JP4227637B2 - 過熱蒸気生成噴射装置及び過熱蒸気を熱源とする熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、過熱蒸気を生成して噴射する過熱蒸気生成噴射装置及びこの過熱蒸気生成噴射装置から噴射された過熱蒸気を熱源として、熱処理を行う熱処理装置に関し、熱処理装置としては、例えば、乾燥、炭化、賦活、殺菌、調理、脱脂等の各種熱処理を行う装置、より具体的には、可燃性廃棄物や生ゴミの加熱処理、食品の加熱、乾燥処理、冷凍食品の解凍処理、食品をはじめとする各種製品の滅菌、殺菌処理等を、過熱蒸気を熱源として行う熱処理装置に関する。なお、過熱蒸気とは、飽和蒸気に熱を加えたもので、大気圧(760mmHg)では100度Cより高い温度の蒸気をいう。
従来、熱処理装置の熱源としては、灯油、ガス、電気を利用するのが一般的である。例えば、可燃性廃棄物や生ゴミなどの処理方法としての加熱による乾燥炭化法の場合には温風やバーナー炎による加熱乾燥、また、排気ガスの処理の場合にはバーナー炎や電気ヒータによる燃焼などの処理を行っているが、処理時間に、通常1サイクル10時間程度を要し、また、燃焼過程で有害物質が発生するという不都合がある。
この不都合を解消するために、従来からクリーンなエネルギーである過熱蒸気を熱源として利用することが提案されており、過熱蒸気の発生装置として、水や蒸気を収容した容器の周囲に絶縁材を介してコイルを巻き付け、前記コイルに高周波電圧を印加することにより容器内の水や蒸気を加熱し、過熱蒸気とする誘導加熱方式による過熱蒸気発生装置が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
また、パイプ内に導入した蒸気や水を前記パイプに電圧を印加して過熱蒸気となすパイプヒータを配設した処理室内に、処理物を投入して熱処理を施す過熱蒸気を熱源とする熱処理装置も知られている。(例えば、特許文献2参照。)
米国特許第5,773,797号明細書 特開2004−332956
上記従来の過熱蒸気発生装置によると、十分な量の過熱蒸気を得るためには容量の大きな容器が必要になる一方、常に一定温度以下に冷却しないと熱効率が低下するため、高周波誘導加熱コイルの冷却が必要となり、また、水や蒸気を過熱蒸気とするにはその量に比例した大容量の電力と時間がかかるので、効率よく十分な量の過熱蒸気を得ることは困難である、という問題点があった。
また、上記従来の熱処理装置によると、処理室の大きさによって処理量が決定されるが、大量の処理物を一度に処理したい場合には、大きな処理室が必要になるとともに、処理室内にはパイプヒータが配設されているので、処理室内の処理空間は外観より狭いものとなってしまう、という問題点があった。本発明はこれらの問題点を解消した、過熱蒸気を生成して噴射する過熱蒸気生成噴射装置及び過熱蒸気を利用する熱処理装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の過熱蒸気生成噴射装置は、外部から断熱された閉鎖空間を形成する過熱蒸気生成室と、この過熱蒸気生成室を気密状態で貫通するよう設け、前記過熱蒸気生成室内に吸引口が開口し、前記過熱蒸気生成室外に噴射口が開口し、前記吸引口と前記噴射口とを流通路で連通してなる混合噴射器と、前記過熱蒸気生成室内に配置し、一端は前記混合噴射器の流通路に連通して前記噴射口から過熱蒸気を噴射するように前記流通路に過熱蒸気を吐出する過熱蒸気吐出口となり、他端は前記過熱蒸気生成室を気密かつ絶縁状態で貫通して開口し、過熱蒸気となる蒸気又は霧状の水を導入する導入口となり、中間部には過熱蒸気を前記過熱蒸気生成室内に吐出する中間吐出口を設け、電圧が印加されて導入した蒸気又は霧状の水を加熱して過熱蒸気にする赤外線パイプヒータとを備えたものである。加えて、印加電圧、蒸気等の供給量、処理時間等の作業条件を設定し、設定条件を維持するよう制御する制御部を備えると、好適である。
また、同じく上記目的を達成するために、本発明に係る請求項2に記載の過熱蒸気を熱源とする熱処理装置は、外部から断熱された閉鎖空間を形成する過熱蒸気生成室と、この過熱蒸気生成室を気密状態で貫通するよう設け、前記過熱蒸気生成室内に吸引口が開口し、前記過熱蒸気生成室外に噴射口が開口し、前記吸引口と前記噴射口とを流通路で連通してなる混合噴射器と、前記過熱蒸気生成室内に配置し、一端は前記混合噴射器の流通路に連通して前記噴射口から過熱蒸気を噴射するように前記流通路に過熱蒸気を吐出する過熱蒸気吐出口となり、他端は前記過熱蒸気生成室を気密かつ絶縁状態で貫通して開口し、過熱蒸気となる蒸気又は霧状の水を導入する導入口となり、中間部には過熱蒸気を前記過熱蒸気生成室内に吐出する中間吐出口を設け、電圧が印加されて導入した蒸気又は霧状の水を加熱して過熱蒸気にする赤外線パイプヒータと、前記混合噴射器の噴射口が開口するとともに、処理物の投入口と排出口を有する熱処理室と、この熱処理室内の過熱蒸気や乾留ガスを還流パイプ内に吸引しこの還流パイプ内を移動する途上で乾留ガスを処理したうえ前記過熱蒸気生成室内に再度供給する循環機構と、印加電圧、蒸気等の供給量、処理時間等の作業条件を設定し、設定条件を維持するよう制御する制御部とからなるものである。加えて、熱処理室内に撹拌機構を設けたり、循環機構に熱処理室内の過熱蒸気や乾留ガスを還流パイプ内に強制的に吸引するブロワを設けると好適である。
本発明の請求項1に係る過熱蒸気生成噴射装置によれば、小型から大型まで製造可能で、乾燥、炭化、賦活、殺菌、調理等、使用目的に応じて、各種の熱処理装置に対応可能で応用範囲が広く、また、製造コストが安価であるほか、過熱蒸気としては低温の100度C程度から2000度Cを超える超高温までの広い温度範囲の過熱蒸気を生成することが可能であり、さらには、高圧下(臨界、亜臨界)における有機物の乾燥、分解処理等の熱源としても使用圧力の低減や昇温によって適応可能であるという効果を奏する。
また、本発明の請求項2に係る過熱蒸気を熱源とする熱処理装置によれば、乾燥、炭化、賦活、殺菌、調理等の一般的な処理のほか、医療廃棄物の処理、ダイオキシン、PCB等の有害物質の無害化処理が可能となり、また、各種食品残滓、焼酎や酒類の絞りカス、廃棄豆腐等の含水率の高い処理物でも、真空乾燥装置や炭化装置を要することなく1バッチ処理が可能であり、さらには、各種の塗装乾燥、焼付処理には前処理工程として複数回の水洗、脱脂のための薬品処理工程があるが、水洗後のエアブローや、乾燥、脱脂工程に有効であり、薬品や水の使用量が大幅に低減するもので、特に、塗装後の乾燥、焼付に有効であり、水性塗料乾燥の場合は、大幅な作業時間の短縮、品質の向上、ランニングコストの減少という点で顕著な有効性を有するという効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1は熱処理装置全体を示す部分断面図、図2は赤外線パイプヒータの断面図、図3は制御系統を示すブロック図、図4は熱処理における加熱時間と温度変化の関係を示すグラフである。また、図5は混合噴射器の他の実施形態を示す側面図である。
図1に示すように、熱処理装置1は、過熱蒸気生成噴射装置2と熱処理室3とからなり、過熱蒸気生成噴射装置2は、過熱蒸気生成室4と混合噴射器5とからなる。前記混合噴射器5は、一端側が前記過熱蒸気生成室4内に位置し、他端側が前記熱処理室3内に位置している。
処理室3は、円筒状の周壁3aの上部に処理物を投入する投入口6を備え、周壁3aの下部には処理後の処理物を取り出す排出口7を備え、両側面を側壁3b,3cで閉鎖して周壁3aとともに閉鎖空間を形成し、図示していないが、内部には撹拌機構として、外部の回転駆動機構に連繋された水平方向に延びる回転軸に複数枚の撹拌羽根を設けてなる回転撹拌羽根を備えている。なお、図示していないが、前記投入口6と前記排出口7には、それぞれ開閉可能で公知のロック機構を備えた蓋体を設けている。前記熱処理室3は、周壁3a及び側壁3b,3cのほぼ全体を公知の断熱材8で被覆し、また図示していないが、周壁3aの最下部には、熱分解により処理物から抽出された水等の液体を排出するためのドレインを設けている。
一方、過熱蒸気生成室4は、円筒状の周壁4aと、側壁4b,4cで閉鎖空間を形成し、周壁4a及び側壁4b,4cのほぼ全体を公知の断熱材9で被覆して断熱している。ほぼ円筒状の混合噴射器5は、一端側が前記過熱蒸気生成室4の側壁4cを気密状態で貫通して前記側壁4cに固定され、他端側が熱処理室3の側壁3cを気密状態で貫通して前記側壁3cに固定されるとともに、前記過熱蒸気生成室4内に吸引口10が開口位置し、前記熱処理室3に噴射口11が開口位置している。前記吸引口10は開口端からロート状に小径化し、流通路12を介して前記噴射口11と連通している。また、前記流通路12の前記吸引口10近傍には、径方向に伸びて周壁に達する連通路13を設けている。
過熱蒸気生成室4内には、周壁4aに沿って螺旋状に、導電材からなる赤外線パイプヒータ14を配設している。この赤外線パイプヒータ14の材質は、生成する過熱蒸気の温度に応じて選択するもので、例えば、700度C程度までの高温の場合は、インコネル、ハステロイあるいはステンレスが好適であり、700度C程度を超える超高温の場合は、炭化ケイ素、炭素あるいはグラファイトCを主成分としたものが好適である。図2に示すように、赤外線パイプヒータ14の外周面には黒体セラミック層14aを、黒体セラミックを蒸着等して設け、より効果的に赤外線Yを発生させるようにしている。
赤外線パイプヒータ14は、絶縁材からなる多数の保持碍子15によって過熱蒸気生成室4の周壁4a内面に固定している。この赤外線パイプヒータ14の一端は、過熱蒸気生成室4内で混合噴射器5の連通路13に連通して、生成した過熱蒸気を前記混合噴射器5の噴射口11に向けて吐出する過熱蒸気吐出口となる一方、その他端は前記過熱蒸気生成室4の側壁4bを絶縁材からなる保持部材16を介して気密かつ絶縁状態で貫通し、過熱蒸気となる蒸気をボイラ(図示せず)から供給する供給パイプ17に接続具18を介して接続している。そして、この接続開口端が赤外線パイプヒータ14内に前記蒸気を導入する導入口となる。なお、前記供給パイプ17には、蒸気の供給量を制御する制御弁19を設けている。また、赤外線パイプヒータ14の中間部には、過熱蒸気Xを前記過熱蒸気生成室4内に吐出する中間吐出ノズル20(図2参照)を複数設けている。
赤外線パイプヒータ14の両端部近傍の周面4aには、過熱蒸気生成室4外から気密かつ絶縁状態で貫通する端子棒21a,21bをそれぞれ電気的に接続し、これら端子棒21a,21bに放熱板22a,22bと電源端子23a,23bを設けている。また、前記赤外線パイプヒータ14の混合噴射器5側の端部は、接地されている前記過熱蒸気生成室4に電気的に接続している。図示していない商用電源から電源トランス36(図3参照)を介して前記電源端子23aにプラス電圧を印加し、前記電源端子23bにマイナス電圧を印加することで、赤外線パイプヒータ14を加熱し、赤外線パイプヒータ14の内部に導入した蒸気を過熱蒸気とする。この生成した過熱蒸気Xは、混合噴射器5の連通路13から流通路12を介して噴射口11に向けて吐出され、前記流通路12内に負圧吸引力を生じさせるとともに、中間吐出ノズル20から過熱蒸気生成室4内にも吐出される。
また、過熱蒸気生成室4内には、蒸気吐出パイプ24の吐出口が開口位置し、この蒸気吐出パイプ24は、過熱蒸気生成室4の側壁4bを絶縁材からなる保持部材16を介して気密かつ絶縁状態で貫通し、蒸気をボイラ(図示せず)から供給する供給パイプ25に接続具26を介して接続している。そして、前記供給パイプ25には、蒸気の供給量を制御する制御弁27を設けている。
これによって、蒸気吐出パイプ24の吐出口から過熱蒸気生成室4内に蒸気が供給され、この蒸気は、赤外線パイプヒータ14から発せられる赤外線で加熱されて過熱蒸気になるとともに、中間吐出ノズル20から前記過熱蒸気生成室4内に吐出される過熱蒸気と混合する。この混合した過熱蒸気生成室4内の過熱蒸気は、混合噴射器5内に生じた上述の負圧吸引力によって、吸引口10から流通路12内に吸引され、連通路13から吐出した過熱蒸気と混合されて、噴射口11から熱処理室3内に噴射する。
熱処理室3の周壁3a下部には、吸気口として開口した還流パイプ28の一端を貫通固定し、この還流パイプ28の他端は、供給パイプ25に接続している。前記還流パイプ28には、前記吸気口側から順次、制御弁29、脱臭フィルタ及び濾過フィルタを内設した乾留ガス処理装置30、排気調整弁31、ブロア32を設け、循環機構を構成している。これによって、ブロア32の作用で吸気口から還流パイプ28に吸引した熱処理室3内の過熱蒸気や乾留ガスを、乾留ガス処理装置30で脱臭及び濾過したうえ供給パイプ25を介して過熱蒸気生成室4内に供給する。
また、過熱蒸気生成室4内には、赤外線パイプヒータ14の温度を検出する温度センサ33と、過熱蒸気生成室4内の雰囲気温度を検出する温度センサ34が設けられている。一方、熱処理室3内にも、熱処理室3内の雰囲気温度を検出する温度センサ35が設けられている。さらに、各電源端子23a,23bを介して印加する電圧、赤外線パイプヒータ14に対する蒸気の供給量、処理時間等の作業条件をキーやボリューム(ともに図示せず)で入力設定し、設定した作業条件を維持するよう制御するIC回路(図示せず)を備え、電源トランス36、制御弁19,27,29、排気調整弁31にそれぞれ電気的に接続した制御部であるコントローラ37(図3参照)を収容するコントロールボックス(図示せず)を設けている。このコントローラ37における入力設定で、過熱蒸気が混合噴射器5から噴射する時の温度を約100度C〜2300度Cの範囲で設定可能である。
上述した熱処理装置1は、処理物に応じたコントローラ37による温度設定及び加熱時間設定によって、図4に示す、抽出処理(A)と、乾燥炭化処理(B)と、炭素化処理(C)と、賦活処理(D)と、グラファイト化処理(E)とを行うことができる。また、同一処理物に対して、前記各処理(A)〜(E)を順次、自動運転で必要な処理まで連続的に行うことができる。
抽出処理(A)は、熱分解により処理物から水分及び溶剤(酢液等)を抽出するものである。この抽出処理(A)は、第1に、各種食品加工工場、野菜市場、魚市場等で発生する野菜屑、果実屑、魚介類屑、不良品、その他食材の残滓処理、第2に、飲料メーカーにおけるコーヒー、日本茶、ウーロン茶、薬草等の焙煎処理や水分除去処理、第3に、廃棄する包装材、袋物、トレー容器の減容処理、第4に、竹材、木材(例えば間伐材のチップ)からの竹酢、木酢の抽出処理、に適用すると好適である。そして、抽出処理(A)のコントローラ37による設定条件は、処理物の量や種類に応じて決定されるもので、設定温度が150〜250度C程度、設定加熱時間が30〜60分程度である。
乾燥炭化処理(B)は、上述の抽出処理(A)を経て行うもので、乾燥と炭化の2段階がある。第1段階の乾燥は、処理物に応じて設定温度を400〜600度C程度とし、所望の含水率の乾燥物となるように所定時間行うものである。この乾燥物に対して、さらに運転時間を延長して熱処理を行うことで、有機物のヘミセルロース、セルロース、リグニン等のほとんどが分解し、第2段階の炭化状態になる。
炭素化処理(C)は、前記抽出処理(A)及び前記乾燥炭化処理(B)を経て行うもので、設定温度を700〜900度C程度として必要時間行うものであり、過熱蒸気特有の放射伝熱、凝縮伝熱、対流伝熱の各効果により処理時間は短くて済む。また、処理温度が高いので、前記乾燥炭化処理(B)で得られる炭化物よりも炭素量の多い、良質な炭化物が得られる。
賦活処理(D)は、前記抽出処理(A)、前記乾燥炭化処理(B)及び前記炭素化処理(C)を経て行うもので、設定温度を900〜1100度C程度として必要時間行うことで、活性炭素を得るものである。この賦活処理(C)においては、過熱蒸気特有の放射伝熱、凝縮伝熱、対流伝熱の各効果によりガス化した過熱蒸気粒子が、炭化物の表面から複雑な形状の経路を形成して進入し、前記炭化処理(C)において形成されたマクロ孔、メソ孔を有する壁に、さらに前記進入経路によって多量のミクロ孔を形成して、比表面積、細孔容積が大きく吸着性の高い活性炭が得られる。
グラファイト化処理(E)は、前記前記抽出処理(A)、前記乾燥炭化処理(B)、前記炭素化処理(C)及び前記賦活処理(D)を経て行うもので、設定温度を1500〜2300度C程度として必要時間行うもので、炭素量が多く炭素原子が最も安定したグラファイト構造をもった良質なグラファイトが得られる。
続いて、上述した熱処理装置1の動作を説明する。まず、コントローラ37に処理物及び熱処理の種類に応じた作業条件を入力設定して、電源端子23a,23bを介して電源に接続した電源トランス36から所定電圧を赤外線パイプヒータ14に印加し、赤外線パイプヒータ14を作動制御する。同時に、制御弁19,27を制御して、ボイラから蒸気を前記赤外線パイプヒータ14及び過熱蒸気生成室4に所定量導入する。一方、熱処理室3内の雰囲気温度が、熱処理の種類に応じた所定予熱温度に達した時に、前記熱処理室3に処理物を投入する。なお、この処理物の投入を、場合によっては加熱作業開始前に行ってもよい。
赤外線パイプヒータ14内に供給された蒸気は、徐々に加熱されて過熱蒸気Xとなり、中間吐出ノズル20から過熱蒸気生成室4内に吐出する(図2参照)とともに、連通路13から混合噴射器5内に吐出する。過熱蒸気生成室4内の雰囲気温度は、中間吐出ノズル20から吐出する過熱蒸気Xによる凝縮伝熱、対流伝熱、放射伝熱に加えて、赤外線パイプヒータ14自身も発熱して赤外線Yを発し(図2参照)、さらに、過熱蒸気Xと一酸化炭素の共存による輻射熱、過熱蒸気生成室4内壁からの輻射熱等による複合的な伝熱作用によって速やかに上昇する。
このようにして高温化した前記過熱蒸気生成室4内の過熱蒸気Xは、混合噴射器5の連通路13から流通路12を介して噴射口11に向けて赤外線パイプヒータ14から吐出された過熱蒸気Xによる前記流通路12内の負圧吸引力によって、吸引口10から混合噴射器5内に吸引され、前記流通路12において2方向からの過熱蒸気Xが混合されて、噴射口11から熱処理室3内に噴射する(図1参照)。この熱処理室3内に噴射した過熱蒸気Xによって、熱処理室3内の雰囲気温度が急激に上昇し、コントローラ37で設定した所定温度となって、処理物に対する所望の熱処理がなされる。この熱処理にあたっては、図示していない回転撹拌羽根を回転して処理物を撹拌すると、より効率よく行うことができる。
熱処理室3内の過熱蒸気や処理物から発生した乾留ガスは、制御弁29を開いてブロア32を駆動し、強制的に吸気口から還流パイプ28に吸引し、乾留ガス処理装置30で脱臭及び濾過したうえ、供給パイプ25、蒸気吐出パイプ24を介して過熱蒸気生成室4内に再度供給する。このように、過熱蒸気を循環利用することにより、熱源の省エネルギー化が可能となり、効率のよい加熱、乾燥作業を行うことができる。また、処理物から発生した臭気をともなうガスは、過熱蒸気生成室4及び熱処理室3内で熱分解された後、前記乾留ガス処理装置30通過時に脱臭及び濾過され、過熱蒸気生成室4及び熱処理室3内で再度熱分解されるという動作を繰り返すことにより、臭気や不純物が除去されたものとなる。処理したガスや過熱蒸気は、必要に応じて排気調整弁31を開いて放出することができる。
この処理中において、過熱蒸気の特性により過熱蒸気生成室4及び熱処理室3内は少酸素状態となるので、処理物や発生した乾留ガスが燃焼することはなく、燃焼にともない発生するダイオキシン等の有害物質を生成することはない。そして、所定時間後には、熱処理室3内の処理物は所望の処理状態となる。熱処理が完了した処理物は、排出口7を開けて、取り出すことができる。一方、抽出液は、図示していないドレインを介してドレインタンク内に溜まっているので、ここから取り出せばよい。
続いて、図5に基づいて、混合噴射器の他の実施形態を説明する。この混合噴射器51は、複数の噴射口52を直線的に等間隔をおいて1列設けたアダプタ53を備えたもので、より広い範囲に過熱蒸気Xを噴射することができる。また、複数の噴射口52を、1列ではなく、複数列設けたアダプタ53を採用することも可能である。
なお、本発明は、上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、例えば、回転撹拌羽根等の撹拌機構は、処理物や熱処理室3の構造によってスクリュー状にする等適宜変更可能であるほか、必ずしも常に設ける必要はない。また、赤外線パイプヒータ14には、蒸気ではなく、霧状の水を供給して過熱蒸気とすることもできる。さらに、投入口6に処理物を投入するための自動投入装置を設けるとともに、排出口7から処理完了物を取り出すための自動排出装置を設けることによって、自動運転を行えるようにすると、低料金の夜間電力を利用した熱処理作業が可能となる。
処理装置の全体を示す部分断面図。 赤外線パイプヒータの断面図 制御系統を示すブロック図。 熱処理における加熱時間と温度変化の関係を示すグラフ。 混合噴射器の他の実施形態を示す側面図。
符号の説明
1 熱処理装置
2 過熱蒸気生成噴射装置
3 熱処理室
4 過熱蒸気生成室
5 混合噴射器
8,9 断熱材
10 吸引口
11 噴射口
12 流通路
13 連通路
14 赤外線パイプヒータ
17,25 供給パイプ
19,27,29 制御弁
20 中間吐出ノズル
23a,23b 電源端子
24 蒸気吐出パイプ
28 還流パイプ
30 乾留ガス処理装置
31 排気調整弁
32 ブロア
33,34,35 温度センサ
36 電源トランス
37 コントローラ
X 過熱蒸気
Y 赤外線

Claims (2)

  1. 外部から断熱された閉鎖空間を形成する過熱蒸気生成室と、この過熱蒸気生成室を気密状態で貫通するよう設け、前記過熱蒸気生成室内に吸引口が開口し、前記過熱蒸気生成室外に噴射口が開口し、前記吸引口と前記噴射口とを流通路で連通してなる混合噴射器と、前記過熱蒸気生成室内に配置し、一端は前記混合噴射器の流通路に連通して前記噴射口から過熱蒸気を噴射するように前記流通路に過熱蒸気を吐出する過熱蒸気吐出口となり、他端は前記過熱蒸気生成室を気密かつ絶縁状態で貫通して開口し、過熱蒸気となる蒸気又は霧状の水を導入する導入口となり、中間部には過熱蒸気を前記過熱蒸気生成室内に吐出する中間吐出口を設け、電圧が印加されて導入した蒸気又は霧状の水を加熱して過熱蒸気にする赤外線パイプヒータとを備えたことを特徴とする過熱蒸気生成噴射装置。
  2. 外部から断熱された閉鎖空間を形成する過熱蒸気生成室と、この過熱蒸気生成室を気密状態で貫通するよう設け、前記過熱蒸気生成室内に吸引口が開口し、前記過熱蒸気生成室外に噴射口が開口し、前記吸引口と前記噴射口とを流通路で連通してなる混合噴射器と、前記過熱蒸気生成室内に配置し、一端は前記混合噴射器の流通路に連通して前記噴射口から過熱蒸気を噴射するように前記流通路に過熱蒸気を吐出する過熱蒸気吐出口となり、他端は前記過熱蒸気生成室を気密かつ絶縁状態で貫通して開口し、過熱蒸気となる蒸気又は霧状の水を導入する導入口となり、中間部には過熱蒸気を前記過熱蒸気生成室内に吐出する中間吐出口を設け、電圧が印加されて導入した蒸気又は霧状の水を加熱して過熱蒸気にする赤外線パイプヒータと、前記混合噴射器の噴射口が開口するとともに、処理物の投入口と排出口を有する熱処理室と、この熱処理室内の過熱蒸気や乾留ガスを還流パイプ内に吸引しこの還流パイプ内を移動する途上で乾留ガスを処理したうえ前記過熱蒸気生成室内に再度供給する循環機構と、印加電圧、蒸気等の供給量、処理時間等の作業条件を設定し、設定条件を維持するよう制御する制御部とからなる過熱蒸気を熱源とする熱処理装置。
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