JP4227190B1 - プライマー組成物及び該プライマー組成物からなるプライマー層並びに該プライマー層を用いた皮膜体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材とコーティング皮膜の密着性が十分に高く、さらに、高温スチーム等の負荷に曝された際にも高い密着力を維持することのできるプライマー組成物及び該プライマー組成物からなるプライマー層並びに該プライマー層を用いた皮膜体を提供する。
【解決手段】 ポリアリールケトン系樹脂及びチタン有機化合物を含有し、チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂の合計重量に対する、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量が4〜19重量%であることを特徴とするプライマー組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材にポリアリールケトン系樹脂等のコーティング皮膜を形成する際に用いるプライマー組成物及び該プライマー組成物からなるプライマー層並びに該プライマー層を用いた皮膜体に関する。
ポリアリールケトン系樹脂(特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK))は耐久性の高い樹脂として知られており、金属等の基材に対するコーティング皮膜として頻繁に用いられている。ポリアリールケトン系樹脂からなるコーティング皮膜を形成することにより、基材に耐薬品性等を付与することができる。
しかし、ポリアリールケトン系樹脂を金属等の基材に対して焼き付けて形成した場合、基材との密着性が低いため、容易に剥離するという問題があった。
このような問題を解決するための方法として、基材とポリアリールケトン系樹脂の間にプライマー層を形成する方法を挙げることができる(下記特許文献1,2参照)。プライマー層を形成することにより、基材とコーティング皮膜の密着性を高めることができる。
プライマー層としては、PEEK等のポリアリールケトン系樹脂が開示されている。
しかし、ポリアリールケトン系樹脂からなるプライマー層を形成したとしても、基材とコーティング皮膜の密着性が十分であるとはいえず、さらに、高温スチーム等の負荷に曝された際に密着力を維持することができない(耐久性が低い)という問題も有していた。
特開2003−48273号公報 特開2007−175881号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、基材とコーティング皮膜の密着性が十分に高く、さらに、高温スチーム等の負荷に曝された際にも高い密着力を維持することのできるプライマー組成物及び該プライマー組成物からなるプライマー層並びに該プライマー層を用いた皮膜体を提供することを解決課題とする。
請求項1に係る発明は、ポリアリールケトン系樹脂及びチタン有機化合物を含有し、チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂の合計重量に対する、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量が4〜19重量%であることを特徴とするプライマー組成物に関する。
請求項2に係る発明は、ポリアリールケトン系樹脂、チタン有機化合物、フッ素樹脂を含有し、チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂、フッ素樹脂の合計重量に対する、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量が4〜19重量%であることを特徴とするプライマー組成物に関する。
請求項3に係る発明は、ポリアリールケトン系樹脂とフッ素樹脂の合計重量に対するフッ素樹脂の含有量が40重量%以下であることを特徴とする請求項2記載のプライマー組成物に関する。
請求項4に係る発明は、ポリアリールケトン系樹脂がポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のプライマー組成物に関する。
請求項5に係る発明は、フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選択される1種以上であることを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載のプライマー組成物に関する。
請求項6に係る発明は、チタン有機化合物がTi(IV)又はTi(III)と、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する化合物によって合成されるTi−O−C結合を含む構造を備えるアルコキシチタン化合物、チタンアシレート化合物又はチタンキレート化合物であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のプライマー組成物に関する。
請求項7に係る発明は、チタン有機化合物がチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)であることを特徴とする請求項6記載のプライマー組成物に関する。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7いずれか記載のプライマー組成物からなるプライマー層に関する。
請求項9に係る発明は、基材上に請求項8に記載のプライマー層が形成され、該プライマー層上にコーティング皮膜が形成された皮膜体に関する。
請求項10に係る発明は、前記コーティング皮膜がポリアリールケトン系樹脂からなることを特徴とする請求項9記載の皮膜体に関する。
請求項11に係る発明は、前記基材が金属、セラミック、ステンレス、ガラスのいずれかであることを特徴とする請求項9又は10記載の皮膜体に関する。
請求項1に係る発明によれば、ポリアリールケトン系樹脂及びチタン有機化合物を含有し、チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂の合計重量に対する、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量が4〜19重量%であることにより、基材にコーティング皮膜を形成する際に、基材とコーティング皮膜の密着性を向上させることができる。さらに、高温スチーム等の負荷に曝されたとしても高い密着力を維持することができる。
請求項2に係る発明によれば、ポリアリールケトン系樹脂、チタン有機化合物、フッ素樹脂を含有し、チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂、フッ素樹脂の合計重量に対する、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量が4〜19重量%であることにより、基材にコーティング皮膜を形成する際に、基材とコーティング皮膜の密着性を向上させることができ、高温スチーム等の負荷に曝されたとしても高い密着力を維持することができる。
請求項3に係る発明によれば、ポリアリールケトン系樹脂とフッ素樹脂の合計重量に対するフッ素樹脂の含有量が40重量%以下であることにより、基材とコーティング皮膜の密着性をより長時間維持でき、耐久性の高いプライマー層を得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、ポリアリールケトン系樹脂がポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)から選択される1種以上であることにより、耐スチーム性、耐薬品性を高め、耐久性のより高いプライマー層を得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選択される1種以上であることにより、耐スチーム性、耐薬品性を高め、耐久性のより高いプライマー層を得ることができる。
請求項6に係る発明によれば、チタン有機化合物がTi(IV)又はTi(III)と、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する化合物によって合成されるTi−O−C結合を含む構造を備えるアルコキシチタン化合物、チタンアシレート化合物又はチタンキレート化合物であることにより、プライマー層が基材やコーティング皮膜と化学的に結合し、密着性をより高くすることができる。
請求項7に係る発明によれば、チタン有機化合物がチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)であることにより、密着性のより高いプライマー層を得ることができる。
請求項8に係る発明によれば、請求項1乃至7いずれか記載のプライマー組成物からなるプライマー層であることにより、基材とコーティング皮膜の密着性が高く、且つ耐久性も高いプライマー層となる。
請求項9に係る発明によれば、基材上に請求項8に記載のプライマー層が形成され、該プライマー層上にコーティング皮膜が形成された皮膜体であることにより、基材とコーティング皮膜の密着性が高く、且つ耐久性も高い皮膜体となる。
請求項10に係る発明によれば、前記コーティング皮膜がポリアリールケトン系樹脂からなることにより、コーティング皮膜とプライマー層の密着力をより向上させることができる。
請求項10に係る発明によれば、前記基材が金属、セラミック、ガラスのいずれかであることにより、様々な基材にコーティング皮膜を形成することができる。
以下、本発明に係るプライマー組成物及びプライマー組成物からなるプライマー層の実施形態について説明する。
本実施形態に係るプライマー組成物及びプライマー層は下記(A),(B)を含有する。
(A)ポリアリールケトン系樹脂
(B)チタン有機化合物
上記(A),(B)を含有することにより、基材とコーティング皮膜の密着性が高く、高温スチーム等の負荷に曝されたとしても密着性を長時間維持できる耐久性の高いプライマー層となる。
その理由は、チタン有機化合物がポリアリールケトン系樹脂とともに焼成されることにより、有機残基を有するTi−O−Ti構造がポリアリールケトン系樹脂中に形成され、チタン有機化合物が基材と化学的に結合するためである。つまり、チタン有機化合物のみをチタンカップリング剤として基材に塗布した後、その上にポリアリールケトン系樹脂等からなるコーティング皮膜を形成しても優れた密着性・耐久性を得ることはできないが、ポリアリールケトン系樹脂とチタン有機化合物を混合して塗布し、その上にコーティング皮膜を形成することにより、優れた密着性・耐久性を得ることができる。
このとき、チタン有機化合物におけるチタンの含有量は、チタン有機化合物中のチタンとポリアリールケトン系樹脂の合計重量に対して4〜19重量%である。これにより、優れた密着性及び耐久性を有するプライマー層となる。
なお、チタンの含有量を規定したのは、プライマー層を形成する際、チタン有機化合物が熱分解し、チタン有機化合物の含有量は変化するが、チタンの含有量は変化しないからである。
本発明に用いるポリアリールケトン系樹脂としては、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)から選択される1種以上であることが、耐スチーム性及び耐薬品性の観点から好ましい。
また、ポリアリールケトン系樹脂としてPEEKを用いる場合、PEEKの平均粒径は0.05μm〜100μmであるのが好ましく、0.1μm〜50μmであることがより好ましい。0.05μm未満の場合、1回に形成できるプライマー層の厚みが小さくなり過ぎて形成に時間を要し、100μmより大きい場合、プライマー層の形成が困難となるからである。
チタン有機化合物としては、チタン有機化合物がTi(IV)又はTi(III)と、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する化合物によって合成されるTi−O−C結合を含む構造を備えるアルコキシチタン化合物、チタンアシレート化合物又はチタンキレート化合物が好ましく、特にチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)が好ましい。その理由は、Ti−O−CのO−C結合が解離し、Oが基材と化学的に結合するため、基材とコーティング皮膜との密着性を確実に高めることができるからである。
また、本発明のプライマー組成物(プライマー層)には、無機フィラー(酸化アルミニウム、炭化珪素、酸化チタン、二硫化モリブデン、カーボン、金属等)や導電材を充填材として添加してもよい。
また、本発明には、基材の上にプライマー組成物からなるプライマー層を形成し、その上にコーティング皮膜を形成した皮膜体も含まれる。
基材としては金属、セラミック、ステンレス、ガラスなどが好ましい。
但し、本発明に用いられる基材としては、プライマー層及びコーティング皮膜の形成時の焼付け温度に耐え得るものであれば特に限定されない。また、基材の表面に予め表面処理(ブラスト処理、メッキ処理、シランカップリング処理、チタンカップリング処理等)を施してもよい。
プライマー層は、プライマー組成物をスプレー法にて基材上に塗布し、焼き付けることで形成すればよい。コーティング皮膜の焼付けの条件としては例えば360℃〜450℃の温度で5〜180分間焼付ける条件が例示されるが、特に限定されるものではない。
焼付けは、例えば電気炉を用いて行うことができる。
コーティング皮膜はポリアリールケトン系樹脂が好ましい。本発明のプライマー層との密着性が高まるからである。
コーティング皮膜にポリアリールケトン系樹脂を用いる場合、プライマー層上にポリアリールケトン系樹脂を任意の方法にて塗布し、焼付けを行うことにより形成する。焼き付けの条件としては例えば360℃〜450℃の温度で5〜180分間焼き付ける条件が例示されるが、特に限定されるものではない。
また、焼付け後の冷却条件は特に限定されないが、コーティング皮膜に求める性能に応じて徐冷若しくは急冷することによってコーティング皮膜の結晶化度を変化させることができ、皮膜の硬度や柔軟性を制御することができる。
なお、上記実施形態のプライマー組成物(プライマー層)では、ポリアリールケトン系樹脂とチタン有機化合物を含有したが、さらに、フッ素樹脂を含有したものも本発明には含まれる。フッ素樹脂を含有した場合、より高い密着性を得ることができる。
この場合、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量は、チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂、フッ素樹脂の合計重量の4〜19重量%である。それにより、高い密着性を長時間維持することができる(耐久性を向上させることができる)からである。
また、フッ素樹脂の含有量は、ポリアリールケトン系樹脂とフッ素樹脂の合計重量に対して40重量%以下であることが好ましい。それにより、高温スチーム等の負荷に曝されても、より長時間、密着性を維持することができる。
本発明に用いるフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選択される1種以上を用いることが、耐スチーム性及び耐薬品性の観点から好ましい。
また、フッ素樹脂としてPFAを用いる場合、PFAの平均粒径は0.05μm〜100μmであるのが好ましく、0.1μm〜50μmであることがより好ましい。0.05μm未満であると1回に形成できるプライマー層の厚みが小さくなり過ぎて形成に時間を要し、100μmより大きくなるとプライマー層の形成が困難となるからである。
以下、本発明に係るプライマー層の実施例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
まず、本実施例に用いるコーティング皮膜の形成方法について説明する。
本実施例に用いるコーティング皮膜を有する皮膜体を形成するために、まず基材上にブラスト処理を行なった。
基材としてはSUS304(2mm厚、100mm×200mm)を用いた。
その後、基材上にプライマー組成物をスプレー塗装で塗布し、365℃にて20分焼付け、約50μmの厚みのプライマー層を得た。このプライマー層上にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を2コートコーティングし、全体膜厚約150μmのコーティング皮膜を形成することで、本実施例に係る皮膜体を形成した。
以下、本実施例で用いるプライマー組成物(プライマー層)及びコーティング皮膜についてより詳しく説明する。
表1は実施例1〜23及び比較例1〜10の配合例を示す表であり、表1中(i)〜(iii)を配合し、攪拌機で1分間混合することで実施例1〜23及び比較例1〜10に用いるプライマー組成物を得た。
また、プライマー層の上に形成するコーティング皮膜は(i)を用いて形成した。
なお、表1中の(i)はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を含有する塗料、(ii)はテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)を含有する塗料、(iii)はチタン有機化合物であるチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)を含有する薬品であり、具体的には以下の通りである。
(i)VICOAT804(ビクトレックスジャパン株式会社製、39重量%のPEEK樹脂を含有する塗料であり、含有するPEEKの平均粒径は10μm)
(ii)EM-514CL(三井・デュポンフルオロケミカル株式会社製 40重量%のPFA樹脂を含有する塗料であり、含有するPFAの平均粒径は0.2μm)
(iii)オルガチックスTC-400(松本製薬工業株式会社製 80重量%のチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)を含有する薬品であり、残部はイソプロピルアルコールで、薬品全体のチタン含有量は約8.3重量%)
また、表1中(a)、(b)は以下の数値を示す。
(a)PEEK及びPFAの合計重量に対するPFAの含有量(重量%)
(b)チタン有機化合物に含有されるチタン、PEEK、PFAの合計重量に対するチタン有機化合物に含有されるチタンの含有量(重量%)
Figure 0004227190

表1に示す実施例1〜23及び比較例1〜10のプライマー層について以下の(1)〜(3)の評価試験(評価試験(3)は実施例1〜20のみ)を行い、実施例1〜20の評価結果を表2に、実施例21〜23及び比較例1〜10の評価結果を表3に示した。
(1)初期密着性
スチームに曝す前のコーティング皮膜に対して、密着性をクロスカット法(JIS K5600-5-6:1999)にて初期密着性を評価した。但し、評価は2mm間隔、25マスにて行った。そして、JIS K5600-5-6:1999に規定されている評価基準に従い、各結果を0〜5に分類した(0が一番優れている)。また表中の括弧内には、剥がれなかった部分の数を記載した。但し、半分以下の剥離しか認められなかった部分は0.5として剥離をカウントした。(例:剥離が無い場合25/25、10箇所剥離した場合15/25)
(2)スチームテスト後の密着性(I)
オートクレーブにてコーティング皮膜全体が蒸気に曝露するようにセットし、140℃60分のスチーム条件に曝し、加圧蒸気を排気した後、80℃まで放冷する負荷を与えた。その後、コーティング皮膜に対して、密着性をクロスカット法(JIS K5600-5-6:1999)にて評価した。評価は2mm間隔、25マスにて行った。そして、JIS K5600-5-6:1999に規定されている評価基準に従い、各結果を0〜5に分類した(0が一番優れている)。また表中の括弧内には、剥がれなかった部分の数を記載した。但し、半分以下の剥離しか認められなかった部分は0.5として剥離をカウントした。(例:剥離が無い場合25/25、10箇所剥離した場合15/25)
(3)スチームテスト後の密着性(II)
スチームテスト後の密着性(I)の評価を終えたサンプルについて、4サイクルオートクレーブにてコーティング皮膜全体が蒸気に曝露するようにセットし、スチームテスト後の密着性(I)と合わせて合計5サイクルの140℃60分のスチーム条件に曝し、コーティング皮膜に対して、密着性をクロスカット法(JIS K5600-5-6:1999)にて評価した。評価は2mm間隔、25マスにて行った。そして、JIS K5600-5-6:1999に規定されている評価基準に従い、各結果を0〜5に分類した(0が一番優れている)。また表中の括弧内には、剥がれなかった部分の数を記載した。但し、半分以下の剥離しか認められなかった部分は0.5として剥離をカウントした。(例:剥離が無い場合25/25、10箇所剥離した場合15/25)
Figure 0004227190
Figure 0004227190
表2,3に示す如く、実施例1〜23では、初期密着力に優れている。また、スチームテスト後の密着力は、フッ素樹脂の割合が多くなり過ぎると若干の低下は見られるものの、高い値を維持している。
しかし、比較例1〜10では、初期密着力ですら良好でないものも多く、初期密着力が良好であったとしても、スチームテスト後の密着力については良好な結果がでていない。
以上の結果より、チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂、フッ素樹脂(フッ素樹脂は含有しなくてもよい)の合計重量に対する、チタン有機化合物に含有されるチタンの含有量が4〜19重量%であるとき、初期密着力だけでなく、スチーム条件などの過酷な条件に対する耐久性にも優れたプライマー層を得ることができることがわかる。
また、フッ素樹脂を含有する場合では、実施例6〜20が実施例21〜23に比してスチームテスト後の密着力が優れていることがわかる。つまり、フッ素樹脂を含有する場合、ポリアリールケトン系樹脂(PEEK等)とフッ素樹脂(PFA等)の合計重量に対するフッ素樹脂の含有量を40重量%以下とすることで、スチームテスト後の密着力(耐久性)が向上することがわかる。
本発明に係るプライマー組成物及びプライマー層は、ポリアリールケトン系樹脂等のコーティング皮膜を基材上に形成するのに好適に利用可能である。

Claims (11)

  1. ポリアリールケトン系樹脂及びチタン有機化合物を含有し、
    チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂の合計重量に対する、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量が4〜19重量%であることを特徴とするプライマー組成物。
  2. ポリアリールケトン系樹脂、チタン有機化合物、フッ素樹脂を含有し、
    チタン有機化合物に含有されるチタン、ポリアリールケトン系樹脂、フッ素樹脂の合計重量に対する、チタン有機化合物に含まれるチタンの含有量が4〜19重量%であることを特徴とするプライマー組成物。
  3. ポリアリールケトン系樹脂とフッ素樹脂の合計重量に対するフッ素樹脂の含有量が40重量%以下であることを特徴とする請求項2記載のプライマー組成物。
  4. ポリアリールケトン系樹脂がポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のプライマー組成物。
  5. フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選択される1種以上であることを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載のプライマー組成物。
  6. チタン有機化合物がTi(IV)又はTi(III)と、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する化合物によって合成されるTi−O−C結合を含む構造を備えるアルコキシチタン化合物、チタンアシレート化合物又はチタンキレート化合物であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のプライマー組成物。
  7. チタン有機化合物がチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)であることを特徴とする請求項6記載のプライマー組成物。
  8. 請求項1乃至7いずれか記載のプライマー組成物からなるプライマー層。
  9. 基材上に請求項8に記載のプライマー層が形成され、該プライマー層上にコーティング皮膜が形成された皮膜体。
  10. 前記コーティング皮膜がポリアリールケトン系樹脂からなることを特徴とする請求項9記載の皮膜体。
  11. 前記基材が金属、セラミック、ステンレス、ガラスのいずれかであることを特徴とする請求項9又は10記載の皮膜体。
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