JP4229362B2 - 配線用遮断器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端部にねじ端子を備えた縦分割ケース式の配線用遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
縦分割ケース式の配線用遮断器は、幅方向に複数枚に分割された樹脂製の分割ケース片を連結ねじによって相互に固定して中空のケースを構成し、その内部に機器や基板などを収納したものである。そして端子装置としてねじ端子を用いたものでは、当然ながら金属製のねじ端子が樹脂製の分割ケース片の端部内側に収納されている。
【0003】
ところがこのようなねじ端子を備えた縦分割ケース式の配線用遮断器においては、ねじ端子1に電線を締め付ける際や電線を取り外す際に、図7に示すようにねじ端子1の箱形端子2に回転力が作用して左右の分割ケース片3、4に外向きに大きい荷重を加える。従来一般には、図8のように連結ねじ5の位置は内部機器との干渉を避けてケース端部よりもやや内側とされて、連結ねじ5,5の固定箇所を結ぶ一点鎖線よりも外側に、前記した荷重が加わる点であるねじ端子1と左右の分割ケース片3、4との接触部があるため、ねじ端子1に強い回転力が作用すると分割ケース片3、4が外側に押し広げられて弾性的に変形し、ケースの端部に隙間を生ずるという問題があった。このような隙間は端子部の性能低下を招くこととなるので好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決し、電線を着脱するためにねじ端子に強い回転力が加えられても、ケース端部に隙間を生ずることのない縦分割ケース式の配線用遮断器を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の配線用遮断器は、端部にねじ端子を備えた縦分割ケース式の配線用遮断器において、各分割ケース片を相互に固定するケース固定部を、ねじ端子よりも更にケースの外側に設けるとともに、ねじ端子とケースとの隙間を、ケースの幅方向よりもケースの長手方向に狭くなるように設定したことを特徴とするものである。なお、左右の分割ケース片にボスを突設させ、これらのボスの先端面を接触させて固定するようにしておけば、ケースの端部に限りなく近い位置にケース固定部を設置することができるので好ましい。
【0006】
本発明の配線用遮断器は、各分割ケース片を相互に固定するケース固定部を、ねじ端子よりも更にケースの外側に設けたことにより、ねじ端子に電線を強く締め付けた場合に開こうとするケース端部を直接拘束することができ、分割ケース片の間に隙間が発生することを防止できる。しかもねじ端子とケースとの隙間をケースの幅方向よりもケースの長手方向に狭くなるように設定したので、ねじ端子の回転力がケースを開く方向には作用しないので好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、本実施形態の配線用遮断器のケース10は幅方向に分割された3枚の分割ケース片11、12、13を合体させて構成したもので、各分割ケース片11、12、13の形状は図2に示すとおりである。
【0008】
15、16はケース10の負荷側の端部に収納されたねじ端子である。図3に示すように、ねじ端子15、16は中央の分割ケース片12の両側に上下に段差を付けて収納され、ケース10の幅方向にオーバーラップできるようになっている。ねじ端子15、16は金属製の箱型端子とねじ14を組み合わせたもので、箱型端子の内部に電線を挿入し、ねじ14を締め付けることによって電線を固定する構造のものである。
【0009】
各分割ケース片11、12、13は、ケース固定部17に連結ねじ18を挿通することによって相互に連結されている。具体的には、図4に示すように左右両側の分割ケース片11、13の端部にボス19、19を突設するとともに、中央の分割ケース片12にはこれらのボス19、19が挿入される逃がし部20を形成しておく。そしてボス19、19の先端面を接触させた状態で連結ねじ18もしくはかしめ部材を挿通して締め付けることにより、3枚の分割ケース片11、12、13を一体化している。このような構造を取ることにより、ケース10の端部に限りなく近い位置にケース固定部17を設置できることとなる。
【0010】
図5に示すように、本発明ではこのケース固定部17が上下いずれのねじ端子15、16よりも更にケースの外側に設けられている。詳しくは、各々のケース固定部17,17を結ぶ一点鎖線よりも外側に、ねじ端子15のケース作用する力a,a´と、ねじ端子16のケース作用する力b,b´がケースに作用する接触位置を設けている。このためねじ端子15、16に電線を固定する際あるいは電線を取り外す際に、ねじ端子15、16に回転力が作用し、図6に示すように両側の分割ケース片11、13を押し広げる方向の力が作用しても、ケース10の端部が連結ねじ18により直接拘束されているので、ケース10の端部が開いて隙間を生ずることはない。
【0011】
なお図6に示すように、ねじ端子15、16とケース10との隙間を、ケース10の幅方向の隙間よりもケース10の長手方向の隙間の方が狭くなるように設定しておくものとする。図6ではケース10のねじ端子収納部の長手方向内面に突起21を設け、ねじ端子15、16にねじが締まる方向の回転力が作用したときにこれらの突起21の部分でケース10と当たるようにしてある。
【0012】
このような構造とすれば、ねじ端子15、16に作用する回転力は両側の分割ケース片11、13を互いに長手方向の反対側に押すように作用するが、この方向は連結ねじ18をせん断する方向であるから、両側の分割ケース片11、13が移動するおそれはない。またねじ端子15、16は両側の分割ケース片11、13を押し広げる方向には作用しないので、ケース10の端部が開いて隙間を生ずることをより確実に防止することができる。
【0013】
なおこの実施形態では、ねじ端子15、16のねじが締まる方向の回転力が作用したときに当接する突起10を図6で示す分割ケース片11の右側、分割ケース片13の左側に設けたが、ねじが弛む方向の回転力が作用するときに分割ケース片11の左側、分割ケース片13の右側に突起21を追加してもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の配線用遮断器は各分割ケース片を相互に固定するケース固定部を、ねじ端子よりも更にケースの外側に設けたものであるから、ねじ端子に電線を着脱する際に生ずるねじ端子の回転力により、分割ケース片の端部間に隙間が発生することを防止できる。また本発明では、ねじ端子とケースとの隙間をケースの幅方向よりもケースの長手方向に狭くなるように設定したことにより、ねじ端子の回転力がケースを開く方向に作用しないので、より確実に分割ケース片の端部間に隙間が発生することを防止できる。また請求項2の発明のように左右の分割ケース片にボスを突設させ、これらのボスの先端面を接触させて固定するようにしておけば、ケース端部に限りなく近い位置にケース固定部を設置することができる。この結果、本発明によれば端子部の性能低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線用遮断器を示す(A)正面図、(B)側面図である。
【図2】各分割ケース片を示す側面図である。
【図3】分割ケース片とねじ端子との関係を示す分解図である。
【図4】分割ケース片の連結構造を示す分解図と要部断面図である。
【図5】ケース固定部とねじ端子との位置関係を示す図面である。
【図6】本発明の作用を示す断面図である。
【図7】従来技術を示す断面図である。
【図8】従来技術を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ねじ端子
2 箱形端子
3 分割ケース片
4 分割ケース片
5 連結ねじ
10 ケース
11 分割ケース片
12 中央の分割ケース片
13 分割ケース片
14 ねじ
15 ねじ端子
16 ねじ端子
17 ケース固定部
18 連結ねじ
19 ボス
20 逃がし部
21 突起
Claims (2)
- 端部にねじ端子を備えた縦分割ケース式の配線用遮断器において、各分割ケース片を相互に固定するケース固定部を、ねじ端子よりも更にケースの外側に設けるとともに、ねじ端子とケースとの隙間を、ケースの幅方向よりもケースの長手方向に狭くなるように設定したことを特徴とする配線用遮断器。
- 左右の分割ケース片にボスを突設させ、これらのボスの先端面を接触させて固定した請求項1に記載の配線用遮断器。
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- 2002-07-29 JP JP2002219475A patent/JP4229362B2/ja not_active Expired - Fee Related
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