JP4235053B2 - 鋳造型の密閉式離型剤塗布システム - Google Patents
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Description
「face」型用標準部品 編集・発行 株式会社ミスミ
(1)分流子は、設計上、金型内部の製品部にもっとも成形材が行き渡る位置に形成されるが、離型剤の注入口は、この分流子と同じ位置にすることは物理上困難なので、異なる位置に設けれることになり、従って離型剤はなかなか金型内部に行き渡らず、ムラができ、うまく離型が行ないにくいものであった。
そこで、この発明は、離型剤が金型内部に行き渡リやすく、装置のコストを抑止できる鋳造型の密閉式離型剤塗布システムを提供することを課題とする。
回転柱状の前記分流子と、前記湯口スリーブと前記製品部に接したまま摺動し回動させ前記連通を断つ回動機構と、前記分流子に接して設けられ加圧された離型剤を導く離型剤通路と、前記回動がなされた回動位置で前記離型剤通路と前記製品部の所定箇所を連通して前記分流子に形成される第2分流子ランナーと、を有することを特徴とする鋳造型の密閉式離型剤塗布システムである。
第三発明は、さらに、前記回転柱状の分流子の周囲で、前記金型と接する部分に形成されたリング状のエアランナーと、このエアランナーに連通して設けられ加圧されたエアを導くエア通路と、を有することを特徴とする鋳造型の密閉式離型剤塗布システムである。
第二発明によれば、さらに、シンプルな機構により回動機構を得ることができる。
第三発明によれば、さらに、分流子と金型の接触面の若干の間隙に漏洩し残った成形材を、エア通路から高圧のエアを導いてエアブローすることで、除去し、分流子の回動が可能な状態を維持する。
第四発明によれば、一般に離型が困難な部分に設けられるエジェクターピンが収納されるピン孔の内壁に、離型剤供給スペースを形成することで、離型が困難な部分に離型剤を注入できる。このため、離型剤が金型内部に行き渡リやすい。
(概略)成形をおこなうための金型1の内部に形成される製品部3へ成形材を注入するために、湯口スリーブ5が形成され開口する。この湯口スリーブ5に供給された成形材は、シリンダ装置により加圧され、湯口スリーブ5の底部に接して設けられた分流子7内部に形成される分流子ランナー9を通って、製品部3の所定箇所へ導かれる。
金型1は上型19と下型21を有し、両型の間に隙間が作られ製品部3が形成される。下型21の下には、下型21を支え、色々の装置や機構が設けられる基台23(脚部の図示を省略する)が配置される。上型19と下型21とは、図示しない開閉装置により開閉される。
(湯口スリーブ5)
湯口スリーブ5は、上型19に垂直に形成され、円筒形状を有し、内部に成形材が供給される。この湯口スリーブ5には、図示しない機械シリンダ装置のピストン部33が嵌合して圧入され、よって成形材を高圧で成形部分に注入できる。
湯口スリーブ5の底部に接して分流子7が設けられる。分流子7は回転柱状で、分流子7の上端は湯口スリーブ5の下端に嵌合して接触し、両者は同軸に配置される。この軸周りに、回転可能な状態で、接触が行われている。分流子7のこの接触面の一部には、母線方向に溝が切られ、分流子ランナー9を形成する。この分流子ランナー9は、上流側が湯口スリーブ5の底部に連通し、下流側が、金型1の上型19と下型21との間に形成される型ランナー25に連通する位置に設けられる。分流子7の回動により、分流子ランナー9と型ランナー25の連通はON/OFFされる。分流子ランナー9に連通する型ランナー25は、製品部3のもっとも適した所定箇所と連通する。
(回動機構11)
図2に示すように、回動機構11は、回転柱状の分流子7の周囲に形成されたピニオンギヤ53と、このピニオンギヤ53に噛み合うラックギヤ55と、このラックギヤ55を駆動するシリンダ装置57と、により構成される。
この実施形態において成形材の主成分は、亜鉛、アルミニュウム、マグネシュウム、又はこれらの混合物などが用いられる。これらの成形材を用いる鋳造(コールドチャンバー鋳造によるものを含む)は、ダイカストなどと呼ばれる。また、離型剤の主成分は、シリコーン、エステル、アルファーオレフィン、又はこれらの混合物などが用いられる。
下型21には、離型が困難になりやすい複数箇所にエジェクターピン17が設けられる。成形後に、これらエジェクターピン17が、金型1の内部に形成される製品部3へ突出することで、成形された製品を離型させる。エジェクターピン17は、この突出位置、及び、後退し戻って金型内壁面と先端部が同一面となる戻り位置を取りうる。
突出と後退の動作を行うためにエジェクターピン17、59の後端は、エジェクタープレートと称される板材69によって支えられる。製品部3の形状により、エジェクターピン17、59の軸方向の位置は調整されなければならないので、複数枚の板厚の異なる板材69が層状に重ねられて用いられる。最下層の板材の左右の端部には傾斜部71が形成される。この傾斜部71に接する楔材73が、エジェクターピン17、59と直行方向へシリンダ装置75により往復動させられる。これにより、エジェクターピン17、59の突出と後退が可能になる。
以下、この実施形態に係るシステムの主な動作手順を説明する。
1 図示しない溶湯鋳造機からの溶融した成形材が、閉じた状態の金型1の湯口スリーブ5に供給される。
3 製品部3の成形材には、オーバーフロー部27、チルベント29を経て、図示しない真空ポンプの吸引口から負圧が伝えられ、この負圧により成形材が製品部3に行き渡る。
5 成形材への加圧が終わり、製品が固化すると、金型1が開かれ、エジェクターピン17が、金型1の内部に形成される製品部3へ突出することで、成形された製品を離型させる。製品が取り出される。
7 分流子7が回転し、第2分流子ランナー15が離型剤通路13と型ランナー25に連通し、離型剤が金型1の内部に注入される。また、離型剤用エジェクターピン59が後退し、離型剤用エジェクターピン59とピン孔61の間の離型剤供給スペース65を通って、製品部3へ離型剤が注入される。このとき、製品部3には、オーバーフロー部27、チルベント29を経て、図示しない真空ポンプの吸引口から負圧が伝えられ、この負圧により離型剤が製品部3に行き渡る。
9 前記6とは反対方向へ分流子7が回動して戻り、分流子ランナー9が型ランナー25に連通する。
10 成形材の注入で上昇した型の温度が、冷却などに伴い、その後に下降し180度〜220度程度の適温になったのを温度センサー31により確認して、再び、前記1に戻って成形材が供給される。
この実施形態によれば、離型剤の注入時には、ピニオンギヤ53とラックギヤ55を有する回動機構11により回転柱状の分流子7が回動することで、湯口スリーブ5と金型1の製品部3の所定箇所を連通を断ち、かわりに離型剤通路13と金型1の製品部3の所定箇所を連通することができる。よって、金型1内部の製品部3にもっとも成形材が行き渡る位置から離型剤を注入できる。このため、離型剤が金型1内部に行き渡リやすい。
Claims (4)
- 成形をおこなうための金型と、この金型の内部に形成される製品部へ成形材を注入するために開口する湯口スリーブと、この湯口スリーブに供給された前記成形材を加圧するためのシリンダ装置と、前記湯口スリーブの底部と前記製品部に接し前記加圧された成形材を前記製品部の所定箇所へ導く分流子と、前記成形材が導かれるために前記分流子内部に形成され前記湯口スリーブと前記製品部の所定箇所を連通する分流子ランナーと、を有する鋳造型において、
回転柱状の前記分流子と、前記湯口スリーブと前記製品部に接したまま摺動し回動させ前記連通を断つ回動機構と、前記分流子に接して設けられ加圧された離型剤を導く離型剤通路と、前記回動がなされた回動位置で前記離型剤通路と前記製品部の所定箇所を連通して前記分流子に形成される第2分流子ランナーと、を有することを特徴とする鋳造型の密閉式離型剤塗布システム。 - 前記回動機構は、前記回転柱状の分流子の周囲に形成されたピニオンギヤと、このピニオンギヤに噛み合うラックギヤと、このラックギヤを駆動するシリンダ装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の鋳造型の密閉式離型剤塗布システム。
- 前記回転柱状の分流子の周囲で、前記金型と接する部分に形成されたリング状のエアランナーと、このエアランナーに連通して設けられ加圧されたエアを導くエア通路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の鋳造型の密閉式離型剤塗布システム。
- 成形をおこなうための金型と、この金型の内部に形成される製品部へ突出することで成形された製品を離型させる突出位置、この突出位置から戻った戻り位置、及び、戻り位置から後退した後退位置を取りうるエジェクターピンと、前記エジェクターピンが収納されるピン孔の内壁に形成され、前記後退位置にあるエジェクターピンとピン孔の間を通って前記製品部へ離型剤を供給するための離型剤供給スペースと、この離型剤供給スペースに接続し離型剤を供給する第2離型剤供給路と、前記突出と前記後退の動作を行うために前記エジェクターピンの後端を支える板材と、この板材の端部に形成された傾斜部に接する楔材と、この楔材を前記エジェクターピンと直行方向へ往復動させうるシリンダ装置と、を有することを特徴とする鋳造型の密閉式離型剤塗布システム。
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