JP4230052B2 - フィルム用コーティング剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素ガスバリヤー性に優れたコーティングフィルムを得ることが可能なフィルム用コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素ガスバリヤー性フィルムおよびそれを用いた包装材としては、各種のものが知られている。アルミニウム(以下「Al」と略記する。)箔は、完璧な酸素ガスバリヤー性を有しているが、それ単独ではピンホールが生じ易いため、ラミネートフィルムの中間層として使用されている。しかしながら、Al箔をラミネートしたフィルムは、不透明なため内容物が見えにくく、焼却後に残さとして残り、また金属探知器による金属類の混入が検知できないという問題がある。
【0003】
その他の酸素ガスバリヤー性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデン(以下「PVDC」と略記する。)フィルムおよびPVDCをコーティングしたフィルムが知られている。PVDCは吸湿性が殆どなく、高湿下でも良好なガスバリヤー性を有するため、種々の基材にコーティングされている。PVDCがコーティングされている基材としては、二軸延伸ポリプロピレン(以下「OPP」と略記する。)、二軸延伸ナイロン(以下「ON」と略記する。)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下「OPET」と略記する。)、セロファンなどのフィルムが使用されている。しかしながら、PVDCがラミネートされたフィルムは、一般廃棄物として焼却される時に塩化水素ガスを生じるという問題がある。
【0004】
また、酸素ガスバリヤー性フィルムとしては、完全けん化の未変性ポリビニルアルコール(以下「PVA」と略記する。)フィルムも知られている。PVAフィルムは吸湿量が少ない場合には酸素ガスバリヤー性が非常に良いが、吸湿性が激しく、相対湿度が70%程度以上になると酸素ガスバリヤー性が急激に低下する。また、PVAフィルムは、基材フィルムに用いられるOPPやOPETとの接着性が低いという問題がある。PVAの吸湿性を改良するため、エチレンを20モル%以上共重合させたエチレン・ビニルアルコール共重合体(以下「EVOH」と略記する。)を用いたり、PVAフィルムの両面にPVDCをコーティングするなどの提案がある。しかしながら、EVOHをコーティングする場合には表面平滑性が不良になり、またPVDCをコーティングしたものは焼却時に塩化水素ガスが発生するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸素ガスバリヤー性に優れたコーティングフィルムを得ることが可能なフィルム用コーティング剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはPVDCに代わる材料で、水性コーティングが可能なガスバリヤー性樹脂について鋭意検討した結果、炭素数が4以下のα−オレフィン単位を3〜19モル%含有する水溶性PVA系重合体からなるフィルム用コーティング剤を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のPVA系重合体は、炭素数が4以下のα−オレフィン単位を3〜19モル%含有する水溶性PVA系重合体である。本発明における「水溶性PVA系重合体」とは、該PVA系重合体が水に溶解するか、又は低級脂肪族アルコールを50重量%以下含有する水性溶液に溶解することを意味する。α−オレフィンの種類としては、エチレンおよびプロピレンが好ましい。
炭素数が4以下のα−オレフィン単位の含有量は、3〜19モル%であり、好ましくは5〜16モル%、さらに好ましくは7〜14モル%である。含有量が3モル%未満では高湿時において良好なバリヤー性が得られず、19モル%を越える場合には表面平滑性が不良になる。
【0008】
本発明のPVA系重合体のけん化度は、90〜99.99モル%が好ましく、より好ましくは97〜99.95モル%、さらに好ましくは99〜99.90モル%である。けん化度が99.99モル%を越えるものは工業的に得ることが困難であり、水溶液の表面に皮張りが生じ易くなる。また、けん化度90モル%未満では十分なバリヤー性が得られにくい。
【0009】
本発明のPVA系重合体の重合度は、600以下であり、好ましくは100〜400である。重合度が2000を越える場合には、水溶液の粘度が高くなりすぎて塗工性が低下する。重合度が100未満の場合には強度が低下し、ピンホールが生じ易くなる。なお、PVA系重合体の重合度は、JIS K6726に基づき測定した値である。
【0010】
本発明のPVA系重合体は、炭素数が4以下のα−オレフィンを3〜19モル%含有すると共に、シリル基含有単位を5モル%以下含有するPVA系重合体がより好ましい。シリル基含有単位の含有量は5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下、さらに好ましくは0.1モル%〜1.5モル%である。シリル基含有単位の含有量が5モル%を越えるとPVA系重合体水溶液の安定性が著しく低下する。
本発明のPVA系重合体は、従来公知の方法により得られる。
【0011】
本発明のPVA系重合体には、酢酸ナトリウムが0.01〜2重量%含まれているのが好ましい。酢酸ナトリウムの含有量としては、好ましくは0.02〜1重量%、さらに好ましくは0.03〜0.5重量%、特に好ましくは0.03〜0.45重量%である。酢酸ナトリウムの含有量が0.01〜2重量%の範囲から外れる場合には、十分なバリヤー性が得られにくい。
【0012】
本発明のフィルム用コーティング剤は、下記に示す特定の方法で測定した酸素透過量を有するものが好ましい。
酸素透過量の測定は、本発明のフィルム用コーティング剤を製膜して得られたフィルムを空気中で熱処理(好ましくは140〜240℃、より好ましくは160〜200℃、モデルテストの場合には180℃;好ましくは10〜300秒間、より好ましくは30〜180秒間、モデルテストの場合には120秒間)し、20℃、85%RHで調湿した後、フィルムの酸素透過量を測定し、それをフィルム用コーティング剤の厚みを20μmに換算した酸素透過量である。
また、既に積層体の形態になっている場合には、該積層体の酸素透過量を測定し、フィルム用コーティング剤の厚みを20μmに換算した酸素透過量である。
なお、積層体の場合には何らかの熱処理が施されたことによりガスバリヤー性が発現していることから、酸素透過量の測定に際して、さらに熱処理する必要はない。また、フィルム用コーティング剤からなるフィルムの酸素ガスバリヤーに比較して、基材フィルムの酸素ガスバリヤー性は非常に低いことから、積層体の酸素ガスバリヤー性はフィルム用コーティング剤からなるフィルムの酸素ガスバリヤー性により実質的に決まる。したがって、積層体の場合であっても、フィルム用コーティング剤の厚みを20μmに換算した酸素透過量を算出することが可能である。以下、特に断りのない限り、酸素透過量とは、フィルム用コーティング剤の厚みを20μmに換算した酸素透過量を意味する。
上記の方法で測定された酸素透過量は15cc/m2・day・atm以下であるような酸素ガスバリヤー性を有するものが好ましく、好ましくは10cc/m2・day・atm以下であり、さらに好ましくは5cc/m2・day・atm以下である。
フィルム用コーティング剤の酸素ガスバリヤー性は、PVA系重合体のα−オレフィン単位の含有量、けん化度、酢酸ナトリウムの含有量などを前述の好適範囲に設定することにより、顕著に向上する。
【0013】
フィルム用コーティング剤を塗工する基材フィルムとしては、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどが挙げられる。
ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルムおよびポリアミドフィルムなどの基材フィルムには、珪素(Si)を含有させることが好ましい。珪素の含有量は2重量%以下が好ましく、さらに好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。珪素含有量が0.1〜2重量%の場合には、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルムおよびポリアミドフィルムとフィルム用コーティング剤からなるフィルムとの接着性が向上する。珪素は、通常シリカ化合物の形態で添加され、酸化珪素、アルキルシリケートなどの公知のシリカ化合物が用いられる。これらの中でも、コロイダルシリカ(SiO2)が好適に用いられる。
基材フィルムへのシリカ化合物の添加方法は、基材フィルムの製膜時に予め樹脂中に混合する方法が一般的である。
基材フィルムの厚み(延伸する場合には最終的な厚み)としては、5〜100μmが好ましい。
【0014】
本発明のフィルム用コーティング剤を用いて得られる積層体は、炭素数が4以下のα−オレフィン単位を3〜19モル%含有する水溶性PVA系重合体からなる層(A)およびポリオレフィン、ポリエステルまたはポリアミドからなる層(B)を有することを特徴とする積層体であるが、特に、下記の測定法による、層(A)の表面1cm当りの凹凸の山の高さの合計が50μm以下である表面平滑度を有する積層体が好ましい。
[表面平滑度の測定法]
基材フィルム上に本発明のPVA系重合体をコーティングし、乾燥して積層体を得る。次に「万能表面形状測定器」[SE−3C、(株)小坂研究所 製]を用い、PVA系重合体コーティング面の表面平滑性を測定する。
得られたチャートから、1cm当りの凹凸の山の高さの合計を測定し、「表面平滑度」とする。
【0015】
本発明のフィルム用コーティング剤を基材フィルムに塗布して積層体を得るには、フィルム用コーティング剤を単独で用いても良いが、耐水性を付与する目的で架橋剤を併用するのが好ましい。架橋剤としては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アルデヒド化合物、シリカ化合物、アルミ化合物、ジルコニウム化合物、硼素化合物などが挙げられる。これらの中でも、コロイダルシリカ、アルキルシリケートなどのシリカ化合物が好ましい。架橋剤の添加量は、PVA系重合体100重量部に対して通常5〜60重量部であり、好ましくは10〜40重量部、さらに好ましくは15〜30重量部である。架橋剤の添加量が60重量部を越える場合は、バリヤー性に悪影響を与えることがある。
【0016】
フィルム用コーティング剤を基材フィルムに塗布して積層体を得る際には、通常フィルム用コーティング剤の水溶液の形態で塗布される。水溶液の濃度は特に制限はないが、5〜50重量%が好ましい。濃度が5重量%未満では乾燥負荷が大きくなり、50重量%を越える場合は水溶液粘度が高くなり塗工性が低下する。
【0017】
フィルム用コーティング剤の水溶液を塗布する際には、界面活性剤、レベリング剤等を添加しても良い。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級脂肪族アルコールを50重量%程度まで添加しても良い。低級脂肪族アルコールを添加することにより、塗工性が向上する。
また、フィルム用コーティング剤の水溶液には、防黴剤、防腐剤などを添加することができる。
フィルム用コーティング剤の水溶液の塗工時の温度は、20〜80℃が好ましい。塗工方法は、グラビアロールコーティング法、リバースグラビアコーティング法、リバースロールコーティング法、マイヤーバーコーティング法が好適に用いられる。
フィルム用コーティング剤の水溶液の塗工方法としては、基材フィルムの延伸や熱処理をした後に塗工する方法、塗工した後に延伸や熱処理する方法が挙げられる。これらの方法の中でも、作業性を考慮すると、基材フィルムを一段延伸した後、水溶性PVA系重合体の水溶液を塗布した後、さらに二段延伸を行い、その二段延伸中または二段延伸後に熱処理をする方法が好ましい。
フィルム用コーティング剤の厚み(延伸する場合には最終的な厚み)は、0.1〜20μmが好ましく、0.1〜9μmが特に好ましい。
【0018】
本発明の積層体の製造方法においては、フィルム用コーティング剤水溶液を塗工した後の乾燥条件も重要であり、ポリオレフィン、ポリエステルまたはポリアミドからなるフィルムの表面に、炭素数が4以下のα−オレフィン単位を3〜19モル%含有する水溶性PVA系重合体水溶液を塗工した後、蒸発速度2〜2000g/m2・minで乾燥することが好ましい。特に好ましい乾燥条件は、蒸発速度50〜500g/m2・minである。
【0019】
フィルム用コーティング剤からなるフィルム層と基材フィルム層との間には、接着性を向上させる目的で、接着性成分層を形成せしめてもよい。接着成分は、フィルム用コーティング剤の水溶液を塗工する前に、基材フィルムの表面に塗布したり、フィルム用コーティング剤の水溶液中に混合して使用することができる。
【0020】
ガスバリヤー性積層体フィルムは、通常PVA系重合体フィルム層の上に、さらにヒートシール樹脂層が形成される。ヒートシール樹脂層の形成は、通常押し出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール樹脂としては、HDPE,LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、PP樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂などが使用できる。
【0021】
延伸の有無および熱処理温度などには特に制限はないが、通常、フィルム用コーティング剤を塗工した後、延伸されたポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどのそれぞれの樹脂に適した温度で、空気中などで熱処理される。熱処理温度は、ポリオレフィンフィルムの場合には140℃〜170℃であり、ポリエステルフィルムおよびポリアミドフィルムの場合には140℃〜240℃である。フィルム用コーティング剤からなるフィルム層の熱処理は、通常、基材フィルムと同時に熱処理される。
なお、DSCにより求められるPVA系重合体の融点(Tm)(単位:℃)に応じて、熱処理温度を変更するのが好ましい。熱処理温度(T)(単位:℃)としては、下記の式(1)を満足する範囲が好ましく、下記の式(2)を満足する範囲が特に好ましい。
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】
【実施例】
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は特に断りのない限り、重量基準を意味する。また、PVAコーティングフィルム(基材とPVAとの積層体)の酸素透過量(OTR)(単位:cc/m2・day・atm)は、該積層体を温度20℃,相対湿度85%の状態で5日間調湿した後、測定した。以下の表に示す酸素透過量とは、フィルム用コーティング剤の厚みを20μmに換算した値である。
【0025】
実施例1〜14、17〜20、比較例1、参考例15、16
イソプロピルアルコールを7%(但し、実施例2、3、18、19はイソプロピルアルコールの含有量は0%[つまり水のみ]、実施例4、5、6、7、17はイソプロピルアルコールの含有量が20%)含有する水中に、表1に示すPVAを攪拌しながら徐々に投入し、均一に分散させた後、約95℃に加熱して完全に溶解させた。濾過をした後、冷却して、濃度20%(但し、参考例16および実施例17の場合には濃度5%)のPVA水溶液を調製した。グラビアコーターを用いて、表2に示す厚み15μmの基材フィルムの表面に、上記で得られたPVA溶液を50℃でコーティングし、120℃で乾燥した後、表2に示す温度で120秒間の熱処理を空気中で行った。PVAコーティング層の厚みは2.0μmであった。PVAコーティングフィルム(基材とPVAとの積層体)の酸素透過量を表2に示す。
【0026】
比較例2
PVA水溶液をキャスト製膜して得られたPVAフィルムを、イソシアネート系接着剤を用いて、表1に示す厚み15μmの基材フィルムに、ドライラミネート法で積層したこと以外は、実施例1と同様の方法で積層体を得た。PVAコーティング層の厚みは2.0μmであった。積層体の酸素透過量を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
実施例21〜27、比較例3〜4
PVA水溶液に、表3に示す架橋剤を添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で積層体を得た。PVAコーティング層の厚みは3.0μmであった。積層体の酸素透過量を表4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
実施例28〜47
実施例1と同様の方法で表5に示すPVAの水溶液を調製した(但し、実施例31、32、36、37、41、42、46、47においては、イソプロピルアルコールを7重量%含有する水の替わりに、イソプロピルアルコールを20重量%含有する水を用いた)。次に、基材フィルムとして厚み15μmのOPETを用い、グラビアコーターにて上記PVA溶液を50℃でコーティングし、120℃で乾燥した後、表6に示す温度で120秒間の熱処理を空気中で行った。PVAコーティング層の厚みは1.2μmであった。積層体の酸素透過量を表6に示す。
【0033】
実施例48〜51
実施例1と同様の方法で表5に示すPVAの水溶液を調製した。次に、基材フィルムとして厚み15μmのOPETを用い、グラビアコーターにて上記PVA溶液を50℃でコーティングし、120℃で乾燥した後、表6に示す温度で120秒間の熱処理を空気中で行った。PVAコーティング層の厚みは1.5μmであった。積層体の酸素透過量を表6に示す。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
実施例52
エチレン単位含量8モル%、けん化度98.8モル%、重合度550の変性PVAを水中に投入し、均一に分散させた後、約95℃に加熱して完全に溶解させた。濾過した後、冷却して、濃度20%の水溶液を得た。
グラビアコーターを用いて、厚み15μmのOPP基材フィルム上に50℃でコーティングし、100℃で乾燥した。この時の蒸発速度は100g/m2・minであった。
得られた積層フィルムの酸素透過量を測定した。
次に、得られた積層フィルムの表面平滑度を、万能表面形状測定器[SE−3C;(株)小坂研究所 製]を用いて測定し、1cm当りの凹凸の山の高さの合計を測定し、表面平滑度(μm)とした。
また、得られた積層フィルムのPVAコーティング面に、ドライラミネート用接着剤を1μmの厚みで塗布し、その上に、ラミネート用無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)をラミネートした。得られたラミネートフィルムのCPP面を合わせ、180℃でヒートシール性の試験を行った。結果を表7に示す。
【0037】
比較例5
けん化度98.3モル%、重合度500の未変性PVAを用いた以外は、実施例52と同様に実験を行った。結果を表7に示す。
【0038】
比較例6
エチレン単位含量28モル%、けん化度99.7モル%、重合度1000のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(EVOH)を用い、溶媒として水/n−プロピルアルコール=5/5の混合溶媒を用いた以外は、実施例52と同様に実験を行った。結果を表7に示す。
【0039】
【表7】
【0040】
【発明の効果】
本発明によると、食品包装用フィルムなどの包装用フィルムなどに好適な酸素ガスバリヤー性に優れたコーティングフィルム(基材とPVAとの積層体)が得られる。また、本発明により得られたコーティングフィルムは、焼却時に有害な塩化水素ガスが生じない。
Claims (5)
- 炭素数が4以下のα−オレフィン単位を3〜19モル%含有し、重合度が600以下である水溶性ポリビニルアルコール系重合体の水溶液からなることを特徴とするフィルム用コーティング剤。
- 水溶性ポリビニルアルコール系重合体がけん化度90〜99.99モル%の水溶性ポリビニルアルコール系重合体である請求項1記載のフィルム用コーティング剤。
- 水溶性ポリビニルアルコール系重合体が酢酸ナトリウムを0.01〜2重量%含有する水溶性ポリビニルアルコール系重合体である請求項1または2に記載のフィルム用コーティング剤。
- 水溶性ポリビニルアルコール系重合体がシリル基含有単位を5モル%以下含有する水溶性ポリビニルアルコール系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム用コーティング剤。
- 製膜して得られたフィルムを熱処理することにより20℃、85%RHで調湿した後のフィルム用コーティング剤の厚みを20μmに換算した酸素透過量が15cc/m2・day・atm以下である酸素ガスバリヤー性を有するフィルムを得ることが可能な請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム用コーティング剤。
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