JP4227673B2 - Tshレセプター自己抗体を検出するためのレセプター結合アッセイ、およびそのようなレセプター結合アッセイを行なうための試薬類と試薬キット - Google Patents

Tshレセプター自己抗体を検出するためのレセプター結合アッセイ、およびそのようなレセプター結合アッセイを行なうための試薬類と試薬キット Download PDF

Info

Publication number
JP4227673B2
JP4227673B2 JP53673599A JP53673599A JP4227673B2 JP 4227673 B2 JP4227673 B2 JP 4227673B2 JP 53673599 A JP53673599 A JP 53673599A JP 53673599 A JP53673599 A JP 53673599A JP 4227673 B2 JP4227673 B2 JP 4227673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tshr
receptor
btsh
tsh
rhtshr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP53673599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001520750A5 (ja
JP2001520750A (ja
Inventor
ベルグマン,アンドレアス
ストラック,ジョアチム
モルゲンサーラー,ニルス
ウェグロナー,ウォルフガング
ホリッドット,ジョーグ−ミヒャエル
Original Assignee
ベー.アール.アー.ハー.エム.エス アクチェンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベー.アール.アー.ハー.エム.エス アクチェンゲゼルシャフト filed Critical ベー.アール.アー.ハー.エム.エス アクチェンゲゼルシャフト
Publication of JP2001520750A publication Critical patent/JP2001520750A/ja
Publication of JP2001520750A5 publication Critical patent/JP2001520750A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4227673B2 publication Critical patent/JP4227673B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/564Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for pre-existing immune complex or autoimmune disease, i.e. systemic lupus erythematosus, rheumatoid arthritis, multiple sclerosis, rheumatoid factors or complement components C1-C9
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
    • G01N33/76Human chorionic gonadotropin including luteinising hormone, follicle stimulating hormone, thyroid stimulating hormone or their receptors

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Rehabilitation Therapy (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は甲状腺の自己免疫病、特にグレーブス病において生じるTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)を測定するための改良されたレセプター結合アッセイに関する。
甲状腺が関与する多くの病気は甲状腺の分子構造に対する自己抗体が形成され、そして病気と関連して自己抗原として作用し始める自己免疫病であることが知られている。甲状腺の自己抗原として知られる最も重要なものはチログロブリン(Tg)、チロパオキシダーゼ(TPO)そして特にTSHレセプター(TSHR)である。(フルマニアック ジェイ(Furmaniak J.)等、Autoimmunity1990年,7巻63−80頁を参照)。
TSHレセプターは甲状腺膜に局在し、脳下垂体腺によって分泌されるホルモンのTSH(甲状腺刺激ホルモン又はチロトロピン)がこれに結合し従って実際の甲状腺ホルモン特にチロキシンの分泌を誘発するレセプターである。TSHレセプターは、大きなアミノ末端細胞外ドメインを有している、G−プロテインの結合した糖蛋白質レセプターからなるレセプターファミリーに属し、このファミリーにLH/CGレセプター及びFSHレセプターも属している。TSHレセプターの化学構造すなわち、それをコードしているDNAの配列及びそこから誘導されるレセプター自体のアミノ酸配列は1989年末に明らかにされた(リバート エフ等,Biochem.Biophys.Res.Commun.165:1250-1255;ナガヤマ ワイ等.Biochem.Biophys.Res.Commun.165:1184-1190;を参照、又EP-A-0433509及びWO-A-91/09121;及びWO-A-91/09137;WO-A-91/10735及びWO-A-91/03483も参照;更にユージ ナガヤマ 及びバシル ラポポート:Molecular Endocrinology,6巻No.2、145−156頁及びそこに引用された文献も参照)。
TSHレセプターに対して形成され、甲状腺が刺激されるようにこのレセプターと相互作用をする刺激性自己抗体は、甲状腺機能亢進症として現われるグレーブス病として知られる甲状腺自己免疫病において、ある役割を果たすことが一般に知られている。従って、TSHレセプターに対する自己抗体の測定は、グレーブス病の診断にとってかなりの臨床的な重要性を有している。
TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)は、今日まで本質的に2つの原理に基づく方法に従って、生体試料で測定された(例えば、モルゲンターラー(Morgenthaler)エヌ ジー等J Clin Endocrinol Metab81:3155-3161(1966))。
細胞刺激試験において、文献中ではしばしば略語TSI(TSI=甲状腺刺激性免疫グロブリン)で表示される刺激性TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の存在は、細胞膜中に天然又は組替えTSHレセプター(TSHR)を有し、かつ自己抗体含有試料と接触する適当な細胞の特定機能は、特にcAMP(環状アデノシン一燐酸)の形成という刺激によって引き起こされるか又は強められるという事実となって現われる。バイオアッセイとも呼ばれるこれらの試験において、刺激効果は選択的に測定されるが、測定は極めて複雑であり、従って通常の臨床診断には特に適しているとは言えない。
別の方法として、自己抗体は競合的なレセプター結合アッセイ、特にラジオレセプターアッセイを用いて、例えばベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー.(B.R.A.H.M.S.Diagnostica GmbH)からのTRAK−アッセイ(R)の使用によって測定することも出来る。この慣用方法によるTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定の為には、血清試料に由来する測定されるべき自己抗体は、液相において、可溶化されたブタTSHレセプター(porc.TSHR)の結合場所に対して、放射性標識化ウシTSH(125I-bTSH)と競争させられる(サウスゲート ケー(Southgate,K)等Clin.Endocrinol.(オックスフォード)20巻539−541頁(1984);マツバ ティ等,J.Biochem.118巻265−270頁(1995);EP 719 858 A2;ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー.(B.R.A.H.M.S.Diagnostica GmbH)からのTRAK−アッセイRについての製品情報を参照)。ブタTSHレセプター(porc.TSHR)製剤に対し結合された125I-bTSHを測定するために、培養の完了後、使用の可溶化されたブタTSHレセプター(porc.TSHR)は沈降試薬の使用と、その後の遠心分離段階を用いて液相から分離される。レセプターに結合した125I-bTSHは、沈殿物中の結合された放射活性を測定することによって決定される。測定は、125I-bTSHと測定されるべき自己抗体の間のブタTSHレセプター(porc.TSHR)上の共通の結合場所に対する競争に基づいているから、実際にウシTSH(bTSH)と競争する自己抗体のすべてが、そしてそれらのみがこの方法で測定される。TSH結合を阻害することができるそのような競争的な自己抗体は、文献でTBII(TBII=チロトロピン結合阻害性免疫グロブリン)とも呼ばれ、それらの活性の程度は、いわゆるTBII活性のパーセントとしても表わされる。
TSHレセプター自己抗体の検出用に今日まで知られた競合的なラジオレセプターアッセイは、種々の欠点をもっており、それらは使用の検定成分の品質又は入手性、既知アッセイでの測定結果を誤らせ得る、個々の患者の血清中に生ずる異常、およびTSHレセプター製剤の結合能力が、レセプターの変化やレセプターに結合される生体分子の変化に対して、一般的に非常に感受性が高いという事実に起因している。
ペプチドや蛋白質性の生体分子、例えばホルモンや自己抗体のレセプターに対する結合は、原則として非常に複雑なものであり、レセプターと生体分子間の特異的結合の形成は、特にレセプターの場合の構造上の変化に対し、レセプターが役割をもたないほとんどのイムノアッセイの基礎をなす通常の抗原抗体結合対の場合よりも、はるかに感受性が高い。今日まで、TSHレセプターを固定及び/又は標識化する試みは、レセプターの機能を一般に大きく損なう構造的な変化につながっている。その結果、TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定用のレセプター結合アッセイの場合に、抗原抗体結合を用いたイムノアッセイに利用可能な多くの基本的アッセイ型を実際に実行することについての、再現可能な記載はこれまでほとんどなかった。従って、このような他のアッセイ型は、TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定に実際には使用できなかった。このことは、固定された結合パートナーを使用し、固相に結合されたトレーサーの濃度を測定の終りに直接決定する検定型や、酵素、酵素基質又は化学発光剤標識のような、かさ高の分子を標識に使用する検定型に特にあてはまる。固相に結合されたトレーサーの測定は、一連の測定でほとんどの自動検定装置の基礎をなすから、これまでTSHレセプター自己抗体の測定用に知られたアッセイは、このような自動装置では使用できなかった。
DE 43 28 070 C1特許は被覆試験管技術に基づくレセプター結合アッセイ法の一つの型を記載しており、ここでは標識又は固定された機能的レセプター製剤を製造することの難しさが、ある程度、実際のレセプター結合反応のいわばシャドウ(影)を表わす競合反応系の固相成分に結合することによって回避される。しかし、この方法の開示された原理は複雑すぎることがわかっており、従って通常の臨床診断に検定法を提供することは実現しそうにない。この特許のレセプター結合アッセイ全般の問題と、特にTSHレセプター自己抗体の測定についての問題に関する一般的な記載は、参照によって本明細書に取り込まれることをここに明示する。
EP−B−0 488 170は、細胞を含まないレセプター結合試験を開示しており、ここではアミノ末端レセプター蛋白質及び担体蛋白質、特にイムノグロブリンの重い鎖の一定断片(Fc)を含む組替え融合レセプターが使用され、この融合レセプター類は抗血清又はモノクローナル抗体によって固相に結合される。この議論されているレセプター類は高分子量G−蛋白質結合された糖蛋白質レセプターの部類には属していない。更に、イムノグロブリンのFc部分である担体蛋白質を結合させることによる固定は、レセプター結合アッセイの助けによって自己抗体を測定しようとするこのレセプター結合アッセイにとって、非常に適しているとは言えない。なぜならば、自己抗体自体がイムノグロブリン類に属していて、固定化系に結合し得るからである。
慣用のアッセイ法のある種の欠点は、異なる動物起源の反応体類、すなわち標識化ウシTSH(bTSH)と組み合わせた安定化されたブタTSHレセプター製剤が、ヒトTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定に使用されたこととも関連している。これらの検定成分が、良好な相互の結合によって区別され、グレーブス病で生ずるヒトTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の約80−90%の検出を可能としているのは事実である。しかし、検出しようとするTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の100%検出に比べれば低いものであるその臨床的価値は、恐らく、少なくとも部分的には、患者の血清中に生ずる自己抗体がヒトTSHRに対するものであるのにブタTSHR製剤への結合に基づいて測定される事実によって低くなっているのである。組み替え法で製造されるヒトTSHレセプター製剤(rhTSHR)が基本的には入手可能であるにも関らず、どんな期待される利点も実施上の多くの新たな欠点によって帳消しにされてしまうため、このようなrhTSHRはこれまで臨床的なアッセイで使用されたことがなかった。特に、固相に結合された形態(固定型)や標識化形態のアッセイにおいて、機能的な自然のrhTSHRを使用する可能性は、ブタTSHレセプター(porc.TSHR)の場合と同様に、今日までわずかなものであった。
ダブリュー ビー ミニッチ、エム ベーア、及びユー ルース、Exp Clin Endocrinol Diabetes105巻282−290頁(1997)、及び「アメリカ甲状腺学会第70回年会」1997年10月15〜19日、Abstract第89号、及びダブリュー ビー ミニッチ、ジェイ ディー ウェイマイヤー、ユー ルース、Thyroid8巻3−7頁(1998)(出版ずみ)の発表文献は、遺伝子工学で結合させたペプチド残基によって組み替えヒト融合TSHRを固定することが可能であり、またこの型の融合TSHレセプターをTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定に使用できることを明らかにしている。対応する要約の開示も、それ以前に刊行されていない国際特許出願公開WO 98/20343に見出される。
更に、EP−A 0 719 858は、骨髄腫細胞系統の助けによって機能的rhTSHRを調製する方法を記述している。この出願は、調製されたrhTSHRポリペプチドを使用してモノクローナル抗体をつくる可能性を、一般的、推測的な形で言及しており、このような抗体を、とりわけrhTSHRを固定化するために、及びTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定への利用のために使用することを提案している。しかし、このようなモノクローナル抗体の実際の調製と選択は記載されておらず、また、この提案が、rhTSHRを得られることもあるモノクローナル抗体と機能を失わずに固定すること、そのモノクローナル抗体をその固定形でTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定に使用することを可能とするということは、具体的に示されていない。EP−A 719 858の開示は、その程度のもので再現できない。モノクローナル抗体はその親文献たる科学刊行物(マツバ等、J.Biochem.118巻265−270頁(1995)では言及されていない。
TSHレセプターの分子構造が決定された後に、完全なヒト組替えTSHレセプター(rhTSHR)のポリペプチド、そのようなレセプターの(シグナルペプチドなしの398個のアミノ酸からなる)N−末端細胞外部分、及びより短いレセプターペプチド部分配列のコンジュゲート類に対するモノクローナル及びポリクローナル自己抗体が、TSH結合及び抗体結合の責任を担っているTSHレセプターのエピトープを決定する目的で、多くの研究グループによって製造された。(例えばエヌ.ジー.モルゲンターラー(Morgenthaler)等,J Clin Endocrinol Metab81:3155-3161(1996);シーサラマイアー ジー.エス.等,Endocrinology134,No.2,549-554(1994);デサイ アール.ケー.等,J.Clin.Endocrinol.Metab.77:658-663,1993;ダラス ジェイ.エス.等,Endocrinology134,No.3,1437-1445頁(1994);ジョンストン エー.ピー.等,Mol.Cell.Endocrinol.105(1994),R1-R9;シーサラマイアー ジー.エス.等,Endocrinology136,No.7,2817-2824頁(1995);ニコルソン エル.ビー.等,J.Mol.Endocrinol.(1996)16,159-170頁;ロパース エー.等,Cell.Immunol.161,262-269頁(1995);オオモリ エム.等,Biochem.Biophys.Res.Commun.174,No.1(1991),399-403頁;エンドー ティ等,Biochem.Biophys.Res.Commun.181,No.3(1991),1035-1041頁;コスタグリオラ エス.等,Endocrinology128,No.3,1555-1562頁,1991;マリオン エス.等,Endocrinology130,No.2,967-975頁(1992);ジェイ.サンダース等,J.Endocrinol.Invest.19(Suppl.6),1996及び更にこれらの発表論文に引用されている文献を参照)。TSHレセプター又は組替え法によって造られたその部分配列に関する結合挙動について、そして特にTSHレセプターの種々の形態又は断片に対するTSHの結合に干渉する能力に関して、種々の抗体が試験された。種々のポリクローナル又はモノクローナル抗体が異なる動物の免疫化により、及び/又は異なる発現系からの組替え物質を使用してつくられ、そのうえ組替え法で造られた異なる起源からのTSHレセプター又はそのペプチド断片が、しばしば結合試験に使用されて以来、また更にレセプターペプチドのグリコシル化及び/又は正しい折りたたみが多くの抗体の結合に決定的なものでありそうとわかってからも、天然のTSHレセプターのエピトープ構造、及びヒト血清のポリクローナル抗体群中に生じる自己抗体のエピトープ特異的な結合挙動は、まだ完全には説明されてはいない。
例えばダラス ジェイ.エス.等,Endocrinology134,No.3,1437-1445頁(1994)の刊行物中で、バクロウィルス/昆虫細胞発現系の助けにより造られ、N−末端シグナルペプチドのないヒトTSHレセプターの細胞外ドメインのアミノ酸を有している部分的な組替えTSHレセプターが、ウサギを免疫化するのに使用され、また、生ずる免疫グロブリンフラクションから、約20個のアミノ酸を各々有している合成ペプチド類を使用するアフィニティクロマトグラフィーにより、特異的な抗体フラクションが得られる。次に上記の特異的な抗体フラクションは、市販レセプター結合アッセイにおいて、なかでも可溶化ブタTSHレセプターに対するTSHの結合を封鎖する適性について検討される。これらの抗体は刺激活性を示さなかった。
シーサラマイアー ジー.エス.等,Endocrinology136,No.7,2817-2824頁(1995)による刊行物は、マウスを免疫化するのに、そして標準技術によってTSHレセプターの個々のエピトープに対するモノクローナル抗体を造るのに、上記刊行物と同じ部分的組替えTSHレセプターが、どのように使用されたかを記載している。同様の手順がニコルソン エル.ビー.等,J.Mol.Endocrinol.(1996)16,159-170頁に記載されている。シーサラマイアー ジー.エス.等,Endocrinology134,No.2,549-554頁(1994)に従って、上に記載のとおりに造られた部分的組替えTSHレセプターは、その後折りたたまれて次に放射性標識化ウシTSH(bTSH)への結合適性について試験される。この目的の為に、これを液相で放射性標識化bTSHと反応させる。次に、生じる複合体をできるだけ定量的に反応混合物から分離するために、完全なTSHレセプター配列の357−372のアミノ酸を含有し、そして折りたたまれていない部分的組替えTSHレセプターに対するbTSHの結合を阻害しないことが示されている部分ペプチドのコンジュゲートでウサギを免疫化し、それによって造られた抗体を、沈殿系の一部として加える(デサイ アール.ケー.等,J.Clin.Endocrinol.Metab.77:658-663,1993)。次に添加された抗体又はこの抗体及び結合された放射性標識化bTSHを含有している複合体を、各抗体と非特異的に結合するプロテインAの助けによって沈殿させる。試験条件下でプロテインAのレセプター結合抗体に対する結合は、同時的なbTSHの結合を損なうことがないように見える。
更に、より以前の以前に刊行されたことがない特許出願196 51 093.7で、TSHレセプター自己抗体の測定用に実施可能な競合的な固相レセプターアッセイが、初めて記述されている。このアッセイで、測定しようとするTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)と、標識化bTSHと、そして存在することもある標識化モノクローナル抗体とを、可溶化TSHRの結合位置に対して競合せしめ、形成されるTSHR複合体を固定モノクローナル抗体によって固相に結合させる。出願196 51 093.7で、TSHレセプター(TSHR)の比較的短いアミノ酸配列を認識するモノクローナル抗体が、粗製のブタTSHR又は任意選択的に組み替え型のTSHR製剤とも組み合わせて使用される。その具体例においてはTSHR複合体の固定は、シーケンシャルな抗ヒトTSHレセプターモノクローナル抗体(anti-hTSHR-mab)の結合されたアフィニティゲルの助けにより、行われている。出願196 51 093.7の開示の焦点は、特に慣用の可溶化された粗製TSHR製剤の使用によるTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)測定の臨床的価値の増加にある。しかし、この出願の内容、特に測定法の変化があり得ることについては、参照によって本明細書に取り入れることを明示する。
anti-hTSHR-mabを得るための特定の方法が、エス コスタグリオラ及びジー ヴァッサート、J.Endocrinol.Invest.20(No.5への付録)、アブストラクト4(1997)に更に記述されている。この方法によると、抗体生成を目的としたマウスの免疫化は、ペプチド抗原によるのでなく、ヒトTSHレセプター(hTSHR)をコードしたDNAプラスミド構造体の筋肉内注射によって行われる。この方法で、天然のヒトTSHレセプター(hTSHR)に高いアフィニティをもった新規なモノクローナル抗体が得られる。この手法は非常に価値あることが立証され、特に立体配座エピトープを認識するanti-hTSHR-mabの調製のために、本出願でも使用されている。
更に、組み替えTSHレセプターまたはその部分に対する抗体について得られた知識によって、免疫沈降試験としてそれ自体知られている第三の原理を、レセプター自己抗体の測定に使用することが提案されたこととなったことがわかる。この試験では、35S-メチオニンを組み込んで標識化された組替えTSHレセプターの細胞外部分の製剤が沈降試薬として使用されている。このようなアッセイの一つに於ては、TSI又はTBIIのいずれに対しても選択性がない(エヌ ジー モルゲンターラーら、J Clin Endocrinol Metab 81:700-706(1996))。しかし、インビトロの翻訳によって35S-標識化レセプターを調製することは極めて複雑で費用がかかり、35Sによって放出される放射線の通常の臨床的測定に適した測定装置は存在しない。従ってこの方法は通常の臨床診断の為の測定方法としては適していない。
本発明の目的は、先行技術のそのような競合的レセプター結合アッセイの記載された欠点を有さず、しかも臨床的に高い価値を有している、TSHレセプター自己抗体の測定のためのレセプター結合アッセイ法を提供することである。
特に、本発明の目的は、アッセイの反応体から形成されたTSHレセプター複合体が固相に結合された形で直接に得られ、従って、このレセプター結合アッセイの自動化方法が可能となる、TSHレセプター自己抗体を測定するための改良されたレセプター結合アッセイ法を提供することである。
特に本発明の更に別の目的は、異常な血清成分による測定の特異的な攪乱が効果的に排除され、アッセイ反応体の最適結合が確保される方法で、TSHレセプター自己抗体の検出用の改良されたレセプター結合アッセイ法を設計することである。
本発明の更に別の目的は、そのような改良されたレセプター結合アッセイを通常の臨床診断において実施するために必要な試薬キットを提供することである。
上記の目的は、請求項1のプレキャラクタライジングクローズに従う競合的レセプター結合アッセイに於て、請求項1のキャラクタライジングクローズで再現される特徴をもったラジオレセプターアッセイによって少なくとも部分的には達成される。
上記の目的達成に至る研究調査において、TSH、特にbTSHやrhTSHRの結合に関係し、実験部分で下記の試験に使用されている種々の知識が更に得られた。
本発明による改良されたレセプター結合アッセイの有利な具体例は、サブクレーム中にも記載されており、特に本明細書記載中のより詳細な説明と組み合せて記載されている。
本発明を実現するために試薬キットを提供する目的は、請求項13による成分(i)と(ii)の少なくとも一つを含有している好ましい試薬キットによって達成される。
本出願の序論と以下の部分において、使用の試薬又は分析薬/生体分子は原則として種々の略語によって特徴付けられており、例外として特定の文脈から異なる点が当業者に明らかな場合を除き、常に下記の意味をもつものとして理解されるべきである。特定データの使用は実施された試験及び測定の正確な記述を行なう意図のものであり、記述された結果と結論が記述された特別な場合にのみ該当することを意味するものではない。むしろ、得られた情報の多くは当業者にとって、一般的な意味で明白に認識可能なものである。
使用される略語の説明:
TSH=甲状腺刺激ホルモン(チロトロピン)。略語TSHが付加なしに使用される場合、それは特定生成物を指すのでなく、ホルモンの結合や機能が一般的な形で論じられている。
bTSH=ウシTSH(すなわち牛から得られるもの)。TSHレセプターに対する自己抗体の測定用アッセイにおいてトレーサーとして使われる製剤(特に放射性ヨウ素化されたもの、又は本明細書に記載のように、化学発光剤標識、特にアクリジニウムエステルラベルで標識されたもの;但し、その他の既知のラベルを使用することも、本発明の範囲内にある。)
125I-bTSH=競合物質として使用される放射性ヨウ素化されたbTSH。ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハーによるアッセイの説明との関連では、125I-bTSHは特にDE 042 37 430 C1又はEP 0 668 775 B1に従って得られた生成物であり、ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハーによるTRAKアッセイ(R)の成分を形成するものを表わしている。
hTSH=ヒトTSH。0.2-4mU/lの非常な低濃度で健康人の血清・血漿中に生ずる。しかし、甲状腺機能低下症にかかった患者の血清では、hTSH濃度がかなり高まる。上昇したhTSH水準(20mU/Lを超えるもの)によって起こる自己抗体測定の攪乱は説明中で論じられており、特別な手段によって排除される。hTSHの構造に関する知識の現状は、グロスマン等、Endocrine Review、18巻、1997年、476−501頁に要約されている。
TSHR=TSHレセプターのこと。甲状腺膜内に固定されている糖蛋白質レセプター。略語TSHRがそれ以上の付加なしに使用される場合は、特定生成物を指すのでなく、レセプターの機能や結合におけるその関与が一般的な形で論じられている。
porc.TSHR=ブタ(porcine)の甲状腺からの抽出によって得られる可溶化された粗製レセプター製剤。TSHRに対する自己抗体の測定用に先行技術のラジオレセプター沈降試験(ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー社の慣用のTRAKアッセイ(R))で特異的結合剤として使用される。
rhTSHR=遺伝子工学処理された(組替え型)ポリペプチドであって、少なくとも「機能的にはヒトTSHレセプター」であるとみなされる程度に、天然のヒトTSHRのアミノ酸配列をもっている。このことは、TSHRに対する自己抗体の結合又はhTSHの結合に関して、天然のヒトTSHRにかなりの程度似た挙動を示すことを意味している。略語rhTSHRがそれ以上の付加なしに使用される場合は、それは特定の生成物を指すものではない。すなわち、rhTSHRは、組替え型の完全な、多少ともグリコシル化されたポリペプチド、十分な長さの部分的配列、又は遺伝子工学処理された融合生成物(例えば、国際特許PCT/EP97/06121に記述されているもの)を表わしうる。それ以上の説明がない場合、単に「rhTSHR」と呼ばれる生成物は、粗製の洗剤可溶化された膜製剤として、すなわち組替えポリペプチドの発現に使用される細胞の膜の洗剤を使った慣用の可溶化で得られる形で存在する。
rTSHR(imm)=固相に選択的に結合(固定)されたヒト組替えヒトTSHR製剤(rhTSHR)。結合は下の説明中により正確に記述されているように、適当な抗体を介してなされるが、融合生成物の場合は、特定のペプチド残基、例えばビオチン残基でなされることもある。固相は試験管(被覆管又はCT手法)の管壁でありうるが、適当な懸濁された固体でもよい。
rhTSHR(imm)*=選ばれたanti-hTSHR-mabを経由して固相に結合され(上を参照)、外来成分を除くために洗浄によって結合型で精製された固定rhTSHR。「アフィニティ精製rhTSHR」とも呼ばれる。
Ab=抗体。
TSHR-auto-ab=生体試料、特にヒト血清又は血漿中で検出可能なTSHレセプターに対する自己抗体。このタイプの刺激性TSHR-auto-ab(文献中でTSI=甲状腺刺激性免疫グロブリンとも略される)の検出は、グレーブス病の診断にとって特に重要である。TSHR-auto-abの測定用の市販のアッセイ(ラジオレセプターアッセイ)は、ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー社のTRAKアッセイ(R)である。
Anti-hTSHR-mab=rhTSHRに結合するモノクローナル抗体。それ以上の説明がない場合に、例えば先願のDE 196 51 093.7に記述されたとおり、その結合挙動に関して配列性のものでありうるが、立体配座性でもありうる。本発明によるアッセイを実現するための、このタイプの特異的なanti-hTSHR-mabの選択は、本出願で、より詳細に記述されている。特別なanti-hTSHR-mabを実験に使用する場合は、これらは本出願で説明された数で特徴づけられる。やや変更された、特定がより低い略語(例えば単にanti-TSHR−ab)を用いる場合は、この時点で不要な、ヒトTSHRに対するモノクローナル抗体への制限を避ける意図がある。
Anti-bTSH-ab=ヒト血清又は血漿中に生じ、bTSHと反応して、免疫複合体を形成し、従って、bTSHのアッセイ成分への結合と、得られた測定結果とに影響する、起源不明の抗体(ワイ オーチ等、Acta Endocrinologica(Copenh)、1989年、120巻、773−777頁;エス サカタ等、J.Endocrinol.Invest.14:123-130,1991;ティー イヌイ、Thyroid,6巻、259-299頁、1996年を参照)。
序論の部分で説明されたように、すべてラジオレセプターアッセイとして設計された既知の競合的レセプター結合アッセイは、必要な基準と緩衝液のほかに、以下の基本的アッセイ成分を含有する。
(i)慣用のアッセイにおける特異的結合剤としてのTSHレセプター製剤。特にブタ甲状腺膜から得られる可溶化された天然のブタTSHレセプター(porc.TSHR)。(ii)125I-bTSH。これは使用されるTSHレセプター上の共通の結合位置について、血清試料又は血漿試料からのTSHレセプター自己抗体(TBII)と競争する。(iii)生ずるTSHR複合体を反応溶液から分離するための薬剤。これは慣用のアッセイの場合、沈降剤のポリエチレングリコール(PEG)である。
本発明を既知の先行技術と区別する一つの特徴は、測定しようとするTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)と標識されたbTSHに関するアフィニティ精製rhTSHR(rhTSHR(imm)*)の結合能力が著しい損傷を受けることなく、溶解TSHR製剤ではなく固相に選択的に固定((mobilize)されたアフィニティ精製形態の機能し得るrhTSHR(すなわちヒト組替えTSHレセプター)を使用できることが実験的に示されたことである。この知識によって、結合した標識化bTSHの定量が固相結合形で直接行なえる多くの点で更に改良されたTSHR-auto-abの測定用のレセプター結合アッセイを開発するための前提条件がつくられた。新規なTSHR製剤へのbTSHの結合のより正確な検討から、追加の価値ある知識が得られ、本発明とその好ましい具体例に使用された。もっと詳細な点は実験部分に記載されている。これらの追加的知識の最も重要な面は以下のものである。
1.個々の患者の試料中における病理学的に高濃度のhTSHの干渉効果は、試料含有測定液に特異的な市販の抗体(anti-hTSH-ab)を添加することで排除できる。これらの抗体は、hTSHに選択的に結合し、競合物質として使用されるbTSHと交差反応をしない。
2.測定を「2段階法」として実施し、下流段階で標識bTSHを、原測定液から分離されたTSHR-auto-abの事前生成複合体、及びアフィニティ精製rhTSHR(imm)*と反応させる場合、患者試料中に存在しうるanti-bTSH-abはもはや妨害効果をもたない。
3.上の2で述べた新知識は、第二アッセイ段階においてbTSHとの反応を可能とする。すなわち血清を含まない、厳密に標準化の可能なbTSH試薬との反応を実施可能とする。
4。第三の物質、例えば分子量10,000d未満の物質のみを含有する血清フラクション成分として特徴づけられ得る、特異的血清成分の存在は、bTSHのrhTSHR製剤への結合に有利である。結合を改良する幾つかの低分子量物質、特に溶解された無機イオン類は、より正確に同定できた。しかし、EDTAで錯化する時は、すなわち堅固な錯体に結合される時には、無機イオン類は記述された効果をもたない。
本発明方法は、TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の結合、及び試験液からの標識化競合物質bTSHの結合が、固相に結合されたアフィニティ精製rhTSHR(imm)*に直接可能であるため、得られるシグナルの測定が、沈降試験(プレシピテーションアッセイ)に比べて、望ましい意味で実際上単純化されるだけでなく、1段階アッセイ法(中間的な固−液分離なしの連続ピペット操作によって得られる単一試験液)から、試料とrhTSHR(imm)*との反応や標識化競合物質のbTSHとの反応が固−液分離によって互いに隔てられた二つの連続的段階で実施される場合の、2段階アッセイ法へ転換することにより、アッセイの設計を根本的に変更することができる。
プラスチック表面、特にCT手法用のプラスチック試験管壁や、微粒子、磁気粒子、フィルター、ポリマーゲル材料、及びその他の既知の固相担体を、アフィニティ精製されたrhTSHR(imm)*用の固相担体として使用できる。本発明方法により、TSHR-auto-abの測定を自動化することもできる。このため、本発明方法を既知の自動化システム(例えば、ベーリンガー マンハイム製のエレクシス システム又はチロン(Chiron)製のACS180システム)で実施できるように、アッセイ設計を適合させることができる。このような自動化システムの場合、試料をレセプターで被覆された試験管にピペットで注入し、培養し、液体反応混合物を吸引又は傾斜によってろ別し、自動手順の過程で、標識化bTSH、例えば125I-bTSHを加えた第二の溶液を添加する。所定の培養後、通例の最終的な固−液分離を行ない、その後、場合によっては適当な試薬の添加によって信号を誘発後、信号を測定できる。2段階アッセイ法の例として記述されたピペット操作の順序は可変的なものであり、場合によっては事前にrTSHRの固定するか又はせずに、1段階アッセイ(2.1.1)のピペット操作順序と取り替えることができる。
以下に、本発明は8つの図を参照しながら特定の具体例と実験結果に基づいて、種々の面が更に詳しく説明されている。本発明の開示の一部として、明示的に記載された実験に関連する一般的な説明を参照するものとする。
図は、種々の線図の形で以下のものを示している。
図1:上流反応段階で、増加量のhTSHを含有する血清
Figure 0004227673
及び過剰量の選択的anti-hTSH-abを更に含有する一部の血清
Figure 0004227673
で処理されたアフィニティ精製されたrhTSHR(imm)*への125I-bTSHの結合の依存性。
図2:2段階法における125I-bTSHとアフィニティ精製rhTSHR(imm)*を使用した場合のTSHR-auto-ab測定の標準曲線。
図3:2段階法におけるアクリジニウムエステル化学発光剤で標識されたbTSHの使用及びアフィニティ精製rhTSHR(imm)*の使用での、TSHR自己抗体(TSHR-auto-ab)測定の標準曲線。
図4:125I-bTSHとアフィニティ精製rhTSHR(imm)*を使用する2段階法による患者血清の測定結果(対照血清100、グレーブス病患者の血清70)。
下記の調製及び測定実験の記載が、以下のように構成された。
1.使用アッセイ成分の調製・選定。
2.1段階及び2段階技術による標識されたbTSH及びアフィニティ精製rhTSHR(imm)*を使用した2つの測定法の培養プロトコル。
3.標識されたbTSHとの競合原理に従う、アフィニティ精製rhTSHR(imm)*で被覆した本発明による試験管を使用した。標準試料又は患者血清中のTSHR自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定結果。
1.材料
1.1 粗製可溶化rhTSHR製剤の製造
哺乳類細胞系統で高収率でrhTSHRを発現するために、完全なヒトTSHレセプターに対するcDNAを含有する2シストロン性ベクターで、慣用の手順と類似した安定なやり方で、ヒト慢性白血病細胞系統をトランスフェクトし、この白血病細胞系統を懸濁培養基中で培養した。他の系での探査実験で、特定のな発現系が必須ではないことが示され、EP−A−0 719 858に記載された発現系を使用し、PCT/EP97/06121に記載された骨髄腫細胞系統又はワクシニアウイルス/ヒーラ細胞発現系で操作しても、本質的に同じ成功をおさめることができる。EP−BI−0 433 509に記載された温血動物の細胞でも、本出願の開示を実行できるような量でrhTSHRを得ることができた。しかし、これまでの知識に基づいて、ヒトTSHレセプターの発現が、哺乳類細胞で実施されることが重要であり、使用細胞が懸濁液中で培養でき、高いrhTSHR収率を与えるような細胞であるのが好ましい。
細胞膜中に発現されたrhTSHRを含有する細胞を、より詳細にはエス コスタグリオラ等、J.Clin.Endocrinol.Metab.75:1540-1544(1992)に記載されるように、溶解化rhTSHR製剤を得るために消化させ、全操作を4℃で実施した。各場合とも、109個の細胞を50mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンエタンスルホン酸、pH7.5)中で消化させた。ポッター ホモジナイザー(ビー ブラウン メルスンゲン アーゲー製)の助けによって消化を行ない、ピストンを900rpmの速度で10回上下させた。得られた材料を100,000gで30分の遠心分離にかけた。得られた沈降物を緩衝液(10mM HEPES;2%トリトンX−100;pH7.5)20mL中で再ホモジナイズ処理し、上記の手順をもう一度くり返し、再び100,000gで30分の遠心分離にかけた。得られた上澄み液は粗製の可溶化rhTSHR製剤を含有しており、小分けしてその後の使用時まで−80℃で保存した。
1.2 標識つきbTSHの調製
1.2.1 125I-bTSH
125I-bTSHはDE 42 37 430 C1特許及びEP 0 668 775 B1特許に記載されたとおりに調製した。
1.2.2 アクリジニウムエステルを有する化学発光標識されたbTSH
アクリジニウムエステルで化学発光標識されたbTSHを以下のように調製した。bTSH100μg(蛋白質mg当り50−60IU;20mM燐酸ナトリウム中;pH7.0)をアクリジニウムエステル10μl(ベーリングヴェルケ アー ゲー(マールブルク)製、EP 0 257 541 B1を参照;アセトニトリル中1mg/ml)と室温で15分反応させ、次にウォータース プロテインPak SW125カラム(移動相:0.1M酢酸アンモニウム;pH5.5;流速:毎分0.6mL)上で、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって調製した。280nm及び368nmでのUV吸収によるカラム流出物の全フラクションを集めた。一緒にした蛋白質フラクションを、レセプター結合アッセイで更に使用するまで、−80℃で保存した。
1.3 標準物質
TSHR自己抗体(TSHR-auto-ab)測定用の標準物質は、既知の抗体含有量をもつTSHR自己抗体陽性の血清と、自己抗体を含まないヒト血清とを混合して調製され、いずれの場合も0.05%ナトリウムアジドで調整し、その後の使用時まで4℃で保存した。標準物質の較正は、ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー製のTRAKアッセイRを使用して実施した。
1.4 anti-hTSHR-mabの製造と選定
文献中に記載の種々の免疫化法を用いて、TSHレセプターに対する1群のモノクローナルマウス抗体をつくった(ジェイ エス ダラス等、Endocrinology134巻、3号、1437-1445頁(1994)−バクロウィルス法により組替え調製された細胞外レセプタードメインでの免疫化;エル ビー ニコルソン等、J.Mol.Endocrinol.(1996):16巻159-190頁−原核細胞又はバクロウイルス法でつくった細胞外レセプタードメインでの免疫化;ジョンストン エイ ピー等、Mol.Cell.Endocrinol.105巻(1994)、R1-R9−種々の組替えTSHRポリペプチドによる免疫化;合成レセプター ペプチド コンジュゲートによる免疫化;ジェイ サンダース等、J.Endocrinol.Invest.19(No.6の補追):1996年、Abstract33−大腸菌中で製造され、TSHR断片を含有する融合蛋白質での免疫化;及び特にエス コスタグリノラ及びジー ヴァッサート、J.Endocrinol.Invest.20(No.5の補追):1997年、Abstract No.4−DNA構造体でのマウスの免疫化)。
個々のクローンの選定と製造は、各発表文献に引用された方法又はモノクローナル抗体の調製に一般的に知られた方法によって実施された。得られた種々のモノクローナル抗体の精製は、プロテインA アフィニティ クロマトグラフィによって実施された。得られたanti-hTSHR-mabのうち11種を、事前調製されたrhTSHRと125-I-bTSHの複合体に結合する能力について試験した。
この目的で、第一段階では、50mM HEPES;pH7.5;ヘパリン10,000IU/mL;10mM CaCl2;0.2%トリトンX−100を含有する全容量100μL中で、125I-bTSH(全活性36,000cpm)を可溶化rhTSHR(約1ng)とともに培養した(下の実験結果を参照)。非特異的結合を検査するため、標識なしのbTSH0.1IU/mLを別のバッチで添加した。室温で1時間培養後、bTSH/rhTSHR結合の測定を異なる3つの方法で行なった。
1.4.1 PEG沈降による事前生成bTSH/rhTSHR複合体の単離(参照値の入手)
ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー製のTRAKアッセイRによるPEG沈降試薬2mLを上の反応液に添加した。次に、遠心分離(2000gで10分)を行ない、上澄み液を傾斜分離し、沈降物中に残る放射能を測定した。生ずるbTSH/rhTSHR複合体の定量的沈降が見出された。
1.4.2 予め生成したbTSH/rhTSHR複合体の試験しようとするanti-hTSHR-mabによる免疫沈降
各場合とも、検査しようとするそれぞれのanti-hTSHR-mab10μg(bTSH/rhTSHR複合体製造に使用の緩衝液50μL中)を上の反応液に添加し、1時間培養後、プロテインA100μL(ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー製のヘニング試験Ranti-TPO)を沈降試薬として加え、培養を15分行ない、最後に燐酸緩衝された食塩水溶液(PBS)2mLを加えてから、遠心分離(2000gで50分)を行なった。プロテインAを加えると、反応混合物中に含まれる全抗体が沈殿した。bTSH/rhTSHR複合体は、検査される抗体に結合されただけ沈殿する。従って、遠心分離沈降物中に見出される放射能は、各々anti-hTSHR-mabによって結合されたbTSH/rhTSHR複合体の量を表わしている。
1.4.3 固定されたanti-hTSHR-mabの助けによる事前生成bTSH/rhTSHR複合体の結合(CT技術)
各々のanti-hTSHR-mabを固定するため、ヤギ抗マウス抗体(ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー製のダイノテストDYNOtest(R)TBGのキット成分)で被覆されたポリスチレン試験管を、PBS200μL中で、コード番号1−11を有する検査しようとするanti-hTSHR-mab100ngとともに、それぞれ室温で2時間培養した。次に、燐酸緩衝食塩水(PBS)2mLを加え、液体の試験管内容物を傾斜分離した。得られた被覆試験管を、bTSH/rhTSHR複合体(100μL)を含有する上記の反応液と一緒に直接培養し、300rpmで振とうしながら、1時間培養を行なった。次に、試験管を洗浄用緩衝液(10mM HEPES;0.1%トリトンX−100;pH7.5)各2mLの2回分で洗い、試験管表面に固定された放射能を測定した。PEG沈降物の場合に得られる放射能値は、別個に測定された非特異的結合を差し引き、(B-UB)=10,490-433cpm=10,057cpmをbTSH/rhTSHR複合体の完全な結合として使用する。この値は、28%のB/T値(使用の全放射能に対する結合放射能)に相当する。
1.4.3及び1.4.4の方法に従ってanti-hTSHR-mabの1−11の試験で得られた結合値を、下の表1に示す。ここで、1.4.1によるPEG沈降の沈降物の放射能を100%の参照値としている。表示された全データにおいて、非特異的結合、すなわち標識のないbTSHの過剰量の存在下における放射能は、差し引かれている。
Figure 0004227673
1.4.4 anti-hTSHR-mab結合位置のマッピング(マウス)
マッピングの原理は、検査しようとする各抗体が結合する先のhTSHRの合成の部分ペプチド配列を見つけることにある。
1.4.4.1 hTSHRの部分配列に相当する1群のペプチド類の調製
各々13アミノ酸からなるhTSHR配列の部分配列を、合成ペプチド類の形で調製した。全hTSHR配列が再現され、各場合とも二つの連続する配列が9個のアミノ酸で重複する(例えばペプチド1:アミノ酸1−13;ペプチド2:アミノ酸4−16;ペプチド3:アミノ酸7−19等)ように、部分配列を選んだ。次に、合成ペプチド類を、セルロース紙上で約2x2mmの「スポット」の形で互いに隣り合わせて合成した。このペプチド合成法は確立された方法であり、とりわけJERINIバイオツール ゲー エム ベー ハー社(ベルリン)から市販されている。説明のために以下の発表文献を参照することができる。アール フランク、Peptides1990,151-152;エイ ファーガ等、Int.J.Peptide Protein Res.37,1991,487-493;アール フランク、Tetrahedron48巻、42号、9217-9232,1992。ペプチドスポットを付けた紙をいわゆる「遮断(ブロッキング)液」(遮断液:50mMトリス;pH8.0;50mM NaCl;0.05%ツウィーン20;5%蔗糖;1x(ケンブリッジ リサーーチ バイオケミカル製遮断試薬No.SU−07−250)20mL中で、室温で1時間培養した。
1.4.4.2 anti-hTSHR-mab1−11の特性決定
検査しようとするanti-hTSHR-mab1−11の一つを10μgの濃度で含有する溶液20μLを、1.4.4.1に従って調製されたセルロース紙に加えた。次に、かきまぜながら室温で3時間の培養を行ない、傾斜分離を行なった。紙を洗浄緩衝液(洗浄緩衝液:50mM トリス;pH8.0;50mM NaCl;0.5%ツウィーン)5mLで6回洗った。バイオラド社のヤギ抗マウスIgGアルカリ性フォスファターゼ コンジュゲート(No.172−1015)5μLを新しく希釈した状態で含有する上の遮断液20mLを添加した。培養を、かきまぜながら室温で2時間、再び行なった。次に、傾斜分離を再び行ない、紙を上の洗浄緩衝液5mLで6回洗った。
抗体結合されたアルカリ性フォスファターゼと反応する基質溶液を加えることにより、それぞれの検査されるanti-hTSHR-mabが結合されたペプチド類を、最終的に同定した。視覚化用に使われる基質溶液は、次のように得られた。ニトロブルーテトラゾリウム(シグマNo.N−6876)6mgをジメチルホルムアミド6mLに溶解した。5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート(シグマNo.B−8503)をジメチルホルムアミド0.5mLに溶解した。上述のニトロブルーテトラゾリウム溶液4mL、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート溶液400μL、及び1M MgCl2溶液36mLを、ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー製ELIテスト(R)アンチ−TG(No.944638)からの基質溶液36mLに溶解した。得られた溶液をセルロース紙に添加した。
室温で20分後、検査されるanti-hTSHR-mabが結合されたペプチドスポットは、基質反応のために紫色に染色された。染色されたスポットに対応するペプチドを、検査されるanti-hTSHR-mabの結合位置として、この方法で同定した。このやり方で測定される検査anti-hTSHR-mabの結合位置は、上の表1の最後の欄に示してある。No.9、10、及び11のanti-hTSHR-mabは用いられたペプチド類のいずれにも結合せず、このことによりこれらの抗体9、10、及び11が、rhTSHRの立体配座構造を認識する抗体であるとみなされるべきである。この「立体配座的な」anti-hTSHR-mab9、10、及び11は、J.Endocrinol.Invest.20(補追2、No.5)1997、Abstract4中の刊行によるエス コスタグリオラ及びジー ヴァッサートの方法によって、hTSHR−DNA構造体でのマウスの免疫化によって得られたものであった。
bTSH/rhTSHR複合体と種々のanti-hTSHR-mabとの結合について1.4.3で説明された実験で、表1に示されるとおり、ほとんどの抗体類は相当な過剰量(約1μgのrhTSHRに比べて抗体10μg)で使用されるが、bTSH/rhTSHR複合体を完全に沈殿させることはできなかった。抗体9、10、及び11のみ、このbTSH/rhTSHR複合体を完全に沈殿させることができ、マッピングではこれらが「立体配座的」抗体、すなわち特定のペプチド配列を認識しないで、立体配座構造のみを認識するような抗体、であることを立証した。従って、TSHレセプター自己抗体(TSHR−auto-ab)を固定されたrhTSHRの助けによって測定する本発明による被覆試験管アッセイの開発には、最高の結合を与えるこれらの立体配座抗体9、10、及び11が、好ましいものとして考慮された。
しかし、これらの立体配座抗体類はrhTSHRを固定するのに非常に適しているが、残りのanti-hTSHR-mab1−8も、得られた結合水準は非常に低かったけれども機能することを強調すべきである。このようなモノクローナル抗体を単独で、又は場合によっては2種以上のanti-hTSHR-mabの混合物の形で、異なるhTSHRエピトープの表示(presentation)をもつrhTSHRの結合のために使用できる。必要ならば、特許出願196 51 093.7に開示される意味において、試験で更に自己抗体の下位集団を検出して望ましい場合に臨床的価値を高めるためである。
1.5 TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)測定用の被覆試験管アッセイ試験管を得るための、rhTSHRの固定とアフィニティ精製
1.1による粗製の可溶化rhTSHR製剤を100mM HEPES;0.5%トリトンX−100;0.5%ウシ血清アルブミン(BSA);pH7.5で希釈した。希釈は、本アッセイの作業の使用説明書のとおりに実施されるPEG沈降の場合に、市販のベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー製TRAK−アッセイの試薬を用いて、125I-bTSHの約30%結合率が得られるまで行なった。
被覆試験の調製には、得られたrhTSHR希釈液200μLに上のanti-hTSHR-mabNo.9の100ngを添加し、生ずる溶液を、ヤギ抗マウス抗体(マウスIgG結合能力約100ng)を管壁に被覆しておいたポリスチレン試験管へ導入し、4℃で20時間培養した。
使用の試験管は、ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ ゲーエムベーハー製DYNOテストR TBGキットのものであった。
培養後、試験管に洗浄緩衝液(10mM HEPES;0.1%トリトンX−100;pH7.5)2mLを満たし、傾斜分離を行ない、次に真空乾燥器内で4時間乾燥した。試験管がその管壁に高度のアフィニティ精製rhTSHR(rhTSHR(imm)*)をもつように、洗浄段階によって望ましくない不純物を除去した。試験管を下記の測定に使用した。これらを使用時まで4℃で保存した。
2.ピペット操作及び培養手順
新規なアフィニティ精製rhTSHレセプター製剤(rhTSHR(imm)*)へのbTSHの結合挙動をもっと詳細に検討するため、1.5で上に述べたとおりに得られた、アフィニティ精製rhTSHR(imm)*を含有する試験管を使用し、また以下のピペット操作・培養手順を使用して、種々の対照実験を実施した。
2.1 1段階アッセイ
1.rhTSHR(imm)*で被覆された試験管へ、試料(患者血清、標準血清、又はゼロ標準血清;100μL)をピペットで注入する。
2.各場合とも、100mM HEPES;20mM EDTA;0.5mM N−エチルマレイミド(NEM);0.1mMロイペプチン;1%BSA;0.5%トリトンX−100;anti-hTSH-ab5μg(3.2を参照);pH7.5の100μL中の125I-bTSH又はアクリジニウムエステル標識化bTSHを、ピペットで加える。
3.振とう(300rpm)しながら、室温で2時間培養する。
4.洗浄緩衝液2mL量で洗い、傾斜分離する。
5.試験管壁に固定された放射能をガンマーカウンターで測定するか、又は発光反応を行なって適当なルミノメーター、例えばバートホールドLB952により、化学発光の光量を測定する。
2.2 2段階アッセイ
1.緩衝液(200μL;100mM HEPES;20mM EDTA;0.5mM NEM;0.1mMロイペプチン;1%BSA;0.5%トリトンX−100;anti-hTSH-ab 5μg;pH7.5)をrhTSHR(imm)*で被覆された試験管へピペットで注入する。
2.試料(患者血清、標準血清、又はゼロ標準血清;100μL)をピペットで注入する。
3.振とう(300rpm)しながら、室温で2時間培養する。
4.洗浄緩衝液(上を参照)2mLをピペット注入し、傾斜分離する。
5.標識化bTSH(125I-bTSH又はアクリジニウムエステル標識bTSH)を含有する緩衝液200μL(10mM HEPES;ヘパリン10,000IU/mL;10mM塩化カルシウム;1%BSA;0.1%トリトンX−100;pH7.5)をピペットで注入する。
6.振とう(300rpm)しながら室温で1時間培養する。
7.125I-bTSHを使用する場合は、洗浄緩衝液2mLで2回、アクリジニウムエステル標識化bTSHを使用する場合は、洗浄緩衝液1mLで4回、試験管を洗う。
8.試験管壁に固定された放射能をガンマーカウンターで測定するか、又は発光反応を行なって適当なルミノメーター、例えばバートホールドLB952により、化学発光の光量を測定する。
3.患者血清中のTSHR自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定
3.1 TSHR-auto-ab測定の2段階アッセイとその利点
種々の対照実験で確認された知識により、2段階アッセイとしてrhTSHR(imm)*で被覆された試験管を使用して、TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定を実施することができる。その2段階アッセイでは、血清を含まないbTSH、すなわち標準化の容易な標識化bTSH製剤が第二段階で使用される。アッセイの第二段階で、固定rhTSHRに結合されない全試料成分の非存在下に於て標識化bTSHを使用すると、種々の患者血清にかなりな程度存在するanti-bTSHR-abによって測定値が曲げられることが確実に除外される(anti-bTSH-abに関する上の説明を参照)。
慣用のアッセイ手順によると、患者血清中のこのようなanti-bTSH-abは、TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)濃度の測定値を“誤って”低下させることとなる。なぜならば、このような抗体類は、PEG沈降において結合された標識化bTSHと一緒に共沈し、TSHR-auto-abの結合が過度に低いように見せかけるからである。
上記の1段階アッセイ手順による測定では、試験管壁に結合される標識されたbTSHが不十分であるため、anti-bTSH-abの存在は、測定値を誤った高い値にしてしまう。
2段階法では、特に血清の非存在下に第二段階を行なう時は、試料と標識されたbTSHの間に接触がないので、anti-bTSH-abは干渉要因とはならない。従って現在、TSHR-auto-abでの手順には、2段階変法が好ましい。
3.2 患者血清中の病理学的に増加したhTSH濃度による誤った測定値防止
上記の被覆試験管を使用したTSHR-auto-abの測定結果が患者試料中のhTSHの存在によって乱されるかどうかを、レセプター結合剤としてヒトTSHR製剤を使用して試験しようとした。hTSHは通常、問題を生じないほど非常に低い濃度でヒト血清中に生ずる。しかし、甲状腺機能低下状態では、病理学的に増加したhTSH濃度が生じうることが知られている。
hTSH(ベーリンガー マンハイム社、ドイツ)の増加量を、hTSHを含まない血清(スカンディバディズ社、米国)に添加すると、定義された試料溶液が得られた。得られた血清を、上の2段階アッセイ手順(2.2)による試料として測定した。
図1に示すように、標識化bTSHの結合は、病理学的に高いhTSH濃度の場合には、hTSHとの競合によって影響される。
試料溶液にhTSH抗体を添加することにより、試料中におけるhTSHの存在の効果は排除される。適当なhTSH抗体は、フィンランドのオイ メディクス バイオケミカ アーベー社(Oy Medix Biochem Ab)の品番5404の市販抗体である。過剰量(例えば試験当り5μg)のこのような抗体を加えることで、hTSHの増加濃度の影響が排除される。このhTSH抗体はbTSHとの交差反応を示さないため、1段階アッセイ変法(2.1の段階2を参照)でもこれを試料溶液に添加でき、測定結果に同じ改善を生ずる。
3.3 TSHR-auto-ab測定用の改良されたアッセイと、その実際の試験
上の知識はすべて、患者血清や患者血漿中のTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)の測定用の新規なアッセイに導かれる。その測定の信頼度は、2段階アッセイ培養手順(2.2)を使用して、患者血清群を測定することで試験できる。
3.3.1 標準曲線
図2と3は、125I-bTSH(図2)及びアクリジニウムエステル標識bTSH(図3)を使用し、1.3による標準物質を用いて得られ標準曲線を示す。ゼロ標準は、健康な甲状腺をもった人々のものをプールした血清であり、標準400−3は、健康な甲状腺をもった人々のもののプールした血清とグレーブス病にかかった患者のもののプールした血清の混合物である。ベー.アール.アー.ハー.エム.エス.ディアグノスティカ製の慣用のTRAKアッセイRを使用して、較正を行なった。
3.3.2 患者血清の測定
bTSHの標識のタイプとは無関係に、TSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)は、濃度依存的な形で、試験管表面への標識化bTSHの結合を低下させ、実質的に陽性のシグナルは、わずか3U/Lから検出可能である。
(2.1.2)に述べた2段階アッセイ手順に従って、健康な甲状腺を持つ人々の100の対照血清とグレーブス病患者の70の血清を測定した。結果を図4に示す。TSHR-auto-abを含有するグレーブス病患者の血清と健康な甲状腺をもった人々の対照血清との間で、相当な違いが明白である。
本発明は、これまでのアッセイで測定結果を誤まらせるかもしれない、干渉する生理学的要因の排除に関して、また特に実際的な観点から、TSHR-auto-abの測定法の改良をなすものである。本発明の開示に基づいて、すぐに使用できる準備のできた形でこのような方法を実施するための全部又は少なくともほとんどの試薬を調製し、かつこれらの試薬を(例えば、事前被覆ずみ試験管と血清を含まない標準化されたトレーサー試薬の形で)使用者に利用できるようにすることが、初めて可能となる。

Claims (13)

  1. 試料を(i)TSHレセプター製剤(TSHR製剤)及び(ii)標識されたウシTSH(bTSH)と反応させ、液相から分離されるbTSH又はTSHR-auto-abとTSHRとの複合体中の標識されたbTSHの結合量に基づいて、生物試料中の測定しようとするTSHR-auto-abの存在及び/又は量を測定する、レセプター結合アッセイの助けにより、生物試料中のTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)を測定する方法に於て、
    使用されるTSHR製剤が、TSHレセプターに対する選択的抗体(anti-TSHR-ab)の助けによって固相に結合された機能し得る組替えTSHレセプター(rTSHR)であり、結合状態で洗浄する精製方法によりアフィニティ精製された固定rTSHR(rTSHR(imm)*)へ変換されていることを特徴とする方法。
  2. 使用される機能し得る組替えTSHレセプターが、機能し得る組替えヒトTSHレセプター(rhTSHR)であり、使用される選択的な抗体がヒトTSHレセプターに対する少なくとも一つのモノクローナル抗体(anti-hTSHR-mab)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 使用される固相が、anti-TSHR-abを結合するための動物の特異的抗体で事前被覆された試験管壁からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. モノクローナル抗体類の少なくとも一つが、DNA構造体での免疫化技術によって得られる、rhTSHRの立体配座構造のみを認識するヒトTSHレセプターに対するモノクローナル抗体(anti-hTSHR-mab)であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
  5. レセプター結合アッセイが、アフィニティ精製されたrhTSHR(imm)*で被覆された試験管内で1段階アッセイとして実施され、このアッセイにおいて、(i)血清含有試料と(ii)標識されたbTSH製剤を含有する緩衝液とをピペット注入することにより、単一反応溶液を調製し、この反応溶液を十分な期間培養した後に試験管から取り出し、試験管を洗浄し、試験管壁に結合されたトレーサーをそれ自体は知られたやり方で測定することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. レセプター結合アッセイが、アフィニティ精製されたrhTSHR(imm)*で被覆された試験管内で2段階アッセイとして実施され、このアッセイにおいて、(i)第一段階で、試料と緩衝液のみをピペット注入し、培養し、次に傾斜分離し、試験管を洗浄し、そして(ii)第二段階で、標識されたbTSH製剤を含有する緩衝液を試験管に添加し、十分な期間培養した後、液相を試験管から除去し、試験管を洗い、試験管壁に結合されたトレーサーをそれ自体知られたやり方で測定することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1又は2に記載の方法に於て、方法を自動化形式で行ない、使用した固相が選択的なanti-TSHR-abで被覆された懸濁粒子を含み、かつrTSHR製剤と試料この2つのアッセイ成分を含有する試料溶液が一時的に形成される方法でrTSHR製剤と試料とが添加されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  8. 標識されたbTSHが第二段階で、血清を含まない緩衝液に添加されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 試料とアフィニティ精製ずみrhTSHR(imm)*との反応が、ヒトTSHに対する少なくとも一つの抗体(anti-hTSH-ab)の存在下に実施されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. ヒトTSHに対する少なくとも一つの抗体が、ウシTSHとの交差反応をしないように選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 測定しようとするTSHレセプター自己抗体が、ヒト血清中の発生がグレーブス病に特徴的なレセプター刺激性自己抗体であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 試料を(i)TSHレセプター製剤(TSHR製剤)及び(ii)標識されたウシTSH(bTSH)と反応させ、液相から分離されるbTSH又はTSHR-auto-abとの複合体中の標識されたbTSHの結合量に基づいて、生物試料中の測定しようとするTSHR-auto-abの存在及び/又は量を測定する、レセプター結合アッセイの助けにより、生物試料中のTSHレセプター自己抗体(TSHR-auto-ab)を測定する方法に於て、
    レセプター結合アッセイが、アフィニティ精製rhTSHR(imm)*で被覆された試験管内で2段階アッセイとして実施され、このアッセイにおいて、(i)第一段階で、添加されたanti-hTSH抗体を含有する試料と緩衝液をピペット注入し、培養し、次に液相を試験管から除き、試験管を洗浄し、そして(ii)第二段階で、標識されたbTSH製剤を含有し血清を含まない緩衝液を試験管に添加し、十分な期間培養した後、液相を試験管から取り出し、試験管を洗い、試験管壁に結合されたトレーサーをそれ自体知られたやり方で測定することを特徴とする方法。
  13. この種の試薬キットの慣用的な成分のほか、試薬キットが少なくとも、
    (i)アフィニティ精製された固定rhTSHRの形のrhTSHRで被覆された試験管、及び
    (ii)血清を含まない緩衝液中の標識されたTSH又は標識された特異的なTSHレセプター抗体;
    を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の競合的レセプター結合アッセイを実施するための試薬キット。
JP53673599A 1998-01-15 1999-01-13 Tshレセプター自己抗体を検出するためのレセプター結合アッセイ、およびそのようなレセプター結合アッセイを行なうための試薬類と試薬キット Expired - Lifetime JP4227673B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19801319A DE19801319A1 (de) 1998-01-15 1998-01-15 Rezeptorbindungsassays zum Nachweis von TSH-Rezeptor-Autoantikörpern sowie Reagenzien und Reagenziensatz für die Durchführung eines solchen Rezeptorbindungsassays
DE19801319.1 1998-01-15
PCT/EP1999/000159 WO1999036782A1 (de) 1998-01-15 1999-01-13 Rezeptorbindungsassays und reagenziensatz zum nachweis von tsh-rezeptor- autoantikörpern

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001520750A JP2001520750A (ja) 2001-10-30
JP2001520750A5 JP2001520750A5 (ja) 2006-05-18
JP4227673B2 true JP4227673B2 (ja) 2009-02-18

Family

ID=7854707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53673599A Expired - Lifetime JP4227673B2 (ja) 1998-01-15 1999-01-13 Tshレセプター自己抗体を検出するためのレセプター結合アッセイ、およびそのようなレセプター結合アッセイを行なうための試薬類と試薬キット

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7015003B1 (ja)
EP (1) EP0975970B1 (ja)
JP (1) JP4227673B2 (ja)
AT (1) ATE229651T1 (ja)
DE (2) DE19801319A1 (ja)
WO (1) WO1999036782A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19907094C1 (de) 1999-02-19 2000-04-13 Brahms Diagnostica Gmbh Verwendung von blockierenden Anti-TSH-Rezeptor-Antikörpern bei der Therapie von Hyperthyreosen sowie monoklonale Antikörper für eine solche Verwendung
DE10035706C2 (de) * 2000-07-21 2002-11-07 Brahms Ag Verfahren zur selektiven Bestimmung von blockierenden Autoantikörpern gegen den TSH-Rezeptor
WO2004048415A1 (de) 2002-11-26 2004-06-10 B.R.A.H.M.S Aktiengesellschaft Nachweis von tsh-rezeptor-autoantikörpern mit affinitätsgereinigten antikörpern
EP1631589A1 (en) * 2003-06-04 2006-03-08 Université de Liège Immobilized membrane proteins and methods of use therefor
JP2013238502A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Tosoh Corp 甲状腺刺激ホルモンレセプターに対する自己抗体の測定試薬
CA3060696A1 (en) * 2017-05-08 2018-11-15 Majed El-Dweik Apparatus and method for detecting microbial contamination
CN114113637B (zh) * 2021-12-07 2024-03-12 郑州安图生物工程股份有限公司 一种促甲状腺激素受体抗原试剂及促甲状腺激素受体抗体定量检测试剂盒
CN116643056A (zh) * 2022-02-15 2023-08-25 厦门万泰凯瑞生物技术有限公司 促甲状腺激素受体复合物、试剂盒、制备方法和用途

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5614363A (en) * 1990-01-25 1997-03-25 New England Medical Center Hospitals, Inc. TSH receptor
DE4328070C1 (de) * 1993-08-20 1994-11-24 Henning Berlin Gmbh Verfahren zur Bestimmung eines Analyten in einem Volumen einer flüssigen Probe sowie seine Anwendung zur Bestimmung von anti-TSH-Rezeptor-Autoantikörpern in einem Patientenserum
DE19651093C2 (de) * 1996-12-09 1999-06-10 Brahms Diagnostica Gmbh Rezeptorbindungsassay zum Nachweis von TSH-Rezeptor-Autoantikörpern sowie Reagenziensatz für die Durchführung eines solchen Rezeptorbindungsassays

Also Published As

Publication number Publication date
US7015003B1 (en) 2006-03-21
EP0975970A1 (de) 2000-02-02
EP0975970B1 (de) 2002-12-11
JP2001520750A (ja) 2001-10-30
WO1999036782A1 (de) 1999-07-22
DE59903720D1 (de) 2003-01-23
ATE229651T1 (de) 2002-12-15
DE19801319A1 (de) 1999-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8501415B2 (en) Identification of TSH receptor autoantibodies using affinity-purified antibodies
Gametchu et al. Use of receptor antibodies to demonstrate membrane glucocorticoid receptor in cells from human leukemic patients
US8298769B2 (en) Epitope regions of a thyrotrophin (TSH) receptor, uses thereof and antibodies thereto
US9151766B2 (en) Methods of determination of activation or inactivation of atrial natriuretic peptide (ANP) and brain natriuretic peptide (BNP) hormonal systems
WO2006018315A1 (en) Diagnostic method for disorders using copeptin
EP0329699A1 (en) Immunometric assay for the detection of human chorionic gonadotropin
US6537760B1 (en) Receptor binding assay for detecting TSH-receptor auto-antibodies
US20060073536A1 (en) Immunoassays for determining vitamin B12, and reagents and kits therefor
EP0724726B1 (en) Method for the determination of an analyte and its use for the determination of anti-tsh receptor autoantibodies in a patient serum
JP2001512143A (ja) コラーゲン−ペプチドアッセイ法
JP4227673B2 (ja) Tshレセプター自己抗体を検出するためのレセプター結合アッセイ、およびそのようなレセプター結合アッセイを行なうための試薬類と試薬キット
US5312752A (en) Specific antibodies against the DNA-binding domain of and immunoassays to determine the presence and functional status of estrogen receptor proteins
JP4331403B2 (ja) Tshレセプター自己抗体についてのアッセイ
JP3174041B2 (ja) 抗ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)抗体
JPH09271392A (ja) 抗ヒト心筋トロポニンtモノクローナル抗体
JPH07110879B2 (ja) モノクロナール抗体
JP2004518945A (ja) Tsh受容体に対する阻止自己抗体の選択的決定方法
US5945296A (en) Monoclonal antibody
JP3778979B2 (ja) N−ペプチドのサンドイッチ免疫学的測定法
JPH08211058A (ja) 競合免疫検定における使用のための生物発光標識ハプテン
WO1992006377A1 (fr) Procede et kit pour l'nalyse immunologique du propeptide de l'osteocalcine et de la pro-osteocalcine
EP2799877A1 (en) Process for diagnosing a human subject with diseases affecting the kidneys, or at risk of acquiring diseases affecting the kidneys
Iwasa et al. Highly specific enzyme immunoassay for human chorionic gonadotropin
JP3995316B2 (ja) ホルモンレセプターに対する自己抗体の測定による癌の検出方法
JP3152429B2 (ja) 抗hCG―βコアモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ、該モノクローナル抗体およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20050127

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060113

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term