JP3778979B2 - N−ペプチドのサンドイッチ免疫学的測定法 - Google Patents

N−ペプチドのサンドイッチ免疫学的測定法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、心不全および慢性腎不全の診断に、臨床上有用なN−ペプチドを迅速かつ簡便に測定する方法、該方法に用いるモノクローナル抗体、および該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)は、126個のアミノ酸からなるペプチドであるhANP(126)(γ-hANP)として生合成され、主として心房内顆粒に蓄積され、心房圧刺激に応じて分泌される。その際、γ−hANPはhANP(1-98)(N−ペプチド)とhANP(99-126)(α-hANP)とに分解されて同時に血液中に放出される。
【0003】
血中のα-hANP濃度は心不全や慢性腎不全のマーカーになり、その免疫学的測定法はすでに診断に応用されている。しかし、非常に長い反応時間(3日間)を要すること、および、α-hANPが血中で不安定であるため試料の採取または保存の方法によっては免疫学的活性が著しく低下することが欠点であった(Tsuji,T.ら、Clin. Chim. Acta, 225, 171-177(1994))。これに対して、α-hANPよりも安定でクリアランスが低いN−ペプチドは、循環血液中での濃度が高いため、このN−ペプチドを用いる測定法が開発されている。
【0004】
上記γ−hANPのN末端側のペプチドであるN−ペプチドの測定が心不全および慢性腎不全の診断に有用であることは、以前より報告されてきた(Sundsfjoed,J.A.ら、J. Clin. Endocrionol. Metab.,66, 605-610(1988);Ito,H.ら、J. Clin. Endocrinol.,67(3), 429-437(1988);Burckleyら、Clin. Sci., 77, 573-579(1989);および、Burckleyら、Clin. Chim. Acta, 191, 1-14(1990))。現在までに報告されたN−ペプチドの免疫学的測定法はすべて、1種類の抗体を用いる競合放射免疫学的測定法(競合RIA法)であるため、測定に長時間(3〜4日間)および限られた温度条件(約4℃)、または血漿の前処理という煩雑な操作(Sep-pak C-18抽出)を必要とする(Sundsfjoed,J.A.ら、J. Clin. Endocrionol. Metab., 66, 605-610(1988)、およびBurckleyら、Clin. Chim. Acta, 191, 1-14(1990))。さらに、いずれの方法も精度が低く、再現性が悪いという問題点がある。従って、N−ペプチドを用いる迅速かつ簡便な測定法の開発が期待されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、血中のN−ペプチドおよびその前駆体の濃度の測定を迅速かつ簡便に、そして精度良く行う方法を提供することである。本発明の他の目的は、該方法に用いるモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、および該モノクローナル抗体を含むN−ペプチドまたはその前駆体の免疫学的測定用キットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、N−ペプチドおよびその前駆体を迅速かつ簡便に、そして精度良く測定するために種々の検討を行った。その結果、N−ペプチドを認識するモノクローナル抗体を作製し、このモノクローナル抗体と、N−ペプチドの異なるエピトープを認識する他のモノクローナル抗体とを組み合わせて用いるサンドイッチ免疫学的測定法を構築し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明のN−ペプチドまたはその前駆体を測定する方法は、試料と、N−ペプチドを認識する第1のモノクローナル抗体とをインキュベートする工程、さらにN−ペプチドを認識する標識した第2のモノクローナル抗体を加えてインキュベートする工程、および生成した抗原抗体複合体を検出する工程を包含する。
【0008】
本発明のN−ペプチドまたはその前駆体を測定する他の方法は、試料と、N−ペプチドを認識する第1のモノクローナル抗体およびN−ペプチドを認識する標識した第2のモノクローナル抗体とをインキュベートする工程、および生成した抗原抗体複合体を検出する工程を包含する。
【0009】
好ましい実施態様によれば、上記第1または第2のモノクローナル抗体は、N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識する。
【0010】
好ましい実施態様によれば、上記第1または第2のモノクローナル抗体は7B6である。
【0011】
好ましい実施態様によれば、上記第1または第2のモノクローナル抗体のいずれか一方は、上記7B6であり、他方のモノクローナル抗体は、該7B6の認識部位とは異なるN−ペプチドのアミノ酸配列に含まれる部分を認識するモノクローナル抗体である。
【0012】
好ましい実施態様によれば、上記第1または第2のモノクローナル抗体のいずれか一方は、N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識し、他方のモノクローナル抗体は、N−ペプチドの1位から25位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識するモノクローナル抗体である。
【0013】
好ましい実施態様によれば、上記他方のモノクローナル抗体はKY−ANP−IIIである。
【0014】
好ましい実施態様によれば、上記第1のモノクローナル抗体はN−ペプチドの1位から25位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識し、上記第2のモノクローナル抗体はN−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識する。
【0015】
好ましい実施態様によれば、上記第1のモノクローナル抗体はKY−ANP−IIIであり、上記第2のモノクローナル抗体は7B6である。
【0016】
好ましい実施態様によれば、上記第2のモノクローナル抗体は、放射性同位元素、酵素、金コロイド、蛍光物質、または発光物質で標識されている。さらに好ましくは、上記第2のモノクローナル抗体は放射性同位元素または酵素で標識されている。
【0017】
本発明のモノクローナル抗体は、N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識する。
【0018】
好ましい実施態様によれば、上記モノクローナル抗体は7B6である。
【0019】
本発明のハイブリドーマは上記いずれかのモノクローナル抗体を産生する。
【0020】
好ましい実施態様によれば、上記ハイブリドーマはMouse hybridoma 7B6(FERM BP−4878)である。
【0021】
本発明のN−ペプチドまたはその前駆体の免疫学的測定用キットは、上記いずれかのモノクローナル抗体を含む。
【0022】
【発明の実施の形態】
本明細書中の「N−ペプチド」とは、γ−hANPのN末端側の1位から98位のアミノ酸配列からなるペプチドをいう。γ−hANPは、生体内で分泌される際にN−ペプチドとα−hANPとに分解され、このα−hANPは、γ−hANPの99位から126位のアミノ酸配列からなる。本明細書中の「N−ペプチド前駆体」には、γ−hANPも包含される。
【0023】
本明細書中の「N−ペプチド(X-Y)」とは、N−ペプチドのX位からY位のアミノ酸配列をいう。例えば、「N−ペプチド(1-25)」とは、N−ペプチドの1位から25位のアミノ酸配列をいう。「N−ペプチド(43-66)」とは、N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列を、「N−ペプチド(43-67)」とは、N−ペプチドの43位から67位のアミノ酸配列をいう。また、「N−ペプチド(43-66)Cys」とは、N−ペプチド(43-66)のカルボキシル末端にシステイン残基が付加しているものをいう。
【0024】
本明細書中の、試料中のまたは免疫学的測定法に用いる「N−ペプチド」および「N−ペプチド前駆体」は、天然に存在するまたは合成により生成されたN−ペプチドおよびN−ペプチド前駆体をいう。
【0025】
本明細書中の、標識および免疫学的測定に用いる「抗体」は、抗体およびそのフラグメントをいい、抗体のFab、Fab'、F(ab)2などのフラグメントを含む。
【0026】
本明細書中の「KY−ANP−III抗体」とは、中尾らが作製したγ−hANPの1位から25位のアミノ酸配列(N−ペプチド(1-25))を認識するモノクローナル抗体である(特開平2-16997号)。なお、このモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、茨城県つくば市東1丁目1番3号の工業技術院微生物工業技術研究所に、昭和63年5月18日付で、受託番号FERM BP−1887として、ブダペスト条約に基づいて寄託されている。
【0027】
次に、本発明の方法を工程の順に説明する。N−ペプチドを認識するモノクローナル抗体の作製、および、N−ペプチドを認識するモノクローナル抗体を用いるサンドイッチ免疫学的測定法は、特に指示がない限り、当業者に公知の一般的手法を用いて行い得る。
【0028】
(1)免疫
N−ペプチドを認識するモノクローナル抗体を作製するために、まず適切な抗原で動物を免疫する。動物にはマウス、ラットなどを用い得る。抗原には、N−ペプチドの任意の部分のペプチドフラグメントを用い得る。この抗原を免疫用の免疫原とする。この抗原を免疫原として用いるには、例えば、N−ペプチド(43-66)Cysをキャリアタンパク質にコンジュゲートし得る。キャリアタンパク質は、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヘモシアニン、およびウシチオグロブリン(BTG)などの高分子物質を用い得る。コンジュゲートするには、マレイミド試薬などを用い得る。これは、2官能性架橋剤であり、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)、ならびに、スルホ−MBS、スルホ−SMCCなどを含む。これらの架橋剤のスクシンイミジル基が第一アミンと反応し、さらにチオール反応性マレイミドと反応して、システイン残基のチオールと共有結合を形成する。得られた免疫原をフロイントの完全アジュバントなどの適切なアジュバントに乳濁し、得られた乳濁液を動物の腹腔内に投与して免疫する。好ましくは数週間おきに、動物の腹腔内、皮下、または静脈内に数回の追加免疫を行う。
【0029】
(2)モノクローナル抗体の作製
N−ペプチドを認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、脾臓細胞とミエローマ細胞とを融合して作製し得る。脾臓細胞は、上記(1)項で免疫した動物、好ましくはマウス由来である。ミエローマ細胞は、哺乳類由来であり、好ましくはマウスミエローマ細胞である。細胞の融合にはポリエチレングリコールなどを用い得る。融合により得られたハイブリドーマをスクリーニングおよびクローニングすることにより、望ましいハイブリドーマを選択し得る。
【0030】
モノクローナル抗体を作製するには、上記得られたハイブリドーマをインビトロまたはインビボで培養する。好ましくはインビボで培養する。例えば、モノクローナル抗体を含む腹水を産生させるためにマウスの腹腔内に上記のハイブリドーマを投与する。モノクローナル抗体は、産生された腹水から、当業者に公知の方法により容易に精製され得る。
【0031】
本発明のモノクローナル抗体は、本発明のサンドイッチ免疫学的測定法のほかに、競合法、二抗体法など他の免疫学的測定法にも適用され得る。
【0032】
(3)免疫学的測定法
本発明の免疫学的測定法は、抗体(第1のモノクローナル抗体)を固相に固定し、抗原を含む試料と共にインキュベートする工程、さらに標識した第2のモノクローナル抗体を加えて、得られた混合物をインキュベートする工程、および混合物中の生成した標識された抗原抗体複合体を検出する工程を包含する、サンドイッチ免疫学的測定法に基づくものである。本発明の免疫学的測定法では、試料と、第1のモノクローナル抗体および標識した第2のモノクローナル抗体とを同時にインキュベートしてもよい。
【0033】
本発明のサンドイッチ免疫学的測定法には、その検出方法により、サンドイッチ放射免疫測定法(RIA法)、サンドイッチ酵素免疫測定法(EIA法)、サンドイッチ蛍光免疫測定法(FIA法)、サンドイッチ発光免疫測定法(CLIA法)、サンドイッチ発光酵素免疫測定法(CLEIA法)、サンドイッチ法に基づく免疫クロマトグラフ法などがある。好ましくは、RIA法、EIA法が、用いられ得る。
【0034】
本発明の第1のモノクローナル抗体は、マイクロタイタープレート、ビーズ、チューブ、メンブレン、濾紙、プラスチック性カップなどの固相に固定され得る。特に、ポリスチレンビーズが好適に用いられ得る。
【0035】
測定する試料は、血漿、血清、血液、尿などN−ペプチドおよびその前駆体を含む試料であり得る。
【0036】
本発明の第2のモノクローナル抗体は、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などにより標識化され得る。これらの標識は、いずれも当該分野で公知の方法で実施され得る。
【0037】
標識に用いられる放射性同位元素としては、14C、3H、32P、125I、131Iなどであり、特に125Iが好適に用いられ得る。これらは、クロラミンT法、ペルオキシダーゼ法、Iodogen法、ボルトンハンター法などにより、モノクローナル抗体に結合され得る。
【0038】
標識に用い得る酵素としては、例えば、βガラクトシダーゼ(βGAL)、アルカリホスファターゼ(ALP)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などを含む。これらは、仲根法、石川らの方法(酵素免疫測定法、第3版、75-127 (1987) 医学書院)などによりモノクローナル抗体に結合され得る。
【0039】
標識に用い得る蛍光物質としては、フルオレセイン、フルオレサミン、フロレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネートなどがある。
【0040】
標識に用い得る発光物質としては、ルシフェリン、ルミノール誘導体、アクリジニウムエステルなどがある。
【0041】
標識には、金コロイドを用いてもよい。
【0042】
好ましい実施態様によれば、N−ペプチドサンドイッチRIA法が行われ得る。N−ペプチドサンドイッチRIA法は、具体的には、標準N−ペプチド溶液または試料に、第1のモノクローナル抗体を固定したビーズを加えて混和し、4℃から45℃、好ましくは25℃から37℃で、1から4時間、好ましくは2時間インキュベートする(第一反応)。洗浄後、例えば125Iで標識した第2のモノクローナル抗体を含む溶液を加え、4℃から45℃、好ましくは25℃から37℃で、1から4時間、好ましくは2時間インキュベートする(第二反応)。洗浄後、ビーズに結合した抗原抗体複合体の放射能量をγ線カウンターなどで検出することによりN−ペプチドの量測定する。
【0043】
他の好ましい実施態様によれば、N−ペプチドサンドイッチEIA法が行われ得る。N−ペプチドサンドイッチEIA法は、具体的には、標準N−ペプチド溶液または試料に、第1のモノクローナル抗体を固定したビーズを加えて混和し、4℃から45℃、好ましくは25℃から37℃で2時間インキュベートする(第一反応)。洗浄後、例えばHRPで標識した第2のモノクローナル抗体を含む溶液を加え、4℃から45℃、好ましくは25℃から37℃で2時間インキュベートし、ビーズ上に抗体/N−ペプチド/抗体複合体を形成する(第二反応)。次に、ビーズ上の酵素活性を、特異的基質を介して比色法により測定し、それによりビーズ上に捕獲されたN−ペプチドの量を測定し得る。比色定量は、通常の分光光度計などで行われ得る。
【0044】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
【0045】
(実施例1) N−ペプチド(43-66)Cysに含まれる部分を認識するモノクローナル抗体および該抗体を産生するハイブリドーマの作製
A.免疫原の調製および免疫
サンドイッチ免疫学的測定法によるN−ペプチドの測定を行うために、既知のモノクローナル抗体KY−ANP−IIIの認識部位とは異なるN−ペプチド部分を認識するモノクローナル抗体を次のようにして作製した。抗原としてN−ペプチド(43-66)Cysを用いた。
【0046】
まず、キャリアタンパク質として、33.5mgのウシチオグロブリン(BTG、Sigma社製)を5mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)(緩衝液A)に溶解した。これに10.5mgのスルホスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC、Pierce社製)を含む緩衝液Aを1.2ml加え、30℃で1時間反応し、BTGをマレイミド化した。反応混合物を、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)(緩衝液B)で平衡化したセファデックスG-25(Pharmacia社製)カラムにかけ、マレイミド化BTGを含むボイド画分を分取した。6mgのマレイミド化BTGを含む緩衝液Bの2.6mlに、3.3mgのN−ペプチド(43-66)Cys(ペプチド研究所製)および2.5mM EDTAを含む緩衝液Bを0.4ml加えて4℃で20時間反応させた後、40μlの50mM N-エチルマレイミド溶液を加えて反応を停止した。反応混合物を、緩衝液Bで平衡化したセファデックスG-50(Pharmacia社製)のカラムにかけボイド画分を分取し、未反応のペプチドを除いた。集めた画分を水に対して4℃で一晩透析し、次いで凍結乾燥した。10.9mg(乾燥重量)のN−ペプチド(43-66)Cys-BTGコンジュゲートを得、これを免疫原とした。
【0047】
BALB/cマウスに、免疫原として1匹あたり100μgのコンジュゲートを腹腔内投与して免疫した。追加免疫を3〜4週間隔で3回行った。初回および2回目の免疫では、フロイントの完全アジュバントとともに投与した。
【0048】
B.7B6抗体を産生するハイブリドーマおよび該ハイブリドーマを用いた7B6抗体の作製
上記A項で免疫したマウスから最終免疫後3日目に摘出した脾臓細胞(1.1×108個)と、マウスミエローマ細胞(P3-U1-X63-Ag8(東京腫瘤研究所)、2.1×107個)とを、50%のポリエチレングリコール4000(Merck社製)を用いて融合した。融合により得られたハイブリドーマを、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含む培地で選択した。細胞融合後10日目に特異抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングを行った。スクリーニングに用いたEIA法は次の通りである:96穴マイクロタイタープレート(Nunc社製)の各ウェルに、1μgのN−ペプチド(43-67)(ペプチド研究所製)またはN−ペプチド(1-25)(ペプチド研究所製)を含むPBS(0.15MのNaClを含むリン酸緩衝液(pH7.4))を50μl加えて、4℃で1晩固定した。次に、このウェルを25%のブロックエース(大日本製薬社製)を含む溶液で1回洗浄した後、この溶液を300μl添加してブロッキングを行った。次いでウェルを0.05%のTween 20を含むPBSで3回洗浄した後、ハイブリドーマの培養上清を50μl加えて室温で2時間反応させた。次いでウェルを3回洗浄した後、5μgのHRP標識抗マウスIgGを含む25%のブロックエース溶液を50μl加え、室温で1時間反応させた。ウェルを3回洗浄後、4mMの2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS、ベーリンガー・マンハイム社製)および2mM H2O2を含む溶液を50μl加えて室温で15分間の酵素反応を行い、0.002% NaN3を含む溶液を50μl加えて反応を停止した。各ウェルについて、プレートリーダー(MTP-32、コロナ社製)で415nmの吸光度を測定した。
【0049】
特異抗体の産生が陽性を示したウェル中のハイブリドーマを、限界希釈法により3回クローニングして、N−ペプチド(43-66)を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得た。
【0050】
得られたハイブリドーマの培養上清について、マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(Mouse monoclonal antibody isotyping kit、アマシャム社製)を用いて、ハイブリドーマが産生する抗体のサブクラスを決定した。新たに得られたモノクローナル抗体は、7B6と命名し、そのアイソタイプはIgG1(κ)であった。
【0051】
既存のモノクローナル抗体KY−ANP−III(IgG1κ)および新規のモノクローナル抗体7B6の、各種N−ペプチドフラグメントとの反応性を上記EIA法を用いて確認した。KY−ANP−IIIは、ハイブリドーマFERM BP−1887が産生するモノクローナル抗体を用いた。結果を図1に示す。図中の白丸はN−ペプチド(1-25)に対する反応性を、黒丸はN−ペプチド(43-67)に対する反応性を示す。KY−ANP−III抗体はN−ペプチド(1-25)と反応するが、N−ペプチド(43-67)とは反応しなかった(図1(A))。逆に、7B6抗体はN−ペプチド(43-67)と反応するが、N−ペプチド(1-25)とは反応しなかった(図1(B))。このように、KY−ANP−III抗体はN−ペプチド(1-25)を認識し、7B6抗体はN−ペプチド(43-66)に含まれる部分を認識することより、2つの抗体がN−ペプチドの異なる部分を認識していることを確認した。
【0052】
本発明のモノクローナル抗体7B6を産生するハイブリドーマは、茨城県つくば市東1丁目1番3号の工業技術院生命工学工業技術研究所に、平成6年11月9日付で受託番号FERM BP−4878として、ブダペスト条約に基づいて寄託されている。
【0053】
(実施例2) マウス腹水からのモノクローナル抗体7B6の精製
マウス(BALB/c)の腹腔内にプリスタンを0.5ml投与した2週間後、一匹あたり約1×107個の実施例で得られたハイブリドーマを腹腔内投与した。投与後7〜10日目に腹水を回収し、10,000×gで20分間遠心分離してその上清をPBSで2倍に希釈した後、プロテインGセファロースカラム(Pharmacia社製)に通した。PBSでカラムを洗浄後、0.2Mグリシン塩酸緩衝液(pH2.7)で抗体を溶出し、直ちに1Mトリス緩衝液を加えて中和した。得られた溶出液を0℃で、50%の飽和硫酸アンモニウムで塩析した。塩析物を10,000×gで20分間遠心分離して回収した。得られた沈澱をPBSに溶解し、さらにPBSに対して4℃で一晩透析して精製7B6モノクローナル抗体とした。
【0054】
(実施例3) KY−ANP−III抗体を固定したビーズの作製
予め1%のグルタルアルデヒド水溶液で処理したポリスチレンビーズ(イムノケミカル社製)を、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.1)中の25μg/mlのKY−ANP−III抗体溶液に浸潤した(1個/200μl)。N−ペプチド(1-25)を認識するモノクローナル抗体のKY−ANP−III抗体は、この抗体を産生するハイブリドーマである受託番号FERM BP−1887を培養することにより得た。これを25℃で3時間振盪した後、さらに4℃で19時間以上振盪した。水溶液部分を吸引除去した後、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.1)で洗浄し、25%のブロックエースを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH7.1)を加えてブロッキングを4℃で40時間以上行うことにより、KY−ANP−III抗体を固定したビーズを得た。得られたビーズを、0.15M塩化ナトリウム、0.1% BSA、1mM EDTA、および0.1% アジ化ナトリウムを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)中で保存した。
【0055】
(実施例4) 7B6抗体の放射性ヨウ素(125I)標識
精製7B6抗体の125I標識をクロラミンT法で以下のように行った。
【0056】
ガラスチューブに、100μlの0.5Mリン酸緩衝液(pH7.5)および2mCi/20μlのNa125I(アマシャム社製)を分取した後、PBS中の3.3mg/mlの7B6抗体溶液を60μl加え、次いで0.5Mリン酸緩衝液(pH7.5)中の1mg/mlのクロラミンT溶液を20μl加えて攪拌した。この混合液を室温で30秒間反応させた後、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)中の2.5mg/mlのピロ亜硫酸ナトリウム溶液を20μl加えて反応を停止した。この反応溶液に50mg/mlのヨウ化カリウム水溶液を20μl加えた後、スーパーロース12(1×30cm)(Pharmacia社製)を用いて0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で溶出し、125I標識7B6抗体を含む画分を分取した。
【0057】
(実施例5) サンドイッチRIA法
一連の濃度のN−ペプチド(1-67)(ペプチド研究所製)を含む標準溶液を調製した。試験管に、この標準溶液または試料を50μlずつ加えた。次に緩衝液C(0.15M塩化ナトリウム、0.1% BSA、1mM EDTA、および0.1% ケーソンCG(Rohm and Haas社製)を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5))を250μlずつ添加し、さらに上記実施例3で作製したKY−ANP−III抗体を固定したビーズを1個ずつ加えて混和した。水平振盪(200ストローク/分)を25℃で2時間行い(第一反応)、試験管内の溶液を吸引除去した後、試験管を2mlの緩衝液D(1mM EDTA、0.0075% Tween 20、および0.1% ケーソンCGを含む0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5))で3回洗浄した。次に0.1% BSAを含む緩衝液Dで希釈した125I標識7B6抗体溶液を300μl(約200,000cpm)加え、水平振盪(200ストローク/分)を25℃で2時間行った(第二反応)。次いで試験管内の溶液を吸引除去し、2mlの緩衝液Dで3回洗浄し、ビーズに残存する放射能量をγ線カウンター(ARC-600、アロカ社製)で測定した。
【0058】
サンドイッチRIA法における標準曲線を図2に示す。0〜5000 fmol/mlの範囲で、N−ペプチド(1-67)に対して濃度依存的な反応性が認められた。最低検出感度は40 fmol/mlであった。ヒト血漿4例を用いて再現性試験を行った。再現性試験は測定法の精度を確認する試験であり、2種類の試験方法がある:測定内再現性試験は1回の測定内における複数の同一試料の測定値の間のばらつきを、測定間再現性試験は、複数の測定における同一試料の測定値の間のばらつきを測定する試験である。2種類の再現性試験の結果を表1および表2に示す。測定内再現性では変動係数(CV)は1.5〜2.2%(表1)であり、そして測定間再現性ではCVは4.1〜5.6%(表2)であった。
【0059】
【表1】
Figure 0003778979
【0060】
【表2】
Figure 0003778979
【0061】
次いでヒト血漿を用いて希釈試験を行った。4種類のヒト血漿を、緩衝液Cを用いて2倍系列希釈して測定用試料とした。得られた試料を上記と同様にサンドイッチRIA法で測定した。結果を図3に示す。いずれの濃度においてもほぼ原点を通る直線上にあった。
【0062】
次に、血漿中に存在すると考えられる成分の影響について検討した結果、結合型ビリルビン(0.15mg/ml)、遊離型ビリルビン(0.17mg/ml)、ヘモグロビン(4.25mg/ml)、および乳び(ホルマジン濁度、24度)の影響は認められなかった。
【0063】
従って、本発明のサンドイッチRIA法は、血漿中の他の成分の影響を受けることなく、精度良くN−ペプチドを測定し得ることを確認した。
【0064】
さらに、ヒト血漿を用いて添加回収試験を行った。4種類のヒト血漿を、各濃度の標準N−ペプチド(1-67)溶液を用いて2倍に希釈したものを測定試料とした。得られた試料を上記と同様にサンドイッチRIA法で測定した。結果を表3に示す。回収率は88〜134%であった。このように、本発明のサンドイッチRIA法は、ヒト血漿中の種々のN−ペプチドと標準N−ペプチドとが同様の反応性を示すことを確認した。
【0065】
【表3】
Figure 0003778979
【0066】
次に、本発明のサンドイッチRIA法で健常人36例(男性23例、女性13例)の血漿中のN−ペプチド濃度を測定した結果、平均値は213 fmol/mlであり標準偏差は90 fmol/mlであった。
【0067】
(実施例6) 7B6抗体の西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識
精製7B6抗体のHRP標識を石川らの方法(前出)に従って以下のように行った。
【0068】
まず、PBS中の4.4mg/mlの精製7B6抗体溶液の4.5mlに、0.2Mクエン酸緩衝液(pH4.0)の4.5mlと、0.2Mクエン酸緩衝液(pH4.0)中の2.2mg/mlのペプシン(ベーリンガーマンハイム社製)溶液の0.9mlとを加えて37℃で18時間消化した。消化物を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したウルトロゲルACA 44(2.6×84cm)(IBF biotechnics社製)で分離した。F(ab)2を含む画分を集め、セントリコン30(アミコン社製)で濃縮した。
【0069】
次に、得られたF(ab)2の一部を次のように還元した。3.3mgのF(ab)2を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)の1.2mlに、0.1M 2-メルカプトエチルアミンと5mMエチレンジアミン4酢酸(EDTA)とを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)を1/10容量加え、37℃で30分間還元した。還元物を、5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したスーパーロース12(1.5×50cm)(Pharmacia社製)で分離し、Fabを含む画分を集め、セントリコン10(アミコン社製)で濃縮した。
【0070】
一方、2mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解したHRP(シグマ社製)17.2mgに、250μlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解したε−マレイミドカプロイルオキシスクシンイミド(EMCS、同仁化学社製)23.6mgを加え、30℃で15分間反応させた。生成した沈澱を遠心分離して除去し、上清を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したPD-10(Pharmacia社製)に通して低分子物質を除去し、マレイミド化HRPを得た。
【0071】
得られたマレイミド化HRPを含む画分と濃縮したFabとを、モル比が1:1になるように混合し、30℃で1時間反応させた。HRP標識されたFabを、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したスーパーロース12(1.5×50cm)により未反応物と分離し、HRP標識モノクローナル抗体(0.62mg)を得た。
【0072】
(実施例7) サンドイッチEIA法
試験管に、標準N−ペプチド(1-67)溶液または試料を50μlずつ加えた。次に緩衝液Cを250μlずつ添加し、さらに上記実施例3で作製したKY−ANP−III抗体を固定したビーズを1個ずつ加えて混和した。水平振盪(200ストローク/分)を25℃で2時間行い(第一反応)、試験管内の溶液を吸引除去した後、2mlの緩衝液Dで3回洗浄した。次いで、0.1% BSAを含む緩衝液Dで希釈したHRP標識7B6抗体溶液を300μl加え(200ng/試験管)、水平振盪(200ストローク/分)を25℃で2時間行った(第二反応)。試験管内の溶液を吸引除去した後、2mlの緩衝液Dで5回洗浄した。次に、発色液として8.5mg/mlの2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS、ベーリンガー・マンハイム社製)および2mMの過酸化水素を含む0.01Mクエン酸緩衝液(pH5.0)を300μlずつ加えて混和し、25℃で正確に30分間静置した後、反応停止液を2mlずつ加えて混和した。得られた溶液の415nmの吸光度を分光光度計(UV-264、島津製作所社製)を用いて測定した。蒸留水をブランクとして用いた。
【0073】
サンドイッチEIA法における標準曲線を図4に示す。ビーズに残存する酵素活性は、0〜5000 fmol/mlの範囲で、N−ペプチド(1-67)濃度に比例していた。最低検出感度は25 fmol/mlであった。ヒト血漿3例を用いて再現性試験を行った結果を表4および表5に示す。測定内再現性ではCVは1.2〜4.6%であり、そして測定間再現性ではCVは5.9〜15.0%であった。
【0074】
【表4】
Figure 0003778979
【0075】
【表5】
Figure 0003778979
【0076】
次いでヒト血漿を用いて希釈試験を行った。3種類のヒト血漿を、緩衝液Cを用いて2倍系列希釈して測定用試料とした。得られた試料を上記と同様にサンドイッチEIA法で測定した。結果を図5に示す。いずれの濃度においてもほぼ原点を通る直線上にあった。
【0077】
また、本発明のサンドイッチEIA法は、上記実施例5と同様に血漿中の他の成分の影響を受けることなく、精度良くN−ペプチドを測定し得ることを確認した。
【0078】
さらに、ヒト血漿を用いて添加回収試験を行った。3種類のヒト血漿を、各濃度の標準N−ペプチド(1-67)溶液を用いて2倍に希釈したものを測定試料とした。得られた試料を上記と同様にサンドイッチEIA法で測定した。結果を表6に示す。回収率は82〜103%であった。従って、本発明のサンドイッチEIA法において、標準N−ペプチドは、ヒト血漿中の種々のN−ペプチドと同等の反応性を示すことを確認した。
【0079】
【表6】
Figure 0003778979
【0080】
また、サンドイッチRIA法(X)とサンドイッチEIA法(Y)との相関をヒト血漿(14例)を用いて検討した結果、相関式Y=0.79X−132(fmol/ml)、相関係数R=0.99であった。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、N−ペプチドおよびその前駆体を測定するためのサンドイッチ免疫学的測定法;該方法に用いるモノクローナル抗体;該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ;および該モノクローナル抗体を含むN−ペプチドまたはその前駆体の免疫学的測定用キットが提供される。
【0082】
本発明の免疫学的測定法は、従来の競合法に比べ、精度、簡便性、および迅速性に優れ、さらに高感度である。また、N−ペプチドはα-hANPに比べて安定であり、試料の採取操作による免疫学的活性の低下も少ないと考えられ、さらに非RIA法にも適用可能である。従って、本発明の免疫学的測定法は、心疾患および腎疾患、その他の循環器系疾患の診断に非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Aは、既存のモノクローナル抗体KY−ANP−IIIのN−ペプチド(1-25)およびN−ペプチド(43-67)への反応性を示すグラフであり、そしてBは、本発明のモノクローナル抗体7B6のN−ペプチド(1-25)およびN−ペプチド(43-67)への反応性を示すグラフである。
【図2】 本発明のサンドイッチRIA法におけるN−ペプチドの標準曲線を示すグラフである。
【図3】 本発明のサンドイッチRIA法による臨床試料の希釈試験の結果を示すグラフである。
【図4】 本発明のサンドイッチEIA法におけるN−ペプチドの標準曲線を示すグラフである。
【図5】 本発明のサンドイッチEIA法による臨床試料の希釈試験の結果を示すグラフである。

Claims (15)

  1. N−ペプチドまたはその前駆体を測定する方法であって、
    試料と、N−ペプチドを認識する第1のモノクローナル抗体とをインキュベートする工程、
    さらにN−ペプチドを認識する標識した第2のモノクローナル抗体を加えてインキュベートする工程、および
    生成した抗原抗体複合体を検出する工程、
    を包含し、ここで、該第1または第2のモノクローナル抗体が、N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識する、方法。
  2. N−ペプチドまたはその前駆体を測定する方法であって、
    試料と、N−ペプチドを認識する第1のモノクローナル抗体およびN−ペプチドを認識する標識した第2のモノクローナル抗体とをインキュベートする工程、および
    生成した抗原抗体複合体を検出する工程、
    を包含し、ここで、該第1または第2のモノクローナル抗体が、N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識する、方法。
  3. 前記第1または第2のモノクローナル抗体が7B6である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第1または第2のモノクローナル抗体のいずれか一方が、前記7B6であり、他方のモノクローナル抗体が該7B6の認識部位とは異なるN−ペプチドのアミノ酸配列に含まれる部分を認識するモノクローナル抗体である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1または第2のモノクローナル抗体のいずれか一方が、N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識し、他方のモノクローナル抗体が、N−ペプチドの1位から25位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識する、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記他方のモノクローナル抗体がKY−ANP−IIIである、請求項に記載の方法。
  7. 前記第1のモノクローナル抗体がN−ペプチドの1位から25位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識し、前記第2のモノクローナル抗体がN−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識する、請求項に記載の方法。
  8. 前記第1のモノクローナル抗体がKY−ANP−IIIであり、前記第2のモノクローナル抗体が7B6である、請求項に記載の方法。
  9. 前記第2のモノクローナル抗体が、放射性同位元素、酵素、金コロイド、蛍光物質、または発光物質で標識されている、請求項1または2に記載の方法。
  10. 前記第2のモノクローナル抗体が、放射性同位元素または酵素で標識されている、請求項9に記載の方法。
  11. N−ペプチドの43位から66位のアミノ酸配列に含まれる部分を認識するモノクローナル抗体。
  12. 前記モノクローナル抗体が7B6である、請求項11に記載のモノクローナル抗体。
  13. 請求項11または12に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  14. 前記ハイブリドーマがMouse hybridoma 7B6(FERM BP−4878)である、請求項13に記載のハイブリドーマ。
  15. 請求項11または12に記載のモノクローナル抗体を含む、N−ペプチドまたはその前駆体の免疫学的測定用キット。
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