JP4231183B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエビングベルトによって車両の乗員を拘束するウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
長尺帯状のウエビングベルトによって車両乗員の身体を拘束するシートベルト装置なかで、その主要部を構成するウエビング巻取装置には、車両急減速状態を感知した場合に巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止するためのロック機構を備えており、このロック機構が作動することで巻取軸からのウエビングベルトの引き出しが制限され、乗員を確実に拘束できるようになっている。
【0003】
一方でロック手段による巻取軸のロック状態でウエビングベルトを引き出す方向への巻取軸の回転力が作用する特定の部材に、所定の大きさ以上の回転力が作用して変形することで当該ロック状態を解除し、巻取軸からのウエビングベルトの引き出しを許容すると共にエネルギー吸収を行う所謂『フォースリミッタ機構』を備えたウエビング巻取装置もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両乗員の体格(特に体重)は千差万別であり、車両の急減速状態においてウエビングベルトに作用するエネルギーにもそれに応じた差が生じるにも拘わらず、従来の『フォースリミッタ機構』は作動開始荷重が一定で、画一的な作動しか得られなかった。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、エネルギー吸収するための部材を変形させるのに要する巻取軸の回転力を変更できるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のウエビング巻取装置は、長尺帯状とされた乗員拘束用のウエビングベルトの一端が係止されて前記ウエビングベルトを巻き取る巻取軸と、前記巻取軸の回転中心を貫通して前記巻取軸を回転自在に支持すると共に、自らの軸線方向一端側に対する他端側の相対的な前記軸線周りの捩じれ変形により当該捩じれ方向の力を吸収し、且つ、回転する前記巻取軸に対する所定の回転位置で前記巻取軸が前記回転方向とは反対側から係合し、当該回転方向の押圧力が前記巻取軸から付与されると共に、前記回転方向と同方向の前記巻取軸に対する相対回転で前記係合が解除されるトーションシャフトと、前記トーションシャフトの軸方向一端側へ直接或いは間接的に係合可能に設けられ、当該係合状態では前記トーションシャフトの軸方向一端側において前記トーションシャフトをロックするシャフトロック手段と、前記巻取軸の回転を増速して前記トーションシャフトへ伝達して前記トーションシャフトを前記巻取軸の回転方向と同じ方向へ回転させると共に、当該回転の伝達の解除が可能な増速回転伝達手段と、を備えている。
【0007】
上記構成のウエビング巻取装置では、巻取軸から引き出されたウエビングベルトが車両の乗員の身体に装着されることで、乗員の身体はウエビングベルトにより拘束される。また、ウエビングベルトが引き出される際に巻取軸がトーションシャフトに対して所定の回転位置まで相対回転すると、ウエビングベルトが引き出される際の巻取軸の回転方向(以下、この回転方向を便宜上『引出方向』と称し、『引出方向』とは反対方向の回転方向を便宜上『巻取方向』と称する)側から巻取軸がトーションシャフトへ係合する。
【0008】
この状態では、巻取軸が引出方向へ回転しようとすると、巻取軸がトーションシャフトを引出方向へ押圧するため、巻取軸と一体的にトーションシャフトが回転する(すなわち、巻取軸及びトーションシャフトが同方向へ等速回転する)。
【0009】
しかしながら、この状態でシャフトロック手段が作動してトーションシャフトの軸方向一端側がロックされると、トーションシャフトに係合した巻取軸が引出方向へ回転しようとしてトーションシャフトを押圧してもトーションシャフトは回転せず、これによって、巻取軸もまたロックされる。このため、この状態では基本的にそれ以上ウエビングベルトを引き出すことができない。したがって、シャフトロック手段の作動条件を、例えば、車両が急減速状態となった場合とすれば、車両が急減速状態となった場合において急減速に伴う慣性で、車両の進行方向側へ移動しようとする乗員の身体が、ウエビングベルトによって確実に拘束される。
【0010】
この状態で巻取軸からトーションシャフトへ伝達される引出方向の回転力が一定の大きさを越えると、トーションシャフトはシャフトロック手段によりロックされた軸線方向一端側に対して他端側が自らの軸線周りに引出方向へ回転して捩じれ変形する。他端側が引出方向に回転することで巻取軸はこの回転量に対応する分だけ引出方向へ回転し、巻取軸の回転量に応じた長さだけウエビングベルトが引き出されると共に、トーションシャフトが捩じれ変形することで巻取軸を介してトーションシャフトに作用した回転力が吸収される。
【0011】
ここで、この状態において増速回転伝達手段が解除されている場合には引出方向への巻取軸の回転が巻取軸とトーションシャフトとの係合部分を介してトーションシャフトへ伝達されるため、トーションシャフトは巻取軸と同じ速度で回転する。
【0012】
一方、増速回転伝達手段が解除されていない場合には、巻取軸の回転が増速回転伝達手段によって増速されて伝達されるため、巻取軸よりも回転速度が速い。したがって、トーションシャフトは巻取軸に対して引出方向へ向けて相対回転するため、トーションシャフトと巻取軸との係合は解除され、増速回転伝達手段によってのみ巻取軸の回転がトーションシャフトへ伝達される。
【0013】
増速回転伝達手段によってトーションシャフトの回転が巻取軸よりも速くなることで、巻取軸からトーションシャフトへ付与されるトルクは回転速度比に反比例して小さくなる。このため、トーションシャフトを捩じれ変形させるために要する巻取軸の回転力が大きくなる。
【0014】
このように、本ウエビング巻取装置では、増速回転伝達手段を作動及び解除することで、トーションシャフトを捩じれ変形させるために要する巻取軸の回転力が変更されるため、例えば、乗員の体格等に応じて増速回転伝達手段を作動及び解除することで適したエネルギー吸収効果を得ることができる。
【0015】
請求項2記載のウエビング巻取装置は、請求項1記載の本発明において、前記巻取軸と前記トーションシャフトの前記係合部との間に介在して前記トーションシャフトを間接的に前記巻取軸へ係合させると共に、前記巻取軸と前記トーションシャフトとの係合状態から当該係合状態とは反対の回転方向側からの前記巻取軸の前記トーションシャフトへの係合までに前記巻取軸を前記トーションシャフトに対して相対的に1回転を越えて回転させる等速回転伝達手段を備えることを特徴としている。
【0016】
上記構成のウエビング巻取装置では、巻取軸とトーションシャフトとの間に等速回転伝達手段が介在しており、巻取軸が等速回転伝達手段を介してトーションシャフトに係合する。したがって、巻取方向側から巻取軸が等速回転伝達手段を介してトーションシャフトに係合し、且つ、増速回転伝達手段が解除された状態で巻取軸を引出方向へ回転すると、巻取軸は等速回転伝達手段を介してトーションシャフトに押圧力を付与しトーションシャフトを等速回転させる。
【0017】
ここで、本ウエビング巻取装置では等速回転伝達手段により、巻取軸とトーションシャフトとの係合状態からトーションシャフトが巻取軸に対して巻取軸がトーションシャフトへ係合した回転方向と同方向へ相対回転してそれまでの係合状態とは反対側で巻取軸にトーションシャフトが係合するまで1回転を越える相対回転を要する。
【0018】
すなわち、巻取方向側から巻取軸がトーションシャフトへ係合した状態で増速回転伝達手段が作動し、更に、この状態で巻取軸が引出方向側へ回転すると、増速回転伝達手段によってトーションシャフトは巻取軸よりも早く回転し、これまでの係合を解除する。このときの相対回転をトーションシャフトを基準にして考えると、巻取軸がトーションシャフトに対して巻取方向側へ回転しているわけであるから、いずれは巻取軸が巻取方向側からトーションシャフトへ係合する。
【0019】
しかしながら、本ウエビング巻取装置では等速回転伝達手段が設けられているため、引出方向側から巻取軸がトーションシャフトへ係合した状態から巻取軸に対してトーションシャフトは引出方向側へ1回転を越えて回転しなければ引出方向側からトーションシャフトが巻取軸へ係合しない(すなわち、巻取方向側から巻取軸がトーションシャフトへ係合しない)。
【0020】
このため、相対的に1回転以内でトーションシャフトが巻取軸へ係合する場合に比べて増速回転伝達手段による巻取軸とトーションシャフトとの回転速度比を大きく設定できる。
【0021】
請求項3記載のウエビング巻取装置は、請求項1又は請求項2記載の本発明において、前記増速回転伝達手段は、前記トーションシャフトに同軸的且つ一体的に形成されると共に、外周部に外歯が形成された太陽ギヤと、前記巻取軸の回転中心よりも半径方向外側に変位した位置で回転自在に軸支されると共に、外周部に外歯が形成され前記太陽ギヤの外歯へ噛み合う遊星ギヤと、前記巻取軸及び前記トーションシャフトの双方に対して同軸的に相対回転可能に設けられると共に、内周部に前記遊星ギヤの外歯に噛み合う内歯が形成されたインターナルギヤと、によって構成される遊星歯車列を備えると共に、前記巻取軸及び前記トーションシャフトの双方に対する前記インターナルギヤの回転をロックすると共に、当該ロックの解除が可能なインターナルギヤロック手段を備えることを特徴としている。
【0022】
上記構成のウエビング巻取装置では、巻取軸が引出方向側からトーションシャフトに係合し、且つ、インターナルギヤロック手段がインターナルギヤをロックした状態で巻取軸は引出方向へ回転すると、巻取軸に設けられた遊星ギヤが巻取軸の軸心周りを巻取軸の回転速度と同じ速度で公転すると共に、インターナルギヤの内歯に倣って自らの軸線周りに自転する。遊星ギヤが自転することで遊星ギヤの外歯に噛み合う太陽ギヤが増速回転され、これによって太陽ギヤが形成されているトーションシャフトが巻取軸の回転よりも速く回転する。
【0023】
一方、インターナルギヤロック手段によるインターナルギヤのロックが解除された状態で巻取軸が引出方向へ回転すると、遊星ギヤは巻取軸の軸心周りに公転はするものの、インターナルギヤは回転自在とされているため、遊星ギヤは自転しない。このため、巻取軸の回転が増速されてトーションシャフトに伝達されることはなく、巻取軸はトーションシャフトとの係合部分を介して巻取軸の回転速度と同じ速さでトーションシャフトを回転させる。
【0024】
このように、本ウエビング巻取装置では、所謂『遊星歯車列』を増速回転伝達手段として用いているわけであるが、遊星歯車列では、遊星ギヤの公転速度に対する太陽ギヤの回転速度の比率は、一般的にインターナルギヤの内歯の数と太陽ギヤの外歯の数の和を太陽ギヤの外歯の数で割った数で求められるため、速度比の設定が極めて容易である。しかも、遊星歯車列とすることでインターナルギヤロック手段のロックを解除しない限り予め設定された速度比で確実に回転が伝達されるため信頼性が高い。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1及び図2には本実施形態に係るウエビング巻取装置10の要部が斜視図にて示されており、また、図7にはウエビング巻取装置10の概略的な縦断面図が示されている。
【0026】
図7に示されるように、ウエビング巻取装置10は、厚さ方向に沿って互いに対向した一対の側壁12、14と、これらの側壁12、14の幅方向一端で側壁12と側壁14とを連結する縦壁16と、を含んで構成され、平面視でコ字形状に形成されたフレーム18を備えている。ウエビング巻取装置10は、このフレーム18の一部をボルトで車体に結合させることにより、センタピラー(何れも図示省略)の下部等に固定されている。
【0027】
フレーム18の側壁12と側壁14との間には巻取軸としてのスプール20が配置されている。スプール20はスプール本体24を備えている。スプール本体24は概ね円柱形状とされ、その外周部に形成された係止部(図示省略)に長尺帯状に形成された乗員拘束用のウエビングベルト22の一端部が係止されている。スプール本体24の軸方向両端部にはスプール本体24よりも大径の略円盤形状とされたフランジ部26、28がスプール本体24に対して同軸的に形成されている。
【0028】
さらに、スプール20にはその軸心に沿って貫通したシャフト挿通孔30が形成されている。シャフト挿通孔30はスプール20を半径方向に沿って切った場合の断面開口形状が円形とされており、その内側にはトーションシャフト32が貫通配置されている。トーションシャフト32は、外径寸法がシャフト挿通孔30の内径寸法よりも極僅かに小さな(略等しい)円柱形状のシャフト本体34を備えている。シャフト本体34はシャフト挿通孔30を貫通しており、ウエビングベルト22をその軸線周りに回転自在に支持している。
【0029】
図7及び図2に示されるように、シャフト本体34の側壁12側の端部からはシャフト本体34とは反対側が二股に分かれた係合部36が突出形成されている。トーションシャフト32の軸線方向に沿った方向の係合部36の中間部よりもシャフト本体34側にはシャフトロック手段としての半月板状の一対のロックプレート38が遊嵌されている。
【0030】
図2に示されるように、上述したフレーム18の側壁12には内周部にラチェット歯40が形成されたラチェット孔42がシャフト挿通孔30に対して同軸的に形成されており、係合部36へのロックプレート38の遊嵌状態では、シャフト本体34の半径方向に沿ってラチェット孔42の内周部とロックプレート38とが対向する。ロックプレート38の外周部にはラチェット孔42のラチェット歯40に噛合可能な外歯44が形成されている。
【0031】
また、図2及び図7に示されるように、トーションシャフト32の軸線方向に沿った方向の係合部36の中間部よりもシャフト本体34とは反対側にはシャフト本体34に対して同軸的にシャフトロック手段としてのVギヤ46が配設されている。なお、Vギヤ46のボス48とシャフト本体34との間には爪付きのキャップ等の樹脂部品によって取付けられた捩じりコイルスプリング等の付勢手段(図示省略)が介在されており、通常はシャフト本体34に対してVギヤ46が追従回転するようになっている。また、Vギヤ46のボス48の周囲には、4つのガイド孔50及びシャフト本体34の係合部36が挿入される逃げ用の開口部52が形成されている。これらのガイド孔50内へはロックプレート38から立設された一対の突起54がそれぞれ挿入されている。
【0032】
Vギヤ46の外周部にはロック歯56が形成されており、更に、Vギヤ46の下方にはシャフトロック手段としての加速度センサ58が配置されている。加速度センサ58は側面視でL字形状の台座60を備えており、台座60の底部中央に形成された凹面上には外周部の曲率半径が台座60の底部中央に形成された凹面の曲率半径よりも小さなボール62が載置されている。ボール62側方の台座60の支持壁には、底部に対して平行な軸周りに回動自在にパウル64が支持されている。パウル64はボール62を介して台座60の底部とは反対側に位置しており、ボール62と対向する側の端面は自重でボール62へ当接している。一方、パウル64のボール62とは反対側の端面からは係合爪66がVギヤ46のロック歯56に対して対向する如く突出形成されている。
【0033】
一方、図1及び図7に示されるように、上述したシャフト本体34の他端側(すなわち、係合部36が形成された側とは反対側)で且つスプール20の軸方向外側に突出した部分には、外周部に外歯82が形成され、増速回転伝達手段としての遊星歯車列80を構成する太陽ギヤ84がシャフト本体34に対して同軸的に一体形成されている。さらに、太陽ギヤ84のスプール20とは反対側の中心からも連続してシャフト本体34が形成されており、シャフト本体34の他端部は側壁14に回転自在に軸支されている。さらに、シャフト本体34の他端部は、図示しない渦巻きコイルスプリングによってスプール20がウエビングベルト22を巻き取る方向への回転方向と同じ方向へ付勢されている。
【0034】
また、側壁14とスプール20との間にはシャフト本体34周りにインターナルギヤ86が回転自在に軸支されている。インターナルギヤ86は全体的に円盤状とされた底部88を備えおり、この底部88の側壁14とは反対側に端部には外径寸法が底部88の外径寸法と等しいリング部90が底部88に対して同軸的に形成されている。リング部90の内周部には内歯92が形成されていると共に、底部88及びリング部90の外周部(すなわち、インターナルギヤ86の外周部)にはラチェット歯94が形成されている。上述した太陽ギヤ84は、外歯82が太陽ギヤ84の半径方向に沿って内歯92と対向するようにインターナルギヤ86の内側に配置されている。
【0035】
一方、スプール20のフランジ部26にはリング部96が設けられている。リング部96は概ねリング状とされており、フランジ部26の側壁14側の端面にスプール本体24に対して同軸的に形成されている。リング部96の側壁14と対向する側の端面の一部からは側壁14側へ向けてスプール20の軸線に対して平行にシャフト98が突出形成されており、外周部に外歯100が形成された遊星ギヤ102を同軸的に回転自在に軸支している。遊星ギヤ102は外周部がスプール20及びトーションシャフト32の半径方向に沿って太陽ギヤ84の外周部及びインターナルギヤ86(リング部90)の内周部と対向するように配置されており、外歯100が太陽ギヤ84の外歯82及びインターナルギヤ86の内歯92の双方に噛み合っている。
【0036】
さらに、フランジ部26の側壁14と対向する側の端面にはリブ104が形成されている。リブ104は、その厚さがリング部96の厚さに概ね等しく、フランジ部28の中心(軸心)とリング部96の内周部との間でフランジ部28の中心周りの所定角度の範囲に形成されている。
【0037】
また、フランジ部26とインターナルギヤ86の底部88との間には等速回転伝達手段としてのロータ106が設けられている。ロータ106はシャフト本体34周りに回転自在にシャフト本体34に軸支されるリング状若しくは円筒状の基部108を備えており、更に、基部108の外周部にはロータ本体110が形成されている。基部108の中心からロータ本体110の端部までの寸法はフランジ部26の中心からリング部96の内周部までの寸法よりも短く、ロータ106はシャフト本体34に軸支された状態でその軸線方向一部をリング部96の内側に入り込ませることができ、リング部96の内側に入り込んだ状態では、シャフト本体34周りの一方の側へ向いたロータ本体110の端部110Aがシャフト本体34周りの他方の側へ向いたリブ104の端部104Aに対してシャフト本体34周りに対向し、シャフト本体34周りの他方の側へ向いたロータ本体110の端部110Bがシャフト本体34周りの一方の側へ向いたリブ104の端部104Bに対してシャフト本体34周りに対向する。また、ロータ本体110の厚さはリング部96の厚さよりも十分に大きく、且つ、リング部96の厚さと後述するリブ112の厚さとの和に等しいか或いは小さい。
【0038】
さらに、上述した太陽ギヤ84のフランジ部26と対向する側の端部にはリブ112が形成されており、シャフト本体34周りの一方の側へ向いたロータ本体110の端部112Aがシャフト本体34周りの他方の側へ向いたリブ104の端部104Aに対してシャフト本体34周りに対向し、シャフト本体34周りの他方の側へ向いたロータ本体110の端部112Bがシャフト本体34周りの一方の側へ向いたリブ104の端部104Bに対してシャフト本体34周りに対向する。
【0039】
さらに、上述したインターナルギヤ86の半径方向側方にはインターナルギヤロック手段として遊星歯車列80と共に増速回転伝達手段を構成するロックソレノイド120が配置されている。ロックソレノイド120は内部にソレノイド(図示省略)を備えたケース122を備えている。このケース122には軸方向に沿ってインターナルギヤ86のラチェット歯94と対向するロック歯124が形成されたプランジャ126が設けられている。プランジャ126は自らの軸線方向に沿ってスライド自在とされており、ケース122への収納状態(図7図示状態)から太陽ギヤ84へ接近する方向へ突出すること(図8図示状態)で、ロック歯124を太陽ギヤ84のラチェット歯94へ噛合させることができる。このロック歯124はケース122に収容されたソレノイドが通電されて吸引力が生じた状態ケース122から突出し、ソレノイドへの通電が解除されて吸引力が消滅した状態の何れか一方の状態でケース122内に収容される。
【0040】
ケース122内のソレノイドは、ドライバ128を介してバッテリー130へ電気的に接続されており、バッテリー130から給電されることで通電させられると共に、ドライバ128を介してコンピュータ132等の制御手段へ電気的に接続されている。コンピュータ132は、重量センサ134や、車両の座席に設けられ乗員の体重を検知する重量センサ134等の体格検知手段やスイッチ136等に電気的に接続されている。さらには、スプール本体24に挿通されたタングプレートがバックル装置(図示省略)に係合させられたか否かを検知する係合検知センサ138等に電気的に接続されており、コンピュータ132や重量センサ134の状態の如何を問わずタングプレートがバックル装置に係合した状態でのみロックソレノイド120のソレノイドへの通電を許容する。
【0041】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0042】
乗員がスプール本体24に挿通された図示しないタングプレートを持ってスプール本体24を引き出し、タングプレートを図示しないバックル装置に係合させることにより、乗員は三点式シートベルト装置のウエビング装着状態となる。すなわち、センタピラーの上部に配設された図示しないショルダアンカからタングプレートまでのウエビングベルト22がショルダ側のウエビングとなり、タングプレートからバックル装置までのウエビングベルト22がラップ側のウエビングとなる。
【0043】
ウエビングベルト22を引き出すと、これに伴いスプール20が回転(なお、以下、ウエビングベルト22を引き出す際のスプール20並びにトーションシャフト32の回転方向を便宜上『引出方向』と称し、『引出方向』とは反対の回転方向を便宜上『巻取方向』と称する)し、スプール20と共にリブ104が回転する。リブ104が回転することでリブ104の端部104Aがロータ106のロータ本体110の端部110Aへ接近し、更にはリブ104の端部104Aがロータ本体110の端部110Aへ当接してロータ本体110を引出方向へ押圧する。この状態から更にスプール20が引出方向へ回転すると、ロータ106がスプール20と略一体的に引出方向へ回転し、ロータ106のロータ本体110の端部110Bがシャフト本体34に形成された太陽ギヤ84のリブ112の端部112Bへ接近し、更には、ロータ本体110の端部110Bがリブ112の端部112Bへ当接してリブ112を引出方向へ押圧する(図3図示状態)。これによって、トーションシャフト32がスプール20と共に引出方向側へ向けて回転する。
【0044】
なお、遊星ギヤ102を軸支するシャフト98もまたスプール20と共にスプール20の中心周りに引出方向へ回転するが、タングプレートがバックル装置に係合させられるまではプランジャ126のロック歯124がインターナルギヤ86のラチェット歯94へ噛合していないため、インターナルギヤ86はシャフト本体34周りに自由に回転できる状態となっている。したがって、タングプレートがバックル装置に係合させられるまでの間は、スプール20が回転しても遊星ギヤ102は公転するだけで自転はせず、単に、インターナルギヤ86の内歯92へ噛み合う遊星ギヤ102の外歯100が引出方向へ内歯92を押圧してシャフト本体34周りにインターナルギヤ86を回転させるだけである(すなわち、この状態では遊星歯車列80として機能しない)。
【0045】
このようにして、ウエビングベルト22が引き出されてトーションシャフト32が引出方向へ回転させられることで、トーションシャフト32の回転量に応じた大きさの付勢力が渦巻きコイルスプリングからトーションシャフト32、ロータ106、スプール20を介してウエビングベルト22に付与され、この付勢力で引っ張られたウエビングベルト22が乗員の身体を拘束する。
【0046】
この状態で、重量センサ134が座席に着座した乗員の体重を検知し、重量センサ134が検知した乗員の体重が所定値未満であるとコンピュータ132が判断した場合、或いは、スイッチ136がOFF操作されたとコンピュータ132が判断した場合には、ロックソレノイド120のソレノイドは通電されず、プランジャ126のロック歯124はインターナルギヤ86のラチェット歯94に対して離間したままとされる(すなわち、ロックソレノイド120によるロックが解除された状態)。
【0047】
これに対し、重量センサ134が検知した乗員の体重が所定値以上であるとコンピュータ132が判断した場合、或いは、スイッチ136がON操作されたとコンピュータ132が判断した場合には、ロックソレノイド120のソレノイドが通電されてプランジャ126がケース122から突出し、ロック歯124がインターナルギヤ86のラチェット歯94へ噛合する。これにより、太陽ギヤ84はロック状態となる。
【0048】
車両が急減速状態になると、ボール62は慣性力によって台座60上を転動し、パウル64を押し上げて係合爪66をVギヤ46のロック歯56に係合させる。これにより、Vギヤ46の引出方向への回転が阻止され、Vギヤ46とスプール20との間に相対回転が生じ、ガイド孔50に案内されてロックプレート38が半径方向へ移動して、ロック歯56が側壁12のラチェット孔42に形成されたラチェット歯40に噛合させられる。この状態では、トーションシャフト32の回転が阻止される。図3に示されるように、ウエビングベルト22を引き出した状態では、リブ104の端部104Aがロータ106の端部110Aへ当接しロータ106の端部110Bがリブ112の端部112Bへ当接しているため、スプール20の引出方向への回転は、ロータ106を介してロックされたトーションシャフト32により阻止される。したがって、この状態では、車両が急減速状態となることで乗員の身体が慣性で車両の走行方向へ移動しようとする際に、乗員の身体がこれを拘束するウエビングベルト22を引き出そうとしても、ウエビングベルト22を引き出すことはできず、ウエビングベルト22は確実に乗員の身体を拘束しつづける。
【0049】
但し、トーションシャフト32がロックされた状態であっても、トーションシャフト32を捩じって塑性変形させるだけの回転力がトーションシャフト32に付与されれば、この塑性変形量に応じた回転量だけスプール20を引出方向へ回転させることができ、このときのスプール20の回転量に応じた長さだけウエビングベルト22を引き出すことができると共に、トーションシャフト32が塑性変形することでトーションシャフト32に作用した回転力(すなわち、ウエビングベルト22の引出力)がトーションシャフト32の塑性変形分に応じた量だけ吸収される(すなわち、本ウエビングベルト巻取装置10では、単なるロック機構のみならず、トーションシャフト32が捩じれ方向へ塑性変形してエネルギーを吸収することで所謂『フォースリミッタ』としての作用を奏する)
ここで、本ウエビング巻取装置10では、インターナルギヤ86がロックソレノイド120によってロックされたか否かで上記の状態におけるスプール20からトーションシャフト32への回転力の伝達経路が異なる。以下、インターナルギヤ86がロックソレノイド120によってロックされた場合と、ロックされていない場合の各々について説明する。
【0050】
ウエビングベルト22が引き出され、且つ、ロックソレノイド120によるインターナルギヤ86のロックが解除された状態において更にウエビングベルト22が引き出されてスプール20が引出方向へ回転すると、スプール20と共に図3の矢印A方向へ向けて回転するリブ104の端部104Aが、ロータ106の端部110Aを押圧してロータ106を引出方向(すなわち、図3の矢印A方向)へ回転させると共に、回転するロータ106は端部110Bがリブ112の端部112Bを押圧してリブ112を引出方向へ回転させる。リブ112はシャフト本体34(トーションシャフト32)と一体の太陽ギヤ84に形成されているため、ロータ106からの押圧力によりリブ112が回転することでトーションシャフト32がロータ106及びスプール20と同じ速度で回転する。
【0051】
なお、上述したように、スプール20が回転することで遊星ギヤ102を軸支するシャフト98もまた回転するため、遊星ギヤ102はスプール20の軸心周りをスプール20と同じ速さで公転する。しかしながら、ロックソレノイド120によるインターナルギヤ86のロックが解除されているため、遊星ギヤ102がスプール20の軸心周りを公転すると、内歯92で遊星ギヤ102の外歯100と噛み合うインターナルギヤ86は遊星ギヤ102と共に回転してしまい、遊星ギヤ102は自転できず、遊星歯車列80はその機能を発揮しない。したがって、ロックソレノイド120によるインターナルギヤ86のロックが解除された状態では、トーションシャフト32はスプール20と同じ速度で引出方向へ回転する。
【0052】
したがって、基本的にスプール20の回転力は増減なくトーションシャフト32へ伝えられ、トーションシャフト32のロック状態においてスプール20の回転力が捩じり方向へのシャフト本体34の剛性を上回ればスプール20を塑性変形させることができ、ウエビングベルト22を引き出すことが可能になると共にエネルギーを吸収できる。
【0053】
これに対し、ロックソレノイド120によってインターナルギヤ86がロックされていると、スプール20と共にシャフト98が回転して軸支する遊星ギヤ102をスプール20の中心周りに図3の矢印A方向へ公転させると共に、外歯100がインターナルギヤ86の内歯92に噛み合う遊星ギヤ102が内歯92に倣い図3の矢印B方向へ自転する。遊星ギヤ102が自転することで外歯82が遊星ギヤ102の外歯100に噛み合う太陽ギヤ84が自らの軸線周りに回転する。
【0054】
ここで、太陽ギヤ84の外歯82の歯数をZ1、インターナルギヤ86の内歯92の歯数をZ2とすると、太陽ギヤ84の引出方向への回転速度V1(すなわち、トーションシャフト32の回転速度)に対するシャフト98の回転速度V2(すなわち、スプール20の回転速度)の回転速度比Nは、以下の(1)式で求められる。
N=V1/V2=(Z1+Z2)/Z1 ...(1)
この(1)式からわかるように、回転速度比Nは常に1よりも大きいため、太陽ギヤ84の引出方向への回転速度V1はシャフト98の回転速度V2よりも大きく、したがって、トーションシャフト32はスプール20よりも速く引出方向へ回転する。
【0055】
また、太陽ギヤ84がスプール20よりも速く回転することでトーションシャフト32とスプール20との間に相対回転が生じ、トーションシャフト32はスプール20に対しても引出方向へ回転する。これにより、図4に示されるように、それまでロータ106の端部110Bへ当接していたリブ112の端部112Bは引出方向側へ向けてロータ106の端部110Bから離間する。したがって、この場合には、リブ104を介したウエビングベルト22からの押圧力(回転力)がリブ112を介してトーションシャフト32に作用することはなく、スプール20の回転は遊星歯車列80を介してのみトーションシャフト32へ伝達される。
【0056】
このように、この状態ではスプール20の回転が遊星歯車列80を介して増速してトーションシャフト32へ伝達されるため、スプール20が回転することでトーションシャフト32へ付与されるトルクは上記の回転速度比Nに反比例する。したがって、ロックソレノイド120によるインターナルギヤ86のロックが解除された状態でシャフト本体34を塑性変形させるのに要する回転力と回転速度比との積がこの状態においてシャフト本体34を塑性変形させるのに要する回転力となる。このため、この状態では、ロックソレノイド120によるインターナルギヤ86のロックが解除された状態でシャフト本体34を塑性変形させるのに要するウエビングベルト22の引っ張り力よりも大きな力でウエビングベルト22が引っ張られるまでシャフト本体34が塑性変形することはない(換言すれば、ロックソレノイド120によるインターナルギヤ86のロックが解除された状態でシャフト本体34を塑性変形させるのに要するウエビングベルト22の引っ張り力よりも大きな力でウエビングベルト22が引っ張られるまでウエビングベルト22は乗員の身体を拘束する)。
【0057】
ところで、上記の速度差によりいずれはリブ112の端部112Aがロータ106の端部110Aへ当接し(図5参照)、端部110Aを押圧してロータ106を引出方向へ回転させようする。更には、この状態から更に回転すればいずれはロータ106の端部110Bがリブ104の端部104Bに当接し(図6参照)、端部104Bを押圧してリブ104を介してスプール20を引出方向へ回転させようとする。
【0058】
ここで、リブ112の端部112Bがロータ106の端部110Bから離間してリブ112の端部112Aがロータ106の端部110Aへ当接するまでのリブ112の回転角度をθ1、ロータ106の端部110Aがリブ104の端部104Aから離間してロータ106の端部110Bがリブ104の端部104Bに尾鬱するまでのロータ106の回転角度をθ2とすると、リブ112がロータ106を介してリブ104を押圧するまでに要するリブ112の回転角度θ0はθ1とθ2との和になる。すなわち、トーションシャフト32がスプール20に対して相対的に相対的にθ0の角度だけ回転した場合にリブ112がロータ106を介してリブ104を押圧できる状態となる。
【0059】
この状態となるまでに要するスプール20の絶対的な回転数をKとすると、回転数Kは以下の(2)式で求められる。
K=θ0/360(N−1)...(2)
この(2)式からもわかるように、回転数Kはリブ112がロータ106を介してリブ104を押圧するまでに要するリブ112の回転角度θ0に比例すると共に、回転速度差Nに反比例する。すなわち、リブ112がロータ106を介してリブ104を押圧するまでに要するリブ112の回転数に更に1回転足した回転数が回転速度比Nよりも大きければ、スプール20が1回転を越えて回転するまではリブ112がロータ106を介してリブ104を押圧することはない。
【0060】
ここで、本ウエビング巻取装置10ではロータ106がリブ104とリブ112との間に介在しているため、リブ112は1回以上2回未満で、しかも、極めて2回に近い回数だけリブ104に対して回転しなければリブ112がロータ106を介してリブ104を押圧することはない。したがって、仮に、回転速度比を2倍以上3倍未満(すなわち、2<N<3)の範囲で設定したとしてもスプール20を1回転させることができる。
【0061】
以上説明したように、本ウエビング巻取装置10では、ロックソレノイド120のプランジャ126に形成されたロック歯124をインターナルギヤ86のラチェット歯94へ噛合させるか否かでシャフト本体34の塑性変形に要するスプール20の回転力を2段階に変更でき、乗員の体格に応じて最適なエネルギー吸収効果を得ることができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、等速回転伝達手段としてのロータ106を設けた構成であったが、請求項1、又は、請求項1に従属する請求項3記載の本発明の観点からすればロータ106を設けなくてもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、増速回転伝達手段は遊星歯車列80としたが、請求項1及び請求項2に記載の本発明の観点からすれば、増速回転伝達手段は遊星歯車列80でなくても構わない。但し、増速回転伝達手段は遊星歯車列80とした場合には、遊星歯車列80は遊星ギヤ102、インターナルギヤ86、及び太陽ギヤ84の歯車で回転を伝達するため、滑り等がなく一定の回転速度比で回転を伝達できるうえ、上述したような数式で容易に回転速度比を求められるため、設計が容易であるというメリットがある。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、増速回転伝達手段の作動及び解除を選択することで巻取軸の回転がトーションシャフトに付与するトルクを変更できるため、トーションシャフトの捩じれ変形に要する巻取軸の回転力を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の図1で示された側とは反対側の構成を示す分解斜視図である。
【図3】増速回転伝達手段としての遊星歯車列及び等速伝達手段の構成を示す正面図である。
【図4】太陽ギヤが引出方向へ向けて巻取軸(シャフト98)に対して相対回転し、等速回転伝達手段から離間した状態を示す図3に対応した正面図である。
【図5】太陽ギヤが引出方向側から等速回転伝達手段に当接して押圧している状態を示す図3に対応した正面図である。
【図6】太陽ギヤが等速回転伝達手段を介して引出方向側から巻取軸に係合した状態を示す図3に対応した正面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図8】インターナルギヤロック手段が作動した状態での図7に対応した縦断面図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置
20 スプール(巻取軸)
22 ウエビングベルト
32 トーションシャフト
38 ロックプレート(シャフトロック手段)
46 Vギヤ(シャフトロック手段)
58 加速度センサ(シャフトロック手段)
80 遊星歯車列(増速回転伝達手段)
84 太陽ギヤ
86 インターナルギヤ
102 遊星ギヤ
106 ロータ(等速回転伝達手段)
120 ロックソレノイド(インターナルギヤロック手段、増速回転伝達手段)
Claims (3)
- 長尺帯状とされた乗員拘束用のウエビングベルトの一端が係止されて前記ウエビングベルトを巻き取る巻取軸と、
前記巻取軸の回転中心を貫通して前記巻取軸を回転自在に支持すると共に、自らの軸線方向一端側に対する他端側の相対的な前記軸線周りの捩じれ変形により当該捩じれ方向の力を吸収し、且つ、回転する前記巻取軸に対する所定の回転位置で前記巻取軸が前記回転方向とは反対側から係合し、当該回転方向の押圧力が前記巻取軸から付与されると共に、前記回転方向と同方向の前記巻取軸に対する相対回転で前記係合が解除されるトーションシャフトと、
前記トーションシャフトの軸方向一端側へ直接或いは間接的に係合可能に設けられ、当該係合状態では前記トーションシャフトの軸方向一端側において前記トーションシャフトをロックするシャフトロック手段と、
前記巻取軸の回転を増速して前記トーションシャフトへ伝達して前記トーションシャフトを前記巻取軸の回転方向と同じ方向へ回転させると共に、当該回転の伝達の解除が可能な増速回転伝達手段と、
を備えるウエビング巻取装置。 - 前記巻取軸と前記トーションシャフトの前記係合部との間に介在して前記トーションシャフトを間接的に前記巻取軸へ係合させると共に、前記巻取軸と前記トーションシャフトとの係合状態から当該係合状態とは反対の回転方向側からの前記巻取軸の前記トーションシャフトへの係合までに前記巻取軸を前記トーションシャフトに対して相対的に1回転を越えて回転させる等速回転伝達手段を備えることを特徴とする請求項1記載のウエビング巻取装置。
- 前記増速回転伝達手段は、
前記トーションシャフトに同軸的且つ一体的に形成されると共に、外周部に外歯が形成された太陽ギヤと、
前記巻取軸の回転中心よりも半径方向外側に変位した位置で回転自在に軸支されると共に、外周部に外歯が形成され前記太陽ギヤの外歯へ噛み合う遊星ギヤと、
前記巻取軸及び前記トーションシャフトの双方に対して同軸的に相対回転可能に設けられると共に、内周部に前記遊星ギヤの外歯に噛み合う内歯が形成されたインターナルギヤと、
によって構成される遊星歯車列を備えると共に、
前記巻取軸及び前記トーションシャフトの双方に対する前記インターナルギヤの回転をロックすると共に、当該ロックの解除が可能なインターナルギヤロック手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のウエビング巻取装置。
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