JP4228625B2 - 電子部品実装システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板に電子部品を実装する電子部品実装システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線基板への電子部品の実装が自動化される際には、実装に係る各工程を実行する装置が直線状に配列されてきた。例えば、ペースト状のはんだを用いて実装が行われる場合、実装前の基板を収納するローダ、基板にはんだを印刷する印刷装置、印刷状態を検査する検査装置、小型の電子部品を基板に装着する装着装置、電子部品の装着状態を検査する検査装置、大型の電子部品を基板に装着する装着装置、基板を加熱および冷却して電子部品を固着させるリフロー装置、実装済み基板の外観を検査する検査装置、実装済み基板を収納するアンローダ等の多数の装置が直線状の搬送路に沿って配列される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多数の装置が直線状に配列される場合、ローダとアンローダとが非常に離れ、ローダ側およびアンローダ側に作業者を配置する必要が生じる。また、各装置を監視する際には、ローダからアンローダに至る長い距離を作業者が移動しなければならないため、電子部品実装システムに沿って作業者の通路を確保する必要が生じる。その結果、電子部品実装システムを配置するために必要な床面積が各装置の占有面積の和に対してかなり大きくならざるを得ない。
【0004】
一方、上述のように電子部品実装システムでは様々な検査装置も配置される。ところが、多くの検査装置ではカメラを用いて検査が行われるため、1つの電子部品実装システムに類似構造の検査装置が複数設けられることとなる。
【0005】
さらに、検査により基板に異常が発見されると作業者が基板に対してリペア作業を行っていずれかの装置へと戻す作業を行うことがあるが、装置が直線状に配列される場合、作業者は電子部品実装システムに沿って長い距離を行き来する必要が生じる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電子部品実装システムの設置に必要な面積を削減することを主たる目的としており、さらに、作業者による作業効率を向上することも目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板に電子部品を実装する電子部品実装システムであって、基板を搬送する搬送ロボットからなる搬送部と、前記搬送部の周辺に配置され、それぞれが前記搬送部との間で基板の受け渡しを行うとともに電子部品の実装に係る一連の工程の一部を行う複数の処理部とからなる電子部品実装システムにおいて、前記搬送部には、基板の検査を行う検査部が設けられ、前記検査部にて異常が検出された基板を一時的に載置し、リペア作業を行うための基板載置部を前記搬送部にさらに備え、前記異常が検出され、リペア作業が行われた基板を前記搬送ロボットにて前記基板載置部から取り出し、前記一連の工程へ戻すことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品実装システムであって、前記複数の処理部に、基板にはんだペーストを塗布する印刷装置が含まれ、前記検査部が、基板上のはんだの状態を検査する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子部品実装システムであって、前記複数の処理部に、基板に電子部品を装着する装置が含まれ、前記検査部が、電子部品の装着状態を検査する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品実装システムであって、前記検査部が、実装済み基板を検査する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る電子部品実装システム1の構成を示す平面図である。なお、電子部品実装システム1を構成する各装置の図示は適宜簡略化されている。
【0017】
電子部品実装システム1は、プリント配線基板(以下、「基板」という。)9にはんだを用いて電子部品を実装するシステムであり、中央に搬送装置11を有し、搬送装置11の周囲にローダ12、印刷装置13、高速装着装置14、多機能装着装置15、リフロー装置16およびアンローダ17を有する。さらに、異常が検出された基板9が一時的に載置される基板載置台18も搬送装置11に取り付けられる。
【0018】
ローダ12には実装前の複数の基板9を収容する収納器91(いわゆる、マガジンラック)が載置され、アンローダ17には実装済みの複数の基板9を収容する収納器92が載置される。印刷装置13は印刷技術を利用してはんだペーストを基板9上の必要箇所に塗布する。
【0019】
高速装着装置14は、小型の電子部品が配列されたテープがリールに捲回された供給部141を有し、供給部141からの小型の電子部品が基板9上のはんだ上に高速に装着される。多機能装着装置15はQFP(Quad Flat Package)、CSP(Chip Size Package)等の比較的大型の電子部品をトレイに収納する供給部151を有し、供給部151から供給される電子部品が基板9上のはんだ上に装着される。リフロー装置16は基板9を搬送しつつ加熱してはんだを溶融し、その後、基板9を冷却して電子部品を基板9上に固着させる。
【0020】
搬送装置11は搬送ロボット111を有し、搬送ロボット111はガイド機構112によりスライド移動するとともにアーム113を旋回し、アーム113の先端に取り付けられた保持部114が、ローダ12、印刷装置13、高速装着装置14、多機能装着装置15、リフロー装置16、アンローダ17および基板載置台18に対してアクセスする。搬送装置11の基台の上方には検査用のカメラ115が設けられ、搬送ロボット111により基台上の検査台116に載置された基板9がカメラ115により撮像される。取得された画像は搬送装置11内の画像処理回路117へと送られ、各種検査が行われる。
【0021】
次に、電子部品実装システム1の動作について図2を参照しながら説明する。なお、電子部品実装システム1では複数の基板9が並行して処理され、1つの基板9の処理が完了する前に次の基板9の処理が開始されるが、以下では1つの基板9に着目して説明を行う。
【0022】
まず、ローダ12の収納器91から基板9が受渡位置12aへと取り出され(ステップS11)、搬送ロボット111の保持部114が受渡位置12aから基板9を受け取って印刷装置13の受渡位置13aに載置する。印刷装置13は受渡位置13aから基板9を取り込んで基板9上にはんだペーストを塗布する(ステップS12)。その後、基板9は受渡位置13aへと戻され、検査工程へと移行する(ステップS21)。
【0023】
図3は検査工程における電子部品実装システム1の動作(一部作業者による作業となっている。)の流れを示す図である。検査工程では、まず、搬送ロボット111が基板9を検査台116上に載置し(ステップS201)、カメラ115にて基板9の画像が取得される(ステップS202)。取得された画像は画像処理回路117へと送られ、はんだの状態が適切か否かを検査する(ステップS203)。具体的には、はんだ塗布の位置、はんだの量等が適切か否かが確認される。
【0024】
検査の結果、異常が認められない場合には、そのまま図2中の次の工程へと移行するが、異常が検出された場合は、搬送ロボット111により基板9が検査台116から基板載置台18へと移される(ステップS204,S205)。作業者90(図1中に模式的に図示)は、基板載置台18上にて、または、基板載置台18から基板9を取り出してリペア作業を行う(ステップS206)。そして、リペア後の基板9が搬送ロボット111により基板載置台18から取り出され(ステップS207)、一連の実装工程へと戻される。
【0025】
はんだに関する検査が終了すると、搬送ロボット111が基板9を高速装着装置14の受渡位置14aに載置し、基板9が高速装着装置14に取り込まれて小型の電子部品がはんだ上に装着される(図2:ステップS13)。なお、図1では2台の高速装着装置14を有する電子部品実装システム1を示しており、2台の高速装着装置14内を基板9が搬送される間に電子部品の装着が行われる。
【0026】
装着が完了すると基板9は受渡位置14aへと戻され、再度、図3に示す検査工程へと移行する(ステップS22)。搬送ロボット111は基板9を検査台116上に載置し(ステップS201)、カメラ115にて基板9の画像が取得される(ステップS202)。取得された画像は画像処理回路117へと送られ、電子部品の装着状態が検査される(ステップS203)。具体的には、電子部品の有無、電子部品の位置等が確認される。
【0027】
検査の結果、異常が認められない場合には、そのまま図2中の次の工程へと移行し、異常が検出された場合は、基板9が検査台116から基板載置台18へと移され、作業者90によるリペア作業が行われる(ステップS204〜S206)。そして、リペア後の基板9が搬送ロボット111により基板載置台18から取り出され(ステップS207)、次の工程へと移行する。
【0028】
小型電子部品の装着に関する検査が終了すると、搬送ロボット111が基板9を多機能装着装置15の受渡位置15aに載置する。基板9は多機能装着装置15に取り込まれ、供給部151のトレイから比較的大型の電子部品がはんだ上に装着される(図2:ステップS14)。装着後の基板9は受渡位置15aに戻され、搬送ロボット111は基板9を受渡位置15aからリフロー装置16の受渡位置16aへと移載する。
【0029】
基板9は受渡位置16aからリフロー装置16内へと取り込まれ、基板9が搬送される間に基板9が加熱されてはんだが溶融し、さらに、基板9が冷却されることにより電子部品が基板9に固着する(ステップS15)。リフロー後の基板9は受渡位置16bへと出され、搬送ロボット111が基板9を受け取って再度、検査工程が実行される(ステップS23)。
【0030】
検査工程では、搬送ロボット111が基板9を検査台116上に載置してカメラ115により基板9の画像が取得され(ステップS201、S202)、画像処理回路117により実装済み基板9の外観が検査される(ステップS203)。具体的には、電子部品の位置、はんだが適切に電子部品に付着してるか等が確認される。
【0031】
検査の結果、異常が認められない場合には、そのまま図2中の工程へと移行して基板9が検査台116からアンローダ17の受渡位置17aへと移載され、基板9がアンローダ17の収納器92に収納される(ステップS16)。異常が検出された場合は、基板9が検査台116から基板載置台18へと移され、作業者90によるリペア作業が行われる(ステップS204〜S206)。そして、リペア後の基板9が搬送ロボット111により基板載置台18から受渡位置17aに移載され、収納器92に収納される(ステップS16)。
【0032】
以上、図1に示す電子部品実装システム1について説明したが、電子部品実装システム1では、搬送装置11の周囲にそれぞれが実装に係る一連の工程の一部を行う複数の処理装置が配置され(すなわち、搬送装置11の周囲に処理装置との間の受渡位置が設けられ)、搬送装置11が周囲の処理装置との間で基板9の受け渡しを行う。これにより、直線状に処理装置を配列する場合に比べて作業者の移動領域を小さく抑えることができ、電子部品実装システム1の実質的な占有床面積を削減することができる。
【0033】
また、電子部品実装システム1では搬送装置11に検査用のカメラ115が配置されるため、基板9の搬送途上において検査を行うことができる。その結果、印刷装置13、高速装着装置14およびリフロー装置16にて処理された直後の基板を速やかに検査することができる。なお、これらの装置から取り出された基板9の検査は主として外観検査であり、検査にてカメラ115が共用されるため、電子部品実装システム1の小型化およびシステムの低価格化が実現される。
【0034】
さらに、電子部品実装システム1では搬送装置11の周囲に(より好ましくは検査台116の近傍に)異常が検出された基板9を一時的に載置する基板載置台18が設けられるため、作業者はいずれかの装置にて不適切な処理が基板9に施されたとしても基板載置台18にてリペア作業を行うことができる。その結果、作業者による作業負担を低減することが実現される。
【0035】
図4は本発明の第2の実施の形態に係る電子部品実装システム1の構成を示す平面図であり、電子部品実装システム1を構成する各装置の図示は適宜簡略化されている。
【0036】
電子部品実装システム1では、第1の実施の形態に係る搬送ロボット111に代えてベルトにて基板9を直線的に搬送するコンベヤ11aが設けられ、コンベヤ11aの両側に沿ってローダ12、印刷装置13、高速装着装置14、多機能装着装置15、リフロー装置16、アンローダ17および基板載置台18が配置され、さらに、検査装置21も設けられる。基板9はコンベヤ11a上にて両側のいずれの方向にもスライド移動可能とされ、各装置や基板載置台18等との間で受け渡しされる。
【0037】
検査装置21は搬入された基板9を撮像するカメラ211および取得された画像を処理して検査結果を得る画像処理回路212を有する。検査装置21により行われる検査は第1の実施の形態と同様であり、基板9上のはんだの状態、電子部品の装着状態、実装済み基板9の外観等の検査が行われる。
【0038】
電子部品実装システム1の動作は、基本的には第1の実施の形態と同様であり、基板9はコンベヤ11aにより搬送され、基板9の検査が検査装置21にて行われるという点で相違する。すなわち、基板9はローダ12の収納器91からコンベヤ11a上へと移載され、コンベヤ11a上を搬送されながら、はんだの印刷、はんだの塗布状態の検査、小型の電子部品の装着、電子部品の装着状態の検査、大型の電子部品の装着、リフロー、最終外観検査が行われ、アンローダ17の収納器92に収納される。
【0039】
また、いずれかの検査にて異常が検出された場合は、基板9はコンベヤ11aにより基板載置台18へと移載され、作業者がリペア作業を行い、基板載置台18からコンベヤ11aへと戻される。
【0040】
以上のように、電子部品実装システム1ではコンベヤ11aの周囲(すなわち、両側)にそれぞれが実装に係る一連の工程の一部を行う複数の処理装置が配置されることにより、第1の実施の形態と同様に、直線状に処理装置を配列する場合に比べて作業者の移動領域を小さく抑えることができ、電子部品実装システム1の占有床面積を削減することができる。また、コンベヤ11aを利用することにより、搬送に係る構造を簡素化することも実現される。
【0041】
各種検査においても検査装置21が共用されるため、電子部品実装システム1の小型化およびシステムの低価格化が実現され、さらに、作業者はいずれかの装置にて不適切な処理が基板9に施されたとしても基板載置台18にてリペア作業を行うことができ、作業者による作業負担を低減することが実現される。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0043】
例えば、電子部品実装システム1にて処理される基板9はフェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂により形成された板状のプリント配線基板のみならず、フィルム状の配線基板やセラミックにて形成された配線基板であってもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、はんだを用いて電子部品の実装が行われるが、他の手法により実装が行われるシステムにも利用することができる。例えば、異方性導電樹脂を用いたり金属同士を直接接合する手法により電子部品の実装が行われてもよい。
【0045】
基板9はロボットやコンベヤ以外の機構により搬送されてもよい。さらに、異常が検出された基板9が載置される基板載置台18は作業者がアクセス可能な位置であれば、他の位置に設けられてもよい。例えば、第1の実施の形態において搬送装置11上に基板載置台が設けられてよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品実装システムの占有床面積を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る電子部品実装システムの構成を示す平面図
【図2】電子部品実装システムの動作の流れを示す図
【図3】電子部品実装システムの動作の流れを示す図
【図4】第2の実施の形態に係る電子部品実装システムの構成を示す平面図
【符号の説明】
1 電子部品実装システム
9 基板
11 搬送装置
11a コンベヤ
13 印刷装置
14 高速装着装置
15 多機能装着装置
16 リフロー装置
18 基板載置台
21 検査装置
115,211 カメラ
117,212 画像処理回路

Claims (4)

  1. 基板に電子部品を実装する電子部品実装システムであって、
    基板を搬送する搬送ロボットからなる搬送部と、
    前記搬送部の周辺に配置され、それぞれが前記搬送部との間で基板の受け渡しを行うとともに電子部品の実装に係る一連の工程の一部を行う複数の処理部とからなる電子部品実装システムにおいて、
    前記搬送部には、基板の検査を行う検査部が設けられ、
    前記検査部にて異常が検出された基板を一時的に載置し、リペア作業を行うための基板載置部を前記搬送部にさらに備え、
    前記異常が検出され、リペア作業が行われた基板を前記搬送ロボットにて前記基板載置部から取り出し、前記一連の工程へ戻すことを特徴とする電子部品実装システム。
  2. 請求項1に記載の電子部品実装システムであって、
    前記複数の処理部に、基板にはんだペーストを塗布する印刷装置が含まれ、
    前記検査部が、基板上のはんだの状態を検査することを特徴とする電子部品実装システム。
  3. 請求項1または2に記載の電子部品実装システムであって、
    前記複数の処理部に、基板に電子部品を装着する装置が含まれ、
    前記検査部が、電子部品の装着状態を検査することを特徴とする電子部品実装システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品実装システムであって、
    前記検査部が、実装済み基板を検査することを特徴とする電子部品実装システム。
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