JP4231689B2 - 水蒸気透過性構造体のための改善された熱可塑性親水性ポリマー組成物 - Google Patents

水蒸気透過性構造体のための改善された熱可塑性親水性ポリマー組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4231689B2
JP4231689B2 JP2002532528A JP2002532528A JP4231689B2 JP 4231689 B2 JP4231689 B2 JP 4231689B2 JP 2002532528 A JP2002532528 A JP 2002532528A JP 2002532528 A JP2002532528 A JP 2002532528A JP 4231689 B2 JP4231689 B2 JP 4231689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrophilic polymer
thermoplastic hydrophilic
polymer composition
thermoplastic
water vapor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002532528A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004510861A (ja
Inventor
コルザニ イタロ
コルランド ディディエ
マクベス カルム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Procter and Gamble Co
Original Assignee
Procter and Gamble Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Procter and Gamble Co filed Critical Procter and Gamble Co
Publication of JP2004510861A publication Critical patent/JP2004510861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4231689B2 publication Critical patent/JP4231689B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/10Esters; Ether-esters
    • C08K5/101Esters; Ether-esters of monocarboxylic acids
    • C08K5/103Esters; Ether-esters of monocarboxylic acids with polyalcohols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/10Esters; Ether-esters
    • C08K5/11Esters; Ether-esters of acyclic polycarboxylic acids
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/249921Web or sheet containing structurally defined element or component
    • Y10T428/249953Composite having voids in a component [e.g., porous, cellular, etc.]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Bedding Items (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、例えば組成物をフィルムなどの水蒸気透過性であり、液体不透過性の層に形成することによって、水蒸気透過性であり、液体不透過性の構造体を製造するための、熱可塑性親水性ポリマー組成物に関する。本発明の組成物は、水蒸気透過性が望まれる多様な適用を見出すことができる。
【0002】
(発明の背景)
水蒸気透過性に加えて液体障壁を提供する熱可塑性フィルムは、当技術分野において既知である。特に好ましいものは、材料内の開孔または開口から水蒸気を通さないが、水蒸気濃度がより高いフィルムの一方の側で水分を吸収してフィルムの水蒸気濃度がより低いフィルムの反対側で水分を放散又は蒸発させることにより、フィルムを通してかなりの量の水蒸気を移動させる親水性の連続フィルムである。このようなフィルムは、通常、熱可塑性親水性ポリマー又はそのブレンドを含む、熱可塑性ポリマー組成物から形成される。前述の特徴を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物は、当該技術分野で「モノリシック組成物」としても知られており、それらから製造される水蒸気透過性があり、液体不透過性の層又はフィルムは、「モノリシック層」又は「モノリシックフィルム」として知られている。
【0003】
例えば、PCT国際公開特許WO95/16746には、a)ブロックコポリエーテルエステル、ブロックコポリエーテルアミド(例えば、ペバックス(Pebax)(商標))、及び又はポリウレタン、b)aとの相溶性のない熱可塑性ポリマー、並びにc)相溶化剤との混合物、から調製されるフィルムが開示されている。そのフィルムは、液体不透過性で、1日当たり約700g/m2の水蒸気透過性を有する。また、米国特許第5,447,783号には、少なくとも3つの層を有する蒸気透過性であり、耐水性の多成分フィルム構造が開示されている。その外層は、厚さが1.3〜7.6マイクロメートル、且つWVTRが400〜2500g/m2・24hの疎水性コポリエーテルエステルエラストマーであり、内層は、厚さが7.6〜152マイクロメートル、且つWVTRが少なくとも3500g/m2・24hの親水性コポリエーテルエステルエラストマーである。
【0004】
米国特許第5,445,875号には、耐水性で血液とウイルスを通さない通気性の積層体が開示されている。その積層体は、織布/不織布と、厚さが約1ミル(25.4マイクロメートル)のハイトレル(Hytrel)(商標)などの押出し成形フィルムとを含む。
米国特許第5,532,053号には、不織布材上に積層することのできる、湿分透過率の高い医療用フィルムが開示されている。その積層フィルムは、ポリエーテルエステルコポリマーの第一層と、特定のポリマー群から選択される第二層及び第三層とを含む。フィルムは750g/m2・24h(ASTM F−1249)より高いMVTR、且つ1ミル(25.4マイクロメートル)未満、好ましくは0.6ミル〜0.75ミル(15〜19マイクロメートル)の厚さを持つ。
【0005】
米国特許第4,938,752号には、水透過性が低く、水蒸気透過性が(特に記載された試験で測定して)500g/m2・24h、厚さが5〜35マイクロメートルのコポリエーテルエステルのフィルムを含む吸収性物品が開示されている。支持基材については開示されていない。
米国特許第4,493,870号には、MVTRが少なくとも1000g/m2・24h(ASTM E96−66)、厚さが5〜35マイクロメートルのコポリエーテルエステルのフィルムで被覆された織物材料を含む、柔軟性のある層状の耐水性製品が開示されている。
GB2024100には、水蒸気透過性であるが液体を通さない微孔性疎水性外層、且つMVTRが1000g/m2・24hより高いポリエーテルポリウレタンの親水性内層を含む、柔軟性のある層状の耐水性物品が開示されている。
【0006】
本発明者らによる特許出願である、「水蒸気透過性構造体用の低粘度熱可塑性組成物及び吸収性物品におけるそれらの利用(Low viscosity thermoplastic compositions for moisture vapour permeable structures and the utilisation thereof in absorbent articles)」と題するPCT国際公開特許WO99/64077、及び「高められた水蒸気透過性を有する構造体用の低粘度熱可塑性組成物及び吸収性物品におけるそれらの利用(Low viscosity thermoplastic compositions for structures with enhanced moisture vapour permeability and the utilisation thereof in absorbent articles)」と題するPCT国際公開特許WO99/64505において、水蒸気透過性があり、液体不透過性の好ましい特徴を有する、親水性で連続的な、水蒸気透過性があり、液体不透過性のフィルム又は層を製造するための、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーのブレンドを含む熱可塑性親水性ポリマー組成物が開示されている。これらの開示された好ましい熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、望ましい厚さを有するコーティングを基材上に提供するため容易に処理加工することができるので、複雑な伝統的押出し装置の必要性が回避される。これは、熱可塑性親水性ポリマーの粘度を、こうした粘度を低下させる好適な可塑剤又は可塑剤のブレンドを組成物中に包含する手段により調整することで達成される。これによって、これらの好ましい組成物を用いて水蒸気透過性があり、液体不透過性のフィルム又は層を形成するために、低粘度のホットメルト組成物を基板上に直接コーティングするための当技術分野において既知の典型的な処理条件が利用可能となる。
【0007】
特に好ましい親水性可塑剤はPCT国際公開特許WO99/64505に記載されており、この可塑剤は組成物の粘度を調整することに加えて、水蒸気透過性に関してさらなる利益を与える熱可塑性親水性ポリマー組成物も提供する。
前述の従来技術の文書に示すように、水蒸気透過性があり、液体不透過性の層を製造するための既知の熱可塑性親水性ポリマー組成物(「モノリシック組成物」)の好ましい使用とは、水蒸気透過性があり、液体不透過性もある複合構造体の製造における使用であり、熱可塑性親水性ポリマー組成物の一つ又はそれ以上の層が、一つ又はそれ以上の異なる基材、例えば不織布などの繊維層に結合される。
異なる層の間の結合は、既知のどのような接合手段でも行うことができ、例えば接着剤を使用して、あるいは、例えば加熱接合など熱及び圧力を用いて達成することもできる。しかし、例えば接着剤を用いて接合すると、積層体構造体にさらに層を追加することになり、それがコスト、製造の容易性、及び結果として得られる構造体の全体的通気性から見て望ましくないことがあるので、これらの既知の方法は好ましくない。一方、熱及び圧力を用いる手段は、水蒸気透過性を変性させることがあり、例えば層に不連続性又は開口までも形成して液体不透過性に影響を及ぼすことはさらに尚、起こる可能性があり、熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される層の一体性に有害になり得る。
【0008】
したがって、例えば複合重層構造体を形成するために、前述の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成した水蒸気透過性があり、液体不透過性の層を好適な基材、例えば不織布層に直接接合させることが好ましい。それは通常、溶融、半溶融、又は可塑性状態にある熱可塑性ポリマー組成物の固有の粘着性を、例えば、熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造されたフィルムを基材上に直接押出し成形することによって、あるいはホットメルトコーティング、すなわち通常低粘性の溶融状態にある熱可塑性親水性ポリマー組成物の層で基材をコーティングすることによって利用することで達成される。特にホットメルトコーティングに好適な方法は、例えばPCT国際公開特許WO99/64077又はPCT、WO99/64505で参照され、低粘度でホットメルトコーティング処理に特に好適な、水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体のための熱可塑性親水性ポリマー組成物が開示されている。
【0009】
上述の特許出願PCT国際公開特許WO99/64077、又はWO99/64505において開示されたような熱可塑性親水性ポリマー組成物の、室温での固体状態における粘着性、及び可能な永久的粘着性もまた、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成され、複合構造体における少なくとも一つの基材との組み合わせにおいてより、むしろ単独で使用されるフィルム又は層との関係において有益でもあり得る。
しかし、水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物(「モノリシック組成物」)に含まれる親水性ポリマーは、通常、極性の特徴を有し、可塑性状態、半溶融状態、及び完全な溶融状態にあるときでさえ、多くの基材、特に、少なくとも好適な繊維性基材に結合された少なくともモノリシック層又はフィルムを含む水蒸気透過性があり、液体不透過性もある複合構造体の製造で好ましい、例えば合成非極性ポリマー繊維から製造されたほとんどの不織布などの非極性基材への接着が不十分である。こうした親水性ポリマーにはまた、室温における固体状態でのいかなる永久的粘着性も実質的に欠けている。
【0010】
例えば、熱可塑性親水性ポリマー組成物のフィルム又は層を前述の基材上に直接形成及び接合することによって複合構造体を製造する際に、繊維性不織布基材などの基材上への組成物の直接接合を改善するように、例えば溶融、半溶融、又は可塑性状態にある、熱可塑性ポリマー組成物並びに特に熱可塑性親水性ポリマー組成物に望ましい程度の接着性又は粘着性を与えるため、好適な粘着付与樹脂を添加することが、当技術分野で一般に知られている。粘着付与樹脂はまた、室温での固体状態における熱可塑性ポリマー組成物に永久的接着性又は粘着性を付与するために添加され得る。
水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体のための熱可塑性親水性ポリマー組成物に既知の粘着付与樹脂を添加することでの問題点とは、この添加が、例えば溶融、半溶融、又は可塑性状態にある、組成物に望ましい程度の接着性又は粘着性を付与するのに効果的である一方、組成物自体から形成された層又はフィルムの通気性には有害でもあり得る。換言すれば、既知の粘着付与樹脂を、望ましい粘着付与程度を達成するために通常特に必要な量で、熱可塑性親水性ポリマー組成物に添加することは、これらの組成物から形成される「モノリシック」層又はフィルムの、その厚さを通して水蒸気を伝達する能力を劇的に減少させる。
【0011】
その上、粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂のブレンドのような更なる成分の添加は、水蒸気透過性があり、液体不透過性のフィルム、層、又は構造体のための、熱可塑性親水性ポリマー組成物をいかなる場合でも複雑にする。
したがって水蒸気透過性があり、液体不透過性のフィルム、層、又は構造体のための熱可塑性親水性ポリマー組成物を提供することが本発明の目的であり、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物は容易に処理加工することができ、及びなお良好な、又は更により良好な水蒸気透過性の特徴を有しながら、同時に、例えば溶融、半溶融、又は可塑性状態において、及び好ましくはまた室内条件における固体状態において、例えば永久的な、又は半永久的な粘着性といった望ましい程度の接着性又は粘着性を、好適な粘着付与樹脂又は粘着付与樹脂のブレンドの更なる添加の必要なしに有する。
【0012】
意外にも、これは前記熱可塑性親水性ポリマー組成物のために、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類、及び好適な可塑剤又は可塑剤のブレンドを好適に選択することによって達成できることが見出されている。
また本発明による組成物は、例えばフィルム又は層への組成物の形成、及び選択された形成方法に続くその固化の後に存在してその後に経時的に減少する、半永久的な粘着性又は接着性を示すために好適に調整され得ることも見出されている。あるいは本発明による組成物はまた、室温での固体状態において永久的な粘着性又は接着性も示し得る。
【0013】
(発明の概要)
本発明は水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物に関する。本組成物は、熱可塑性親水性ポリマーであって、少なくとも固体状態では、且つ通常室温では、ハード及びソフトドメインについて多相モルフォロジーを示す分子鎖内にハード及びソフトドメインを有する熱可塑性親水性ポリマー、並びに、前記熱可塑性親水性ポリマーの前記ハードセグメントに優先的に結びつき、且つ前記ハードドメインを優先的に軟化させることが可能な少なくとも1種の好適な可塑剤、を含む。
【0014】
(詳細な説明)
次の記述において用語「接着性」は、普通は圧力の適用後、物質が他の物質に面の付着により共に接合する可能性を意味し、及びこれは好適な剥離強度試験により通常測定され得る。用語「粘着性」は、単純な接触によりべたっとする、又は粘着性である物質の特性を示し、これは本明細書において参照されるFINAT試験方法(FINAT Test Method)No.9(FTM 9)によりループタックとして通常測定され得る。
「熱可塑性親水性ポリマー」ということにより本明細書においては、材料内の開口又は開孔からは水蒸気を通さないが、水蒸気濃度がより高いフィルムの一方の側で水分を吸収してフィルムの水蒸気濃度がより低い反対側で水分を放散又は蒸発させることにより、フィルムを通してかなりの量の水蒸気を移動させる連続フィルム又は層(本明細書において説明されるモノリシックフィルム又は層)を形成することが可能な熱可塑性ポリマーを意味する。したがって「熱可塑性親水性ポリマー」は本明細書本文において「熱可塑性モノリシックポリマー」の同義語であると考えられる。
【0015】
本明細書では、用語「通気性のある(breathable)」及び「通気性(breathability)」は、発明の背景の項で定義した「モノリシック組成物」及び「モノリシック層又はフィルム」を参照して、「水蒸気透過性の(moisture vapour permeable)」又は「水蒸気透過性の(water vapour permeable)」、並びに「水蒸気透過性(moisture vapour permeability)」あるいは「水蒸気透過性(water vapour permeability)」に対応するものとする。「水蒸気(moisuture vapour)」と「水蒸気(water vapour)」もまた同意義であるとみなす。
本発明によれば、水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物は、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物、及び好適な可塑剤又は好適な可塑剤のブレンドを少なくとも含む。
【0016】
当技術分野において既知のように、可塑剤は、処理加工を促進すること、及び最終製品の柔軟性及び強靭性を高めることの両方のために、ポリマーに添加される有機化合物として広く定義される。本発明者らによる特許出願である、PCT国際公開特許WO99/64077及びWO99/64505において教示されるように、可塑剤及び可塑剤のブレンドは、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類を含む熱可塑性親水性ポリマー組成物の中に、前記熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類の処理条件における粘度を低下させるために包含され得るが、そうしなければその粘度はむしろ高い。これは通常は、望ましく及び好ましくは薄い厚さのフィルム又は層を、複合重層構造体の形成のための形成基材、又は構造基材のいずれかの基材上に提供するための、こうした組成物の処理加工可能性を促進する。PCT国際公開特許WO99/64505には好ましい可塑剤が特に開示され、これは組成物の粘度を調整することに加えてまた、組成物中に含まれる純粋な熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類の通気性を実質的に保持し、及びある場合には増加させることもできる。
【0017】
本発明は、水蒸気透過性があり、液体不透過性のフィルム、層又は構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物を開示し、この中で熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類、及び好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤のブレンドの特定の選択は、処理加工可能性を容易にするという点について、及び好ましくはまた組成物の通気性という点について、上述の特許出願PCT国際公開特許WO99/64077及びWO99/64505において開示されたものに類似しているが、同じ利益をもたらすだけでなく、最終組成物に望ましい程度の粘着性を、粘着付与樹脂を添加する必要なく提供する。
本発明による好適な熱可塑性親水性ポリマーは、ハード及びソフトセグメントを分子鎖内に含むものであり、及びそれは、少なくとも固体状態では、且つ通常室温では、ハード及びソフトドメインについて多相モルフォロジーを好ましくは示す。高分子化学において既知であるように、これらのハード及びソフトドメイン、及び分子規模での対応するハード及びソフトセグメントは、ガラス転移温度Tgにより通常同定され、これはそれぞれ室温より高く、また低い。特に本発明による多くの多相ポリマーは、顕著な結晶性質をもつハードドメインを示す。ハード及びソフトセグメントは多くのポリマー、及び通常はコポリマー、及びより具体的にはブロックコポリマーの中に存在することができ、この場合それらはコポリマー構造のハード及びソフトブロックに実質的に対応する。
【0018】
本発明によれば、分子鎖内にハード及びソフトセグメントを有する好適な熱可塑性親水性ポリマーは、ポリウレタン、ポリアミド及びコポリアミド、ポリエステル及びコポリエステル及びそのスルホン化誘導体、ポリエーテルコポリマー及びブロックコポリマー、ポリエーテルエステル及びポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミド及びポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステルアミド及びポリエステルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステルアミド及びポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、ポリグリコール酸コポリマー、ポリ乳酸コポリマー、アクリル及びビニルコポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され得る。
好ましいのは、ポリウレタン、コポリエステル、ポリエステルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、及びポリエーテルエステルブロックコポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択されるポリマーである。
【0019】
分子鎖内にハード及びソフトセグメントを有する特に好ましい熱可塑性親水性ポリマーは、熱可塑性ポリエーテルアミドブロックコポリマー(例えばペバックス(Pebax(商標))、熱可塑性ポリエステルブロックコポリマー(例えばハイトレル(Hytrel(商標))、及び熱可塑性ポリウレタン、通常は不活性ポリウレタン(例えばエスタン(Estane(商標))、又はこれらの混合物である。
本発明によれば、熱可塑性親水性ポリマー組成物の中に含まれるべき好適な可塑剤又は好適な可塑剤のブレンドは、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類の高分子鎖のハードセグメントと優先的に結びつく可塑剤の中から選択されなければならず、及びそれは好ましくは、上述に開示したように選択された熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類のハードドメインを、優先的に軟化させる、即ち可塑化することが出来る。
【0020】
好適な可塑剤は、ハードドメインに対する優先的可塑化を実行するために、分子の基又は部分に、熱可塑性親水性ポリマーのハードドメインへの特別な化学的親和性を有する物質の中から選択され得る。
それ故に好適な可塑剤は、リン酸のエステル;安息香酸、フタル酸、及びトリメリット酸のエステル;ポリカルボキシオキシ酸(polycarboxylic oxy-acid)のエステル;スルホンアミド及びその誘導体、例えばスルホンアミド−ホルムアルデヒド樹脂;スルホン;グリコール及びポリグリコールを除く多価アルコールのエステル;スクロースエステル;ラクチド;グリコリド;ラクトン;ラクタムから成る群から選択され得る。
【0021】
本発明の実施形態によれば好適な可塑剤は更に、比較的大きく柔軟性のない構造を有する酸、特に芳香環を含有する酸、並びに多官能性のアルコール又は糖のエステルから選択され得る。好ましくは前記可塑剤は、安息香酸及び多官能性のアルコール又は糖のエステルから選択され、その中では安息香酸スクロースが特に好ましい。意外にも、これらの特に好ましい可塑剤は、粘着付与樹脂を添加する必要なく最終組成物に望ましい程度の粘着性を提供することに加えて、また機械的特性、例えば本発明のこの好ましい実施形態による熱可塑性親水性ポリマー組成物により製造された、例えばフィルム又は層などの構造体の引っ張り強さを高める。
【0022】
あるいは好適な可塑剤は、熱可塑性親水性ポリマーの分子鎖のハードセグメントの組成物に化学的に類似した物質の中から選択され得る。典型的な例は、これらのハードセグメントを形成するモノマーであり得る。可塑剤としてのその有効性を最大化するための、これらの「化学的に類似した」物質は、好ましくはモノマー又はオリゴマーである。それらが例えばポリアミド、ポリエステル、又はポリエーテルのようなポリマー構造を有する場合には、それらの数平均分子量Mnは好ましくは25,000ダルトン(4.15×10-20グラム)以下である。
好ましくは熱可塑性親水性ポリマーのハードセグメントがアミド構造を有する場合、本発明による好ましい可塑剤は、スルホンアミド、ラクタム、数平均分子量Mnが25,000ダルトン(4.15×10-20グラム)以下であるポリアミドである。
【0023】
熱可塑性親水性ポリマーのハードセグメントがポリエステル構造を有する場合、好ましい可塑剤はスルホンアミド、スルホン、数平均分子量Mnが25,000ダルトン(4.15×10-20グラム)以下であるポリエステルである。
ハード及びソフトセグメントを有する熱可塑性親水性ポリマーがポリウレタンである場合、好ましい可塑剤はスルホンアミド、数平均分子量Mnが25,000ダルトン(4.15×10-20グラム)以下であるポリエーテル又はポリエステルである。
いかなる理論によっても制限されないが、本発明の組成物において、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類のハードドメインに対して優先的可塑化活性を有する可塑剤は、前記組成物のレオロジー性を、特に弾性率G’を低下させる点で変性することができ、その結果、前記組成物は溶融、半溶融、又は可塑性状態において接着剤のように機能し、並びに形成後の固体状態、通常は室温において、一定の望ましい程度の粘着性をも達成することができると考えられており、これは後文に記述するFINAT試験方法(FINAT Test Method)No.9(FTM 9)により測定され得る。これは、粘着付与樹脂を添加する必要なしに得られる。
【0024】
本発明によれば、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類及び好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤類を含む熱可塑性親水性ポリマー組成物であり、ポリマー(類)及び可塑剤(類)の両方が上述したように選択され、1時間における粘着性、つまりサンプルの形成1時間後に後述されるFINAT試験方法(FINAT Test Method)No.9(FTM 9)によって測定された粘着性は、少なくとも0.3N/cm、好ましくは少なくとも0.4N/cm、より好ましくは少なくとも0.6N/cm、最も好ましくは少なくとも1.0N/cmを通常示す。FINAT試験方法(FINAT Test Method)No.9(FTM 9)により評価された粘着性は、本発明の組成物により製造された薄いフィルムが、いかなる圧力の実質的な適用なく、単純に接触している特定の基材上に接着する能力を実際に測定する。測定は、サンプルの形成1時間後に行われ、もし固体状態が存在し、選択された形成方法次第で必要であれば、温度平衡が達成される。粘着性の好ましい値は、本発明による熱可塑性親水性ポリマー組成物により、粘着付与樹脂の添加なしに達成されるが、ただ選択された可塑剤又は可塑剤類が、選択された熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類と組み合わされて提供されるだけである。
【0025】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、粘着性を示すためにまた配合され得るが、この粘着性は、感圧接着剤により達成されるものと類似の永久的なもの、又は半永久的なものであり得、つまり、形成の直後組成物中に存在はするが、その後経時的に減少し、おそらくは一定時間後に実質的に消失する。
これは本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の幾つかの選択された用途においての明らかな利益である。例えばこれは、組成物が安定な積層体構造体を形成するために基材上に直接、つまり押出し成形又はホットメルトコーティングによって形作る場合、前記基材に対する非常に強い接着の形成を可能にするが、その際室内条件における粘着性は、粘着性がもはや必要とされない時間のかなり後に消失する。
【0026】
室温での固体状態における半永久的粘着性はまた、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造されたフィルム又は層において、それらが製造され及び単独で使用される場合、又は基材、例えば繊維性基材に接着したフィルム又は層を含む積層化された複合構造体において使用される場合の両方において、有益である可能性がある。前記半永久的粘着性は、フィルム又は層に、特定の範囲を対象とする、例えば更なる層であったり、または、遊離繊維、粒子、粉末のような遊離形態における物質である追加の要素を、フィルム又は層の形成後に直接適用することにより提供するには、実際のところ有用であり得る。例えば当該技術分野において既知のものから選択された物質は、通常は粒子又は粉末形態であり、これらは臭気を抑制する、流体を吸収する、あるいは香料、医薬品、または化粧品活性物質のような活性剤を放出する能力があり、フィルム又は層にその形成の後にその表面にそれらを簡単に分配することにより適用、及び直接付着することができ、半永久的粘着性の利益を付け加える。タルカムパウダーのような不活性物質もまた、例えば更に、又はより迅速に粘着性を減少させることが望ましい場合には用いられ得る。
【0027】
粒子又は粉末形態における前記物質は、本発明の組成物の半永久的粘着性のためにフィルム又は層の面に効果的に接合し、これは次に、一定時間の後に部分的に又は完全に消失し、例えば、得られた構造体の更なる処理又は使用を容易にする。
前記半永久的粘着性はまた、粒子又は粉末形態にある幾つかの物質がフィルム又は層の厚さにある程度「統合される」ようにし、その結果両者の間の接合を高め、また物質を含むフィルム又は層の面の外観及び感じを改善する。
臭気抑制物質は、臭気の吸収、防止、又はマスキングのための既知の作用剤を包含する。
吸湿性材料は、使い捨ておむつ及び衛生ナプキンのような使い捨て吸収性物品に用いられる型の、既知の強力な吸収性材料を包含する。
【0028】
活性剤放出物質は、例えば香料、医薬品又は化粧品活性物質、殺虫剤、治療物質、色素、染料、又は着色剤を放出する能力があり、好ましくは長期間に渉るゆっくりとした漸進的放出を達成する能力がある既知の物質を包含する。既知の活性剤放出物質の一例はカプセルに包まれた香料である。
半永久的粘着性は、FINAT試験方法(FINAT Test Method)No.9(FTM 9)により、サンプルの形成から1時間後、及び24時間後に各々測定されたサンプルの粘着性の値を比較することにより評価され得る。この半永久的粘着性を有する本発明による組成物は、サンプルの形成の24時間後にサンプル上で測定されたものを意味する、24時間における粘着性が、1時間における粘着性、即ちサンプルの形成の1時間後にサンプル上で測定された粘着性の30%未満、好ましくは10%未満を示す。通常24時間における粘着性は、0.1N/cm未満、好ましくは0.05N/cm未満である。
【0029】
いかなる理論によっても制限されないが、この半永久的粘着性を示す本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物において、熱可塑性親水性ポリマーのハードドメインを優先的に軟化させる能力がある可塑剤は、組成物の固化の後、可塑剤により軟化されたポリマーのハードドメインの自発的再結晶に必要な時間を増加させるが、本発明の可塑剤がない場合にはその代わりとして、組成物の固化の後、この再結晶は非常に迅速に起きることが予想される。これは言い換えると組成物が依然として粘着性を有する時間を延長する。本発明により選択された組成物において、反対に、この再結晶を際限なく妨げることが出来るように、組成物に永久的粘着性を提供する。
【0030】
本発明によれば、水蒸気透過性があり、液体不透過性の層は、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から、例えば前記熱可塑性親水性ポリマー組成物を基材上に置くことによって形成され得る。熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類、及び好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤類が上記のように選択されている、本発明の組成物は、液体不透過性であり及びまた良好な程度の水蒸気透過性(通気性)を有するフィルム又は層を提供するが、これは本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64505に開示されたもののような、同一の厚さを有し、同一の純粋な熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類、又は同一パーセントの代替の好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤類のみを含む組成物から製造されたフィルム又は層のそれと類似している。本発明による特に好ましい組成物はまた、PCT国際公開特許WO99/64505に開示されたもののような、同一の厚さで、同一の純粋なポリマー又はポリマー類、又は同一パーセントの代わりの可塑剤又は可塑剤類を含むフィルム又は層と比較した場合に、より高い程度の通気性を有するフィルム又は層を提供することができる。
【0031】
本発明の熱可塑性組成物から形成されるフィルム又は層は、前記層又はフィルムの厚さが少なくとも20μmの場合、好ましくは、少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも500g/m2・24h、更により好ましくは少なくとも600g/m2・24h、最も好ましくは少なくとも1000g/m2・24hの水蒸気透過率を有し、前記水蒸気透過率は、修正されたASTM E−96「直立カップ」法によって測定される。
本発明によれば、これまでに説明した熱可塑性親水性ポリマー組成物から、約0.5μm〜約200μm及びそれ以上の厚さを有するフィルム又は層を形成することができ、前記フィルム又は層は単独で、あるいは、例えば不織布繊維性基材を含む重層構造でのような異なる基材との組み合わせにおいて使用可能である。
【0032】
より一般的には、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される構造の厚さは、構造内で一定に変化させることもできる。いかなる特定の厚さの範囲にも限定されるものではないが、用途によっては好ましい範囲がある可能性がある。例えば使い捨て物品に含まれる構造体の好ましい範囲は400μから5μ未満までの厚さで、望ましくは分布してもよく、ある場合には実質的に5μ未満であるのがより好ましい。対照的に、建築用途又はさらに包装用途では、ある理由から、構造体について200〜2000ミクロン、あるいはさらに厚い好ましい範囲が指示される。
本発明によれば、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類との組み合わせにおいて上述のように選択された、好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤類は、粘着付与樹脂を添加する必要なく提供することに加えて、最終熱可塑性親水性ポリマー組成物に望ましい程度の粘着性を、また処理条件での溶融状態における前記組成物の粘度を、本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はWO99/64505に既に開示されたのと同様な方法で調整することにより、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の処理加工可能性を高めるのに特に有効である。
【0033】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に含まれる、上述の熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物は、処理条件における溶融状態では実際のところ、通常は高度に粘稠であり得、これはフィルム又は層形成の幾つかの好ましい既知の形成方法、例えば高出力スクリュー押出し成形機を伴う押出し成形方法では典型的である。例えば、それらの粘度が、DSC(示差走査熱量計)ピーク、あるいは2つ以上のピークを示すポリマー混合物の場合には、最大DSCピークに相当するものとして識別される温度のDSC融点より20℃高い温度において、1ラジアン(rad)/秒の振動数で、5000ポアズより高い可能性がある。
本発明によれば、本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はWO99/64505に開示されたものと同様に、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度は、熱可塑性親水性ポリマー組成物の中に選択された好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤のブレンドを包含することにより、処理条件での溶融状態においてもまた好ましく調整される。
【0034】
そのため、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度はまた、選択された可塑剤又は可塑剤類により、組成物がどのように処理されるかに応じて調整され得る。例えば、フィルム押出し技術は、当技術分野において既知であるように、処理条件下で高い粘度を有する組成物を利用して好適に行われ得る。あるいは、前述のPCT国際公開特許WO99/64077及びWO99/64505で説明されているように、好適なホットメルトコーティングが、組成物の処理に好ましい可能性もある。これは、処理条件での熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度が好適なより低いレベルに調整されなければならないことを意味する。
このような場合、本発明のこの別の実施形態の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、それらが好ましくは次の複素粘性係数(η*)を有するように、好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤のブレンドを含む。
【0035】
1ラジアン/秒の振動数、210℃以下の温度において、50ポアズ<η*<4000ポアズ、好ましくは100ポアズ<η*<2000ポアズ、より好ましくは100ポアズ<η*<1000ポアズであり、1000ラジアン/秒の振動数、210℃以下の処理温度(T)において、η*<2000ポアズ、好ましくはη*<1000ポアズ、より好ましくはη*<500ポアズであり、ここでη*は熱可塑性親水性ポリマー組成物の複素粘性係数を示す。好ましくは、温度Tは200℃以下、より好ましくは180℃以下、最も好ましくは200℃〜50℃である。
本発明の好ましい実施形態によれば、上述の複素粘性率を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物を用いることにより、低粘度のホットメルト組成物を基材上にコーティングして必要な厚みを有する層にするための当技術分野において既知の典型的なコーティング条件及び装置を用いて、基材にフィルム又は層をコーティングできるとともに、親水性で連続的な、水蒸気透過性があり、液体不透過性の層又はフィルムを与えるという、好ましい熱可塑性親水性ポリマーの有益な特性も維持できる。
【0036】
このような粘度を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物は、非常に薄いフィルム又は層を提供することもできる。
本発明の選択された相溶性のある可塑剤又は可塑剤類に加えて、更なる可塑剤又は可塑剤類がまた任意選択的に本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に添加することができ、処理条件での溶融状態における組成物の粘度を更に調整するために、及び/又は組成物自体から製造されたフィルム又は層の通気性を更に調整するために、例えば本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はWO99/64505において開示されたものの中から選択される。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、例えば本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はWO99/64505において開示されたもののような、液体不透過性があり、水蒸気透過性もあるフィルム又は層のための既知の熱可塑性親水性ポリマー組成物と比べた場合、選択された相溶性のある可塑剤又は可塑剤のブレンドを通常は実質的により多く含む。
【0037】
好ましくは、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、熱可塑性親水性ポリマー組成物の5質量%〜95質量%、好ましくは、10質量%〜70質量%、より好ましくは、30質量%〜60質量%の選択された熱可塑性親水性ポリマー又は選択された熱可塑性親水性ポリマーの混合物を含み、及び熱可塑性親水性組成物の5質量%〜95質量%、好ましくは、30質量%〜90質量%、より好ましくは、40質量%〜70質量%の選択された好適な相溶性のある可塑剤又は選択された可塑剤のブレンドを含む。
本発明による熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、更なる熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類、及びまた更なる可塑剤又は可塑剤類を、上記のように本発明により選択されたものの他に含むことができる。例えば更なる親水性ポリマー又はポリマー類及び可塑剤又は可塑剤類は、本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はWO99/64505において開示されたものの中から選択され得る。好ましくはこれらの更なる成分は、熱可塑性組成物中のポリマー又は可塑剤の各々の割合が50質量%を超える量では包含されるべきではない。
【0038】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、組成物の処理加工性、及びまたこうした熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成されたフィルム又は層の機械的特性並びに、光及び酸素による劣化に対する抵抗、外観など他の特性を更に改善するために、追加の任意成分を更に含んでもよい。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に包含され得る更なる成分は、例えば更なる望ましい効果を提供できる、粒子又は粉末形態の物質であり、例えば臭気抑制を提供する性能のあるいかなる既知の物質、例えばゼオライト、又はいかなる既知の活性剤放出物質、又は既知の流体吸収物質などであり、前記物質は本明細書において既に定義されている。粒子又は粉末形態の物質は、例えば本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成された連続したフィルム又は層において切れ目を生じないような望ましい平均粒径において好適に選択され得る。
【0039】
例えば組成物の粘着性程度の更なる増加が望まれる場合、特に好ましいわけでもまた必須でもないが、伝統的な既知の粘着付与樹脂もまた、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に包含され得る。好適な粘着付与樹脂は、本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64077又はWO99/64505において開示されたものの中から選択され得る。好ましくは粘着付与樹脂の全量は、熱可塑性親水性ポリマー組成物の35質量%未満に限られるべきである。
本発明による熱可塑性親水性ポリマー組成物はいかなる既知の方法を用いても製造することができ、この方法は、少なくとも選択された熱可塑性親水性ポリマー又はポリマーの混合物、及び選択された好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤のブレンド、及び任意選択的に上述したような更なるいかなる追加の成分、例えば可塑剤又は可塑剤のブレンドを提供する工程、これらの成分を加熱して、例えば、既知の好適な混合機によりこれらを混合して後続の処理工程のために溶融状態の熱可塑性親水性ポリマー組成物を形成する工程、を通常含むであろう。
【0040】
あるいは、溶媒又はエマルション系を作成して、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を処理するために、前記組成物から水蒸気透過性であり、液体不透過性の構造を形成する際、並びにこの構造体を含む物品を製造する際の、中間又は最終のいずれかの工程として使用することもできる。
【0041】
本発明による熱可塑性親水性ポリマー組成物から層又はフィルムを製造する方法は、通常、この組成物を提供する工程、それを流動化させるために加熱する工程、及び前述のように処理条件における組成物に関して達成される粘度に応じて、例えばフィルム押出し成形処理又はホットメルトコーティング処理によって、溶融、半溶融、又は可塑性状態にあるこの組成物を基材上で望ましい厚さを有する層又はフィルムに形成する工程、を含む。原理的には、前記基材を単に成形基材とし、後に前記基材から分離して単独で使用する望ましい厚さのフィルム又は層を製造するために、熱可塑性親水性ポリマー組成物を基材の上に形成することもできるが、本発明の好ましい実施形態では、熱可塑性親水性ポリマー組成物、及び熱可塑性組成物が上に置かれる好適な基材とを含む、水蒸気透過性があり、水不透過性がある複合構造体を形成することができる。ここではこの基材も水蒸気透過性であることが好ましい。熱可塑性親水性ポリマー又はポリマー類、及び好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤類の開示された選択により、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に付与された好ましい粘着性は、実際のところ、通常は、溶融、半溶融、又は可塑性状態にあるフィルム又は層の強められた接着性を、基材、例えば疎水性の合成繊維を含む不織布層のような繊維性基材に提供する一方、同時に組成物の処理加工可能性を高め、及びフィルム又は層の高い通気性、したがって好ましくは全重層構造体の高い通気性を保持する。
【0042】
これは、次には、結果として生じる複合構造体のより良好な一体性を提供し、したがって、例えば使用中の層の剥がれに対してより耐久性があり、また熱可塑性親水性ポリマー組成物の非常に薄い層を提供するが、例えば本発明の選択された相溶性のある可塑剤又は可塑剤のブレンドを含まない同様の組成物から形成された同一の厚さの層と比較した場合、ここで組成物の前記改善された接着特性、及び結果として生じる複合構造体の前記良好な耐久性は、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成された層の水蒸気透過能力への有害な影響が非常に限られているか、又は全くない。本発明による特に好ましい可塑剤はまた、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成された層の水蒸気透過率を、本発明の親水性粘着付与樹脂又は親水性粘着付与樹脂のブレンドを含まない、同様の組成物から形成された同一の厚さの層に比べて、高めることもできる。
【0043】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から、フィルム及び層に限らない水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体、及び前記構造体を含む物品を製造するために、その他の既知の方法が使用され得る。
このような方法の分類は、一般に「成型」と記載され、しばしばオス型又はメス型の成型、又は成型の組み合わせを用いて材料を形作る。技術によっては、所与の構造体又は物品の製造に、特定の処理温度及び圧力(又は真空)条件が好ましいことがある。このような既知の成型方法としては、これらに限るものではないが、ディップ成形、吹込み成形、射出成形、圧縮成形、熱成形、真空熱成形、押出し成形、回転成形、スラッシュ成形などが挙げられる。
【0044】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を処理するその他の既知の方法としては、フィルム及びシート一体成型、吹き込みフィルム技術、追加の幅出処理工程、追加のカレンダ工程、追加の焼入工程、追加の熱処理工程なども挙げられる。特定の生産条件の性質あるいは処理工程の型又は順序は、選択される製造技術、環境条件、材料の形式などに応じて変更される。例えば、(i)熱可塑性親水性ポリマー組成物を原材料とした溶媒ベース形式を選択した場合の溶媒、(ii)熱可塑性親水性ポリマー組成物を原材料としたエマルションベース形式を選択した場合の水、あるいは(iii)熱可塑性親水性ポリマー組成物を原材料にしたホットメルト形式を選択した場合の熱、を取り除くための処理工程を含む必要があることもある。
二つ又はそれ以上の層を備えるフィルム又はシートを製造することができ、その層の少なくとも1つが本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む。これに限るものではないが、共押出し成形、押出しコーティングを含めて、多様な既知の手段によって達成することができる。
【0045】
構造体又は物品全体を、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物だけで構成するのが好ましい場合もあるが、構造体又は物品は、一つ又はそれ以上の他の材料との複合体にすることができる。例えば、この複合体は、本発明の特定の熱可塑性親水性ポリマー組成物の二つ又はそれ以上の成分、あるいは本発明の異なる特定の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含むことができる。
あるいは、複合体が、熱可塑性親水性ポリマー組成物の少なくとも一成分を、一つまたはそれ以上の他の材料と組み合わせて含むこともできる。このような材料としては、これに限るものではないが、繊維、繊維状芯(fibrous batts)、不織布、織布、紙、金属箔、微小多孔性膜又は多孔性膜、ポリマーフィルムなどのフィルム、圧縮石膏シートなどの無機構造、穿孔又は孔あきフィルム及び紙、巨視的に拡大されたフィルム、布、材木などの実質的に剛性の繊維ベース材料が挙げられる。
前記の他の構成成分は非吸収性、吸収性、流体含有性等であってもよい。
【0046】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は又、例えば多孔性発泡体構造を形成するために、既知の手段によって閉塞気泡発泡体を含めた発泡体として製造することもできる。
その他の有用な技術は、スプレーコーティング処理である。本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、加熱スプレー技術に適しているが、加熱すると、スプレーコーティング又はスパッタリングできるように粘度が十分に低下する。このような熱可塑性親水性ポリマー組成物のスプレーコーティングは、物品の表面又は壁面を形成するために、オス型又はメス型の成型の支援によって実施することができる。その後、物品と成型(又は成型部分)を互いに引き離す。あるいは、スプレーコーティング方法は、溶媒ベース手法やエマルションなど、ポリマー組成物の違った形式の出発原料を使用することもできる。
【0047】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含み、スプレーコーティング手法を用いる複合物品の場合、その他の材料がそれ自体で十分な3次元構造体を提供して、他の材料が成型として働き、その後それを十分にコーティングして、前述のように成型から物品が離れるのを防ぎながら、複合物品を完成する。
本発明の一実施形態では、水蒸気透過性があり、液体不透過性の複合重層構造体が提供され、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成された層が複合材料の全体的な性能に寄与するのは、通気性のある流体障壁の提供だけであるので、可能な限り薄く提供することができて有利である。残りの性能の物理的基準は、その後与えられた基材によって好ましく提供されるので、支持体層としても働くことが望ましい。
【0048】
基材又は支持層は、好ましくは水蒸気透過性のどのような有用な層でもよく、水蒸気透過性が少なくとも100g/m2・24h、より好ましくは少なくとも300g/m2・24h、最も好ましくは少なくとも500g/m2・24hであることが望ましい。
支持体層として本発明で使用するための好適な基材には二次元の、平面状微孔性及び微孔性フィルム、巨視的に拡大されたフィルム、形成孔あきフィルム、不織布及び織布層が含まれる。本発明によれば、前記層の孔はどのような構成にすることもできるが、球形又は矩形が好ましく、様々な寸法にすることもできる。これらの孔は、層の表面全体に均一に分散していることが好ましいが、表面の特定の領域だけに開口を有する層も考えられている。
【0049】
好適な2次元多孔性平面状層は、当技術分野で既知のどのような材料で製造することもできるが、一般的に入手可能なポリマー材料から製造することが好ましい。好適な材料には、いわゆる通気性衣類ヘのその適用で当業界では周知の、例えばゴアテックス(Goretex(商標))、又はシンパテックス(Sympatex(商標))類型の材料がある。その他の好適な材料としては、米国ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)のXMP−1001、及びエクソン・ケミカル社(Exxon Chemical Company)から販売されるエグザイア(Exxaire)XBF−101Wが挙げられる。本明細書で使用するとき、2次元平面状の層という用語は、深さが1mm未満、好ましくは0.5mm未満の層を指し、前記開孔は、これらの長さに沿って均一の平均直径を有し、層の平面からは突き出していない。本発明で使用するための孔あき材料は、EPO 293,482及びその特許中に記載された参照文献など、当技術分野で既知のどのような方法を用いても製造することができる。
【0050】
好適な孔あき成形フィルムには、層表面の水平面を超えて延び、その結果突出部を形成する、別個の開孔を有するフィルムが含まれる。これらの突出部は、その終端部にオリフィスを有する。前記突出部が、米国特許第3,929,135号に記載されているのと同様、漏斗形状であることが好ましい。平面内に位置する開口及び突出部自体の終端部に位置するオリフィスは、突出部末端のオリフィスの横断面の寸法又は面積が、層表面に位置する開口の横断面の寸法又は面積より小さければ、円形又は非円形になるかもしれない。好ましくは、前記孔あき事前成形フィルムが単一方向性であり、完全ではなくとも、少なくとも実質的に一方向に流体輸送する。
本発明で使用するに好適な巨視的に拡大されたフィルムには、例えば、米国特許第4,637,819号及び第4,591,523号中に記載されているようなフィルムが含まれる。
本発明で使用するのに好ましい支持体層には、織布及び不織布層、最も好ましくは疎水性の不織布などの疎水性の繊維層が含まれる。
【0051】
本発明のこの好ましい実施形態の複合重層構造体は、望ましい厚さを有する層として熱可塑性組成物を支持基材上に形成できる複合体を提供することができるので、特に好都合である。例えば、前述のように、処理条件において熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を好適に調整すると、熱可塑性親水性ポリマー組成物を基材上に望ましい厚さで提供するために、低粘度ホットメルトを直接コーティングする当技術分野で既知の典型的なコーティング条件及び装置を容易に利用することができる。あるいは、本発明による熱可塑性親水性ポリマー組成物が処理条件において高い粘度を有する場合、フィルム押出しなど、その他の既知の方法を使用することもできる。
支持体層として作用する基材上に前記熱可塑性組成物をコーティングして複合積層体を形成するための可能な方法はPCT国際公開特許WO96/25902中に記載されている。
【0052】
本発明による水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物は、典型的には溶融、半溶融又は可塑性状態で望ましい接着性又は粘着性を提供されているものとしてこれまでのところ説明した。これは、好適な基材、例えば、疎水性繊維を含む好ましい不織布のような非常に低い極性を有する基材に層又はフィルムのように直接形成された熱可塑性親水性ポリマー組成物で、さらに安定した水蒸気透過性があり液体不透過性の層の複合構造体を形成するために、本発明の好ましい実施形態において望ましく、そこで前記基材への増大した接着性は、結果として生じる層又はフィルムの水蒸気透過性を損なうことがない。より一般的には、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はホットメルト接着剤として配合されることもでき、これは例えば使い捨て吸収性物品の中での、例えば構成接着剤として、及び一般的に水蒸気透過性があり、液体不透過性の接着剤組成物が必要とされるすべてのこうした適用において用途を見出すことができる。
【0053】
しかしながら本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた永久的、又は半永久的な感圧接着剤の特性を有するように、即ち熱可塑性親水性ポリマー組成物は固体状態において、上述したような可変時間の間、通常は室温において粘着性を保有するように配合され得る。そのため、それらは連続的な水蒸気透過性があり、液体不透過性の接着剤層が必要とされるすべてのこうした適用において特に有用である可能性があり、例えば使い捨て吸収性物品中の構成接着剤として、あるいは物品を、必要とされる場所に固定するための接着剤において、例えば使い捨て吸収性物品を下着又は身体に固定する通気性接着テープなどにおいて有用であり得る。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物、及び水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造体であって、例えば単独で用いられる層又はフィルム、又はそれから形成される積層体構造のような複合体は、液体不透過性及び水蒸気透過性が望ましい多くの用途において有用性を見出す。
【0054】
前記構造体は通常は、使い捨ての、例えば不織布を基材とする積層体構造体であることも可能で、あるいは耐久性の又は半耐久性の、例えば織物又は布地を基材又は支持体として含む積層体構造体であることも可能である。
特に本発明では、吸収性物品、創傷治療物品、又は化粧品のようなパーソナルケア製品内に有効に使用され得る。非限定的な例は、おむつ、衛生ナプキン、パンティライナー、失禁用製品、及び母乳パッドのような吸収性物品;創傷及び火傷用包帯剤(dressing)及び包帯(bandage)、医療用の温め又は冷やし用パッド;傷当て、包帯又は覆いであって例えば医療又は美容の治療用であり、これは活性物質を含有及び供給してもよい;腋窩、手首、及び頭部の発刊のためのパッドのような汗取りパッド、襟インサート、靴インサート、ハットバンド;メークアップ、フェースマスク、口紅、又はヘアージェルのような化粧品であって、皮膚上又は毛髪上に通気性のフィルム、ネールポリッシュなどを作り出すためのものある。
【0055】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む他の物品は身体又は身体の部位のための保護的物品を含む。非限定的な例は、作業着又は手術着などのような保護衣類;手袋、指サック、長手袋、ミトンなどのハンドカバー;靴下、ストッキング、パンティーストッキング、靴、スリッパなどのフット又はレッグカバー;帽子、キャップなどのヘッドカバー;コンドームのような性病予防及び避妊の機械的物品;フェースマスク、ノーズカバー、イアーカバー、又はミットなどのフェイスカバー;スポーツ及びフィットネス用衣料品、ウインド・チーター、寝袋;男性器「競技用」サポーター、ブラジャーなどの身体サポート品;下着、保護スリーブとして、又は保護パッド中に一部又は全体を組み込んだものとして、使用するための衣類を含む。物品及び用途のその他の例としては、これに限るものではないが、ヒト用の柔軟性衣料又はドレープ衣料品、例えば、シャツ、パンツ、下着、よだれかけ、スモック、コート、スカーフ、外套(body wrap)、ストッキング、レギンス、スカート、ドレスなどの非限定例が挙げられ;医療専門家用、農業業務用、機械組立及び修理業用、緊急公的業務用、軍用、競技用、清掃用を包含する種々の作業及び業務用の他の柔軟性衣料若しくはドレープ衣料又は保護シート;動物のための保護衣類が挙げられる。
【0056】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む物品の更なるカテゴリーとしては保護の目的のための物品を含む。好ましい保護物品は、リネン、マットレス、及び枕カバーのような保護寝具カバーを含む。またクッション、掛け布団、刺子羽根ぶとん、ヘッドボードのようなベッドの布張り部分、又はソファー若しくはひじ掛けいすの布張り部分のための保護カバーが含まれる。他の非限定的例は、電子/電気製品用埃カバー(例えばコンピューターのキーボード、ハードドライブ、ビデオレコーダーなど)、乗り物、例えば飛行機/列車内の座席用ヘッドレストカバー、シュリンクラップ、1回使用のテーブルカバーなどのような保護物品を含む。生鮮食品及び焼いてある食品(パン、ロール、ケーキ)のような食品用などの包装用物品、例えば冷蔵庫内での食品保存用袋、又は電子レンジ用包装フィルム、又はピザ用などの熱い「持ち帰り用」食品、の包装がある。更なる例は農耕又は園芸用物品を含み、これに限るものではないが、個々の又は特定の植物群を部分的又は全体的に包むために設置されるそれぞれの物品(容器、三次元「バッグ」)である。布張りをしたいす及びソファーなどのための保護カバーのような家具用保護カバーもまた含まれる。他の別の保護物品は、建築用屋根葺き材及び家屋の覆い、スキー、ウィンドサーフ及び自転車/オートバイ用胸当てズボン、絨毯及び壁紙、キャンプ用テントの裏材、多様な品々(例えば車、テニスコート、スポーツグラウンドなど)のための保護シート、庭/温室保護用シート、テニスコート、スポーツグラウンドの閉鎖/保護用テント、低温からの植物保護のための品々などを含む。
【0057】
別の用途では、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物が、スプレー/ブラシ/ロールコーティングを介して、通常溶媒又はエマルション形態を主体とする組成物において、室温で適用され、石、コンクリート、木材(例えば家具)のような硬質面、靴/皮革物品又は織物のコーティング/防水加工のための保護用の、おそらく剥離可能なコーティング、車のための保護用コーティング(例えば船による輸送中)、長期間使用しない間の車、ボートなどのための保護用コーティングを含む。本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた通気性塗料にも含まれ得る。
より一般的には上述の多くの異なる用途において可能であればいつでも、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、既に形成された層又は構造体のどちらかで提供され、あるいは噴霧又ははけ塗りのような流体の形態でもまた適用され、及び活性剤、例えば身体への、美容用、医療用、又は保護用組成物などの中の活性剤、又は植物への活性剤を含む可能性がある。
【0058】
一般的には本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含むすべての物品は一般的に柔軟性、又は硬直性であり得る。
上述のすべての物品は、既に述べた出願のPCT国際公開特許WO99/64077、及びWO99/64505に記載された熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造することができ、又はこれを含むことができる。
好ましくは、本発明の熱可塑性組成物から形成される水蒸気透過性があり、液体不透過性の構造、例えば、層及び複合体の全体的な水蒸気透過率は、少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも500g/m2・24hである。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を好適な基材上に成形することによって形成される水蒸気透過性があり液体不透過性の複合構造は、使い捨て吸収性物品、特に生理用ナプキン及びパンティライナー、さらにはおむつ、失禁用製品、及び母乳パッド用のバックシートとして、特に有用性を見出す。このような物品は、通常、液体透過性トップシート、吸収性コア、バックシートなど、当業者に既知の構成要素を含むであろうが、任意選択的に固定手段やウイングなどの他の構成要素もまた含んでよい。
【0059】
(実施例)
実施例1
先行技術組成物から製造された比較サンプルと比較した、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造されたサンプルの、水蒸気透過率(WVTR)の値による通気性、及びループタックの値による粘着性が次の実施例に示される。
【0060】
サンプルの調製
熱可塑性親水性ポリマー組成物の特定の溶液を、RK印刷機器社(RK Print Instruments Ltd)より入手可能なKハンドコータ(K Hand Coater)No.150を用いて30cm×20cmのガラス板の上に流延して、サンプルをフィルムとして調製する。
組成物中に用いられる原材料は次の通りである。
本発明による熱可塑性親水性ポリマーとして、アトフィナ(Atofina)(フランス)より入手可能であり、商品名ペバックス(Pebax)2533 SN01として商品化されたポリエーテルアミドブロックコポリマー、
本発明による可塑剤として、ユニテックス・ケミカル・コーポレーション(Unitex Chemical Corporation)より商品名ユニプレックス(Uniplex)225として入手可能なN−(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、
先行技術の可塑剤として、アルドリッチ社(Aldrich Co.)より入手可能なトリエチルシトレート、
ハーキュレス社(Hercules Inc)より入手可能であり、及び商品名フォーラル(Foral)85−Eとして販売される粘着付与樹脂、
酸化防止剤としてチバ−ガイギー(Ciba-Geigy)より入手可能なイルガノックス(Irganox)1010。
【0061】
溶液は10質量%の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含有し、及び溶媒を完全に蒸発させた後、得られるフィルムは次に示すように望ましい厚さを有する。熱可塑性親水性ポリマー組成物に含有される熱可塑性親水性ポリマーにより、異なる溶媒を用い得るが、これは当業者が容易に決定することができ、即ちペバックス(Pebax)2533 SN01についてはトルエン/イソプロパノールの50:50混合物である。
サンプルに用いられた成分及び組成物は執拗パーセントにより次の表Iに示される。
【0062】
【表1】
Figure 0004231689
【0063】
サンプルの形成から1時間後、及び24時間後の水蒸気透過率(WVTR)による通気性、及びループタックによる粘着性を次の表IIに示す。サンプルの厚さは表の中で指示がない限り約25μmである。
【0064】
【表2】
Figure 0004231689
【0065】
表IIに示されるように、本発明による熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成され(サンプル4及び5)、ポリマー及び可塑剤のみを含むフィルムは1時間における粘着性を示し、これは参照サンプル2のものに少なくとも匹敵し(サンプル4)、及びそれより高くさえある(サンプル5、可塑剤が高含量である好ましい組成物を有する)。一方、本発明によるサンプルの通気性は、参照サンプル2の通気性、及びまた純粋なポリマーのみを含む参照サンプル1の通気性よりはるかに高く、及びむしろ参照サンプル3の通気性に近いが、これは本発明者らによる特許出願であるPCT国際公開特許WO99/64505による同一のポリマー及び好ましい可塑剤を含み、及び非常に良好な通気性を提供するが、実質的に全く粘着性を供給しない。
サンプル4及び5は半永久的粘着性を示すが、これはサンプルの形成から24時間後にはほとんど完全に消失する。
【0066】
実施例2
本発明による異なる水蒸気透過性、液体不透過性複合体重層構造体が、実施例2として記述されている。
アトフィナ(Atofina)(フランス)より入手可能であり、商標名ペバックス(Pebax)2533 SN01として商品化されたポリエーテルアミドブロックコポリマーを、ライリー・ケミカル(Reilly Chemical)より入手可能なシトロフ レックス2(Citroflex 2)(可塑剤)、アクゾノーベル(Akzo Nobel)より入手可能なケトジェンフレックス8(Ketjenflex 8)(可塑剤)、チバガイギー(Ciba-Geigy)より入手可能なイルガノックス(Irganox)1010及びイルガノックス(Irganox)PS800(酸化防止剤)と配合する。シルケム(Silkem d.o.o.)(スロベニア)より商品名ZP−4Aとして入手可能な粉末形態のゼオライトもまた組成物に添加し、他の成分と混合する。
最終処方は質量パーセントで次の組成を有する。
【0067】
【表3】
Figure 0004231689
【0068】
熱可塑性組成物を、ホットメルトコーティング方法により、秤量20g/m2を有する連続フィルムの繊維性基材上に直接コーティングする。繊維性の基材はSMS(スパンボンド−メルトブロウン−スパンボンド構造)疎水性の100%ポリプロピレン不織布、秤量17g/m2(支持体層)であり、コロヴィン−BBA不織布グループ(Corovin - BBA Nonwovens Group)(ドイツ)よりコードG17AI0として入手可能である。複合体はWVTR1907g/m2・24hを有する。
積層体構造体を形成した後、粒子形態にある異なる香料組成物をタルカムパウダーと共に、熱可塑性組成物の面上に直接適用し、及び本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘着性を利用してそこに付着する。次の表による、タルカムパウダーと2つの従来型のデンプンカプセルに包まれた香料(50質量%香料:50質量%デンプン、及び75質量%香料:25質量%デンプン)を含む、4つの異なるサンプルを調製する。好適な芳香をもつ、デンプンカプセルに包まれた香料は既知であり、市場で容易に入手できる。
【0069】
【表4】
Figure 0004231689
【0070】
より多量の香料粒子を含むサンプル1及び3に対応する構造体はマットレスカバーを製造するのに用いられ得るが、より少量の香料粒子を含むサンプル2及び4に対応する構造体は、枕カバーの製造において用途を見出すことができる。
【0071】
実施例3
ノヴェオン社(Noveon Inc.)より入手可能であり、商品名エスタン(Estane)T5410及びエスタン(Estane)5708として商品化されている熱可塑性ポリウレタンのブレンドを、ユニテックス・ケミカル・コーポレーション(Unitex Chemical Corporation)より商品名ユニプレックス(Uniplex)288 CGとして入手可能な安息香酸スクロース可塑剤、及びチバガイギー(Ciba-Geigy)からのイルガノックス(Irganox)B225酸化防止剤と配合する。最終処方は質量パーセントで次の組成を有する。
【0072】
【表5】
Figure 0004231689
【0073】
熱可塑性親水性ポリマー組成物のフィルムは溶液から、RK印刷機器社(RK Print Instruments Ltd)より入手可能なKハンドコータ(K Hand Coater)No.150を用いて30cm×20cmのガラス板の上に流延される。溶液は10質量%の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含有し、及び溶媒はテトラヒドロフランである。溶媒を完全に蒸発させた後に得られるフィルムの厚さは約20μmである。得られたフィルムは、純粋ポリマーブレンドのフィルムの割には増加されたタックを示した。加えて、フィルムは、他の相溶性のある可塑剤により可塑化された同一ポリマー内容の熱可塑性ブレンドのフィルムと比較して、増加された強度を有することが観察された。
【0074】
試験方法
本発明によれば、複素粘度η*は、レオメトリックス社(Rheometrics Co.)から入手可能なレオメータRDA−IIを用いて測定される。水蒸気透過性は、修正ASTM E−96「直立カップ(Upright Cup)」法により、25℃、相対湿度55%における水蒸気透過率(WVTR)として測定される。標準ASTM E−96「直立カップ」法に対する唯一の修正は、カップ内のサンプルと水表面との間の空隙の高さにおける変更であり、その高さは標準の試験方法に記載される19mm±2.5mmの代わりに3mm±0.5mmである。ループタックはFINAT試験方法(FINAT Test Method)No.9(FTM 9)により測定される。

Claims (12)

  1. 熱可塑性親水性ポリマー組成物であって、
    少なくとも固体状態では、かつ通常室温では、ハード及びソフトドメインについて多相モルフォロジーを示す分子鎖内にハード及びソフトセグメントを有する熱可塑性親水性ポリマー、並びに
    前記熱可塑性親水性ポリマーの前記ハードセグメントに優先的に結びつき、かつ前記ハードドメインを優先的に軟化させることが可能な少なくとも1種の好適な可塑剤を含み、
    前記熱可塑性親水性ポリマーの前記ハードセグメントがアミド構造を有する場合、前記可塑剤がスルホンアミド、ラクタム、数平均分子量Mnが25,000ダルトン(4.15×10-20グラム)以下であるポリアミドからなる群から選択され;
    前記熱可塑性親水性ポリマーの前記ハードセグメントがポリエステル構造を有する場合、前記可塑剤がスルホンアミド、スルホン、数平均分子量Mnが25,000ダルトン(4.15×10-20グラム)以下であるポリエステルからなる群から選択され;
    前記熱可塑性親水性ポリマーがポリウレタンである場合、前記可塑剤はスルホンアミド、数平均分子量Mnが25,000ダルトン(4.15×10-20グラム)以下であるポリエーテル又はポリエステルから成る群から選択されることを特徴とする組成物。
  2. 前記熱可塑性親水性ポリマーがポリウレタン、ポリアミド及びコポリアミド、ポリエステル及びコポリエステル及びそれらのスルホン化誘導体ポリエーテルエステル及びポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミド及びポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステルアミド及びポリエステルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステルアミド及びポリエーテルエステルアミドブロックコポリマーポリグリコール酸コポリマー、ポリ乳酸コポリマー並びにこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。
  3. 前記熱可塑性親水性ポリマーが、ポリウレタン、コポリエステル、ポリエステルアミドブロックコポリマーポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、及びポリエーテルエステルブロックコポリマー、並びにこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。
  4. スルホンアミドスルホンアミド−ホルムアルデヒド樹脂である、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物であって、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物が、
    選択された熱可塑性親水性ポリマー又は選択された熱可塑性親水性ポリマーの混合物を、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物の5質量%〜95質量%;及び
    選択された好適な相溶性のある可塑剤又は可塑剤のブレンドを、前記熱可塑性親水性組成物の5質量%〜95質量%を含むことを特徴とする組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物であって、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物が、少なくとも0.3N/cmの1時間における粘着性を有し、該粘着性は本明細書において記述されるFINAT試験方法(FINAT Test Method)No.9(FTM 9)により評価される組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物であって、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物は、24時間における粘着性が1時間における粘着性の30%未満であることを特徴とする組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される水蒸気透過性の連続層であって、前記層は液体不透過性であり、及び該層の厚さが少なくとも20μmである場合、水蒸気透過率(WVTR)が少なくとも300g/m2・24hであり、該水蒸気透過率は本明細書において記述される修正されたASTM E−96「直立カップ」法により測定される層。
  9. 前記層が臭気抑制物質、吸湿物質、活性剤放出物質、不活性物質、又はこれらの混合物から選択される物質を含むことを特徴とする請求項8に記載の水蒸気透過性の連続層。
  10. 前記物質が水蒸気透過性の連続層に直接付着する粒子形態の香料であることを特徴とする請求項9に記載の水蒸気透過性の連続層。
  11. 基材に接着する請求項8から10のいずれか一項に記載の層を含み、該基材が水蒸気透過性であることを特徴とする水蒸気透過性、液体不透過性重層構造体。
  12. 請求項8から10のいずれか一項に記載の水蒸気透過性の連続層、又は請求項11に記載の水蒸気透過性、液体不透過性重層構造体を含む使い捨て寝具カバーであって、前記寝具カバーが、マットレス、又は枕カバーであることを特徴とするカバー。
JP2002532528A 2000-10-02 2001-10-01 水蒸気透過性構造体のための改善された熱可塑性親水性ポリマー組成物 Expired - Fee Related JP4231689B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP00121585A EP1193289A1 (en) 2000-10-02 2000-10-02 Improved thermoplastic hydrophilic polymeric compositions for moisture vapour permeable structures
PCT/US2001/042413 WO2002028951A1 (en) 2000-10-02 2001-10-01 Improved thermoplastic hydrophilic polymeric compositions for moisture vapour permeable structures

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004510861A JP2004510861A (ja) 2004-04-08
JP4231689B2 true JP4231689B2 (ja) 2009-03-04

Family

ID=8170001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002532528A Expired - Fee Related JP4231689B2 (ja) 2000-10-02 2001-10-01 水蒸気透過性構造体のための改善された熱可塑性親水性ポリマー組成物

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20030171464A1 (ja)
EP (2) EP1193289A1 (ja)
JP (1) JP4231689B2 (ja)
AT (1) ATE415449T1 (ja)
AU (1) AU2001296951A1 (ja)
CA (1) CA2422739C (ja)
DE (1) DE60136728D1 (ja)
WO (1) WO2002028951A1 (ja)

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60228350D1 (de) * 2002-04-12 2008-09-25 Procter & Gamble Flüssigkeitsundurchlässige, wasserdampfdurchlässige Schichten und Folien mit thermoplastischen hydrophilen Polymerzusammensetzungen und erhöhter Festigkeit
EP1402862B1 (en) * 2002-09-24 2007-11-28 The Procter & Gamble Company An absorbent article comprising an absorbent element comprising a liquid absorbent thermoplastic composition
EP1402905A1 (en) 2002-09-24 2004-03-31 The Procter & Gamble Company Liquid absorbent thermoplastic composition comprising superabsorbent material particles of substantially anglelacking shape
EP1433450A1 (en) * 2002-12-23 2004-06-30 The Procter & Gamble Company Polymeric compositions for moisture vapour permeable structures with improved structural stability and structures comprising said compositions
DE20321475U1 (de) * 2003-05-23 2007-08-09 Kuhne Anlagenbau Gmbh Räucherbare Flächen- oder schlauchförmige Nahrungsmittelhülle oder -folie für Lebensmittelverpackungen
ES2287401T3 (es) * 2003-11-14 2007-12-16 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY Composiciones polimericas para la liberacion sostenida de materiales volatiles.
US7262242B2 (en) 2004-02-18 2007-08-28 Eastman Chemical Company Aromatic/acrylate tackifier resin and acrylic polymer blends
US7332540B2 (en) 2004-02-18 2008-02-19 Eastman Chemical Company Aromatic-acrylate tackifier resins
US7238732B2 (en) 2004-02-18 2007-07-03 Eastman Chemical Company Radiation-curable adhesive compositions
EP1579831A1 (en) 2004-03-23 2005-09-28 The Procter & Gamble Company An absorbent article comprising edge barriers comprising a liquid absorbent thermoplastic composition
US20050233073A1 (en) * 2004-04-19 2005-10-20 The Procter & Gamble Company Method and apparatus for applying coatings, for instance for sanitary products
MX2007008590A (es) * 2005-01-26 2007-08-14 Procter & Gamble Panal desechable tipo calzon que tiene una cintura elastica de recuperacion lenta con fuerza baja.
US20070128427A1 (en) * 2005-08-30 2007-06-07 Hiroko Suzuki Moisture permeable polyester-based elastomer film and process for the manufacture thereof
EP1816165A1 (en) * 2006-02-03 2007-08-08 The Procter and Gamble Company Tackified polymeric compositions for perfume delivery
EP1829561A1 (en) * 2006-03-03 2007-09-05 The Procter and Gamble Company Thermoplastic absorbent materials for proteinaceous or serous bodily fluids
GB0708692D0 (en) 2007-05-04 2007-06-13 Innovia Films Ltd Seelable, pealable film
US9822229B2 (en) * 2007-05-24 2017-11-21 Innovia Films Limited Low emissivity film
US11786036B2 (en) 2008-06-27 2023-10-17 Ssw Advanced Technologies, Llc Spill containing refrigerator shelf assembly
US8286561B2 (en) 2008-06-27 2012-10-16 Ssw Holding Company, Inc. Spill containing refrigerator shelf assembly
AU2009270335A1 (en) * 2008-07-16 2010-01-21 Kaplan, David Michael Mr Pillow cover
CA2739903C (en) 2008-10-07 2016-12-06 Ross Technology Corporation Highly durable superhydrophobic, oleophobic and anti-icing coatings and methods and compositions for their preparation
US20100099841A1 (en) * 2008-10-16 2010-04-22 Jen-Meng Lin Nail polish
US20110092930A1 (en) * 2009-10-20 2011-04-21 TriMountain Medical Resources LLC Medical protective table sheets
WO2011056742A1 (en) 2009-11-04 2011-05-12 Ssw Holding Company, Inc. Cooking appliance surfaces having spill containment pattern and methods of making the same
WO2011116005A1 (en) 2010-03-15 2011-09-22 Ross Technology Corporation Plunger and methods of producing hydrophobic surfaces
PE20140834A1 (es) 2011-02-21 2014-07-10 Ross Technology Corp Revestimiento superhidrofos y oleofobos con sistema aglutinantes con bajo contenido de cov
DE102011085428A1 (de) 2011-10-28 2013-05-02 Schott Ag Einlegeboden
WO2013090939A1 (en) 2011-12-15 2013-06-20 Ross Technology Corporation Composition and coating for superhydrophobic performance
MX2015000119A (es) 2012-06-25 2015-04-14 Ross Technology Corp Recubrimientos elastoméricos con propiedades hidrofóbicas y/u oleofóbicas.
CN111372454A (zh) 2017-11-21 2020-07-03 韦斯特高有限公司 密封的杀虫性食品存储袋及其用途和生产方法
CN109370046B (zh) * 2018-10-09 2021-03-16 仲恺农业工程学院 一种提高聚丙烯薄膜透气度的方法及改性聚丙烯薄膜和应用
CN113907582B (zh) * 2021-09-17 2023-04-07 江苏鼎顺医疗用品有限公司 一种医用枕套及其制造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2172072A1 (en) * 1972-02-14 1973-09-28 Cpc International Inc Porous film-forming compsn - contg hydrophilic unsatd amide polymer mixed with hydrophobic polymer
US3898171A (en) * 1973-12-03 1975-08-05 Addressograph Multigraph Electroscopic powder with sharp melting point containing sucrose benzoate and a thermoplastic resin
US3929135A (en) * 1974-12-20 1975-12-30 Procter & Gamble Absorptive structure having tapered capillaries
CA1191439A (en) * 1982-12-02 1985-08-06 Cornelius M.F. Vrouenraets Flexible layered product
US4637819A (en) * 1985-05-31 1987-01-20 The Procter & Gamble Company Macroscopically expanded three-dimensional polymeric web for transmitting both dynamically deposited and statically contacted fluids from one surface to the other
US4591523A (en) * 1985-05-31 1986-05-27 The Procter & Gamble Company Apertured macroscopically expanded three-dimensional polymeric web exhibiting breatheability and resistance to fluid transmission
NL8702422A (nl) * 1987-10-12 1989-05-01 Akzo Nv Absorberend hygienisch produkt.
SE9100525D0 (sv) * 1991-02-22 1991-02-22 Inpipe Sweden Ab Laminat
JPH06107843A (ja) * 1992-09-29 1994-04-19 Unitika Ltd 透湿防水膜の製造方法
JPH07135317A (ja) * 1993-04-22 1995-05-23 Texas Instr Inc <Ti> 自己整合型シリサイドゲート
US5532053A (en) * 1994-03-01 1996-07-02 W. R. Grace & Co.-Conn. High moisture transmission medical film
DE19706380A1 (de) * 1997-02-19 1998-08-20 Wolff Walsrode Ag Atmungsaktive Mehrschichtfolie
US5900471A (en) * 1997-04-03 1999-05-04 Alliedsignal Inc. Films of blended nylon resins and laminates therefrom
EP0963760A1 (en) * 1998-06-09 1999-12-15 The Procter & Gamble Company Low viscosity thermoplastic compositions for moisture vapour permeable structures and the utilisation thereof in absorbent articles

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004510861A (ja) 2004-04-08
ATE415449T1 (de) 2008-12-15
WO2002028951A1 (en) 2002-04-11
DE60136728D1 (de) 2009-01-08
EP1325070A1 (en) 2003-07-09
CA2422739C (en) 2009-12-22
EP1325070B1 (en) 2008-11-26
AU2001296951A1 (en) 2002-04-15
US20030171464A1 (en) 2003-09-11
EP1193289A1 (en) 2002-04-03
CA2422739A1 (en) 2002-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4231689B2 (ja) 水蒸気透過性構造体のための改善された熱可塑性親水性ポリマー組成物
EP1352920B1 (en) Liquid impermeable, moisture vapour permeable films and layers comprising thermoplastic hydrophilic polymeric compositions and having improved strength
EP1086165B1 (en) Shape-formed, three dimensional, moisture vapour permeable, liquid impermeable articles
US20040180998A1 (en) Polymeric compositions for moisture vapour permeable structures with improved structural stability and structures comprising said compositions
US6495612B1 (en) Shape-formed, three dimensional, moisture vapor permeable, liquid impermeable articles
JP2003527451A (ja) 低粘性の熱可塑性組成物を含む水蒸気透過性で液体不透過性の構造体を含む水蒸気透過性で液体不透過性の形状形成された三次元製品
JP2004523598A (ja) 湿気透過性構造のための改善された接着特性を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物
EP1264684B1 (en) Moisure vapour permeable, liquid impermeable multilayer structures with enhanced moisture vapour permeability and dimensional stability and articles comprising said structures
JP2004501254A (ja) 高水溶性成分を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物
US20040146717A1 (en) Moisture vapour permeable, liquid impermeable multilayer structures with enhanced moisture vapour permeability and dimensional stability and articles comprising said structures
US20030088003A1 (en) Thermoplastic hydrophilic polymeric compositions with high water solubility component
JP2003535966A (ja) 低水溶性構成成分を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物
US20030088221A1 (en) Thermoplastic hydrophilic polymeric compositions with low water solubility component

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081107

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees