JP4229765B2 - 風車ブレードのピッチ角制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、風力発電に使用される風車における風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−99045号公報
【0003】
従来の風車ブレードのピッチ角制御装置としては、例えば前記特許文献1に記載されているようなものが知られている。このものは、風車のロータヘッドに取付けられ該ロータヘッドの回転軸と同軸のサーボモータと、該サーボモータの出力軸に固定された傘歯車からなる主歯車と、各風車ブレードの半径方向内端に固定され、前記主歯車に噛み合う傘歯車からなる副歯車とから構成されたものである。そして、このものによって風車ブレードのピッチ角を制御する場合には、サーボモータを作動することで主歯車を回転し、この主歯車の回転を副歯車に伝達して全ての風車ブレードを同期回動させるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の風車ブレードのピッチ角制御装置にあっては、風車ブレードに回動力を付与するサーボモータが1台しか設置されていないため、該サーボモータが断線・停電等により故障をすると、風車ブレードのピッチ角を制御することができなくなるという問題点がある。特に、弱い風に対して風車ブレードのピッチ角が設定されているときにサーボモータが故障した後、強風が吹くようになったときには、風車が高速回転し危険となる。
【0005】
このような事態を防止するため、メインモータ(前述のサーボモータ)の他にサブモータを設置し、該メインモータが故障したとき、サブモータを作動して風車ブレードのピッチ角を制御することが考えられる。ここで、前述したサブモータは、メインモータの故障時に作動させる必要から、通常、バッテリー等の直流非常電源から電流が供給される。このようなことからサブモータとしては、通常、直流モータが用いられるが、このようにすると、該サブモータのモータ軸が、メインモータの作動時に、減速機から入力された駆動力により回転して、サブモータが発電し、該サブモータの電気系統を故障させてしまうおそれがある。
【0006】
このため、サブモータと減速機との間にクラッチ手段を介装し、メインモータの作動時には、該クラッチ手段によってサブモータと減速機との間の動力伝達を遮断し、一方、メインモータの故障時には、該クラッチ手段を接続してサブモータの駆動力を減速機に伝達するようにすることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前述のクラッチ手段を市販のケース内蔵型のクラッチ装置から構成するとともに、該クラッチ装置を伝達手段の途中に介装するのが通常行われる設計であると考えられるが、このようにすると、ピッチ角制御装置全体の構造が複雑になるとともに、高価となってしまうという問題点がある。
【0008】
この発明は、構造が簡単で安価なピッチ角制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、風車のロータヘッドに取付けられ、半径方向内端部が前記ロータヘッドに回動可能に連結された複数の風車ブレードをそれぞれ回動させることでピッチ角を制御するようにした風車ブレードのピッチ角制御装置であって、メインモータと、メインモータから入力された回転を減速して前記風車ブレードに伝達し、該風車ブレードを回動させる減速機と、前記メインモータが故障したとき作動する直流モータから構成されたサブモータと、サブモータからの回転を減速機に伝達する伝達手段と、サブモータと伝達手段との間に介装され、前記サブモータから伝達手段への回転伝達を途中で遮断することができるクラッチ手段とを備え、前記クラッチ手段をクラッチカバーにより、前記伝達手段を伝達カバーによりそれぞれ囲むとともに、クラッチカバーの一側に伝達カバーを、その他側にサブモータを取付けることにより達成することができる。
【0010】
この発明においては、サブモータと伝達手段との間にクラッチカバーによって囲まれたクラッチ手段を介装するとともに、該クラッチカバーの一側に伝達手段を囲む伝達カバーを、その他側にサブモータを取付けるようにしたので、クラッチカバーがクラッチ手段の防塵機能および伝達カバーとサブモータとの連結機能の両機能を併有することとなり、この結果、ピッチ角制御装置全体の構造が簡単となり、安価に製作することもできる。
【0011】
また、一般に、直流モータのモータ軸には若干量の軸方向がたが存在しているが、前述のようにサブモータと伝達手段との間にクラッチ手段を介装すると、このモータ軸の軸方向がたによりクラッチ手段の駆動部材と被駆動部材との間の間隙が変化し、回転力遮断時に駆動部材と被駆動部材とが係合して回転力が伝達されたり、あるいは、回転力伝達時に駆動部材と被駆動部材との係合が外れて回転力が伝達されなくなるおそれがある。しかしながら、このような事態は、請求項2に記載のように構成すれば、容易に防止することができる。
さらに、請求項3、5に記載のように構成すれば、簡単な構造でかつ安価でありながら前記間隙変化を確実に規制することができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、クラッチ手段の駆動部材とサブモータのモータ軸との連結を容易に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、11は風力発電に使用される風車の中空状ロータヘッドであり、このロータヘッド11は図示していない風車本体に回転可能に支持されている。また、このロータヘッド11は図示していない増速機および発電機に連結されており、この結果、このロータヘッド11が回転すると、発電機は(風力)発電する。14は半径方向に延びるとともに周方向に等角度離れた複数、ここでは3個の風車ブレードであり、これら風車ブレード14の半径方向内端部は円筒状を呈するとともに、ロータヘッド11に回動可能に連結されている。そして、これら風車ブレード14の半径方向内端部内周には内歯車15が形成されている。
【0013】
17は各風車ブレード14を回動させることでそのピッチ角、即ちロータヘッド11に対する風車ブレード14の取付け角度を制御する複数(風車ブレード14と同数)のピッチ角制御装置であり、各ピッチ角制御装置17はロータヘッド11に一体形成された取付けプレート18に取付けられた遊星歯車減速機、ここでは偏心揺動型減速機19を有する。21は後述の伝達手段を囲む伝達カバーであり、この伝達カバー21の一側には前記減速機19が、詳しくは略円筒状をしたそのケース20が取付けられている。
【0014】
24は伝達カバー21の他側に取付けられた誘導電動式モータ等からなるメインモータであり、通常、このメインモータ24の回転駆動力により前記風車ブレード14のピッチ角が制御される。前記メインモータ24は一側に向かって延びるモータ軸25を有し、このモータ軸25の先端部に外嵌された第1伝達軸26はキー27によって該モータ軸25に一体的に連結されている。この第1伝達軸26は前記伝達カバー21内に位置するとともに、その他端部が軸受28により伝達カバー21に回転可能に支持されている。
【0015】
31は前記ケース20内に収納され減速機19の一部を構成するキャリアであり、このキャリア31は一側端に設けられた端板部31aと、端板部31aから他側に向かって延びる複数本の柱部31bと、これら柱部31bの他端にボルト32により固定された端板部31cとから構成されている。33は前記ケース20の内周に設けられた内歯としての多数の内歯ピンであり、これらの内歯ピン33は軸方向に延びるとともに、周方向に等角度離れて配置されている。34は前記キャリア31、詳しくは端板部31aの一端に一体的に連結された出力軸であり、この出力軸34および前記キャリア31は、これら出力軸34、キャリア31とケース20との間に介装された軸受35によりケース20に回転可能に支持されている。
【0016】
36は前記ケース20内に収納された複数、ここでは2個のピニオンであり、これらピニオン36は軸方向に並列配置されている。また、これらピニオン36は外周に歯数が内歯ピン33の数より若干少ない外歯36aを有し、これら外歯36aは隣接するピニオン36において 180度だけ位相がずれた状態で前記内歯ピン33に噛み合っている。前記ピニオン36には前述の柱部31bと同数の遊嵌孔38がそれぞれ形成され、これらの遊嵌孔38には前記キャリア31の柱部31bがそれぞれ遊嵌状態で軸方向に貫通している。
【0017】
また、前記ピニオン36には複数の貫通孔39が形成され、これらの貫通孔39は前記遊嵌孔38と周方向に交互に配置されている。40は複数本、ここでは前記貫通孔39と同数のクランク軸であり、これらクランク軸40の一端部は端板部31aに、他端部は端板部31cに軸受41を介して回転可能に支持されている。各クランク軸40はその軸方向中央部にクランク軸40の中心軸から等距離だけ偏心した2個の偏心部40aを有し、これら偏心部40aは周方向に 180度だけ位相がずれている。また、これら偏心部40aは各ピニオン36の貫通孔39内にニードル軸受42をそれぞれ介装した状態で挿入されている。
【0018】
45は各クランク軸40の他端部にスプライン結合により連結された減速機19の入力歯車であり、これら入力歯車45には前記第1伝達軸26の先端部(一端部)外周に形成された出力外歯車46が噛み合っている。なお、この第1伝達軸26の先端は端板部31c内に挿入されるとともに、これらの間に介装された軸受47によりキャリア31に回転可能に支持されている。
【0019】
そして、メインモータ24のモータ軸25の駆動回転が第1伝達軸26を介して入力歯車45に伝達され、クランク軸40が回転すると、偏心部40aは貫通孔39内において偏心回転し、ピニオン36を 180度だけ位相をずらした状態で偏心回転(公転)させる。このとき、ケース20が静止しており、また、外歯36aの歯数が内歯ピン33の数より若干少ないので、キャリア31、出力軸34は低速で回転する。前述したケース20、キャリア31、内歯ピン33、出力軸34、ピニオン36、クランク軸40、入力歯車45は全体として、メインモータ24のモータ軸25から入力された回転を大減速比で減速して出力する前記減速機19を構成する。
【0020】
50は前記出力軸34の一端部にスプライン結合により連結された外歯車であり、この外歯車50は出力軸34の一端面にボルト51により固定された抜け止めプレート52によって抜け止めされるとともに、前記内歯車15に噛み合っている。この結果、メインモータ24が作動してモータ軸25が回転すると、このモータ軸25の回転は減速機19により減速された後、風車ブレード14に伝達され、該風車ブレード14を回動させてそのピッチ角を変更する。なお、54はケース20の一端部と出力軸34との間に介装されたオイルシールである。
【0021】
58は減速機19の回転中心からオフセットした状態でメインモータ24の側方にこれと平行に設置され、該メインモータ24(その制御部、給電部を含む)が断線・停電等によって故障したときのみ作動するサブモータであり、このサブモータ58は前述のようにメインモータ24の故障時に作動するため、通常、バッテリー等の直流非常電源から電流が供給され、この結果、サブモータ58には直流モータが用いられている。
【0022】
61は前記第1伝達軸26に平行に延びる第2伝達軸であり、この第2伝達軸61は前記伝達カバー21内に位置するとともに、その軸方向両端部が軸受63により伝達カバー21に回転可能に支持されている。前記第1伝達軸26の外周には第1外歯車67が、一方、前記第2伝達軸61の外周には第2外歯車68がそれぞれ形成され、これら第1、第2外歯車67、68の双方には第1伝達軸26と第2伝達軸61との間に配置されたアイドル歯車69が噛み合っている。ここで、このアイドル歯車69は伝達カバー21の軸部21aに軸受70を介して回転可能に支持されている。前述した第1、第2伝達軸26、61、アイドル歯車69は全体として、前述したサブモータ58からの回転を減速機19に伝達する伝達手段72を構成し、この伝達手段72は前述した伝達カバー21内に収納されている。
【0023】
図2、4において、74は前記サブモータ58と伝達手段72との間に介装されたクラッチ手段であり、このクラッチ手段75はサブモータ58のモータ軸75の外側にキー76によって回り止めされながら嵌合された駆動側本体77を有し、この駆動側本体77は前記キー76に達する止めねじ78がねじ込まれることでモータ軸75に固定されている。また、この駆動側本体77の先端部(一端部)にはリング状をした摩擦プレート79が軸方向に移動可能に嵌合され、この摩擦プレート78と前記駆動側本体77との間には該摩擦プレート79を他側(後述の被駆動部材から離隔する側)に向かって付勢する皿ばね80が介装されている。前述した駆動側本体77、摩擦プレート79、皿ばね80は全体として駆動部材81を構成する。
【0024】
また、前記クラッチ手段74は伝達軸61の他端に一体形成され、該伝達軸61およびモータ軸75と同軸のクラッチ軸83を有し、このクラッチ軸83にはキー84により前記摩擦プレート79に対向した被駆動側本体85が固定されている。86は前記駆動部材81の内周に取付けられた軸受であり、この軸受86の外輪86aは駆動部材81によって両側から強力に挟持されている。また、この軸受86の内輪86bは前記クラッチ軸83に他側から外嵌されるとともに、該クラッチ軸83の外側に嵌合されたスリーブ87に当接している。
【0025】
前記被駆動側本体85の外側には被駆動側本体85の回転時にも静止しているリング状の電磁石90が設置され、この電磁石90と被駆動側本体85との間には被駆動側本体85からの回転を遮断する軸受91が介装されている。92は前記クラッチ手段74を外側から囲む円筒状のクラッチカバーであり、このクラッチカバー92に固定された支持プレート93には前記電磁石90が取付けられている。そして、このクラッチカバー92の一側端には前記伝達カバー21が、また、その他側端にはサブモータ58が取付けられている。
【0026】
前述したクラッチ軸83、被駆動側本体85、スリーブ87は全体として被駆動部材95を構成し、また、前記駆動部材81、軸受86、電磁石90、軸受91、被駆動部材95は全体として、サブモータ58から伝達手段72への回転伝達を途中で遮断することができる前記クラッチ手段74を構成する。そして、このクラッチ手段74においては、前記サブモータ58への通電と同時に電磁石90に対する通電が行われるが、このとき、摩擦プレート79が電磁石90に吸着されることで、皿ばね80の付勢力に対抗して被駆動側本体85に係合するまで一側に移動し、駆動部材81から被駆動部材95への回転伝達を可能とする。
【0027】
ここで、サブモータ58のモータ軸75には、通常、若干量の軸方向がたが存在しているため、ロータヘッド11の回転により該モータ軸75が軸方向に前記がた量だけ移動するが、このようにモータ軸75が軸方向に移動するサブモータ58と伝達手段72との間にクラッチ手段74を介装すると、このモータ軸75の軸方向がたによりクラッチ手段74の駆動部材81(摩擦プレート79)と被駆動部材95(被駆動側本体85)との間の間隙が変化し、回転力遮断時に駆動部材81と被駆動部材95とが係合して回転力が伝達されたり、あるいは、回転力伝達時に駆動部材81と被駆動部材95との係合が外れて回転力が伝達されなくなるおそれがある。
【0028】
このため、この実施形態においては、クラッチ軸83の他端面にボルト97によって規制プレート98を固定し、該規制プレート98により軸受86の内輪86bをスリーブ87に押し付けて該軸受86をクラッチ軸83に軸方向移動が不能となるよう取付けている。これにより、モータ軸75の軸方向がたによって軸受86がクラッチ軸83上を滑ろうとしても、該軸受86は軸方向に移動することができず、この結果、クラッチ軸83に対する駆動部材81、モータ軸75の軸方向位置がロータヘッド11の回転に拘わらず常に一定となって、クラッチ手段74の駆動部材81と被駆動部材95との間の間隙変化を容易に防止することができる。
【0029】
前述したボルト97、規制プレート98は全体として、サブモータ58のモータ軸75の軸方向移動に基づくクラッチ手段74の駆動部材81と被駆動部材95との間の間隙変化を規制する規制機構99を構成する。そして、この規制機構99を前述のようなボルト97により固定された規制プレート98から構成すれば、簡単な構造でかつ安価でありながら前記間隙変化を確実に規制することができる。
【0030】
次に、この発明の第1実施形態の作用について説明する。
風車ブレード14のピッチ角を変更する場合には、メインモータ24に通電してモータ軸25を回転させるが、このモータ軸25の回転は入力歯車45を介してクランク軸40に伝達され、該クランク軸40を同期回転させる。このとき、ケース20が静止しており、また、外歯36aの歯数が内歯ピン33の数より若干少ないので、前記モータ軸25の回転は減速されてキャリア31、出力軸34、外歯車50に出力され、これらキャリア31、出力軸34、外歯車50を低速で回転させる。ここで、前記外歯車50には風車ブレード14に形成された内歯車15が噛み合っているので、外歯車50の回転により風車ブレード14は回動し、そのピッチ角が変更される。
【0031】
このとき、減速機19の入力歯車45の回転が伝達手段72を通じてサブモータ58に伝達され、該サブモータ58のモータ軸75を回転させると、サブモータ58が発電してその電気系統を故障させてしまうおそれがある。このため、前述のようにメインモータ24が作動している通常時には、クラッチ手段74の電磁石90に対する通電は遮断され、この結果、駆動部材81(摩擦プレート79)は被駆動部材95から離隔し、モータ軸75に対する回転伝達が遮断されている。
【0032】
そして、前記風車ブレード14のピッチ角は、通常の運転時には、10〜30度の範囲内で制御されており、風が弱くなった場合には、ピッチ角が小さくなるよう風車ブレード14を回動させてロータヘッド11の回転を増速させ、一方、風が強くなった場合には、ピッチ角が大きくなるよう風車ブレード14を回動させてロータヘッド11の回転を減速させ、強風時の危険を回避しながら、発電効率を向上させるようにしている。
【0033】
ここで、前記メインモータ24が断線・停電等により故障すると、バッテリー等の直流非常電源からサブモータ58および電磁石90に通電され、モータ軸75を回転させるとともに、電磁石90の吸着力により摩擦プレート79を皿ばね80の付勢力に対抗して被駆動側本体85に係合するまで一側に移動させ、クラッチ手段74、詳しくは駆動部材81と被駆動部材95とを接続状態とする。
【0034】
この結果、前記モータ軸75の回転はクラッチ手段74、伝達手段72を介して減速機19に入力されるが、この減速機19において前述と同様に減速された後、外歯車50に出力され、該外歯車50を低速回転させる。これにより、メインモータ24が故障した場合でも、風車ブレード14を回動させてそのピッチ角を制御することができる。
【0035】
また、この実施形態においては、サブモータ58と伝達手段72との間にクラッチカバー92によって囲まれたクラッチ手段74を介装するとともに、該クラッチカバー92の一側に伝達手段72を囲む伝達カバー21を、その他側にサブモータ58を取付けるようにしたので、クラッチカバー92がクラッチ手段74の防塵機能および伝達カバー21とサブモータ58との連結機能の両機能を併有することとなり、この結果、ピッチ角制御装置17全体の構造が簡単となり、安価に製作することもできる。
【0036】
図5はこの発明の第2実施形態を示す図である。この実施形態においては、サブモータ58のモータ軸75にキー76および止めねじ78を用いて外周にスプライン外歯 101が形成されたスリーブ 102を固定する一方、駆動部材81を構成する駆動側本体77の他端部内周にスプライン内歯 103を形成するとともに、駆動側本体77内にスリーブ 102を挿入して、これらスプライン外歯 101、スプライン内歯 103同士を噛み合わせ、これにより、駆動部材81とモータ軸75とをスプライン結合によって連結している。そして、このようにすれば、クラッチ手段74の駆動部材81とサブモータ58のモータ軸75との連結を容易に行うことができる。なお、他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるが、駆動部材81に関しては図面の煩雑さを避けるため、摩擦プレート79、皿ばね80の記載を省略している。
【0037】
図6はこの発明の第3実施形態を示す図である。この実施形態においては、前記第1実施形態で説明したボルト97、規制プレート98を省略する一方、モータ軸75の先端面(一端面)より一側の駆動側本体77の内周に取付けられたスナップリング 106により止め板 107の抜け止めを行うとともに、該止め板 107と前記モータ軸75の先端面との間に、モータ軸75に軸方向奥側(軸方向他側)に向かう付勢力を付与する皿ばね 108を介装している。前述したスナップリング 106、止め板 107、皿ばね 108は全体として規制機構 109を構成する。
【0038】
そして、このものを組み立てる場合には、図7に示すように軸受86を支持している駆動部材81にモータ軸75を挿入した状態で、これら駆動部材81、サブモータ58を軸方向一側に向かって移動させ、軸受86をその内輪86bがスリーブ87に当接するまでクラッチ軸83の外側に嵌合する。その後、サブモータ58を軸方向一側に押し込み皿ばね 108を圧縮させると、モータ軸75は皿ばね108の弾性復元力により軸方向奥側に押し込まれ、該モータ軸75の軸方向がたが消失する。この状態でサブモータ58をクラッチカバー92に固定するとともに、止めねじ78により駆動部材81とモータ軸75とを連結する。
【0039】
そして、このような手順により組み立てるようにすれば、前記第1実施形態のものより、軸と孔との嵌合長さが短くなるとともに、ボルト97のねじ込み作業が不要となって組立作業が容易となる。また、前述のようにクラッチ手段74の駆動部材81とサブモータ58のモータ軸75との間に、該モータ軸75に軸方向奥側に向かう付勢力を付与する皿ばね 108を設け、該皿ばね 108の付勢力によりモータ軸75を常時軸方向奥側に押し込むようにすれば、簡単な構造でかつ安価でありながら、駆動部材81と被駆動部材95との間の間隙変化を確実に規制することができる。なお、他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるが、駆動部材81に関しては図面の煩雑さを避けるため、摩擦プレート79、皿ばね80の記載を省略している。
【0040】
図8はこの発明の第4実施形態を示す図である。この実施形態においては、前記皿ばね 108の代わりに、サブモータ58のモータ軸75の段差75aと駆動部材81との間に規制機構としての圧縮コイルばね 110を介装するようにしている。そして、この実施形態のものにおいても、サブモータ58を軸方向一側に押し込みコイルばね 110を圧縮させることで、モータ軸75を該コイルばね 110の弾性復元力により軸方向奥側に押し込み、モータ軸75の軸方向がたを消失させている。なお、他の構成、作用は前記第3実施形態と同様である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、構造が簡単で安価なピッチ角制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す全体正面断面図である。
【図2】一部破断正面図である。
【図3】減速機近傍の正面断面図である。
【図4】クラッチ手段近傍の正面断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態を示すクラッチ手段近傍の正面断面図である。
【図6】この発明の第3実施形態を示すクラッチ手段近傍の正面断面図である。
【図7】組立状態を説明する正面断面図である。
【図8】この発明の第4実施形態を示すクラッチ手段近傍の正面断面図である。
【符号の説明】
11…ロータヘッド 14…風車ブレード
17…ピッチ角制御装置 19…減速機
21…伝達カバー 24…メインモータ
58…サブモータ 72…伝達手段
74…クラッチ手段 75…モータ軸
81…駆動部材 83…クラッチ軸
86…軸受 92…クラッチカバー
95…被駆動部材 98…規制プレート
99…規制機構 108、110…ばね
Claims (5)
- 風車のロータヘッドに取付けられ、半径方向内端部が前記ロータヘッドに回動可能に連結された複数の風車ブレードをそれぞれ回動させることでピッチ角を制御するようにした風車ブレードのピッチ角制御装置であって、メインモータと、メインモータから入力された回転を減速して前記風車ブレードに伝達し、該風車ブレードを回動させる減速機と、前記メインモータが故障したとき作動する直流モータから構成されたサブモータと、サブモータからの回転を減速機に伝達する伝達手段と、サブモータと伝達手段との間に介装され、前記サブモータから伝達手段への回転伝達を途中で遮断することができるクラッチ手段とを備え、前記クラッチ手段をクラッチカバーにより、前記伝達手段を伝達カバーによりそれぞれ囲むとともに、クラッチカバーの一側に伝達カバーを、その他側にサブモータを取付けるようにしたことを特徴とする風車ブレードのピッチ角制御装置。
- 前記サブモータのモータ軸の軸方向移動に基づくクラッチ手段の駆動部材と被駆動部材との間の間隙変化を規制する規制機構を設けた請求項1記載の風車ブレードのピッチ角制御装置。
- 前記規制機構は、クラッチ手段の駆動部材の内周に取付けられるとともに、被駆動部材のクラッチ軸に外嵌された軸受を、該クラッチ軸に軸方向移動不能に取付ける規制プレートを有する請求項2記載の風車ブレードのピッチ角制御装置。
- 前記クラッチ手段の駆動部材とサブモータのモータ軸とをスプライン結合により連結した請求項3記載の風車ブレードのピッチ角制御装置。
- 前記規制機構は、クラッチ手段の駆動部材とサブモータのモータ軸との間に設けられ、該モータ軸に軸方向奥側に向かう付勢力を付与するばねを有し、該ばねの付勢力によりモータ軸を常時軸方向奥側に押し込むようにした請求項2記載の風車ブレードのピッチ角制御装置。
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