0048】
図12は第2実施形態におけるグレイ補償処理を含む色変換処理の手順例を示すフローチャートである。なお、印刷処理のメイン処理および描画処理については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
ステップS1101で描画すべきオブジェクトが図形であるか否かを判定し、図形であればステップS1102に進んで、タイルパターンが指定されているか否かを判定する。タイルパターンが指定されていればステップS1103で指定色がグレイか否かを判定し、グレイであればステップS1104に進んでタイルパターンとディザパターンとの重なり合いをチェックする。そして、ステップS1105で重なり合いのチェック結果を判定して、タイルパターンとはドットが一つも重ならないディザパターンがある場合はステップS1106でグレイ補償をオンに設定し、ステップS1107でRGBからKへの変換テーブルをセットし、色変換処理を行う。また、ステップS1105でタイルパターンとドットが重ならないディザパターンはないと判定された場合も処理はステップS1110へ進む。
【0050】
一方、描画すべきオブジェクトが図形ではない、または、タイルパターンの指定がない場合はステップS1108でオブジェクトの指定色を取得し、ステップS1109で指定色がグレイか否かを判定する。グレイであればステップS1110に進んで不揮発性メモリからGRCを取得し、描画すべきオブジェクトに対応するGRCの設定がオンであればステップS1106に進んでグレイ補償をオンに設定する。
【0051】
他方、GRCの設定がオフであればステップS1112に進んでグレイ補償をオフに設定しステップS1113でRGBからYMCKへの変換テーブルをセットし、色変換処理を行う。また、ステップS1103またはS1109でグレイではないと判定された場合も処理はステップS1113へ進んだ後、処理を終了する。
【0052】
図13はステップS1104の重なり合いのチェック処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS1201で指定されたタイルパターンを取得し、ステップS1202でYのディザパターンを取得して、タイルパターンとYディザパターンとの論理積を取ることによりドットの重なり具合いを検出する。各ドットに対応する論理積がすべて‘0’ではない、すなわちドットの重なりがある場合はステップS1204に進み、Mのディザパターンを取得し、同様にタイルパターンとの論理積を取ってドットの重なり具合を検出する。そしてドットの重なりがあればステップS1206からS1209で、CおよびKのディザパターンとのドットの重なり具合を検出する。その結果、すべての色のディザパターンとタイルパターンとでドットが重なればステップS1210でチェック結果‘0’を返す。
【0054】
一方、ステップS1203、S1205、S1207またはS1209においてドットの重なりがないと判定された場合は、ステップS1211でチェック結果‘1’を返す。
【0055】
【変形例】
上述した実施形態においては、グレイ補償の設定値を不揮発性メモリに保持する例を説明したが、印刷制御コマンドから設定するようにしてもよい。
【0056】
また、第1実施形態では、ラインの描画については強制的にグレイ補償をオンにする例を説明したが、文字やイメージに設定されているGRCに合わせることもでき、、ラインのグレイ補償を文字またはイメージのどちらに合わせるかを選択するユーザインタフェイスを設けてもよい。
【0057】
さらに、第1実施形態では、RGB形式での色指定の場合の例を挙げたが、色を指定できるのであればLabやLuvなどの他の色形式であってもよいことはいうまでもない。
【0058】
また、上述した実施形態においては、カラー複写機や印刷装置の内部における処理として説明したが、上記の一連の処理をホストコンピュータ側で行ってもよい。この場合、印刷制御コマンドとしてYMCK形式による色指定を設けることで実現可能である。
【0059】
また、第2実施形態においては、CRCの設定値を不揮発性メモリに保持する例を説明したが、印刷制御コマンドから設定できるようにしてもよい。
【0060】
さらに、上述した実施形態においては、自動的にグレイ補償のオンオフを制御する例を説明したが、この制御自体のオンオフを操作パネルまたは印刷制御コマンドで設定することもできる。
【0061】
このように、上述した実施形態によれば、図形の形状や属性に基づきグレイ補償を制御することができ、画像品位の高い画像形成を容易に行うことができる。
【0062】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0063】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0064】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0065】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、描画すべきオブジェクトの属性に応じて色の変換を制御することができる。とくに、タイルパターンが指定された図形かつ指定色がグレイ色のオブジェクトを高品質に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グラデーションを説明する図、
【図2】グレイの1ドット幅のラインを説明する図、
【図3】ディザパターンを説明する図、
【図4】レーザビーム方式のカラー複写機の構成例を示す概観図、
【図5】信号処理部の構成例を示すブロック図、
【図6】ホストコンピュータ、信号処理部およびプリンタ部を合わせた印刷システムの構成例を示すブロック図、
【図7】印刷制御の手順例を示すフローチャート、
【図8】信号処理部による描画処理例を示すフローチャート、
【図9】グレイ補償処理例を示すフローチャート、
【図10】オブジェクトの情報を説明する図、
【図11】タイルパターンの一例を示す図、
【図12】第2実施形態におけるグレイ補償処理の手順例を示すフローチャート、
【図13】重なり合いのチェック処理の一例を示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. 複数色に応じたディザパターンを用いてドットの形成位置を決定し画像を形成する画像処理装置であって、
    複数の色成分により表される色を前記複数色の混色または単色へ変換する変換手段と、
    描画すべきオブジェクトの属性を検出する検出手段と、
    前記検出手段によりオブジェクトの属性としてタイルパターンが指定された図形かつグレイ色の指定色が検出された場合は、前記タイルパターンと前記ディザパターンの論理積に基づき前記タイルパターンのドットと前記ディザパターンのドットの重なりを判定し、前記複数色のディザパターンの何れかにおいて前記ドットの重なりがない場合は、前記オブジェクトの色を前記黒単色に変換するように前記変換手段の変換動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記変換手段はRGB色成分により表される色をYMCK色の混色またはK単色に変換することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記検出手段によりオブジェクトの属性として線およびグレイ色の指定色が検出された場合、前記オブジェクトの色を前記黒単色に変換するように前記変換動作を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された画像処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記検出手段によりオブジェクトの属性としてグレイ色以外の指定色が検出された場合、前記オブジェクトの色を前記複数色の混色に変換するように前記変換動作を制御することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載された画像処理装置。
  5. 複数色に応じたディザパターンを用いてドットの形成位置を決定し画像を形成する画像処理方法であって、
    複数の色成分により表される色を前記複数色の混色または黒単色へ変換する変換ステップと、
    描画すべきオブジェクトの属性を検出する検出ステップと
    前記検出ステップにおいてオブジェクトの属性としてタイルパターンが指定された図形かつグレイ色の指定色が検出された場合は、前記タイルパターンと前記ディザパターンの論理積に基づき前記タイルパターンのドットと前記ディザパターンのドットの重なりを判定する判定ステップと、
    前記複数色のディザパターンの何れかにおいて前記ドットの重なりがない場合は、前記オブジェクトの色を前記黒単色に変換するように前記変換ステップの変換動作を制御する制御ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
  6. 画像処理装置に、請求項 5 に記載された画像処理を実行させるプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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