JP4229304B2 - 板状体のフレームへの止着構造並びに止具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温室、アーケード、室内プール、畜産施設、採光シェルター、防音壁などの各種建造物において屋根板や壁板をフレームに止着する場合、或は、バルコニーやベランダにおいて防水パネルパンをフレーム(根太)に止着する場合などに好適に採用される、板状体のフレームへの止着構造と、便利な止具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、C形チャンネル材などの金属製のフレームに板状体を止着する場合は、一般に図14(a)(b)(c)に示すような止着手段が採用されている。
【0003】
即ち、図14(a)は合板などの板状体101を止着する場合に採用されるもので、板状体101にサート102を埋め込むと共に、止具103としてSS400等の軟鋼片を曲げ加工してV形係合部103aと水平取付部103bを一体形成した止具を使用し、この止具103のV形係合部103aをC形チャンネル材からなるフレーム104の開放端縁に下方から係合させて、水平取付部103bの孔からビス105をサート102にねじ込んで固定したものである。
【0004】
また、図14(b)は接着剤、粘着剤、両面粘着テープ等の接合材料106を介して板状体101をフレーム104に接合固定したものであり、図14(c)はフレーム104をL形のボルト107で下方から支持させると共に、板状体101を貫通させた該ボルト107の上端をナット108で締付固定したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14(a)の止着構造では、止具103の取付位置が決まっているため、取付調整が難しく作業性が悪いという問題があり、しかも、風圧等による上向きの力が板状体101に繰り返し作用すると、止具103が軟鋼製であるため、V形係合部103aの開き角が徐々に大きくなって、やがてはフレーム104との係合が外れてしまうという心配があった。また、この図14(a)の止着構造は、サート102を埋め込むことができない薄手の合成樹脂板や金属板をフレームに止着する場合には適用できないという欠点もあった。
【0006】
そして、図14(b)の止着構造では、接合材料106が経時的に劣化して板状体101の固定力が低下するため、風圧等による上向きの力が作用すると、板状体101が飛んでしまう恐れがあった。
【0007】
更に、図14(c)の止着構造では、フレーム104の位置に合わせて板状体101にボルト挿通孔を穿孔しなければならないため作業性が悪く、ボルト挿通孔の位置がずれると取付調整が難しいという問題があり、しかも、このボルト挿通孔から漏水しやすいという問題があった。
【0008】
また、図14(a)(c)に用いられるJ形の止具103やL形のボルト107は、図15に例示する防水パネルパン109のような凹凸のある板状体をフレーム104に止着する場合には使用し難いものであり、また、漏水という観点からも用途的に問題があるため、このような凹凸板状体に適した止具の開発も希求されている。
【0009】
本発明は上記の問題に対処すべくなされたもので、止着作業性が良く取付調整も容易であり、止着強度が大きいため風圧等で板状体が離脱する心配がない板状体のフレームへの止着構造と、それに用いる止具を提供することを目的としている。そして、好ましい実施形態では、凹凸のある板状体を簡単且つ堅固に止着できる施工性に優れた止着構造と、その止具を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る板状体のフレームへの止着構造は、ヘッド金具と金属線材とで構成される止具を用いて板状体をフレームに止着する構造であって、
上記金属線材は、曲げ加工により一方の線材部と他方の線材部との間に巻線部が形成されると共に、他方の線材部にフック部が形成され、双方の線材部の夾角が鋭角とされたものであって、この一方の線材部の先端が上記ヘッド金具に揺動自在に連結されて上記止具が構成されており、
上記板状体に上記止具のヘッド金具が取着され、上記金属線材の他方の線材部が上記フレームに板状体と反対側から弾性的に係止されると共に、上記フック部が上記フレームの角部に引掛かって、上記板状体が上記フレームに止着されていることを特徴とするものである。
【0011】
この止着構造に用いる止具の金属線材は、巻線部の形成によってバネ力が付与されたものであるため、該金属線材の双方の線材部をその夾角が大きくなるように弾性的に拡開してフレームに取付けると、その弾性復元力によって上記のように金属線材の他方の線材部がフレームに板状体と反対側から弾性的に係止されると共に、この他方の線材部に形成されたフック部がフレームの角部に引掛かり、板状体がフレームから離反する方向に該金属線材を引張っても、該金属線材はフレームから簡単に外れないようになる。従って、風圧等によりフレームから離反する方向の力が板状体に作用しても、止具の金属線材はフレームから簡単に外れないので、板状体がフレームから離脱したり飛んだりする心配が激減し、よほど大きい力が作用しない限り、金属線材の双方の線材部が大きく鈍角に開いてフック部の引掛かりが外れ止具が板状体と共にフレームから離脱するようなことはない。
【0012】
また、止具の金属線材は、その一方の線材部の先端がヘッド金具に揺動自在に連結されているため、上記のように双方の線材部を弾性的に拡開したまま、一方の線材部の先端を中心に金属線材をフレームに向かって回動させることにより、ワンタッチで簡単に金属線材をフレームに取付けることができるので、止着作業性が良好である。そして、板状体に取着された止具のヘッド金具の位置がフレームから多少ずれている場合でも、金属線材の傾き(特に一方の線材部の傾き)を変えることにより容易に調整して止着することができる。
【0013】
次に、本発明の請求項2に係る止着構造は、上記請求項1の止着構造に於て、止具のヘッド金具に金属線材の線径より大きい孔が形成され、金属線材の一方の線材部の先端に形成された屈曲部が上記孔に遊挿、係着されて揺動自在に連結されていることを特徴とするものである。
【0014】
かかる揺動自在な連結手段を採用すると、ヘッド金具の孔あけ加工や金属線材の一方の線材部先端の曲げ加工が簡単でヘッド金具と金属線材を容易に連結することができ、しかも、金属線材の揺動方向に孔を適宜拡大することによって、金属線材の最大揺動角度を所望の角度となるように調節することができる。
【0015】
次に、本発明の請求項3に係る止着構造は、上記請求項1又は2の止着構造に於て、止具の金属線材の巻線部が、双方の線材部の内側に挟まれるように形成された一巻の巻線部であり、この巻線部がフレームの板状体支持面と反対面に接触又は接近していることを特徴とするものである。
【0016】
このように金属線材の双方の線材部の内側に形成された巻線部がフレームの板状体支持面と反対面に接触又は接近していると、フレームから離反する方向の力が板状体に作用したとき、この巻線部がフレームの反対面に当接して他方の線材部が弾性的に拡開するのを阻止するため、金属線材がフレームから一層外れ難くなって止着強度が更に向上する。また、金属線材の巻線部が一巻の巻線部であると、二巻以上の巻線部を形成する場合のように、双方の線材部を弾性的に拡開したときに巻線相互間が伸びて双方の線材部が非平行に拡開する欠点が生じることもない。
【0017】
次に、本発明の請求項4に係る止着構造は、上記請求項1〜3のいずれかの止着構造に於て、止具の他方の線材部のフック部より先端寄りに、鋭角に折曲された爪部が形成されており、この爪部が、C字形の断面形状を有するフレームの開放端縁に係合し又は係合可能となっていることを特徴とするものである。
【0018】
このように鋭角に折曲された爪部がC字形断面形状のフレームの開放端縁に係合し又は係合可能になっていると、金属線材がフレームからより一層外れ難くなるため、止着強度が顕著に向上する。
【0019】
次に、本発明の請求項5に係る止着構造は、上記請求項1〜4のいずれかの止着構造に於て、止具の金属線材が、ステンレス製又はバネ鋼製の1〜3mmの線径を有する線材であることを特徴とするものである。
【0020】
このような金属線材を使用すると、止着強度、弾性復元力、作業性、加工性などのトータル的なバランスが向上する。
【0021】
次に、請求項6に係る止着構造は、上記請求項1〜5のいずれかの止着構造に於て、板状体が下広がりの凹条部と上広がりの凸条部を交互に連成した凹凸板状体であり、止具のヘッド金具は金属片をV字形に折曲したもので、板状体の凸条部に対応した上広がりの形状となるように、該金具の長手方向両端が斜めに切断されており、このヘッド金具が板状体の凸条部の内側に嵌め込まれて係着されていることを特徴とするものである。
【0022】
このような止着構造は、止具のヘッド金具を板状体の凸条部の内側に嵌め込んで係着するだけで簡単にヘッド金具を板状体に取着できるため作業性が極めて良好であり、しかも、凸条部の任意の位置に取着できるので取付調整が極めて容易である。そして、ヘッド金具はV字形で、かつ、長手方向両端が斜めに切断されているので、平板のような形状のものに比べ、構造的に剛性が高く、また、このようなヘッド金具は凸条部の内側で安定よく係着するため、取付け作業の容易性に加えて、凸条部からのヘッド金具の離脱を確実に防ぐことができ、しかも、板状体に孔を開ける必要がないので、漏水の心配も皆無である。従って、この止着構造は、前述の防水パネルパン109をフレーム(根太)104に止着する場合に、極めて好適に採用することができる。
【0023】
一方、本発明の請求項7に係る止具は、板状体をフレームに止着するための、ヘッド金具と金属線材とから成る止具であって、上記金属線材は、曲げ加工により一方の線材部と他方の線材部との間に巻線部が形成されると共に、他方の線材部にフック部が形成され、双方の線材部の夾角が鋭角とされたものであり、上記ヘッド金具に一方の線材部の先端が揺動自在に連結されていることを特徴とするものである。
【0024】
そして、本発明の請求項8に係る止具は、上記請求項7の止具に於て、そのヘッド金具に金属線材の線径より大きい孔が形成され、金属線材の一方の線材部の先端に形成された屈曲部が上記孔に遊挿、係着されて揺動自在に連結されていることを特徴とするものであり、
本発明の請求項9に係る止具は、上記請求項7又は8の止具に於て、その金属線材の巻線部が、双方の線材部の内側に挟まれるように形成された一巻の巻線部であることを特徴とするものであり、
本発明の請求項10に係る止具は、上記請求項7〜9のいずれかの止具に於て、その金属線材の他方の線材部のフック部より先端寄りに、鋭角に折曲された爪部が形成されていることを特徴とするものであり、
本発明の請求項11に係る止具は、上記請求項7〜10のいずれかの止具に於て、その金属線材が、ステンレス製又はバネ鋼製の1〜3mmの線径を有する線材であることを特徴とするものであり、
本発明の請求項12に係る止具は、上記請求項7〜11のいずれかの止具に於て、そのヘッド金具が金属片をV字形に折曲したもので、前記板状体に形成された上広がりの凸条部に対応した上広がりの形状となるように、該金具の長手方向両端が斜めに切断されていることを特徴とするものである。
【0025】
これら請求項7〜12の止具はいずれも、板状体をフレームに止着するときに使用され、前述した請求項1〜6の止着構造で板状体をフレームに止着するものであり、請求項1〜6で述べたのと同様の作用効果を奏するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態に係る止具の正面図、図2は同止具の断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は同止具を用いた本発明の板状体のフレームへの止着構造の一実施形態を示す断面図、図5は同止着構造のフレームの長手方向に沿った断面図である。
【0028】
この止具1は、図5に示すような凹凸板状体2、即ち、下広がりの凹条部2aと上広がりの凸条部2bが交互に連成された凹凸板状体2をフレーム3に止着する場合に使用されるものであって、ヘッド金具1aと金属線材1bとで構成されている。
【0029】
ヘッド金具1aは、例えば平ばね鋼(ばね用冷間圧延鋼帯)、ステンレス板等の金属片をV字形に折曲したもので、板状体2の凸条部2bに対応した上広がりの形状となるように、該金具の長手方向両端1c,1cが斜めに切断されている。そして、このヘッド金具1aの折曲部分には、金属線材1bの線径より大きい二つの孔1d,1dが形成され、この孔1d,1dに金属線材1bの一端の屈曲部1eが遊挿、係着されて、図3に一点鎖線で示すように金属線材1bが揺動自在に連結されている。
【0030】
この孔1d,1dの大きさや形状は特に限定されないが、ヘッド金具1aの長手方向に沿った孔径が金属線材1bの線径の約1.2〜2.0倍程度、これと直角方向の孔径が金属線材1bの線径の約2〜4倍程度である長円形の孔を形成することが望ましく、このような大きさの長円形の孔1d,1dを形成すると、金属線材1bの揺動角度が大きくなるため、後述するように金属線材1bを簡単な操作でフレーム3に取付けることが可能となり、金属線材1bの屈曲部1eを遊挿、係着する作業もし易くなる。そして、ヘッド金具1aの長手方向と直角の方向(換言すれば金属線材1bの揺動方向)の孔径を適宜変えれば、金属線材1bの最大揺動角度を所望の角度に調節することができる。
【0031】
この実施形態では二つの孔1d,1dを形成して、金属線材1bの耳状に折曲された屈曲部1eを遊挿、係着しているが、一つの孔を形成して鉤状に折曲された屈曲部を遊挿、係着するように構成してもよい。
【0032】
上記のようにヘッド金具1aに揺動自在に連結される金属線材1bは、曲げ加工により一方の線材部1fと他方の線材部1gとの間にバネ力を付与するための巻線部1hを形成すると共に、他方の線材部1gの途中にフック部1iを形成し、双方の線材部1f,1gの夾角が鋭角となるように構成されたものであって、この一方の線材部1fの先端には前記耳状の屈曲部1eが形成されている。
【0033】
この金属線材1bの巻線部1hは、双方の線材部1f,1gの内側に挟まれるように形成された一巻の巻線部であり、このような巻線部1hが形成されていると、後述するように、金属線材1bをフレーム3に取付けたときに、この巻線部1hがフレーム3の板状体支持面と反対面3a(図4,図5では下面)に接触又は接近するため、フレーム3から離反する方向の力(図4,図5では上向きの力)が止具1に作用しても、金属線材1bがフレーム3から外れ難くなって止着強度が大幅に向上する。そして、上記のように巻線部1hが一巻であると、二巻以上の巻線部を形成した場合のように、双方の線材部1f,1gを弾性的に拡開したときに巻線相互間が伸びて双方の線材部1f,1gが非平行に拡開する欠点も生じない。尚、金属線材1bの巻線部1hは、後述する止具10のように双方の線材部1f,1gの外側へ突出するように形成してもよい。更にまた、金属線材1bの巻線部1hは、二巻以上の巻線部を除外するものではなく、止着強度に応じて巻数を適宜選択すればよいものである。
【0034】
金属線材1bの他方の線材部1gに形成されたフック部1iは、図4に示すようにフレーム3の角部に引掛かることによって、金属線材1bがフレーム3から外れ難くなるようにするものである。この実施形態では、フック部1iを他方の線材部1gの中間部に形成し、線材部1gのフック部1iより先端部分を指で摘まんで双方の線材部1f,1gを開くと、比較的小さな力で弾性拡開できるようにしており、また、後述のごとく、この先端部分をガイドとして金属線材1bをフレーム3に容易に取付けることができるようにしているが、フック部1iを他方の線材部1gの先端部分と兼用するように形成してもよい。尚、フック部1iは、フレーム3の角部との間に部分的に隙間があいた状態で引掛かるようになっいてもよい。
【0035】
双方の線材部1f,1gの夾角は、既述したように鋭角とする必要があり、具体的には30〜60°程度に設定するのが好ましい。夾角が60°より大きくなると、双方の線材部1f,1gを弾性的に拡開してフレーム3に取付けたときの復元力が弱くなるため、金属線材1bがフレーム3から外れやすくなり、逆に、夾角が30°より小さくなると、双方の線材部1f,1gを弾性的に拡開させるのに大きい力が必要となるため、金属線材1bをフレーム3に取付ける作業がし辛くなる。
【0036】
金属線材1bとしては、ステンレス製又はバネ鋼製の1〜3mmの線径を有する線材を用いることが好ましく、このような金属線材を使用すると、止着強度、弾性復元力、作業性、加工性などのトータル的なバランスが向上する。限定するわけではないが、線径が1mm未満の金属線材は強度的に不足し、線径が3mmよりも太い金属線材は剛性が高すぎる傾向がある。
【0037】
以上のような構成の止具1を用いて板状体2をフレーム3に止着する場合は、図5に示すように、ヘッド金具1aを板状体2の上広がりの凸条部2bの内側に嵌め込み、ヘッド金具1aの斜めに切断した両端1cを凸条部2bの両側内面に係止させて、ヘッド金具1aをワンタッチで板状体2の凸条部2bに取着する。そして、図4に一点鎖線で示すように、金属線材1bを傾斜させた状態で双方の線材部1f,1gを弾性的に拡開し、線材部1gのフック部1iより先端部分をフレーム3に当てがいながら、金属線材1bをフレーム3の方へ回動させると、図4に実線で示すように、金属線材1bの他方の線材部1gがフレーム3に板状体2と反対側から(図4では下方側から)弾性的に係止されると共に、フック部1iがフレーム3の角部に引掛かり(フック部1iがフレーム3の角部との間に一部隙間があいた状態で引掛かってもよい)、巻線部1hがフレーム3の板状体支持面と反対面3aに接触又は接近した状態で、金属線材1bがフレーム3に絡み付いて取付けられ、この止具1を介して板状体2がフレーム3に止着される。
【0038】
このような止着構造では、板状体2に対するヘッド金具1aの取付けも、フレーム3に対する金属線材1bの取付けもワンタッチで簡単に行えるため、作業性が大幅に向上して、従来のおよそ1/5の時間で効率良く施工することが可能となる。
【0039】
また、止具1のヘッド金具1aを板状体2の凸条部2bの所望の箇所に係着して取付けることができるので、フレーム3が多少位置ずれしているような場合でも、その取付調整が極めて簡単であり、しかも、ヘッド金具1aはV字形でかつ長手方向両端1c,1cが斜めに切断されているので、平板のような形状のものに比べ、構造的に剛性が高く、また、このようなヘッド金具1aは凸条部2bの内側で安定よく係着されるため、上述の如き取付け作業の容易性に加えて、凸条部2bからのヘッド金具1aの離脱を確実に防ぐことができ、更に、板状体2に孔を開ける必要がないので、漏水の心配も皆無である。
【0040】
そして、風圧等により板状体2にフレーム3から離反する方向の力(図4,図5では上向きの力)が作用しても、金属線材1bの巻線部1hがフレーム3の板状体支持面と反対面3aに当接して、他方の線材部1gが弾性的に拡開するのを阻止するため、金属線材1bがフレーム3から外れる心配は殆どない。しかも、この金属線材1bの巻線部1hは一巻の巻線部であるため、二巻以上の巻線部を形成する場合に比べて、金属線材1bの双方の線材部1f,1gを弾性的に拡開したときの復元力は大きい。従って、この止具1を用いた止着構造は、板状体2の止着強度が大きいので、よほど大きい風圧等が作用しない限り、板状体がフレーム3から離脱したり飛んだりする心配はない。
【0041】
上記のごとき止着構造は、前述の防水パネルパン109をフレーム(根太)104に止着するような場合に好適に採用される。
【0042】
尚、この実施形態では、フレーム3として金属製の角パイプを用いているが、これに限定されるものではなく、例えばC字形の断面形状を有するC形チャンネル材や、L字形の断面形状を有するL形チャンネル材など、種々のフレームを採用することができる。また、板状体となる対象物は限定されるものではなく、形状、材質等とも本発明の止具を適用できるものであればいずれも対象となりうるものである。
【0043】
図6は本発明の他の実施形態に係る止具の断面図、図7は同止具を用いた本発明の止着構造の他の実施形態を示す断面図である。
【0044】
この止具10は、金属線材1bの巻線部1hを双方の線材部1f,1gの内側に挟まれるように形成しないで、双方の線材部1f,1gの外側に突出するように形成した点で前述の止具1と異なっている。その他の構成は前述の止具1と同様であるので、図6、図7において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0045】
上記のように金属線材1bの巻線部1hを双方の線材部1f,1gの外側へ突出させて形成した止具10は、巻線部1hの径を小さくする外力が加わると巻線部1hの径が反撥して大きくなろうとする復元力が強いので、双方の線材部1f,1gを弾性的に拡開したときの復元力が増大する。しかし、この止具10を用いて板状体2をフレーム3に止着した図7に示す止着構造では、板状体2にフレーム3から離反させる方向の力が作用したとき、後述する止具11を用いた止着構造よりは総合的な止着強度は弱いが、板状体2にフレーム3から離反させる方向の力が作用しても前記止具1と同様に金属線材1bがフレーム3から離脱することはない。
【0046】
図8は本発明の更に他の実施形態に係る止具の断面図、図9は同止具を用いた本発明の止着構造の更に他の実施形態を示す断面図である。
【0047】
この止具11は、金属線材1bの他方の線材部1gに直角に屈曲するフック部1iが形成され、このフック部1iより先端寄りに、鋭角に折曲された爪部1jが形成されている。その他の構成は前述の止具1と同様であるので、図8、図9において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0048】
上記の止具11を用いて板状体2をフレーム3に止着する止着構造は、図8に示すように、フレーム3としてC字形の断面形状を有するC形チャンネル材を使用し、このフレーム3の開放端縁3bに、上記止具11の爪部1jを係合させた構造となる。このように爪部1jがフレーム3の開放端縁3bに係合すると、止具11の金属線材1bがフレーム3から一層外れ難くなるため、止着強度が顕著に向上する。
【0049】
尚、上記の爪部1jとフレーム3の開放端縁3bとの間に隙間が生じるようにし、板状体2にフレーム3から離反する方向の風圧が作用したとき、止具11の移動に伴って上記の爪部1jがフレーム3の開放端縁3bに係合可能となるように構成してもよい。このように爪部1jとフレーム3の開放端縁3bとの間に隙間があると、止具11の金属線材1bをフレーム3に取付ける作業がしやすくなる。
【0050】
図10は本発明の更に他の実施形態に係る止具の断面図、図11は同止具を用いた本発明の止着構造の更に他の実施形態を示す断面図である。
【0051】
この止具12のヘッド金具1aは、金属片の中央部を凹溝状に折曲することにより、凹溝部1kの両端にフランジ部1m,1mを形成したもので、該ヘッド金具1aの凹溝部1kの底面中央には、金属線材1bの線径より大きい孔径を有する孔1dが一つ形成されている。そして、この孔1dに金属線材1bの一方の線材部1fの先端が遊挿され、この先端に曲成されたリング状の屈曲部1eが係着されて、金属線材1bがヘッド金具1aに揺動自在に連結されている。その他の構成は前述の止具11と同様であるので、図10、図11において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0052】
この止具12を用いて板状体2をフレーム3に止着する止着構造は、図11に示すように、板状体2として取付孔2cを形成した板状体を使用し、この板状体2の取付孔2cに止具12のヘッド金具1aの凹溝部1kを嵌着すると共に、ヘッド金具1aのフランジ部1m,1mを板状体2の取付孔2cの縁に係止させることによって、ヘッド金具1aを板状体2に取着している。そして、金属線材1bの巻線部1hをフレーム3の板状体支持面と反対面3aに接触又は接近させ、金属線材1の他方の線材部1gを板状体2と反対側からフレーム3に係止させると共に、爪部1jをフレーム3の開放端縁3bに係合させて、金属線材1bをフレーム3から外れないように取付けることにより、板状体2をフレーム3に止着している。
【0053】
このような止着構造も、止具12のヘッド金具1aをワンタッチで板状体2に取着でき、且つ、フレーム3に対する金属線材1bの取付けもワンタッチで行うことができるため、作業性が良好であり、ヘッド金具1aの取付位置とフレーム3の位置が若干ずれていても、金属線材1bの傾斜角度を変えることによって簡単に取付調整を行うことができ、また、金属線材1bがフレーム3から外れ難いので止着強度が大きく確実に板状体2をフレーム3に止着することができる。
【0054】
図12は本発明の更に他の実施形態に係る止具の断面図、図13は同止具を用いた本発明の止着構造の更に他の実施形態を示す断面図である。
【0055】
この止具13のヘッド金具1aは、金属片の中央部をV溝状に折曲することによって、V溝部1pの両端にフランジ部1m,1mを形成すると共に、このフランジ部1m,1mにビス孔1q,1qを穿孔したものであり、該ヘッド金具1aのV溝部1pの底面中央には、既述した二つの長円形の孔1d,1dが穿孔されている。その他の構成は前述の止具1と同様であるので、図12、図13において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0056】
この止具13を用いて板状体2をフレーム3に止着する止着構造は、図13に示すように、ヘッド金具1aのフランジ部1m,1mのビス孔1q,1qからビス4,4を板状体2にねじ込むことによって、ヘッド金具1aが板状体2に取着される。そして、金属線材1bの巻線部1hをフレーム3の板状体支持面と反対面3aに接触又は接近させ、金属線材1の他方の線材部1gを板状体2と反対側からフレーム3に係止させると共に、フック部1iをフレーム3の角部に引掛けて、金属線材1bをフレーム3から外れないように取付けることにより、板状体2がフレーム3に止着される。
【0057】
この止着構造は、ビス4をねじ込む作業が必要となるが、ヘッド金具1aの取付位置を任意に選択できるので、取付調整を自由自在に行える利点がある。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の板状体のフレームへの止着構造は、本発明の止具を用いて作業性良く短時間で施工することができ、取付調整なども容易であり、しかも、止具の金属線材がフレームから外れ難いので、板状体を大きい止着強度でフレームに確実に止着することができ、よほど大きい風圧等が作用しない限り、板状体がフレームから離脱したり飛んだりする心配がないといった顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る止具の正面図である。
【図2】同止具の断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】同止具を用いた本発明の板状体のフレームへの止着構造の一実施形態を示す断面図である。
【図5】同止着構造のフレームの長手方向に沿った断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る止具の断面図である。
【図7】同止具を用いた本発明の止着構造の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態に係る止具の断面図である。
【図9】同止具を用いた本発明の止着構造の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係る止具の断面図である。
【図11】同止具を用いた本発明の止着構造の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態に係る止具の断面図である。
【図13】同止具を用いた本発明の止着構造の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図14】(a)(b)(c)はいずれも従来の板状体のフレームへの止着構造の異なる例を示す断面図である。
【図15】バルコニーのフレームに止着した防水パネルパンの概略説明図である。
【符号の説明】
1,10,11,12,13 止具
1a ヘッド金具
1b 金属線材
1d 孔
1f 一方の線材部
1g 他方の線材部
1e 一方の線材部の先端の屈曲部
1h 巻線部
1i フック部
1j 爪部
2 板状体
2a 下広がりの凹条部
2b 上広がりの凸条部
3 フレーム
3a フレームの板状体支持面と反対面
3b フレームの開放端縁
Claims (12)
- ヘッド金具と金属線材とで構成される止具を用いて板状体をフレームに止着する構造であって、
上記金属線材は、曲げ加工により一方の線材部と他方の線材部との間に巻線部が形成されると共に、他方の線材部にフック部が形成され、双方の線材部の夾角が鋭角とされたものであって、この一方の線材部の先端が上記ヘッド金具に揺動自在に連結されて上記止具が構成されており、
上記板状体に上記止具のヘッド金具が取着され、上記金属線材の他方の線材部が上記フレームに板状体と反対側から弾性的に係止されると共に、上記フック部が上記フレームの角部に引掛かって、上記板状体が上記フレームに止着されていることを特徴とする板状体のフレームへの止着構造。 - 前記止具のヘッド金具に金属線材の線径より大きい孔が形成され、金属線材の一方の線材部の先端に形成された屈曲部が上記孔に遊挿、係着されて揺動自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の止着構造。
- 前記止具の金属線材の巻線部が、双方の線材部の内側に挟まれるように形成された一巻の巻線部であり、この巻線部が前記フレームの板状体支持面と反対面に接触又は接近していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の止着構造。
- 前記止具の他方の線材部のフック部より先端寄りに、鋭角に折曲された爪部が形成されており、この爪部が、C字形の断面形状を有する前記フレームの開放端縁に係合し又は係合可能となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の止着構造。
- 前記止具の金属線材が、ステンレス製又はバネ鋼製の1〜3mmの線径を有する線材であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の止着構造。
- 前記板状体は下広がりの凹条部と上広がりの凸条部を交互に連成した凹凸板状体であり、前記止具のヘッド金具は金属片をV字形に折曲したもので、上記板状体の凸条部に対応した上広がりの形状となるように、該金具の長手方向両端が斜めに切断されており、このヘッド金具が上記板状体の凸条部の内側に嵌め込まれて係着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の止着構造。
- 板状体をフレームに止着するための、ヘッド金具と金属線材とから成る止具であって、
上記金属線材は、曲げ加工により一方の線材部と他方の線材部との間に巻線部が形成されると共に、他方の線材部にフック部が形成され、双方の線材部の夾角が鋭角とされたものであり、上記ヘッド金具に一方の線材部の先端が揺動自在に連結されていることを特徴とする止具。 - 前記ヘッド金具に前記金属線材の線径より大きい孔が形成され、前記金属線材の一方の線材部の先端に形成された屈曲部が上記孔に遊挿、係着されて揺動自在に連結されていることを特徴とする請求項7に記載の止具。
- 前記金属線材の巻線部が、双方の線材部の内側に挟まれるように形成された一巻の巻線部であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の止具。
- 前記金属線材の他方の線材部のフック部より先端寄りに、鋭角に折曲された爪部が形成されていることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の止具。
- 前記金属線材が、ステンレス製又はバネ鋼製の1〜3mmの線径を有する線材であることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の止具。
- 前記ヘッド金具が金属片をV字形に折曲したもので、前記板状体に形成された上広がりの凸条部に対応した上広がりの形状となるように、該金具の長手方向両端が斜めに切断されていることを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の止具。
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