JP4044373B2 - ガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成形後に研削研磨が不要なガラスレンズなどのガラス光学素子の製造方法に関する。特に、本発明は、面精度が高く、安定した生産を可能にし、しかも1つのガラス光学素子を製造するために要するサイクル時間(サイクルタイム)を大幅に短縮することができ、かつエネルギー効率にも優れたガラス光学素子の製造方法に関する。あるいは本発明は、サイクル時間(サイクルタイム)を大幅に短縮する代わりに、屈伏点(Ts)が高いガラス素材でもプレス成形を可能にするガラス光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プレス後において研磨を必要としない高精度のレンズ等をプレス成形にて製造する開発が盛んに行われ、プレス成形方法並びに装置についても種々検討されてきた。こうした精密プレスに、プレス成形に供するガラス素材を成形型の温度より高温に予熱した後に成形型に供給し、プレス成形を行なう、いわゆる非等温プレスを適用すると、等温プレス法(成形型中でガラス素材を加熱し、プレス成形する方法)に比較して、光学素子1つあたりの製造所要時間(サイクルタイム)が格段に短縮できるメリットがある (特開平9-118530号公報)。
【0003】
上記非等温プレス法においては、ガラス素材(例えば、ガラスプリフォーム)を成形型とは別の場所で、所定温度に加熱してから成形型に供給し、プレス成形する。ガラス素材の加熱及び成形型への供給は、加熱することで軟化するガラス素材の表面を傷つけないために、ガラス素材を浮上状態にして非接触下に行うことが有利である。ここで浮上状態とは、例えば、浮上治具のガラス素材を保持する部位に浮上ガスを供給し、ガラス素材と治具の間にガスの層を形成した状態である。例えば、特開平2001-10829号公報には、浮上治具がガラス素材の供給を受けて、浮上状態でガラス素材を加熱手段によって所定温度に加熱し、それを成形型上に搬送し、成形型に落下させる方式が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記浮上治具を用いた非等温プレス法によって、短縮されたサイクルタイムで(即ち、高い生産性で)面精度に優れたガラス光学素子を製造することができるようになった。しかし、サイクルタイムを更に短縮し、生産性をより向上した方法に対する要望がある。
そこで、本発明の第1の目的は、製造されるガラス光学素子の形状や面精度を良好に維持しつつ、浮上治具を用いた非等温プレス法におけるサイクルタイムをより一層短縮することができるガラス光学素子の製造方法を提供することにある。
【0005】
また、ガラス光学素子に要求される物性も多岐にわたっており、従来、精密プレスに適さないガラス素材についても、精密プレスによりガラス光学素子を製造することが求められるようになっている。例えば、屈伏点(Ts)が高いガラス素材は、プレス成形可能な温度が、従来の精密プレス成形用ガラス素材に比べて高く、プレス成形が容易ではなかった。
そこで本発明の第2の目的は、製造されるガラス光学素子の形状や面精度を良好に維持しつつ、浮上治具を用いた非等温プレス法において屈伏点(Ts)が高いガラス素材からもガラス光学素子を製造することが可能な方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、加熱したガラス素材を、成形型を用いて押圧成形することによりガラス光学素子を製造する方法において、
ガラス素材を浮上治具に供給する工程(1)、
供給したガラス素材を加熱する工程(2)、及び
加熱したガラス素材を浮上治具から成形型に供給する工程(3)、
を繰り返すことで、加熱したガラス素材が逐次成形型に供給され、
前記工程(2)において、ガラス素材の温度が、ガラス転移温度以上、ガラス素材の粘度が1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させ、かつ
工程(3)において、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時に前記ガスの供給を停止することを特徴とする前記方法に関する(以下、本発明の第1の製造方法という)。
【0007】
さらに本発明は、加熱したガラス素材を、成形型を用いて押圧成形することによりガラス光学素子を製造する方法において、
ガラス素材を浮上治具に供給する工程(1)、
供給したガラス素材を加熱する工程(2)、及び
加熱したガラス素材を浮上治具から成形型に供給する工程(3)、
を繰り返すことで、加熱したガラス素材が逐次成形型に供給され、
前記工程(2)において、ガラス素材の温度が、ガラス素材の粘度が1014ポアズに相当する温度以上、1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させ、
ガスの供給開始時点でのガス流量は、0(ゼロ)より大きく、Aより小さく(但し、Aはガラス素材を安定に浮上させるための最小流量である)、
ガス流量は、供給開始から停止までの間の所定の時点までA以上の所定の流量となるまで増加し、かつ
工程(3)において、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時に前記ガスの供給を停止することを特徴とする前記方法に関する(以下、本発明の第2の製造方法という)。
【0008】
本発明の製造方法は、第1の製造方法及び第2の製造方法ともに、加熱したガラス素材を、成形型を用いて押圧成形することによりガラス光学素子を製造する方法である。加熱したガラス素材は、ガラス素材を浮上治具に供給する工程(1)、供給したガラス素材を加熱する工程(2)、及び加熱したガラス素材を浮上治具から成形型に供給する工程(3)、を繰り返すことで、逐次、成形型に供給される。
【0009】
加熱したガラス素材を、成形型を用いて押圧成形することによりガラス光学素子を製造する方法は、例えば、特開平9-118530号公報に記載され、公知である。但し、特開平9-118530号公報に記載の方法は、上述のようにガラス素材と成形型とを別々に、かつガラス素材を成形型より高温に加熱する非等温プレス法である。しかし、本発明の製造方法は、ガラス素材と成形型とを別々に、しかしガラス素材と成形型を等しい温度に加熱するプレス法やガラス素材より成形型を高温に加熱するプレス法にも適用できる。
ガラス素材の加熱及び押圧成形の詳細については後述する。
【0010】
さらに、本発明の製造方法では、上記工程(1)、工程(2)、及び工程(3)を繰り返すことで、加熱したガラス素材が逐次、成形型に供給されるが、このような方法は、前述の特開平2001-10829号公報に記載されている。
但し、本発明の第1の製造方法は、工程(2)において、ガラス素材の温度がこのガラス素材のガラス転移温度以上、ガラス素材の粘度が1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させ、かつ工程(3)において、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時に前記ガスの供給を停止することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第2の製造方法は、工程(2)において、ガラス素材の温度が、このガラス素材の粘度が1014ポアズに相当する温度以上、1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させ、ガスの供給開始時点でのガス流量は、0(ゼロ)より大きく、Aより小さく(Aはガラス素材を安定に浮上させるための最小流量)、ガス流量は、供給開始から停止までの間の所定の時点までA以上の所定の流量となるまで増加し、かつ工程(3)において、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時に前記ガスの供給を停止することを特徴とする。
【0012】
浮上治具を用いるガラス光学素子の製造方法においては、光学素子を連続的に成形するにあたって、浮上治具も一定の熱サイクルを持つ。即ち、浮上治具において加熱されるガラス素材の温度に応じて昇温し、ガラス素材を移送後は、次のガラス素材を受け取るまでの間、降温する。
例えば、特開2001-10829に開示の供給ハンドラは、ガラス素材を、待機位置から加熱装置、成形室内において成形型の位置の移動を繰り返し行なうことにより、連続的にガラス素子を搬送し、プレスに供する。ここで、供給ハンドラ上の浮上治具は、ガラス素材の搬送サイクルに対応した熱サイクルを有することになる。即ち、加熱装置内では温度が上昇するが、加熱装置外、待機位置や成形室では温度が下がる。温度の下降が大きいほど、加熱装置の容量が一定であれば、熱サイクルに要する時間が長くなり、光学素子を生産するサイクルタイムが長くなることから生産効率を下げ、またエネルギー効率が悪化する。
特に従来は、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給が、熱サイクルに影響を与えるか否かについて配慮されたことはない。しかし、一般に、浮上治具へ供給されるガスの温度は、加熱装置の温度よりも低いことから、加熱装置外にある浮上治具にガスが、例えば連続的に供給されると、その分温度は低下する。
【0013】
それに対して、本発明では、浮上治具の熱サイクルに考慮してガスの供給を制御することによって、成形されるガラス光学素子の形状精度を維持するのに必要な加熱は行いつつサイクルタイムを短縮することが可能になった。以下、この点を含めて、本発明について説明する。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、浮上治具の機能と動きを含むプレス成形装置について説明する。
図1は本発明が適用可能な一実施形態に係るプレス成形装置の概略平断面図である。図に示すように、本実施形態に係るプレス成形装置10は、加熱室20及び成形室30を備える。加熱室20と成形室30は、通路40で相互に連通されており、該加熱室20、成形室30及び通路40によって、外部から遮断された一つの密閉空間が形成されている。ステンレスその他の部材により、この密閉空間の外壁を形成し、シーリング材によって、その気密性を保証することができる。この加熱室20、成形室30及び通路40によって形成される密閉空間は、ガラス光学素子の成形に際して、例えば、非酸化性ガス雰囲気にされることができる。すなわち、図示しないガス交換装置によって、該空間内の空気が排気され、代わりに非酸化性ガスが充填される。非酸化性ガスとしては、好適には窒素ガスが用いられる。
【0015】
加熱室20は、供給されるガラス素材(ガラスプリフォームG)をプレスに先立って予備加熱するための領域であり、ここには、ガラス加熱装置22及びガラスプリフォーム供給用のハンドラ(以下、供給ハンドラ23という)が設置される。また、外部からガラスプリフォームGを加熱室20内へ供給するための搬入部21が設置され、ガラス素材(ガラスプリフォームG)を浮上治具に供給する工程(1)が実施される。搬入部21は、気密性を維持しつつガラスプリフォームを搬入するために、図示しない搬入室を備えており、外部から供給されたガラスプリフォームをここに搬入し、この内部を非酸化性ガスで充填した後に、加熱室20側の扉を開けて順次ガラスプリフォームを内部へ搬入する。搬入されたときのガラスプリフォームはこの例では室温である。
【0016】
供給ハンドラ23は、搬入部21から搬入されるガラスプリフォームGを、ガラス加熱装置22による加熱領域に搬送し、更に、加熱後のガラスプリフォームを成形室30へ搬送する。即ち、供給したガラス素材を加熱する工程(2)、及び加熱したガラス素材を浮上治具から成形型に供給する工程(3)が実施される。
供給ハンドラ23は、そのアーム24の先端に浮上治具である浮上皿25を備え、その上でガラスプリフォームを、所定の間、浮上させながら保持する。
【0017】
ガラスプリフォームを浮上させながら保持する所定の間とは、第1の製造方法においては、工程(2)における、ガラス素材の温度が、このガラス素材のガラス転移温度以上、このガラス素材の粘度が1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点から、工程(3)における、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時の時点までの間である。また、第2の製造方法においては、工程(2)における、ガラス素材の温度が、ガラス素材の粘度が1014ポアズに相当する温度以上、1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点から、工程(3)における、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時の時点までの間である。
【0018】
図1に示す装置では、加熱室20内に固定される駆動部23aによって、浮上皿25を備えるアーム24が水平に支承され、該アーム24は略90℃の回転角をもって水平方向に回動される。また、アーム24は、駆動部23aを中心とした半径方向に出退可能に構成されており、これによって、保持したガラスプリフォームを成形室30に搬送可能にする。供給ハンドラ23及び浮上皿25の詳細については後述する。
【0019】
ガラス加熱装置22は、供給されたガラスプリフォームGを所定の粘度に相応する温度にまで加熱するためのものである。ガラスプリフォームを安定して一定の温度まで昇温するために、抵抗素子を用いた抵抗加熱による加熱装置を用いることが好ましい。ガラス加熱装置22は、図で示すように、アーム24上に保持したガラスプリフォームの移動軌跡下に設置され、したがって、アーム24によるガラスプリフォームの搬送中に、該ガラスプリフォームを加熱することができる。もっとも、アーム24をガラス加熱装置22上で所定時間停止し、ガラスを加熱するようにしても良い。これらの事項は、対象となるガラスの加熱に必要な時間に応じて決定される。
【0020】
一方、成形室30は、前記加熱室20において予備加熱されたガラスプリフォームGをプレスして、所望の形状のガラス光学素子(以下、ガラス光学素子Gという)を成形するための領域であり、ここには、プレス装置33及びガラス光学素子の搬出用のハンドラ(以下、搬出ハンドラ32という)が設置される。また、プレス成形されたガラス光学素子を外部へ搬出するための搬出部31が設置される。搬出部31は、成形室30の気密性を維持しつつガラス光学素子を外部へ搬出するために、非酸化性ガスが充填された図示しない搬出室を備えている。搬出ハンドラ32から渡されたガラス光学素子は、この搬出室に一旦搬入されてから外部に搬出される。
【0021】
プレス装置33は、供給ハンドラ23によって加熱室20から搬送されるガラスプリフォームを受け入れ、これをプレスして所望の形状のガラス光学素子(光学素子)を成形する。プレス装置33は、後に説明するように、上型及び下型を含む成形型を備えており、その間に供給されたガラスプリフォームをそれらの成形面によってプレスする。前記成形型の周囲には、これを加熱するための型加熱装置34が設置されている。型加熱装置34の好ましい実施態様は、高周波誘導を用いた加熱方式のものである。ガラスプリフォームのプレスに先立って、成形型をこの型加熱装置34によって加熱し、所定の温度に維持する。プレス時における成形型の温度は、予熱されたガラスプリフォームの温度と略同じであっても、又はそれよりも低いものであっても良い。例えば、プレス時の成形型の温度は、108〜1012ポアズ相当であることが好ましい。
【0022】
搬出ハンドラ32は、プレス装置33によってプレスにより得られたガラス光学素子を、前記搬出部31へ受け渡すものである。搬出ハンドラ32は、駆動部32aに対し回動自在に支承されたアーム32bの先端に吸着パッド32cを備えている。吸着パッド32cは、成形型の下型上にあるガラス光学素子を真空吸着し、搬出ハンドラ32による搬送を可能にする。アーム32bの回動により吸着されたガラス光学素子は、搬出部31下に搬送され、ここに設置された図示しない昇降手段上に置かれる。アーム32bの待避後に、該昇降手段が上昇され、ガラス光学素子は搬出部31へ受け渡される。
【0023】
前記成形室30は、その前面側に開閉扉35を備える。開閉扉35は、プレス成形装置の保守、点検時に、作業者が成形室内部にアクセスできるようにする。開閉扉35の周囲には、シール部材35aが備えられており、プレス時に開閉扉35を閉じた状態で、成形室30内の気密性が保証される。開閉扉35は、またガラス製(例えば石英ガラス)の窓35bを備えており、ここよりプレス成形の様子が外部から視認できるようにされている。
【0024】
図1に示す装置では、前記加熱室20及び成形室30は、通路40によって連通されている。通路40は、供給ハンドラ23によるガラスプリフォームの加熱室20から成形室30への受け渡しを可能とすると共に、両室相互間における気体の交換を可能にする。これによって、プレス成型時においては、加熱室20と成形室30の気圧、ガス濃度及び温度は略一定にされる。
【0025】
図2は、プレス装置33における成形型及び型加熱装置を示す断面図である。図に示すように、成形型(上成形型50aと下成形型50bからなる)は、筒状に形成された上下の母型内51a、51bに、上型53a、下型53b及び上下のスリーブ52a、52bを備えて構成される。上型及び下型の互いの対向面は、成形するガラス光学素子の面形状に合わせて設計される成形面54a及び54bである。前記供給ハンドラ23によって供給されるガラスプリフォームGは、図のように下型の成形面54b上に置かれ、下型の成形面54bを上昇させることによって、プレスされる。但し、上型53aが下降しても良い。好ましくは、上型53a及び下型53bは、炭化ケイ素からなり、その形成面に硬質の炭素膜を被膜したものが用いられる。上型53aの周囲に設けられたスリーブ52aは、上型53aと母型51a間で上下方向に移動可能にされる。プレス、すなわち上型53aに対し下型53bを接近させた際に、上部スリーブ52aと下部スリーブ52bが接触し、上部スリーブ52aが上方に持ち上がって、下型の成形面54bの上型53aに対する進行を可能にする。これによって、上型の成形面54aは、ガラスプリフォームGを完全にプレスした状態で、下部スリーブ52b内に位置する。このスリーブの一部は、上型及び下型の成形面54の周囲に位置し、これが成形されるガラス光学素子の周囲を規定する。すなわち該スリーブの部分によって、ガラス光学素子の径が決定される。なお、上下母型51には、その対向面にガイドピン55a及び対応する穴55bが設けられ、プレス時に成形型の位置決めを保証する。好ましい実施形態において、前記スリーブは炭化ケイ素であり、各母型はタングステン合金である。
【0026】
前記成形型の周囲には、型加熱装置を構成する誘導加熱コイル56a、56bが配置されている。誘導加熱コイル56a、56bにより、成形型50a、50bを所定温度に加熱する。すなわち、成形型50a、50bの外面を構成する母型51a、51bが、該誘導加熱コイル56a、56bによって直接的に誘導加熱され、上型53a、下型53b及びスリーブ52a、52bが母型からの熱伝導によって間接的に加熱される。成形型はこの誘導加熱コイルによって所定の温度、例えば、供給されるガラスプリフォームよりも低い温度(108〜1012ポアズの粘度にするに必要な相当温度)程度に予備加熱された後、ガラスプリフォームGを受け入れてこれをプレスする。
【0027】
図3は、加熱室20に設置された供給ハンドラ23のアーム先端を示す平面図及びそのA−A線における断面図である。供給ハンドラのアーム24先端には、ガラスプリフォームGを保持する浮上治具である浮上皿25が備えられている。浮上皿25は、ガラスプリフォームGを保持するために、すり鉢状の受け部26を有している。浮上治具(浮上皿)の材質は、好ましくは、グラッシーカーボンであり、グラファイトの表面を光沢処理したものも使用することができる。アーム24を介して供給される非酸化性ガスの気流がこの受け部内へ与えられ、該ガスの圧力によって、ガラスプリフォームGは、所定の間、受け部内で僅かに浮上されながら搬送される。
【0028】
ここで、前記アーム24及び浮上皿25は、その幅方向に分割可能に構成されている。以下では、これらをアーム分割体24a、24b、浮上皿分割体25a、25bという。駆動部23a内の図示しない駆動機構によって、アーム分割体24a、24bが相互に開かれると、浮上皿分割体25a、25bも相互に開かれ、これによって受け部26内のガラスプリフォームGは、浮上皿25から下方に落下される。浮上皿25がプレス装置の成形型間にある位置で、アーム分割体24a、24bを開くことによって、供給ハンドラ23からプレス装置33の下型へのガラスプリフォームの受け渡しが完了する。尚、ここでは、浮上皿から成形型へのガラスプリフォームの供給は、浮上皿の分割による落下によって行っているが、他の方法、例えば、吸引して搬送後に吸引を解除しても構わない。
【0029】
次に、前記プレス成形装置10によるガラス光学素子の成形の手順について説明する。前記プレス成形装置10においては、その搬入部21より順次ガラスプリフォームGが装置内に供給され、連続的にガラス光学素子がプレス成形されるが、ここでは、一つのガラス光学素子の成形に着目して、その手順を説明する。
【0030】
成形に先立って、加熱室20内及び成形室30内の気体は、非酸化性ガスにガス交換される。実施例において、非酸化性ガスは常時室内に供給され、若干陽圧に保たれる。この非酸化性ガス雰囲気中で、ガラス加熱装置22及び型加熱装置34が通電され、所定の温度に維持される。この状態で、通路上の気密バルブ41は開かれている。
【0031】
最初の工程で、加熱室20内へガラスプリフォームGが供給される。具体的には、ガラスプリフォームGは、最初に搬入部21の搬入室内へ置かれ、ここを排気後ガス置換してから、加熱室20内へ供給される。ガラスプリフォームの供給時に、供給ハンドラ23のアーム24は、搬入部21の下方に位置しており、搬入室からのガラスプリフォームは、供給ハンドラ23の浮上皿25上に置かれる。
【0032】
供給ハンドラ23は、ガラスプリフォーム(ガラス素材)Gを受け取ると、直ちにそのアームを回転し、その浮上皿25をガラス加熱装置22上へ移動する。ガラスプリフォームの温度が、前記所定値になったところで、浮上皿25には、前記非酸化性ガスがその下方からの噴出が開始される。即ち、本発明の第1の製造方法では、ガラス素材(ガラスプリフォームG)の温度が、このガラス素材のガラス転移温度以上、このガラス素材の粘度が1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させる。また、本発明の第2の製造方法は、ガラス素材(ガラスプリフォームG)の温度が、ガラス素材の粘度が1014ポアズに相当する温度以上、1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させる。ガラスプリフォームは、最初は浮上皿25上で加熱されるが、上記温度以上では浮上しながら加熱軟化される。
【0033】
所定時間ガラスプリフォームを加熱し、その温度が、例えば、106〜108ポアズの粘度に対応する温度になったところで、供給ハンドラ23を駆動して該ガラスプリフォームを成形室30におけるプレス装置33の下型上へ供給する。すなわち、加熱位置からアーム24を更に回転させ、浮上皿25が通路40を臨む位置へ来たところで停止し、次いでアーム24を伸長して浮上皿25をプレス装置33の成形型間に及ばせ、更にアーム分割体24a、24bを開いて浮上皿25上のガラスプリフォームGを下型上へ落下させる。ガラスプリフォームGを下型上へ落下させると略同時に、浮上ガスは停止させる。その後、供給ハンドラ23は、アームを後退させて初期位置、すなわち搬入部21の下へ移動し、次のガラスプリフォームを受け取るために待機される。この間、浮上皿25には、浮上ガスは供給されない。
【0034】
ガラスプリフォームが成形型に供給された時点で、成形型50の温度は、型加熱装置34による誘導加熱によって、ガラス素材が、例えば108〜1012ポアズの粘度に対応する温度に予熱される。図2に示すように下型53bにガラスプリフォームGが供給され、アームが成形型50外へ後退されると、直ちに、下型53bが上昇され、上型53aとで該ガラスプリフォームGをプレスし、所望のガラス光学素子が成形される。下型53bの上昇と同時に、型加熱装置34は断電され、また、非酸化性ガスが成形型の母型内に流入されると共に外からも吹き付けられ、これによって成形型が冷却される。そして、成形型の温度がガラスの転移点以下になったところで、下型53bを下降し、ガラス光学素子を搬出可能とする。
【0035】
次いで、搬出ハンドラ32によって、下型上のガラス光学素子を搬出部31へ搬送する。すなわち、図1のように搬出ハンドラ32を駆動して、そのアーム32bを回転し、先端の吸着パッド32cを下型上へ移動する。吸着パッド32cによって下型上のガラス光学素子Gを吸着し、アーム32bを回転させて、これを搬出部31下方の昇降手段へ搬送し、吸着パッド32cの吸着を解除して、昇降手段上へガラス光学素子を渡す。昇降手段を上昇して搬出部31の搬出室内を介し、成形室30外へガラス光学素子を搬出する。前記型加熱装置34は、ガラス光学素子が下型から搬出されると直ちに通電され、次のプレス成形に備えて成形型を所定温度にまで加熱する。以上の手順を連続して行うことにより、効率的にガラス光学素子の生産が行われる。
【0036】
上述のように、浮上治具(浮上皿)は、ヒーターによるガラスプリフォームの加熱と、ヒーターから出て、所定位置でのガラスプリフォームの受け取り、及び受け渡しを行うため、熱サイクルをもつことになる。具体的には、浮上治具にガラス素材を供給する工程(1)、浮上治具上で、ガラス素材を加熱する工程(2)、加熱したガラス素材を浮上状態で成形型の位置に搬送し、ガラスプリフォームを成形型に供給する工程(3)がある。(2)以外の工程では通常加熱下におかれない場合が多い。一方、工程(2)は、ガラスプリフォームを、プレス成形に適する温度するため、充分な温度管理がされなければならない。
【0037】
本発明では、予熱したガラスプリフォームを成形型に、例えば、落下させて供給すると略同時に、浮上ガスの供給を停止する。ガラス素材が浮上治具から落下するのと略同時に気流の供給を停止する、とは、浮上治具がガラス素材の落下の為に移動(回転を含む)を開始してから、ガラス素材が成形型上への落下を終了するまでの間の任意の時点で、気流の供給を停止することである。好ましくは、この停止タイミングは、以下のように設定できる。割型式の浮上治具の場合には、割型によって開口部が形成され、その空間を通ってガラスプリフォームが落下するが、例えば、ガラスプリフォームの直径を2Rとすると、2R-50%の開口以降がよい。好ましくは、2R-10%〜2R+10%の範囲である。開口速度はガラスプリフォームが浮上治具に接触しないよう、適切に設定することができる。例えば、開口速度は2R〜100R/secとすることができ、好ましくは、5R〜50R/secである。尚、ガラス素材(ガラスプリフォーム)の最大半径Rとは、ガラス素材の半径のうち、最大のものをいう。ガラス素材が球であれば、その球の半径であり、ガラス素材がマーブル状の形状のときは、その最も径の大きい部分の半径をいう。
【0038】
浮上治具は、ガラスプリフォームを成形型(具体的には下型)上に落下供給したあと、ガラスプリフォームを受け取る位置まで移動し、次の加熱のためのガラスプリフォームを受け取る。このとき、浮上治具に供給されるガラスプリフォームの温度は、室温であってもよいし、予熱してあってもよい。
【0039】
本発明の第1の製造方法では、浮上ガスは、加熱によりガラス素材の温度がガラス転移温度〜1011ポアズ相当の所定温度になるまでの間は、停止したままとする。そして上記所定温度になったときに、ガスの供給を開始し、停止時まで一定の流量を保持する。一定流量は、ガラスプリフォームを安定に浮上させる最小流量であることが好ましい。浮上ガスの供給開始が、上記温度域以上の温度になると、浮上皿へのガラスの融着が起きやすく、成形したレンズの外観が劣化する傾向がある。一方、上記温度範囲になるまで供給ガスを停止せず、浮上ガスの供給を継続していると、供給ガスを停止した場合に比べて浮上治具の温度が下がり、かつ供給された次のガラスプリフォームの温度上昇速度も遅くなる。結果的に、ガラスプリフォームが成形に適する温度に加熱されるためには、浮上治具の温度が成形温度に回復するまでの時間がかかり、サイクルタイムが長くなってしまう。尚、ここで浮上ガスの供給を開始するときのガラス素材の所定温度とは、ガラス素材の内外に温度差がある場合には、表面近傍の温度を言う。これは、放射温度計やサーモビュアなどを用いて求めることができる。
【0040】
浮上ガスの供給は、加熱により浮上治具の温度がガラス転移温度からガラス素材の粘度が1011ポアズに相当する温度となった時点で、開始することが、融着を防止し、面精度の良い光学素子が効率よく生産できると言う観点から好ましい。浮上ガスの供給は、ガラス素材の粘度が1012ポアズ〜1011ポアズに相当する温度となった時点で開始することが更に好ましい。
【0041】
浮上治具へのガスの供給流量は、供給開始から停止まで一定であることができる。また、浮上ガスの流量は、例えば、1.5g程度のガラス素材重量であれば、毎分1〜3リットル程度であり、好ましくは1.5〜2リットルである。浮上ガスは、不活性ガスであればよく、窒素ガスなどが好適に用いられる。
【0042】
本発明の第1の製造方法を図4に基づいてさらに説明する。
本発明の製造方法における浮上皿の温度をT1、ガラス素材の温度をT2として示し、比較例の浮上皿の温度をT3、ガラス素材の温度をT4として示。さらに、本発明の製造方法における浮上ガスの流量をG1、比較例における浮上ガスの流量をG2として示す。いずれの例も、ガラスプリフォームの成形型への落下時に浮上ガス供給を止めた場合である。
本発明の製造方法では、次のガラスプリフォームが浮上治具上に供給されてから、ガラスプリフォーム温度が、ガラスプリフォームのガラス粘度にして、1011ホ゜アス゛相当の温度〜ガラス転移温度の所定温度になるまで、浮上ガスを供給しなかった。一方、比較例では、上記のようにガラスプリフォームが浮上治具上に供給されたときから浮上ガスを供給している。
【0043】
両者を比較すると、本発明の製造方法では浮上治具がガラスプリフォームを成形型に落下供給し、次のガラスプリフォームの供給を受けるまでの時間、浮上治具の温度低下があるが、浮上ガスを適切なタイミングで停止させているため、温度回復が早く、比較例に比べてサイクルタイムにして20%程度の短縮効果が得られる。また、このときのガラスプリフォームの加熱温度は、107ポアズ相当程度の成形温度に適切になされる。
【0044】
尚、本発明はこの例に限定されない。本発明の効果、すなわち、浮上治具にガラスプリフォームが供給されても、ガラス素材の温度がTg〜1011ポアズ相当の所定温度になるまで、浮上ガスを実質的に供給しないことにより、浮上治具から熱が逃げることを防止してサイクルタイムを短縮することが得られる範囲で、装置や加熱パターンを変更することができる。またこの例ではガラスプリフォームは、室温で浮上治具に供給しているが、予熱してから供給しても良い。
【0045】
次に、サイクルタイムを比較例と同じにした場合の例を図5に示す。
ここでは、浮上ガスの供給を図4に示す場合と同様に制御することにより、浮上治具の熱が逃げることを防ぐことができ、その結果として、ガラスプリフォームを成形型に落下供給するときの浮上治具の温度を高くすることができる。このため、Ts温度(屈伏点)のより高いガラス素材を、プレス成形可能な温度にまで加熱することができる。
【0046】
本発明の第2の製造方法では、浮上ガスの供給は、浮上治具の温度が、ガラス素材の粘度が1014ポアズに相当する温度以上、1011ポアズに相当する温度以下の所定温度となる時点まで停止したままとする。そして、該所定の温度となった時点で、所定流量の浮上ガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させる。浮上ガスの供給流量は、ガスの供給開始時点では、0(ゼロ)より大きく、Aより小さくする。但し、Aは、ガラス素材を安定に浮上させることができる最小の流量である。そして、ガス流量は、供給開始から停止までの間の所定の時点までA以上の所定の流量となるまで増加させる。ガス流量の増加を停止する時点は、供給停止の時点としても良いし、供給停止前の適当な時点になるようにしてもよい。ガス流量の増加率と、最終的に適切なガス流量とに応じて適宜選択することができる。また、ガス流量の増加のしかたは、直線的な増加であっても、階段状の増加であっても、加速度をもった増加であってもよい。直線的増加の例を図4のG3(ガス量の増加の例)及びT5(そのときのガラス素材の温度変化)として示す。
【0047】
本発明の第2の製造方法におけるガス流量の変化の態様を図6に示す。
図6の(a)は、ガス流量を、ガラス素材を成形型に落下供給するまで直線的に増加させた例である。(b)は、ガス流量を、所定の時期まで直線的に増加させ、その後一定量でガラス素材を成形型に落下供給するまで供給した例である。(c)は、ガス流量を階段状に増加させた例であり、(d)は、ガス流量をプラスの加速度を持って増加させた例である。浮上ガスは、不活性ガスであればよく、窒素ガスなどが好適に用いられる。
【0048】
供給ガスのオン、オフの制御は、第1の製造方法及び第2の製造方法のいずれにおいても、例えば、電磁式ラインバルブによって行うことができる。また、第2の製造方法においてガス供給量を増加させるときは、さらにマスフローコントローラーを用いることができる
【0049】
本発明は、図1で示すように、加熱した1個のガラスプリフォームを、順次1つの成形型に供給するような製造方法(1:1成形)において、優位な効果をもたらす。しかしながら、複数のガラスプリフォームを加熱し、1つの成形型に順次供給する(多:1)方法においても、又は1つのガラスプリフォームを順次加熱し、それを順次多数の成形型に供給する方法においても、サイクルタイムを短縮することができる。これらは、ガラスプリフォームの加熱と、プレス成形とに要するサイクルタイムにあわせ、適宜選択ができる。
例えば、(多:1)方法では、成形型に対して、2本のアームが交互にガラスプリフォームを供給する方式を挙げることができる。このために、チャンバー内の配置を対称とし、成形型を中央に配置しても良い。この方法は、成形サイクルタイムより、ガラスプリフォームの加熱サイクルが長い場合に有効である。
【0050】
適切な成形温度は、ガラス素材の粘度が、例えば、105〜109ポアズに相当する温度であり、好ましくは、106〜108ポアズに相当する温度である。
【0051】
従来法においては、浮上治具が分割してガラスプリフォームが落下する場合、浮上ガスの供給が継続しており、かつそれが分割面付近に好ましくない気流を起こすと、落下の安定性を損なう場合がある。例えば、ガラスプリフォームが落下する空間に、浮上治具の分割面から水平方向に放出したガスの気流が起きると、ガラスプリフォームの落下安定性が損なわれる。それに対して本発明では、落下と略同時に気流を停止するので、上記のような気流を防止する特別な浮上治具の設計を行わなくても、落下安定性が得られるという利点もある。
【0052】
連続的に、本発明の浮上ガス制御(オンオフ)を行う、即ち、所定のポイントまで浮上ガスの供給を停止する時期を設けることによって、所定の熱量で最も効率的な成形サイクルを実現することができる。仮に、浮上ガスの停止時間を本発明のように設定しないで、サイクルタイムを短縮しようとすれば、ガラスプリフォームの予熱が不充分になり、成形される光学素子の形状に悪影響がでる。又は、浮上治具及びガラスプリフォームを加熱するヒーターのパワーを上げれば、浮上治具の温度回復は速くなるが、エネルギー効率が悪く、また、大容量の加熱に適切な装置上の配慮が必要になる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、ガラス光学素子の連続生産においてサイクルタイムを従来にも増して短縮することができる。
特に、本発明では、サイクルタイムを最短化させるために、浮上ガスの供給開始を極力遅らせる点が特徴である。少なくともガラス素材がTg(ガラス粘度で1013.5ポアズ付近)に相当する温度以上に加熱されてから、ガス供給が開始されることで、サイクルタイムが大幅に短縮できる。
【0054】
また、本発明の製造方法によれば、サイクルタイムを短縮するかわりに、本発明によりガラスプリフォームをより高温に加熱できることから、従来、成形困難であった、高いTsをもった硝種についても、同じ加熱容量の装置を用いてプレス成形してガラス光学素子を製造することができる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
<サイクルタイム短縮効果>
本実施例の成形装置においては、図2に示すように、上母型51a及び下母型51bが、各々プレス上主軸及び下主軸に取り付けられており、上母型51a及び下母型51bには、それぞれ上型53a及び下型 53bが取り付けられている。さらに、上型53a、下型53bの外周には、上スリーブ52a、下スリーブ52bが設けられている。上母型51aには、ガイドピン55aが突設され、これに対応して下母型51bには、ガイド孔55bが設けられている。上母型51a及び下母型51bは、タングステン合金により形成し、上型 53a及び下型53b並びにスリーブ 52aは炭化珪素製を用い、成形面に炭素系薄膜を被覆した材質により形成した。
【0056】
この装置を用いて、バリウムホウケイ酸ガラス(転移点515 ℃、屈伏点545 ℃)のマーブル状プリフォームをプレスして、外形18mmの凸メニスカス形状(1面が球面、他の1面が非球面)のレンズを成形した。
マーブル状プリフォームG を、図3に示す開閉可能な支持アーム24上の割型式浮上皿25(グラッシーカーボン製)上で、下方から噴出する気流(浮上ガス)により、浮上させて加熱、軟化させた。その後、支持アーム24を上下の誘導加熱コイル56a、56bの間に挿入し、下型53bの直上で、支持アーム24を素早く開くことにより、浮上皿25を左右に分割し、プリフォームGを、浮上皿25から下型53b上に落下させることにより、下型53b上に供給した。浮上ガスは分割完了と同時に停止させた。プリフォームGが下型53bの中央部に芯ズレせずに、より確実に落下する様に浮上皿25と下型53bの間にファンネル状部材などを挟んで落下させることが好ましい。プレス開始時の型温度はガラス粘性換算で109ポアズであり、プリフォームは近傍温度として浮上皿温度で107ポアズであった。
【0057】
その後、直ちに支持アームおよびファンネルを下型上から後退させ、高周波パワーを切り、下母型を上昇させて400Kg/cm2の圧力でプレスした。ガラスの転移点以下まで冷却し、その後、下母型を約50mm下降して離型し、吸着パッド(図示せず)を上下の誘導加熱コイルの間に挿入し、成形品を取り出した。そして上下の母型温度は高周波パワーにより直ちにプレス開始温度に回復させた。
【0058】
一方で支持アームは浮上皿が次のプリフォームを受けるために供給位置まで素早く移動し、ついで供給を受ける。その後再び急熱炉内へ移動し、温度回復を行う。浮上皿は急熱炉外での移動によって、僅か10秒ほどの間にガラス粘性換算で107から1013ポアズ付近まで急激に下降した。この移動時間は装置構成や機器性能により定まる値であり、時間短縮は易しいものではない。また、移動空間の保温性を向上させることは各部材の保護から実現は困難である。そこで浮上冶具に供給されたプリフォームへの浮上ガス供給開始タイミングを変化させ、浮上冶具が所定温度に到達するまでの比較テストを行った。結果を以下に示す。
【0059】
図4は上述の外形18mmの凸メニスカスレンズ成形における浮上皿温度、プリフォーム温度および浮上ガス流量を示したものである。浮上冶具はその機能と動きを反映し、一定の熱サイクルを有する。従来の条件に従い、浮上ガスを落下供給のタイミングに合わせ停止させ、次のプリフォームを受け取った直後からガス供給を再開させた。この時、浮上皿温度が107ポアズに達するまでの時間は180秒であり、全工程サイクルは190秒となった。
【0060】
次にプリフォームの供給後、プリフォーム温度が1013ポアズを超えてもガスを供給せず、1011ポアズ付近からガスの供給を再開させたところ、その後プリフォーム温度が107ポアズに達するまでの時間は140秒となり、全工程サイクル150秒となり40秒の短縮が可能となった。この時、成型されたレンズは肉厚、面精度をはじめ、諸性能は190秒サイクル品に何ら劣ることはなかった。最も懸念される外観についてもレンズ表面への浮上皿痕などの問題はなく、良品が得られた。このことからプリフォーム温度がガラス粘性換算で1011ポアズ付近まで浮上ガスの供給を停止させることでプリフォームに悪影響を及ぼすことなく昇温スピードを速めることができた。
本装置においては金型と浮上皿の温度サイクルは前者が速いため、サイクルタイム短縮に極めて有効な手段である。
【0061】
実施例2
<ガラス素材温度上昇効果>
図5はサイクルタイム190秒とした場合、ガス供給タイミングの違いにより到達温度が型への供給時点でどれだけ上昇するかを示したものである。
図5から先の外形18mmの凸メニスカスレンズ成型におけるプリフォーム温度は浮上皿温度で107ポアズから106.5ポアズまで上昇した。この時、浮上皿温度で14℃の上昇が認められた。
【0062】
ここでレンズ形状を等しくしたままで硝種をより高軟化点のもの(成形型への供給時点でプリフォームが107ポアズとなるもの)に変更し、浮上ガスの供給タイミングを変えてそれぞれ成形したところ、浮上皿にプリフォームを供給したと同時にガス供給を開始したものは、レンズスペックに対し、肉厚が若干の伸び不良となった。
次に、タイミングを遅らせたものは肉厚を含め、良品レベルのレンズが成形できた。これより、外観に影響を及ぼさない程度にガス供給タイミングを遅らせることで、同一装置で加熱パワーを増大させることなく、より高軟化点の硝種が成形可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な一実施形態に係るプレス成形装置の概略平断面図。
【図2】プレス装置33における成形型及び型加熱装置を示す断面図。
【図3】加熱室20に設置された供給ハンドラ23のアーム先端を示す平面図及びそのA−A線における断面図。
【図4】実施例1における、凸メニスカスレンズ成型における浮上皿温度、プリフォーム温度および浮上ガス流量の関係を示したグラフ。
【図5】実施例2における、凸メニスカスレンズ成型における浮上皿温度、プリフォーム温度および浮上ガス流量の関係を示したグラフ。
【図6】本発明の第2の製造方法におけるガス流量の変化の各種態様を示す。
【符号の説明】
10 プレス成形装置
20 加熱室
21 搬入部
22 ガラス成形装置
23 供給ハンドラ
23a 駆動部
24 アーム
24a アーム分割体
24b アーム分割体
25 浮上皿
25a 浮上皿分割体
25b 浮上皿分割体
26 受け部
30 成形室
31 搬出部
32 搬出ハンドラ
32a 駆動部
32b アーム
32c 吸着パッド
33 プレス装置
34 型加熱装置
35 開閉扉
35a シール部材
35b 窓
40 通路
50 成形型
50a 上成形型
50b 下成形型
51a 上母型
51b 下母型
52a 上スリーブ
52b 下スリーブ
53a 上型
53b 下型
54a 成形面
54b 成形面
55a ガイドピン
55b 穴
56a 誘導加熱コイル
56b 誘導加熱コイル
G ガラスプリフォーム

Claims (7)

  1. 加熱したガラス素材を、成形型を用いて押圧成形することによりガラス光学素子を製造する方法において、
    ガラス素材を浮上治具に供給する工程(1)、
    供給したガラス素材を浮上治具上で加熱する工程(2)、及び
    加熱したガラス素材を浮上治具から成形型に供給する工程(3)、
    を含み、
    前記工程(2)において、ガラス素材の温度が、ガラス転移温度以上、ガラス素材の粘度が1011ホ゜アス゛に相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、浮上治具上でガラス素材を浮上させ、かつ工程(3)において、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時に前記ガスの供給を停止することを特徴とする前記方法。
  2. ガラス素材の温度が、ガラス素材の粘度が1012ホ゜アス゛〜1011ホ゜アス゛に相当する温度となった時点で、浮上治具へのガスの供給を開始することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 浮上治具へのガスの供給流量が、供給開始から停止まで一定である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 加熱したガラス素材を、成形型を用いて押圧成形することによりガラス光学素子を製造する方法において、
    ガラス素材を浮上治具に供給する工程(1)、
    供給したガラス素材を浮上治具上で加熱する工程(2)、及び
    加熱したガラス素材を浮上治具から成形型に供給する工程(3)、
    を含み、
    前記工程(2)において、ガラス素材の温度が、ガラス素材の粘度が1014ホ゜アス゛に相当する温度以上、1011ホ゜アス゛に相当する温度以下の所定温度となった時点で、ガラス素材を浮上させるための浮上治具へのガスの供給を開始して、次いで、ガス流量を増加し、前記工程(3)において、加熱したガラス素材が浮上治具上から、成形型に供給されるために取り除かれると略同時に前記ガスの供給を停止することを特徴とする前記方法。
  5. 前記ガス流量の増加は、直線的な増加である請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記ガス流量の増加は、階段状の増加である請求項4に記載の製造方法。
  7. 前記ガス流量の増加は、加速度をもった増加である請求項4に記載の製造方法。
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