JP4230298B2 - 磁性膜の上に形成するためのポジ型レジスト組成物およびこれを用いた積層体とレジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性膜の上に直接または間接的に形成されるレジスト層を形成するためのポジ型レジスト組成物およびこれを用いた積層体とレジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気ヘッド等の形成においては、基板の上に磁性膜を積層し、その上にレジスト層を設けてレジストパターンを形成する工程が行われる。
なお、磁性膜の上には、必要に応じて当該磁性膜の酸化を防止するための金属製の酸化防止膜を積層し、その上にレジスト層を形成する場合もある。
前記磁性膜は、その主成分が、鉄、コバルト、ニッケルのうちの1種以上からなるもの等が用いられている。
また、前記酸化防止膜は、その主成分が、タンタル、酸化アルミニウム(Al2O3)のうちの1種以上からなるもの等が用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−339223号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のポジ型レジスト組成物においては、磁性膜、またはさらにその上に設けられる前記金属性の酸化防止膜の上にレジスト層を形成すると、レジストパターンの磁性膜または酸化防止膜との界面付近がテーパー状になる、いわゆる裾引き現象が生じたり、反対に、パターンの磁性膜または酸化防止膜との界面付近が細くなって、パターンの内側に食い込む、いわゆる食い込み現象が生じたりして、良好な形状のパターンが得られない場合があった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑てなされたもので、磁性膜の上に直接、または間接的に設けられるレジスト層を形成するためのポジ型レジスト組成物であって、良好なパターン形状が得られるものを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明においては、以下の様な解決手段を提案する。
本発明のポジ型レジスト組成物は、基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、レジスト層を形成するための化学増幅型のポジ型レジスト組成物であって、
下記一般式(I)
【化7】
(式中、Rは−Hまたは−CH3を示す。)
で表される構成単位(a1)と、
下記一般式(III)
【化8】
(式中、R、R 1 はそれぞれ独立に−Hまたは−CH 3 を示し、R 2 は−CH 3 または−C 2 H 5 を示し、R 3 は炭素数1〜5の低級アルキル基を示す。)
で表される構成単位(a3)とからなる共重合体(A1)と、
前記構成単位(a1)と、
下記一般式(II)
【化9】
(式中、Rは−Hまたは−CH3を示し、Xは第3級炭素原子を有するアルキル基であって、当該第3級炭素原子がエステル基(−CO−O−)に結合している酸解離性溶解抑制基を示す。)
で表される構成単位(a2)と、
下記一般式(IV)
【化10】
(式中、Rは−Hまたは−CH 3 を示し、R 4 は炭素数1〜5の低級アルキル基を示し、nは0または1〜3の整数を示す。)
で表される構成単位(a4)とからなる共重合体(A2)とを混合した、酸の作用によってアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)を含み、かつ、
ジアゾメタン系の酸発生剤(B1)と、
オニウム塩系の酸発生剤(B2)とを重量比で(B1):(B2)=1.5:1〜10:1の範囲で含むことを特徴とする。
本発明の積層体は、基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、前記本発明のポジ型レジスト組成物からなるレジスト層を設けたことを特徴とする。
本発明のレジストパターンの形成方法は、
(1)基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、本発明のポジ型レジスト組成物からなるレジスト層を設ける工程、
(2)当該レジスト層に選択的露光を行う工程、
(3)当該選択的露光を行ったレジスト層に対して、露光後加熱を行う工程、
(4)当該露光後加熱を行ったレジスト層に対して、アルカリ現像を行う工程、とを有することを特徴とする。
なお、本明細書において「構成単位」とはポリマーを構成するモノマー単位を示す。
【0007】
【発明の実施の形態】
[ポジ型レジスト組成物]
・(A)成分
(A)成分は、酸の作用によってアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)である。すなわち、露光によって(B1)成分、(B2)成分から発生する酸の作用によって、構成単位(a2)と任意の構成単位(a3)において解裂が生じ、これによって、はじめはアルカリ現像液に対して不溶性であった(A)成分において、そのアルカリ溶解性が増大する。その結果、ポジ型のレジストパターンを得ることができる。
【0008】
・・構成単位(a1)
構成単位(a1)は、前記一般式(I)で表される。
Rは-Hまたは-CH3であれば、特に限定されない。
−OHのベンゼン環への結合位置は特に限定されるものではないが、式中に記載の4の位置が好ましい。
構成単位(a1)は、(A)成分中、40〜80モル%、好ましくは50〜75モル%とされる。
40モル%以上とすることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができ、レジストパターンの形状の改善効果も得られ、80モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
【0009】
・・構成単位(a2)
構成単位(a2)は、前記一般式(II)で表される。
Rは-Hまたは-CH3であれば、特に限定されない。
Xは第3級炭素原子を有するアルキル基であって、当該第3級炭素原子がエステル基に結合している酸解離性溶解抑制基である。
前記酸解離性溶解抑制基は、前記(B1)成分、前記(B2)成分から露光によって酸が発生すると、その酸の作用によって(a2)から脱離し、構成単位(a2)を(メタ)アクリル酸構成単位に変化させ[(メタ)アクリル酸単位はメタクリル酸単位および/またはアクリル酸単位を示す。]、その結果、(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を向上させる作用を備えたものである。
この様な酸解離性溶解抑制基、すなわちXは、例えば化学増幅型のポジ型レジスト組成物において用いられているものから任意に使用することができる。
【0010】
構成単位(a2)としては、例えば下記一般式[化9]に記載のもの等が挙げられる。
【0011】
【化9】
【0012】
式中、Rは上記と同じであり、R11、R12、R13 は、それぞれ独立に低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。)である。または、これらのうちの二つが結合して、単環または多環の脂環式基(脂環式基の炭素数は好ましくは5〜12)を形成していてもよい。
【0013】
脂環式基を有しない場合には、例えばR11、R12、R13 がいずれもメチル基であるものが好ましい。
【0014】
脂環式基を有する場合において、単環の脂環式基を有する場合は、例えばシクロヘキシル基を有するもの等が好ましい。
また、多環の脂環式基のうち、好ましいものとして例えば下記一般式[化10]、[化11]で示されるものを挙げることができる。
【0015】
【化10】
【0016】
[式中、Rは上記と同じであり、R14は低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。)を示す。]
【0017】
【化11】
【0018】
[式中、Rは上記と同じであり、R15、R16は、それぞれ独立に低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。)を示す。]
【0019】
構成単位(a2)は、(A)成分中、5〜30モル%、好ましくは10〜20モル%とされる。
5モル%以上とすることにより、アルカリ溶解性の増大効果が得られるとともに、レジストパターンの形状改善効果が得られ、30モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができ、アルカリ現像液に対する溶解性のコントロールが容易となる。
【0020】
(A)成分においては、前記構成単位(a1)、(a2)を両方有する共重合体を用いてもよいし、これらの単位を1つづつ有する重合体の混合物を用いてもよい。またはこれらの組み合わせでもよい。
後述する任意に用いられる前記構成単位(a3)、(a4)についても、同様である。
【0021】
・・構成単位(a3)
構成単位(a3)は、下記一般式(III)で表されるものである。
【0022】
【化12】
【0023】
(式中、Rは上記と同じであり、R、R1はそれぞれ独立に-Hまたは-CH3を示し、R2は-CH3または−C2H5を示し、R3は低級アルキル基を示す。)
【0024】
なお、R3の低級アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれでもよく、炭素数は好ましくは1〜5とされる。
ベンゼン環に結合している基の結合位置は特に限定するものではないが式中に示した4の位置が好ましい。
ベンゼン環に結合する基としては、例えば1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基、1−イソプロポキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−イソブトキシエトキシ基、1−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−メチルエトキシ基、1−メトキシ−1−メチルエトキシ基、1−エトキシ−1−メチルエトキシ基、1−n−プロポキシ−1−メチルエトキシ基、1−イソブトキシ−1−メチルエトキシ基、1−メトキシ−n−プロポキシ基、1−エトキシ−n−プロポキシ基などが挙げられる。
特に1−エトキシエトキシ基および1−メトキシ−n−プロポキシ基が好ましく、最も好ましいのは1−エトキシエトキシ基である。
【0025】
構成単位(a3)は、(A)成分中、10〜50モル%、好ましくは20〜40モル%とされる。
10モル%以上とすることによりアルカリ溶解性の増大効果が得られるとともに、良好なレジストパターンが得られ、50モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
【0026】
・・構成単位(a4)
構成単位(a4)は、下記一般式(IV)で表されるものである。
【0027】
【化13】
【0028】
(式中、Rは-Hまたは-CH3を示し、R4は低級アルキル基を示し、nは0または1〜3の整数を示す。)
【0029】
なお、R4の低級アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれでもよく、炭素数は好ましくは1〜5とされる。
nは0または1〜3の整数を示すが、0であることが好ましい。
【0030】
構成単位(a4)は任意成分であって、(A)成分中、0〜35モル%、好ましくは5〜20モル%とされる。
構成単位(a4)を用いることにより、形状の改善(特に後述する膜減りの改善)の効果が高くなり、35モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
【0031】
また、(A)成分は、前記構成単位(a1)、(a2)以外のものを任意に含むことができるが、構成単位(a1)、(a2)以外の構成単位が構成単位(a3)、構成単位(a4)からなると好ましい。
また、(A)成分において、
・前記構成単位(a1)と、前記(a3)とからなる共重合体(A1)と、
・構成単位(a1)と、前記(a2)と、前記(a4)とからなる共重合体(A2)とを混合した態様が簡便に効果が得られるため最も好ましい。また、耐熱性向上の点でも好ましい。
共重合体(A1)と共重合体(A2)との質量比は例えば1/9〜9/1、好ましくは3/7〜7/3とされる。
【0032】
(A)成分のGPCによるポリスチレン換算の質量平均分子量(以下、質量平均分子量と略記する)は3000〜30000、好ましくは5000〜20000とされる。
なお、(A)成分は、前記構成単位の材料モノマーを公知の方法で重合することにより得ることができる。
ポジ型レジスト組成物における(A)成分の濃度は例えば5〜60質量%とされる。
なお、(A)成分は1種または2種以上の態様を組み合わせて用いることができる。
【0033】
・ジアゾメタン系の酸発生剤(B1)
ジアゾメタン系の酸発生剤の具体例としては、例えばビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
中でも、下記一般式(V)で表される
【0034】
【化14】
(式中R5、R6はそれぞれ独立して炭素数3〜7の鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。)
【0035】
が好ましく、(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタンがさらに好ましい。
【0036】
・オニウム塩系の酸発生剤(B2)
オニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
これらのなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が好ましい。
【0037】
中でも、下記一般式(VI)で表される、
【0038】
【化15】
(R7、R8及びR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシル基であり、mは1〜10の整数である。)
【0039】
が好ましく、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートがさらに好ましい。
【0040】
(B1)、(B2)成分は、それぞれ1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(B1)成分は(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部用いられる。0.1質量部以上とすることにより特に裾引き現象の改善に効果があり、20質量部以下とすることにより、(B2)成分とのバランスをとることができる。
(B2)成分は(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.1〜5質量部用いられる。0.1質量部以上とすることにより、特に食い込み現象の改善に効果があり、20質量部以下とすることにより、(B1)成分とのバランスをとることができる。(B1)成分と(B2)成分を混合して用いる場合は、重量比で(B1):(B2)=1:1〜10:1、好ましくは1.5:1〜5:1の範囲で用いることができる。
【0041】
・有機溶剤(C)
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(C)に溶解させて製造することができる。
(C)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルピン酸メチル、ピルピン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
【0042】
・含窒素有機化合物(D)
ポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の(D)成分として含窒素有機化合物を配合させることができる。
この含窒素有機化合物は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンが好ましい。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリぺンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、(A)成分に対して、通常0.01〜2.0質量%の範囲で用いられる。
【0043】
また、前記(D)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性、感度調整等の向上の目的で、さらに任意の(E)成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
【0044】
・その他の任意成分
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
【0045】
[積層体]
本発明の積層体は、基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、前記本発明のポジ型レジスト組成物からなるレジスト層を設けたものである。
【0046】
[レジストパターンの形成方法]
本発明のレジストパターンの形成方法は、
(1)基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、本発明のポジ型レジスト組成物からなるレジスト層を設ける工程、
(2)当該レジスト層に選択的露光を行う工程、
(3)当該選択的露光を行ったレジスト層に対して、露光後加熱(PEB)を行う工程、
(4)当該露光後加熱を行ったレジスト層に対して、アルカリ現像を行う工程、とを有するものである。
また、露光波長は特に限定しないが、例えば光源としては、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、電子線等が用いられ、KrFエキシマレーザ、電子線が好ましい。尚、電子線の場合はマスクを介しての露光でも、描画でもどちらでも良い。
【0047】
本発明においては、前記構成単位(a1)と、構成単位(a2)と、前記(B1)成分と、(B2)成分とを組み合わせることにより、基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上にレジストパターンを形成しても、裾引き現象、食い込み現象が起こりにくく、形状が良好なレジストパターンが得られる。
また、本発明の、磁性膜の上に設ける用途においては、特にレジスト層が薄膜(例えば厚さ1000nm以下)の場合、露光時に光が基板で反射されて生じる定在波の発生によって、レジストパターンの側壁に凹凸が形成される場合がある。しかしながら、本発明においては、当該定在波の影響を受けづらく、パターンの側壁の凹凸が形成されにくく、この点からも良好な形状のレジストパターンが得られる。
これらの効果により、本発明においては、パターン倒れが生じにくく、高解像性が実現できる。
また、側壁の垂直性が高い、例えば良好な矩形のレジストパターンが得られる。
さらに、ラインエッジラフネス(側壁の凹凸)の小さい良好な形状のレジストパターンが得られる。
【0048】
例えば、前記磁性膜の主成分が、鉄、コバルト、ニッケルのうちの1種以上からなるものの場合に良好な効果を得ることができる。
また、前記磁性膜の上に設けられる金属製の酸化防止膜の主成分が、タンタル、酸化アルミニウム(Al2O3)のうちの1種以上からなる場合にも良好な効果を得ることができる。
なお、主成分とは、例えば50質量%以上、好ましくは80質量%以上をしめる成分を指すものとする。
前記磁性膜、前記酸化膜の主成分以外の成分については、磁性膜またはその上に積層される金属製の酸化防止膜について公知の材料から適宜選択可能である。なお、基板の上に磁性膜を形成する場合は、基板に直接接触する層として磁性膜が形成されていることが好ましく、金属製の酸化防止膜を形成する場合は、磁性膜の上に直接金属製の酸化防止膜が形成されていることが好ましい。
磁性膜、酸化防止膜の厚さは特に限定せず、通常のものと同様とされる。
基板は例えばシリコン基板等が用いられる。
また、レジスト層の厚さは特に限定しないが、用途に応じて例えば0.1〜10μmの範囲で選択される。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。ただし、実施例1は参考例である。
(実施例1)
下記材料を混合、溶解してポジ型レジスト組成物を製造した。
・(A)成分
下記構成単位からなる共重合体(A2)(質量平均分子量10000)100質量部
【0050】
構成単位(a1)として、前記一般式(I)において、Rが-Hで、−OHの結合位置が4のもの65モル%、
構成単位(a2)として、前記[化9]で示される一般式において、Rが-Hで、R11〜13がいずれもメチル基であるもの25モル%
構成単位(a4)として、前記一般式(IV)において、Rが-Hで、n=0のもの10モル%
【0051】
【0052】
シリコン基板上に、鉄とニッケルからなるスパッタ膜(磁性膜)を形成し、その上にTaからなるスパッタ膜(酸化防止膜)を形成した。
その上に、前記ポジ型レジスト組成物を塗布し、100℃、90秒加熱し、厚さ800nmのレジスト層を形成した。
ついで、KrF露光装置FPA−3000EX3(製品名、キャノン製)(露光波長248nm)を用いて選択的露光を行った。
ついで、100℃、90秒で加熱(PEB)処理した。
ついで、2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて60秒現像した。
得られた幅120nmの孤立パターンは、裾引き現象、食い込み現象が生じていなかった。また、側壁の凹凸もなく、良好な矩形形状であった。
【0053】
(実施例2)
下記材料を混合、溶解してポジ型レジスト組成物を製造し、実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0054】
・下記構成からなる(A)成分
実施例1で用いた共重合体(A2)(質量平均分子量10000)50質量部と、下記構成単位(a1)、(a3)からなる共重合体(A1)(質量平均分子量8000)50質量部との混合樹脂100質量部
前記構成単位(a1)として前記一般式(I)において、Rが-Hで−OHの結合位置が4のもの65モル%、
構成単位(a3)として、前記一般式(III)において、Rが-Hで、ベンゼン環に結合している基が1−エトキシエトキシ基であり、その結合位置が4のもの35モル%。
【0055】
【0056】
得られた幅120nmの孤立パターンは、裾引き現象、食い込み現象が生じていなかった。また、側壁の凹凸もなく、良好な矩形形状であった。
【0057】
(比較例1)
(B1)成分を添加しない以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を製造し、同様に評価した。その結果、裾引き現象が生じ、形状が悪化した。
【0058】
(比較例2)
(A2)、(B2)成分を添加しない以外は実施例2と同様にしてポジ型レジスト組成物を製造し、同様の評価した。その結果、食い込みが生じ、形状が悪化し、パターン倒れが見受けられた。
【0059】
この様に、本発明に係る実施例においては、良好なレジストパターン形状が得られることが確認できた。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、磁性膜の上に直接、または間接的に設けられるレジスト層に、良好なパターン形状を有するレジストパターンを形成することができる。
Claims (12)
- 基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、レジスト層を形成するための化学増幅型のポジ型レジスト組成物であって、
下記一般式(I)
で表される構成単位(a1)と、
下記一般式(III)
で表される構成単位(a3)とからなる共重合体(A1)と、
前記構成単位(a1)と、
下記一般式(II)
で表される構成単位(a2)と、
下記一般式(IV)
で表される構成単位(a4)とからなる共重合体(A2)とを混合した、酸の作用によってアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)を含み、かつ、
ジアゾメタン系の酸発生剤(B1)と、
オニウム塩系の酸発生剤(B2)とを重量比で(B1):(B2)=1.5:1〜10:1の範囲で含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物。 - さらに含窒素有機化合物(D)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記磁性膜の主成分が、鉄、コバルト、ニッケルのうちの1種以上からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記酸化防止膜の主成分が、タンタル、酸化アルミニウム(Al2O3)のうちの1種以上からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物からなるレジスト層を設けたことを特徴とする積層体。
- 前記磁性膜の主成分が、鉄、コバルト、ニッケルのうちの1種以上からなることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
- 前記酸化防止膜の主成分が、タンタル、酸化アルミニウム(Al2O3)のうちの1種以上からなることを特徴とする請求項7または8に記載の積層体。
- (1)基板と、当該基板の上に設けられた磁性膜の上、または、当該磁性膜の上に設けられた金属製の酸化防止膜の上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物からなるレジスト層を設ける工程、
(2)当該レジスト層に選択的露光を行う工程、
(3)当該選択的露光を行ったレジスト層に対して、露光後加熱を行う工程、
(4)当該露光後加熱を行ったレジスト層に対して、アルカリ現像を行う工程、とを有することを特徴とするレジストパターンの形成方法。 - 前記磁性膜として、その主成分が、鉄、コバルト、ニッケルのうちの1種以上からなるものを用いることを特徴とする請求項10に記載のレジストパターンの形成方法。
- 前記酸化防止膜として、その主成分が、タンタル、酸化アルミニウム(Al2O3)のうちの1種以上からなるものを用いることを特徴とする請求項10または11に記載のレジストパターンの形成方法。
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