JP4234271B2 - 表面実装部品装着機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子部品を保持するための複数からなる保持部材の交換にあって、その交換手段をコンパクトに形成することができる表面実装部品装着機およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品を、装着ヘッドの吸着ノズルによって吸着保持し、表面実装部品装着機の装着部へ装着する該表面実装部品装着機においては、装着する電子部品の種類等に変更を生じた場合には、その都度、前記装着ヘッドに対して前記吸着ノズルを交換しなければならないことがしばしば生ずる。
【0003】
この操作は、前記表面実装部品装着機の適所に、前記電子部品に適合するそれぞれの吸着ノズルを載置した吸着ノズル交換器を設置して、前記した変更が生じた都度、この吸着ノズル交換器へ吸着ヘッドを移動させ、所望の吸着ノズルを該装着ヘッドへ付け替えていた。
【0004】
そのため、この吸着ノズルの交換作業時は、装着ヘッド自体が吸着ノズル交換器へ移動するため、主たる電子部品の装着処理が全く行えないものであるから、装着作業の大きな効率低下を来すものであり、特に、頻繁にこの交換作業を行うときは、該交換に費やす時間が無駄になって、電子部品装着の高速化に対応することができない。等の様々な問題点を有するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した問題点を解決するためになされたもので、装着ヘッドに保持部材が交換自在に複数個設けられていて、この保持部材の交換は、該保持部材に接続させた装着ヘッドにおける主軸の回転運動と、該主軸の昇降運動とにより作動する前記交換手段によって行うことにより、表面実装部品装着機における装着部と供給部とを移動する間に保持部材の交換を終えることができて、主たる電子部品の装着に対するタイムロスを減少させ、全体のタクト時間を短縮させることができる表面実装部品装着機およびその方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、
装着ヘッドに設けた複数からなる保持部材の交換手段において、それらの保持部材の中から選択された1つの保持部材により保持された電子部品を、表面実装部品装着機の装着部に位置決めされた基板へ装着する表面実装部品装着機にあって、
前記交換手段は、前記装着ヘッドへ回転手段および昇降手段により回転および昇降が自在となるように設けた主軸と、この主軸の下端部に取り付けて該主軸と共に回転および昇降が自在となる主体と、この主体へ弾機を介して昇降自在に取り付けた枠体と、この枠体内において前記主体へ前記主軸とは偏心させた取付軸により回転自在に設けて、保持部材の挿嵌孔を環状に多数個穿設した変換体と、該変換体の挿嵌孔へそれぞれ挿入させた前記複数の保持部材と、前記装着ヘッドに取り付けた環状内歯体と、前記変換体に設けて前記主軸の上昇限に達したとき前記環状内歯体の一部に噛合する環状外歯体とを備えさせ、
前記変換体における多数の挿嵌孔に挿入された保持部材は、そのうちの1つの軸芯が、前記主軸の軸芯と一致する表面実装部品装着機の構成にある。
【0009】
【実施例】
次に、本発明に関する表面実装部品装着機およびその方法の実施の一例を図面に基づいて説明する。
図1においてAは表面実装部品装着機で、チップ部品やIC部品等の電子部品bを、該表面実装部品装着機Aの適所に設けた該電子部品bの供給部mから受け取って、装着部nにおける基板c上へ装着するものである。
【0010】
そして、前記した表面実装部品装着機Aは、慣用のコンピュータ等による制御手段1へ入力したあらかじめ定められたプログラムにしたがって、装着部nにおける電子部品bの装着位置等が得られるもので、図1および図2に示すように、X軸およびY軸方向へ任意に移動する装着ヘッド2を備えており、該装着ヘッド2は、Z軸方向へ任意に移動し、かつ、任意のθ角(回転角)が得られる電子部品の保持部材である吸着ノズル3をその主軸4に備えている。
【0011】
なお、供給部mにあっては、図1に示すように、トレイに多数の電子部品bが載置されたものや、所定の位置に多数並べ設けたテープフィーダ等の電子部品供給装置が用いられるものである。
【0012】
そして、表面実装部品装着機Aの構成は、機体5において、進退手段(図示せず)により前後方向(Y軸)へ、また、移動手段(図示せず)により左右方向(X軸)へ任意に移動する可動体6に複数(例えば6ヘッド)の装着ヘッド2を取り付けてあって、この装着ヘッド2へ、保持部材である吸着ノズル3を昇降手段7により昇降自在に取り付けてある。
【0013】
更に、装着ヘッド2の主軸4には、回転手段8により該主軸4の縦軸方向を中心として任意のθ角(回転角)を回転自在としてあるもので、それぞれの駆動のための手段は数値制御可能なサーボモータ等により高精度で作動される。
なお、この主軸4の内部中心部には、吸引源(図示せず)と接続させた吸引通路4aを設けてある。
【0014】
前記した昇降手段7は、保持部材である吸着ノズル3により電子部品bを供給部mから取り出す際や、この吸着ノズル3に吸着保持された電子部品bを装着部nへ装着する際に、主軸4を、すなわち、吸着ノズル3を所定ストロークを持って昇降させるためのものである。
また、前記した回転手段8は、保持部材である吸着ノズル3により吸着保持された電子部品bを、図示しない検出手段による検出信号に基づいて、その吸着姿勢におけるθ角(回転角)を定められた値に補正する際に回転させるためのものである。
【0015】
そして、この保持部材である吸着ノズル3は、装着ヘッド2へ複数個が納められているもので、これら吸着ノズル3は、図3に示すように、電子部品b面に当接するその吸着当接面3aや、主軸4の吸引通路4aと通孔3bとを連通させた吸着容積部等が異なる種類からなる吸着体3cを、本体3dに対して取り付けられているものである。
【0016】
更に、これら吸着ノズル3は、装着ヘッド2に付設した交換手段10により適宜自動交換されるもので、この交換操作は、該吸着ノズル3に接続させた主軸4の回転手段8による回転運動と、該主軸4の昇降手段7による昇降運動とにより作動する。
【0017】
すなわち、この交換手段10は、図4および図5に示すように、主体11と、枠体12と、変換体13と、保持部材である複数個の吸着ノズル3と、環状内歯体14と、環状外歯体15とにより構成される。
【0018】
このうち、主体11は、主軸4の下端部に取り付けて、該主軸4と一体的に、回転手段8による回転および昇降手段7による昇降が自在となる。
【0019】
前記した枠体12は、主体11へ枠体弾機16を介して昇降自在に取り付けてあって、複数個の吸着ノズル3の下面(吸着当接面3a)を支承するもので、断面コの字状に形成してあり、枠体弾機16は、枠体12の上部枠12aと主体11の下側部との間に介在させて、該枠体12を、常時、上方へ付勢させてある。また、下部枠12bには、主軸4の軸芯20に対応する位置に、貫通孔12cを穿設してあって、主軸4の軸芯20に一致した吸着ノズル3の昇降が円滑に行われるようにしてある。
【0020】
前記した変換体13は、枠体12内において主体11へ主軸4とは、図6および図7に示すように、所定の偏心量sを有するように取付軸17により回転自在に設けて、吸着ノズル3の挿嵌孔18を環状に多数個(少なくとも吸着ノズル3と同数)穿設してあって、該変換体13の挿嵌孔18へそれぞれ吸着ノズル3を挿嵌させてある。
【0021】
そして、変換体13における多数の挿嵌孔18に挿嵌された吸着ノズル3は、図7に示すように、そのうちの1つの軸芯19が、主軸4の軸芯20と一致するように設けてある、すなわち、この挿嵌孔18に挿嵌された吸着ノズル3は、変換体13が回転して移動したとき、その各吸着ノズル3の軸芯19の回転軌跡が主軸4の軸芯20を通り、主軸4へ取り付けられるときは、その軸芯19が、主軸4の軸芯20と一致する。
【0022】
また、挿嵌孔18に挿嵌された吸着ノズル3は、その上端部に設けたCリング22を付設しておくことで、該吸着ノズル3のスラストストップ用となり、主体11の下面と変換体13の上面とは、平滑さで気密を保ち、吸着ノズル3と変換体13とは隙間を小さくして気密性を保っている。
【0023】
更に、吸着ノズル3の下側部には、ノズル弾機23を外装してあって、該吸着ノズル3を、常時、下方へ付勢するようにしてあるもので、吸着体3cの鍔部と変換体13の下面とに懸張させてある。
【0024】
前記した環状内歯体14は、装着ヘッド2へ取付部材25により取り付けてあって、後記する環状外歯体15と噛合する。
【0025】
前記した環状外歯体15は、変換体13に設けて昇降手段7によって主軸4がその上昇限に達したとき、図7および図8(c)に示すように、環状内歯体14の一部に噛合するもので、このとき、回転手段8による主軸4の回転が、環状内歯体14および環状外歯体15を介して変換体13に伝達されて、該変換体13へ回転運動を与える。
【0026】
なお、図6において24は、変換体13の挿嵌孔18に挿入された吸着ノズル3の選択された1個が、主軸4の軸芯20に一致したときの位置決めを行うストッパーで、バネ性を有する板材に先鋭部24aを形成して、この先鋭部24aを変換体13の環状外歯体15に係止する。
【0027】
したがって、本発明に係る表面実装部品装着機Aおよびその方法の一実施例の作用は以下の通りである。
【0028】
表面実装部品装着機Aの装着部nには基板cが位置決めされて取り付けられ、また、供給部mの各所には装着に必要な電子部品bが多数用意されている。
この状態で、表面実装部品装着機Aを稼働すると、装着ヘッド2は、あらかじめ定められた制御手段1のプログラムに沿って、XY方向へ移動して供給部mの電子部品bを装着部nへ移送してその装着がなされる。
【0029】
吸着ノズル3は、交換手段10において多数(本実施例にあっては6個)設けられていて、そのうちの1個の吸着ノズル3の軸芯19が、主軸4の軸芯20と一致していて、該主軸4の吸引通路4aにその通孔3bが対応している。
【0030】
更に、この主軸4の軸芯20に対応した吸着ノズル3の下側部は、図4,図5および図8(a)に示すように、枠体12の下部枠12bより突出した状態にある。
そして、他の5個の吸着ノズル3は、枠体12の下部枠12b面にその吸着体3cの下面が当接して枠体12内に納まり、ノズル弾機23に抗して前記1個の吸着ノズル3より上部に位置する。
なお、この5個の吸着ノズル3におけるノズル弾機23の総和のバネ力は、枠体12に設けた枠体弾機16の有するバネ力より弱く設定してある。
【0031】
したがって、装着する電子部品bの変更が生じたときは、円滑で確実な該電子部品bの吸着保持を行うために、装着ヘッド2に対して、この電子部品bの吸着保持に適した吸着当接面3aや、主軸4の吸引通路4aと通孔3bとを連通させた吸着容積部等を有する吸着ノズル3に変更をする必要があるもので、その吸着体3cを、例えば、図3に示すような種類の中から選択する。
【0032】
この吸着ノズル3の交換にあっては、装着ヘッド2が移動中に行うことができるもので、すなわち、該装着ヘッド2が装着部nから供給部mに移動する間に行うことができる。
【0033】
まず、装着ヘッド2における主軸4は、図8(a)に示す状態から、昇降手段7により上昇するもので、その上昇に伴って、枠体12の上部枠12aが、図8(b)に示すように、装着ヘッド2の下側2aへ当接する。
【0034】
この状態から、更に主軸4を上昇させると、これに伴って、主体11が上昇しようとするもので、前記したように枠体12は装着ヘッド2により上昇を規制されるものであるが、枠体12の上部枠12aと主体11の下側部とに懸張した枠体弾機16に抗して、主体11が上昇する。
【0035】
これに伴って、主体11に取り付けた変換体13も上昇するもので、その主軸4の上昇限に達すると、該主軸4の軸芯20と一致している吸着ノズル3が、その吸着体3cの下面が、図8(c)に示すように、枠体12における下部枠12bの上面位置に達する。すなわち、該吸着ノズル3全体が枠体12内に引き込まれ、これにより、すべての吸着ノズル3が枠体12内に納まる。
【0036】
なお、このとき、図6に示すように、吸着ノズル3に外装された圧縮状態にあるノズル弾機23(同図において右側のもの)は、変換体13の上昇に伴って、徐々に緊張が解消され、図8(c)に示すように、該変換体13の上昇限に達したときは、伸びきってその弾性力が解除され、吸着ノズル3を下方へ付勢する力はなくなる。
これにより、6個の吸着ノズル3は、その下部の吸着体3cが下部枠12b面とわずかな隙間を保つことで、変換体13の回転を阻害しない。
【0037】
と、同時に、変換体13に付設した環状外歯体15が、図7に示すように、装着ヘッド2に取り付けた環状内歯体14に噛合するもので、この状態で、回転手段8を作動させると、主軸4の回転に伴って、主体11に取り付けられた変換体13,すなわち、環状外歯体15が環状内歯体14に倣って、取付軸17を中心として旋回する。
環状外歯体15は、ストッパー24により主体11に対して位置決めされているため、環状内歯体14に対する噛合は円滑に行われる。
【0038】
すると、変換体13は6個の吸着ノズル3を収容した状態で旋回するもので、該6個の吸着ノズル3は、前記したように、その下部の吸着体3cが下部枠12b面とわずかな隙間を保ち、あらかじめ入力した情報に基づいて回転手段8の回転制御がなされるから、装着すべき電子部品bの吸着保持に適した吸着ノズル3が選定され、その軸芯19を主軸4の軸芯20に一致する。このとき、ストッパー24により変換体13の回転方向の位置決めが行われる。
【0039】
一方、主軸4の軸芯20に一致した吸着ノズル3は、枠体12における下部枠12bに穿設した貫通孔12cに対応するため、吸着体3cの該下部枠12bによる降下を妨げる規制が解かれる。
【0040】
このとき、昇降手段7により主軸4を降下させれば、主軸4の軸芯20に一致した吸着ノズル3は、枠体12に対して、枠体弾機16による装着ヘッドの下側2aと枠体12の上部枠12aとの当接がなくなるまで下方へ突き出され、図8(a)に示すように、枠体12における下部枠12bより貫通孔12cを介して吸着ノズル3の吸着体3cが突出し、電子部品bの吸着保持および装着が可能となる。
これに伴って、変換体13も降下し、その環状外歯体15は環状内歯体14から噛合が外れるもので、回転手段8を作動させても変換体13の回転運動は起こらない。
【0041】
また、変換体13に挿嵌されている他の5つの吸着ノズル3は、それぞれ吸着ノズル3の吸着当接面3aと枠体12の下部枠12bとは、ノズル弾機23によって当接する。
【0042】
なお、表面実装部品装着機Aにあっては、可動体6に設けられた装着ヘッド2が多ヘッドに、例えば、6連に設けられている場合には、これら6装着ヘッド2ごとに交換手段10を設けることもできるもので、この場合、それぞれの交換手段10に収容する吸着ノズル3の種類を違えて設けることで、最大36種類の吸着ノズル3に対応することができるものであり、これら収容種類数や収容対象種類は、適宜設計されて選定し得るものである。
【0043】
【発明の効果】
前述したように本発明の表面実装部品装着機およびその方法は、保持部材が装着ヘッドに対して交換手段により交換自在に複数個設けられていて、この保持部材の交換にあって、該保持部材に接続させた主軸の回転運動と、該主軸の昇降運動とにより作動する前記交換手段によって行うことにより、表面実装部品装着機において保持部材の交換器を別に設ける必要がなく、また、装着ヘッドの移動中に希望する保持部材の交換が行えるので、この保持部材の交換のためのみに装着作業停止させることがなく、主たる電子部品を装着するタクト時間の短縮化に大きく貢献できる。
【0044】
また、装着ヘッドを複数個設けたときは、このそれぞれの装着ヘッドごとに交換手段を設置することができて、多品種の電子部品の装着に対応できる。等の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する表面実装部品装着方法を採用した表面実装部品装着機の一実施例の概略を示す平面図である。
【図2】図1における装着ヘッド部の要部を示す拡大側面図である。
【図3】図1における吸着ノズルにおける吸着体の各例を示す断面図である。
【図4】図1における交換手段の一例を示す縦断側面図である。
【図5】図4における正面図である。
【図6】図4における交換体部で横断した平面図である。
【図7】図4における環状外歯体と環状内歯体との噛合状態を示す説明図である。
【図8】図1における表面実装部品装着機の作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
A 表面実装部品装着機
b 電子部品
c 基板
n 装着部
2 装着ヘッド
3 保持部材(吸着ノズル)
4 主軸
7 昇降手段
8 回転手段
10 交換手段
11 主体
12 枠体
13 変換体
14 環状内歯体
15 環状外歯体
16 枠体弾機
17 取付軸
18 挿嵌孔
19 保持部材3の軸芯
20 主軸4の軸芯
Claims (1)
- 装着ヘッドに設けた複数からなる保持部材の交換手段において、それらの保持部材の中から選択された1つの保持部材により保持された電子部品を、表面実装部品装着機の装着部に位置決めされた基板へ装着する表面実装部品装着機にあって、
前記交換手段は、前記装着ヘッドへ回転手段および昇降手段により回転および昇降が自在となるように設けた主軸と、この主軸の下端部に取り付けて該主軸と共に回転および昇降が自在となる主体と、この主体へ弾機を介して昇降自在に取り付けた枠体と、この枠体内において前記主体へ前記主軸とは偏心させた取付軸により回転自在に設けて、保持部材の挿嵌孔を環状に多数個穿設した変換体と、該変換体の挿嵌孔へそれぞれ挿入させた前記複数の保持部材と、前記装着ヘッドに取り付けた環状内歯体と、前記変換体に設けて前記主軸の上昇限に達したとき前記環状内歯体の一部に噛合する環状外歯体とを備えさせ、
前記変換体における多数の挿嵌孔に挿入された保持部材は、そのうちの1つの軸芯が、前記主軸の軸芯と一致することを特徴とする表面実装部品装着機。
Priority Applications (1)
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