JP2004501254A - 高水溶性成分を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、例えば、組成物を層又はフィルムに成形して、液体不透過性水蒸気透過性構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物に関する。熱可塑性組成物は、好ましい熱可塑性ポリマー、及び水又は水性流体によってその抽出/放出が制御できる適切な相溶性可塑剤を含む。本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から得られた層は、液体不透過性と水蒸気透過性とが望まれる種々の用途に見出され得る。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、例えば組成物をフィルムのような水蒸気透過性、液体不透過性層に形成することによって、水蒸気透過性、液体不透過性構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物に関する。本発明の熱可塑性組成物、並びにそれらから形成される水蒸気透過性、液体不透過性構造体は、液体不透過性及び水蒸気透過性とが所望される多数の用途においてその有用性が見出されている。
【0002】
(発明の背景)
水蒸気透過性を与えると共に液体バリア性を与える熱可塑性フィルムは当該技術分野において既知である。特に好ましいものは、材料内の通気孔又は孔から水蒸気は通さないが、フィルムの水蒸気濃度が高い側の水を吸収してフィルムの水蒸気濃度が低い反対側で水を除去つまり蒸発させることにより、フィルムを通してかなりの量の水蒸気を透過させる親水性連続フィルムである。このようなフィルムは、通常、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーのブレンドを含む熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される。上述の特性を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物は、当該技術分野において「モノリシック組成物」としても既知である、それらから製造される水蒸気透過性、液体不透過性層又はフィルムは「モノリシック層」又は「モノリシックフィルム」として知られる。
【0003】
例えば、国際特許第95/16746号は、a)ブロックコポリエーテルエステル、ブロックコポリエーテルアミド(例えば、ペバックス(Pebax)(商標))及び又はポリウレタン、b)aと不相溶性である熱可塑性ポリマー、並びにc)相溶剤との混合物から調製されるフィルムを開示している。フィルムは液体不透過性で、1日当たり約700g/m2の水蒸気透過率を持つ。また米国特許第5,447,783号には、少なくとも三つの層を持つ、蒸気透過性で耐水性の多成分フィルム構造が開示されている。外層は、1.3〜7.6マイクロメートルの厚さと400〜2500g/m2・24hのWVTRとを持つ疎水性のコポリエーテルエステルエラストマーであり、内層は7.6〜152マイクロメートルの厚さと少なくとも3500g/m2・24hのWVTRとを持つ親水性コポリエーテルエステルエラストマーである。
【0004】
米国特許第5,445,875号は、耐水性で血液とウイルスを通さない通気性の積層体を開示している。この積層体は、織布/不織布と、約1ミル(25.4マイクロメートル)の厚さを持つハイトレル(Hytrel)(商標)などの押出成形フィルムとを含む。
米国特許第5,532,053号は、不織布材に積層できる水分透過率の高い医療用フィルムを開示している。積層フィルムは、ポリエーテルエステルコポリマーの第1層と、特定のポリマー群から選択される第2及び第3層とを含む。フィルムは750g/m2・24hより高いMVTR(ASTM F−1249)と、1ミル(25.4マイクロメートル)未満、望ましくは0.6ミル〜0.75ミル(15〜19マイクロメートル)の厚さとを持つ。
【0005】
米国特許第4,938,752号は、透水性が低く、500g/m2・24hの水蒸気透過率(明確に記載された試験で測定)と、5〜35マイクロメートルの厚さとを持つコポリエーテルエステルのフィルムを含む吸収剤を開示している。支持基材は開示されていない。
米国特許第4,493,870号は、少なくとも1000g/m2・24hのMVTR(ASTM E96−66)を持ち、5〜35マイクロメートルの厚さを持つコポリエーテルエステルのフィルムで被覆された織物材料を含む、可撓性を備える層状の耐水性製品を開示している。
GB2024100号には、水蒸気透過性だが液体に対する耐性を持つ微小多孔性の疎水性外層と、1000g/m2・24h以上のMVTRを持つポリエーテルポリウレタンの親水性内層とを含む、可撓性を備える層状の耐水性品が開示されている。
【0006】
本発明者らの、発明の名称「水蒸気透過性構造体用の低粘度熱可塑性組成物及び吸収性物品におけるこれらの利用」の国際公開第99/64077号及び発明の名称「高い水蒸気透過性を有する構造体用の低粘度熱可塑性組成物及び吸収性物品におけるこれらの利用」の国際公開第99/64505号は、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーのブレンドを含む熱可塑性組成物が、水蒸気透過性及び液体不透過性の好ましい特徴を有する、親水性で連続的な、水蒸気透過性、液体不透過性層の製造について開示している。これらの開示された好ましい熱可塑性組成物はまた、所望の厚さを有する被覆を基材上に提供するように容易に処理することもできるので、伝統的で複雑な押出装置の必要性が回避される。これは、熱可塑性ポリマーの粘度を低下させる適当な可塑剤又は可塑剤のブレンドを前記組成物中に含めることによって、熱可塑性親水性ポリマーの粘度を修正して達成される。これによって、これらの好ましい組成物を用いて水蒸気透過性、液体不透過性のフィルム又は層を形成するために、低粘度のホットメルト組成物を基材上に直接被覆するための当該技術分野において既知の典型的な処理条件が利用可能となる。
【0007】
特に好ましい親水性可塑剤は国際公開第99/64505号に記載されており、この文献では組成物の粘度を調整することに加えて、水蒸気透過性に関してさらなる利益を与える熱可塑性親水性ポリマー組成物も提供している。
国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に記載される熱可塑性ポリマー親水性組成物(「モノリシック組成物」)は、液体不透過性と相まって高い水蒸気透過性を有し、水蒸気透過性、液体不透過性フィルム又は層を製造するのに適切であるのと同時に、前記組成物はまた容易に処理可能である一方で、それらは処理性に関して、及び前記フィルム又は層の使用中の環境との相互作用に関してなお改善の余地がある。
【0008】
上記特許出願に従う熱可塑性親水性ポリマー組成物は、処理条件において組成物の粘度を調整するのに極めて効果的であり、好ましくはその組成物から製造されるフィルム又は層の水蒸気透過性に関する利益も与えるような可塑剤を含む。 一般に可塑剤には、熱可塑性親水性ポリマー組成物の他の成分、特に熱可塑性親水性ポリマー又はポリマーと安定したブレンドを形成することが要求される一方で、組成物から可塑剤の抽出/放出を制御することが所望される場合もある。 例えば、組成物からフィルム又は層を形成する場合、前記組成物の処理性を高めるために、熱可塑性親水性ポリマー組成物中の可塑剤の割合を多くするのが好ましい場合がある。熱可塑性親水性ポリマー組成物を構造体、例えば、上述のフィルム又は層に形成した後、組成物自体、さらにはこの組成物から製造される構造体の機械的特性を改変するために、組成物中の可塑剤の含量を減少させるのが望ましい場合もある。
【0009】
あるいは、使用中に構造体が接触すると想定される他の表面又は対象物、例えば、人、動物、食品、又はその他の物品に対するある可塑剤又は可塑剤の特定の活性を活かすために、熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造される構造体を使用する間に可塑剤の抽出/放出を制御できるのが望ましい場合がある。
特定の可塑剤は水及び水性流体に対して極めて感応性であり、水又は水性流体と接触する際に組成物から抽出できることが見出された。
そのため、本発明の目的は、水蒸気透過性、液体不透過性構造体用の熱可塑性親水性ポリマー組成物であって、この組成物が所望の水蒸気透過性及び液体不透過性を有し、構造体が水又は水性流体に直接接触する際に可塑剤の抽出/放出を制御できる組成物を提供することにある。
意外にも、これは熱可塑性親水性ポリマー組成物に関して、水に対する適切な溶解度を有する適切な相溶性の可塑剤又は可塑剤のブレンドを選択することによって達成できることが見出された。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、水蒸気透過性、液体不透過性構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物に関する。この組成物は次の成分を含有する。
ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー、ポリエチレン−アクリル酸コポリマー、ポリエチレンオキシド及びそのコポリマー、エチレンアクリルエステルコポリマー、ポリラクチド及びコポリマー、ポリアミド、ポリエステルブロックコポリマー、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロックコポリマー、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリル酸及び誘導体、イオノマー、28重量%超過の酢酸ビニル含量を有するポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー、ポリビニルエーテル及びそれらのコポリマー、ポリ−2−エチル−オキサゾリン及び誘導体、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、熱可塑性セルロース誘導体、又はこれらの混合物からなる群より選択される熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物;
適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドであって、この適切な相溶性可塑剤が、6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有するか、あるいは適切な相溶性可塑剤のブレンドが、6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有する可塑剤を、少なくとも前記ブレンドの重量に当たり、50%超過で含有する。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、水蒸気透過性、液体不透過性の構造体を製造するための熱可塑性親水性組成物は、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物、及び適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドを少なくとも含む。
本明細書において「通気性のある」及び「通気性」という用語は、本発明の背景の項で定義したような「モノリシック組成物」及び「モノリシック層又はフィルム」と関連して、それぞれ「水蒸気(moisuture vapour)透過性の」又は「水蒸気(water vapour)透過性の」及び「水蒸気(moisuture vapour)透過性」又は「水蒸気(water vapour)透過性」に対応することを意図する。「蒸気(moisuture vapour)」と「水蒸気(water vapour)」とは同等であると考える。
【0012】
本発明の組成物中に含まれる適切な熱可塑性親水性ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー、ポリエチレン−アクリル酸コポリマー、ポリエチレンオキシド及びそのコポリマー、ポリラクチド及びコポリマー、ポリアミド、ポリエステルブロックコポリマー、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロックコポリマー、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリル酸及び誘導体、イオノマー、28重量%超過の酢酸ビニル含有量を有するポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー、ポリビニルエーテル及びこれらのコポリマー、ポリ−2−エチル−オキサゾリン及び誘導体、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、熱可塑性セルロース誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0013】
特に好ましい熱可塑性親水性ポリマーは、熱可塑性ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー(例えば、ペバックス(Pebax)(商標))、熱可塑性ポリエーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、熱可塑性ポリエステルブロックコポリマー(例えば、ハイトレル(Hytrel)(商標))、熱可塑性ポリウレタン(例えば、エスタン(Estane)(商標))、又はこれらの混合物である。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、上述の熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物、及び適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドを含む。
【0014】
本発明によれば、熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む適切な相溶性可塑剤、あるいは適切な相溶性可塑剤のブレンドは、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造された構造体(例えば、フィルム又は層)がそれらの製造後又はそれらの使用中に水又は水性流体と直接接触する際に前記可塑剤の抽出/放出が制御できるようにするために、水に対する適切な溶解度を有するように選択されなければならない。
単一の可塑剤が本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に含まれる場合、この可塑剤が6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有するように選択されなければならない。あるいは、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に可塑剤のブレンドが存在する場合、このブレンドは、25℃の水に対する溶解度が6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の可塑剤を、少なくともブレンドの重量当たり、50重量%超過で含有しなければならない。
【0015】
所定の温度での水に対する物質の溶解度は、化学界では周知のパラメータであり、例えば、化学及び物理のCRCハンドブック(the CRC Handbook of Chemistry and Physics)(CRC出版)、第65版、1984年〜1985年のF101頁に与えられる定義によれば、溶解度は、過剰の物質で平衡状態にある(溶液が飽和状態であると言われる条件下で)溶液中に含まれるこの物質の重量に対応する。本明細書では、それを水100ml中の物質のグラム数として示す(g/100mlH2O)。
【0016】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物における適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドは、当該技術分野において既知の適切な相溶性可塑剤の中から上記基準に従って有利に選択することができる。
本発明の好ましい実施形態において、適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドは、本発明者らの国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に開示されている好ましい可塑剤及び上述した可塑剤の中から選択でき、可塑剤は一般に処理条件において熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を調整することを目的とし、好ましくは組成物から製造されるフィルム又は層の水蒸気透過性に関する利益も与えることを目的とする。
【0017】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に含まれる上述の熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物は、通常、フィルム又は層を形成する既知の代表的な方法(例えば、ハイパワースクリュー押出成形機を含む押出加工)である処理条件の融解状態で極めて粘稠である。例えば、これらは、DSC(示差走査熱量計)ピークに相当するか、又は1つ以上のピークを示すポリマー混合物の場合にはDSCの最大ピークに相当するものとして同定される温度であるDSC融点より20℃高い温度、及び1ラジアン(rad)/秒の振動数で5000ポアズより高い粘度を有していることができる。
【0018】
そのため、熱可塑性親水性ポリマーを含む本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、処理条件における融解状態で極めて粘稠なままである。
本発明の好ましい実施形態、及び本発明者らの国際公開第99/64077号又は国際公開第99/64505号に開示されている好ましい実施形態によれば、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度は、通常、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマーと相溶性でもあり、処理条件における融解状態の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を低下させる適切な可塑剤又は可塑剤のブレンドを、熱可塑性親水性ポリマー組成物中に含めることによって調整できる。
そのため本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度は、通常、組成物がどのように処理されるかに依存して所望のレベルに調整できる。例えば、フィルム押出技術は、当該技術分野において既知であるように、処理条件下で高い粘度を有する組成物を利用して適切に行われ得る。あるいは、適切なホットメルト被覆処理は、上述の国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に説明されているように、組成物を処理するのに好ましい場合がある。これは、処理条件での熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度が所望の低いレベルに調整されなければならないことを意味する。
【0019】
このような場合、本発明の別の実施形態における熱可塑性親水性ポリマー組成物は、それらが好ましくは以下の複素粘性係数(η*)を有するように適切な可塑剤又は可塑剤のブレンドを含む:
1ラジアン/秒の振動数、210℃以下の温度において、50ポアズ<η*<4000ポアズ、好ましくは100ポアズ<η*<2000ポアズ、より好ましくは100ポアズ<η*<1000ポアズであり、そして1000ラジアン/秒の振動数、210℃以下の処理温度(T)において、η*<2000ポアズ、好ましくはη*<1000ポアズ、より好ましくはη*<500ポアズであり、η*は熱可塑性親水性ポリマー組成物の複素粘性係数を示す。好ましくは、温度Tは200℃以下、更に好ましくは180℃以下、最も好ましくは200℃〜50℃である。
【0020】
本発明の好ましい本実施形態によれば、上述の複素粘性率を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物を用いることにより、低粘度のホットメルト組成物を基材上に被覆して必要な厚みを有する層にするための当該技術分野において既知の典型的な被覆条件及び装置を用いて、基材にフィルム又は層を被覆できるとともに、親水性で連続的な、水蒸気透過性、液体不透過性層又はフィルムを与えるという、好ましい熱可塑性親水性ポリマーの有益な特性も維持できる。
このような粘度を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物は、非常に薄いフィルム又は層を提供することもできる。
本発明の好ましい実施形態による熱可塑性親水性ポリマー組成物中に含まれる適切な相溶性可塑剤としては、クエン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロール及びそのエステル、スクロースエステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、ソルビトール、エポキシ化植物油、重合植物油、ポリオール、フタレート、液状ポリエステル、グリコレート、p−トルエンスルホンアミド及び誘導体、グリコール及びポリグリコール及びそれらの誘導体、ソルビタンエステル、ホスフェート、1個のカルボキシ基を持つ炭素数8〜22の脂肪酸及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
特に好ましい本発明の実施形態によれば、特に好ましい可塑剤は、例えば、本発明者らの国際公開第99/64505号に開示される酸、エステル、アミド、アルコール、ポリアルコール、又はこれらの混合物などの親水性可塑剤である。この特に好ましい親水性可塑剤は、損なわれることのない追加的な利点を与え、さらにこの可塑剤又は可塑剤のブレンドを含む本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成されて得られた層又はフィルムに関して、同一の成分を含むがこの可塑剤又は可塑剤のブレンドを含まない熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される対応するフィルム又は層に比べて、その水蒸気透過性を高めることもできる。
【0022】
これらの特に好ましい親水性可塑剤又は親水性可塑剤のブレンドは勿論、熱可塑性組成物を基材上に被覆することによって所望の厚みを有する層又はフィルムに処理できるようにするために、本発明の好ましい実施形態による熱可塑性組成物の粘度を好ましい値に調整することもできる。
本発明の好ましい本実施形態による好ましい適切な可塑剤は、酸、エステル、アミド、アルコール、ポリアルコール、又はこれらの混合物を含み、特に好ましい親水性可塑剤は、クエン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロール及びそのエステル、ソルビトール、グリコレート、並びにこれらの混合物である。
上述の例示に含まれ、上述の国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に開示されている特定の可塑剤は、実際、25℃の水に対する溶解度に関して本発明の条件を満足するものではないが、これは、本発明によって、例えば、文献から利用可能なデータ又は簡単な実験に基づいて適切な可塑剤又は可塑剤のブレンドを選択する場合、当該技術分野における当業者によって容易に証明できる。
【0023】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、前記の熱可塑性親水性組成物から形成されたフィルム又は層の粘着性、光線や酸素による老化に対する抵抗性、目に見える外観等のような他の特性と同様に、組成物の処理性、及び機械的特性を更に改善するために、追加的な任意の成分を含んでいてもよい。
このような任意の成分は、通常軟化点が125℃以下である粘着性付与樹脂又は粘着性付与樹脂のブレンドを含む。好ましい樹脂は、ロジン及びロジンエステル、炭化水素樹脂、脂肪族樹脂、テルペン及びテルペン−フェノール樹脂、芳香族樹脂、炭素数5の合成樹脂、炭素数5〜9の合成樹脂の混合物、並びにこれらの混合物から選択されてもよい。熱可塑性組成物の他の任意成分は、組成物の重量当たり、10重量%までのレベルで組成物中に存在してもよい酸化防止剤、紫外線防止剤、顔料、及びこれらの混合物を含む。
【0024】
好ましくは、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、熱可塑性親水性ポリマー組成物の重量当たり、5重量%〜99重量%、好ましくは20重量%〜70重量%、より好ましくは30重量%〜50重量%の熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物を含み、熱可塑性親水性組成物の重量当たり、1重量%〜95重量%、好ましくは10重量%〜70重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%の適切な相溶性可塑剤又は適切な可塑剤のブレンドを含む。
より好ましくは、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、熱可塑性親水性ポリマー組成物の重量当たり、0重量%〜60重量%、好ましくは10重量%〜50重量%、より好ましくは20重量%〜40重量%の相溶性粘着性付与樹脂、又は粘着性付与樹脂のブレンドも含む。
【0025】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は任意の既知の方法を用いて製造でき、この方法は、通常、少なくとも熱可塑性親水性ポリマー又はポリマーの混合物、及び適切な相溶性可塑剤又は可塑剤のブレンド、さらに任意選択的に上記で説明したような追加の成分、例えば、相溶性粘着性付与樹脂又は粘着性付与樹脂のブレンドを供給する工程、これらの成分を加熱して、例えば、既知の適切な混合機によりこれらを配合して後続の処理工程のために溶融状態の熱可塑性親水性ポリマー組成物を形成する工程を含む。
あるいは、前記組成物及び構造体を含む物品から水蒸気透過性、液体不透過性構造体を製造する中間工程又は最終工程のいずれかにおいて、溶媒又はエマルジョン系を形成することができ、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の加工に使用する。
【0026】
本発明によれば、水蒸気透過性、液体不透過性層は、例えば、熱可塑性親水性ポリマー組成物を基材上に覆うことによって本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成できる。本発明の熱可塑性組成物から形成されるフィルム又は層は、この層又はフィルムの厚みが、(好ましい厚みはフィルム又は層の選択される最終用途に依存するが)少なくとも0.5μ、好ましくは少なくとも15μ、より好ましくは少なくとも25μであり、水蒸気透過率が修正されたASTM E−96「直立カップ」方法に従って測定される場合、少なくとも100g/m2・24h、好ましくは少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも400g/m2・24h、最も好ましくは少なくとも500g/m2・24hの水蒸気透過率を有するのが好ましい。
本発明によれば、フィルム又は層は約0.5μ〜約200μ以上の厚さを有するこれまでに記載された熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成でき、前記フィルム又は層はそれ自体でも使用できるが、異なる基材、例えば、不織布繊維基材を含む重層構造体と組み合わせても使用できる。
【0027】
より一般には、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される構造体の厚みは、一定であることもでき、構造体内で変更することもできる。いかなる特定の厚み範囲にも限定されないが、用途によって好ましい範囲がある場合がある。例えば、使い捨て物品に含まれる構造体に関して好ましい範囲は、好ましくは400ミクロン〜0.5ミクロン未満の厚さ、より好ましくは特定の場合においては、実質的に0.5ミクロン未満の範囲であってもよい。逆に、建築又は包装用途には、特定の理由により構造体に関して200〜2000ミクロン又はより厚い好ましい範囲を設定してもよい。
【0028】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から層又はフィルムを製造する方法は、通常、この組成物を供給する工程、それを加熱して流動化させる工程、及び溶融状態、半溶融状態、可塑状態の組成物を基材上で所望の厚みの層又はフィルムに形成する工程を含み、この工程は、上記で説明したような処理条件で組成物が達成できる粘度に依存してフィルム押出法又はホットメルト被覆法を用いて行われる。原理上、基材は、後で基材から分離されてそれ自体として使用される所望の厚さのフィルム又は層を形成するために、熱可塑性親水性ポリマー組成物が形成される成形基材に過ぎない反面、本発明による好ましい実施形態では、熱可塑性親水性ポリマー組成物と、熱可塑性組成物が存在する適切な基材とを含む、水蒸気透過性、水不透過性の複合構造体を形成することができ、この基材はまた水蒸気透過性でもある。
【0029】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から、水蒸気透過性、液体不透過性構造体(例えば、これらに限定されないがフィルム及び層)、及びこの構造体を含む物品を製造するのに他の既知の方法を使用することもできる。
このような方法の分類は、一般に「成形」として記載されており、しばしば雄若しくは雌型金型、又はこれらを組み合わせた金型を用いて物質を成形する。この技術によって、所定の構造体又は物品を製造するために、特定の処理温度及び圧力(又は真空)条件が好ましい場合がある。このような既知の成形方法としては、浸漬成形、ブロー成形、射出成形、圧縮成形、熱成形、真空熱成形、押出成形、回転成形、スラッシュ成形などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を処理するためのその他の既知の方法としてはまた、フィルム及びシート注型、ブロウンフィルム技術、追加の幅出処理工程、追加のカレンダ工程、追加の焼入工程、追加の熱処理工程、などが挙げられる。特定の製造条件若しくは種類の特性、又は処理工程の順序は、選択する製造技術、環境条件、物質形態などによって変わる。例えば、(i)熱可塑性親水性ポリマー組成物の原料形態として溶媒ベースのものを選択した場合には溶媒;(ii)熱可塑性親水性ポリマー組成物の原料形態としてエマルジョンベースのものを選択した場合には水;あるいは(iii)熱可塑性親水性ポリマー組成物の原料形態としてホットメルトのものを選択した場合には熱を取り除くために処理工程が必要となる。
【0031】
フィルム又はシートを2つ以上の層で製造することができ、層の少なくとも1つは本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む。これらは、以下に限定されないが共押出、押出被覆などの既知の種々の手段によって達成することができる。
構造体又は物品全体が本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物単独で構成されるのが好ましい場合もあるが、構造体又は物品は1つ以上の他の物質との複合体であることができる。例えば、複合体は、本発明の特定の熱可塑性親水性ポリマー組成物又は本発明とは異なる特定の熱可塑性親水性ポリマー組成物の2つ以上の成分を含むことができる。
【0032】
あるいは、複合体は熱可塑性親水性ポリマー組成物の少なくとも1つの成分と1つ以上の他の物質とを組み合わせて含むことができる。このような物質としては、繊維、繊維状芯(fibrous batts)、不織布、織布、紙、金属箔、ミクロ孔質膜又は孔質膜、ポリマーフィルムなどのフィルム、圧縮石膏シートなどの無機構造体、穴あき又は有孔フィルム及び紙、巨視的に伸張されたフィルム、布、材木などの実質的に硬質の繊維質物質が挙げられるが、これらに限定されない。
前記の他の成分は非吸収性、吸収性、液体含有性等であることができる。
【0033】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、例えば多孔性発泡構造体を形成するために既知の手段によって、独立気泡を含む発泡体として製造することもできる。
別の有用な技術はスプレー被覆方法である。本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、加熱スプレー技術を利用でき、加熱の際には粘度がスプレー被覆又はスパッタリングできる程度に十分低下させる。このような熱可塑性親水性ポリマー組成物のスプレー被覆は、雄型又は雌型のいずれかの金型を用いて行われ、物品の表面又は壁を形成できる。その後、物品及び金型(又は金型部分)は互いに分離される。あるいは、スプレー被覆方法は、溶媒ベースのものやエマルジョンなどのポリマー組成物の異なる形態の出発原料を使用することができる。
【0034】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む複合物品及びスプレー被覆の使用に関して、他の物質が金型として作用する程度に十分な構造体を提供してもよく、その後、前述したように物品の金型からの分離を避けながら、その物質が十分に被覆されて複合物品は完全になる。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物中の適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドの選択された高い水溶性は、熱可塑性親水性ポリマー組成物が水又は水性流体と直接接触することによって可塑剤の抽出/放出が制御でき、これは熱可塑性親水性ポリマー組成物を構造体(例えばフィルム又は層)に形成した直後に達成され、例えば、さらなる製造工程又は本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物で製造された構造体又はこの構造体を含む物品の使用時において達成される。
【0035】
本発明の実施形態によれば、熱可塑性親水性ポリマー組成物には、例えば、上記で説明したように処理条件で熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を適切に低下させることによって処理性をさらに促進するため、最終の組成物自体に実際所望されるよりも多くの可塑剤を含むように配合され得る。熱可塑性親水性ポリマー組成物を構造体、例えば、フィルム又は層に形成した後、組成物、さらにはこの組成物から製造される構造体の機械的特性を改変するために、水と直接接触させることによって(例えば、ウォーターバスによって)構造体から過剰量の可塑剤を抽出できる。例えば、可塑剤又は可塑剤の抽出を制御することは、通常、組成物及びそれらから製造される構造体の剛性、温度抵抗性、弾性率を増加させるために有効である。熱可塑性親水性ポリマー組成物で製造された構造体に要求される最終用途に依存して、その機械的特性を好ましく変化させるために、抽出の割合を、例えば、ウォーターバスの使用時間及び/又は温度を変えることによって制御できる。
【0036】
あるいは、構造体又はこの構造体を含む物品を使用する間に熱可塑性親水性ポリマー組成物を水又は水性流体と直接接触させることによって、水蒸気透過性、液体不透過性の層又はフィルムなどの構造体に形成される本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から、可塑剤を制御して抽出/放出することもできる。これは、可塑剤が、構造体と接触すると想定されている表面又は対象物に対して特定の活性を示す場合に有利である。可塑剤のこの活性を有効にするためには、使用中の水又は水性流体による抽出によって、溶液中に可塑剤を含む水又は水性流体と表面又は対象物とを接触させることができる。
【0037】
本発明の実施形態において、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成された層が複合物質全体の性能に対して寄与するものが通気性の液体バリアを提供することにのみある場合に、水蒸気透過性、液体不透過性の重層構造体が提供されるので、可能な限り薄く提供するのが有利である。残りの性能の物理的特徴は、好ましくは提供された基材によってもたらされるので、基材は好ましくは支持体層としても作用する。
基材つまり支持体層は、水蒸気透過性でもあることが望ましく、少なくとも100g/m2・24h、より望ましくは少なくとも300g/m2・24h、最も望ましくは少なくとも500g/m2・24hの水蒸気透過性を持つ実用的な層であればよい。
【0038】
支持体層として本発明で使用するための適当な基材には二次元の、平面状ミクロ及びマクロ孔質フィルム、巨視的に伸張されたフィルム、成形有孔フィルム、不織布及び織布層が含まれる。本発明によれば、前記層の開口は任意の形状であることができるが、好ましくは球形又は長方形であり、種々の寸法のものであることもできる。これら開口部は、好ましくは層の表面全体に均一に分散されているが、開口部を有する表面の特定の領域だけを有する層も考慮している。
【0039】
バックシートの適当な二次元の多孔平面状層は、当該技術分野で既知の任意の材料で作ることができるが、好ましくは通常入手可能なポリマー材料から製造される。適切な材料には、例えば、いわゆる通気性衣料として利用される、当該技術分野において周知のゴアテックス(Goretex)(商標)又はシンパテックス(Sympatex)(商標)タイプの材料がある。その他の適切な材料として、ミネソタ州(St.Paul,Minnesota,USA)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)のXMP−1001、及びエクソン・ケミカル社(the Exxon Chemical Company)により供給されるExxaire XBF−101Wが挙げられる。本明細書で使用されるとき、二次元の平面状の層という用語は、1mm未満、好ましくは0.5mm未満の深さを有する層を言い、前記開口はこれらの長さに沿って均一の平均直径を有しており、この層の水平面から突き抜けていない。本発明でバックシートとして使用する有孔材料は、欧州特許第293,482号及びその特許中の参照文献に記載されているような、当該技術分野において既知の任意の方法を使用して製造してもよい。更に、この方法で製造された開口部の寸法は、バックシート層の面を横切って力をかけて(即ち、層を延ばして)大きくしてもよい。
【0040】
適切な有孔成形フィルムには、衣類に面する層表面の水平面を超えてコアの方向に延び、それによって突出部を形成している、分離した開口部を有するフィルムが含まれる。これらの突出部は、その終了末端に位置するオリフィスを有している。好ましくは、前記突出部は、米国特許第3,929,135号に記載されているものと同様に、漏斗形状のものである。前記平面内に位置する開口部及び突出部自体の終了末端に位置するオリフィスは、突出部末端のオリフィスの横断面の寸法又は面積が、前記の衣類に面する層表面内に位置する開口部の横断面の寸法又は面積より小さければ、円形又は非円形であってよい。好ましくは、前記の有孔実施フィルムは単一方向とし、これらが完全ではないにしても、少なくとも実質的に、コアに向けた1方向の流体移送を有する。
【0041】
本発明で使用するに適切な巨視的に伸張されたフィルムには、例えば、米国特許第4,637,819号及び米国特許第4,591,523号中に記載されているようなフィルムが含まれる。
本発明で使用するための好ましい支持体層には、織布及び不織布層、最も好ましくは疎水性の不織布のような疎水性の繊維状層が含まれる。
本発明のこの好ましい実施形態の複合層状構造体は、前記熱可塑性組成物が所望の厚さを有する層として支持基材上に形成され得る複合体を提供することができるので、特に好都合である。例えば、上記で説明したように処理条件で熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を適切に調整することによって、基材上に所望の厚みの熱可塑性親水性ポリマー組成物を提供するために、通常低粘度ホットメルトを直接被覆する当該技術分野において既知の被覆条件及び装置を容易に利用することができる。あるいは、処理条件でより高い粘度を有する本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の場合には、フィルム押出などの他の既知の方法を用いることもできる。
【0042】
支持体層として作用する基材上に前記熱可塑性組成物を被覆して複合ラミネートを形成するための可能な方法は国際公開第96/25902号中に記載されている。
前記熱可塑性組成物と前記基材間の永久的な結合を達成するために更なる接着剤が必要でないような好ましい複合体を形成するためには、層形態の前記熱可塑性組成物は、少なくとも被覆温度で、支持基材に対して好ましくは接着剤特性を示す。特定の用途において、熱可塑性組成物が任意の温度で粘着性を保持するように、すなわち圧力感応性の接着剤の典型的な特性を有するように配合されるのが望ましい場合もある。
【0043】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物及び水蒸気透過性、液体不透過性の構造体、例えば、それらから形成された層及び複合体は、液体不透過性及び水蒸気透過性とが望まれる多数の用途においてその有用性が見出されている。特に本発明は、例えば、おむつ、衛生ナプキン、パンティライナー、失禁用製品、及び母乳パッドなどの吸収性物品;わきの下発汗パッド、手首発汗パッド、及び頭部発汗パッド、襟インサート、靴インサート、防止バンドなどの発汗パッド;保護ベッドカバー、保護衣服、食品又はその他の商品のための包装材料などに効果的に利用され得る。
【0044】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む他の物品はまた、手袋、指サック、ミット、ミトンなどのハンドカバー;靴下、タイツ、パンティーストッキング、靴、スリッパなどのフット又はレッグカバー;帽子、キャップなどのヘッドカバー;コンドーム、膣腔内部に置かれる精液遮断体などの性病予防品;マスク、ノーズカバー、イアーカバー、又はミットなどのフェイスカバー;男性器「運動競技用」サポーター、ブラジャーなどの身体サポート品;下着、保護スリーブ、又は保護パッド中に一部又は全体を挿入するものとして使用するための成形衣類を含む。物品及び用途の他の例としては、ヒト又はその他の生物用の柔軟性衣料又はドレープ衣料品、例えば、シャツ、パンツ、下着、よだれかけ、スモック、コート、スカーフ、着ぐるみ、ストッキング、きゃはん、スカート、ドレスなどの非限定例が挙げられ、医療専門家用、農業業務用、機械組立及び修理業用、緊急公的業務用、軍用、競技用、洗浄用などの種々の事業及び業務用の他の柔軟性衣料又はドレープ衣類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
用途のカテゴリの他の例には、非限定例として生鮮品及び焼製品(パン、ロール、ケーキ)などの食品用包装が含まれる。
用途のカテゴリのさらなる例には、非限定例として家庭用品(容器、三次元「バック」)などの農耕又は園芸用途が含まれ、これは個々の又は特定の植物群を部分的又は全体的に包むために使用される。
用途のカテゴリのなおさらなる例には、布張りをした椅子及びソファ用保護カバーなどの家具用保護カバーが含まれる。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む物品は一般に柔軟性又は剛性であることができる。
【0046】
このような物品は全て通常使い捨てとすることもできる。好ましくは本発明の熱可塑性組成物から形成された水蒸気透過性、液体不透過性構造体、例えば層及び複合体は、少なくとも100g/m2・24h、好ましくは少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも500g/m2・24hの総括水蒸気透過率を有する。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を適切な基材上に成形することによって形成された水蒸気透過性、液体不透過性複合構造体は、使い捨て吸収性物品用の、特に衛生ナプキン及びパンティライナー、さらには母乳パッド、失禁製品及び発汗パッド用のバックシートとして特に有用であることが見出されている。このような物品は、通常、例えば、液体透過性トップシート、吸収コア、及びバックシートなどの当業者に既知の構成要素を含み、任意選択的に固定材料、ウイングなどの他の構成要素を含んでいてもよい。
【0047】
本発明によれば、複素粘性係数η*は、レオメトリックス社(Rheometrics Co.)製のレオメータRDA−IIを用いて測定される。水蒸気透過性は、修正されたASTM E−96「直立カップ」法にしたがって、23℃、50%の相対湿度における水蒸気透過率(WVTR)として測定される。標準ASTM E−96「直立カップ」法に対する唯一の修正は、カップ内の試料と水表面との間の空隙の高さにおける変更であり、その高さは標準の試験方法に記載される19mm±2.5mmの代わりに3mm±0.5mmである。
(発明の分野)
本発明は、例えば組成物をフィルムのような水蒸気透過性、液体不透過性層に形成することによって、水蒸気透過性、液体不透過性構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物に関する。本発明の熱可塑性組成物、並びにそれらから形成される水蒸気透過性、液体不透過性構造体は、液体不透過性及び水蒸気透過性とが所望される多数の用途においてその有用性が見出されている。
【0002】
(発明の背景)
水蒸気透過性を与えると共に液体バリア性を与える熱可塑性フィルムは当該技術分野において既知である。特に好ましいものは、材料内の通気孔又は孔から水蒸気は通さないが、フィルムの水蒸気濃度が高い側の水を吸収してフィルムの水蒸気濃度が低い反対側で水を除去つまり蒸発させることにより、フィルムを通してかなりの量の水蒸気を透過させる親水性連続フィルムである。このようなフィルムは、通常、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーのブレンドを含む熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される。上述の特性を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物は、当該技術分野において「モノリシック組成物」としても既知である、それらから製造される水蒸気透過性、液体不透過性層又はフィルムは「モノリシック層」又は「モノリシックフィルム」として知られる。
【0003】
例えば、国際特許第95/16746号は、a)ブロックコポリエーテルエステル、ブロックコポリエーテルアミド(例えば、ペバックス(Pebax)(商標))及び又はポリウレタン、b)aと不相溶性である熱可塑性ポリマー、並びにc)相溶剤との混合物から調製されるフィルムを開示している。フィルムは液体不透過性で、1日当たり約700g/m2の水蒸気透過率を持つ。また米国特許第5,447,783号には、少なくとも三つの層を持つ、蒸気透過性で耐水性の多成分フィルム構造が開示されている。外層は、1.3〜7.6マイクロメートルの厚さと400〜2500g/m2・24hのWVTRとを持つ疎水性のコポリエーテルエステルエラストマーであり、内層は7.6〜152マイクロメートルの厚さと少なくとも3500g/m2・24hのWVTRとを持つ親水性コポリエーテルエステルエラストマーである。
【0004】
米国特許第5,445,875号は、耐水性で血液とウイルスを通さない通気性の積層体を開示している。この積層体は、織布/不織布と、約1ミル(25.4マイクロメートル)の厚さを持つハイトレル(Hytrel)(商標)などの押出成形フィルムとを含む。
米国特許第5,532,053号は、不織布材に積層できる水分透過率の高い医療用フィルムを開示している。積層フィルムは、ポリエーテルエステルコポリマーの第1層と、特定のポリマー群から選択される第2及び第3層とを含む。フィルムは750g/m2・24hより高いMVTR(ASTM F−1249)と、1ミル(25.4マイクロメートル)未満、望ましくは0.6ミル〜0.75ミル(15〜19マイクロメートル)の厚さとを持つ。
【0005】
米国特許第4,938,752号は、透水性が低く、500g/m2・24hの水蒸気透過率(明確に記載された試験で測定)と、5〜35マイクロメートルの厚さとを持つコポリエーテルエステルのフィルムを含む吸収剤を開示している。支持基材は開示されていない。
米国特許第4,493,870号は、少なくとも1000g/m2・24hのMVTR(ASTM E96−66)を持ち、5〜35マイクロメートルの厚さを持つコポリエーテルエステルのフィルムで被覆された織物材料を含む、可撓性を備える層状の耐水性製品を開示している。
GB2024100号には、水蒸気透過性だが液体に対する耐性を持つ微小多孔性の疎水性外層と、1000g/m2・24h以上のMVTRを持つポリエーテルポリウレタンの親水性内層とを含む、可撓性を備える層状の耐水性品が開示されている。
【0006】
本発明者らの、発明の名称「水蒸気透過性構造体用の低粘度熱可塑性組成物及び吸収性物品におけるこれらの利用」の国際公開第99/64077号及び発明の名称「高い水蒸気透過性を有する構造体用の低粘度熱可塑性組成物及び吸収性物品におけるこれらの利用」の国際公開第99/64505号は、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーのブレンドを含む熱可塑性組成物が、水蒸気透過性及び液体不透過性の好ましい特徴を有する、親水性で連続的な、水蒸気透過性、液体不透過性層の製造について開示している。これらの開示された好ましい熱可塑性組成物はまた、所望の厚さを有する被覆を基材上に提供するように容易に処理することもできるので、伝統的で複雑な押出装置の必要性が回避される。これは、熱可塑性ポリマーの粘度を低下させる適当な可塑剤又は可塑剤のブレンドを前記組成物中に含めることによって、熱可塑性親水性ポリマーの粘度を修正して達成される。これによって、これらの好ましい組成物を用いて水蒸気透過性、液体不透過性のフィルム又は層を形成するために、低粘度のホットメルト組成物を基材上に直接被覆するための当該技術分野において既知の典型的な処理条件が利用可能となる。
【0007】
特に好ましい親水性可塑剤は国際公開第99/64505号に記載されており、この文献では組成物の粘度を調整することに加えて、水蒸気透過性に関してさらなる利益を与える熱可塑性親水性ポリマー組成物も提供している。
国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に記載される熱可塑性ポリマー親水性組成物(「モノリシック組成物」)は、液体不透過性と相まって高い水蒸気透過性を有し、水蒸気透過性、液体不透過性フィルム又は層を製造するのに適切であるのと同時に、前記組成物はまた容易に処理可能である一方で、それらは処理性に関して、及び前記フィルム又は層の使用中の環境との相互作用に関してなお改善の余地がある。
【0008】
上記特許出願に従う熱可塑性親水性ポリマー組成物は、処理条件において組成物の粘度を調整するのに極めて効果的であり、好ましくはその組成物から製造されるフィルム又は層の水蒸気透過性に関する利益も与えるような可塑剤を含む。 一般に可塑剤には、熱可塑性親水性ポリマー組成物の他の成分、特に熱可塑性親水性ポリマー又はポリマーと安定したブレンドを形成することが要求される一方で、組成物から可塑剤の抽出/放出を制御することが所望される場合もある。 例えば、組成物からフィルム又は層を形成する場合、前記組成物の処理性を高めるために、熱可塑性親水性ポリマー組成物中の可塑剤の割合を多くするのが好ましい場合がある。熱可塑性親水性ポリマー組成物を構造体、例えば、上述のフィルム又は層に形成した後、組成物自体、さらにはこの組成物から製造される構造体の機械的特性を改変するために、組成物中の可塑剤の含量を減少させるのが望ましい場合もある。
【0009】
あるいは、使用中に構造体が接触すると想定される他の表面又は対象物、例えば、人、動物、食品、又はその他の物品に対するある可塑剤又は可塑剤の特定の活性を活かすために、熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造される構造体を使用する間に可塑剤の抽出/放出を制御できるのが望ましい場合がある。
特定の可塑剤は水及び水性流体に対して極めて感応性であり、水又は水性流体と接触する際に組成物から抽出できることが見出された。
そのため、本発明の目的は、水蒸気透過性、液体不透過性構造体用の熱可塑性親水性ポリマー組成物であって、この組成物が所望の水蒸気透過性及び液体不透過性を有し、構造体が水又は水性流体に直接接触する際に可塑剤の抽出/放出を制御できる組成物を提供することにある。
意外にも、これは熱可塑性親水性ポリマー組成物に関して、水に対する適切な溶解度を有する適切な相溶性の可塑剤又は可塑剤のブレンドを選択することによって達成できることが見出された。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、水蒸気透過性、液体不透過性構造体を製造するための熱可塑性親水性ポリマー組成物に関する。この組成物は次の成分を含有する。
ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー、ポリエチレン−アクリル酸コポリマー、ポリエチレンオキシド及びそのコポリマー、エチレンアクリルエステルコポリマー、ポリラクチド及びコポリマー、ポリアミド、ポリエステルブロックコポリマー、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロックコポリマー、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリル酸及び誘導体、イオノマー、28重量%超過の酢酸ビニル含量を有するポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー、ポリビニルエーテル及びそれらのコポリマー、ポリ−2−エチル−オキサゾリン及び誘導体、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、熱可塑性セルロース誘導体、又はこれらの混合物からなる群より選択される熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物;
適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドであって、この適切な相溶性可塑剤が、6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有するか、あるいは適切な相溶性可塑剤のブレンドが、6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有する可塑剤を、少なくとも前記ブレンドの重量に当たり、50%超過で含有する。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、水蒸気透過性、液体不透過性の構造体を製造するための熱可塑性親水性組成物は、熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物、及び適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドを少なくとも含む。
本明細書において「通気性のある」及び「通気性」という用語は、本発明の背景の項で定義したような「モノリシック組成物」及び「モノリシック層又はフィルム」と関連して、それぞれ「水蒸気(moisuture vapour)透過性の」又は「水蒸気(water vapour)透過性の」及び「水蒸気(moisuture vapour)透過性」又は「水蒸気(water vapour)透過性」に対応することを意図する。「蒸気(moisuture vapour)」と「水蒸気(water vapour)」とは同等であると考える。
【0012】
本発明の組成物中に含まれる適切な熱可塑性親水性ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー、ポリエチレン−アクリル酸コポリマー、ポリエチレンオキシド及びそのコポリマー、ポリラクチド及びコポリマー、ポリアミド、ポリエステルブロックコポリマー、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロックコポリマー、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリル酸及び誘導体、イオノマー、28重量%超過の酢酸ビニル含有量を有するポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー、ポリビニルエーテル及びこれらのコポリマー、ポリ−2−エチル−オキサゾリン及び誘導体、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、熱可塑性セルロース誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0013】
特に好ましい熱可塑性親水性ポリマーは、熱可塑性ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー(例えば、ペバックス(Pebax)(商標))、熱可塑性ポリエーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、熱可塑性ポリエステルブロックコポリマー(例えば、ハイトレル(Hytrel)(商標))、熱可塑性ポリウレタン(例えば、エスタン(Estane)(商標))、又はこれらの混合物である。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、上述の熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物、及び適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドを含む。
【0014】
本発明によれば、熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む適切な相溶性可塑剤、あるいは適切な相溶性可塑剤のブレンドは、前記熱可塑性親水性ポリマー組成物から製造された構造体(例えば、フィルム又は層)がそれらの製造後又はそれらの使用中に水又は水性流体と直接接触する際に前記可塑剤の抽出/放出が制御できるようにするために、水に対する適切な溶解度を有するように選択されなければならない。
単一の可塑剤が本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に含まれる場合、この可塑剤が6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有するように選択されなければならない。あるいは、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に可塑剤のブレンドが存在する場合、このブレンドは、25℃の水に対する溶解度が6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の可塑剤を、少なくともブレンドの重量当たり、50重量%超過で含有しなければならない。
【0015】
所定の温度での水に対する物質の溶解度は、化学界では周知のパラメータであり、例えば、化学及び物理のCRCハンドブック(the CRC Handbook of Chemistry and Physics)(CRC出版)、第65版、1984年〜1985年のF101頁に与えられる定義によれば、溶解度は、過剰の物質で平衡状態にある(溶液が飽和状態であると言われる条件下で)溶液中に含まれるこの物質の重量に対応する。本明細書では、それを水100ml中の物質のグラム数として示す(g/100mlH2O)。
【0016】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物における適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドは、当該技術分野において既知の適切な相溶性可塑剤の中から上記基準に従って有利に選択することができる。
本発明の好ましい実施形態において、適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドは、本発明者らの国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に開示されている好ましい可塑剤及び上述した可塑剤の中から選択でき、可塑剤は一般に処理条件において熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を調整することを目的とし、好ましくは組成物から製造されるフィルム又は層の水蒸気透過性に関する利益も与えることを目的とする。
【0017】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物に含まれる上述の熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物は、通常、フィルム又は層を形成する既知の代表的な方法(例えば、ハイパワースクリュー押出成形機を含む押出加工)である処理条件の融解状態で極めて粘稠である。例えば、これらは、DSC(示差走査熱量計)ピークに相当するか、又は1つ以上のピークを示すポリマー混合物の場合にはDSCの最大ピークに相当するものとして同定される温度であるDSC融点より20℃高い温度、及び1ラジアン(rad)/秒の振動数で5000ポアズより高い粘度を有していることができる。
【0018】
そのため、熱可塑性親水性ポリマーを含む本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、処理条件における融解状態で極めて粘稠なままである。
本発明の好ましい実施形態、及び本発明者らの国際公開第99/64077号又は国際公開第99/64505号に開示されている好ましい実施形態によれば、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度は、通常、熱可塑性親水性ポリマー又はポリマーと相溶性でもあり、処理条件における融解状態の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を低下させる適切な可塑剤又は可塑剤のブレンドを、熱可塑性親水性ポリマー組成物中に含めることによって調整できる。
そのため本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度は、通常、組成物がどのように処理されるかに依存して所望のレベルに調整できる。例えば、フィルム押出技術は、当該技術分野において既知であるように、処理条件下で高い粘度を有する組成物を利用して適切に行われ得る。あるいは、適切なホットメルト被覆処理は、上述の国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に説明されているように、組成物を処理するのに好ましい場合がある。これは、処理条件での熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度が所望の低いレベルに調整されなければならないことを意味する。
【0019】
このような場合、本発明の別の実施形態における熱可塑性親水性ポリマー組成物は、それらが好ましくは以下の複素粘性係数(η*)を有するように適切な可塑剤又は可塑剤のブレンドを含む:
1ラジアン/秒の振動数、210℃以下の温度において、50ポアズ<η*<4000ポアズ、好ましくは100ポアズ<η*<2000ポアズ、より好ましくは100ポアズ<η*<1000ポアズであり、そして1000ラジアン/秒の振動数、210℃以下の処理温度(T)において、η*<2000ポアズ、好ましくはη*<1000ポアズ、より好ましくはη*<500ポアズであり、η*は熱可塑性親水性ポリマー組成物の複素粘性係数を示す。好ましくは、温度Tは200℃以下、更に好ましくは180℃以下、最も好ましくは200℃〜50℃である。
【0020】
本発明の好ましい本実施形態によれば、上述の複素粘性率を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物を用いることにより、低粘度のホットメルト組成物を基材上に被覆して必要な厚みを有する層にするための当該技術分野において既知の典型的な被覆条件及び装置を用いて、基材にフィルム又は層を被覆できるとともに、親水性で連続的な、水蒸気透過性、液体不透過性層又はフィルムを与えるという、好ましい熱可塑性親水性ポリマーの有益な特性も維持できる。
このような粘度を有する熱可塑性親水性ポリマー組成物は、非常に薄いフィルム又は層を提供することもできる。
本発明の好ましい実施形態による熱可塑性親水性ポリマー組成物中に含まれる適切な相溶性可塑剤としては、クエン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロール及びそのエステル、スクロースエステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、ソルビトール、エポキシ化植物油、重合植物油、ポリオール、フタレート、液状ポリエステル、グリコレート、p−トルエンスルホンアミド及び誘導体、グリコール及びポリグリコール及びそれらの誘導体、ソルビタンエステル、ホスフェート、1個のカルボキシ基を持つ炭素数8〜22の脂肪酸及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
特に好ましい本発明の実施形態によれば、特に好ましい可塑剤は、例えば、本発明者らの国際公開第99/64505号に開示される酸、エステル、アミド、アルコール、ポリアルコール、又はこれらの混合物などの親水性可塑剤である。この特に好ましい親水性可塑剤は、損なわれることのない追加的な利点を与え、さらにこの可塑剤又は可塑剤のブレンドを含む本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成されて得られた層又はフィルムに関して、同一の成分を含むがこの可塑剤又は可塑剤のブレンドを含まない熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される対応するフィルム又は層に比べて、その水蒸気透過性を高めることもできる。
【0022】
これらの特に好ましい親水性可塑剤又は親水性可塑剤のブレンドは勿論、熱可塑性組成物を基材上に被覆することによって所望の厚みを有する層又はフィルムに処理できるようにするために、本発明の好ましい実施形態による熱可塑性組成物の粘度を好ましい値に調整することもできる。
本発明の好ましい本実施形態による好ましい適切な可塑剤は、酸、エステル、アミド、アルコール、ポリアルコール、又はこれらの混合物を含み、特に好ましい親水性可塑剤は、クエン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロール及びそのエステル、ソルビトール、グリコレート、並びにこれらの混合物である。
上述の例示に含まれ、上述の国際公開第99/64077号及び国際公開第99/64505号に開示されている特定の可塑剤は、実際、25℃の水に対する溶解度に関して本発明の条件を満足するものではないが、これは、本発明によって、例えば、文献から利用可能なデータ又は簡単な実験に基づいて適切な可塑剤又は可塑剤のブレンドを選択する場合、当該技術分野における当業者によって容易に証明できる。
【0023】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、前記の熱可塑性親水性組成物から形成されたフィルム又は層の粘着性、光線や酸素による老化に対する抵抗性、目に見える外観等のような他の特性と同様に、組成物の処理性、及び機械的特性を更に改善するために、追加的な任意の成分を含んでいてもよい。
このような任意の成分は、通常軟化点が125℃以下である粘着性付与樹脂又は粘着性付与樹脂のブレンドを含む。好ましい樹脂は、ロジン及びロジンエステル、炭化水素樹脂、脂肪族樹脂、テルペン及びテルペン−フェノール樹脂、芳香族樹脂、炭素数5の合成樹脂、炭素数5〜9の合成樹脂の混合物、並びにこれらの混合物から選択されてもよい。熱可塑性組成物の他の任意成分は、組成物の重量当たり、10重量%までのレベルで組成物中に存在してもよい酸化防止剤、紫外線防止剤、顔料、及びこれらの混合物を含む。
【0024】
好ましくは、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、熱可塑性親水性ポリマー組成物の重量当たり、5重量%〜99重量%、好ましくは20重量%〜70重量%、より好ましくは30重量%〜50重量%の熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物を含み、熱可塑性親水性組成物の重量当たり、1重量%〜95重量%、好ましくは10重量%〜70重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%の適切な相溶性可塑剤又は適切な可塑剤のブレンドを含む。
より好ましくは、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、熱可塑性親水性ポリマー組成物の重量当たり、0重量%〜60重量%、好ましくは10重量%〜50重量%、より好ましくは20重量%〜40重量%の相溶性粘着性付与樹脂、又は粘着性付与樹脂のブレンドも含む。
【0025】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は任意の既知の方法を用いて製造でき、この方法は、通常、少なくとも熱可塑性親水性ポリマー又はポリマーの混合物、及び適切な相溶性可塑剤又は可塑剤のブレンド、さらに任意選択的に上記で説明したような追加の成分、例えば、相溶性粘着性付与樹脂又は粘着性付与樹脂のブレンドを供給する工程、これらの成分を加熱して、例えば、既知の適切な混合機によりこれらを配合して後続の処理工程のために溶融状態の熱可塑性親水性ポリマー組成物を形成する工程を含む。
あるいは、前記組成物及び構造体を含む物品から水蒸気透過性、液体不透過性構造体を製造する中間工程又は最終工程のいずれかにおいて、溶媒又はエマルジョン系を形成することができ、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の加工に使用する。
【0026】
本発明によれば、水蒸気透過性、液体不透過性層は、例えば、熱可塑性親水性ポリマー組成物を基材上に覆うことによって本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成できる。本発明の熱可塑性組成物から形成されるフィルム又は層は、この層又はフィルムの厚みが、(好ましい厚みはフィルム又は層の選択される最終用途に依存するが)少なくとも0.5μ、好ましくは少なくとも15μ、より好ましくは少なくとも25μであり、水蒸気透過率が修正されたASTM E−96「直立カップ」方法に従って測定される場合、少なくとも100g/m2・24h、好ましくは少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも400g/m2・24h、最も好ましくは少なくとも500g/m2・24hの水蒸気透過率を有するのが好ましい。
本発明によれば、フィルム又は層は約0.5μ〜約200μ以上の厚さを有するこれまでに記載された熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成でき、前記フィルム又は層はそれ自体でも使用できるが、異なる基材、例えば、不織布繊維基材を含む重層構造体と組み合わせても使用できる。
【0027】
より一般には、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される構造体の厚みは、一定であることもでき、構造体内で変更することもできる。いかなる特定の厚み範囲にも限定されないが、用途によって好ましい範囲がある場合がある。例えば、使い捨て物品に含まれる構造体に関して好ましい範囲は、好ましくは400ミクロン〜0.5ミクロン未満の厚さ、より好ましくは特定の場合においては、実質的に0.5ミクロン未満の範囲であってもよい。逆に、建築又は包装用途には、特定の理由により構造体に関して200〜2000ミクロン又はより厚い好ましい範囲を設定してもよい。
【0028】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から層又はフィルムを製造する方法は、通常、この組成物を供給する工程、それを加熱して流動化させる工程、及び溶融状態、半溶融状態、可塑状態の組成物を基材上で所望の厚みの層又はフィルムに形成する工程を含み、この工程は、上記で説明したような処理条件で組成物が達成できる粘度に依存してフィルム押出法又はホットメルト被覆法を用いて行われる。原理上、基材は、後で基材から分離されてそれ自体として使用される所望の厚さのフィルム又は層を形成するために、熱可塑性親水性ポリマー組成物が形成される成形基材に過ぎない反面、本発明による好ましい実施形態では、熱可塑性親水性ポリマー組成物と、熱可塑性組成物が存在する適切な基材とを含む、水蒸気透過性、水不透過性の複合構造体を形成することができ、この基材はまた水蒸気透過性でもある。
【0029】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から、水蒸気透過性、液体不透過性構造体(例えば、これらに限定されないがフィルム及び層)、及びこの構造体を含む物品を製造するのに他の既知の方法を使用することもできる。
このような方法の分類は、一般に「成形」として記載されており、しばしば雄若しくは雌型金型、又はこれらを組み合わせた金型を用いて物質を成形する。この技術によって、所定の構造体又は物品を製造するために、特定の処理温度及び圧力(又は真空)条件が好ましい場合がある。このような既知の成形方法としては、浸漬成形、ブロー成形、射出成形、圧縮成形、熱成形、真空熱成形、押出成形、回転成形、スラッシュ成形などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を処理するためのその他の既知の方法としてはまた、フィルム及びシート注型、ブロウンフィルム技術、追加の幅出処理工程、追加のカレンダ工程、追加の焼入工程、追加の熱処理工程、などが挙げられる。特定の製造条件若しくは種類の特性、又は処理工程の順序は、選択する製造技術、環境条件、物質形態などによって変わる。例えば、(i)熱可塑性親水性ポリマー組成物の原料形態として溶媒ベースのものを選択した場合には溶媒;(ii)熱可塑性親水性ポリマー組成物の原料形態としてエマルジョンベースのものを選択した場合には水;あるいは(iii)熱可塑性親水性ポリマー組成物の原料形態としてホットメルトのものを選択した場合には熱を取り除くために処理工程が必要となる。
【0031】
フィルム又はシートを2つ以上の層で製造することができ、層の少なくとも1つは本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む。これらは、以下に限定されないが共押出、押出被覆などの既知の種々の手段によって達成することができる。
構造体又は物品全体が本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物単独で構成されるのが好ましい場合もあるが、構造体又は物品は1つ以上の他の物質との複合体であることができる。例えば、複合体は、本発明の特定の熱可塑性親水性ポリマー組成物又は本発明とは異なる特定の熱可塑性親水性ポリマー組成物の2つ以上の成分を含むことができる。
【0032】
あるいは、複合体は熱可塑性親水性ポリマー組成物の少なくとも1つの成分と1つ以上の他の物質とを組み合わせて含むことができる。このような物質としては、繊維、繊維状芯(fibrous batts)、不織布、織布、紙、金属箔、ミクロ孔質膜又は孔質膜、ポリマーフィルムなどのフィルム、圧縮石膏シートなどの無機構造体、穴あき又は有孔フィルム及び紙、巨視的に伸張されたフィルム、布、材木などの実質的に硬質の繊維質物質が挙げられるが、これらに限定されない。
前記の他の成分は非吸収性、吸収性、液体含有性等であることができる。
【0033】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物はまた、例えば多孔性発泡構造体を形成するために既知の手段によって、独立気泡を含む発泡体として製造することもできる。
別の有用な技術はスプレー被覆方法である。本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物は、加熱スプレー技術を利用でき、加熱の際には粘度がスプレー被覆又はスパッタリングできる程度に十分低下させる。このような熱可塑性親水性ポリマー組成物のスプレー被覆は、雄型又は雌型のいずれかの金型を用いて行われ、物品の表面又は壁を形成できる。その後、物品及び金型(又は金型部分)は互いに分離される。あるいは、スプレー被覆方法は、溶媒ベースのものやエマルジョンなどのポリマー組成物の異なる形態の出発原料を使用することができる。
【0034】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む複合物品及びスプレー被覆の使用に関して、他の物質が金型として作用する程度に十分な構造体を提供してもよく、その後、前述したように物品の金型からの分離を避けながら、その物質が十分に被覆されて複合物品は完全になる。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物中の適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドの選択された高い水溶性は、熱可塑性親水性ポリマー組成物が水又は水性流体と直接接触することによって可塑剤の抽出/放出が制御でき、これは熱可塑性親水性ポリマー組成物を構造体(例えばフィルム又は層)に形成した直後に達成され、例えば、さらなる製造工程又は本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物で製造された構造体又はこの構造体を含む物品の使用時において達成される。
【0035】
本発明の実施形態によれば、熱可塑性親水性ポリマー組成物には、例えば、上記で説明したように処理条件で熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を適切に低下させることによって処理性をさらに促進するため、最終の組成物自体に実際所望されるよりも多くの可塑剤を含むように配合され得る。熱可塑性親水性ポリマー組成物を構造体、例えば、フィルム又は層に形成した後、組成物、さらにはこの組成物から製造される構造体の機械的特性を改変するために、水と直接接触させることによって(例えば、ウォーターバスによって)構造体から過剰量の可塑剤を抽出できる。例えば、可塑剤又は可塑剤の抽出を制御することは、通常、組成物及びそれらから製造される構造体の剛性、温度抵抗性、弾性率を増加させるために有効である。熱可塑性親水性ポリマー組成物で製造された構造体に要求される最終用途に依存して、その機械的特性を好ましく変化させるために、抽出の割合を、例えば、ウォーターバスの使用時間及び/又は温度を変えることによって制御できる。
【0036】
あるいは、構造体又はこの構造体を含む物品を使用する間に熱可塑性親水性ポリマー組成物を水又は水性流体と直接接触させることによって、水蒸気透過性、液体不透過性の層又はフィルムなどの構造体に形成される本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から、可塑剤を制御して抽出/放出することもできる。これは、可塑剤が、構造体と接触すると想定されている表面又は対象物に対して特定の活性を示す場合に有利である。可塑剤のこの活性を有効にするためには、使用中の水又は水性流体による抽出によって、溶液中に可塑剤を含む水又は水性流体と表面又は対象物とを接触させることができる。
【0037】
本発明の実施形態において、本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成された層が複合物質全体の性能に対して寄与するものが通気性の液体バリアを提供することにのみある場合に、水蒸気透過性、液体不透過性の重層構造体が提供されるので、可能な限り薄く提供するのが有利である。残りの性能の物理的特徴は、好ましくは提供された基材によってもたらされるので、基材は好ましくは支持体層としても作用する。
基材つまり支持体層は、水蒸気透過性でもあることが望ましく、少なくとも100g/m2・24h、より望ましくは少なくとも300g/m2・24h、最も望ましくは少なくとも500g/m2・24hの水蒸気透過性を持つ実用的な層であればよい。
【0038】
支持体層として本発明で使用するための適当な基材には二次元の、平面状ミクロ及びマクロ孔質フィルム、巨視的に伸張されたフィルム、成形有孔フィルム、不織布及び織布層が含まれる。本発明によれば、前記層の開口は任意の形状であることができるが、好ましくは球形又は長方形であり、種々の寸法のものであることもできる。これら開口部は、好ましくは層の表面全体に均一に分散されているが、開口部を有する表面の特定の領域だけを有する層も考慮している。
【0039】
バックシートの適当な二次元の多孔平面状層は、当該技術分野で既知の任意の材料で作ることができるが、好ましくは通常入手可能なポリマー材料から製造される。適切な材料には、例えば、いわゆる通気性衣料として利用される、当該技術分野において周知のゴアテックス(Goretex)(商標)又はシンパテックス(Sympatex)(商標)タイプの材料がある。その他の適切な材料として、ミネソタ州(St.Paul,Minnesota,USA)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)のXMP−1001、及びエクソン・ケミカル社(the Exxon Chemical Company)により供給されるExxaire XBF−101Wが挙げられる。本明細書で使用されるとき、二次元の平面状の層という用語は、1mm未満、好ましくは0.5mm未満の深さを有する層を言い、前記開口はこれらの長さに沿って均一の平均直径を有しており、この層の水平面から突き抜けていない。本発明でバックシートとして使用する有孔材料は、欧州特許第293,482号及びその特許中の参照文献に記載されているような、当該技術分野において既知の任意の方法を使用して製造してもよい。更に、この方法で製造された開口部の寸法は、バックシート層の面を横切って力をかけて(即ち、層を延ばして)大きくしてもよい。
【0040】
適切な有孔成形フィルムには、衣類に面する層表面の水平面を超えてコアの方向に延び、それによって突出部を形成している、分離した開口部を有するフィルムが含まれる。これらの突出部は、その終了末端に位置するオリフィスを有している。好ましくは、前記突出部は、米国特許第3,929,135号に記載されているものと同様に、漏斗形状のものである。前記平面内に位置する開口部及び突出部自体の終了末端に位置するオリフィスは、突出部末端のオリフィスの横断面の寸法又は面積が、前記の衣類に面する層表面内に位置する開口部の横断面の寸法又は面積より小さければ、円形又は非円形であってよい。好ましくは、前記の有孔実施フィルムは単一方向とし、これらが完全ではないにしても、少なくとも実質的に、コアに向けた1方向の流体移送を有する。
【0041】
本発明で使用するに適切な巨視的に伸張されたフィルムには、例えば、米国特許第4,637,819号及び米国特許第4,591,523号中に記載されているようなフィルムが含まれる。
本発明で使用するための好ましい支持体層には、織布及び不織布層、最も好ましくは疎水性の不織布のような疎水性の繊維状層が含まれる。
本発明のこの好ましい実施形態の複合層状構造体は、前記熱可塑性組成物が所望の厚さを有する層として支持基材上に形成され得る複合体を提供することができるので、特に好都合である。例えば、上記で説明したように処理条件で熱可塑性親水性ポリマー組成物の粘度を適切に調整することによって、基材上に所望の厚みの熱可塑性親水性ポリマー組成物を提供するために、通常低粘度ホットメルトを直接被覆する当該技術分野において既知の被覆条件及び装置を容易に利用することができる。あるいは、処理条件でより高い粘度を有する本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物の場合には、フィルム押出などの他の既知の方法を用いることもできる。
【0042】
支持体層として作用する基材上に前記熱可塑性組成物を被覆して複合ラミネートを形成するための可能な方法は国際公開第96/25902号中に記載されている。
前記熱可塑性組成物と前記基材間の永久的な結合を達成するために更なる接着剤が必要でないような好ましい複合体を形成するためには、層形態の前記熱可塑性組成物は、少なくとも被覆温度で、支持基材に対して好ましくは接着剤特性を示す。特定の用途において、熱可塑性組成物が任意の温度で粘着性を保持するように、すなわち圧力感応性の接着剤の典型的な特性を有するように配合されるのが望ましい場合もある。
【0043】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物及び水蒸気透過性、液体不透過性の構造体、例えば、それらから形成された層及び複合体は、液体不透過性及び水蒸気透過性とが望まれる多数の用途においてその有用性が見出されている。特に本発明は、例えば、おむつ、衛生ナプキン、パンティライナー、失禁用製品、及び母乳パッドなどの吸収性物品;わきの下発汗パッド、手首発汗パッド、及び頭部発汗パッド、襟インサート、靴インサート、防止バンドなどの発汗パッド;保護ベッドカバー、保護衣服、食品又はその他の商品のための包装材料などに効果的に利用され得る。
【0044】
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む他の物品はまた、手袋、指サック、ミット、ミトンなどのハンドカバー;靴下、タイツ、パンティーストッキング、靴、スリッパなどのフット又はレッグカバー;帽子、キャップなどのヘッドカバー;コンドーム、膣腔内部に置かれる精液遮断体などの性病予防品;マスク、ノーズカバー、イアーカバー、又はミットなどのフェイスカバー;男性器「運動競技用」サポーター、ブラジャーなどの身体サポート品;下着、保護スリーブ、又は保護パッド中に一部又は全体を挿入するものとして使用するための成形衣類を含む。物品及び用途の他の例としては、ヒト又はその他の生物用の柔軟性衣料又はドレープ衣料品、例えば、シャツ、パンツ、下着、よだれかけ、スモック、コート、スカーフ、着ぐるみ、ストッキング、きゃはん、スカート、ドレスなどの非限定例が挙げられ、医療専門家用、農業業務用、機械組立及び修理業用、緊急公的業務用、軍用、競技用、洗浄用などの種々の事業及び業務用の他の柔軟性衣料又はドレープ衣類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
用途のカテゴリの他の例には、非限定例として生鮮品及び焼製品(パン、ロール、ケーキ)などの食品用包装が含まれる。
用途のカテゴリのさらなる例には、非限定例として家庭用品(容器、三次元「バック」)などの農耕又は園芸用途が含まれ、これは個々の又は特定の植物群を部分的又は全体的に包むために使用される。
用途のカテゴリのなおさらなる例には、布張りをした椅子及びソファ用保護カバーなどの家具用保護カバーが含まれる。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を含む物品は一般に柔軟性又は剛性であることができる。
【0046】
このような物品は全て通常使い捨てとすることもできる。好ましくは本発明の熱可塑性組成物から形成された水蒸気透過性、液体不透過性構造体、例えば層及び複合体は、少なくとも100g/m2・24h、好ましくは少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも500g/m2・24hの総括水蒸気透過率を有する。
本発明の熱可塑性親水性ポリマー組成物を適切な基材上に成形することによって形成された水蒸気透過性、液体不透過性複合構造体は、使い捨て吸収性物品用の、特に衛生ナプキン及びパンティライナー、さらには母乳パッド、失禁製品及び発汗パッド用のバックシートとして特に有用であることが見出されている。このような物品は、通常、例えば、液体透過性トップシート、吸収コア、及びバックシートなどの当業者に既知の構成要素を含み、任意選択的に固定材料、ウイングなどの他の構成要素を含んでいてもよい。
【0047】
本発明によれば、複素粘性係数η*は、レオメトリックス社(Rheometrics Co.)製のレオメータRDA−IIを用いて測定される。水蒸気透過性は、修正されたASTM E−96「直立カップ」法にしたがって、23℃、50%の相対湿度における水蒸気透過率(WVTR)として測定される。標準ASTM E−96「直立カップ」法に対する唯一の修正は、カップ内の試料と水表面との間の空隙の高さにおける変更であり、その高さは標準の試験方法に記載される19mm±2.5mmの代わりに3mm±0.5mmである。
Claims (9)
- 熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物と、
適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドとを含む
熱可塑性親水性ポリマー組成物であって、
前記熱可塑性親水性ポリマー、あるいは代わりの前記熱可塑性親水性ポリマーの前記混合物中の各々は、ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー、ポリエチレン−アクリル酸コポリマー、ポリエチレンオキシド及びそのコポリマー、エチレンアクリルエステルコポリマー、ポリラクチド及びコポリマー、ポリアミド、ポリエステルブロックコポリマー、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロックコポリマー、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリル酸及び誘導体、アイオノマー、28重量%超過の酢酸ビニルアセテート含量を有するポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー、ポリビニルエーテル及びそれらのコポリマー、ポリ−2−エチル−オキサゾリン及び誘導体、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、熱可塑性セルロース誘導体、又はこれらの混合物からなる群より選択され、
前記熱可塑性親水性ポリマー組成物は、
前記適切な相溶性可塑剤が、6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有するか、
あるいは、前記適切な相溶性可塑剤のブレンドが、6g/100mlH2O超過、好ましくは7g/100mlH2O超過、より好ましくは9g/100mlH2O超過の25℃の水に対する溶解度を有する可塑剤を、少なくとも前記ブレンド重量当たり、50重量%超過で含有することを特徴とする熱可塑性親水性ポリマー組成物。 - 前記熱可塑性親水性ポリマー若しくは熱可塑性親水性ポリマーの前記混合物が、熱可塑性ポリエーテル−アミドブロックコポリマー、熱可塑性ポリ−エーテル−エステル−アミドブロックコポリマー、熱可塑性ポリエステルブロックコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、又はこれらの混合物を含む請求項1に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。
- 前記適切な相溶性可塑剤、あるいは適切な相溶性可塑剤の前記ブレンド中の各可塑剤が、クエン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロール及びそのエステル、スクロースエステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、ソルビトール、エポキシ化植物油、重合植物油、ポリオール、フタレート、液状ポリエステル、グリコレート、p−トルエンスルホンアミド及び誘導体、グリコール及びポリグリコール及びそれらの誘導体、ソルビタンエステル、ホスフェート、1個のカルボキシル基を持つ炭素数8〜22の脂肪酸類、及びそれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される請求項1又は2に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。
- 前記適切な相溶性可塑剤、あるいは代わりの適切な相溶性可塑剤の前記ブレンド中の各可塑剤が、クエン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロール及びそのエステル、ソルビトール、グリコレート、並びにこれらの混合物からなる群より選択される請求項3に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。
- 前記熱可塑性親水性ポリマー組成物は、
前記熱可塑性親水性組成物の重量当たり、5重量%〜99重量%、好ましくは20重量%〜70重量%、より好ましくは30重量%〜50重量%の前記熱可塑性親水性ポリマー又は熱可塑性親水性ポリマーの混合物と、
前記熱可塑性親水性ポリマー組成物の重量当たり、1重量%〜95重量%、好ましくは10重量%〜70重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%の前記適切な相溶性可塑剤又は適切な相溶性可塑剤のブレンドと、
前記熱可塑性親水性ポリマー組成物の重量当たり、0重量%〜60重量%、好ましくは10重量%〜50重量%、より好ましくは20重量%〜40重量%の相溶性の粘着性付与樹脂又は相溶性の粘着性付与樹脂のブレンドと
を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。 - 前記相溶性の粘着性付与樹脂、あるいは代わりの粘着性付与樹脂の前記ブレンド中の各粘着性付与樹脂が、ロジン及びロジンエステル、炭化水素樹脂、脂肪族樹脂、テルペン及びテルペン−フェノール樹脂、芳香族樹脂、炭素数5の合成樹脂、炭素数5〜9の合成樹脂の混合物、並びにこれらの混合物からなる群より選択される請求項5に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性親水性ポリマー組成物から形成される水蒸気透過性の層であって、前記層は液体不透過性であり、少なくとも15μmの厚みを有し、水蒸気透過率が修正されたASTM E−96「直立カップ」方法に従って測定される場合、少なくとも100g/m2・24h、好ましくは少なくとも300g/m2・24h、より好ましくは少なくとも400g/m2・24h、最も好ましくは少なくとも500g/m2・24hの水蒸気透過率(WVTR)を有する、水蒸気透過性の層。
- 水蒸気透過性である基材と結合された請求項7の層を含む水蒸気透過性、液体不透過性の重層構造。
- 請求項7又は8に記載の水蒸気透過性、液体不透過性の層又は重層構造を含む、おむつ、衛生ナプキン、パンティライナー、失禁用製品、胸当てなどの吸収性物品。
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