JP4228140B2 - 光学素子成形方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子成形方法および光学素子成形装置に係わり、特に、金型により素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法および光学素子成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上型と下型との間に、ガラスの素材を収容し、素材を所定温度まで加熱した状態で、下型を下軸により上方に移動して素材を加圧し、所定形状のガラス素子を成形する成形方法が知られている。
図11は、このような成形方法を示すもので、金型の下型が、下軸の機械的な原点Z0から、成形方向に決まった位置Z1まで上昇され、金型が加熱される。
【0003】
そして、金型の温度が、目標温度T1に達した後に、下型が上方に向けて成形圧力P1で移動され、下型が成形終了位置Z2に達した位置で、成形が終了される。
また、従来、金型によりガラスを加圧し、所定形状のガラス素子を成形するガラス素子成形装置として、例えば、特開平8−208247号公報に開示されるものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−208247号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した図11に示した成形方法では、下型の成形終了位置Z2を、下軸の機械的な原点Z0を基準としているため、金型の外形の高さに誤差があるとその誤差に応じ成形された光学素子の形状が変わってしまうという問題があった。
【0006】
従って、従来、複数の金型を使用する場合には、全ての金型の高さを高い精度で揃えるか、あるいは、制御装置に誤差を吸収するパラメータを付与することが必要であった。
しかしながら、全ての金型の高さを高い精度で揃える場合には、加工に多大な時間が必要になり、また、制御装置に誤差を吸収するパラメータを付与する場合には、金型の管理が煩雑になるという問題が生じる。
【0007】
一方、近年、ガラス光学素子の成形精度が高精度化しつつあり、高精度化を実現するためには、機械の剛性を高めるとともに、使用環境(周囲温度、成形圧力、成形温度)を向上し、また、金型の誤差をより小さくすることが要望されている。
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、最終的な成形空間の形状に誤差が生じることを容易,確実に低減することができる光学素子成形方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の光学素子成形方法は、第1の金型と第2の金型との間に、光学素子の素材を収容し、前記素材を所定温度まで加熱した状態で、前記第1の金型と前記第2の金型とを相対移動して前記素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法において、前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との距離を成形基準距離とし、この成形基準距離から前記第1の金型または前記第2の金型を、予め定められた所定距離移動して前記光学素子の成形を終了することを特徴とする。
【0009】
請求項2の光学素子成形方法は、請求項1記載の光学素子成形方法において、前記第1の金型が固定、前記第2の金型が移動可能とされ、前記成形基準距離は、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の位置に対応して与えられることを特徴とする。
請求項3の光学素子成形方法は、請求項1記載の光学素子成形方法において、前記第1の金型および前記第2の金型が移動可能とされ、前記成形基準距離は、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との間隔に応じて与えられることを特徴とする。
【0010】
請求項4の光学素子成形方法は、第1の金型と第2の金型との間に、光学素子の素材を収容し、前記素材を所定温度まで加熱した状態で、前記第2の金型を移動して前記素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法において、前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の位置を成形基準位置とし、この成形基準位置から前記第2の金型を、予め定められた所定距離移動して前記光学素子の成形を終了することを特徴とする。
【0011】
請求項5の光学素子成形装置は、第1の金型と第2の金型との間に収容される光学素子の素材を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により所定温度まで加熱された前記素材を前記第1の金型と前記第2の金型とを相対移動して加圧する金型移動手段と、前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段で検出された圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との距離を成形基準距離とし、この成形基準距離から前記第1の金型または前記第2の金型が予め定められた所定距離移動するように前記金型移動手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項6の光学素子成形装置は、請求項5記載の光学素子成形装置において、前記金型移動手段は、前記第2の金型を移動し、前記制御手段は、前記成形基準距離を、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の間隔に応じて与えることを特徴とする。
請求項7の光学素子成形装置は、請求項5記載の光学素子成形装置において、前記金型移動手段は、前記第1の金型および前記第2の金型を移動し、前記制御手段は、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との位置に対応して前記第1の金型または前記第2の金型のそれぞれに前記成形基準距離を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項8の光学素子成形装置は、第1の金型と第2の金型との間に収容される光学素子の素材を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により所定温度まで加熱された前記素材を前記第2の金型を移動して加圧する金型移動手段と、前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段で検出された圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の位置を成形基準位置とし、この成形基準位置から前記第2の金型が予め定められた所定距離移動するように前記金型移動手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項9の光学素子成形装置は、請求項5ないし請求項8のいずれか1項記載の光学素子成形装置において、前記制御手段は、前記予め定められた所定の圧力を設定する圧力設定手段を有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の光学素子成形装置の第1の実施形態を示している。
この実施形態では、装置本体11の上部に成形室15が形成されている。そして、この成形室15に成形型集合体17を配置した状態で成形が行われる。
【0017】
図2は、成形型集合体17の詳細を示している。成形型集合体17は、上成形型19と下成形型21とを備えている。上成形型19と下成形型21とは、円筒状のスリーブ23に上下方向に摺動自在に嵌合されている。上成形型19の下端面および下成形型21の上端面には、成形すべきレンズに対応する形状の凹部19a,21aが形成されている。そして、上成形型19と下成形型21との間に、ガラス母材からなる素材25が収容されている。上成形型19には、熱電対挿入孔19bが形成されている。なお、下成形型21に熱電対挿入孔を形成しても良い。
【0018】
この実施形態では、成形室15の上方に上軸27が配置されている。この上軸27は、装置本体11の上板29の下面に固定されている。そして、上軸27の下面に成形型集合体17の上成形型19の上面が当接可能とされている。上板29および上軸27を貫通して熱電対31が配置され、熱電対31の下部が、成形型集合体17の上成形型19に形成される熱電対挿入孔19b(図2に示す)に挿入可能とされている。
【0019】
成形室15の外側には、成形型集合体17を加熱する加熱ユニット33が配置されている。加熱ユニット33の下端は、仕切板35を備え、仕切板35は成形室15を成形時に密閉し、成形室15が窒素からなる不活性ガス雰囲気とされている。なお、このように成形室15を不活性ガス雰囲気とすることにより、成形型集合体17の酸化を防止することができるが、後述する第2の実施形態の光学素子成形装置を使用することでも、成形室15を確実に不活性ガス雰囲気とすることが可能になる。
【0020】
この実施形態では、成形室15の下方に下軸37が配置されている。この下軸37の上面には、成形型集合体17の下成形型21の下面が当接可能とされている。下軸37は、仕切板35および支持板39を貫通して下方に垂下されている。仕切板35の下面には、下軸37を冷却する冷却ユニット41が配置されている。支持板39には、下軸37を案内する下軸ガイド43が配置されている。この下軸ガイド43は、例えば、ボールブッシュからなる。
【0021】
下軸37の下軸ガイド43の下方には、加圧検出器45が介在されている。この加圧検出器45は、例えば、ロードセルからなる。下軸37の下端には、下軸加圧ユニット47が配置されている。この下軸加圧ユニット47は、図示しないモータおよび駆動機構を備えており、モータにより駆動機構を作動することにより、下軸37が上下方向に移動される。モータには、例えば、サーボモータ等のモータが使用される。
【0022】
下軸加圧ユニット47の下部には、下軸37の位置を検出する下軸位置検出部49が配置されている。この下軸位置検出部49は、モータ軸に配置される図示しないエンコーダからのパルスを検出し、モータ軸の回転数および回転位置から下軸37の位置を検出する。なお、本実施形態では、下成形型21の位置を下軸37の位置をモニターすることで得る様にしている。
【0023】
図1において符号51は、上述した光学素子成形装置を制御する制御装置を示している。
この制御装置51には、熱電対31からの温度信号、加圧検出器45からの圧力信号、および、下軸位置検出部49からの下軸位置信号が入力される。
そして、この制御装置51は、加圧検出器45で検出された圧力が、予め定められた所定の圧力(以下成形基準圧力値Psという)になった時の下成形型21の位置を成形基準位置Zsとし、この成形基準位置Zsから下成形型21が予め定められた所定距離移動するように下軸加圧ユニット47を制御する。
【0024】
なお、この実施形態では、制御装置51には、上述した成形基準圧力値Psを設定する圧力設定手段であるダイヤル53が設けられており、ダイヤル53を操作することにより成形基準圧力値Psを変更可能である。
【0025】
図3は、この実施形態の光学素子成形装置による成形方法を示している。
この実施形態では、先ず、成形型集合体17の上成形型19と下成形型21との間にガラス母材からなる素材25が収容される。この素材25の収容は、例えば、図4の(a)に示すように、スリーブ23から上成形型19を抜き取り、スリーブ23内に素材25を投入した後、図4の(b)に示すように、スリーブ23に上成形型19を嵌挿することにより行われる。
【0026】
次に、素材25が収容された成形型集合体17が、加熱ユニット33および成形室15に形成される図示しない成形型集合体17の搬入部から、成形室15内に収容される。なお、素材25が収容された成形型集合体17の成形室15内への搬入および搬出は、後述する第2の実施形態の光学素子成形装置を使用することにより、容易,確実に行うことが可能になる。
【0027】
この状態では、図5の(a)に示すように、下軸37の上端に下成形型21の下端が当接され、成形型集合体17は上軸27に対し、作業が行い易い様に十分な広さの間隙Lを有している。そして、この状態では、図3に示すように、成形型集合体17の温度が常温T0とされている。また、この時の下軸37の上端の位置がZ0とされている。さらに、下軸37には成形圧力の作用はなく、加圧検出器45の圧力がP0とされている。
【0028】
次に、図3に示すように、下軸37の上端が、成形加熱位置Z1まで上昇される。この状態では、図5の(b)に示すように、下軸37の上端に下成形型21の下端が当接され、上成形型19の上端と上軸27との間に多少の間隙L1が形成されている。
そして、所定時間後に、加熱ユニット33による成形型集合体17の加熱が開始される。成形型集合体17の温度は熱電対31を介して制御装置51に入力されており、制御装置51は、熱電対31からの温度が成形温度T1になるまで成形型集合体17を加熱し、成形温度T1になった後には、この成形温度T1を維持するように加熱ユニット33を制御する。
【0029】
そして、成形型集合体17が成形温度に所定時間維持された後に、下軸加圧ユニット47により、下軸37が上方に向けて予め定められた所定の速度で移動される。この下軸37の移動により、下成形型21が上方に移動され、上成形型19と下成形型21との間隔が狭まり、加圧検出器45から制御装置51に入力される圧力値が増大する。
【0030】
制御装置51は、この圧力値が、予め定められた成形基準圧力値Psになった時の下成形型21の位置を成形基準位置Zsとする。この状態では、図5の(c)に示すように、下軸37の上端に下成形型21の下端が当接され、上成形型19の上端と上軸27とが当接されている。
そして、制御装置51は、この成形基準位置Zsから下成形型21が予め定められた所定距離移動するように下軸加圧ユニット47を制御する。
【0031】
すなわち、下軸37の上端の成形終了位置をZ2とすると、所定距離は、Z2−Zsとなり、制御装置51は、この距離だけ下軸37を移動する。なお、このときの成形基準位置Zsから成形終了位置Z2までの距離は、制御装置51に予め設定可能とされている。
この実施形態では、図3に示すように、下軸加圧ユニット47は、トルク制御されており、圧力値が、予め定められた成形圧力値P1になるまでは、下軸37が上方に向けて予め定められた所定の速度で移動される。そして、圧力値が、予め定められた成形圧力値P1になった後には、成形圧力値P1を維持しながら下軸37が成形終了位置Z2まで移動される。
【0032】
図5の(d)は、下軸37の上端を成形終了位置Z2まで移動した時の上成形型19と下成形型21の状態を示しており、上成形型19と下成形型21の凹部19a,21aが形成する最終的な成形空間の形状には、殆ど誤差が生じておらず、ガラスのレンズからなる光学素子が高い精度で成形されている。
【0033】
この後、図3に示すように、下軸加圧ユニット47により、下軸37の上端の位置がZ0の位置まで下降され、同時に、加熱ユニット33による加熱が断たれ、成形室15に供給される窒素からなる不活性ガスにより、成形型集合体17が冷却される。そして、冷却後に、成形型集合体17が成形室15から取り出される。
上述した実施形態では、加圧検出器45で検出された圧力が、成形基準圧力値Psというになった時の下成形型21の位置を成形基準位置Zsとし、この成形基準位置Zsから下成形型21が予め定められた所定距離移動するように下軸加圧ユニット47を制御するようにしたので、上成形型19と下成形型21の凹部19a,21aが形成する最終的な成形空間の形状に誤差が生じることを容易,確実に低減することができる。従って、ガラスのレンズからなる光学素子を高い精度で容易,確実に成形することができる。
【0034】
すなわち、上述した実施形態では、加熱および加圧後に成形基準位置Zsを決めることにより、装置自身の加熱による熱膨張、加圧による装置自身の歪、および、成形型集合体17のプレス方向長さの誤差を吸収することが可能になる。また、同時に、使用環境周囲温度、湿度、冷却水温度、冷却水流量においても使用条件を緩和することが可能になる。そして、光学素子成形装置の繰り返し精度さえよければ、装置の強度を下げても高精度のレンズ成形が可能になる。
【0035】
そして、複数の成形型集合体17を使用する場合にも、全ての成形型集合体17の高さを高い精度で揃える必要がなくなり、また、制御装置51に誤差を吸収するパラメータを付与する必要がなくなる。
また、上述した実施形態では、制御装置51に成形基準圧力値Psを設定する圧力設定手段であるダイヤル53を設けたので、成形される光学素子の形状に応じて成形基準圧力値Psを、P0<Ps<P1の範囲で調整することにより、光学素子をより高い精度で容易,確実に成形することができる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、上成形型19を固定状態にし、加圧検出器45で検出された圧力が、成形基準圧力値Psになった時の下成形型21の位置を成形基準位置Zsとし、この成形基準位置Zsから下成形型21が予め定められた所定距離移動するように下軸加圧ユニット47を制御するようにした例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、図6の(a)に示すように、上軸加圧ユニット55により上成形型19を下方向に積極的に移動可能に構成し、上成形型19と下成形型21の両者を移動して成形を行うようにしても良い。
【0037】
そして、この場合には、図6の(b)に示すように、加圧検出器45で検出された圧力が、成形基準圧力値Psになった時の上成形型19と下成形型21との距離L2を成形基準距離とし、この成形基準距離L2から上成形型19および下成形型21を予め定められた所定距離移動することにより成形が行われる。なお、この成形基準距離L2は、図示していない上軸位置検出部と、下軸位置検出部のそれぞれから、上成形型19の上端面の位置と、下成形型21の下端面の位置を得て、それぞれの位置の差から求められる。
【0038】
また、上述した実施形態では、ガラスからなるレンズの成形に本発明を適用した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、樹脂等からなるレンズあるいは種々の光学素子の成形に広く適用することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0039】
図7はこの実施形態の光学素子成形装置であり、その要部の内部断面図を示す。また、図8は搬送機構108を、図9は成形型集合体123を、図10は加熱機構を示す。図7,図8,図9,図10を参照して本発明の第2の実施形態の光学素子成形装置を説明する。
なお、この第2の実施形態では、素材が収容された成形型集合体123を成形室内へ搬入,搬出するための構成、および、成形部を不活性ガス雰囲気とする構成を主に述べる。そして、下軸139を移動するための構造、および、制御方法等については、第1の実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0040】
図7にて、本発明の実施の形態の光学素子成形装置は、供給室101と中間室102と成形室103と取出室104と搬送機構105,107,108と成形兼搬送機構106とを具える。なお、I,II,III,IV,V,V’,VIは成形型集合体123の位置を示す。
この実施形態の光学素子成形装置の供給室101は、ロータリポンプ等の真空ポンプ109と、不活性ガス導入部110と、圧力計119と、仕切りバルブ147と、成形型集合体123を外部からセットする為の前扉(不図示)とを具える。
【0041】
図7中のIの位置は、成形型集合体123を外部からセットする位置である。開閉軸153の回りに弁体を反時計回りに回転させて、仕切りバルブ147を閉め、成形型集合体123をIの位置にセットし、前扉を閉め、供給室101を密閉した状態で真空ポンプ109を働かせると、供給室101内を真空雰囲気にすることができる。
【0042】
また、供給室101が真空に到達したら排気を止め、不活性ガスをガス導入部110から導入させれば、供給室101の内部を不活性ガス雰囲気にし、酸素を成形型集合体123から排除することができる。その供給室101内の不活性ガスの圧力を圧力計119で測定することができるので、不活性ガス導入部110のガス流量を調節をすることにより供給室101内を所望の圧力の不活性ガス雰囲気に調節することができる。
【0043】
また、供給室101内の雰囲気は前扉を開けることで大気雰囲気に置換されてしまうが、供給室101の容積は成形機全体から見れば小さいので、不活性ガスの消費量を減らすことができる。また、成形型集合体123をIの位置からIIの位置へ搬送する為に搬送軸138を上昇させる時には、開閉軸153の回りに弁体を時計回りに回転させて、仕切りバルブ147を開ける。
【0044】
この実施形態の光学素子成形装置の中間室102は、IIIの位置と、V’の位置と、Vの位置と、冷却機構117,118と、不活性ガス導入部111と、不活性ガス排出部115と、中間室102内の圧力を測定するための圧力計120とを具える。
図7中のIIの位置は、搬送軸138の上昇によって供給室101のIの位置から搬送された成形型集合体123を搬送機構108が受取る位置である。IIIの位置は搬送機構108が搬送した成形型集合体123を成形兼搬送機構106に受け渡す位置である。V’の位置は成形済みの成形型集合体123を冷却する位置である。Vの位置は、冷却が終了して、搬送機構108が搬送した成形型集合体123を搬送機構107に受け渡す位置である。
【0045】
中間室102の圧力は、圧力計120で圧力を測定しながら、不活性ガス導入部111からのガス導入量と不活性ガス排出部115からのガス排出量とを調整することにより所望の圧力に調節することができる。
冷却機構117,118は、水冷された金属ブロックから構成され、搬送機構108が成形型集合体123を冷却機構117に載置し、その後、冷却機構117を矢印157で示すように上昇させ、冷却機構117,118を成形型集合体123の上面と下面に押し当て、熱伝導による冷却を行なう。
【0046】
この実施形態の光学素子成形装置の成形室103は、不活性ガス導入部112と、軸シール116と、ガス流路150と、圧力計121と、加熱ヒータ124と、熱電対125とを具える。
図7中のIVの位置は、成形型集合体123の不活性ガス置換と加熱と成形をする為の位置である。圧力計121で圧力を測定しながら不活性ガス導入部112を調整することにより成形室103の不活性ガスを所望の圧力に調節することができる。
【0047】
ガス流路150は成形室103と中間室102とを連通するように軸シール116の回りに開けられた複数の小さな孔であり、成形室103の圧力が過大にならないように、また中間室102と適度な圧力差を保つことができるようなコンダクタンスを持つように孔の数と大きさを決めている。
加熱ヒータ124は、加熱成形位置IVにある成形型集合体123を熱電対125で温度を測定しながら加熱し、ガラス母材を成形に適した粘度にする。
【0048】
この実施形態の光学素子成形装置の取出室104は、不活性ガス導入部113と、不活性ガス排出部114と、圧力計122と、仕切りバルブ148と、成形型集合体123を光学素子成形装置の外へ取り出す為の前扉(不図示)を具える。
図7中のVIの位置は、搬送軸140の下降によって中間室102から搬送された成形型集合体123を外部への取り出しの為に保持する位置である。
【0049】
取出室104では、開閉軸154の回りに弁体を時計回りに回転させて、仕切りバルブ148を閉め、前扉を閉めた状態で圧力計122で圧力を測定しながら不活性ガス導入部113と不活性ガス排出部114に接続された排気ポンプを調整することにより取出室104の内部を所望の圧力の不活性ガス雰囲気にすることができる。
【0050】
また、不活性ガス排出部114に接続された排気ポンプを制御することで、不活性ガス導入部113から導入された不活性ガスが、取出室104に向かって流れが常に生ずるようになる。このようにすることにより、取出室104が大気中に開放されたとしても、酸素が成形室103に到着しにくくなっている。
なお、取出室104の容積は不活性ガスの消費量を減らす為に出来るだけ小さくされることが好ましい。また、搬送軸140を下降させて成形型集合体123をVの位置からVIの位置へ下降させるときには、開閉軸154の回りに弁体を反時計回りに回転させて、仕切りバルブ148を開けるように構成されている。
【0051】
この実施形態では、成形型集合体123は図9に示されるように構成されている。以下成形型集合体123を図9を参照して説明する。
成形型集合体123は、上成形型126と、下成形型127と、スリーブ128と、ガラス母材129と、搬送台130とを具える。
下成形型127とガラス母材129と上成形型126とは、この順番でスリーブ128に嵌めこまれ、これらがスリーブ128の内壁に沿って上下に動けるように嵌合されている。
【0052】
スリーブ128と上成形型126とガラス母材129と下成形型127とは、搬送台130に載置され、搬送台130の側面には搬送用の窪み131が設けられている。この搬送用の窪み131は中間室102で搬送機構108が成形型集合体123を搬送するために用いられる。
また、上成形型126には熱電対125の挿入孔132が開けられており、そこに熱電対125を挿入することにより上成形型126の温度を測ることができる。また、下成形型127にも上成形型126と同様な挿入孔と、搬送台130にその挿入孔と連通するような貫通孔を設けて、そこに熱電対を挿入して、下成形型127の温度を計測できるようにしても良い。
【0053】
次に、この実施形態の光学素子成形装置の搬送機構105,106,107,108について説明する。
この実施形態の光学素子成形装置の搬送機構108の上面図を図8に示す。図8,図7を参照してこの実施形態の光学素子成形装置の搬送機構108を説明する。
【0054】
この実施形態の光学素子成形装置の搬送機構108は、成形型集合体123をIIの位置からIIIの位置へ、IIIの位置からV’の位置へ、V’の位置からVの位置へ搬送することができるよう構成されている。
また、IIの位置では、Iの位置から搬送機構105によって搬送された成形型集合体123を受取ることができるように構成されている。IIIの位置では成形兼搬送機構106へ成形型集合体123を受け渡すことができ、成形兼搬送機構106から成形済の成形型集合体123を受取ることができるように構成されている。V’の位置では冷却機構117へ成形済の成形型集合体123を受け渡すことができ、冷却機構117から冷却済の成形型集合体123を受け取ることができるように構成されている。Vの位置では搬送機構107へ成形型集合体123を受け渡すことができるように構成されている。
【0055】
この実施形態の光学素子成形装置の搬送機構108は、本体の主要部分が中間室102の中に設けられ、ボールネジ141とボールネジ141に螺合させた移動機構143とボールネジ141を回転させる為のモータ142とを具える。
また、移動機構143は、その先端部に把持部144を具え、不図示の開閉機構で把持部144を145で示す方向に開閉することができる。また、把持部144は146の矢印で示す方向に把持部144単独で移動可能な構造を有する。
【0056】
図8はAの方向に移動した把持位置を示す。把持部144はAの方向に移動して、成形型集合体123を把持する動作を行い、II〜Vの位置間での搬送が行なわれ、Bの方向に移動して、把持部144が退避し、移動機構143をII〜Vの位置間で干渉なく移動させることができる。
搬送機構108が成形型集合体123を受け取る方法を以下の具体例で説明する。
【0057】
IIの位置で、搬送機構108は以下のように動作し、供給室101から搬送された成形型集合体123を受け取る。
移動機構143は、把持部144を開き、B方向に後退させ退避させた状態でIIの位置まで移動する。IIの位置には搬送軸138の上昇によって、成形型集合体123が待機している。その状態で、把持部144をAの方向に前進させ把持部144を閉じて成形型集合体123の搬送用窪み131を挟むことにより成形型集合体123を把持する。その後、搬送軸138を下降させることができる。この把持の様子を図9に示す。成形型集合体123を把持した状態でモータ142を回転させて成形型集合体123を左方向へ移動させることにより搬送が行なわれる。
【0058】
搬送機構108が成形型集合体123を受け渡す方法を以下の具体例で説明する。
IIIの位置で、搬送機構108は以下のように動作し、供給室101から搬送した成形型集合体123を受け渡す。
移動機構143は、把持部144を閉じて、成形型集合体123を把持した状態でIIIの位置まで移動する。IIIの位置に於いて、搬送された成形型集合体123は、成形兼搬送機構106の頂上部149の真上に位置する。その状態で、移動機構143の把持部144を開いて成形型集合体123の把持を解除することにより成形型集合体123は頂上部149に載置される。
【0059】
このようにして受け渡しを終了させ、その後、移動機構143は把持部144を退避方向Bへ後退させ、次の搬送位置まで移動する。モータ142を正転させれば左方向へ逆転させれば右方向に移動機構143を移動させることができる。
他のVの位置、V’の位置等での成形型集合体123の受け渡しと受取りの動作方法は上に説明した方法と概略同じであるので説明を省略する。
【0060】
この実施形態の搬送機構105は、搬送軸138と、ガイド及びシール機構133と、空圧シリンダ機構(不図示)とを具える。
搬送軸138の頂上部137に成形型集合体123を載置し、開閉軸153の回りに弁体を時計回りに回転させて、仕切りバルブ147を開けた状態で、搬送軸138をガイド及びシール機構133に沿って上昇させることにより供給室101のI位置から中間室102のII位置へ成形型集合体123を搬送する。搬送を終えると、搬送軸138の頂上部137をIの位置にまで戻す。
【0061】
この実施形態の光学素子成形装置の成形兼搬送機構106は、下軸139とガイド機構134と空圧シリンダ機構(不図示)と軸シール135,116とを具える。
【0062】
搬送に当たっては、中間室102のIIIの位置で、搬送機構108から受け渡され、頂上部149に成形型集合体123が載置された下軸139を、IIIの位置から成形室103のIVの位置までガイド機構134に沿って上昇させる。この上昇によって、熱電対125が成形型集合体123の熱電対挿入孔132に挿入され、成形時の温度が測定可能になる。この段階では未だ上成形型126の上面は突き当て面151に突き当たっていない。この状態で成形型集合体123の不活性ガス供給と加熱とを行なう。不活性ガス供給と加熱が終了すると成形を行なう。
【0063】
成形に当たっては、搬送終了の状態から、更に下軸139を、上方に移動させて、上成形型126が突き当て面151に突き当てられる。更に、下軸139を上方に移動するように駆動力を与えることで、上成形型126と下成形型127とがガラス母材129に対して相対的に移動し、上成形型126と下成形型127とがガラス母材129に接触し密着してガラス母材129が成形される。成形を終えると、下軸139の頂上部149を下降させて成形型集合体123をIIIの位置にまで戻す。
【0064】
このように中間室102の上に成形室103を設け、更に成形兼搬送機構106は、中間室102と成形室103との問での成形型集合体123の搬送と、成形型集合体123の上成形型126と下成形型127の間での加圧とを同一部材で行えるようにしたので、省スペースでかつ安価な光学素子成形装置を得ることが可能となった。また、成形室103では成型時に不活性ガスを導入しているが、従来成形室103だけで不活性ガスを導入しただけでは、成形室に酸素が残存していたため、成形時に成形室103に存在する各部品を酸化してしまっていたが、本光学素子成形装置では供給室101を一旦真空にして酸素を極力排除しているため、成形時に発生する酸化を極力防ぐことができるようになった。
【0065】
この実施形態の光学素子成形装置の搬送機構107は、搬送軸140とガイド機構136と空圧シリンダ機構(不図示)とを具える。
搬送に当たっては、開閉軸154の回りに弁体を反時計回りに回転させて、仕切りバルブ148を開けた状態で、中間室102のVの位置で搬送機構108から受け渡され、頂上部152に成形型集合体123が載置された搬送軸140を、Vの位置から取出室104のVIの位置まで下降させる。取出室104の前扉を開ければ、頂上部152から成形型集合体123が取り外し可能となる。
【0066】
この実施形態の光学素子成形装置では、酸素等の活性ガスを極力減らした条件で成形型集合体123の加熱、成形を行なうために、中間室102と供給室101との問、成形室103と中間室102との間、及び中間室と取出室104との間に圧力差を設けている。
すなわち、この実施形態の光学素子成形装置では、例えぱ供給室101から中間室102へ成形型集合体123を搬送する時に供給室101から中間室102へ流入する酸素等の活性ガスの流入量を減らす為に、中間室102の圧力を供給室101の圧力よりも高めてある。中間室102と供給室101との圧力差は高い程、活性ガスのこの流入防止効果は高まるが、圧力差を高くし過ぎると、仕切りバルブ147を開けたときに不活性ガスが吹き出すので好ましくなく、供給室101の前扉を開けて成形型集合体123をセットするときに散逸する不活性ガスの量が増える点でも好ましくない。
【0067】
このことは取出室104で外部に成形型集合体123を取り出す場合についても言える。また、逆に圧力差を低くし過ぎると活性ガスの流入防止効果が低くなる。好ましい圧力差は、1hPa以上〜10hPa以下である。同様な理由で、成形室103の圧力は中間室102の圧力よりも1hPa以上〜10hPa以下だけ高くされることが好ましく、中間室102の圧力は取出室104の圧力よりも1hPa以上〜10hPa以下だけ高くされることが好ましい。
【0068】
また、中間室102と供給室101、中間室102と取出室104のあいだには、仕切りバルブ147,148を設けることで、中間室102に存在する不活性ガスを不用意に消費することを抑えている。特に供給室101は成形型集合体123から酸素を排除するため、真空引きしている。そのときに、不活性ガスの無駄な放出を抑えることができる。
【0069】
このように構成することにより、中間室102の不活性ガスの純度を供給室101や取出室104の不活性ガスの純度よりも高く、また、成形室103の不活性ガスの純度を中間室102の不活性ガスの純度よりも高くすることができる。
なお、供給室101と取出室104は成形型集合体123のセットと取り出しのときには必ず大気圧にしなければならない。その為に、供給室101と取出室104に於ける不活性ガスの圧力はほぼ大気圧にすることが好ましい。
【0070】
この実施形態の光学素子成形装置は、以上述べたような圧力調整をする為に、不活性ガス導入部110,111,112,113に圧力制御器やガス流量制御器を、また、不活性ガス排出部114,115にガス流量制御器を設けている。
また、この実施形態の光学素子成形装置で用いる不活性ガスとしては消費金額の点で高純度の窒素ガスが好ましいが、必要に応じて高純度のアルゴン,ネオン等の稀ガスを用いても良い。
【0071】
この実施形態の光学素子成形装置は以下のような手順で成形を行なう。以下に図7,図8,図9,図10を用いて成形工程を説明する。
(1)先ず供給室101のIの位置に成形型集合体123を手または自動供給機でセットする。
(2)次に供給室101を真空ポンプ109で排気し、真空に到達したら、排気を止める。
【0072】
(3)不活性ガス導入部110から不活性ガスを導入し、中間室102との圧力差を所定値にした状態で仕切りバルブ147を開け、搬送機構105が成形型集合体123をIの位置からIIの位置へ搬送し、IIの位置で成形型集合体123を搬送機構108に受け渡す。受け渡し終了後、搬送機構105の頂上部137を供給室101まで戻し、仕切りバルブ147を閉める。
【0073】
(4)搬送機構108は成形型集合体123をIIIの位置に搬送し、成形兼搬送機構106に受け渡す。
(5)成形兼搬送機構106は成形型集合体123をIIIの位置からIVの位置まで移動する。この位置で成形型集合体123の不活性ガス置換と加熱とを行い、不活性ガス置換と加熱の終了後に成形を行なう。
【0074】
(6)成形を終えたら、下軸139を下降させ、成形型集合体123をIVの位置からIIIの位置まで戻す。
(7)成形兼搬送機構106は成形型集合体123をIIIの位置で搬送機構108へ受け渡す。
(8)搬送機構108は成形済の成形型集合体123をIIIの位置からV’の位置へ搬送する。
【0075】
(9)搬送機構108は成形型集合体123をV’の位置で冷却機構117に受け渡し、冷却機構117,118により成形型集合体123の冷却を行なう。
(10)搬送機構108は冷却済の成形型集合体123を冷却機構117から受取り、V’の位置からVの位置へ搬送する。
(11)搬送機構108はVの位置で成形型集合体123を搬送機構107に受け渡す。
【0076】
(12)搬送機構107は仕切りバルブ148を開けた状態で成形型集合体123をVの位置からVIの位置へ搬送する。搬送終了後仕切りバルブ148を閉める。
(13)VIの位置で前扉を開け、成形処理を終了した成形型集合体123を外部に取り出す。
【0077】
以上説明した、▲1▼IとIIの位置での処理、▲2▼IIIとIVの位置での処理、▲3▼V’の位置での処理、▲4▼VとVIの位置での処理の4つの処理は相互に干渉しないで行うことができる。すなわち、これら4つの処理は並行して行うことができるので、この実施形態の光学素子成形装置は4個の成形型集合体を同時に並行処理することができる。従って、この実施形態の光学素子成形装置は生産数が多い(スループットが高い)。
【0078】
また、この実施形態の光学素子成形装置は成形室103を大気に曝すことなく、中間室102よりも高圧に、中間室102を供給室101や取出室104よりも高圧に、成形室103と外部との間で差圧が二重に取られている。更に成形型集合体をセット後に供給室101を一度真空にして、酸素等の活性ガスを脱ガスしてから不活性ガス雰囲気にしているので、成形型集合体のセットや取り出しの際にも成形室103の不活性ガス雰囲気中へ流れ込む酸素等の活性ガスの量が極めて少ないので、上成形型126、下成形型127が酸化することが殆どない。その為、この実施形態の光学素子成形装置を用い、以上の工程で成形された光学素子は成形された面である光学面にくもりがない。
【0079】
また、この実施形態の光学素子成形装置は成形型集合体123を用いて成形している。成形型集合体123は、図9を見れば分かるようにスリーブ128が上成形型126、下成形型127のガイドの役割を持っているので、上成形型126、下成形型127の傾きが少なく、従来の光学素子成形装置と較べて、成形された光学素子に偏心が少ない。
【0080】
この実施形態の光学素子成形装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、くもりがなく、偏心が少ない高品質の光学素子を成形することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の光学素子成形方法および装置によれば、最終的な成形空間の形状に誤差が生じることを容易,確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子成形装置の第1の実施形態を示す説明図である。
【図2】図1の光学素子成形装置に使用される成形型集合体を示す説明図である。
【図3】図1の光学素子成形装置による成形方法を示す説明図である。
【図4】図2の成形型集合体内への素材の収容方法を示す説明図である。
【図5】図3の成形方法における上成形型と下成形型の動きを示す説明図である。
【図6】本発明の光学素子成形装置の他の例を示す説明図である。
【図7】本発明の光学素子成形装置の第2の実施形態の要部を示す説明図である。
【図8】図7の搬送機構を示す説明図である。
【図9】図7の光学素子成形装置に使用される成形型集合体を示す説明図である。
【図10】図7の加熱ヒータ回りを示す説明図である。
【図11】従来の光学素子成形方法を示す説明図である。
【符号の説明】
17,123 成形型集合体
19,126 上成形型
21,127 下成形型
33 加熱ユニット
37,139 下軸
45 加圧検出器
47 下軸加圧ユニット
49 下軸位置検出部
51 制御装置
Ps 成形基準圧力値
Zs 成形基準位置
Claims (9)
- 第1の金型と第2の金型との間に、光学素子の素材を収容し、前記素材を所定温度まで加熱した状態で、前記第1の金型と前記第2の金型とを相対移動して前記素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法において、
前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との距離を成形基準距離とし、この成形基準距離から前記第1の金型または前記第2の金型を、予め定められた所定距離移動して前記光学素子の成形を終了することを特徴とする光学素子成形方法。 - 請求項1記載の光学素子成形方法において、
前記第1の金型が固定、前記第2の金型が移動可能とされ、前記成形基準距離は、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の位置に対応して与えられることを特徴とする光学素子成形方法。 - 請求項1記載の光学素子成形方法において、
前記第1の金型および前記第2の金型が移動可能とされ、前記成形基準距離は、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との間隔に応じて与えられることを特徴とする光学素子成形方法。 - 第1の金型と第2の金型との間に、光学素子の素材を収容し、前記素材を所定温度まで加熱した状態で、前記第2の金型を移動して前記素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法において、
前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の位置を成形基準位置とし、この成形基準位置から前記第2の金型を、予め定められた所定距離移動して前記光学素子の成形を終了することを特徴とする光学素子成形方法。 - 第1の金型と第2の金型との間に収容される光学素子の素材を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により所定温度まで加熱された前記素材を前記第1の金型と前記第2の金型とを相対移動して加圧する金型移動手段と、
前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段で検出された圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との距離を成形基準距離とし、この成形基準距離から前記第1の金型または前記第2の金型が予め定められた所定距離移動するように前記金型移動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする光学素子成形装置。 - 請求項5記載の光学素子成形装置において、
前記金型移動手段は、前記第2の金型を移動し、
前記制御手段は、前記成形基準距離を、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の間隔に応じて与えることを特徴とする光学素子成形装置。 - 請求項5記載の光学素子成形装置において、
前記金型移動手段は、前記第1の金型および前記第2の金型を移動し、
前記制御手段は、前記素材への成形圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第1の金型と前記第2の金型との位置に対応して前記第1の金型または前記第2の金型のそれぞれに前記成形基準距離を設定することを特徴とする光学素子成形装置。 - 第1の金型と第2の金型との間に収容される光学素子の素材を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により所定温度まで加熱された前記素材を前記第2の金型を移動して加圧する金型移動手段と、
前記第1の金型と前記第2の金型との間に生じる前記素材への成形圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段で検出された圧力が、予め定められた所定の圧力になった時の前記第2の金型の位置を成形基準位置とし、この成形基準位置から前記第2の金型が予め定められた所定距離移動するように前記金型移動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする光学素子成形装置。 - 請求項5ないし請求項8のいずれか1項記載の光学素子成形装置において、
前記制御手段は、前記予め定められた所定の圧力を設定する圧力設定手段を有することを特徴とする光学素子成形装置。
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