JP4228559B2 - 表面実装型アンテナおよびそれを用いた通信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機の例えば回路基板に実装される表面実装型アンテナおよびそれを用いた通信機に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図8には表面実装型アンテナの一例が模式的な斜視図により示されている。この表面実装型アンテナ25は、複数の互いに異なる周波数帯の信号(電波)の送信あるいは受信が可能なものであり、直方体状の誘電体基体26を有し、この誘電体基体26の表面には、給電放射電極27と、無給電放射電極28とが間隔を介し隣接配置されている。
【0003】
この表面実装型アンテナ25においては、例えば、通信機の回路基板に実装されることにより、給電放射電極27は、誘電体基体26の側面26cの給電用電極30を介して通信機の信号供給源32に接続される。また、無給電放射電極28は、誘電体基体26の側面26cのグランド接地用電極31を介して通信機のグランドに接地されることとなる。
【0004】
信号供給源32から給電用電極30に信号が供給されると、その信号は給電放射電極27に伝達されると共に、電磁結合により無給電放射電極28にも供給される。この信号供給によって給電放射電極27および無給電放射電極28が共振することにより、信号の送信あるいは受信(アンテナ動作)が行われる。
【0005】
給電放射電極27は、予め定められた基本の周波数帯と、これよりも高い高次側の周波数帯との信号の送信あるいは受信を行うことができるように構成されている。しかし、給電放射電極27単体では高次側の周波数帯の帯域が狭いことから、この例では、高次側の周波数帯の広帯域化を図るために、高次側の周波数帯において、給電放射電極27と無給電放射電極28が複共振状態を作り出すことができるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、隣り合う給電放射電極27と無給電放射電極28が両方共に良好なアンテナ動作を行うためには、それら給電放射電極27と無給電放射電極28の電磁結合量が適切でなければならない。
【0007】
例えば、それら給電放射電極27と無給電放射電極28の電磁結合が強すぎると、給電放射電極27と無給電放射電極28の相互干渉が強く起こって、給電放射電極27と無給電放射電極28は良好な複共振状態を作り出すことができないという問題が生じる。
【0008】
このような問題を解消するために給電放射電極27と無給電放射電極28の電磁結合量を適切なものにしようとすると、給電放射電極27と無給電放射電極28間の間隔の調整が必要である。しかしながら、アンテナ小型化の要求に応じて誘電体基体26の大きさが制約されている状態では、それら給電放射電極27と無給電放射電極28の電磁結合量が適切となるように当該給電放射電極27と無給電放射電極28間の間隔を調整することは非常に難しいという問題がある。換言すれば、給電放射電極27と無給電放射電極28の電磁結合量が適切となるように給電放射電極27と無給電放射電極28間の間隔を調整しようとすると、誘電体基体26を大きくせざるを得ず、表面実装型アンテナ25の小型化が難しいという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、基体に複数の放射電極を形成する場合に、基体の小型化(アンテナの小型化)を図りつつ、それら複数の放射電極の電磁結合量を適切な結合量に調整し易い表面実装型アンテナおよびそれを備えた通信機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、この発明の表面実装型アンテナの代表的な構成は、直方体の形状を呈してその長方体の短辺側の一方の側面を第1の側面とし、それに対向する反対側の側面を第2の側面とした基体の前記第1の側面の下端部に当該直方体の短辺方向に間隔を介してそれぞれ外部から信号が直接供給される第1の給電部と第2の給電部とが形成されており、前記第1の給電部から前記基体の底面、第2の側面、上面を順に通って前記第1の側面又は当該第1の側面に達する手前の上面位置まで延長されてその延長先端を開放端とした第1の放射電極が前記基体を周回する方向の経路形態で略ループ状に形成されて、当該開放端と前記第1の給電部間に電界を集中させる構成と成し、また、前記第2の給電部から前記第1の側面を立ち上がり、さらに上面を通って前記第2の側面又は当該第2の側面に達する手前の上面位置まで延長されてその延長先端を開放端とした第2の放射電極が前記基体を前記第1の放射電極とは逆向きに周回する方向の経路形態で形成され、前記基体の上面を通る第1の放射電極と第2の放射電極とが間隔を介し並設する部位は給電部から開放端に向う通電方向が互いに逆向きとなっており、前記第1の放射電極の電界が最も強くなる開放端を前記第1の側面又は当該第1の側面に達する手前の上面位置に配置し、前記第2の放射電極の電界が最も強くなる開放端を前記第1の側面とは反対側の第2の側面又は当該第2の側面に達する手前の上面位置に配置することで、前記第1の放射電極の開放端と第2の放射電極の開放端とは互いに電磁結合の相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されていることを特徴としている。
【0015】
第9の発明は、通信機に関し、この発明の表面実装型アンテナが設けられていることを特徴としている。
【0016】
この発明では、第1と第2の放射電極の開放端が、互いに、相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されている。このため、第1と第2の放射電極間の電磁結合が緩和されることとなる。また、放射電極の開放端との間に電界を集中させるための電界集中用の電極が配置されているものにおいても、各放射電極間の電磁結合が緩和される。そのため、この発明では、第1と第2の各放射電極の相互干渉を抑制しつつ、各放射電極を近接配置することが可能となって基体(表面実装型アンテナ)の小型化を図ることができる。また、第1と第2の放射電極がそれぞれ良好にアンテナ動作を行うことができるように放射電極間の電磁結合量を適切な結合量に調整することが容易となる。
【0017】
したがって、互いに異なる複数の周波数帯の信号の送信あるいは受信が可能で、しかも、小型な表面実装型アンテナを提供できる。また、この表面実装型アンテナの小型化に伴って、通信機の小型化を図ることができる。
【0018】
また、各放射電極間の電磁結合量が適切な結合量に調整されることにより、各放射電極の整合を得易くなる。さらに、各放射電極が良好に共振動作を行うことができるので、各放射電極の利得を向上させることができて、表面実装型アンテナの感度を向上させることができる。これにより、表面実装型アンテナおよび通信機の信号送受信の信頼性を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1には第1実施形態例の通信機において特徴的な表面実装型アンテナの一例が整合回路および信号供給源と共に模式的に示されている。なお、通信機の構成には様々な構成があり、この第1実施形態例では、表面実装型アンテナ以外の通信機の構成は何れの構成を採用してもよく、ここでは、その通信機の表面実装型アンテナ以外の構成は省略する。
【0021】
この第1実施形態例の表面実装型アンテナ1は、例えばセラミックスなどの誘電体から成る直方体状の基体2を有し、この基体2には2つの帯状の放射電極3,4(第1の放射電極3,第2の放射電極4)が形成されている。放射電極3は、基体2における長方体の短辺側の一方の側面(第1の側面)2bから、底面2fと、前記第1の側面に対向する反対側の側面(第2の側面)2dと、上面2aとを順に通って、第1の側面2bに戻る(第1の側面2dまで延長された)経路形態で、略ループ状に形成されており、当該放射電極3の両端部は互いに間隔を介して対向配置されている。また、放射電極4は、基体2の底面2fから第1の側面2bを立ち上がり、上面2aを通って第2の側面2dまで延長されて形成されている。
【0022】
この第1実施形態例では、それら放射電極3,4は両方共に、それぞれ、側面2bに形成されている端部分3s,4sが、通信機の例えば回路基板に形成されている整合回路5を介して信号供給源6に接続される。つまり、放射電極3,4は、それぞれ、信号供給源6に接続される側面2b上の端部分3s,4sが給電部となっている。
【0023】
また、放射電極3,4は、それぞれ、給電部3s,4s(第1の給電部3s,第2の給電部4s)の反対側の端部(他端側)が開放端3k,4kとなっている。この第1実施形態例では、放射電極3の開放端3kと、放射電極4の開放端4kとは、それぞれ、基体2の互いに対向し合う第1の側面2bと第2の側面2d上に配設されている。このように、放射電極3の電界が最も強い部位である開放端3kと、放射電極4の電界が最も強い部位である開放端4kとは、当該放射電極3と放射電極4間の相互干渉を防止するための間隔を持って離間配置されている。
【0024】
その上、この第1実施形態例では、放射電極3は略ループ形状と成し、放射電極3の開放端3kは給電部3sと間隔を介して配置されており、これら開放端3kと給電部3s間に電界を集中させる構成と成している。また、放射電極4の開放端4kの近傍には間隔を介して装荷用電極8が形成されており、これら放射電極4の開放端4kと装荷用電極8間に電界を集中させる構成と成している。
【0025】
なお、装荷用電極8は、例えば、通信機の回路基板のグランド部に導通接続されてグランド電位を有する場合と、グランドには接地されずグランド電位を持たない場合とがある。装荷用電極8をグランドに接地するか否かは適宜選定されるものである。なお、装荷用電極8がグランドに接地されない場合には、例えば、装荷用電極8は、基体2を通信機の回路基板に半田を利用して搭載する際に半田の濡れ性を向上させるための下地電極(固定用電極)として使用されることがある。
【0026】
この第1実施形態例では、放射電極3,4は、基体2の上面2aにおいて、並設されており、この並設部分において、放射電極3の給電部3sから開放端3kに向かう方向と、放射電極4の給電部4sから開放端4kに向かう方向とは互いに逆向きとなっている。
【0027】
上記各放射電極3,4に、それぞれ、信号供給源6から整合回路5を介して信号が供給されると、その信号は給電部3s,4sから開放端3k,4kに至る領域を通電する。この信号通電によって放射電極3,4が共振動作を行うことにより、信号の送信あるいは受信(アンテナ動作)が行われる。この第1実施形態例では、放射電極3,4がそれぞれ互いに異なる予め定められた設定の周波数帯の信号の送信あるいは受信を行うことができるように、放射電極3,4の各電気長や、放射電極3の開放端3kと給電部3s間の間隔や、放射電極4の開放端4kと装荷用電極8間の間隔などが設計されている。このように放射電極3,4を設計することにより、表面実装型アンテナ1は、例えば800MHz帯と1500MHz帯というような異なる複数の周波数帯の信号の送信あるいは受信を行うことができることとなる。
【0028】
この第1実施形態例によれば、放射電極3,4の開放端(電界が強い部位)3k,4kは、それぞれ、基体2の互いに対向し合う側面2b、2dに形成されて離間配置されている。その上、放射電極3の開放端3kには給電部3sが間隔を介して配置されており、当該開放端3kと給電部3s間に電界が集中し、かつ、放射電極4の開放端4kには間隔を介して装荷用電極8が配置されており、これら開放端4kと装荷用電極8間に電界が集中する。
【0029】
このような構成により、放射電極3,4間の電磁結合を大幅に緩和することができる。これにより、放射電極3,4間の間隔を狭くしても、放射電極3,4間の相互干渉を抑制することができて、放射電極3,4の両方がそれぞれ良好なアンテナ動作を行うことができるように放射電極3,4間の電磁結合量を適切な結合量に調整することが容易となる。
【0030】
このように、放射電極3,4間の間隔を狭くしても、放射電極3,4間の電磁結合量を適切にできて相互干渉を防止できるので、基体2(つまり、表面実装型アンテナ1)の小型化を図ることができる。
【0031】
また、放射電極3,4は基体2の2面以上に渡って形成されている。特に、放射電極3は基体2を略周回するループ形状と成していることから、基体2を大型化することなく、放射電極3,4の電気長を長くすることができる。この構成も基体2(表面実装型アンテナ1)の小型化に寄与することができる構成である。
【0032】
さらに、この第1実施形態例では、放射電極3,4は、基体2の上面2aにおいて、間隔を介して並設しているが、その並設している部分の信号の通電方向が互いに逆向きとなる構成である。この構成は、放射電極3,4間の相互干渉の緩和に関与している。
【0033】
さらに、この第1実施形態例では、上記のように、放射電極3,4の相互干渉を抑制できるので、放射電極3と放射電極4の整合が取り易い。また、放射電極3および放射電極4の利得を両方共に向上させることができて、表面実装型アンテナ1の感度を向上させることができる。これにより、表面実装型アンテナ1および通信機の無線通信の信頼性を向上させることができる。
【0034】
なお、図1に示す整合回路5の回路構成は一例であり、整合回路5は図1の回路構成に限定されるものではなく、他の回路構成をも採り得るものである。
【0035】
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明では、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0036】
この第2実施形態例においても表面実装型アンテナ1に特徴があり、この第2実施形態例の表面実装型アンテナ1は、図2に示されるように、第1実施形態例の表面実装型アンテナ1とほぼ同様な構成を備えているが、放射電極4の開放端4kの形成位置が第1実施形態例と異なっている。つまり、この第2実施形態例では、放射電極4の開放端4kは、基体2の上面2aにおける側面2d側の端部に配置されている。この場合にも、放射電極3の開放端3kと放射電極4の開放端4kは相互干渉を防止する間隔を持って離間配置された状態となっている。
【0037】
また、この第2実施形態例においても、第1実施形態例と同様に、基体2の側面2dには装荷用電極8が設けられており、この装荷用電極8と放射電極4の開放端4kとの間に電界が集中する構成となっている。
【0038】
この第2実施形態例によれば、第1実施形態例とほぼ同様な構成を備えているので、第1実施形態例と同様な効果、つまり、放射電極3,4の相互干渉を防止しつつ、表面実装型アンテナ1(基体2)の小型化を図ることができるという効果や、放射電極3,4の整合が取り易くなるという効果や、放射電極3および放射電極4の利得を両方共に向上させることが容易にできて表面実装型アンテナ1および通信機の信頼性を向上させることができるという効果などを得ることができる。
【0039】
以下に、第3実施形態例を説明する。この第3実施形態例の説明において、前記各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0040】
この第3実施形態例では、図3に示すように、前記各実施形態例に示した装荷用電極8は設けられておらず、放射電極4の開放端4k側が延伸して当該放射電極4の開放端4kが基体2の底面2fに形成されている。この開放端4kと、放射電極4の給電部4sあるいは通信機の回路基板のグランド部との間に電界が集中する構成となっている。
【0041】
また、この第3実施形態例では、放射電極3の開放端3kは基体2の上面2aにおける側面2b側の端部に形成されている。この場合にも、前記各実施形態例と同様に、放射電極3の開放端3kは、当該放射電極3の給電部3sとの間に電界が集中する構成となっている。また、放射電極3の開放端3kと、放射電極4の開放端4kとは相互干渉を防止する間隔を持って離間配置された状態となっている。
【0042】
この第3実施形態例においても、前記各実施形態例と同様に、放射電極3の開放端3kと、放射電極4の開放端4kとが離間配置されている上に、その放射電極3の開放端3k側の電界や、放射電極4の開放端4k側の電界を集中させる構成を備えている。このことから、放射電極3,4の電磁結合を緩和することができて、放射電極3,4間の相互干渉を抑制することができる。
【0043】
このため、放射電極3と放射電極4間の間隔を広げることなく、放射電極3,4の両方がそれぞれ良好にアンテナ動作を行うことができるように放射電極3,4の電磁結合量を調整することが容易となる。これにより、互いに異なる複数の周波数帯の信号の送信あるいは受信が可能となり、しかも、小型な表面実装型アンテナ1および通信機を提供することができる。
【0044】
また、放射電極3,4の整合を取り易くなる。さらに、放射電極3,4の利得を両方共に向上させることができる。これにより、表面実装型アンテナ1の感度を向上させることができて、表面実装型アンテナ1および通信機の通信の信頼性を高めることができる。
【0045】
なお、この第3実施形態例では、放射電極3の開放端3kは基体2の上面2aに形成されていたが、第1実施形態例や第2実施形態例と同様に、放射電極3の開放端3kを基体2の側面2bに形成してもよい。
【0046】
以下に、第4実施形態例を説明する。なお、この第4実施形態例の説明において、前記各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0047】
この第4実施形態例では、図4や図5に示すように、基体2の長手方向Aに沿って形成されている放射電極3,4の部位が互いに異なる面に形成されていることを特徴としている。
【0048】
すなわち、図4に示す例では、放射電極3は前記各実施形態例と同様な形状と成し、基体2の長手方向Aに沿って形成されている放射電極3の部位は、基体2の底面2fに形成されている部分および上面2aに形成されている部分である。
【0049】
それに対し、放射電極4は、基体2の底面2fから第1の側面2bに形成され、側面2bでは上面2a側に向い、その途中で折れ曲がって外横向きに方向を変え、側面2e(第1の側面2bに隣接する基体2の長辺側の側面)に向かって形成され、さらに、側面2eを基体2の長手方向Aに沿って、第1の側面2bとは反対側の第2の側面2dに至るまで形成されている。そして、放射電極4は、さらに延伸され、側面2dにおいて、放射電極4の開放端4kが装荷用電極8の近傍に配設されている。つまり、この放射電極4においては、基体2の長手方向Aに沿って形成されている放射電極4の部位は、基体2の側面2eに形成されている部分であり、放射電極3の、基体の長手方向Aに沿って形成されている部位(上面2a,底面2f)と異なる。
【0050】
図5に示す例では、放射電極3において、側面2bから底面2fに向かって形成され、さらに、底面2fを基体2の長手方向Aに沿って形成されて側面2dに至る。そして、側面2dを上面2a側に向かっている途中で折れ曲がって側面2cに向かって形成され、さらに、この側面2cを基体2の長手方向Aに沿って形成されて、放射電極3の給電部3sの近傍に開放端3kが配置されている。基体2の長手方向Aに沿って形成されている放射電極3の部位は、底面2fに形成されている部位および側面2cに形成されている部位である。
【0051】
また、放射電極4は図4に示す形状と同様な形状と成し、基体2の長手方向Aに沿って形成されている放射電極4の部位は、基体2の側面2eに形成されている部分である。
【0052】
この第4実施形態例においても、前記各実施形態例と同様に、放射電極3の開放端3kと、放射電極4の開放端4kとは、相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されている。かつ、放射電極3の開放端3kは給電部3sの近傍に配置されて当該開放端3kと給電部3s間に電界を集中させる構成となっている。また、放射電極4の開放端4kの近傍には装荷用電極8が形成されており、開放端4kと装荷用電極8間に電界が集中する構成となっている。
【0053】
このような構成によって、前記各実施形態例と同様な優れた効果を得ることができる。その上、この第4実施形態例では、基体2の長手方向Aに沿って形成されている放射電極3,4の部位は、それぞれ、基体2の互いに異なる面に形成されているので、放射電極3,4が並設している部分が無くなり、放射電極3,4の相互干渉をより確実に抑制できる。
【0054】
なお、この発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記各実施形態例では、放射電極3の給電部3sと、放射電極4の給電部4sとは基体2の同じ面(側面2b)に形成されていたが、図6(a)や(b)に示すように、放射電極3の給電部3sと、放射電極4の給電部4sとは基体2の互いに異なる面に形成されていてもよい。
【0055】
また、上記各実施形態例では、放射電極3は略ループ形状と成し、開放端3kと給電部3s間に電界を集中させる構成であったが、例えば、図6(b)に示すように、放射電極3を、放射電極4と同様な形状とし、放射電極3の開放端3kの近傍に装荷用電極8を設けて、開放端3kと装荷用電極8間に電界を集中させる構成としてもよい。もちろん、この場合においても、放射電極3の開放端3kと、放射電極4の開放端4kとは、相互干渉を防止する間隔を持って離間配置される。
【0056】
さらに、上記各実施形態例では、放射電極3,4の各開放端3k,4kは基体2の互いに異なる面に形成されていたが、例えば、開放端3kと4kとが、放射電極3,4間の相互干渉を抑制することができる程度に離間していれば、それら開放端3k,4kは、例えば、図7に示すように、基体2の同じ面に形成されていてもよい。
【0057】
上記のように、この発明では、基体2に形成する放射電極3,4は、基体2の上面2aまたは側面2c,2eを通り間隔を介して並設されている部位を有し、かつ、放射電極3,4の開放端3k,4kが相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されるように、上記各実施形態例のような様々な態様に適宜形成されるものである。なお、放射電極3,4において、基体2の上面2aに並設されている部分がある場合には、その並設部分において放射電極3の信号の通電方向と、放射電極4の信号の通電方向とが互いに逆向きとなるように放射電極3,4が形成されるようにする。
【0058】
さらに、上記各実施形態例では、放射電極は2つ形成される構成であったが、もちろん、3つ以上形成してもよく、放射電極の形成数は実施形態例に限定されるものではない。
【0059】
【発明の効果】
この発明によれば、基体に第1と第2の放射電極が形成されており、これら各放射電極の開放端は、互いに、相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されているので、第1と第2の各放射電極間の電磁結合を緩和することができることとなる。
【0060】
このため、各放射電極間の電磁結合量が調整し易くなる。これにより、各放射電極をそれぞれ良好にアンテナ動作させることができ、互いに異なる複数の周波数帯の信号の送信あるいは受信を満足に行うことができる。また、各放射電極間の間隔を狭くしても、各放射電極間の電磁結合量を良好な結合量に調整することが容易となるので、表面実装型アンテナの小型化を図ることができる。また、それに伴って通信機の小型化を促進させることができる。
【0061】
したがって、互いに異なる複数の周波数帯の信号の送信あるいは受信を良好に行うことができ、しかも、小型な表面実装型アンテナおよび通信機を容易に得ることができるものである。
【0062】
また、この発明では、上記のように、各放射電極間の電磁結合量を良好な結合量に調整できるので、放射電極の整合が取り易くなる。さらにまた、各放射電極の利得を向上させることが容易となる。これにより、表面実装型アンテナの感度を高めることができ、表面実装型アンテナおよびそれを備えた通信機の通信の信頼性を向上させることができる。
【0063】
また、少なくとも1つの放射電極が略ループ形状と成しているものにあっては、上記したような優れた効果を奏することができる上に、基体を大型化することなく、放射電極の電気長を長くすることができるので、表面実装型アンテナの小型化を促進させることができる。
【0064】
さらに、第1と第2の放射電極は、その並設部分の隣り合う放射電極同士が、給電部から開放端に向かう方向が互いに逆向きとなっているので、その並設部分において、隣り合う放射電極同士の信号の通電方向が逆向きとなることから、それら放射電極間の相互干渉をより緩和することができる。
【0065】
さらにまた、各放射電極は、それぞれ、基体の長手方向に沿って形成されている部位を有し、それら各放射電極の部位は、基体の互いに異なる面に形成されているものにあっては、各放射電極の間隔を広げることができるので、放射電極間の相互干渉をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例において特徴的な表面実装型アンテナの一例を整合回路および信号供給源と共に模式的に示すモデル図である。
【図2】第2実施形態例の表面実装型アンテナを説明するための図である。
【図3】第3実施形態例の表面実装型アンテナを説明するための図である。
【図4】第4実施形態例の表面実装型アンテナを説明するための図である。
【図5】第4実施形態例の表面実装型アンテナの他の形態例を説明するための図である。
【図6】その他の実施形態例を説明するためのモデル図である。
【図7】さらに、その他の実施形態例を説明するためのモデル図である。
【図8】表面実装型アンテナの従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 表面実装型アンテナ
2 基体
3,4 放射電極
8 装荷用電極
Claims (9)
- 直方体の形状を呈してその長方体の短辺側の一方の側面を第1の側面とし、それに対向する反対側の側面を第2の側面とした基体の前記第1の側面の下端部に当該直方体の短辺方向に間隔を介してそれぞれ外部から信号が直接供給される第1の給電部と第2の給電部とが形成されており、前記第1の給電部から前記基体の底面、第2の側面、上面を順に通って前記第1の側面又は当該第1の側面に達する手前の上面位置まで延長されてその延長先端を開放端とした第1の放射電極が前記基体を周回する方向の経路形態で略ループ状に形成されて、当該開放端と前記第1の給電部間に電界を集中させる構成と成し、また、前記第2の給電部から前記第1の側面を立ち上がり、さらに上面を通って前記第2の側面又は当該第2の側面に達する手前の上面位置まで延長されてその延長先端を開放端とした第2の放射電極が前記基体を前記第1の放射電極とは逆向きに周回する方向の経路形態で形成され、前記基体の上面を通る第1の放射電極と第2の放射電極とが間隔を介し並設する部位は給電部から開放端に向う通電方向が互いに逆向きとなっており、前記第1の放射電極の電界が最も強くなる開放端を前記第1の側面又は当該第1の側面に達する手前の上面位置に配置し、前記第2の放射電極の電界が最も強くなる開放端を前記第1の側面とは反対側の第2の側面又は当該第2の側面に達する手前の上面位置に配置することで、前記第1の放射電極の開放端と第2の放射電極の開放端とは互いに電磁結合の相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されていることを特徴とする表面実装型アンテナ。
- 基体には第2の放射電極の開放端に間隔を介して当該開放端との間に電界を集中させるための電界集中用の電極が配置されていることを特徴とした請求項1記載の表面実装型アンテナ。
- 第2の放射電極は第2の給電部から基体の第1の側面、上面、第2の側面を順に経て当該第2の側面の近傍の底面位置まで延長されて、当該第2の放射電極の開放端は前記第2の側面の近傍の底面位置に配置されていることを特徴とした請求項1記載の表面実装型アンテナ。
- 第2の放射電極を、第2の給電部から第1の側面、上面を順に通って延長して形成する構成に代えて、第2の放射電極は、第2の給電部から第1の側面に沿って途中位置まで立ち上がった後に外横向きに方向を変え、さらに、当該第1の側面に隣接する基体の長辺側の側面を通って前記第1の側面とは反対側の第2の側面まで延長した経路によって形成されていることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の表面実装型アンテナ。
- 第1の放射電極を第1の給電部から基体の底面、第2の側面、上面を順に通って延長して形成する構成に代えて、第1の放射電極は、第1の給電部から基体の底面を経て第2の側面に沿ってその底面側から途中位置まで立ち上がった後に外横方向に向きを変え、さらに、第2の放射電極の経路が形成されている基体の長辺側の側面とは反対側となる基体の長辺側の側面を通して第1の側面の手前位置まで延長した略ループ状の経路によって形成されて、当該延長経路の先端の開放端と前記第1の給電部間に電界を集中させる構成と成し、前記基体の長辺側の側面位置の、前記第1の側面の手前位置に配置される第1の放射電極の開放端と前記第2の側面に配置される第2の放射電極の開放端とは互いに電磁結合の相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されていることを特徴とした請求項4記載の表面実装型アンテナ。
- 第2の給電部を第1の側面の下端部に形成するのに代えて、第2の給電部を前記第1の側面の近傍であって、かつ、当該第1の側面の両隣りに連接して対向し合う基体の2つの長辺側の側面のうち第1の給電部から遠い側となる長辺側の側面の下端部に形成し、第2の放射電極は前記第2の給電部から当該第2の給電部が形成されている長辺側の側面に沿って上面まで立ち上がり、さらに当該上面を通って第2の側面へ向けて延長する構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の表面実装型アンテナ。
- 直方体の形状を呈してその長方体の短辺側の一方の側面を第1の側面 とし、それに対向する反対側の側面を第2の側面とした基体の前記第1の側面の下端部に外部から信号が直接供給される第1の給電部が、前記第2の側面の下端部には外部から信号が直接供給される第2の給電部がそれぞれ形成されており、前記第1の給電部から前記第1の側面に沿って立ち上がった後に基体の上面を通って前記第2の側面まで延長されてその延長先端を開放端とした第1の放射電極が基体表面に形成され、また、第2の給電部から前記第2の側面に沿って立ち上がった後に基体の上面を通って前記第1の側面まで延長されてその延長先端を開放端とした第2の放射電極が基体表面に形成されており、前記基体の上面を通る第1の放射電極と第2の放射電極とが間隔を介し並設する部位は給電部から開放端に向う通電方向が互いに逆向きとなっており、前記第1の放射電極の電界が最も強くなる開放端を前記第2の側面位置に配置し、前記第2の放射電極の電界が最も強くなる開放端を前記第1の側面位置に配置することで、前記第1の放射電極の開放端と第2の放射電極の開放端とは互いに電磁結合の相互干渉を防止する間隔を持って離間配置されていることを特徴とする表面実装型アンテナ。
- 基体には第1の放射電極の開放端に間隔を介して当該開放端との間に電界を集中させるための電界集中用の電極と、第2の放射電極の開放端に間隔を介して当該開放端との間に電界を集中させるための電界集中用の電極との一方又は両方の電極が設けられていることを特徴とした請求項7記載の表面実装型アンテナ。
- 請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の表面実装型アンテナが設けられていることを特徴とした通信機。
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