JP4230466B2 - ビニルエステル樹脂組成物、ビニルエステル樹脂フィルム並びにプリプレグ及び成形体の製造方法 - Google Patents

ビニルエステル樹脂組成物、ビニルエステル樹脂フィルム並びにプリプレグ及び成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ビニルエステル樹脂組成物、ビニルエステル樹脂フィルム並びにプリプレグ及び成形体の製造方法に関する。
一般に、ガラスクロスやカーボンファイバークロス等にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて加熱乾燥し、保管可能な安定状態まである程度硬化が進んだ状態(Bステージ)のものを「プリプレグ」という。このプリプレグは、加熱硬化させることにより成型物(積層物)等の製造に供される。
もともとプリプレグは、電気絶縁材料を製造するため、エポキシ樹脂組成物を原料として製造されていたという歴史的背景がある。また、1970年代にカーボンファイバークロスが登場したことをきっかけとして、これをプリプレグの製造に利用されるようになった。そして、カーボンファイバークロスを利用したプリプレグの製造方法として、カーボンファイバークロスの特徴を活かすために、エポキシ樹脂組成物を熱溶融させフィルム状にし(ホットメルト法)、そのフィルムを熱ラミネートにより基材に含浸させる方法が開発された。
ホットメルト法が開発された当時、熱硬化性樹脂の中でエポキシ樹脂が最も高い強度を有していたため、一般的に、カーボンファイバークロスの強度を活かすにはエポキシ樹脂でなければならないと考えられていた。
一方、従来より、有機溶剤を含有する液状タイプのビニルエステル樹脂組成物は存在した(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。従来の液状タイプのビニルエステル樹脂組成物を用いても、複合材料分野で要求されているスペックを満たすことができるが、液状タイプのビニルエステル樹脂組成物はエポキシ樹脂組成物を原料とした場合と比較してさほど特性の優れたものは得られなかった。また、液状タイプのビニルエステル樹脂組成物を原料とした製品の使用可能時間が、過酸化物を使う関係で短かった。さらに、液状タイプのビニルエステル樹脂組成物をフィルム化する場合、フィルム成形するための温度が過酸化物の反応開始温度を超えてしまい、フィルム成形することが困難であった。
以上のような事情から、ビニルエステル樹脂組成物をホットメルト法を用いてフィルム状にし、そのフィルムを例えば熱ラミネート法により基材に含浸して利用するという概念がそもそもなかった。
特開平5−97943号公報 特開平9−207231号公報 特開平7−252332号公報
ところが近年、エポキシ樹脂の硬化条件に比べ、低温で、かつ短時間で硬化できるという理由から、ビニルエステル樹脂組成物を用いた製品の開発要求が高まってきた。
上記のように、従来より有機溶剤を含有する液状タイプのビニルエステル樹脂組成物は存在したが、反応開始剤として過酸化物を使用しているため、過酸化物の反応開始温度(或いは1分間半減期温度)以上にビニルエステル樹脂を加熱することができない。従って、液状タイプのビニルエステル樹脂組成物の場合、主剤(ビニルエステル樹脂組成物)との溶解性が高く、且つ、反応開始剤の反応開始温度以下の沸点を有する有機溶剤を選定する必要があるため、有機溶剤や硬化剤の種類が限定されてしまう。その結果、反応のコントロールが困難となるという問題があった。
また、液状タイプのビニルエステル樹脂組成物は、環境保護に関心が高まっている現在の社会状況においては、有機溶剤の取り扱いに細心の注意を払う必要がある。
一方、液状タイプのビニルエステル樹脂組成物を用いてプリプレグを製造する場合、ディッピング法によりビニルエステル樹脂組成物をプリプレグに含浸させる方法が一般的である。
しかしながら、ディッピング法では、プリプレグの基材となるクロスをビニルエステル樹脂に浸漬した後に吊り下げる工程があるため、長手方向のテンションに対して弱いクロスは自重により繊維方向が乱れてしまう。クロスの繊維方向に乱れが生じると、プリプレグにした段階で力のムラが生じ、強度的にも弱いものとなる。従って、有機溶剤を含有する液状タイプのビニルエステル樹脂組成物を使用してプリプレグを製造する場合、使用できるクロスの種類に制限があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、有機溶剤を用いないビニルエステル樹脂組成物及びビニルエステル樹脂フィルム並びにプリプレグ及び成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、ビニルエステル樹脂と、過酸化物と、を含有するビニルエステル樹脂組成物であって、前記ビニルエステル樹脂として、ノボラック型エポキシアクリレートと、ビスフェノール型エポキシアクリレートを含有してなるビニルエステル樹脂組成物を提供するものである。
このような構成により、有機溶剤を使用することなくビニルエステル樹脂組成物を得ることができる。本発明に係るビニルエステル樹脂組成物は無溶剤系の樹脂組成物であるため、環境に対して負荷が少ないものとなる。また、エポキシ樹脂組成物と比較して反応時間が短く、生産効率が高い。
本発明の好ましい実施形態は以下の通りである。前記ノボラック型エポキシアクリレートの重量平均分子量が2000〜7000であり、且つ、前記ビスフェノール型エポキシアクリレートの重量平均分子量が2000〜7000であることが好ましい。
前記ノボラック型エポキシアクリレートと前記ビスフェノール型エポキシアクリレートとの重量比が、90:10〜10:90であることが好ましい。
更に、架橋剤を含有することが好ましく、当該架橋剤は、ビニル基を2以上有し、かつ、沸点が200℃以上であることが好ましい。
前記架橋剤は、その配合量が、前記ビニルエステル樹脂の配合量を基準(100重量部)としたときに1〜20重量部であることが好ましい。
前記過酸化物は、その1分間半減期温度が100〜180℃であり、かつ、貯蔵温度が0℃以上であることが好ましい。
前記過酸化物は、その配合量が、前記ビニルエステル樹脂の配合量を基準(100重量部)としたときに0.1〜10重量部であることが好ましい。
また、本発明は、上記ビニルエステル樹脂組成物がフィルム状に形成された、ビニルエステル樹脂フィルムを提供するものである。上記のビニルエステル樹脂組成物はフィルム状に形成することが可能であり、フィルム状に形成することにより、熱ラミネート法への適用が可能となる。
また、本発明は、ビニルエステル樹脂フィルムを用い、熱ラミネート法によりプリプレグを製造するプリプレグの製造方法を提供するものである。熱ラミネート法によれば、ディッピング法では強度的に使用できなかったクロスも使用可能となり、クロスの繊維方向に乱れを生じることなく、プリプレグの強度を高めることができる。
また、本発明は、ビニルエステル樹脂フィルムを用い、真空成形法により成形体を製造する成形体の製造方法を提供するものである。真空成形法によれば、ディッピング法では強度的に使用できなかったクロスも使用可能となり、クロスの繊維方向に乱れを生じることなく、成形体を製造することができる。
本発明に係るビニルエステル樹脂組成物によれば、有機溶剤を使用しないため、成形体を製造したときに環境に対して負荷が少ないものとなる。また、上記ビニルエステル樹脂組成物をフィルム状に形成すれば、熱ラミネート法でプリプレグを製造することや、真空成形法で成形体を製造することが可能となるため、テンションを強くかけることができない基材であっても使用することができる。
本発明に係るビニルエステル樹脂組成物は、既述のように、ビニルエステル樹脂と、過酸化物と、を含有するビニルエステル樹脂組成物であって、前記ビニルエステル樹脂として、ノボラック型エポキシアクリレートと、ビスフェノール型エポキシアクリレートを含有してなる。
前記ノボラック型エポキシアクリレートの重量平均分子量は、製造上の観点から、2000〜7000であることが好ましく、2000〜5000であることがより好ましい。上記範囲を超える重量平均分子量を有するノボラック型エポキシアクリレートを用いた場合は、樹脂フィルムが硬くなり、加工が困難となる。また、上記範囲未満の重量平均分子量を有するノボラック型エポキシアクリレートを用いた場合は、タック性が大きくなるためハンドリング性が低下してしまう。
前記ビスフェノール型エポキシアクリレートの重量平均分子量は、製造上の観点から、2000〜7000であることが好ましく、2000〜5000であることがより好ましい。上記範囲を超える重量平均分子量を有するビスフェノール型エポキシアクリレートを用いた場合は、樹脂フィルムが硬くなり、加工が困難となる。また、上記範囲未満の重量平均分子量を有するビスフェノール型エポキシアクリレートを用いた場合は、タック性が大きくなるためハンドリング性が低下してしまう。
前記ノボラック型エポキシアクリレートと前記ビスフェノール型エポキシアクリレートとの重量比は、90:10〜10:90であることが好ましく、80:20〜20:80であることがより好ましく、70:30〜30:70であることが更に好ましい。なお、前記ノボラック型エポキシアクリレートと前記ビスフェノール型エポキシアクリレートは、両者を合わせて100重量部となるように配合する。上記の範囲で配合することにより、約80℃で粘ちょうとなり、常温に戻したときにベタつかないビニルエステル樹脂を得ることができる。
前記過酸化物は、硬化反応を開始させることを目的として添加されるものであり、その1分間半減期温度が100〜180℃であり、かつ、貯蔵温度が0℃以上であることが好ましい。ここで、「1分間半減期温度」とは、過酸化物が1分間で50%分解する温度をいう。また、「貯蔵温度」とは、過酸化物の特性を維持できる温度をいう。
1分間半減期温度を100〜180℃とする理由は、100℃未満であるとビニルエステル樹脂をフィルム化した場合に使用可能時間が短くなり、180℃を超えるとビニルエステル樹脂の硬化が始まるためである。また、貯蔵温度を0℃以上とする理由は、製造上の取扱いを容易にするためである。
上記の条件を満たす過酸化物は、80℃で分解せず、反応を起こさない。但し、高温でしか反応しないものは成形工程で不都合であるため、加工温度よりも若干高めの分解温度(例えば、120〜140℃)を有するものを選択することが好ましい。
上記過酸化物の具体例としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、1,1,3,3−トリメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、Bis−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、1,1,3,3−テトラメチルブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサネート類等のアルキルパーエステル類、Bis(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーカーボネート類等を挙げることができる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記過酸化物の配合量は、前記ビニルエステル樹脂の配合量を基準(100重量部)としたときに0.1〜10重量部であることが好ましく、0.3〜5重量部であることがより好ましく、0.5〜2重量部であることが更に好ましい。前記過酸化物の配合量を上記の範囲にする理由は、少なすぎると反応に寄与せず、多すぎると硬化反応が速く、樹脂フィルムが溶融する前に硬化してしまうため、反応の制御が困難となるからである。
なお、本発明に係るビニルエステル樹脂組成物は、必要に応じて、架橋剤及び添加剤を添加することができる。
前記架橋剤は、硬化性の向上を目的として添加されるものであり、ビニル基を2以上有し、かつ、沸点が200℃以上であることが好ましい。架橋剤の具体例としては、ジアリルフタレート、トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフマレート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記架橋剤は、ビニル基を2以上有し、かつ、沸点が200℃以上であることが好ましい。
前記架橋剤の配合量は、前記ビニルエステル樹脂の配合量を基準(100重量部)としたときに1〜20重量部であることが好ましい。
前記添加剤はフロー調節を目的として使用されるものである。具体的には、アクリル系ゴム又はニトリル系ゴムを挙げることができ、ニトリル系ゴムの具体例としては、例えば、ニトリルブタジエンゴム(以下、「NBR」という)等を挙げることができる。
本発明の実施形態に係るビニルエステル樹脂組成物の調製は、例えば以下の要領で行われる。まず、前記ノボラック型エポキシアクリレートと前記ビスフェノール型エポキシアクリレートを撹拌混合したもの(以下、「混合物A」という)を、60〜90℃で加熱する。
更に、加熱後の混合物Aに架橋剤を加え、撹拌混合する(得られた混合物を「混合物B」という)。
次に、混合物Bを60〜90℃で加熱した後、過酸化物を添加し、撹拌混合することにより、所望のビニルエステル樹脂組成物を得ることができる。
得られたビニルエステル樹脂組成物は、60〜90℃の雰囲気下でフィルム状に形成した後、冷却することにより、ビニルエステル樹脂フィルムとすることができる。このビニルエステル樹脂フィルムの溶融粘度は、溶融粘弾性測定器を用い、フィルム厚さ300〜500μm、周波数1Hzの条件で測定した結果、25℃で50000ポイズ以上、70℃で3000ポイズ以下であった。このビニルエステル樹脂フィルムは、熱溶融法によるプリプレグの製造及び成形体の製造に好適に用いられる。
熱溶融法は、熱ラミネート法と真空成形法があるが、本発明に係るビニルエステル樹脂フィルムはいずれの方法にも適用すことができる。本発明に係るビニルエステル樹脂フィルムを熱ラミネート法に適用する場合は、ビニルエステル樹脂フィルムをカーボンファイバークロス等の基材と貼り合わせた後、所定温度により加熱溶融させ、基材にビニルエステル樹脂フィルムを含浸させることにより、プリプレグを得ることができる。得られたプリプレグは、所定温度および圧力で加熱硬化することによって、完全硬化状態(Cステージ)の成形体(積層物)を製造することができる。なお、成形体の製造は、公知の方法を用いて行うことができる。
本発明に係るビニルエステル樹脂フィルムを真空成形法に用いる場合は、ビニルエステル樹脂フィルムをカーボンファイバークロス等の基材と積層し、真空条件下で加熱溶融させて基材にビニルエステル樹脂フィルムを含浸させるとともに、所定形状の型材でプレスし加熱硬化させることによって、完全硬化状態(Cステージ)の成形体(積層物)を製造することができる。
以下の配合量で、ビニルエステル樹脂組成物を調製した。
ノボラック型エポキシアクリレート 70重量部
(MW2500)
ビスフェノール型エポキシアクリレート 30重量部
(MW2500)
ジアリルフタレート 3重量部
(ダイソー社製、DAPモノマ)
トリゴノックス22−70E 1重量部
(日本油脂社製)
NBR 2.5重量部
(中国石化社製、NARPOW301、粒径150nm)
得られたビニルエステル樹脂組成物を80℃の雰囲気下でフィルム状に形成した後、冷却することにより、幅200mm、長さ300mm、厚さ0.3mmのビニルエステル樹脂フィルムとした。
更に、得られたビニルエステル樹脂フィルムを用いて、以下の要領により成形体(積層物)を製造した。即ち、カーボンファイバークロス(3K平織クロス、200g/m2)を基材として、これらを4枚積層したものを2組用意し、これらの間に上記ビニルエステル樹脂フィルム(500g/m2)を2枚積層したものを配置した後、真空成形法により成形体(積層物)を製造した。なお、真空成形法の条件は、50torr以下の減圧下、約110℃とした。
[比較例1]
実施例1と同じ組成と配合量でビニルエステル樹脂組成物を調製した後、アセトンを用いてビニルエステル樹脂組成物の粘度が5ポイズ以下になるように添加することにより、液体タイプのビニルエステル樹脂組成物を得た。
得られた液体タイプのビニルエステル樹脂組成物を用いて、ディッピング法によりプリプレグを製造した。即ち、カーボンファイバークロス(3K平織クロス、200g/m2、1枚)を基材として、これに液体タイプのビニルエステル樹脂組成物を塗工スピード1.5m/minの速度で付着させた後、80℃で10分間乾燥した。なお、液体タイプのビニルエステル樹脂組成物の付着量は、以下の計算式に基づき、40%となるように設定した。
付着量(%)=樹脂組成物※1の重量/(CFクロス※2の重量+樹脂組成物の重量)×100
(※1:液体タイプのビニルエステル樹脂組成物、※2:カーボンファイバークロス)
次に、得られたプリプレグを8枚積層し、実施例1と同様の設定条件で真空成形法に供し、成形体(積層物)を製造した。
[試験例1]層間剪断強度(ILSS)の測定
実施例1及び比較例1で得られた成形体(積層物)を、幅10mm、長さ14mm、厚さ2mmに調製し、これをサンプルとして層間剪断強度(ILSS)の測定を行った。層間剪断強度(ILSS)の測定は、JIS K 7078の「炭素繊維強化プラスチックの層間剪断強度試験方法」に従った。具体的には、支点間距離を10mmとし、速度を1.5mm/minとした。結果を表1に示す。
[試験例2]ガラス転移点温度(Tg)の測定
実施例1及び比較例1で得られた成形体を、幅8mm、長さ53mm、厚さ1mm以下に調製し、これをサンプルとしてガラス転移点温度(Tg)の測定を行った。具体的には、10℃/minの条件で動的粘弾性分析法(DMA)で損失正接を測定し、得られた損失正接のピーク値をガラス転移温度(Tg)とした。結果を表1に示す。
Figure 0004230466
試験の結果、無溶媒系のビニルエステル樹脂組成物(有機溶媒を含まないビニルエステル樹脂組成物)をフィルム形状とし、真空成形法で得られた実施例1の成形体は、溶媒系のビニルエステル樹脂組成物(有機溶媒を含むビニルエステル樹脂組成物)を用いてディッピング法で得られた比較例1の成形体と同等の特性を有していることが判明した。
従って、本発明に係るビニルエステル樹脂組成物及びビニルエステル樹脂フィルムを用いてプリプレグや成形体を製造する場合は、無溶媒系である分、環境負荷が少ない点、また、テンションを強くかけることができない基材であっても高品質のプリプレグを製造することができる点で、溶媒系のビニルエステル樹脂組成物を用いてプリプレグや成形体を製造する場合と比較して有利であるといえる。

Claims (11)

  1. ビニルエステル樹脂と、過酸化物と、を含有するビニルエステル樹脂組成物であって、前記ビニルエステル樹脂として、ノボラック型エポキシアクリレートと、ビスフェノール型エポキシアクリレートを含有してなるビニルエステル樹脂組成物がフィルム状に形成された、ビニルエステル樹脂フィルム。
  2. 前記ノボラック型エポキシアクリレートの重量平均分子量が2000〜7000であり、且つ、前記ビスフェノール型エポキシアクリレートの重量平均分子量が2000〜7000であることを特徴とする請求項1記載のビニルエステル樹脂フィルム
  3. 前記ノボラック型エポキシアクリレートと前記ビスフェノール型エポキシアクリレートとの重量比が、90:10〜10:90であることを特徴とする請求項1又は2記載のビニルエステル樹脂フィルム
  4. 更に、架橋剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のビニルエステル樹脂フィルム
  5. 前記架橋剤は、ビニル基を2以上有し、かつ、沸点が200℃以上であることを特徴とする請求項4記載のビニルエステル樹脂フィルム
  6. 前記架橋剤は、その配合量が、前記ビニルエステル樹脂の配合量を基準(100重量部)としたときに1〜20重量部であることを特徴とする請求項4又は5記載のビニルエステル樹脂フィルム
  7. 前記過酸化物は、その1分間半減期温度が100〜180℃であり、かつ、貯蔵温度が0℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のビニルエステル樹脂フィルム
  8. 前記過酸化物は、その配合量が、前記ビニルエステル樹脂の配合量を基準(100重量部)としたときに0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のビニルエステル樹脂フィルム
  9. フィルム厚さが300〜500μmであり、溶融粘度が25℃で50000ポイズ以上、70℃で3000ポイズ以下である、請求項1〜8記載のビニルエステル樹脂フィルム。
  10. 請求項1〜9記載のビニルエステル樹脂フィルムを用い、熱ラミネート法によりプリプレグを製造するプリプレグの製造方法。
  11. 請求項1〜9記載のビニルエステル樹脂フィルムを用い、真空成形法により成形体を製造する成形体の製造方法。
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