JP4229483B2 - ラフィノース合成酵素遺伝子及びその利用 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラフィノース合成酵素遺伝子等に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラフィノース類オリゴ糖は、一般式としてo-α-D-ガラクトピラノシル-(1→6)n-o-α-D-グルコピラノシル-(1→2)-β-D-フルクトフラノシドで示されるショ糖の誘導体であり、n=1の場合にはラフィノース、n=2の場合にはスタキオース、n=3の場合にはベルバスコース、n=4の場合にはアジュコースと呼ばれている。
このようなラフィノース類オリゴ糖は、ショ糖を除けば、植物で最も含量の多いオリゴ糖であり、例えば、トウヒ等のマツ科の裸子植物、ダイズ、インゲンマメ等のマメ科、ナタネ等のアブラナ科、甜菜等のアカザ科、ワタ等のアオイ科、ポプラ等のヤナギ科等の被子植物などの高等植物のみならずクロレラにも含まれていることが明らかにされており、植物界にショ糖と同様に広く存在している。ラフィノース類オリゴ糖は、多くの植物において、例えば、貯蔵器官や種子における貯蔵糖としての役割を果たし、また、ある種の植物では、例えば、組織間を糖が移動する現象における転流糖としての役割を果たしている。
また、ラフィノース類オリゴ糖は、食品中に適量存在すると腸内細菌フローラの状態を健全にする効果を示すことが知られている。このため、ラフィノース類オリゴ糖は機能性食品素材として一部の食品に添加され、特定保健用食品分野において利用され始めている。
このような役割や有用性を有するラフィノース類オリゴ糖は、多くの植物においてショ糖を初発とするラフィノース類オリゴ糖合成系により生成される。この生合成系は、通常、ショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にα(1→6)結合でガラクチノール由来のガラクトシル基が順次付加されてゆく反応により構成されている。
このラフィノース類オリゴ糖合成系の最初の段階においてショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にガラクチノール由来のD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる反応に関与する酵素がラフィノース合成酵素である。該酵素は前記合成系における律速段階となっていることが示唆されており、該酵素がラフィノース類オリゴ糖の生合成の制御においてきわめて重要であることが明らかにされつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ラフィノース合成酵素の植物における発現量や活性を制御することにより、植物中のラフィノース類オリゴ糖の含量を変化させることが可能となる。ところが、ラフィノース合成酵素は、その存在自体はその活性を生化学的な手法により調べることにより多くの植物で確認されているものの、いまだに該酵素を単一の標品として単離・精製することに成功した事例は存在せず、そのアミノ酸配列も不明のままであり、まして該酵素の遺伝子の単離に着手する試みについての報告は全く見られない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、ソラマメよりラフィノース合成酵素及びその遺伝子を単離することに成功し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
1)植物から得られる遺伝子であって、ショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
2)植物が双子葉植物であることを特徴とする前項1記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
3)双子葉植物がマメ科植物であることを特徴とする前項2記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
4)マメ科植物がソラマメであることを特徴とする前項3記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
5)以下の(a)または(b)の蛋白質をコードする塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、修飾もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質、
6)配列番号2に示される塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
7)マメ科植物がダイズであることを特徴とする前項3記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
8)以下の(a)または(b)の蛋白質をコードする塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
(a)配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質
(b)配列番号3に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、修飾もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質、
9)配列番号4に示される塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
10)双子葉植物がシソ科植物であることを特徴とする前項2記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
11)シソ科植物がチョロギであることを特徴とする前項10記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
12)配列番号5に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
13)配列番号6に示される塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
14)植物が単子葉植物であることを特徴とする前項1記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
15)単子葉植物がイネ科植物であることを特徴とする前項14記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
16)イネ科植物がトウモロコシであることを特徴とする前項15記載のラフィノース合成酵素遺伝子、
17)配列番号7に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
18)配列番号8に示される塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
19)下記(a)または(b)のアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質、
(a)配列番号1または3に示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1または3に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、修飾もしくは付加されたアミノ酸配列、
20)配列番号1または3に示されるアミノ酸配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質、
21)前項1,2、3,4,7,10,11,14,15または16記載のラフィノース合成酵素遺伝子の部分塩基配列を有することを特徴とする遺伝子断片、
22)前項5,6,8,9,12,13,17または18記載のラフィノース合成酵素遺伝子の部分塩基配列を有することを特徴とする遺伝子断片、
23)塩基数が15以上50以下であることを特徴とする前項21または22記載の遺伝子断片、
24)前項21,22または23記載の遺伝子断片が標識されてなるプローブを生物由来のゲノムDNA断片またはcDNA断片にハイブリダイズさせて前記プローブが特異的に結合したDNA断片を検出することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の検出方法、
25)前項21,22または23記載の遺伝子断片が標識されてなるプローブを植物由来のゲノムDNA断片またはcDNA断片にハイブリダイズさせて前記プローブが特異的に結合したDNA断片を検出することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の検出方法、
26)前項21,22または23記載の遺伝子断片の塩基配列を有するプライマーを生物由来のゲノムDNAまたはcDNAにアニールさせてPCR(Polymerase Chain Reaction)反応を行ないDNA断片を増幅することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の増幅方法、
27)前項21,22または23記載の遺伝子断片の塩基配列を有するプライマーを植物由来のゲノムDNAまたはcDNAにアニールさせてPCR(Polymerase Chain Reaction)反応を行ないDNA断片を増幅することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の増幅方法、
28)前項24,25,26または27記載の方法によりラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片を含むDNA断片を特定し、特定された前記DNA断片を単離・精製する工程を含むことを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子の取得方法、
29)前項24,25,26または27記載の方法によりラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片を含むDNA断片を特定し、特定された前記DNA断片を単離・精製する工程から取得されることを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子、
30)プロモーターと前項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18または29記載のラフィノース合成酵素遺伝子が連結されてなることを特徴とするキメラ遺伝子、
31)前項30記載のキメラ遺伝子が宿主細胞内に導入されてなることを特徴とする形質転換体、
32)前項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,29または30記載の遺伝子を含有することを特徴とするプラスミド、
33)前項32記載のプラスミドが宿主細胞内に導入されてなることを特徴とする形質転換体、
34)宿主細胞が微生物であることを特徴とする前項33記載の形質転換体、
35)宿主細胞が植物細胞であることを特徴とする前項33記載の形質転換体、
36)前項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,29または30記載の遺伝子を宿主生物またはその細胞に導入し、宿主生物またはその細胞内のラフィノース類オリゴ糖量を変化させることを特徴とする代謝改変方法、
37)前項34記載の微生物を培養して得られる培養物からラフィノース合成酵素蛋白質を単離・精製することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質の製造方法、
38)前項19または20記載のラフィノース合成酵素蛋白質に対して結合能力を有することを特徴とする抗ラフィノース合成酵素抗体、
39)前項38記載の抗ラフィノース合成酵素抗体を供試蛋白質に作用させ、前記抗体とラフィノース合成酵素蛋白質との抗原抗体反応によりラフィノース合成酵素蛋白質を検出することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質の検出方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下に記述された遺伝子工学的方法は、例えば、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd edition」 (1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN 0-87969-309-6、「Current Protocols In Molecular Biology」 (1987), John Wiley & Sons,Inc.ISBN 0-471-50338-X、 Current Protocols In Protein Science (1995), John Wiley & Sons, Inc.ISBN0-471-11184-8等に記載される通常の方法に準じて実施可能である。
【0006】
本発明でいうラフィノース合成酵素遺伝子(以下、本発明遺伝子と記す。)とは、ショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子であり、例えば、植物から調製することができる。
本発明遺伝子は、具体的には、例えば、ソラマメ、ダイズなどのマメ科植物やチョロギなどのシソ科植物等の双子葉植物、トウモロコシなどのイネ科植物等の単子葉植物から調製できる。本発明遺伝子としては、具体的には、例えば、「配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」、「配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、修飾もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」、「配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」、「配列番号3に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、修飾もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」、「配列番号5に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」、「配列番号7に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」等があげられる。
【0007】
本発明遺伝子は、例えば、下記の方法により得ることができる。
例えば、ソラマメ(Vicia faba)、ダイズ(Glycine max)等のマメ科植物の組織を液体窒素中で凍結させた後、乳鉢などにより物理的に磨砕することにより細かい粉末状の組織片とする。該組織片から通常の方法によりRNAを抽出する。該抽出操作には、市販のRNA抽出キットを利用することができる。そして、得られたRNA抽出液からエタノール沈澱により全RNAを回収する。次に、回収された全RNAから通常の方法によりポリAを有するRNAを分画する。該分画操作には、市販のOligo dTカラムを利用することができる。得られた画分(ポリAを有するRNA)から通常の方法によりcDNAを合成する。該合成操作には、市販のcDNA合成キットを利用することができる。
得られたソラマメ由来のcDNAを鋳型として、例えば、下記リスト1に示されるプライマー1から3を用いてPCRを行ない、本発明遺伝子である「配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」のcDNA断片を増幅し取得することができる。この際に用いられるプライマーは、目的に応じて配列番号2で示される塩基配列を基にして設計し合成することができ、例えば、「配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」のオープンリーディングフレーム領域を増幅するには、下記リスト2のプライマー1から4で示されるプライマーを設計し合成すればよい。
同様にして、得られたダイズ由来のcDNAを鋳型として、例えば、下記リスト1に示されるプライマー4から6を用いてPCRを行ない、本発明遺伝子である「配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」のcDNA断片を増幅し取得することができる。この際に用いられるプライマーは、目的に応じて配列番号4で示される塩基配列を基にして設計し合成することができ、例えば、「配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子」のオープンリーディングフレーム領域を増幅するには、下記リスト2のプライマー5から8で示されるプライマーを設計し合成すればよい。
増幅されたDNA断片は、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd edition」 (1989),Cold Spring Harbor Laboratory Press、 「Current Protocols In Molecular Biology」 (1987),John Wiley & Sons,Inc.ISBN0-471-50338-X等に記載される通常の方法に準じてサブクローニングすることができる。具体的には、例えばInvitrogen社のTAクローニングキットやStratagene社のpBluescriptIIなどのプラスミドベクターを用いることでクローニングすることができる。クローニングされたDNA断片の塩基配列の確認は、F.Sanger,S.Nicklen,A.R.Coulson著、Proceedings of National Academy of Science U.S.A.(1977),74,5463頁-5467頁等に記載されるダイデオキシターミネーティング法により行なうことができる。例えば、市販のパーキンエルマー社のABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kitなどを用いると良い。
【0008】
(リスト1)
プライマー1 AATTTTCAAG CATAGCCAAG TTAACCACCT 30mer
プライマー2 GCTCACAAGA TAATGATGTT AGTC 24mer
プライマー3 ATACAAGTGA GGAACTTGAC CA 22mer
プライマー4 CCAAACCATA GCAAACCTAA GCAC 24mer
プライマー5 ACAACAGAAA AATATGACTC TTATTACT 28mer
プライマー6 AAAAGAGAGT CAAACATCAT AGTATC 26mer
【0009】
(リスト2)
プライマー1 ATGGCACCAC CAAGCATAAC CAAAACTGC 29mer
プライマー2 ATGGCACCAC CAAGCATAAC CAAAACTGCA ACCCTCCAAG ACG 43mer
プライマー3 TCAAAATAAA AACTGGACCA AAGAC 25mer
プライマー4 TCAAAATAAA AACTGGACCA AAGACAATGT 30mer
プライマー5 ATGGCTCCAA GCATAAGCAA AACTG 25mer
プライマー6 ATGGCTCCAA GCATAAGCAA AACTGTGGAA CT 32mer
プライマー7 TCAAAATAAA AACTCAACCA TTGAC 25mer
プライマー8 TCAAAATAAA AACTCAACCA TTGACAATTT TGAAGCACT 39mer
【0010】
本発明遺伝子の部分塩基配列を有する遺伝子断片(以下、本発明遺伝子断片と記す。)としては、例えば、植物由来の遺伝子断片であり、ショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子の部分配列を有する遺伝子断片があげられる。具体的には、例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子の部分塩基配列を有する遺伝子断片や配列番号2に示される塩基配列を有する遺伝子の部分塩基配列を有する遺伝子断片、より具体的には、例えば、下記リスト3に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片等をあげることができる。
これら遺伝子断片は、ハイブリダイゼーション法におけるプローブやPCR(Polymerase Chain Reaction)法におけるプライマーとして有用である。PCR法におけるプライマーとしては、一般的に、アニーリングの特異性が確保される点からは塩基数が多い方がよく、一方、塩基数が多くなるに従って、プライマー自身が高次構造を取り易くアニーリング効率が悪くなる恐れがあり、また、合成後の精製時に煩雑な操作が必要となることを考慮すると、塩基数は多すぎない方がよく、通常、塩基数が15以上50以下の1本鎖DNAからなる遺伝子断片が好ましい。
【0011】
Figure 0004229483
【0012】
本発明遺伝子断片を標識しこれをハイブリダイゼーション法におけるプローブとして利用して生物由来のDNAにハイブリダイズさせ、前述のプローブが特異的に結合したDNA断片を検出することができる。このようにして、生物由来の遺伝子ライブラリーから、ショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片を検出すること(以下、本発明検出方法と記す。)が可能である。
生物由来のDNAとしては、例えば、目的の植物のcDNAライブラリーやgenomicDNAライブラリー等を使用することができる。該遺伝子ライブラリーは、市販の遺伝子ライブラリーをそのまま用いることもできるし、また「Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd edition」(1989),Cold Spring Harbor Laboratory Pressや「Current Protocols In Molecular Biology」(1987),John Wiley & Sons,Inc.ISBN0-471-50338-X等に記載される通常のライブラリー作製法等に従って作製されたライブラリーを用いることもできる。
ここで利用されるハイブリダイゼーション法としては、ライブラリーの作製に用いられたベクターの種類に応じてプラークハイブリダイゼーションやコロニーハイブリダイゼーションをあげることができる。具体的には、使用されるライブラリーがファージベクターで構築された場合には、まず適当な宿主微生物とファージを感染可能な条件下で混合した後さらに軟寒天培地と混合し、寒天培地上にまく。その後適当な大きさのプラークが現れるまで37℃で培養を行う。また、使用されるライブラリーがプラスミドベクターで構築された場合には、まず適当な宿主微生物に形質転換し、形質転換体を得る。得られた形質転換体を適当に希釈して寒天培地にまき、適当な大きさのコロニーが現れるまで37℃で培養を行う。いずれのライブラリーの場合も培養後メンブレンフィルターを寒天培地の表面にのせ、ファージや形質転換体をメンブレンに転写する。このメンブレンをアルカリによる変性処理後、中和し、例えば、ナイロンメンブレンの場合には紫外線を照射し、DNAをメンブレンに固定する。次にこのメンブレンと通常の方法により標識された本発明遺伝子断片をプローブとして用いてハイブリダイゼーション法を行う。この方法については、例えば、D M Glover編「DNA cloning,a practical approach.」 IRL PRESS (1985) ISBN 0-947946-18-7を参考にするとよい。ハイブリダイゼーションを行う際の試薬及び温度条件は多種存在するが、例えば、プレハイブリダイゼーションは6×SSC(0.9M NaCl,0.09Mクエン酸)、0.1〜1%SDS、100μg/ml変性サケ精巣DNAを加えて65℃で1時間インキュベートして行い、ラベル化された本発明遺伝子断片をプローブとして次に加え、混合する。42〜68℃で4〜16時間ハイブリダイゼーションを行い、次に2×SSC、0.1〜1%SDSで洗浄し、さらに0.2×SSC、0〜0.1%SDSですすいだ後メンブレンを乾かす。このメンブレンを、例えば、オートラジオグラフィーなどにより解析することでメンブレン上のプローブの位置を検出することにより、用いたプローブと相同性のある塩基配列を有するDNAのメンブレン上の位置を検出する。このようにして本発明遺伝子または本発明遺伝子断片を検出することができる。尚、検出された本発明遺伝子または本発明遺伝子断片のDNAのメンブレン上の位置に相当するクローンをもとの寒天培地上で特定しこれを釣菌することにより、当該DNAを有するクローンを単離することができ、さらに、同様の検出操作を繰り返すことで当該DNAを有するクローンを純化することができる。
また、市販のGibcoBRL社のGENE TRAPPER cDNA Positive Selection Systemキットの様な検出の方法も用いることができる。この方法では、まず一本鎖化したDNAライブラリーとビオチン化した本発明遺伝子断片(プローブ)とをハイブリダイズさせた後、これにストレプトアビジン結合マグネットビーズを加え混合し、この混合物からストレプトアビジン結合マグネットビーズを磁石で回収することで、本発明遺伝子断片、ビオチンおよびストレプトアビジンを介して該ビーズに結合した1本鎖DNA、すなわち、用いたプローブと相同性のある塩基配列を有する1本鎖DNAを回収し検出する。このようにして本発明遺伝子または本発明遺伝子断片を検出することができる。尚、回収された1本鎖DNAは適当なオリゴヌクレオチドをプライマーとして適当なDNAポリメラーゼを反応させることにより2本鎖化することができる。
【0013】
本発明検出方法を植物の解析に利用してもよい。具体的には、植物ゲノムDNAを、例えば、渡辺格監修、杉浦昌弘編集:「クローニングとシークエンス(植物バイオテクノロジー実験マニュアル)」、農村文化社、東京(1989)などに記載された通常の方法に従って調製し、適当な少なくとも数種類の制限酵素で切断し、電気泳動した後、泳動されたDNAを通常の方法に従ってフィルターにブロッティングする。このフィルターに本発明遺伝子断片から通常の方法で調製されたプローブを用いてハイブリダイゼーションを行ない、プローブがハイブリダイズするDNA断片を検出する。検出されたDNA断片の長さを特定植物種の異なる品種について比較し、長さの違いから品種間のラフィノース類オリゴ糖発現に伴う表現形質の差を解析することができる。また、上記の方法により検出されたDNA断片の長さを遺伝子組換え植物と同種の非組換え植物とで比較したときに、遺伝子組換え植物において非組換え植物よりもハイブリダイズするバンドが数多くまたは濃く検出された場合、該植物が遺伝子組換え植物であると判別することができる。この方法は、例えば、島本功、佐々木卓治監修:「植物のPCR実験プロトコール」、秀潤社、東京(1995)、ISBN4-87962-144-7、90-94頁に記載されるRFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)法に準じて行なうことができる。
【0014】
本発明遺伝子断片の塩基配列を有するプライマーを用いるPCR法により、生物由来のDNAから、ショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片を増幅すること(以下、本発明増幅方法と記す。)が可能である。
【0015】
具体的には、例えば、3'-末端側に本発明遺伝子断片の塩基配列を15塩基以上50塩基以下有するオリゴヌクレオチドを通常の合成方法により化学合成する。コドン表(図1)に基づき、1つのアミノ酸をコードしうるコドンのバリエーションに応じてプライマーの特定の位置の残基を数種類の塩基の混合物とするミックスプライマーを合成することもできる。また、例えば、複数種の塩基と対合できるイノシンなどの塩基を数種類の塩基の混合物の代わりに用いることもできる。具体的には、例えば、リスト4に示される塩基配列を有するプライマーを用いることができる。尚、ここで、2本鎖DNAからなる本発明遺伝子のコーディング鎖と同じ塩基配列を持つオリゴヌクレオチドをセンスプライマー、該コーディング鎖と相補鎖をなす塩基配列を持つオリゴヌクレオチドをアンチセンスプライマーと呼ぶ。
増幅しようとするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片のコーディング鎖の5’上流側の塩基配列を有するセンスプライマーと3’下流側の塩基配列と相補的な配列を有するアンチセンスプライマーを組み合わせて用いて、例えば、遺伝子ライブラリー、ゲノムDNAまたはcDNAを鋳型としてPCR反応を行いDNA断片を増幅する。ここで用いられる遺伝子ライブラリーとしては、例えば、目的の植物のcDNAライブラリーやgenomicDNAライブラリー等をあげることができる。植物遺伝子ライブラリーは、市販の植物由来のライブラリーをそのまま用いることもできるし、また 「Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd edition」 (1989),Cold Spring Harbor Laboratory Pressや「Current Protocols In Molecular Biology」 (1987),John Wiley & Sons,Inc.ISBN0-471-50338-X等に記載される通常のライブラリー作製法に従って作製されたライブラリーも用いることができる。また、本発明増幅法において用いられるゲノムDNAまたはcDNAとしては、例えば、目的の植物から調製されたcDNAやgenomicDNAをあげることができる。
DNA断片の増幅は通常の電気泳動の方法により確認することができる。さらに、増幅されたDNA断片について通常の方法により制限酵素地図を明らかにするかまたは塩基配列を決定することにより、本発明遺伝子または本発明遺伝子断片を特定することができる。具体的には、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列に基づいて設計されたプライマーを用いシソ科植物であるチョロギ由来のcDNAを鋳型として本発明増幅法を行うことにより、配列番号6に示される塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子断片を増幅することができる。また、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列に基づいて設計されたプライマーを用いイネ科植物であるトウモロコシ由来のcDNAを鋳型として本発明増幅法を行うことにより、配列番号8に示される塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子断片を増幅することができる。
【0016】
Figure 0004229483
【0017】
本発明増幅方法を植物遺伝子の解析に利用してもよい。具体的には、例えば、特定植物種の異なる品種から調製した植物ゲノムDNAを鋳型として、本発明増幅方法を行ない、DNA断片を増幅させる。増幅されたDNA断片をホルムアルデヒド溶液と混合し、85℃で5分間加熱変性処理を行った後、氷上で急冷する。このサンプルをグリセロール濃度を0%または10%含む、例えば6%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動に供する。この電気泳動には市販のSSCP(Single Strand Conformation Polymorphism)用の電気泳動装置を用いることができ、例えば5℃、25℃、37℃等にゲルの温度を一定に保って電気泳動を行なう。電気泳動したゲルから、例えば、市販の試薬による銀染色法等の方法によりDNA断片を検出する。
検出されたDNA断片の電気泳動における挙動の品種間の差からラフィノース合成酵素遺伝子内の変異を検出し、該変異に基づいて生じる、ラフィノース類オリゴ糖発現に伴う表現形質における品種間の差を解析する。この方法は、例えば、島本功、佐々木卓治監修:「植物のPCR実験プロトコール」、秀潤社、東京(1995)、ISBN4-87962-144-7、141-146頁に記載されるSSCP法に準じて行うことができる。
【0018】
本発明検出方法または本発明増幅方法によりラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片を特定し、特定された前記遺伝子またはその遺伝子断片を単離・精製することにより本発明遺伝子を取得すること(以下、本発明遺伝子取得方法と記す。)もできる。
例えば、上述のように本発明検出方法により、生物由来の遺伝子ライブラリーのDNAにハイブリダイズした本発明遺伝子断片からなるプローブを検出して、用いたプローブと相同性のある塩基配列を有するDNAを特定し、当該DNAを保有するクローンを純化し、該クローンからプラスミドまたはファージDNAを単離・精製することにより、本発明遺伝子または本発明遺伝子断片を取得することができる。このようにして得られたDNAがラフィノース合成酵素遺伝子の部分塩基配列を有する遺伝子断片である場合は、該DNAをプローブとして本発明遺伝子検出方法により遺伝子ライブラリーをさらにスクリーニングすることにより、完全長の本発明遺伝子を取得することができる。
また、例えば、上述のように本発明増幅方法により、本発明遺伝子断片の塩基配列を有するプライマーを用いるPCR反応を行い、生物由来のDNAからDNA断片を増幅し、増幅されたDNA断片について制限酵素地図を明らかにするかまたは塩基配列を決定することにより、本発明遺伝子または本発明遺伝子断片を特定することができる。得られた遺伝子断片の塩基配列に基づいて、5’上流領域の配列の解析にはアンチセンスプライマーを、3’下流領域の配列の解析にはセンスプライマーを合成する。これらのプライマーを用いて、例えば、Clontech社のMarathon Kit等の市販のキットを用いてRACE法を行うことにより、完全長の本発明遺伝子の塩基配列を明らかにすることができる。このようにして明らかにした塩基配列の両末端の配列に基づいて新たにプライマーを合成し、再度PCRを行うことにより完全長の本発明遺伝子を取得することができる。
本発明遺伝子取得方法により、種々の生物から本発明遺伝子であるラフィノース合成酵素遺伝子を取得することができる。例えば、400アミノ酸残基以上の長さに相当する領域において、配列番号1に示されるアミノ酸配列と約50%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有するラフィノース合成酵素をコードする遺伝子を取得することができる。具体的には例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列に基づいて設計したプライマーを使用しダイズcDNAを鋳型とする本発明増幅方法によりラフィノース合成酵素遺伝子の部分塩基配列を有する遺伝子断片を含むDNA断片を増幅して特定し、特定された前記DNA断片を単離・精製し、さらに上述の操作により該DNA断片を含む完全長遺伝子を取得することにより、配列番号4に示される塩基配列を有するラフィノース合成酵素遺伝子を取得することができる。
【0019】
本発明遺伝子とプロモーターが連結されてなるキメラ遺伝子(以下、本発明キメラ遺伝子と記す。)を構築することができる。
用いられるプロモーターは、形質転換される宿主生物内で転写活性を示すものであれば特に制限はない。例えば、大腸菌のラクトースオペロンのプロモーター、大腸菌のトリプトファンオペロンのプロモーター、tacプロモーター等の大腸菌内で機能可能な合成プロモーター、酵母のアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH)プロモーター、アデノウイルス・メジャーレート(Ad.ML)プロモーター、SV40の初期プロモーター、バキュロウイルスプロモーターなどをあげられる。また、宿主生物が植物またはその細胞の場合には、例えば、ノパリン合成酵素遺伝子(NOS)プロモーター、オクトピン合成酵素遺伝子(OCS)プロモーターなどのT-DNA由来の構成型プロモーター、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)由来の19S及び35Sプロモーターなどの植物ウイルス由来のプロモーター、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)遺伝子プロモーター、カルコンシンターゼ(CHS)遺伝子のプロモーター、Pathogenesis-related protein(PR)遺伝子のプロモーターなどの誘導プロモーターなどをあげることができる。さらに、特定の植物組織で特異的に発現するようなプロモーター、例えば、ダイズ由来種子貯蔵蛋白質グリシニン遺伝子のプロモーターを持つベクターpSUM-GY1(特開平06-189777)なども使用することができ、このようなプロモーターを有するように構築されたキメラ遺伝子を用いれば、植物内での特定の組織においてラフィノース類オリゴ糖の含量を増加または減少させることが可能になる。
【0020】
次に、本発明キメラ遺伝子を通常の遺伝子工学的方法に準じて宿主細胞内に導入することにより形質転換体が得られる。尚、宿主細胞内に導入するための形質転換方法に応じて必要であれば本発明キメラ遺伝子をプラスミドに挿入してから使用するとよい。さらに、本発明キメラ遺伝子にターミネーターを含有させてもよい。この場合、ラフィノース合成酵素遺伝子の下流にターミネーターを有するようにキメラ遺伝子を構築すると一般的によい。用いられるターミネーターは、形質転換される宿主細胞内で転写終結活性を示すものであれば特に制限はなく、例えば宿主細胞が植物細胞の場合には、例えば、ノパリン合成酵素遺伝子(NOS)ターミネーターなどのT-DNA由来の構成型ターミネーター、ニンニクウイルスGV1、GV2のターミネーターなどの植物由来のターミネーターなどをあげることができる。
【0021】
本発明遺伝子を利用するには、通常の遺伝子工学的方法によりプラスミドの形にして使用することができる。
構築されたプラスミドは、例えば、宿主生物が微生物の場合には、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd edition」 (1989),Cold Spring Harbor Laboratory Pressや「Current Protocols In Molecular Biology」 (1987),John Wiley & Sons,Inc.ISBN0-471-50338-X等に記載される通常の手段により微生物に導入され、これにより形質転換された微生物は抗生物質耐性や栄養要求性等のマーカーにより選抜される。又、例えば、宿主生物が植物の場合には、構築されたプラスミドは、アグロバクテリウム感染方法(特公平2-58917および特開昭60-70080)、プロトプラストへのエレクトロポレーション方法(特開昭60-251887および特開平5-68575)、またはパーティクルガン方法(特開平5-508316および特開昭63-258525)などの通常の手段により植物細胞に導入され、プラスミドの導入により形質転換された植物細胞はカナマイシンまたはハイグロマイシン等の抗生物質により選抜される。このようにして形質転換された植物細胞から、例えば内宮著、「植物遺伝子操作マニュアル(トランスジェニック植物の作り方)」1990年、講談社サイエンティフィック(ISBN4-06-153513-7)、27-55頁に記載される通常の植物細胞培養方法により形質転換植物を再生することにより形質転換体植物が得られる。さらに、得られた形質転換体植物から種子を得ることにより該形質転換体植物の増殖を行うこともできる。また、得られた形質転換体植物と非形質転換体植物とを交雑することで形質転換体の形質をもつ子孫植物を作成することもできる。
【0022】
本発明遺伝子を宿主生物またはその細胞に導入し、宿主生物またはその細胞内の宿主生物またはその細胞内の代謝を改変することによりラフィノース類オリゴ糖量を変化させることができる。このような方法としては、例えば、本発明遺伝子が本来転写・翻訳され蛋白質として発現するときの方向に該遺伝子がプロモーターと連結されてなる本発明キメラ遺伝子を構築し、これを通常の遺伝子工学的方法に準じて宿主生物またはその細胞内に導入することで宿主生物またはその細胞内のラフィノース類オリゴ糖量を増加させるように代謝を改変させる方法があげられる。また、本発明遺伝子が本来転写・翻訳され、蛋白質として発現するときの方向とは反転した方向に該遺伝子がプロモーターと連結されてなる本発明キメラ遺伝子を構築し、これを通常の遺伝子工学的方法に準じて宿主生物またはその細胞内に導入することで宿主生物またはその細胞内のラフィノース類オリゴ糖量を減少させるように代謝を改変させる方法もあげられる。
【0023】
本発明でいうラフィノース合成酵素蛋白質(以下、本発明蛋白質と記す。)とは、本発明遺伝子にコードされる蛋白質であり、例えば、配列番号1または3に示されるアミノ酸配列、または、配列番号1または3に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、修飾もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基にD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する酵素蛋白質をいう。
具体的には、例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵素蛋白質(アミノ酸799個、分子量89kDa)、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する酵素蛋白質(アミノ酸781個、分子量87kDa)をあげることができる。
【0024】
本発明蛋白質は、例えば、ソラマメ(Vicia faba)等のマメ科植物から、(NH42SO4沈殿、イオン交換カラム、疎水性カラム、ハイドロキシアパタイトカラム、ゲルろ過カラムなどの通常の生化学的方法により調製することができ、また、本発明プラスミドで形質転換されてなる宿主生物またはその細胞から調製することもできる。具体的には、例えば、ファルマシア社のGST Gene Fusion Vectorsキットを用いて本発明遺伝子をキットに付属の発現ベクタープラスミドに挿入し、得られたベクタープラスミドを通常の遺伝子工学的方法に準じて、大腸菌等の微生物に導入し、得られた形質転換体を、例えば、IPTG(isopropylthio-β-D-galactoside)を添加した培地にて培養することにより培養物中に本発明蛋白質を融合蛋白質として発現誘導させることができる。発現誘導させた融合蛋白質は、通常の菌体破壊処理、カラム操作、SDS-PAGE電気泳動等の方法によって単離・精製することができる。そして、得られた融合蛋白質をトロンビンまたは血液凝固因子Xa等のプロテアーゼで切断処理することにより本発明蛋白質が得られる。好ましくは、例えば「Current Protocols In Protein Science」(1995), John Wiley & Sons,Inc. ISBN0-471-11184-8に記載される方法に準じて行なうと良い。尚、本発明蛋白質の活性は、例えば、L.Lehle and W.Tanner,Eur.J.Biochem.,38,103頁-110頁(1973)に記載される方法により測定できる。
【0025】
このようにして、調製された本発明蛋白質を抗原として用いて通常の免疫学的方法によりラフィノース合成酵素蛋白質に対して結合能力を有する抗ラフィノース合成酵素抗体(以下、本発明抗体と記す。)を作製することができる。具体的には、例えば、Ed Harlow and David Lane, 「Antibodies:A Laboratory Manual」 (1988), Cold Spring Harbor Laboratory Press ISBN No.0-87969-314-2に記載される方法に準じて本発明抗体を作製することができる。
本発明抗体を供試蛋白質に作用させ、前記抗体が特異的に結合した蛋白質を検出することにより本発明蛋白質を検出することができる。このような検出方法は、具体的には、例えば、ウエスタンブロット法、ELISA法等のEd Harlow and David Lane, 「Antibodies:A Laboratory Manual」 (1988), Cold Spring Harbor Laboratory Press記載の免疫学的手法に準じて行うことができる。
【0026】
ウエスタンブロット法は、例えば、以下のようにして行う。まず、対象となる植物から、例えば、Methods in Enzymology, volume182, 「Guide to Protein Purification」174頁〜193頁 ISBN 0-12-182083-1に記載される方法に準じて蛋白質を抽出する。尚、用いられる植物組織に応じて適宜抽出液の組成を変えることができる。抽出された蛋白質は、通常のSDS-PAGEの方法に従って電気泳動する。電気泳動されたゲルの中の蛋白質は、通常の電気的な方法によるウエスタンブロットによりメンブレンに転写させる。具体的には例えば、ゲルをトランスファーバッファー(25mM Tris, 192mM グリシン,20%メタノール)に10分間浸し、その後市販のセミドライ型のトランスファー装置にゲルの大きさに切ったPVDF膜と合わせてセットする。1cm2当り0.8〜2mAの定電流条件で45分間から1時間ブロッティングを行う。メンブレンに転写された蛋白質は一次抗体およびアルカリ性フォスファターゼやホースラディッシュパーオキシダーゼを結合させた二次抗体またはProteinAなどを用いたウエスタンブロット検出用のキットを用いて免疫学的検出を行うことができる。この際、本発明抗体を一次抗体として使用することでメンブレン上の本発明蛋白質を検出することができる。
【0027】
また、ELISA法は、原理的には、樹脂製の96ウェルのELISAプレートの表面に蛋白質が結合する性質を利用して、最終的にELISAプレートの表面に結合している抗原を免疫学的に検出する。例えば、まず、ELISAプレートに供試蛋白質を溶液として加え、該蛋白質を結合させた後、5%牛血清アルブミンなどの蛋白質を含んだPBSを加え、ブロッキングする。その後ウェルをPBSで洗浄し、本発明抗体を含む溶液を加え、反応させる。次に、ウェルの洗浄を行い、さらにアルカリ性フォスファターゼやホースラディッシュパーオキシダーゼを結合させた二次抗体を含む溶液を加えて反応させた後、洗浄する。最後に検出するための基質溶液をウェルに加えてELISAリーダーで基質の発色を検出する。
また、別の方法としては、本発明抗体をELISAプレートに加えて結合させた後、例えば、5%牛血清アルブミンなどの蛋白質を含んだPBSを加え、ブロッキングする。次に供試蛋白質を溶液として加え、該供試蛋白質に含まれる抗原を上記プレートに結合させた本発明抗体と結合させた後、ウェルを洗浄し、該ウェルにさらに本発明抗体を加える。この際に使用する本発明抗体は最初に用いた本発明抗体とは異なる動物種から調製されたものであることが望ましい。次にアルカリ性フォスファターゼやホースラディッシュパーオキシダーゼを結合させた二次抗体を含む溶液をウェルに加えて反応させた後、洗浄する。この際に使用する二次抗体は後から加えた本発明抗体と結合する性質のものでなければならない。最後に検出するための基質溶液を加えてELISAリーダーで基質の発色を検出する。
【0028】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0029】
実施例1 (ガラクチノールの精製)
甜菜廃糖蜜約250mlをメタノールで5倍に希釈した。該希釈液を室温で21,400g、15分間遠心分離し、不溶物を除去した。得られた上澄みを2lの三角フラスコに移し、これに1/2量のイソプロパノールを撹拌しながら少量ずつ添加した。沈澱が器壁に付着するまでしばらく室温で放置した。次にデカンテーションで上澄みを廃棄した。沈澱に500mlのエタノールを加え、これをロータリーシェーカーで撹拌して洗浄した。この洗浄をさらに数回繰り返した。洗浄された沈澱を器壁よりかきとり、これを濾紙上で風乾した。風乾された沈殿(乾燥粉末)は約40%(w/v)になるように精製水で溶解された。この溶液にBioRad社のAG501-X8(D)を加え、撹拌した。溶液の色がほぼ観察されなくなるまで、この操作を繰り返した。得られた溶液をMillipore社のSep-Pak QMAカラムで処理をした。さらにMillipore社のSep-Pak CMカラム、Millipore社のSep-Pak C18カラム、Millipore社のSep-Pak Silicaカラムで前処理した。得られた溶液5mlをWako-gel LP40C18(和光純薬:2.6cm×85cm)カラムにかけ、精製水で溶出した。溶出液の糖度は携帯用砂糖屈折計で測定され、糖の組成はMillipore社のSugar-Pak Na(7.8mm×300mm)カラムを用いたHPLCにより分析された。糖の検出はWaters社の410 Defferential Refractometerで行なった。ガラクチノールを含む溶出液を凍結乾燥し、得られた凍結乾燥粉末を精製水5mlに溶解し、これをTOYOPEARL HW40(S)(東ソー:2.6cm×90cm)にかけ、精製水で溶出した。溶出液は前記と同様に分析され、精製ガラクチノールが得られた。
得られたガラクチノールを80mM phosphate buffer(pH6.5)、2mg/ml ガラクチノール、8.3U α-galactosidase(ベーリンガー・マンハイム社: E.coli overproducer 662038)となる反応液中で25℃、40分間保温し、該反応液についてクロロホルム抽出を行なった後、水層をHPLCで分析した。得られたガラクチノールはガラクトースとmyo-イノシトールに加水分解されることが確認された。
【0030】
実施例2 (ラフィノース合成酵素の活性測定)
ラフィノース合成酵素活性は、L.Lehle and W.Tanner,Eur.J.Biochem.,38,103頁-110頁(1973)に準じて、以下の条件で測定された。
活性の測定に供する試料2μlを終濃度で100mM Tris-HCl(pH7.4)、5mM DTT(Dithiothreitol)、0.01% BSA、200μM sucrose、5mM ガラクチノール、740KBq/ml(31.7μM)[14C]sucroseとなる反応液18μlに加え、37℃で3時間から20時間保温した。反応後、反応液に30μlのエタノールを加えて撹拌し、15,000rpmで5分間遠心分離した。上澄み5μlをHPTLCセルロース薄層クロマト(Merck社HPTLC plates cellulose 10×20cm)にスポットし、n-ブタノール:ピリジン:水:酢酸=60:40:30:3で展開した。展開されたプレートを乾燥した後、イメージングアナライザー(富士写真フイルム社FUJIXバイオ・イメージングアナライザーBAS-2000II)で分析し、生成した[14C]ラフィノースを定量した。
【0031】
実施例3 (ラフィノース合成酵素の精製)
以下のようにしてソラマメよりラフィノース合成酵素の精製を行なった。それぞれの精製蛋白質液について、該蛋白質液中に存在する蛋白質をSDS-PAGE(第一化学薬品製)により分析し、又、その酵素活性を実施例2記載の方法に従って測定した。
-80℃で保存したソラマメ(仁徳一寸)未熟種子300gを解凍後、皮をむき、600mlの100mM Tris-HCl(pH7.4)、5mM DTT(Dithiothreitol)、1mM EDTA、1mM PMSF(Phenylmethylsulfonyl fluoride)、1mM Benzamideに入れ、氷上で乳鉢ですりつぶした。該破砕物を21,400xg、4℃で50分間遠心分離し、得られた上澄みに20分の1の体積の10%polyethylene imine(pH8.0)を加え、4℃で15分間撹拌した。そして該混合物を15,700xg、4℃で20分間遠心分離し、得られた上澄みに196g/lの(NH4)2SO4を撹拌しながら添加した。氷中、30分間撹拌した後、15,700xg、4℃で20分間遠心分離した。得られた上澄みにさらに142g/lの(NH4)2SO4を撹拌しながら添加した。氷中、30分間撹拌した後、15,700xg、4℃で20分間遠心分離した。得られた沈澱を50mlの100mM Tris-HCl(pH7.4)、5mM DTT(Dithiothreitol)で溶解し、20mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM DTT(Dithiothreitol)、1mM EDTAで4℃で一晩透析した。透析後、懸濁液を70,000xg、4℃で60分間遠心分離した。得られた上澄みに1mM Benzamidine・HCl、5mM ε-Amino-n-caproic acid、1μg/ml antipain、1μg/ml leupeptin、10mM EGTAを添加した。さらに40分の1の体積の2M KClを少量ずつ添加した後、これを0.05M KCl、20mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM DTT(Dithiothreitol)、1mM EDTAで平衡化したDEAE-Sephacelカラム(Pharmacia社:2.5×21.5cm)にかけ、一旦担体に捕獲された蛋白質を0.05から0.5MのKClグラジェントで溶出した。ここまでの精製を3回行ない、ラフィノース合成酵素活性を有する画分をまとめてから以下の精製を行なった。
ラフィノース合成活性を有する溶出画分に4分の1の体積の飽和(NH4)2SO4を少量ずつ添加した。この溶液を20%飽和(NH4)2SO4、20mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM DTT(Dithiothreitol)、1mM EDTAで平衡化したPhenyl-Sepharoseカラム(Pharmacia社:2.5×10.2cm)にかけ、20%から0%の(NH4)2SO4グラジェントで溶出した。得られた活性画分に2倍量の0.01M pottassium phosphate buffer(pH7.5)を加え、希釈した。この希釈溶液をあらかじめ0.01Mのpottassium phosphate buffer(pH7.5)、2mM DTT(Dithiothreitol)で平衡化したEcono-Pac 10DG(BioRad社:5ml)にかけ、0.01Mから0.5Mのpottassium phosphate buffer(pH7.5)、2mM DTT(Dithiothreitol)のグラジェントで溶出した。この時点で得られた活性画分は、比活性6500倍以上にまで精製されていた。さらに得られたラフィノース合成酵素活性を有する精製蛋白質溶液の一部を0.2M KCl、20mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM DTT(Dithiothreitol)、1mM EDTAで平衡化したSuperdex200カラム(Pharmacia社:1.6×60cm)にかけた。分取された精製蛋白質をSDS-PAGEにかけ、また、ラフィノース合成酵素活性を測定した。ラフィノース合成酵素活性を有する蛋白質のバンドをSDS-PAGE上で分子量約90kDaと特定した。
【0032】
実施例4 (ラフィノース合成酵素の部分アミノ酸配列の解析)
実施例3においてEcono-Pac 10DG(BioRad社:5ml)により精製された精製蛋白質溶液約1mlに9分の1の体積の100%TCAを加え、氷上で30分間放置した。10,000xg,15分間遠心分離した後、得られた沈澱を500μlの-20℃に冷やしたアセトンで懸濁し、遠心分離して沈澱を回収した。回収された沈殿を前記と同様な方法でアセトン洗浄を行った後、沈澱を回収し、乾燥した。乾燥された沈澱について、該沈殿を200μlのSDS-サンプルバッファーに溶解してから、SDS-PAGEを行なった。電気泳動したゲルをCBB染色し、ラフィノース合成酵素蛋白質のバンドを切り出した。
切り出したゲルに1mlの50%アセトニトリル、0.2M ammonium carbonate(pH8.9)を加え、室温で20分間撹拌しながら洗浄した。さらにもう一度同様な方法でゲルを洗浄し、該ゲルを体積が減少する程度まで減圧下乾燥した。次にこのゲルに対して、1mlの0.02% Tween-20、0.2M ammonium carbonate(pH8.9)を加え、室温で15分間撹拌した。溶液を除いた後、新たに400μlの8M urea、0.4M NH4HCO3を加えた。さらに40μlの45mMのDTT(Dithiothreitol)を添加し、50℃で20分間放置した。十分に室温まで戻した後、4μlの1M iodoacotic acidを加え、暗所中、室温で20分間撹拌した。溶液を除き1mlの精製水を加え、室温で5分間撹拌して洗浄した。さらに2回洗浄を行った後、1mlの50%アセトニトリル、0.2M ammonium carbonate(pH8.9)を加え、室温で15分間撹拌した。同様の処理をさらにもう一度行った後、溶液を除去し、ゲルを体積が減少する程度まで減圧下乾燥した。
次にこのゲルに対してAchromobacter ProteaseIの溶液(TAKARA社:Residue-specific Protease kit)を100μl加えた。該ゲルが溶液の表面から出ない程度に0.02% Tween-20、0.2M ammonium carbonate(pH8.9)を加え、37℃で42時間放置した。500μlの0.09% TFA、70%アセトニトリルを加え、室温で30分間撹拌した。得られた混合物が入れられたサンプルチューブごと超音波洗浄器の中に浮かし、超音波処理(BRANSON:出力60W)を5分間行なった。得られた処理物を遠心分離し、得られた抽出液を別のシリコンコートしたサンプルチューブに回収した。一方、沈殿には再度500μlの0.09% TFA、70%アセトニトリルを添加し、上記と同様な方法により再抽出を行った。得られた抽出液を合わせて、200〜300μl溶液が残る程度にまで減圧下で濃縮した。該濃縮物に25μlの8M 尿素、0.4M NH4HCO3を加えてから、100μl以下溶液が残る程度にまで減圧下で濃縮した。該濃縮物を精製水で約100μlにし、これをウルトラフリーC3 GV(Millipore社)で濾過した。得られた濾液をAquapore BU-300 C-4(2.1×300mm)カラムで0.1%TFA/2.1%〜68.6%のアセトニトリルグラジェントで溶出し、215nmの吸収でモニターしながらピークを分取した。分取したサンプルを減圧下で完全に乾固した後、ABI社プロテインシークエンサー473Aで分析することによりラフィノース合成酵素の部分アミノ酸配列の解析を行った。
【0033】
実施例5 (cDNAの作成)
ソラマメ(仁徳一寸)の未熟種子約2gを液体窒素で凍結し、乳鉢で粉砕した。Isogen(ニッポンジーン社)を20ml加え、さらに良くすりつぶした。該破砕物を遠心管に移し、4mlのクロロホルムを加え、ボルテックスで撹拌した後、これを4℃で6,500xg10分間遠心分離し、水層を回収した。回収された水層に10mlのイソプロパノールを加えて撹拌した後、4℃で6,500xg 10分間遠心分離した。得られた沈殿を10mlの70%エタノールで洗浄した後、これを1mlのElution buffer(10mM Tris-HCl/pH7.5,1mM EDTA,0.1%SDS)で溶解した。該溶解物を60℃で10分間おいた後、10,000xgで1分間遠心分離し、不溶物を除去した。得られた上澄み液に等量のOligotex-dT30(TAKARA社)を加え、撹拌し、65℃で5分間放置した。さらに氷上に移して3分間放置した後、5M NaClを200μl加え、混合し、37℃で10分間放置した。次にこれを4℃、10,000xgで3分間遠心分離し、沈澱を回収した。回収された沈殿を1mlのTEバッファーで懸濁し、65℃で5分間放置した。この懸濁液を氷上に移して3分間放置した後、4℃、10,000xgで3分間遠心分離して沈澱を除去した。
得られた上澄み液に100μlの3M酢酸ナトリウムと2mlのエタノールを加えてRNAをエタノール沈澱し、これを回収した。回収されたRNAを70%エタノールで2回洗浄し、これを20μlの滅菌水に溶解し、cDNA合成に用いた。得られたRNAは260nmの吸光度を測定し、定量した。
cDNA合成には、Amersham社のFirst strand synthesis for RT-PCRのキットとTakara社のcDNA Synthesis Kitを用い、すべての操作はプロトコールに従った。
【0034】
実施例6 (cDNAからのラフィノース合成酵素遺伝子の塩基配列の解析)
実施例4により得られたアミノ酸配列に基づき、下記リスト5で示される塩基配列の混合合成DNAプライマーを合成した。該プライマーとClontech社のAdvantage KlenTaq cDNA Kitを用い、パーキンエルマー社のGene Amp PCR Systems 2400とDNA Thermal Cycler Model 480を使用してPCR反応を行った。PCR反応は、94℃1分間、50℃3分間、72℃3分間の反応を1サイクルとして、40回繰り返した。その結果、下記リスト5で示される塩基配列を有するプライマー8.2と13.3RV、13.4と10.3RV、そして7.4と10.3RVの組み合わせでそれぞれ1.2kb、0.5kb、1.2kbのバンドの増幅が見られた。増幅されたDNA断片をTAクローニングキット(Invitrogen社)でクローニングし、パーキンエルマー社のABI PRISM Dye Terminater Cycle Sequencing Ready Reaction Kitを用いてシークエンス反応を行ない、ABI社373S DNA シークエンサーで塩基配列の解析を行った。その結果、それぞれのDNA断片は、配列番号2で示される塩基配列における813番目から1915番目まで、1936番目から2413番目まで、1226番目から2413番目までの塩基配列を有することが明らかにされた。この塩基配列をもとにリスト6に示される塩基配列の合成DNAプライマーを作成し、Clontech社のMarathon cDNA Amplification Kitを用いてcDNAの両端の塩基配列を解析した。その結果、最終的に配列番号2で示される塩基配列が明らかにされた。
【0035】
Figure 0004229483
【0036】
Figure 0004229483
【0037】
実施例7 (ソラマメcDNAからのラフィノース合成酵素遺伝子のクローニング)配列番号1で示されるアミノ酸配列に基づき設計されたプライマー、すなわち下記リスト7に示される塩基配列を有するプライマーを合成した。本プライマーを用い実施例5により得られたcDNAを鋳型として、実施例6に記載の条件にてPCR反応を行い、オープンリーディングフレーム領域のDNA断片を増幅した。増幅されたDNA断片は用いたプライマーに認識配列が含まれる制限酵素、BamHIとXbaIで切断した後、あらかじめBamHIとXbaIで切断したプラスミドpBluescriptII KS−(Stratagene社)にLigation Kit(TAKARA社)を用いてクローニングした。クローニングしたDNA断片の塩基配列の確認はパーキンエルマー社のABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kitを用いて行った。ここで取得されたクローンの塩基配列は配列番号2の1591番目の位置の塩基がTからCに変化していたが、これはアミノ酸の変化を伴わないnonsense変異であることから、このクローンをpBluescriptKS−RSと名づけ、以後の実験に用いた。
【0038】
Figure 0004229483
【0039】
実施例8 (ソラマメラフィノース合成酵素遺伝子の大腸菌での発現)
実施例7で得られたソラマメラフィノース合成酵素遺伝子を持つプラスミドpBluescriptKS−RSをBamHIとNotIで切断し、同様にBamHIとNotIで切断したプラスミドpGEX−4T3(Pharmacia社)にクローニングし、プラスミドpGEX−RSを得た。
また、pBluescriptKS−RSをNcoIとXbaIで切断し、同様にNcoIとXbaIで切断したプラスミドpTrc99A(Pharmacia社)にクローニングし、プラスミドpTrc−RSを得た。
これらのプラスミドを大腸菌HB101株に導入し、得られた形質転換株でラフィノース合成酵素の発現を確認した。得られた形質転換株の終夜培養液1mlを100mlのLB培地に植菌し、37℃で約3時間培養した後、終濃度1mMのIPTG(isopropylthio-β-D-galactoside)を添加し、さらに5時間培養した。培養液は21,400xgで10分間遠心分離し、菌体を回収した。菌体は-80℃で保存した。凍結した菌体に菌体重量の10倍量の100mM Tris-HCl(pH7.4)、1mM EDTA、5mM DTT(Dithiothreitol)、1mM PMSF(Phenylmethylsulfonyl fluoride)、1mM benzamideを加え、解凍し、菌体を懸濁した。この懸濁液を超音波破砕機(Branson社)で処理し、菌体を破砕した。得られた破砕液を16,000xgで10分間遠心分離し、可溶性蛋白質溶液を回収した。
得られた蛋白質溶液4μlを用いて実施例2に記載の方法に従ってラフィノース合成活性の検討を行った。反応は37℃で64時間行った。コントロールとしてベクターであるpGEX-4T3で形質転換した大腸菌を用いた。その結果を表1に示す。pGEX-RSとpTrc-RSにおいてラフィノースの合成が検出された。
【0040】
表1
HB101(pGEX4T-3)・・・0.56pmol・produced raffinose
HB101(pGEX-RS)・・・10.50pmol・produced raffinose
HB101(pTrc-RS)・・・11.10pmol・produced raffinose
【0041】
実施例9 (ダイズcDNAからのラフィノース合成酵素遺伝子のクローニング)
実施例5と同様の操作によりダイズ(Glycine max)Williams82の未熟種子から得られたcDNAを鋳型として、配列番号1で示されるアミノ酸配列に基づき設計されたプライマー、すなわち下記リスト8に示される塩基配列を有するプライマーを用いてDNA断片を実施例6に記載の条件にてPCRによる増幅を行った。本PCRにより増幅されたDNA断片はTAクローニングキット(Invitrogen社)でクローニングし、パーキンエルマー社のABI PRISM Dye Terminater Cycle Sequencing Ready Reaction Kitを用いてシークエンス反応を行ない、ABI社373S DNA シークエンサーで解析を行った。この配列に基づいて下記のリスト9に示す配列を有するプライマーを合成した。実施例5と同様の操作によりダイズWilliams82の葉から得られたmRNAを用いてClontech社のMarathon KitによるcDNA合成を行い、得られたcDNAはリガーゼにより本キットに含まれるアダプターと結合した。本操作は添付のプロトコールにしたがって実施した。このようにして調製したアダプターが結合したcDNAを用いて、リスト9に示されるプライマーによるPCRを上記と同様に行った。遺伝子の両末端領域の塩基配列の解析はClontech社のMarathon Kitのプロトコールに準じて行った。その結果、配列番号4に示される配列が明らかとなった。
【0042】
Figure 0004229483
【0043】
Figure 0004229483
【0044】
実施例10 (チョロギcDNAからのラフィノース合成酵素遺伝子の取得)
実施例5と同様の操作によりチョロギ(Stachys sieboldii)の葉から得られたcDNAを鋳型として、配列番号1で示されるアミノ酸配列に基づき設計されたプライマー、すなわち下記リスト10に示される塩基配列を有するプライマーを用いて、実施例6に記載の条件にてPCR反応を行いDNA断片を増幅した。本PCRにより増幅されたDNA断片はTAクローニングキット(Invitrogen社)でクローニングし、パーキンエルマー社のABI PRISM Dye Terminater Cycle Sequencing Ready Reaction Kitを用いてシークエンス反応を行ない、ABI社373S DNA シークエンサーで塩基配列の解析を行った。その結果、配列番号6に示される塩基配列が明らかとなった。
ここで得られた塩基配列に基づき、合成DNAプライマーを作製し、実施例12と同様にClontech社のMarathon Kitを用いて解析することにより本遺伝子の両末端領域の塩基配列を得る。
【0045】
Figure 0004229483
【0046】
実施例11 (トウモロコシcDNAからのラフィノース合成酵素遺伝子の取得)
実施例5と同様の操作によりトウモロコシ(Zea mays L.)Pioneer3358の葉から得られたcDNAを鋳型として、配列番号1で示されるアミノ酸配列に基づき設計されたプライマー、すなわち下記リスト11に示される塩基配列を有するプライマーを用いて実施例6に記載の条件にてPCR反応を行いDNA断片を増幅した。本PCRにより増幅されたDNA断片はTAクローニングキット(Invitrogen社)でクローニングし、パーキンエルマー社のABI PRISM Dye Terminater Cycle Sequencing Ready Reaction Kitを用いてシークエンス反応を行ない、ABI社373S DNA シークエンサーで塩基配列の解析を行った。この配列に基づいて下記のリスト12に示す配列を有するプライマーを合成した。実施例5と同様の操作によりトウモロコシ(Zea mays L.)Pioneer3358の葉から得られたmRNAをリガーゼによりClontech社のMarathon Kitに含まれるアダプターと結合した。本操作は添付のプロトコールにしたがって実施した。このようにして調製したアダプターが結合したcDNAを用いて、リスト12に示されるプライマーによるPCRを上記と同様に行った。その結果、配列番号8に示される塩基配列が明らかとなった。
ここで得られた塩基配列に基づき、合成DNAプライマーを作製し、実施例12と同様にClontech社のMarathon Kitを用いて解析することにより本遺伝子の5’末端領域の塩基配列を得る。
【0047】
Figure 0004229483
【0048】
Figure 0004229483
【0049】
実施例12 (35S-ソラマメラフィノース合成酵素遺伝子キメラ遺伝子の植物での発現ベクターの構築)
実施例7で得られたソラマメラフィノース合成酵素遺伝子を持つプラスミドpBluescriptKS−RSを制限酵素BamHIとSacIで切断し、あらかじめBamHIとSacIで切断したバイナリーベクターpBI121(Clontech社)にLigation Kit(TAKARA社)を用いてクローニングした。ここで得られたベクターをpBI121-RSと名づけた。
また、アンチセンス実験のため、あらかじめBamHIとSacIで切断したプラスミドpBI121(Clontech社)をリスト13に示したリンカーとLigation Kit(TAKARA社)を用いてライゲーションし、pBI121(-)を作製した。このpBI121(-)を用いて上記pBI121と同様にしてpBI121(-)-RSを作製した。
また、pBI221を用いて同様のベクターを作製した。実施例7で得られたプラスミドpBluescriptKS−RSを制限酵素BamHIとSacIで切断し、あらかじめBamHIとSacIで切断したベクターpBI221(Clontech社)にLigation Kit(TAKARA社)を用いてクローニングした。ここで得られたベクターをpBI221-RSと名づけた。
また、アンチセンス実験のため、あらかじめBamHIとSacIで切断したプラスミドpBI221(Clontech社)をリスト13に示したリンカーとLigation Kit(TAKARA社)を用いてライゲーションし、pBI221(-)を作製した。このpBI221(-)を用いて上記pBI221と同様にしてpBI221(-)-RSを作製した。
【0050】
Figure 0004229483
【0051】
実施例13 (ソラマメラフィノース合成酵素遺伝子によるカラシナの形質転換)実施例12で作製したベクターpBI121-RSとpBI121(-)-RSを用いてアグロバクテリウム感染方法によりカラシナ(Brassica juncia)の形質転換を行った。
実施例12で作製した2種類のプラスミドpBI121-RSとpBI121(-)-RS各々によって、あらかじめ塩化カルシウム処理でcompetentな状態にしたAgrobacterium tumefaciens(C58C1株:リファンピシン耐性)を形質転換した。形質転換体は導入されたプラスミドが有するカナマイシン耐性遺伝子(neomycin phosphotransferase:NPTII)により付与されるカナマイシンに対する耐性の形質を利用してリファンピシン50μg/ml、カナマイシン25μg/mlを含むLB培地で選択することにより得られた。
得られた形質転換体であるアグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens C58株:RifR)をリファンピシン50μg/ml、カナマイシン25μg/mlを含むLB培地で28℃で一昼夜培養し、得られた菌液を以下に記載される方法によるカラシナの形質転換に用いた。
カラシナ種子を1/2MS培地、2% sucrose、0.7% agarに無菌播種した。1週間後、発芽した植物の子葉と葉柄をメスで切り取り、MS培地、3% sucrose、0.7% agar、4.5μM BA、0.05μM 2.4-D、3.3μM AgNO3に移し、1日間前培養した。上記のアグロバクテリウムの培養液を1000倍希釈したものに前培養した子葉と葉柄を移し、5分間感染した。感染した子葉と葉柄を前培養と同じ培地に再び移し、3から4日間培養した。培養した子葉と葉柄はMS培地、3% sucrose、4.5μM BA、0.05μM 2.4-D、3.3μM AgNO3、500mg/l cefotaximに移し、1日間振盪しながら除菌した。除菌した子葉と葉柄はMS培地、3% sucrose、0.7% agar、4.5μM BA、0.05μM 2.4-D、3.3μM AgNO3、100mg/l cefotaxim、20mg/l カナマイシンに移し、3から4週間培養した。次に子葉と葉柄をMS培地、3% sucrose、0.7% agar、4.5μM BA、0.05μM 2.4-D、100mg/l cefotaxim、20mg/l カナマイシンに移し、培養した。この培地での培養を3から4週間で植え継ぎしながら継続した。シュートが再生してきたら、シュートをMS培地、3% sucrose、0.7% agar、20mg/l カナマイシンに植え継ぎ、3から4週間培養した。発根した植物体はバーミキュライト:ピートモス=1:1に移し、21から22℃で12時間:12時間=昼/夜で馴化した。植物体の成長に伴い、適宜培養土で栽培した。再生した植物体の葉から上記の方法に従ってゲノムDNAを抽出し、下記リスト14に記したプライマーを用いたPCRにより遺伝子の植物体ゲノムへの挿入を確認した。
【0052】
Figure 0004229483
【0053】
実施例14 (ソラマメラフィノース合成酵素遺伝子によるダイズ不定胚の形質転換)
ダイズ品種「Fayette」不定胚培養細胞(400から500mgFW)を6cmの寒天プレートの中央部、直径20mmの円周内に一層にして並べた。35S-ソラマメラフィノース合成酵素遺伝子キメラ遺伝子を持つ、実施例14で作製した2種類のプラスミドpBI221-RSとpBI221(-)-RS各々を、特願平3-291501に開示された内容に従ってダイズ不定胚に導入した。即ち、組織培養、20、323頁-327頁 (1994)に記載された選抜用β-グルクロニダーゼ(GUS)/ハイグロマイシン耐性遺伝子(HPT)同時発現ベクターpSUM-GH:NotIと混合した。これらの混合プラスミドを上記のダイズ不定胚にパーティクルガン(800mg/コーティング金粒子200μg/shot、プロジェクタイルストッパー/試料間距離100mmの条件)により遺伝子導入した。導入後、ハイグロマイシン25〜50μg/mlを含むMS改変増殖液体培地(Sigma社)を用い、25℃、16時間照明下で旋回培養し、形質転換不定胚を選抜した。
約3ヶ月後に選抜された黄緑色で増殖能を保持したハイグロマイシン耐性ダイズ不定胚について、上記リスト14に示すプライマーを用いてPCRを行うことにより、ソラマメラフィノース合成酵素遺伝子領域の増幅の有無を調べる。これによりダイズ染色体へのソラマメラフィノース合成酵素遺伝子の挿入を確認する。
さらに得られた不定胚から植物個体の再生を行い、ソラマメラフィノース合成酵素遺伝子による形質転換体ダイズを取得する。
【0054】
(培地の組成)
LB培地
bacto-tryptone 10g
bacto-yeast extract 5g
NaCl 10g /1 liter H2O (pH7.0)
MS培地
KNO3 2022mg/l
NH4NO3 1650mg/l
NH4Cl 2140mg/l
KH2PO4 170mg/l
MgSO4・7H2O 370mg/l
CaCl2・2H2O 440mg/l
MnSO4・4H2O 22.3mg/l
ZnSO4・7H2O 8.6mg/l
CuSO4・5H2O 0.025mg/l
KI 0.83mg/l
CoCl2・6H2O 0.025mg/l
H3BO3 6.2mg/l
NaMoO4・2H2O 0.25mg/l
FeSO4・7H2O 27.8mg/l
Na2EDTA 37.3mg/l
nicotinic acid 0.5mg/l
thiamine HCl 1mg/l
pyridoxine HCl 0.5mg/l
Inositol 100mg/l
glycine 2mg/l
【0055】
(表の簡単な説明)
1.表1:
表1は、記載された条件下で反応した際、20μlの反応液中で各大腸菌蛋白質抽出液により産生されたラフィノース量を示す。
【0056】
(配列の簡単な説明)
1.配列番号1:
配列番号1に示される配列は、ソラマメより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子にコードされるラフィノース合成酵素蛋白質のアミノ酸配列を示す。
2.配列番号2:
配列番号2に示される配列は、ソラマメより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA塩基配列を示す。
3.配列番号3:
配列番号3に示される配列は、ダイズより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子にコードされるラフィノース合成酵素蛋白質のアミノ酸配列を示す。
4.配列番号4:
配列番号4に示される配列は、ダイズより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA塩基配列を示す。
5.配列番号5:
配列番号5に示される配列は、チョロギより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子にコードされるラフィノース合成酵素蛋白質のアミノ酸配列を示す。
6.配列番号6:
配列番号6に示される配列は、チョロギより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA塩基配列を示す。
7.配列番号7:
配列番号7に示される配列は、トウモロコシより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子にコードされるラフィノース合成酵素蛋白質のアミノ酸配列を示す。
8.配列番号8:
配列番号8に示される配列は、トウモロコシより取得されたラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA塩基配列を示す。
9.リスト1:
リスト1に示される配列は、ラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA断片の増幅に用いられるプライマーの塩基配列の一例を示す。いずれも非翻訳領域の塩基配列に基づいている。プライマー1はソラマメ由来ラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA断片の5'-末端領域に相当するセンスプライマー、プライマー2と3は3'-末端領域に相当しアンチセンスプライマーである。プライマー4はダイズ由来ラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA断片の5'-末端領域に相当するセンスプライマー、プライマー5と6は3'-末端領域に相当しアンチセンスプライマーである。目的に応じて適当にこの塩基配列の5'-末端に適当な制限酵素の認識配列を加えることができる。
10.リスト2:
リスト2に示される配列は、ラフィノース合成酵素遺伝子のcDNAのラフィノース合成酵素蛋白質のアミノ酸配列をコードしているオープンリーディングフレームの増幅に用いられるプライマーの塩基配列の一例を示す。プライマー1と2はソラマメ由来ラフィノース合成酵素蛋白質のN末端領域に相当するセンスプライマー、プライマー3と4はソラマメ由来ラフィノース合成酵素蛋白質のC末端領域に相当するアンチセンスプライマーである。プライマー5と6はダイズ由来ラフィノース合成酵素蛋白質のN末端領域に相当するセンスプライマー、プライマー7と8はダイズ由来ラフィノース合成酵素蛋白質のC末端領域に相当するアンチセンスプライマーである。目的に応じて適当にこの配列の5'-末端に適当な制限酵素の認識配列を加えることができる。
11.リスト3:
リスト3に示されるアミノ酸配列は、ラフィノース合成酵素蛋白質の部分アミノ酸配列を示す。
#1は配列番号1において110番目から129番目までのアミノ酸配列に相当する。
#2は配列番号1において234番目から247番目までのアミノ酸配列に相当する。
#3は配列番号1において265番目から279番目までのアミノ酸配列に相当する。
#4は配列番号1において296番目から312番目までのアミノ酸配列に相当する。
#5は配列番号1において346番目から361番目までのアミノ酸配列に相当する。
#6は配列番号1において383番目から402番目までのアミノ酸配列に相当する。
#7は配列番号1において411番目から433番目までのアミノ酸配列に相当する。
#8は配列番号1において440番目から453番目までのアミノ酸配列に相当する。
#9は配列番号1において457番目から468番目までのアミノ酸配列に相当する。
#10は配列番号1において471番目から516番目までのアミノ酸配列に相当する。
#11は配列番号1において517番目から559番目までのアミノ酸配列に相当する。
#12は配列番号1において574番目から582番目までのアミノ酸配列に相当する。
#13は配列番号1において586番目から609番目までのアミノ酸配列に相当する。
#14は配列番号1において615番目から627番目までのアミノ酸配列に相当する。
#15は配列番号1において716番目から724番目までのアミノ酸配列に相当する。
12.リスト4:
リスト4に示される配列は、リスト3に示されたアミノ酸配列の一部に基づいて合成されたプライマーの一例を示す。プライマー番号の後のFはこのプライマーがセンスの配列であることを、RVはこのプライマーがアンチセンスの配列であることを示す。プライマー1は配列番号1で119番目のアミノ酸から129番目のアミノ酸配列に相当する。プライマー2は配列番号1で234番目のアミノ酸から247番目のアミノ酸配列に相当する。プライマー3は配列番号1で265番目のアミノ酸から279番目のアミノ酸配列に相当する。プライマー4は配列番号1で458番目のアミノ酸から468番目のアミノ酸配列に相当する。プライマー5は配列番号1で522番目のアミノ酸から534番目のアミノ酸配列に相当する。プライマー6は配列番号1で716番目のアミノ酸から724番目のアミノ酸配列に相当する。
13.リスト5:
リスト5に示される塩基配列は、精製されたソラマメのラフィノース合成酵素蛋白質の部分アミノ酸配列に基づいて合成されたプライマーである。括弧内で示した塩基はその塩基の混合物を合成に用いたことを示す。プライマー番号の後のRVはこのプライマーがアンチセンスの配列であることを示す。
14.リスト6:
リスト6に示される配列は、ソラマメのラフィノース合成酵素遺伝子のcDNA塩基配列の両端をRACE法で解析する際に用いたプライマーの塩基配列を示す。プライマー番号の後のRVはこのプライマーがアンチセンスの配列であることを示す。
15.リスト7:
リスト7に示される配列は、ソラマメのラフィノース合成酵素遺伝子のクローニングの際に用いたプライマーの塩基配列を示す。
RS-NはオープンリーディングフレームのN末端領域に相当し、BamHIとNcoIの制限酵素認識部位を5’-末端側に含む。RS-CはオープンリーディングフレームのC末端領域に相当するアンチセンスのプライマーで、XbaIの制限酵素認識部位を5’-末端側に含む。
16.リスト8:
リスト8に示される配列は、ダイズのラフィノース合成酵素遺伝子断片のクローニングに用いたプライマーの塩基配列を示す。Iで示した塩基はイノシンを合成に用いたことを示す。プライマー番号の後のRVはこのプライマーがアンチセンスの配列であることを示す。
17.リスト9:
リスト9に示される配列は、ダイズのラフィノース合成酵素遺伝子断片のcDNA塩基配列の解析の際に用いたプライマーの塩基配列を示す。プライマー番号の後のRVはこのプライマーがアンチセンスの配列であることを示す。
SN-1とSC-3RVを用いたPCRにより遺伝子内部の塩基配列の解析を行った。SC-5とSC-6は3’-末端領域、SN-3RVとSN-4RVは5’-末端領域の塩基配列の解析に用いた。
18.リスト10:
リスト10に示される配列は、チョロギのラフィノース合成酵素遺伝子断片のcDNA塩基配列の解析の際に用いたプライマーの塩基配列を示す。Iで示した塩基はイノシンを合成に用いたことを示す。プライマー番号の後のRVはこのプライマーがアンチセンスの配列であることを示す。
それぞれ1-Fと4-RV、2-Fと6-RVの組み合わせでPCRを行った。
19.リスト11:
リスト11に示される配列は、トウモロコシのラフィノース合成酵素遺伝子断片のcDNA塩基配列の解析の際に用いたプライマーの塩基配列を示す。Iで示した塩基はイノシンを合成に用いたことを示す。プライマー番号の後のRVはこのプライマーがアンチセンスの配列であることを示す。
20.リスト12:
リスト12に示される配列は、トウモロコシのラフィノース合成酵素遺伝子断片のcDNA塩基配列の解析の際に用いたプライマーの塩基配列を示す。
M-10とM-11は3’-末端領域の塩基配列の解析に用いた。
21.リスト13:
リスト13に示される配列は、アンチセンス実験用のベクターの構築に用いたアダプターの塩基配列を示す。これらの合成DNAは相補鎖のため、混合することで二本鎖となる。このアダプターは両端に制限酵素BamHIとSacIの切断部位の付着末端を持ち、二本鎖領域にBamHIとSacIの認識部位を持つ。
22.リスト14:
リスト9に示される配列は、組換え体植物の染色体への遺伝子導入を確認するPCR実験で用いたプライマーの塩基配列を示す。35Sは35Sプロモーター部位の下流向きのプライマー、NOSはNOSのターミネーター部位の上流向きのプライマーである。RS-Fはソラマメラフィノースシンターゼ遺伝子のセンス、RS-RVはアンチセンスのプライマーである。
【0057】
【発明の効果】
本発明により、ラフィノース合成酵素遺伝子等を提供することが可能となった。
【0058】
【配列表】
Figure 0004229483
Figure 0004229483
Figure 0004229483
Figure 0004229483
【0059】
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、塩基配列にコードされるアミノ酸の対応を示すコドン表である。コドンは、5’-末端が左側にくるように示し、mRNAにおける塩基配列を示している。UはRNAにおけるウラシル塩基を示しており、DNAにおいてはチミン塩基に相当する。
【図2】図2は、ラフィノース合成酵素遺伝子の大腸菌発現用プラスミドの構築を示したものである。プラスミドpBluescriptKS-RSはラフィノース合成酵素をクローニングしたプラスミドであり、RSはラフィノース合成酵素遺伝子を示し、図の上部に示した塩基配列は該ラフィノース合成酵素遺伝子の両末端部分の塩基配列を示したものである。小文字で示した配列はベクターであるpBluescriptII KS-に由来する塩基配列を示す。箱で囲った塩基配列はそれぞれラフィノース合成酵素遺伝子の翻訳開始コドン(ATG)、終止コドン(TGATAA)を示す。塩基配列の上に制限酵素認識部位を示す。pGEX-RSおよびpTrc-RSはラフィノース合成酵素遺伝子の大腸菌発現用プラスミドである。Ptacはtacプロモーター、Ptrcはtrcプロモーター、GSTはグルタチオン-S-トランスフェラーゼ遺伝子、lacIqはラクトースリプレッサー遺伝子、rrnBはリボゾーマルRNA転写終了シグナルを示す。
【図3】図3は、ラフィノース合成酵素遺伝子とプロモーターが連結されてなるキメラ遺伝子の植物における発現ベクターの構築を示したものである。プラスミドpBluescriptKS-RSにクローニングされたラフィノース合成酵素遺伝子の制限酵素地図を下に示す。pBI221RSおよびpBI221(-)RSはダイズへの形質転換に用いた発現ベクターの制限酵素地図を示す。35Sはカリフラワーモザイクウイルス由来の35Sプロモーター、NOSはノパリン合成酵素遺伝子ターミネーターを示す。
【図4】図4は、ラフィノース合成酵素遺伝子とプロモーターが連結されてなるキメラ遺伝子の植物における発現ベクターの構築を示したものである。プラスミドpBluescriptKS-RSにクローニングされたラフィノース合成酵素遺伝子の制限酵素地図を上に示す。pBI121RSおよびpBI121(-)RSはカラシナへの形質転換に用いたバイナリーベクターの制限酵素地図を示す。該バイナリーベクターについてはライトボーダーとレフトボーダーの間の領域のみを示す。35Sはカリフラワーモザイクウイルス由来の35Sプロモーター、NOSはノパリン合成酵素遺伝子ターミネーター、NPTはカナマイシン耐性遺伝子を示す。

Claims (20)

  1. 以下の(a)または(b)の蛋白質をコードする塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子。
    (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質。
    (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基に、ガラクチノールに由来するD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有する蛋白質。
  2. 配列番号2に示される塩基配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子。
  3. 下記(a)または(b)のアミノ酸配列からなり、かつショ糖分子中のD-グルコース残基の6位炭素原子に結合するヒドロキシル基に、ガラクチノールに由来するD-ガラクトシル基をα(1→6)結合させることによりラフィノースを生成させる能力を有することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質。
    (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列。
    (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列。
  4. 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質。
  5. 請求項2記載のラフィノース合成酵素遺伝子の部分塩基配列を有し、かつ前記ラフィノース合成酵素遺伝子に特異的に結合し得ることを特徴とする塩基数が15以上50以下の遺伝子断片。
  6. 請求項5記載の遺伝子断片が標識されてなるプローブを生物由来のゲノムDNA断片またはcDNA断片にハイブリダイズさせて前記プローブが特異的に結合したDNA断片を検出することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の検出方法。
  7. 請求項5記載の遺伝子断片が標識されてなるプローブを植物由来のゲノムDNA断片またはcDNA断片にハイブリダイズさせて前記プローブが特異的に結合したDNA断片を検出することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の検出方法。
  8. 請求項5記載の遺伝子断片の塩基配列を有するプライマーを生物由来のゲノムDNAまたはcDNAにアニールさせてPCR(Polymerase Chain Reaction)反応を行ないDNA断片を増幅することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の増幅方法。
  9. 請求項5記載の遺伝子断片の塩基配列を有するプライマーを植物由来のゲノムDNAまたはcDNAにアニールさせてPCR(Polymerase Chain Reaction)反応を行ないDNA断片を増幅することを特徴とするラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片の増幅方法。
  10. 請求項6、7、8または9記載の方法によりラフィノース合成酵素遺伝子またはその部分塩基配列を有する遺伝子断片を含むDNA断片を特定し、特定された前記DNA断片を単離・精製する工程を含むことを特徴とする前記DNA断片の取得方法。
  11. プロモーターと請求項1または2記載のラフィノース合成酵素遺伝子が連結されてなることを特徴とするキメラ遺伝子。
  12. 請求項11記載のキメラ遺伝子が宿主細胞内に導入されてなることを特徴とする形質転換体。
  13. 請求項1、2または11記載の遺伝子を含有することを特徴とするプラスミド。
  14. 請求項13記載のプラスミドが宿主細胞内に導入されてなることを特徴とする形質転換体。
  15. 宿主細胞が微生物であることを特徴とする請求項14記載の形質転換体。
  16. 宿主細胞が植物細胞であることを特徴とする請求項14記載の形質転換体。
  17. 請求項1、2または11記載の遺伝子を宿主植物またはその細胞に導入し、宿主植物またはその細胞内のラフィノース類オリゴ糖量を変化させることを特徴とする代謝改変方法。
  18. 請求項15記載の微生物を培養して得られる培養物からラフィノース合成酵素蛋白質を単離・精製することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質の製造方法。
  19. 請求項3または4記載のラフィノース合成酵素蛋白質に対して結合能力を有することを特徴とする抗ラフィノース合成酵素抗体。
  20. 請求項19記載の抗ラフィノース合成酵素抗体を供試蛋白質に作用させ、前記抗体とラフィノース合成酵素蛋白質との抗原抗体反応によりラフィノース合成酵素蛋白質を検出することを特徴とするラフィノース合成酵素蛋白質の検出方法。
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