JP4234367B2 - パチンコ遊技機用データ表示システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定入賞口へのパチンコ玉の入賞を条件に行われる抽選動作の結果に応じて入賞率を高めた特賞状態を呈するパチンコ遊技機用のデータ表示システムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、デジパチと呼ばれるパチンコ遊技機が数多く提供されている。この種のパチンコ遊技機は、一般的には、特定入賞口へのパチンコ玉の入賞、つまりスタート入賞に応じて抽選動作を行い、その抽選結果を、数字や図柄を組み合わせたルーレットを所定時間動作させた後に表示する構成となっており、ルーレットの動作停止に伴い表示された抽選結果が大当たりであったときには、電気役物を動作させて入賞率を極端に高めた特賞状態を呈するようになっている。また、このようなパチンコ遊技機では、ルーレットの動作期間中にスタート入賞が発生したときには、これに伴う抽選結果を示す保留玉情報を所定の上限数(現状では「4」)まで順次記憶して蓄積し、ルーレットの動作が停止したところでルーレットを再動作させて蓄積された保留玉情報に対応した抽選結果を表示すると共に、その保留玉情報を消去する構成が一般的になっており、これにより遊技に対する興趣の向上を図るようにしている。
【0003】
この種のパチンコ遊技機においては、保留玉情報の蓄積数である所謂保留玉数の上限が「4」に制限されてきたが、近年では、このような制限を撤廃し、保留玉数の上限を拡大或いは撤廃することが提案されている。
このような提案が実現された場合、理論上において保留玉数(保留玉情報の蓄積数)は際限なく増えるように考えられるが、実際には、パチンコ遊技機の機種毎の特性や釘調整状態などによって自ずと限界が存在し、特に釘調整次第で保留玉数の増加度合が異なってくるものである。従って、遊技客にとっては、保留玉数の増加度合を知ることが遊技対象のパチンコ遊技機の遊技特性を知る上で極めて重要なファクターになると考えられるが、現段階では、保留玉数の増加度合をパチンコ遊技機毎に把握可能なシステムは存在していない。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定入賞口へのパチンコ玉の入賞に伴う抽選動作の結果を示す保留玉情報を蓄積する構成とする場合に、その蓄積保留玉情報の増加度合を遊技客側で容易に把握できるようになるパチンコ遊技機用データ表示システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、特定入賞口へのパチンコ玉の入賞に応じて行われる抽選動作の結果を表示する抽選結果表示手段と、この抽選結果表示手段に表示された抽選結果が当たりであったときに電気役物を動作させて入賞率を高めた特賞状態に切り替える遊技制御手段と、前記特定入賞口へのパチンコ玉の入賞が前記抽選結果表示手段の表示動作期間中及び前記特賞状態中に発生した場合に、その入賞に応じた抽選結果を示す情報を保留玉情報として順次蓄積する記憶手段と、この記憶手段に蓄積された保留玉情報の数を表示する保留玉数表示手段と、前記記憶手段に蓄積された保留玉情報により示される抽選結果を、前記表示動作期間及び前記特賞状態の終了後において前記抽選結果表示手段を通じて表示させると共に、この表示が行われた保留玉情報を上記記憶手段から消去する表示動作制御手段とを備え、前記記憶手段に蓄積された保留玉情報の数が所定値以上となったときに、前記抽選結果が当たりとなる確率が低い通常状態から当該確率が高い確率変動状態へ移行し、前記保留玉情報の数が所定値未満となったときに、前記確率変動状態から前記通常状態へ移行するように構成されたパチンコ遊技機のためのデータ表示システムにおいて、
前記特賞状態中において、前記記憶手段に蓄積された保留玉情報の数が最高値を記録する毎に当該最高値を順次更新記憶すると共に、その更新後の記憶値を履歴値表示手段に表示させる表示データ管理手段を設け、前記保留玉数表示手段は、前記通常状態において発生した保留玉と、前記確率変動状態において発生した保留玉とを区別できるように保留玉数を表示する構成としたものである。
【0006】
この構成によれば、パチンコ遊技機においては、特定入賞口へのパチンコ玉の入賞に応じて行われる抽選動作の結果が抽選結果表示手段により表示され、表示された抽選結果が当たりであったときには、遊技制御手段によって電気役物が動作されて入賞率を高めた特賞状態に切り替えられる。このような特定入賞口へのパチンコ玉の入賞発生タイミングが、前記抽選結果表示手段の表示動作期間中及び前記特賞状態中であったときには、その入賞に応じた抽選結果を示す保留玉情報が記憶手段に順次蓄積され、蓄積された保留玉情報の数は、保留玉数表示手段に表示される。そして、上記表示動作期間及び前記特賞状態が終了した後には、表示動作制御手段が、記憶手段に蓄積された保留玉情報により示される抽選結果を、抽選結果表示手段を通じて表示させると共に、この表示が行われた保留玉情報を記憶手段から消去するようになる。
【0007】
この記憶手段に蓄積される保留玉情報の数は、特定入賞口へのパチンコ玉の入賞状況に応じて大小変化するものであり、特に、特賞状態にある期間には確実に増えることになる。この場合、表示データ管理手段は、記憶手段に蓄積された保留玉情報の数が最高値を記録する毎に当該最高値を順次更新記憶すると共に、その更新後の記憶値を履歴値表示手段に表示させるようになる。従って、遊技客側においては、履歴値表示手段の表示内容を目視することによって、蓄積された保留玉情報の増加度合を容易に把握できるようになり、パチンコ遊技機の遊技特性を知る上で極めて有益になる。
【0008】
また、遊技客側においては、通常状態において発生した保留玉と、確率変動状態において発生した保留玉とを容易に区別できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図2にはパチンコ遊技機の正面外観が概略的に示されている。この図2において、パチンコ遊技機1は、その上皿2内のパチンコ玉を電動式の玉発射機構(操作ダイヤルのみ符号3を付して示す)により盤面4へ発射する構成となっている。盤面4には、アウト口5、駆動状態で拡開される電動チューリップ6aを備えたスタート入賞口6(特定入賞口に相当)、大当たり用入賞口7(電気役物に相当)、例えば2個のスルー入賞口8、9が設けられていると共に、図示しない通常入賞口も設けられている。尚、スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞確率は、これに備えられた電動チューリップ6aが駆動停止された閉鎖期間には比較的低い状態となるように調整されており、当該電動チューリップ6aが駆動された開放期間には大幅に高められた状態を呈することになる。
【0013】
盤面4の中央部に設けられた表示装置10は、例えばカラー液晶ディスプレイより成るもので、図3に模式的に示すように、メイン図柄表示エリア11(抽選結果表示手段に相当)、保留玉表示部12aを備えたサブ図柄表示エリア12、保留玉数表示エリア13A(保留玉数表示手段に相当)、第1の補助表示エリア13B(保留玉数表示手段に相当)、第2の補助表示エリア13C(履歴値表示手段に相当)メッセージ表示エリア14が設定されている。
【0014】
この図3において、メイン図柄表示エリア11は、後述するような条件が成立したときに動作開始されるメイン抽選用ルーレットのための数字や絵柄(必要に応じて他の情報)を表示可能に構成されたもので、図3には3桁の数字列を表示する例が示されている。この場合、当該ルーレットの動作時、つまりメイン抽選用表示動作時には、数字列の各桁が0〜9の範囲で設定時間だけ変動され、抽選結果が大当たりであったときには、その変動終了時点で数字列がゾロ目(000、111、……、999の何れか)の大当たり図柄で揃うように制御される。
【0015】
メイン抽選動作の大当たり確率は、パチンコ遊技機1が通常状態にある期間には例えば1/150に設定されているが、後述するような確率変動状態(遊技客側に有利な特別遊技状態に相当)にある期間には、例えば1/50まで高められるものである。
【0016】
また、本実施例では、上記大当たりの態様として、後述するような特典が付与される「スーパー大当たり」と当該特典の付与がない「ノーマル大当たり」との2種類が設定されている。そして、抽選結果が「スーパー大当たり」であったときには、上記メイン抽選用ルーレットは奇数のゾロ目(111、333、……、999)の何れかの大当たり図柄で揃うように制御され、抽選結果が「ノーマル大当たり」であったときには、上記メイン抽選用ルーレットは零を含む偶数のゾロ目(000、222、……、888)の何れかの大当たり図柄で揃うように制御される。
【0017】
上記メイン抽選用表示動作の結果、大当たりとなったときには大当たり用入賞口7が予め決められたモードにて所定期間だけ開放されて入賞率が極端に高められた特賞状態を呈するものである。特に、その特賞状態が「スーパー大当たり」に基づいて発生したものであった場合には、後述するサブ抽選動作の当たり確率を、例えば通常時の1/10から1/2まで高めると共に、電動チューリップ6aの駆動時間(開放時間)を通常時の0.5秒から5秒に延長するという特典付与動作を実行するものである。尚、大当たりが「ノーマル大当たり」であった場合には、このような特典付与動作は実行されない。
【0018】
サブ図柄表示エリア12は、スルー入賞口8、9へのパチンコ玉の入賞に応じて動作開始するサブ抽選用ルーレットのための数字や絵柄を表示するためのもので、図3には2桁の数字列を表示する例が示されている。この場合、当該サブ抽選用ルーレットの動作時、つまりサブ抽選動作のための表示動作時には、数字列の各桁が0〜9の範囲で設定時間だけ変動され、抽選結果が当たりであったときには、その変動終了時点で数字列がゾロ目(00、11、22、……、99)の何れかの当たり図柄で揃うように制御される。そして、サブ抽選動作の結果が当たりであったときには、電動チューリップ6aが所定時間だけ駆動される構成となっている。
【0019】
この場合、電動チューリップ6aの駆動時間は、通常時において0.5秒に設定されており、「スーパー大当たり」による特賞状態が発生したときに5秒に延長されることについては前述した。また、サブ抽選動作の当たり確率は、通常時において1/10に設定されており、「スーパー大当たり」による特賞状態が発生したときに1/2まで高められることについても前述した。尚、サブ図柄表示エリア12内に設けられた保留玉表示部12aは、上記サブ抽選用ルーレットの動作期間中にスルー入賞口8、9に入賞したパチンコ玉数(サブ抽選保留玉数)を例えば最高4個まで表示するためのものである。
【0020】
保留玉数表示エリア13Aは、抽選結果をメイン図柄表示エリア11でのメイン抽選用ルーレットの動作によって表示することが不可能な特定期間、つまり、パチンコ遊技機1が特賞状態にある期間並びにメイン抽選用ルーレットの動作期間中にスタート入賞口6に入賞したパチンコ玉数(メイン抽選保留玉数)を例えば最高100個まで表示するためのものであり、その表示は、ドットを利用してデジタル的に行われる(図3では67個のメイン抽選保留玉数がある状態を示している)。この場合、各ドットは、パチンコ遊技機1が通常状態にある期間に発生した保留玉と確率変動状態にある期間に発生した保留玉とをそれぞれ区別できるように互いに異なる色、具体的には、通常状態にある期間に発生した保留玉は緑色(図3では白丸印)、確率変動状態にある期間に発生した保留玉は赤色(図3ではハッチングを施した丸印)で表示される。
【0021】
第1の補助表示エリア13Bは、現在のメイン抽選保留玉数(保留玉数表示エリア13Aに表示されている値)をデジタル表示するために設けられている。また、第2の補助表示エリア13Cは、遊技に伴うメイン抽選保留玉数の最高到達値を保留玉数最高記録としてデジタル表示するために設けられている。
【0022】
上記メイン抽選保留玉数は、メイン図柄表示エリア11でのメイン抽選用ルーレットによるメイン抽選用表示動作が終了する毎に消化されるものであり、この消化に連動して当該メイン抽選表示動作が再開されると共に、保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示されるメイン抽選保留玉数が1個分だけ減らされることになる。ここで、メイン抽選動作は、スタート入賞口6へパチンコ玉が入賞したタイミングで行われると共に、その抽選結果に応じた態様で上記メイン抽選用ルーレットによるメイン抽選用表示動作が行われる構成となっている。つまり、メイン抽選保留玉数に基づいたメイン抽選表示動作は、その保留玉が発生したタイミングでの抽選結果を示すものである。
【0023】
従って、パチンコ遊技機1が通常状態にある期間に発生した保留玉と確率変動状態にある期間に発生した保留玉とでは、大当たり確率が大きく異なるようになるが(1/150と1/50)、保留玉数表示エリア13Aには、メイン抽選保留玉数の表示が、保留玉毎にその発生タイミングを区別可能な状態で行われるから、遊技客側では、メイン抽選保留玉数に基づいたメイン抽選表示動作が開始された場合に、保留玉数表示エリア13Aでの表示内容に応じて大当たり確率を認識することができる。具体的には、赤色で表示された保留玉に基づいたメイン抽選表示動作が行われた場合には、大当たり確率が通常時の3倍の1/50にあることを認識できるようになり、遊技客側の興趣が高め得るようになる。
【0024】
尚、メッセージ表示エリア14は、「大当たり中!」、「ただいま確変中!」などのメッセージを表示できる構成となっている。但し、表示メッセージ中の「確変」は確率変動状態の略称である。
【0025】
図1にはパチンコ遊技機1の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図1において、スタート入賞検出器15は、スタート入賞口6にパチンコ玉が入賞したときに検知パルスを発生する。スルー検出器16及び17は、スルー入賞口8及び9にそれぞれ対応したもので、対応するスルー入賞口8及び9にパチンコ玉が入賞した各場合に検知パルスを発生する。また、大当たり入賞検出器18は、大当たり用入賞口7にパチンコ玉が入賞する毎に検知パルスを発生し、通常入賞検出器19は、図示しない通常入賞口にパチンコ玉が入賞する毎に検知パルスを発生する。
【0026】
CPU20(遊技制御手段、表示動作制御手段、表示データ管理手段に相当)は、制御プログラムを記憶したROM21及びワーキングエリア用のRAM22(記憶手段に相当)など共にマイクロコンピュータを構成するもので、このCPU20には、スタート入賞検出器15、スルー検出器16及び17、大当たり入賞検出器18、通常入賞検出器19からの各検知パルスが入力回路23を通じて入力される構成となっている。また、CPU20は、スタート入賞口6に設けられた電動チューリップ6aを駆動するための電動チューリップ用ソレノイド24、大当たり用入賞口7を駆動するための大当たり用入賞口ソレノイド25、及びパチンコ遊技機1に設けられた各種ランプ類26の動作を出力回路27を通じて制御する構成となっている。さらに、CPU20は、表示装置10の表示内容の制御を表示制御基板28を通じて行うと共に、パチンコ遊技機1に設けられたスピーカ29を通じた報知動作の制御を音声制御基板30及びアンプ31を通じて行う構成となっている。尚、CPU20に対しては、リセット回路32が一定周期でリセット信号を出力して初期化を行い、ノイズなどによる誤動作を防止している。
【0027】
図5〜図10には、CPU20による制御内容のうち本発明の要旨に関連した抽選機能部分の内容が示されており、以下これらについて説明する。
抽選機能部分の全体の制御内容を示す図5において、CPU20は、抽選機能を働かせるために、スルー入賞処理ルーチンA1、スタート入賞処理ルーチンA2、サブ図柄変動処理ルーチンA3、メイン図柄変動処理ルーチンA4、大当たり処理ルーチンA5を順次実行する構成となっている。
【0028】
図6にはスルー入賞処理ルーチンA1の内容が示されている。この処理ルーチンA1においては、スルー入賞(パチンコ玉がスルー入賞口8、9の何れかを通過した状態)の有無をスルー検出器16、17からの検知パルスに基づいて判断し(ステップB1)、スルー入賞がない状態ではそのままリターンする。これに対して、スルー入賞があった場合には、サブ保留カウンタの計数値が「4」であるか否かを判断する(ステップB2)。
【0029】
上記サブ保留カウンタは、サブ図柄表示エリア12でのサブ抽選用ルーレットの動作期間中にスルー入賞があった場合に、その入賞パチンコ玉数(サブ抽選保留玉数)を最大で4個まで計数するためのものである。このサブ保留カウンタの計数値が「4」であった場合、つまりサブ抽選保留玉数が4個の状態で新たにスルー入賞があった場合には、そのままリターンする。これに対して、サブ保留カウンタの計数値が「4」未満であった場合には、サブ抽選動作を予め記憶しているサブ抽選テーブルを使用して行う(ステップB3)。次いで、サブ抽選動作の結果(当たり、外れ)に応じてサブ図柄表示エリア12に表示するサブ図柄(サブ抽選用ルーレットが停止したときに表示する数字列)の抽選動作を行い(ステップB4)、その抽選により決定されたサブ図柄情報を、例えばRAM22中に設定された表示図柄記憶領域に記憶する(ステップB5)。この後には、サブ保留カウンタの計数値を「1」だけインクリメントするステップB6、保留玉表示部12aに表示するサブ抽選保留玉数を新たな計数値に変更するステップB7を順次実行した後にリターンする。
【0030】
要するに、保留玉表示部12aに表示されているサブ抽選保留玉数が「4」未満の状態においては、スルー入賞口8或いは9にパチンコ玉が入賞(通過)する毎にサブ抽選動作が行われて、その抽選結果に応じたサブ図柄情報が表示図柄記憶領域に記憶されると共に、保留玉表示部12aに対するサブ抽選保留玉数の表示値が「1」だけインクリメントされるものである。尚、サブ図柄情報の最大記憶数は「4」である。また、保留玉表示部12aに表示されているサブ抽選保留玉数が「4」の状態でスルー入賞口8或いは9にパチンコ玉が入賞したときには、その入賞に伴うサブ抽選動作の権利が無効化されるものである。
【0031】
図7にはサブ図柄変動処理ルーチンA3の内容が示されている。この処理ルーチンA3においては、まず、サブ保留カウンタの計数値(つまり、サブ抽選保留玉数)が「1」以上であるか否かを判断する(ステップC1)。その計数値が「0」の場合にはそのままリターンするが、「1」以上の場合には、表示図柄記憶領域に記憶されているサブ図柄情報を読み込むステップC2、サブ保留カウンタの計数値を「1」だけデクリメントするステップC3、保留玉表示部12aに表示するサブ抽選保留玉数を新たな計数値に変更するステップC4を順次実行した後に、図柄変動処理ステップC5を実行する。このステップC5では、サブ抽選用ルーレットの動作(サブ図柄表示エリア12に表示するサブ図柄を変動させる動作)を所定時間だけ行った後に、当該サブ抽選用ルーレットの動作停止に応じてサブ図柄表示エリア12にステップC2で読み込んだサブ図柄情報を表示させ、さらに、当該サブ図柄情報を表示図柄記憶領域から消去する。
【0032】
このような図柄変動処理ステップC5の実行に応じたサブ抽選用ルーレットの変動が停止したときには、停止図柄が当たり図柄(00、11、22、……、99のようなゾロ目)と一致するか否かを判断する(ステップC6)。そして、停止図柄が当たり図柄と一致しない場合にはそのままリターンするが、一致する場合には、スーパー大当たりフラグが「1」であるか否かを判断する(ステップC7)。尚、このスーパー大当たりフラグは、後述の説明により明らかとなるように、メイン抽選動作の結果が「大当たり」であった場合において、その大当たり図柄が(111、333、……、999のような奇数のゾロ目)であった状態時に「1」にセットされるものである。
【0033】
スーパー大当たりフラグが「1」の場合には、電動チューリップ用ソレノイド24を駆動して電動チューリップ6aを5秒だけ開放させる動作を開始させ(ステップC8)、この後にリターンする。また、スーパー大当たりフラグが「0」の場合には、電動チューリップ用ソレノイド24を駆動して電動チューリップ6aを0.5秒だけ開放させる動作を開始させ(ステップC9)、この後にリターンする。
【0034】
要するに、サブ保留カウンタの計数値が「1」以上ある状態、つまり、前記スルー入賞処理ルーチンA1でのサブ抽選動作の結果に応じたサブ図柄情報がRAM22に設定された表示図柄記憶領域に記憶されている状態では、サブ図柄表示エリア12に表示中のサブ図柄を変動させることによりサブ抽選用ルーレットを動作させる。そして、サブ抽選の結果が「当たり」であった場合(上記サブ図柄情報が当たり図柄に対応するものであった場合)には、電動チューリップ6aを所定時間だけ開放することにより、スタート入賞口6への入賞確率を高めた状態に維持する。このときの電動チューリップ6aの開放時間は、スーパー大当たりフラグが「1」の期間には5秒に設定され、当該フラグが「0」の期間には0.5秒に設定される。また、上記のようにサブ抽選用ルーレットを動作させたときには、サブ保留カウンタの計数値、つまり保留玉表示部12aに表示するサブ抽選保留玉数を「1」だけ減らすという処理が行われる。
【0035】
図8にはスタート入賞処理ルーチンA2の内容が示されている。この処理ルーチンA2においては、スタート入賞(スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞)の有無をスタート入賞検出器15からの検知パルスに基づいて判断し(ステップD1)、スタート入賞がない状態ではそのままリターンする。これに対して、スタート入賞があった場合には、メイン保留カウンタの計数値が予め設定された限度値である例えば「100」であるか否かを判断する(ステップD2)。尚、スタート入賞があったときには、所定個数のパチンコ玉が上皿2へ放出される構成となっている。
【0036】
上記メイン保留カウンタは、メイン図柄表示エリア11でのメイン抽選用ルーレットの動作期間中にスタート入賞があった場合に、その入賞パチンコ玉数(メイン抽選保留玉数)を最大で「100」まで計数するためのものであり、その計数値は、保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに前述したメイン抽選保留玉数として表示される。このメイン保留カウンタの計数値が「100」であった場合、つまりメイン抽選保留玉が100個の状態で新たにスタート入賞があった場合には、そのままリターンする。
【0037】
これに対して、メイン保留カウンタの計数値が「100」未満であった場合には、確変フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップD3)。尚、この確変フラグは、メイン抽選動作の大当たり確率を設定するためのもので、この実施例では、後述の説明により明らかとなるように、メイン抽選保留玉数が例えば「10」まで増えたときに初めて「1」にセットされるものである。
【0038】
確変フラグが「0」であった場合には、低確率メイン抽選動作を予め記憶している通常状態用メイン抽選テーブルを使用して行い(ステップD4)、この後に表示色フラグを「0」に設定する(ステップD5)。尚、上記通常状態用メイン抽選テーブルは、大当たり確率が1/150に設定されたものである。
【0039】
一方、大当たりフラグが「1」であった場合には、高確率メイン抽選動作を予め記憶している確率変動状態用メイン抽選テーブルを使用して行う(ステップD6)。尚、上記確率変動状態用メイン抽選テーブルは、大当たり確率が1/50に設定されたものである。そして、ステップD6でのメイン抽選動作の実行後には、表示色フラグを「1」に設定するステップD7が実行される。
【0040】
上記のような表示色フラグ設定ステップD5及びD7の実行後には、低確率メインン抽選動作及び高確率メイン抽選動作の結果(大当たり、外れ)に応じてメイン図柄表示エリア11に表示するメイン図柄(メイン抽選用ルーレットが停止したときに表示する数字列)の抽選動作を行い(ステップD8)、その抽選結果を示すためのメイン図柄情報を、RAM22中に設定された表示図柄記憶領域に保留玉情報として記憶して蓄積する(ステップD9)。
【0041】
ここで、上記抽選結果が大当たりであった場合には、メイン抽選用ルーレットを停止させる前の段階で、複数パターン用意されたリーチ表示動作(抽選結果が大当たりになる可能性が高いことを告知するための表示動作)の何れかを必ず行うものであり、図柄抽選ステップD8では、このリーチ表示動作のための表示パターンの選択動作(例えば抽選)が同時に行われて、その選択結果に応じたリーチ表示パターン情報がメイン図柄情報を示す保留玉情報に付随した状態で蓄積される。また、抽選結果が外れであった場合にも、その抽選結果をメイン抽選用ルーレットで表示する際に、ランダムな割合でリーチ表示動作が行われる。このため、図柄抽選ステップD8では、抽選結果が外れであったときに、その抽選結果の表示に先立ってリーチ表示動作を行うか否かを所定確率で決定すると共に、リーチ表示動作を行うことを決定した場合に当該リーチ表示動作のための表示パターンの選択動作(例えば抽選)を行い、その選択結果に応じたリーチ表示パターン情報が保留玉情報に付随した状態で蓄積される。
尚、保留玉情報により示されるメイン図柄情報及びこれに付随するリーチ表示パターン情報は、表示対象のメイン図柄やリーチ表示パターンの種類を示すコード化情報とするなど、任意の形態で設定できるものである。
【0042】
この後には、メイン保留カウンタの計数値を「1」だけインクリメントするステップD10を実行した後に、メイン保留カウンタの計数値が「1」であるか否かを判断する(ステップD11)。尚、上記ステップD9、D10が順次実行された時点では、RAM22中の表示図柄記憶領域中に蓄積された保留玉情報の数とメイン保留カウンタの計数値とが一致することになる。
【0043】
メイン保留カウンタの計数値が「1」であったときには、メイン抽選用ルーレットが動作中か否かを判断し(ステップD12)、動作していない場合にはそのままリターンする。これに対して、メイン保留カウンタの計数値が「2」以上ある場合(ステップD11で「NO」)、並びにその計数値が「1」のときにメイン抽選用ルーレットが動作中であった場合には、表示色フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップD13)。
【0044】
表示色フラグが「1」であった場合には、保留玉数表示エリア13Aに対して、メイン抽選保留玉数を赤色ドットにて1個分だけ追加表示するステップD14を実行する。これに対して表示色フラグが「0」であった場合(ステップD13で「NO」)には、保留玉数表示エリア13Aに対して、メイン抽選保留玉数を緑色ドットにて1個分だけ追加表示するステップD15を実行する。
【0045】
上記ステップD14またはD15の実行後には、第1の補助表示エリア13Bに表示されているメイン抽選保留玉数(デジタル値)の表示をメイン保留カウンタの計数値に応じた値に更新する(ステップD16)。
【0046】
ステップD16の実行後には、大当たりフラグが「1」か否かを判断する(ステップD17)。尚、この大当たりフラグは、後述の説明により明らかとなるようにメイン抽選動作の結果が「大当たり」であった場合(パチンコ遊技機1が特賞状態になった場合)に「1」にセットされるものである。大当たりフラグが「0」の場合には後述するステップD20へ移行するが、「1」の場合には、メイン保留カウンタの計数値(メイン抽選保留玉数:保留玉情報の蓄積値に相当)がそれまでの最高値(最高到達値)を更新したか否かを判断する(ステップD18)。その計数値が最高値を更新していない場合にはステップD20へ移行するが、更新された場合には、その最高値をRAM22中に順次更新記憶すると共に、第2の補助表示エリア13Cの保留玉数最高記録(デジタル値)の表示をメイン保留カウンタの計数値に応じた値に更新し(ステップD19)、この後にステップD20へ移行する。
【0047】
ステップD20では、確変フラグが「0」か否かを判断する。確変フラグが「1」の場合にはそのままリターンするが、「0」の場合には、メイン保留カウンタの計数値が「10」であるか否かを判断する(ステップD21)。その計数値が「10」でない場合にはそのままリターンするが、「10」であった場合には、確変フラグを「1」にセットするステップD22を実行した後にリターンする。
【0048】
要するに、保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示されているメイン抽選保留玉数が「100」未満の状態においては、スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞(スタート入賞)に応じてメイン抽選動作が行われて、その抽選結果を示すメイン図柄情報がRAM22中の表示図柄記憶領域に保留玉情報として蓄積されると共に、メイン保留カウンタの計数値が「1」だけインクリメントされるようになる。そして、メイン保留カウンタの計数値が「10」まで増えたときには、確変フラグが「1」にセットされて確率変動状態へ移行するものであり、この確率変動状態にある期間において発生したメイン抽選保留玉は、保留玉数表示エリア13Aに赤色ドットにて追加表示され、確変フラグが「0」の状態にある通常期間において発生したメイン抽選保留玉は、保留玉数表示エリア13Aに緑色ドットにて追加表示されるようになる。ここで、この実施例では、メイン保留カウンタの計数値(つまり、メイン抽選保留玉数)が「10」に到達したときに確率変動状態へ移行する構成としたが、確率変動状態へ移行する条件は、これに限られるものではなく、例えば、大当たり図柄の種類に基づいて決定する構成など、種々の形態が考えられる。尚、保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示されているメイン抽選保留玉数が「100」の状態でスタート入賞口6にパチンコ玉が入賞したときには、その入賞に伴うメイン抽選動作の権利が無効化されるものである。
【0049】
また、大当たりフラグが「1」の場合、つまりパチンコ遊技機1が特賞状態となった場合には、その特賞期間におけるメイン保留カウンタの計数値がそれまでの最高値を更新した場合に、その最高値が順次更新記憶されると共に、第2の補助表示エリア13Cに保留玉数最高記録(デジタル値)として表示されるものである。
【0050】
図9にはメイン図柄変動処理ルーチンA4の内容が示されている。この処理ルーチンA4においては、まず、大当たりフラグ(スーパー大当たりフラグ若しくはノーマル大当たりフラグ)が「1」であるか否かを判断する(ステップE1)。大当たりフラグが「1」の場合にはそのままリターンするが、「0」の場合には、メイン保留カウンタの計数値(つまり、メイン抽選保留玉数)が「1」以上であるか否かを判断する(ステップE2)。その計数値が「0」の場合にはそのままリターンするが、「1」以上の場合には、RAM22表示図柄記憶領域に蓄積されている保留玉情報に対応したメイン図柄情報を読み込むステップE3、メイン保留カウンタの計数値を「1」だけデクリメントするステップE4を順次実行した後に確変フラグが「1」か否かを判断する(ステップE5)。
【0051】
確変フラグが「1」の場合にはメイン保留カウンタの計数値が「10」未満か否かを判断し(ステップE6)、「10」未満の場合には、確変フラグを「0」にリセットするステップE7を実行した後に、保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示するメイン抽選保留玉数を新たな計数値に変更するためのステップE8へ移行する。尚、確変フラグが「0」であった場合(ステップE5で「NO」)には、ステップE6及びE7をジャンプして表示更新ステップE8へ移行し、メイン保留カウンタの計数値が「10」以上であった場合(ステップE6で「NO」)には、ステップE7をジャンプして表示更新ステップE8へ移行する。
【0052】
表示更新ステップE8の実行後には、メイン保留カウンタの計数値が「20」未満か否かを判断し(ステップE9)、「20」未満の場合には、図柄変動処理ステップE13へ移行する。これに対して、メイン保留カウンタの計数値が「20」以上ある場合(ステップE9で「NO」)には、図4に示すように、表示装置10のメッセージ表示エリア14に対して「ただいま高速消化中!」の表示を行い(ステップE10)、この後に、ステップE3で読み込んだメイン図柄情報がリーチ表示を伴うものであるか否か、つまり、当該メイン図柄情報に対応する保留玉情報にリーチ表示パターン情報が付随しているか否かを判断する(ステップE11)。メイン図柄情報がリーチ表示を伴うものであった場合には、図柄変動処理ステップE13へ移行するが、リーチ表示を伴うものでなかった場合には、図4に示すように、メイン図柄表示エリア11に対して「ハズレ」の表示を行い(ステップE12)、この後に図柄変動処理ステップE13へ移行する。
【0053】
図柄変動処理ステップE13では、メイン抽選用ルーレットの動作(メイン図柄表示エリア11に表示するメイン図柄を変動させる動作)を所定時間だけ行った後に、当該メイン抽選用ルーレットの動作停止に応じて、ステップE3で読み込んだメイン図柄情報をメイン図柄表示エリア11に表示させ、さらに、当該メイン図柄情報に対応した保留玉情報を表示図柄記憶領域から消去する。尚、このルーチンE13では、上記保留玉情報にリーチ表示パターン情報が付随していた場合には、その情報に応じたパターンのリーチ表示動作も行う。
【0054】
このような図柄変動処理ステップE13の実行に応じたメイン抽選用ルーレットの変動が停止したときには、停止図柄がスーパー大当たり図柄(111、333、……、999のような奇数のゾロ目)と一致するか否かを判断する(ステップE14)。さらに、停止図柄がスーパー大当たり当たり図柄と一致しない場合には、その停止図柄がノーマル大当たり図柄(000、222、……、888のような偶数のゾロ目)と一致するか否かを判断する(ステップE15)。そして、停止図柄がスーパー大当たり図柄及びノーマル大当たり図柄の何れとも一致しない場合にはそのままリターンする。
【0055】
停止図柄がスーパー大当たり図柄と一致する場合には、スーパー大当たりフラグを「1」にセットするステップE16、メッセージ表示エリア14にパチンコ遊技機1がスーパー大当たり状態にあることを示すスーパー大当たりメッセージ(例えば「スーパー大当たり中!」)を表示するステップE17を順次実行した後にリターンする。また、停止図柄がノーマル大当たり図柄と一致する場合には、ノーマル大当たりフラグを「1」にセットするステップE18、メッセージ表示エリア14にパチンコ遊技機1がノーマル大当たり状態にあることを示すノーマル大当たりメッセージ(例えば「大当たり中!」)を表示するステップE19を実行した後にリターンする。
【0056】
要するに、パチンコ遊技機1が特賞状態にない期間(スーパー大当たりフラグ及びノーマル大当たりフラグが「0」の期間)において、保留玉数表示エリア13Aでのメイン抽選保留玉数の表示値(メイン保留カウンタの計数値)が「1」以上あるときには、抽選結果を示すメイン図柄情報を読み込むと共に、メイン図柄表示エリア11に表示中のメイン図柄を変動させることによりメイン抽選用ルーレットを動作開始させ、そのルーレットの停止図柄が上記メイン図柄情報に対応したものとなるように制御される。このようにメイン抽選用ルーレットが動作開始される前には、上記メイン抽選保留玉数の表示値(保留玉数表示エリア13A並びに第1の補助表示エリア13Bでの表示値)が「1」だけ減少され、確変フラグが「1」の状態にあった場合において、減少された後の表示値が「10」未満になったときには、当該確変フラグが「0」にリセットされる。また、抽選結果が「スーパー大当たり」であったときにはスーパー大当たりフラグが「1」にセットされ、抽選結果が「ノーマル大当たり」であったときにはノーマル大当たりフラグが「1」にセットされる。
【0057】
さらに、メイン抽選保留玉数が「20」以上になった状態(このような状態は特賞状態が終了したときに発生する可能性が高い)には、RAM22中の表示図柄記憶領域に蓄積されている保留玉情報により示される抽選結果が外れであった場合に、所定時間を要するメイン抽選用ルーレットの表示動作を禁止してその抽選結果のみを表示すると同時に、当該保留玉情報を表示図柄記憶領域から消去し且つメイン抽選保留玉数を減少させるという保留玉消化動作が行われ、この保留玉消化動作は、メイン抽選保留玉数が「19」になるまで行われる。但し、保留玉情報にリーチ表示パターン情報が付随している場合には、その情報に対応したリーチ表示動作が実行される。
【0058】
図10には大当たり処理ルーチンA5の内容が示されている。この処理ルーチンA5においては、まず、大当たりフラグ(スーパー大当たりフラグ若しくはノーマル大当たりフラグ)が「1」であるか否かを判断する(ステップF1)。大当たりフラグが「0」の場合にはそのままリターンするが、「1」の場合には、大当たり用入賞口ソレノイド25を所定モードで動作させることにより、大当たり用入賞口7を、例えば20秒経過するか若しくはパチンコ玉が10個入賞するまで継続的に開放させる(ステップF2)。これにより、パチンコ遊技機1の入賞率が大幅に高められた特賞状態となる。
【0059】
上記ステップF2の実行後には、大当たり用入賞口7の開放回数を計数するための開放カウンタ(初期値は「0」)を「1」だけインクリメントし(ステップF3)、この後に当該開放カウンタの計数値が「10」か否かを判断する(ステップF4)。開放カウンタの計数値が「10」未満のときにはそのままリターンするが、「10」になったときには大当たりフラグ(スーパー大当たりフラグ或いはノーマル大当たりフラグ)を「0」にリセットするステップF5、特賞終了フラグを「1」にセットするステップF6、開放カウンタの計数値をリセットするステップF7を順次実行した後にリターンする。
【0060】
要するに、大当たりフラグ(スーパー大当たりフラグ或いはノーマル大当たりフラグ)が「1」にセットされた状態(メイン抽選動作により大当たりが発生した状態)では、大当たり用入賞口7の所定モードでの開放動作が10回だけ行われて、パチンコ遊技機1の入賞率が大幅に高められた特賞状態となる。特賞状態が終了したときには大当たりフラグが「0」にリセットされると共に、特賞終了フラグが「1」にセットされる。
【0061】
ここで、上述した各処理ルーチンA1〜A6が実行された場合の主な動作内容をまとめると下記のようになる。
(1)初期状態では、確変フラグ、スーパー及びノーマルの各大当たりフラグは「0」である。
【0062】
(2)スタート入賞口6へパチンコ玉が入賞したときには、メイン抽選保留玉数(メイン保留カウンタの計数値)が「100」未満であることを前提にメイン抽選動作が行われる共に、抽選結果を示すためのメイン図柄情報が保留玉情報として逐次蓄積される。このとき、抽選結果がリーチ表示を伴うものであった場合には、その表示パターンを決めるリーチ表示パターン情報が保留玉情報に付随した状態で蓄積される。
【0063】
(3)特定期間、つまりパチンコ遊技機1が特賞状態にある期間並びにメイン図柄表示エリア11でメイン抽選用ルーレットが動作されている期間においてスタート入賞口6へパチンコ玉が入賞したときには、その入賞数が前記保留玉情報の蓄積数に対応したメイン抽選保留玉数として最大で「100」まで保持されると共に、保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示される。このとき、保留玉数表示エリア13Aでは、確率変動状態にある期間において発生したメイン抽選保留玉は赤色ドットにて表示され、これ以外の通常期間において発生したメイン抽選保留玉は緑色ドットにて表示されるようになる。
【0064】
(4)上記メイン抽選保留玉数(保留玉情報の蓄積数でもある)が「10」以上に増えた期間には確変フラグが「1」にセットされ、これに応じてメイン抽選動作での大当たり確率が通常期間の1/150から1/50までに高められた確率変動状態へ自動的に移行する。このような確率変動状態は、その後にメイン抽選保留玉数が「9」以下になって確変フラグが「0」にリセットされるまで維持される
(5)パチンコ遊技機1が特賞状態にない通常状態時においては、表示図柄記憶領域に蓄積されている保留玉情報に対応したメイン抽選用ルーレットの動作、つまりメイン抽選動作の結果を表示するためのメイン抽選用表示動作が行われる、メイン抽選保留玉数が「1」だけ減らされると共に、対応する保留玉情報が消去される。尚、これに伴いメイン抽選保留玉数が「9」以下になった時点で確変フラグが「1」であったときには、その確変フラグが「0」にリセットされる。
【0065】
(6)特定期間(パチンコ遊技機1が特賞状態にある期間並びにメイン図柄表示エリア11でメイン抽選用ルーレットが動作されている期間)が終了した状態の通常期間中において、メイン抽選保留玉数が予め設定された上限値である「20」以上ある状態(この状態は特賞状態が終了した時点などに起こり得る)となったときには、蓄積されている保留玉情報により示される抽選結果が外れであった場合に、所定時間を要するメイン抽選用ルーレットの表示動作を禁止してその抽選結果のみを図4に示すような形態で表示すると同時に、当該保留玉情報を表示図柄記憶領域から消去するという保留玉消化動作が行われ、この保留玉消化動作は、メイン抽選保留玉数が予め設定された下限値である「19」になるまで行われる。但し、保留玉情報にリーチ表示パターン情報が付随している場合には、その情報に対応したリーチ表示動作が実行される。
【0066】
(7)メイン抽選用ルーレットが動作停止したときの表示図柄がスーパー大当たり図柄と一致するとき(「スーパー大当たり」が発生したとき)には、スーパー大当たりフラグが「1」にセットされ、メイン抽選用ルーレットが動作停止したときの表示図柄がノーマル大当たり図柄と一致するとき(「ノーマル大当たり」が発生したとき)には、ノーマル大当たりフラグが「1」にセットされる。また、このようにスーパー大当たりフラグ若しくはノーマル大当たりフラグが「1」になったときには、大当たり用入賞口7の開放動作が開始され、以てパチンコ遊技機1が入賞率を大幅に高めた特賞状態を呈する。また、大当たり用入賞口7の開放動作が10回行われた後には、上記大当たりフラグが「0」にリセットされ特賞状態が終了する。
【0067】
(8)スルー入賞口8或いは9をパチンコ玉が通過したときには、サブ図柄表示エリア12でのサブ抽選用ルーレットの動作、つまりサブ抽選動作が開始される。その抽選結果が当たりであった場合には、電動チューリップ6aが開放されてスタート入賞口6への入賞確率が高められる。このとき、電動チューリップ6aの開放時間は通常状態にある期間に0.5秒に制御されるが、スーパー大当たりフラグが「1」の期間、つまり、「スーパー大当たり」の発生(請求項4の発明でいう「予め設定された条件」に相当)の元に特賞状態へ移行したときには、その開放時間が5秒となるように制御される。
【0068】
(9)サブ抽選用ルーレットの動作状態でスルー入賞口8或いは9をパチンコ玉が通過したときには、その入賞数がサブ抽選保留玉数として最大で「4」まで保持されると共に、保留玉表示部12aに表示され、そのサブ抽選保留玉数に相当した回数だけサブ抽選用ルーレットの動作が行われる。
【0069】
(10)パチンコ遊技機1の特賞期間におけるメイン保留カウンタの計数値(保留玉情報の蓄積数に相当)がそれまでの最高値を更新した場合に、その最高値が順次更新記憶されると共に、第2の補助表示エリア13Cに保留玉数最高記録(デジタル値)として表示される。
【0070】
従って、上記した本実施例の構成によれば、以下に述べるような作用・効果を奏することができる。
即ち、本実施例によるパチンコ遊技機1によれば、スタート入賞口6へパチンコ玉が入賞するのに応じて抽選動作が行われ、その抽選結果が、メイン抽選用ルーレットの動作によって表示される。そして、当該ルーレットにより最終的に表示された抽選結果が大当たりであったときには、大当たり用入賞口7の開放動作が開始されて入賞率が高められた特賞状態に切り替えられる。
【0071】
スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞が、上記のような特賞状態にある期間並びにメイン抽選用ルーレットが動作されている期間、つまり、スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞に応じた抽選結果の表示動作を実行することが不可能な特定期間に発生した場合には、その入賞に応じた抽選結果を示すためのメイン図柄情報が、RAM22中の図柄記憶領域に保留玉情報として順次蓄積されると共に、メイン抽選保留玉数として計数され、その計数値が保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示される。この場合、抽選結果が大当たりに対応した保留玉情報には、複数種類の中から選択されたリーチ表示パターン情報が付随した状態とされ、また、抽選結果がハズレに対応した保留玉情報についても、所定の割合でリーチ表示パターン情報が付随した状態とされる。そして、保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示されたメイン抽選保留玉数が「1」以上ある期間には、特賞状態にないことを条件に、メイン抽選用ルーレットが動作されて上述のように蓄積された保留玉情報により示される抽選結果が表示され、これに応じて、表示が行われた保留玉情報が消去されると共に、メイン抽選保留玉数が逐次減少される。
【0072】
また、上記メイン抽選保留玉数及び保留玉情報の蓄積数は、スタート入賞口6へのパチンコ玉の入賞状況に応じて大小変化するものであり、パチンコ遊技機1が特賞状態にある期間には確実に増えることになる。この場合、パチンコ遊技機1が特賞状態にある期間において図柄記憶記領域に蓄積された保留玉情報の数がそれまでの最高値を記録したときには、その最高値が順次更新記憶されると共に、その更新後の記憶値が第2の補助表示エリア13Cに保留玉数最高記録として表示されるようになる。従って、遊技客側においては、その保留玉最高記録の表示内容を目視することによって、パチンコ遊技機1が特賞状態にある期間において増加した蓄積保留玉情報の増加度合を容易に把握できるようになるから、パチンコ遊技機の遊技特性を知る上で極めて有益になる。
【0073】
さらに、上記のようなメイン抽選保留玉数(保留玉情報の数)が、前記特定期間終了後の通常期間において予め設定された上限値である「20」以上となった状態時には、メイン抽選用ルーレットによるメイン抽選用表示動作を禁止して保留玉情報に対応した抽選結果のみを表示させると同時に、このような表示が行われた保留玉情報を消去し且つメイン抽選保留玉数を減少させるという保留玉消化動作を開始するようになり、この保留玉消化動作は、メイン抽選保留玉数が予め設定された下限値である「19」に減少するまで実行される。尚、本実施例においては、上限値として「20」、下限値として「19」が設定された形態となっているが、例えば上限値を「30」、下限値を「4」とするなど、適宜に設定できるものである。
【0074】
つまり、メイン抽選保留玉数の増加と共に蓄積される保留玉情報の数が上限値を越えて増えた場合には、所定時間を要するメイン抽選用表示動作が行われることなく、当該保留玉情報に対応した抽選結果のみが表示されると共に、この表示に応じて保留玉情報の消去が行われるから、蓄積された保留玉情報の消化を短時間で行うことができる。このため、遊技客が保留玉情報の蓄積(メイン抽選保留玉数の増加)に伴って遊技を中断する場合でも、その中断期間を短縮できることになって、従来のように保留玉情報の蓄積に起因して稼働率が低下する事態を未然に防止できるようになる。このような防止効果は、将来的に保留玉情報の蓄積数の上限が拡大或いは撤廃された場合に特に有益となる。
【0075】
また、上述した保留玉消化動作の実行時において、消去対象の保留玉情報にリーチ表示パターン情報が付随している場合、つまりメイン抽選用表示動作が抽選結果が大当たりになる可能性が高いことを告知するためのリーチ表示動作を伴うものであった場合に限り、そのリーチ表示動作が実行される構成となっているから、遊技客側の期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を損なう恐れがなくなる。
【0076】
しかも、本実施例においては、メイン抽選保留玉数が「10」以上ある期間に大当たり確率を高めた確率変動状態へ移行される構成、つまり、特賞状態が終了した後のメイン抽選保留玉数の大小が遊技客側に有利な確率変動状態の継続期間の有無に関与する構成となっている。このため、遊技客側では、メイン抽選保留玉数の増減状態(保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bの表示状態)にも気を配りながら遊技を行うようになるから、パチンコ遊技機1での遊技態様が単調になって遊技に飽きるといった事態を防止できるようになる。この結果、遊技に対する興趣の向上を期待できると共に、適度な射幸性を保つことができる。また、メイン抽選保留玉数は遊技を持続しなければ次第に減少するものであるから、確率変動状態へ一旦移行した後には、遊技を継続することが遊技客側の利益に繋がることになるため、パチンコ遊技機1の設置者側にとっては当該パチンコ遊技機の稼働率の向上を期待できるようになる。
【0077】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
パチンコ遊技機1が特賞状態にある期間においてスタート入賞口6へ入賞したパチンコ玉の数をRAM22に保留玉情報として順次蓄積する構成とし、履歴値表示手段である第2の補助表示エリア13Cには、特賞状態が終了した時点においてRAM22に蓄積されている保留玉情報の数に関するデータを種々の形態で表示する構成としても良い。具体的には、例えば、特賞状態終了時点での蓄積保留玉情報の数を多い順に複数個(ベスト5など)表示したり、当該蓄積保留玉情報の数の最小値を表示したりすることができる。
【0078】
履歴値表示手段として第2の補助表示エリア13Cを表示装置10中に設ける構成としたが、専用の履歴値表示手段を別途に設ける構成としても良い。このような履歴値表示手段は、パチンコ遊技機1と別体であっても良く、また、複数のパチンコ遊技機1毎に一つずつ設ける構成であっても良い(但し、この構成を採用する場合には、複数のパチンコ遊技機1を集中的に管理するデータ管理手段が必要となる)。
【0079】
パチンコ遊技機1が特賞状態にある期間におけるメイン保留カウンタの計数値(保留玉情報の蓄積数に相当)がそれまでの最高値を更新した場合に、その最高値を順次更新記憶すると共に、第2の補助表示エリア13Cに保留玉数最高記録として表示する構成としたが、必ずしも特賞期間中において増加した保留玉数最高記録の表示を行う必要はなく、パチンコ遊技機1での遊技期間の全体を通じたメイン保留カウンタの計数値の最高値を更新記憶し、その最高値を保留玉数最高記録として表示する構成としても良い。
また、特賞状態が終了した時点での蓄積保留玉情報の数についての履歴を、過去数回分(例えば過去5回分)まで遡って表示する構成とすることもできる。
【0080】
保留玉数表示エリア13A及び第1の補助表示エリア13Bに表示するメイン抽選保留玉数の上限値、つまり、メイン抽選用ルーレットについての動作権利回数の蓄積最大値を「100」に設定したが、これに限られるものではなく、無制限であっても良い。また、電動チューリップ6a、スルー入賞口8及び9、サブ図柄表示エリア12、保留玉数表示エリア13Aは必要に応じて設ければ良い。さらに、保留玉数表示エリア13Aは、メイン抽選用ルーレットについての動作権利回数の表示を、ドットを利用してデジタル的に行う構成としたが、棒グラフ、円グラフなどを使用してアナログ的に表示する構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すパチンコ遊技機の電気的構成図
【図2】パチンコ遊技機の概略的な正面図
【図3】表示装置の構成例及び表示例を概略的に示す正面図その1
【図4】表示装置の構成例及び表示例を概略的に示す正面図その2
【図5】制御例の全体を概略的に示すフローチャート
【図6】スルー入賞処理の制御例を示すフローチャート
【図7】サブ図柄変動処理の制御例を示すフローチャート
【図8】スタート入賞処理の制御例を示すフローチャート
【図9】メイン図柄変動処理の制御例を示すフローチャート
【図10】大当たり処理の制御例を示すフローチャート
【符号の説明】
1はパチンコ遊技機、6はスタート入賞口(特定入賞口)、6aは電動チューリップ、7は大当たり用入賞口、8、9はスルー入賞口、10は表示装置、11はメイン図柄表示エリア(抽選結果表示手段)、12はサブ図柄表示エリア、13Aは保留玉数表示エリア(保留玉数表示手段)、13Bは第1の補助表示エリア(保留玉数表示手段)、13Cは第2の補助表示エリア(履歴値表示手段)、20はCPU(遊技制御手段、表示動作制御手段、表示データ管理手段)、22はRAM(記憶手段)を示す。
Claims (1)
- 特定入賞口へのパチンコ玉の入賞に応じて行われる抽選動作の結果を表示する抽選結果表示手段と、
この抽選結果表示手段に表示された抽選結果が当たりであったときに電気役物を動作させて入賞率を高めた特賞状態に切り替える遊技制御手段と、
前記特定入賞口へのパチンコ玉の入賞が前記抽選結果表示手段の表示動作期間中及び前記特賞状態中に発生した場合に、その入賞に応じた抽選結果を示す情報を保留玉情報として順次蓄積する記憶手段と、
この記憶手段に蓄積された保留玉情報の数を表示する保留玉数表示手段と、
前記記憶手段に蓄積された保留玉情報により示される抽選結果を、前記表示動作期間及び前記特賞状態の終了後において前記抽選結果表示手段を通じて表示させると共に、この表示が行われた保留玉情報を上記記憶手段から消去する表示動作制御手段とを備え、
前記記憶手段に蓄積された保留玉情報の数が所定値以上となったときに、前記抽選結果が当たりとなる確率が低い通常状態から当該確率が高い確率変動状態へ移行し、前記保留玉情報の数が所定値未満となったときに、前記確率変動状態から前記通常状態へ移行するように構成されたパチンコ遊技機のためのデータ表示システムにおいて、
前記特賞状態中において、前記記憶手段に蓄積された保留玉情報の数が最高値を記録する毎に当該最高値を順次更新記憶すると共に、その更新後の記憶値を履歴値表示手段に表示させる表示データ管理手段を設け、
前記保留玉数表示手段は、前記通常状態において発生した保留玉と、前記確率変動状態において発生した保留玉とを区別できるように保留玉数を表示することを特徴とするパチンコ遊技機用データ表示システム。
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