JP4232614B2 - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極で固体電解質を挟持する構成を電池要素として有する固体電解質型燃料電池に関するものである。
従来の固体電解質型燃料電池としては、例えば、電気導電性の金属基板及び一対の電極層間に電解質層を挟み込んで形成した電池要素を具備して、この電池要素を金属基板上に積層して成るセルを備えたものがあり、この固体電解質型燃料電池では、電池要素の電解質層上に位置する一方の電極層の集電体と電気導電性の金属基板との電気的短絡を防止するために、電解質層で金属基板の表面全体を覆うようにしている、すなわち、一方の電極層の集電体が設けられる範囲を覆うようにしている。
米国特許第6344290B1
ところが、従来の固体電解質型燃料電池では、一方の電極層と他方の電極層との電気的短絡を防止することはできるものの、セルを積層してスタック構造体を形成するプロセス過程において金属基板にかかる応力や、スタック運転中の熱サイクルによって生じる金属基板への応力や、集電体との接触により生じる応力によって、緻密な構造が要求される電解質層にクラックなどの破損が生じる可能性があり、このような場合には、金属基板の一面に形成された電解質層に生じたクラックが電極層間に挟み込まれた発電反応を司る部位にまで伝播して、ガスがクロスリークする恐れがあり、その結果、性能の低下を招き兼ねないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであり、ガスのクロスリークが生じる懸念をほとんど払拭することができる固体電解質型燃料電池を提供することを目的としている。
本発明は、ガス透過孔を有する金属製セル基板及び一対の電極層間に電解質層を挟み込んで形成した電池要素を具備し、上記金属製セル基板のガス透過孔上に位置させた電池要素の一方の電極層を電解質層で覆って成るセルを備えた固体電解質型燃料電池において、上記電池要素の電解質層上に位置する他方の電極層を除く領域のうちの少なくとも金属製セル基板のガス不透過部分に、電池要素が位置する側の面の略全体を覆う電気絶縁層を設け、電池要素の電解質よりもクラックを生じやすい電気絶縁性材料から成る絶縁犠牲層を電気絶縁層とした構成としたことを特徴としており、この固体電解質型燃料電池の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の固体電解質型燃料電池によれば、上記した構成としているので、電解質層の電極層間に挟み込まれた部位にまでクラックが伝播するのを防ぐことができ、その結果、ガスのクロスリークが生じる懸念を払拭することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
図1に示すように、本発明の固体電解質型燃料電池1は、ガス透過孔2aを有する金属製セル基板2及び一対の電極層(燃料極層3及び空気極層4)間に電解質層5を挟み込んで形成した電池要素6を具備して、金属製セル基板2のガス透過孔2a上に位置させた電池要素6の一対の電極層3,4のうちのいずれか一方の電極層(図示例では燃料極層3)を電解質層5で覆って成るセル7を複数備えており、金属製セル基板2の電池要素6が形成されていない部分はガス不透過部分2bとなっている。そして、電池要素6の電解質層5上に位置する他方の電極層(図示例では空気極層4)を除く領域のうちの少なくとも金属製セル基板2のガス不透過部分2bに、電池要素6が位置する側の面の略全体を覆う電気絶縁層8を設けている。
ここで、電解質層5と金属製セル基板2との間に位置する燃料極層3が電解質層5によって完全に被覆されていなければ、燃料極層3に供給される燃料ガスが燃料極層3内を透過して空気と混合することになってしまうため、ガス不透過性の電解質層5で一方の電極層3(あるいは他方の電極層4)を完全に被覆する必要がある。
なお、金属製セル基板2としては、Fe,Ni,Cr,Mo,Cu,Alのうちの少なくともいずれか一つの元素を含む金属又は合金が用いられる。合金としては、例えば、インコネルやハステロイ、ステンレスやインバーなどがある。
また、本発明の固体電解質型燃料電池1において、電気絶縁層8は、電池要素6の電解質5よりもクラックを生じやすい電気絶縁性材料から成る絶縁犠牲層とすることが望ましい。
この際、「電解質層5よりもクラックを生じやすい」とは、絶縁犠牲層としての電気絶縁層8を形成した直後から、クラックが生じていてもよいし、多孔質体のように変形しやすい形態でも差し支えない。また、絶縁犠牲層としての電気絶縁層8を形成した直後にクラックが生じていなくても、例えば、クラックの起点となり得る紛体を電気絶縁層8内に分散しておいて、僅かな応力で紛体の周辺にクラックを生じさせるようにしても構わない。
ここで、金属製セル基板2から電気絶縁層8が剥離すると、電極層4及びこれの集電体と金属製セル基板2との電気絶縁性が確保できなくなるため、絶縁犠牲層において、クラックなどが発生することは構わないが、金属製セル基板2から剥離してはならない。
また、電気絶縁層8が、スタック構造体を形成するプロセス過程で金属製セル基板2にかかる応力やスタック運転中に生じる応力を受けてたとしても組成変形しない強固な層であるならば、電解質層5への影響はなく、有効な絶縁層として考えることができるが、強固な層や膜は応力が強く、図2に示すように、金属製セル基板2に電気絶縁層8を形成しただけで金属製セル基板2自体が反ることがあるため、脆弱な膜の方が金属製セル基板2が反らず好適であると考えられる。
電気絶縁層8が緻密であるとき、金属製セル基板2に電気絶縁層8が与える応力は強く、図2に示すように、金属製セル基板2が反ったりうねったりすることがある。金属製セル基板2の変形は、電解質層5の破損に通じることがあるのに加えて、スタック構造体を形成する際の外周部におけるガスシールの作業性及び信頼性に大きく影響する。
上記固体電解質型燃料電池1において、金属製セル基板2に応力がかかった場合、金属製セル基板2を被覆する電気絶縁層8にクラックが生じることで、金属製セル基板2にかかる応力が開放され、電解質層5へかかる応力や歪みが小さくなって、電解質層5の破損を防ぐことが可能である。
そして、金属製セル基板2に形成される絶縁層(絶縁犠牲層)8は応力が低い構造であり、絶縁層(絶縁犠牲層)8を形成することによって、金属製セル基板2の反りやうねりを無くすないしは軽減することができ、スタック構造体を形成する際の金属製セル基板2の外周部におけるガスシールが容易になって、ガスシール性の信頼性も向上する。
さらに、本発明の固体電解質型燃料電池1において、金属製セル基板2の電池要素6が位置する側の表面で、かつ金属製セル基板2のガス不透過部分2bの表面の略全体に電気絶縁層8を積層させた構成とすることができる。
つまり、金属製セル基板2の表面の電解質層5が形成されていない箇所のみに電気絶縁層8を積層する構造であり、図1に示すように、電解質層5と絶縁層8とを互いに接触させたり、図3に示すように、集電体が金属製セル基板2に接触しない程度に電解質層5と絶縁層8との間に隙間Saを残したりすることができる。
この場合、電気絶縁層8が電解質層5の表面の一部を覆う構成としてもよく、図4に示すように、上部の電極層4と絶縁層8とを互いに接触させたり、図5に示すように上部の電極層4と絶縁層8との間に隙間Sbを残したりすることができるほか、電気絶縁層8が上部の電極層4の表面の一部を覆う構成としてもよく、図6に示すように、電気絶縁層8が上部の電極層4の表面の一部を覆ったり、図7に示すように、電気絶縁層8の端部に上部の電極層4が被さるようにしたりしてもよい。
このような固体電解質型燃料電池1において、セル7を積層してスタック構造体を形成するプロセス過程で金属製セル基板2にかかる応力やスタック運転中の熱サイクルによって生じる金属製セル基板2への応力や集電体との接触によって生じる応力により、電気絶縁層8にクラックなどの破損が生じても、このクラックが電解質層5に伝播することがなく、ガスのクロスリークを抑制することができる。そして、金属製セル基板2に応力が生じた場合に、電気絶縁層8にクラック発生などの応力開放機能を持たせることで、より一層確実に電解質層5(セル部)の破損を抑制することができる。
さらにまた、本発明の固体電解質型燃料電池1において、金属製セル基板2の電池要素6が位置する側の表面で、かつ金属製セル基板2のガス不透過部分2bの表面の略全体に電気絶縁層8を埋め込んだ構成とすることができる。
つまり、電気絶縁層8を金属製セル基板2の表面に新たに追加するのではなく、金属製セル基板2の表面を含む表層部分を電気絶縁層8とする構造であり、この際、絶縁層8が破損すると、下部の電極層3から絶縁層8へガスが透過してクロスリークしてしまうため、絶縁層8と下部の電極層3とが接触するのを避ける必要がある。
なお、図8及び図9に示すように、絶縁層8と電解質層5とが互いに接触していたり、図10に示すように、集電体が金属製セル基板2に接触しない程度に絶縁層8と電解質層5との間に隙間を残したりすることができるほか、絶縁層8と電解質層5とが接している場合において、図11に示すように、電気絶縁層8の端部に上部の電極層4が被さるようにしてもよい。
上記のように成すことで、金属製セル基板2の表面に新たに絶縁層8を加えたり、金属製セル基板2自体に絶縁層を形成したりすることがないため、絶縁層8の剥離が生じにくいものとなる。
さらにまた、本発明の固体電解質型燃料電池1において、電気絶縁層8を内部構造が緻密ではない多孔質材料から成るものとすることができ、図12に示すように、粒界の結合力が低くそして脆い構造の多孔質材料や、図13に示すように、電極層3,4のようなガス透過性を呈する構造の多孔質材料や、図14に示すように、層内に空孔8aが2次元的に分散して存在する構造の多孔質材料や、図15に示すように、層内に空孔8aが3次元的に分散して存在する構造の多孔質材料から成るものとすることができる。
このように成すことで、上述したとおり、絶縁膜の形成による金属製セル基板2への応力が小さくなって、金属製セル基板2の反りやうねりを抑えることができ、スタック構造体を形成する際の金属製セル基板2の外周部におけるガスシールを確実に行うことができる。
この場合、電気絶縁層8を電池要素6の電解質層5に用いた材料(好ましくは、ジルコニア系の電解質材料)と同じ材料から成るものとすることができ、このように、電気絶縁層8を電解質層5と同様に緻密ではない構造にすることで、絶縁犠牲層としての効果を示すことができる。
ここで、電気絶縁層8は、電解質層5をスパッタ条件(基板加熱+バイアス)で形成した後、スパッタ条件(低温、バイアスなし)で形成する。このスパッタ条件(低温、バイアスなし)で形成したスパッタYSZ膜は、図12に示したように、柱状構造を示し、柱と柱の間には空隙が生じている、又は非常に脆弱であるため、好適な絶縁層8として機能する。
このように、電気絶縁層8を電解質層5と同じ材料を用いて形成することで、使用する材料種を増やすことなく設計することができる。
さらにまた、本発明の固体電解質型燃料電池1において、電気絶縁層8の内部にクラック発生の起点として機能する応力分散材を混在させた構成とすることができる。ここで、応力分散材は、それ自体が非常に強固でありクラックは生じないが、応力分散材自体が強固であるが故に、応力分散材の周囲にクラックが発生するように機能する。この応力分散材の形状は、ビーズのように球状でもよいし、ウィスカーのような針状や板状のような形状でもよい。
このような構成と成すことで、応力分散材の周囲にクラックを生じさせることができ、その結果、金属製セル基板2に生じた応力を開放することができる。
さらにまた、本発明の固体電解質型燃料電池1において、応力分散材をSi,Ti,Zr,Al,Bの化合物とすることができ、例えば、図16に示すように、SiOやBNの粒子が分散されたセラミックス製のコーティング材や、図17に示すように、針状のYSZ材が分散されたセラミクッス製のコーティング材があげられる。
さらにまた、本発明の固体電解質型燃料電池1において、金属製セル基板2の表面を酸化又は窒化して形成した絶縁層を電気絶縁層8とすることができ、酸化又は窒化される部位は、金属製セル基板2の最表層を含む表面部分である。
さらにまた、本発明の固体電解質型燃料電池1において、図18に示すように、複数のセル7を配置して成るスタック用セル板10を備え、このスタック用セル板10に電気絶縁層8を設けた構成とすることができ、本発明において、上記固体電解質型燃料電池1を積層することで、固体電解質型燃料電池1のスタック構造体15を形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すように、金属製セル基板2としてφ30mm、厚さ100μmのインコネル625を使用した。
そして、上記インコネル625製の金属製セル基板2上に、高温スパッタ(基板加熱300℃)により、NiO−YSZ層を燃料極層3として形成した。
次に、上記NiO−YSZ層を完全に覆うように、NiO−YSZ層上に、基板加熱及びバイアス印加スパッタ(基板加熱700℃、印加バイアス25V)によりYSZ膜5を形成する。
次いで、電解質層5としてのYSZ層上に、高温スパッタ(基板加熱300℃)により、サマリウム−ストロンチウム−コバルト酸化物((Sm0.5,Sr0.5)CoO)を空気極層4として形成した。
さらに、YSZ電解質層5が形成されていないインコネル基板2上に、室温スパッタによりYSZ膜(電気絶縁層)8を形成する。このようにして室温スパッタによって成膜されたYSZ膜8は、図12に示すように、柱状に成膜され、粒界に隙間があるような膜構造となる。
上記電池要素6を金属製セル基板2に形成した後、YSZ成膜裏面に、中心よりφ20mmの範囲に対してφ500μm径300個のパターンを形成したマスク層を形成し、化学的微細孔エッチング手法を用いて、低部に複数の微細孔が形成されたφ500μmの凹部(ガス透過孔)2aを多数形成する。
上記、微細孔エッチングで用いる化学的エッチング処理は、例えば、プリント基板の製造プロセスにおいて、配線と樹脂との密着力を向上させるために配線の表面を粗化する目的で用いられる表面粗化剤(例えば、メックニッケルラフナー1870)を用いることができる。
[実施例2]
図5に示すように、金属製セル基板2としてφ30mm、厚さ100μmのフェライト系SUSを使用した。
そして、このフェライト系SUSから成る金属製セル基板2上に、エアロゾルデポジッション法を用いて、中心からφ26mmの範囲に8YSZ電解質層5を形成する。このエアロゾルデポジッション法では、平均粒径が0.2μmのYSZ原料粉末を用い、ゾル化室を150rpmで振動させながら、Heガスを8L/minで吹き込んで、成膜チャンバー内のノズルへ搬送する。
次に、YSZ膜を成膜した金属製セル基板2の表裏にエッチングマスク用の光硬化樹脂層を形成し、YSZ成膜裏面には、中心よりφ20mmの範囲に対してφ500μm径300個のパターンを形成したマスク層を形成した。塩化鉄系の公知のエッチャントを用いて、金属製セル基板2をエッチングし、発電可能な多孔部(セル部分)を形成した。
次いで、電解質層5の上面に、エアロゾルデポジッション法を用いてランタン−ガリウム−コバルト酸化物((La0.8 Sr0.2)CoO)を空気極層4として成膜した。原料粉平均粒径は0.5μm、ゾル化室の振動159rpm、Heガスの吹き込み量8L/min、チャンバー内真空度は1.5Torrとし、膜厚6μmで成膜した。続いて、金属製セル基板2の裏面の多孔部に公知のスパッタ法を用いて、Ni−YSZサーメット層を燃料極層3として1μm形成して、セル7を得た。
さらに、金属製セル基板2上の電解質層5が形成されていないエリア、及び、空気極層4が形成されていないエリアに対して、添加セラミックス微粉を混入したポリチタノカルボルシランポリマーをバインダー成分とする塗料をスプレー塗布し、80℃の乾燥に続いて370℃で焼成して、Ti−Si−C−O系非晶質セラミックス層を20μm形成し、電気絶縁層8とした。
[実施例3]
図8に示すように、金属製セル基板2としてφ30mm、厚さ100μmのフェライト系SUSを使用した。
そして、このフェライト系SUSから成る金属製セル基板2上に、エアロゾルデポジッション法を用いて、中心からφ26mmの範囲に8YSZ電解質層5を形成する。このエアロゾルデポジッション法では、平均粒径が0.2μmのYSZ原料粉末を用い、ゾル化室を150rpmで振動させながら、Heガスを8L/minで吹き込んで、成膜チャンバー内のノズルへ搬送する。
次に、YSZ膜を成膜した金属製セル基板2の表裏にエッチングマスク用の光硬化樹脂層を形成し、YSZ成膜裏面には、中心よりφ20mmの範囲に対してφ500μm径300個のパターンを形成したマスク層を形成した。塩化鉄系の公知のエッチャントを用いて、金属製セル基板2をエッチングし、発電可能な多孔部(セル部分)を形成した。
次いで、電解質層5の上面に、エアロゾルデポジッション法を用いてランタン−ガリウム−コバルト酸化物((La0.8 Sr0.2)CoO)を空気極層4として成膜した。原料粉平均粒径は0.5μm、ゾル化室の振動159rpm、Heガスの吹き込み量8L/min、チャンバー内真空度は1.5Torrとし、膜厚6μmで成膜した。続いて、金属製セル基板2の裏面の多孔部に公知のスパッタ法を用いて、Ni−YSZサーメット層を燃料極層3として1μm形成して、セル7を得た。
さらに、金属製セル基板2上の電解質層5が形成されていないフェライト系SUSが剥き出しのエリアに対し、リン酸鉄被膜コーティングを形成するためのパーカ処理を施し、絶縁層8とした。
[実施例4]
図6に示すように、φ30mm、厚さ200μmのインコネル625製の金属製セル基板2の内側φ20mmの範囲に、化学的エッチングを用いてφ500μmの貫通穴を500個形成し、金属製セル基板2として用いた。
次いで、上記インコネル625製の金属製セル基板2上のφ25mmの範囲に、Ni+SDCペーストをスクリーン印刷により塗布し、10%水素(Arベース)雰囲気中1100℃で焼成した。このとき、燃料極層3としてのNi+SDC層は、金属製セル基板2の貫通穴が形成されていない箇所で、およそ100μmであった。
次に、インコネル625製の金属製セル基板2のNi+SDC層の上に薄膜電池要素6中の電解質層5として、膜厚8μmのYSZ層を金属製セル基板2の加熱(700℃)及びバイアス印加のスパッタ(印加バイアス25V)により得た。
そして、YSZ膜の上に薄膜電池要素6中の空気極層4として、気孔率30%、膜厚40μmのSSC層を金属製セル基板2の加熱スパッタ(基板温度300℃)により形成し、セル7を得た。
さらに、インコネル625製の金属製セル基板2上の電解質層5が形成されず、インコネル基板2が剥き出しになっているエリア、及び、空気極層4を除く電解質層5の上に、図17に示すように、針状の形態をしたYSZが体積密度70%含まれたガラスフリット入りペーストをスプレー塗布し、800℃で焼成して、電気絶縁層8を得た。このとき、電気絶縁層8は、空気極層4の一部にかかっていても差し支えない。
[実施例5]
図18に示すように、外径φ125mm、内径φ40mm、厚さ100μmのフェライト系SUS製のドーナツ状薄板に、φ26mmの貫通穴9bを化学的エッチングにより、8箇所形成し、次いで、φ26mmの貫通穴9bの周囲幅5mmの範囲にプレス加工による段差9cを形成して、セル支持用金属薄板9を得た。
なお、ドーナツ状薄板のφ26mmの貫通穴9bの周囲に形成した段差9cは、全てセル支持用金属薄板9の同じ側に形成するのではなく、隣り合う貫通穴9bに形成される段差9cが互い違いの方向に成るようにして形成してある。また、段差9cの部分は、厚みを100μmから80μmまで薄くしてある。
上記、セル支持用金属薄板9と図1に示したセル7とをYAGレーザを用いて溶接する。なお、表面側に凸となるように段差9cが形成されている箇所では、図18(d)に示すように、セル支持用金属薄板9の裏面側とセル7の表面側が接合され、裏面側に凸と成るように段差9cが形成されている箇所では、図18(c)に示すように、セル支持用金属薄板9の表面側とセル7の裏面側が接合される。
続いて、上記セル配置用セル板9の表面(空気極層側の面)で、フェライト系SUSが剥き出しになっている部分、及び、インコネル625製の金属製セル基板2が剥き出しになっている部分に対し、実施例2と同様に、添加セラミックス微粉を混入したポリチタノカルボルシランポリマーをバインダー成分とする塗料をスプレー塗布し、80℃の乾燥に続いて370℃で焼成して、Ti−Si−C−O系非晶質セラミックス層を20μm形成し、電気絶縁層8とした。
このとき、スタック構造体15を形成をするために、セル配置用セル板9の外周部と内周部の一部は、図18に示すように、別の部材と接合する必要がある部位については、絶縁層8は形成せず、金属製セル基板2を剥き出しの状態で保持する必要がある。
本発明の固体電解質型燃料電池の一実施例を示す断面説明図である。(実施例1) 固体電解質型燃料電池において金属製セル基板に変形が生じた状態を示す平面説明図(a)及び断面説明図(b)である。 本発明の固体電解質型燃料電池の他の実施例を示す断面説明図(a)及び平面説明図(b)である。 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。(実施例2) 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。(実施例4) 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。(実施例3) 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。 本発明の固体電解質型燃料電池のさらに他の実施例を示す断面説明図である。 粒界の結合力が低くそして脆い構造の多孔質材料のSEM写真である。 ガス透過性を呈する構造の多孔質材料のSEM写真である。 絶縁層内に空孔が2次元的に分散して存在する構造の多孔質材料の組織断面説明図である。 絶縁層内に空孔が3次元的に分散して存在する構造の多孔質材料の組織断面説明図である。 BNの粒子が分散されたセラミックス製のコーティング材の組織断面説明図である。 針状のYSZ材が分散されたセラミクッス製のコーティング材の組織断面説明図である。 本発明の固体電解質型燃料電池のスタック構造体の一実施例を示す断面説明図(a),固体電解質型燃料電池の平面説明図(b),図18(b)におけるA−A線に基づく断面説明図(c)及び図18(b)におけるB−B線に基づく断面説明図(d)である。(実施例5)
符号の説明
1 固体電解質型燃料電池
2 金属製セル基板
2a ガス透過孔
2b ガス不透過部分
3 燃料極層(電極層)
4 空気極層(電極層)
5 電解質層
6 電池要素
7 セル
8 電気絶縁層
10 スタック用セル板
15 固体電解質型燃料電池のスタック構造体

Claims (11)

  1. ガス透過孔を有する金属製セル基板及び一対の電極層間に電解質層を挟み込んで形成した電池要素を具備し、上記金属製セル基板のガス透過孔上に位置させた電池要素の一方の電極層を電解質層で覆って成るセルを備えた固体電解質型燃料電池において、
    上記電池要素の電解質層上に位置する他方の電極層を除く領域のうちの少なくとも金属製セル基板のガス不透過部分に、電池要素が位置する側の面の略全体を覆う電気絶縁層を設け
    電池要素の電解質よりもクラックを生じやすい電気絶縁性材料から成る絶縁犠牲層を電気絶縁層としたことを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. 金属製セル基板の電池要素が位置する側の表面で、かつ金属製セル基板のガス不透過部分の表面の略全体に電気絶縁層を積層した請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  3. 金属製セル基板の電池要素が位置する側の表面で、かつ金属製セル基板のガス不透過部分の表面の略全体に電気絶縁層を埋め込んである請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
  4. 電気絶縁層を多孔質材料から成るものとした請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体電解質型燃料電池。
  5. 電気絶縁層の内部に分散して空隙が存在している請求項4に記載の固体電解質型燃料電池。
  6. 電気絶縁層を電池要素の電解質層に用いた材料と同じ材料から成るものとした請求項4に記載の固体電解質型燃料電池。
  7. 電気絶縁層の内部にクラック発生の起点として機能する応力分散材を混在させてある請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体電解質型燃料電池。
  8. 応力分散材をSi,Ti,Zr,Al,Bの化合物とした請求項7に記載の固体電解質型燃料電池。
  9. 電気絶縁層は、金属製セル基板の表面を酸化又は窒化して形成した絶縁層である請求項3に記載の固体電解質型燃料電池。
  10. 複数のセルを配置して成るスタック用セル板を備え、このスタック用セル板に電気絶縁層を設けた請求項1〜9のいずれか一つの項に記載の固体電解質型燃料電池。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つの項に記載の固体電解質型燃料電池を積層して成る固体電解質型燃料電池のスタック構造体。
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