JPH05193963A - ガラス光学素子の成形方法 - Google Patents

ガラス光学素子の成形方法

Info

Publication number
JPH05193963A
JPH05193963A JP2731092A JP2731092A JPH05193963A JP H05193963 A JPH05193963 A JP H05193963A JP 2731092 A JP2731092 A JP 2731092A JP 2731092 A JP2731092 A JP 2731092A JP H05193963 A JPH05193963 A JP H05193963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
press
slow cooling
temperature
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2731092A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ito
弘 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2731092A priority Critical patent/JPH05193963A/ja
Publication of JPH05193963A publication Critical patent/JPH05193963A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉厚比が2.5倍を越える偏肉の大きいガラ
ス光学素子を押圧成形する時、徐冷を短い時間で行な
う。 【構成】 上型19,下型20,スリーブ21成形型2
2を取り付け、上型19と下型20との間にプリフォー
ムを配置して成形体14を構成する。加熱炉2内で成形
体14の全体を加熱し、プレス室3でプリフォーム24
を押圧成形する。徐冷炉4は温度傾斜炉とし、複数の保
温リング36を設ける。各保温リング36は内部にヒー
タ37を設け、成形体14の搬送方向に従って温度が低
くなるように加熱する。各保温リング36の温度は、徐
冷炉4の温度より低く設定する。そして、各保温リング
36により、成形体14を側面から順次に冷却し、成形
品35の薄肉部と厚肉部との温度差を所定範囲内に保ち
つつ、最終的にプレス成形品35をガラス転移点以下に
冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱軟化したガラス素
材を成形型によりプレス成形するガラス光学素子の成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記ガラス光学素子の成形方法に
関する技術としては、例えば、特公平1−46451号
公報のプレスレンズの製造装置及び特開平2−3113
22号公報のプレスレンズの成形方法が知られている。
【0003】特公平1−46451号公報のプレスレン
ズの製造装置は、ガラスのプリフォーム取入れ室、加熱
室、プレス室、徐冷室及びレンズの取出し室からなり、
全体を真空排気することが可能な密封性を持ち、加熱
室、プレス室、徐冷室の少なくとも1室に真空排気口及
び非酸化性ガスの流出口を設け、かつ取入れ室及び取出
し室と他の室とを遮断する手段、金型および/またはガ
ラスを順次移送する手段を設けて構成されている。これ
により、プレスレンズを20秒乃至10秒という速いス
ピードで連続生産することができるとしている。
【0004】特開平2−311322号公報のプレスレ
ンズの成形方法は、特に肉厚差の大きいレンズを形成す
る方法で、ガラス転移点以下の温度を有する成形型に、
1012ポアズ以上のガラスプリフォームを供給し、ガラ
スプリフォーム及び成形型の光学面付近の温度を108
〜1010ポアズ粘度に対応する温度まで加熱し、数秒乃
至数十秒間プレスしたのち、第1の冷却を行い1010.5
ポアズ〜1011.5ポアズに達した時、再加熱をしてか
ら、第2の冷却を行ない、ガラス転移点以下でプレスレ
ンズを取り出すものである。これにより、偏肉差の大き
いプレズレンズにあっても、第1の冷却で生じた薄肉部
と厚肉部との温度差を再加熱することにより緩和させる
ことができ、成形金型の転写面をガラスに対して超精密
に転写できるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平1ー4
6451号公報の製造装置で、特に厚肉部と薄肉部との
肉厚比が2.5倍を越える偏肉の大きいガラスレンズあ
るいは薄肉部が2mm以下のガラスレンズをプレス成形
する場合、ガラスを成形型で加圧しつつ冷却炉で徐冷す
る時に薄肉部から固化が進んでいくので、十分に徐冷速
度を遅くしてやらないと厚肉部との収縮差が残り、形状
精度の良好なガラスレンズを得ることは困難であった。
一方、良好なガラスレンズを得るために徐冷速度を遅く
した場合、冷却炉の長さを極端に長くする必要があり、
また、連続してガラスレンズを成形する際には徐冷ライ
ン上に必要な成形型の数が多くなるため、成形機及び成
形型加工設備等の設備コストの上昇を招く問題点があっ
た。
【0006】一方、特開平2−311322号公報のガ
ラスレンズの成形方法にあっては、ガラスを徐冷する
際、第1の冷却を行なった後、再加熱し、そして第2の
徐冷を行なうので、徐冷工程の所要時間が長くなる問題
点があった。また、再加熱ステージが必要となるため、
上記と同様に設備コストの上昇を招く問題点があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、肉厚比が2.5倍を越える偏肉の大きいガ
ラスレンズあるいは薄肉部が2mm以下のガラスレンズ
をプレス成形する場合にあっても、徐冷に長い時間を必
要とせず、また設備コストを上昇させずに、形状精度の
良好なガラスレンズを連続して成形できるガラス光学素
子の成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ガラス素材を上下型間に配置して押圧成
形した後、ガラス素材を徐冷炉内で搬送し、上下型に所
定の圧力を加えつつ徐冷してガラス素材転移点以下まで
冷却するガラス光学素子の成形方法において、前記徐冷
炉内に前記ガラス素材の搬送方向に複数の温調手段を設
け、この複数の温調手段によりガラス素材及び上下型を
温調しつつ、順次徐冷することとした。
【0009】
【作用】上記構成によれば、温調手段は、押圧成形した
ガラス素材の薄肉部との温度差を強制的に緩和する。そ
して、温調手段を複数設けることにより、順次、ガラス
素材を温調しつつ徐冷でき、薄肉部と厚肉部との温度差
を所定範囲内に保ちつつガラス転移点以下に徐冷でき
る。従って、肉厚比が2.5倍を越える偏肉の大きいガ
ラス光学素子あるいは薄肉部が2mm以下のガラス光学
素子を成形する場合、徐冷速度を遅くし、徐冷炉を長く
することなく、形状精度の良好な成形品を連続して得る
ことが可能になる。
【0010】
【実施例1】図1は、本発明に係るガラスレンズの成形
方法の実施例1に用いる成形装置を示す断面図、図2
は、図1におけるA−A線断面図である。成形装置は、
プリフォームの取入れ室1,複数のステージからなる加
熱室2,プレス室3,複数のステージの取出し室5が直
線上に順次連結されて構成されており、加熱室2内から
徐冷室4内には、ベルトコンベア6が配備されている。
ベルトコンベア6は、適宜間隔を有して平行に張設した
2枚のベルトから構成されるとともに、加熱室2,プレ
ス室3及び徐冷室4の各室内の下部に配置されている。
図2において、7はシャフトで、ベルトコンベア6を回
転駆動する駆動装置(図示省略)に連結されている。ま
た、取入れ室1,加熱室2及び取出し室5には、それぞ
れ非酸化性ガスの流入口8が設けられるとともに、取入
れ室1,徐冷室4及び取出し室5には、図示しない真空
ポンプと連結した排気口9がそれぞれ設けられている。
さらに、取入れ室1と加熱室2との間及び徐冷室4と取
出し室5との間にはゲート弁10及びゲート弁11がそ
れぞれ設けられ、上記各室との間を閉鎖且つ開放し得る
ように構成されている。また、加熱室2,プレス室3及
び徐冷室4との間には、それぞれシャッタ12,13が
設けられており、このシャッタ12,13は熱を遮断す
るもので、ガスの通過を許すに十分な間隔を有して各室
内を間仕切りし得るように構成している。
【0011】取入れ室1には、取入れ室1外から成形体
14を取入れ室1内に搬入する搬入把持具15と、取入
れ室1内に搬入した成形体14を加熱室2内に搬送する
搬送把持具16を互いに直交する方向で進退自在に配備
されている。また、取入れ室1内には、搬入把持具15
により搬送された成形体14を載置するための載置台1
7が、取入れ室1の下面に固定されて設けられている。
なお、図中、18は搬入把持具15と対向する取入れ室
の壁面に設けた扉である。
【0012】成形体14は、一対の状型19,下型20
をスリーブ21内に収納してなる成形型22を、成形型
22の下端部にセットした保持具23と、上型19,下
型20間に配置したプリフォーム24とから構成されて
いる。保持具23は、底面に孔23aが形成されるとと
もに、外周に上記搬送把持具15及び搬送把持具16に
よる把持用の凹部が環設されている。
【0013】加熱室2の内壁面は断熱材25で形成され
るとともに、断熱材25の内壁前面にヒータ26が取り
付けられ、加熱室2内を一定温度に制御し得るようにな
っている。プレス室3の上外壁面及び下外壁面には、そ
れぞれ上エアシリンダ27及び下エアシリンダ28が固
設されている。上、下エアシリンダ27,28の各プレ
ス軸27a,28aは、同一軸線上で対向して設けられ
るとともに、プレス室3内で上下自動自在に配設されて
いる。プレス室3の内壁面は断熱材29で形成されると
ともに、断熱材29の内壁前面にヒータ30が取り付け
られ、プレス室3内を一定温度に制御し得るようになっ
ている。
【0014】冷却室4の上外壁面及び下外壁面には、そ
れぞれ上エアシンダ31及び下エアシリンダ32が対を
なして固設されるとともに、この上、下エアシリンダ3
1,32が徐冷室4の長手方向に沿って複数個設けられ
ている。上、下エアシリンダ31,32の各プレス軸3
1a,32aはそれぞれ同一軸線上で対向して設けられ
るとともに、徐冷室4内で上下動自在に配置されてい
る。徐冷室4の内壁面は断熱材33で形成されるととも
に、断熱材33の内壁面のうち、上下長尺鋼線壁面を除
いた側内壁前面にヒータ34が取り付けられている。ヒ
ータ34は、取出し室5に近づくほど低温になるように
制御され、プレス室3でプレスされたプレス成形品35
を徐冷し得るようになっている。また、徐冷室4内に
は、保温リング36が図示しないように駆動装置により
上下動自在に設けられている。保温リング36は、上記
スリーブ21の外径より若干大径の内径部を有するリン
グ状に形成され、ヒータ37が内蔵されている。この保
温リング36は、対をなす上、下エアシリンダ31,3
2の間にそれぞれ配置されており、上記成形体14が
上、下エアシリンダ31,32間に搬送されるまでは、
成形体14の高さより高い位置に待機されている。
【0015】取出し室5には、徐冷室4内から成形体1
4を取出し室5内に搬入する搬入把持具38と、取出し
室5内に搬入した成形体14を取出し室5外に排出する
排出把持具39が互いに直交する方向で進退自在に配備
されている。また、取出し室5内には、搬入把持具38
により搬入された成形体14を載置するための載置台4
0が、取出し室5の下面に固定されて設けられている。
載置台40の上方には、非酸化性ガスを成形体14に吹
き付けて急冷するためのブロー管41が配置されてい
る。ブロー管41は、取出し室5の上壁面に取り付けら
れるとともに、図示しない非酸化性ガス供給装置に連結
されている。なお、図中、42は排出把持具39と対向
する取出し室5の壁面に設けた扉である。
【0016】次に、上記成形装置を用いた本発明の実施
例1を説明する。まず、排出口9及び流入口8を介し
て、成形装置の内部全体を真空排気かつ非酸化性ガスで
充填し、若干陽圧にするとともに、加熱室2,プレス室
3及び徐冷炉4をそれぞれヒータ26,30,34で昇
温する。一方、成形装置外での作業により、プリフォー
ム24を上、下型19,20の間に配置するとともに、
保持具23を成形室22の下端部にセットし、成形体1
4を組み立てる。そして、ゲート弁10を介して取入れ
室1と加熱室2を閉鎖するとともに、取入れ室1の扉1
8を開き、搬入把持部15により成形体14を取入れ室
1内に搬入して載置台17に載置した後、搬送把持具1
5を取入れ室1外に戻し、扉18を閉める。次に、取入
れ室1内を排気し、非酸化性ガスで満たす。そして。ゲ
ート弁10を開いて搬送把持具16を前進し、加熱室2
の入口でベルトコンベア6に成形体14を載せた後、搬
送把持具16を後退して位置に戻す。
【0017】成形体14はベルトコンベア5により、シ
ャッタ12が開いた後に、加熱室1内をプレス室3方向
に移動し、プリフォーム24を加熱する。そして、プリ
フォーム24を所定の温度に加熱した後、ベルトコンベ
ア6により成形体14をプレス室3内の上、下エアシリ
ンダ27,28間に移送して停止する。次に、上エアシ
リンダ27のプレス軸27aの下降と下シリンダ28の
プレス軸28aの上昇を同時に行い、所定のプレス圧力
を上、下型19,20を介してプリフォーム24に加
え、プリフォーム24のプレス成形を行なう。
【0018】プレス成形した後、シャッタ13を開き、
成形体14をベルトコンベア6によって温度傾斜炉から
なる徐冷炉4内に移送し、プレス室3に最も近い上、下
エアシリンダ31,32間で停止する。なお、以下の説
明において、プレス室3から取出し室5方向における
上、下エアシリンダ31,32間を順次、第1ステー
ジ、第2ステージと・・・・といい、取出し室5に最も
近いステージを最終ステージという。そして、第1ステ
ージにおいて、成形体14上方に待機していた保温リン
グ36を下降し、プレス成形品35の外周部に相当する
成形体14の外周部位に位置させて停止する。この保温
リング36は、内蔵したヒータ37により所定の温度に
制御されており、プレス成形品35の外周部の徐冷速度
を内部よりも遅延させる作用をする。保温リング36の
下降とともに、上エアシリンダ31のプレス軸31aを
下降し、同時に下エアシリンダ32のプレス軸32aを
上昇し、所定のプレス圧力をプレス成形品35に加え
る。
【0019】所定時間プレスするとともに徐冷を行なっ
た後、成形体14をベルトコンベア6によって第2ステ
ージに移送し、第1ステージと同様にプレス成形品35
の外周部を保温リング36で温調しつつ、プレス成形品
35ののプレスと同時に徐冷を更に進行させ、順次かか
る徐冷を最終ステージまで行なう。この徐冷ステージ
は、徐冷に要する合計時間によって適宜数設けられる。
なお、保温リング36の設定温度は、第1ステージから
最終ステージ毎に、順次低くなるように設定されるが、
各ステージの雰囲気温度よりもそれぞれ高く設定されて
いる。また、最終ステージにあっては、プレス成形品3
5の温度がガラス転移点以下に冷却されるように、最終
ステージ部位の徐冷炉4のヒータ24及び保温リング3
6のヒータ37の温度が設定されている。
【0020】最終ステージでのプレス成形品35の徐冷
が終了した後、ゲート弁11を開き搬入把持具38によ
って成形体14を徐冷室4内から取出し室5内に搬入し
て成形体14を載置台40に載置し、ゲート弁11を閉
じるとともに搬入把持具38を載置台40上から退避す
る。そして、ブロー管41の先端から常温の非酸化性ガ
スを成形体14に吹き付け、急速に冷却する。そして、
扉42を開き、排出把持具39を取出し室5の外部から
取出し室5内に進入して保持具23を把持した後、排出
把持具39を取出し室5外に退避して成形体14を取り
出し、プレス成形したガラスレンズを得る。一方、成形
体14を取り出した後、扉42を閉じ、取出し室5内を
真空排気するとともに非酸化性ガスで満たしておく。上
記の工程に従って、多数の成形体14を所定のタクトタ
イムで同期して動作させる。
【0021】次に、肉厚5mmの両平面形状とした光学
ガラスSK11(転移点535℃,屈状点559℃,軟
化点639℃)からなるプリフォーム24を用いて、外
径16mm,中肉6mm,外周部の肉厚2mmの凸レン
ズ(肉厚比3倍)を成形する場合を例示する。加熱室2
の温度は、加熱室2からプレス室3に形成体14を移動
するときにプリフォーム24の温度が570℃となる温
度に設定し、プレス室3の温度も570℃に設定した。
徐冷室4には3つの徐冷ステージを設け、第1ステージ
の温度を557℃,第2ステージの温度を543℃及び
第3ステージの温度を530℃に設定した。さらに、各
ステージに設けた保温リング36の温度を、第1ステー
ジで572℃,第2ステージで558℃及び第3ステー
ジで545℃に設定した。一方、プレス圧力を加える時
間は55秒とし、成形体14の搬送時間を加えて成形機
のタクトタイムを60秒とした。そのプレス圧力は、プ
レス工程、徐冷工程とも40Kg/cm2 とした。
【0022】図3は、上記徐冷ステージにおけるプレス
成形品35,スリーブ21,保温リング36及び徐冷室
4内での温度の測定位置を示し、その結果を図4に示し
た。これに対し、保温リング36を用いず、同一条件で
徐冷した場合について、図5に示すように図3に示した
同一測定位置の温度を測定し、図6にその結果を示し
た。本実施例にあっては、図4に示すように、プレス成
形品を徐冷した場合、徐冷炉4の第3ステージにおける
厚肉部と薄肉部との温度差は認められなかった。これに
対し、保温リング36を用いない場合の温度差は5℃と
大きかった。このため、ガラスレンズの転写精度は、本
実施例の場合に所望の形状からの誤差量が0.05μm
以下と高精度に転写できたが、保温リング36を用いな
かった場合、誤差量が0.2μmと悪化していた。
【0023】よって、本実施例にれば、肉厚比が2.5
倍を越えるような偏肉の大きい、あるいは薄肉部が2m
m以下の凸状ガラスレンズをプレス成形する場合にあっ
ても、徐冷速度を遅くしかつ徐冷炉を長くすることな
く、形状精度の良好なガラスレンズを連続して成形する
ことができる。
【0024】
【実施例2】図7は、本発明に係るガラスレンズの成形
方法の実施例2に用いる成形装置を示す断面図である。
本実施例は凹レンズを成形するもので、実施例1の保温
リング36に代えて、徐冷室4の各徐冷ステージに徐冷
リング45を設けられている。徐冷リング45には、非
酸化性ガスの流通路46が形成され、冷却リング45の
内周面から常温の非酸化性ガスが任意の流量噴出し、成
形体14を冷却して、徐冷中のプレス成形品35の外周
部の徐冷速度を内部よりも速めることができるように構
成されている。また、徐冷室4内には、上下内壁面のみ
にヒータ47が取り付けられており、ヒータ47は、取
出し室5に近付くほど低温になるように制御されてい
る。その他の構成及び作用は、実施例1における成形装
置と同様である。
【0025】次に、本実施例のガラス光学素子の成形方
法を説明する。本実施例においては、肉厚5mmの両平
面形状とした光学ガラスSF7(転移点455℃,屈状
点488℃,軟化点592℃)からなるプリフォーム2
4を用いて、外径12mm,中肉1.5mm,外周部の
肉厚4mmの凸レンズ(肉厚比2.7倍)を成形した。
加熱室2の温度は、加熱室2からプレス室3に形成体1
4を移動するときにプリフォーム24の温度が495℃
となる温度に設定し、プレス室3の温度も495℃に設
定した。徐冷室4には3つの徐冷ステージを設け、第1
ステージの温度を474℃,第2ステージの温度を45
7℃及び第3ステージの温度を440℃に設定した。さ
らに、各ステージの冷却リング45からの非酸化性ガス
の流出により、第1ステージのスリーブ21外周面の温
度が478℃,第2ステージで462℃及び第3ステー
ジで450℃となるように非酸化性ガスの流量を設定し
た。一方、プレス圧力を加える時間は55秒とし、成形
体14の搬送時間を加えて成形機のタクトタイムを60
秒とした。そのプレス圧力は、プレス工程、徐冷工程と
も40Kg/cm2 とした。
【0026】図9は、上記徐冷ステージにおけるプレス
成形品35,スリーブ21,冷却リング45及び徐冷室
4内での温度の測定位置を示し、その結果を図10に示
した。これに対し、冷却リング45を用いず、同一条件
で徐冷した場合について、図11に示すように図9に示
した同一測定位置の温度を測定し、図12にその結果を
示した。本実施例にあっては、図10に示すように、プ
レス成形品を徐冷した場合、徐冷ステージ4の第3ステ
ージにおける厚肉部と薄肉部との温度差は認められなか
った。これに対し、冷却リング45を用いない場合の温
度差は6℃と大きかった。このため、ガラスレンズの転
写精度は、本実施例の場合に所望の形状からの誤差量賀
0.05μm以下と高精度に転写できたが、保温リング
36を用いなかった場合、誤差量が0.4μmと悪化し
ていた。
【0027】よって、本実施例にれば、肉厚比が2.5
倍を越えるような偏肉の大きい、あるいは薄肉部が2m
m以下の凹状ガラスレンズをプレス成形する場合にあっ
ても、徐冷速度を遅くしかつ徐冷炉を長くすることな
く、形状精度の良好なガラスレンズを連続して成形する
ことができる。なお、本実施例の変形例として、冷却リ
ング45を水冷却等により雰囲気温度よりも低温度に維
持し、成形体14のスリーブ21の外周部に接触させる
構造とし、スリーブ21を局部的に冷却してプレス成形
品35を温調することができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、徐冷炉
内に複数の温調手段を設け、この温調手段によりプレス
成形したガラス素材の薄肉部と厚肉部との温度差を所定
範囲内に維持しつつ、ガラス転移点以下まで徐冷でき
る。そのため、肉厚比が2.5倍を越える偏肉の大きい
ガラス光学素子あるいは薄肉部が2mm以下のガラス光
学素子を成形する場合にあっても、徐冷速度が遅くなら
ず、徐冷炉の長さ、成形型が従来通りの個数でよく、成
形機及び成形型加工設備等の設備コストの上昇を伴わ
ず、形状精度の良好なガラス光学素子を連続して展示管
に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に用いた成形装置の断面図で
ある。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施例1の各徐冷ステージにおけるガ
ラス素材、成形型等の温度測定位置を示す説明図であ
る。
【図4】各徐冷ステージにおけるガラス素材、成形型等
の温度曲線を示すグラフである。
【図5】保温リングを用いない倍の各冷却ステージにお
けるガラス素材、成形型等の温度測定位置を示す説明図
である。
【図6】保温リングを用いない場合の各冷却ステージに
おけるガラス素材、成形型等の温度曲線を示すグラフで
ある。
【図7】本発明の実施例2に用いた成形装置の断面図で
ある。
【図8】図7におけるB−B線断面図である。
【図9】本発明の実施例1の各徐冷ステージにおけるガ
ラス素材、成形型等の温度測定位置を示す説明図であ
る。
【図10】各徐冷ステージにおけるガラス素材、成形型
等の温度曲線を示すグラフである。
【図11】冷却リングを用いない倍の各冷却ステージに
おけるガラス素材、成形型等の温度測定位置を示す説明
図である。
【図12】冷却リングを用いない場合の各冷却ステージ
におけるガラス素材、成形型等の温度曲線を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 取入れ室 2 加熱室 3 プレス室 4 徐冷室 5 取出し室 14 成形体 19 上型 20 下型 21 スリーブ 22 成形型 24 プリフォーム 34,47 ヒータ 35 プレス成形品 36 保温リング 45 冷却リング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス素材を上下型間に配置して押圧成
    形した後、ガラス素材を徐冷炉内で搬送し、上下型に所
    定の圧力を加えつつ徐冷してガラス素材転移点以下まで
    冷却するガラス光学素子の成形方法において、前記徐冷
    炉内に前記ガラス素材の搬送方向に複数の温調手段を設
    け、この複数の温調手段によりガラス素材及び上下型を
    温調しつつ、順次徐冷することを特徴とするガラス光学
    素子の成形方法。
JP2731092A 1992-01-17 1992-01-17 ガラス光学素子の成形方法 Withdrawn JPH05193963A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2731092A JPH05193963A (ja) 1992-01-17 1992-01-17 ガラス光学素子の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2731092A JPH05193963A (ja) 1992-01-17 1992-01-17 ガラス光学素子の成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05193963A true JPH05193963A (ja) 1993-08-03

Family

ID=12217517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2731092A Withdrawn JPH05193963A (ja) 1992-01-17 1992-01-17 ガラス光学素子の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05193963A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004083135A1 (ja) * 2003-03-17 2004-09-30 Nikon Corporation ガラス光学素子成形装置
JP2006096611A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Hoya Corp モールドプレス成形装置及び成形体の製造方法
JP2006103976A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Hoya Corp モールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法
KR100736654B1 (ko) * 2007-02-05 2007-07-06 양성국 판유리의 무늬 성형장치
JP2009143771A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Olympus Corp 光学素子の製造方法、光学素子の製造装置
CN113582521A (zh) * 2021-09-02 2021-11-02 襄阳宇驰光学科技有限公司 一种光学玻璃型件精密压型软化炉及其软化方法
CN115259635A (zh) * 2022-07-01 2022-11-01 天津大学 一种玻璃透镜模压成形方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004083135A1 (ja) * 2003-03-17 2004-09-30 Nikon Corporation ガラス光学素子成形装置
JP2006096611A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Hoya Corp モールドプレス成形装置及び成形体の製造方法
JP4571840B2 (ja) * 2004-09-29 2010-10-27 Hoya株式会社 モールドプレス成形装置及び成形体の製造方法
JP2006103976A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Hoya Corp モールドプレス成形装置及び光学素子の製造方法
KR100736654B1 (ko) * 2007-02-05 2007-07-06 양성국 판유리의 무늬 성형장치
JP2009143771A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Olympus Corp 光学素子の製造方法、光学素子の製造装置
CN113582521A (zh) * 2021-09-02 2021-11-02 襄阳宇驰光学科技有限公司 一种光学玻璃型件精密压型软化炉及其软化方法
CN115259635A (zh) * 2022-07-01 2022-11-01 天津大学 一种玻璃透镜模压成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4915720A (en) Method of and apparatus for molding glass articles
US5588980A (en) Apparatus for molding a glass optical element with a transporting supporting member
EP0356068B1 (en) Mold and molding method for molding optical elements
TWI551554B (zh) The forming device and forming method of glass frame body
KR100681091B1 (ko) 몰드프레스 성형장치 및 성형체의 제조방법
WO2009002375A1 (en) Glass bending process
JP4074810B2 (ja) I.s.成形機用の吹込成形金型組立体
JP4104438B2 (ja) 吹込成形ヘッド機構
JPH0729779B2 (ja) ガラス成形体の製造装置
JPH05193963A (ja) ガラス光学素子の成形方法
JP4039940B2 (ja) 搬出機構
JPS6126528A (ja) プレスレンズを製造する装置
JP4222824B2 (ja) 吹込成形ヘッド機構
JP4198977B2 (ja) 搬出機構
US5649991A (en) Individual section glass container forming machine
US5649989A (en) Method of manufacture glass containers in a section of an IS. machine
US5685888A (en) Machine for the production of glassware articles by the press and blow process
JP4455963B2 (ja) 成形体製造装置および製造方法
JPS59152229A (ja) 光学素子成形装置
JPH04164826A (ja) ガラスレンズ成形装置および製造方法
JPH06305744A (ja) 光学素子製造装置
JPH01164739A (ja) ガラスシートを成形する方法及びその装置
JPH03223126A (ja) ガラスレンズの製造装置
JPH01172231A (ja) 光学素子製造装置
JPH05193962A (ja) ガラス光学素子の成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990408