JP4226263B2 - 半導体素子基板の作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子基板の作製方法に関する。具体的には、有機樹脂膜を有する半導体素子基板の作製において、有機樹脂膜をエッチング処理した後、有機樹脂膜を膨潤させることなくエッチング時に用いたレジスト膜を剥離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置や発光装置などの半導体装置を製造する際には、通常基板上にスピンコート法や、スパッタリング法などの成膜技術を用いて薄膜を形成し、その表面にレジストを塗布した後、フォトリソグラフィー技術により所定のパターンを形成することによりレジスト膜を形成し、次いで、このレジスト膜をマスクとして非マスク部のエッチングを行い、薄膜のパターニングを行った後、残存するレジスト膜を除去するという工程が採られている。
【0003】
例えば、アクリル系樹脂やポリイミド系樹脂等からなる有機樹脂膜をパターニングする場合には、レジスト膜で覆われた部分を残してエッチング処理を行った後で、レジスト剥離液によりレジスト膜を除去する方法が用いられている。
【0004】
しかしながら、このレジスト膜の除去の際に、アクリル系樹脂やポリイミド系樹脂等の有機絶縁膜が剥離液により膨潤してしまうため、次の工程で配線等を形成するための導電性膜を形成するといった場合に成膜不良などのトラブルが発生するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では有機樹脂膜を有する半導体素子基板の作製において、アクリル系樹脂やポリイミド系樹脂等の有機樹脂膜のパターン形成時、または、これらの有機樹脂膜上に形成される薄膜のパターン形成時にレジスト膜を用いたエッチング処理を行った後、有機樹脂膜を膨潤させることなくレジスト膜を除去する方法について提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機樹脂膜を有する半導体素子基板の作製方法は、基板上に半導体素子が実装され、かつ有機樹脂膜からなる絶縁膜をその一部に含む半導体素子基板の作製方法であって、有機樹脂膜のパターニングのために有機樹脂膜上に形成されたレジスト膜を剥離する際(レジスト膜の剥離後も含む)に有機樹脂膜が露出し、露出した有機樹脂膜の表面から剥離液が有機樹脂膜内部に浸透するのを防ぐための機能を有機樹脂膜に設けることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明において有機樹脂膜が有する剥離液の浸透を防ぐための機能としては、有機樹脂膜表面に対してプラズマ処理をすることにより親水性を有する膜表面の形成や、有機樹脂膜の表面に珪素を含む絶縁膜(窒化珪素、酸化珪素および窒化酸化珪素)を形成するといった方法を用いる。
【0008】
前者の場合には、有機樹脂膜の表面に対して反応性ガスであるN2、O2、または非反応性ガスであるAr、Heを用いてプラズマ処理を行うことにより、有機樹脂膜の表面における接触角を小さくし、その表面特性を親水性にした後で、剥離液を用いてレジスト膜を剥離することを特徴とする。なお、本発明において、有機樹脂膜表面は、上記ガスを用いた場合におけるプラズマ処理を5sec以上行うことにより、有機樹脂膜表面の水に対する接触角を40°以下とすることができるので、有機樹脂膜表面の水に対する接触角が40°以下となることにより、有機樹脂膜の表面特性が改善されたこととする。なお、レジスト膜の剥離後に露出する有機樹脂膜の表面(すなわち、レジスト膜と接している有機樹脂膜の表面)に関しては、レジスト膜を形成する前に予め同様のプラズマ処理を行うこととする。
【0009】
以上のように、有機樹脂膜の表面状態をプラズマ処理による変化させることにより、剥離液が有機樹脂膜内部へ浸透するのを防止することができる。これにより、レジスト膜の剥離時における有機樹脂膜の膨潤を防止することができる。
【0010】
後者の場合においても、パターン形成される有機樹脂膜が珪素を含む絶縁膜とプラズマ処理により改質された表面で覆われているため、剥離液の有機樹脂膜へ浸透を防止することができ、レジスト膜の剥離時における有機樹脂膜の膨潤を防止することができる。
【0011】
さらに、本発明においては、パターン形成された有機樹脂膜上に他の材料からなる薄膜をパターン形成する場合においても用いることができる。
【0012】
例えば、パターン形成された有機樹脂膜上に配線を形成する場合においては、有機樹脂膜上に導電膜が形成され、導電膜をエッチングすることにより配線パターンを形成する場合には、レジスト膜をパターン形成してエッチングを行う。なお、この場合においても、導電膜のエッチング後に表面に露出した有機樹脂膜がレジスト膜を剥離する際に剥離液により膨潤してしまう。
【0013】
そのため、このような場合においても、レジスト膜を剥離液により剥離する前に表面に露出する有機樹脂膜をプラズマ処理することにより、有機樹脂膜の表面特性を改善し、剥離液が有機樹脂膜内部へ浸透するのを防ぐ機能を持たせることは有効である。
【0014】
なお、本発明において剥離液としては、公知のものを用いることができる。
【0015】
以上により、本発明における発明の構成は、有機樹脂膜を有する半導体素子基板の作製において、基板上に半導体素子を形成するソース、ドレインおよびチャネル領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極を覆って有機樹脂膜を形成し、前記有機樹脂膜表面にN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行うことにより前記有機樹脂膜表面における水に対する接触角を40°以下とし、前記有機樹脂膜上にレジスト膜をパターン形成し、前記レジスト膜に覆われた部分を残して、前記有機樹脂膜をエッチングし、前記エッチング処理により露出した前記有機樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行うことにより前記有機樹脂膜表面における水に対する接触角を40°以下とすることを特徴とする半導体素子基板の作製方法である。
【0016】
また、本発明における別の構成は、アクリル樹脂膜を有する半導体素子基板の作製において、基板上に半導体素子を形成するソース、ドレインおよびチャネル領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極を覆ってアクリル樹脂膜を形成し、アクリル樹脂膜表面にN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行うことにより前記アクリル樹脂膜表面における水に対する接触角を40°以下とし、前記アクリル樹脂膜上にレジスト膜をパターン形成し、前記レジスト膜に覆われた部分を残して、前記アクリル樹脂膜をエッチングし、前記エッチング処理により露出した前記アクリル樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行うことにより前記アクリル樹脂膜表面における水に対する接触角を40°以下とすることを特徴とする半導体素子基板の作製方法である。
【0017】
さらに、本発明における別の構成は、有機樹脂膜を有する半導体素子基板の作製において、基板上に半導体素子を形成するソース、ドレインおよびチャネル領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極を覆って有機樹脂膜をパターン形成し、パターニングされた有機樹脂膜表面にN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行うことにより前記有機樹脂膜表面における水に対する接触角を40°以下とし、前記有機樹脂膜上に前記ソースと電気的に接続された導電膜を形成し、前記導電膜上にレジスト膜をパターン形成し、前記レジスト膜に覆われた部分を残して、前記導電膜をエッチングし、前記エッチングにより前記プラズマ処理された前記有機樹脂膜の一部が露出することを特徴とする半導体素子基板の作製方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
次に、本発明の実施の形態を、図1に示す作製工程を参照して説明する。また、図2には、本発明において用いたプラズマ照射装置を示す。
【0019】
図1(A)において、基板101上に有機樹脂膜102が形成されている。なお、ここで形成される有機樹脂膜を形成する材料としては、ポリアミド系の有機樹脂またはポリイミド系の有機樹脂の他、アクリル樹脂を用いることができる。具体的には、ポリイミド、ポリアミド、アクリル(感光性アクリルを含む)、BCB(ベンゾシクロブテン)等が挙げられる。また、有機樹脂膜の成膜方法としては塗布法、またはスピンコート法を用いることができる。
【0020】
次に、有機樹脂膜表面のプラズマ処理を行う。なお、図2に示すプラズマ処理装置はICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)によるプラズマ処理を行う装置であり、処理室201の上部の石英板202上にアンテナコイル203を配置し、マッチングボックス204を介してICP RF電源205に接続されている。一方、対向に配置された基板側の電極(下部電極)206にもマッチングボックス207を介してBias RF電源208が接続されている。なお、図1(A)において、有機樹脂膜が形成された基板101はプラズマ処理装置の処理室201内に配置され、下部電極206上に備えられる。
【0021】
また、ガス供給部209からはN2、O2、Arといったガスが処理室201に供給される。
【0022】
なお、ガス流量比は、適宜検討して最適な条件とすればよいが、ここでは、その流量を60〜150(sccm)とするのが好ましい。なお、ここでは、下部電極206にBias RF電源208から100WのRF電力を投入し、3.7Paの圧力でアンテナコイル203に700WのRF電力を投入することによりプラズマを発生させ、基板上の有機樹脂膜表面のプラズマ処理を行うことができる。また、有機樹脂表面のプラズマ処理の時間としては、5〜150secで行うのが好ましい。
【0023】
このプラズマ処理により、図1(A)に示す有機樹脂膜表面にはプラズマ処理の効果が及ぶ。なお、すなわち、有機樹脂膜表面に窒素が導入されることにより、有機樹脂膜表面が親水性を有する表面に改質される。プラズマ処理により改質された有機樹脂膜の表面には、後工程におけるレジスト膜の剥離の際に有機樹脂膜内部に剥離液が浸透して有機樹脂膜が膨潤するのを防止する機能を有する第1のバリア膜103が形成される。
【0024】
ここで、図3に有機樹脂膜表面をプラズマ処理した後で、水に対する接触角を測定した結果を示す。なお、用いる有機樹脂膜はアクリル(オプトマーSS6699G(JSR製))であり、プラズマ処理の際に導入したガスは、N2、O2、Arである。そして、プラズマ処理を行ったアクリル上に純水を垂らし、接触角測定機により接触角を測定した。これにより、プラズマ処理後の有機樹脂膜表面の接触角は、N2、O2、Arのいずれを用いた場合にも小さくなるという結果が得られた。
【0025】
なお、接触角が小さくなることから、有機樹脂膜の表面がプラズマ処理前に比べて親水性が増していることが分かる。
【0026】
以上のプラズマ処理により有機樹脂膜表面にバリア膜103が形成されたところで、第1のバリア膜103上にレジストを塗布する。なお、レジスト塗布後にフォトリソグラフィーによりレジストを所定の形状にパターニングし、図1(B)に示すようにレジスト膜104を形成する。
【0027】
次に、有機樹脂膜102の一部であって、レジスト膜104に覆われていない部分をエッチングする。
【0028】
本実施の形態1では、ドライエッチング法を用いてレジスト膜104に覆われていない部分の有機樹脂膜102をエッチングする。この場合のエッチング条件としては、CF4とO2とHeとを原料ガスに用い、それぞれのガス流量比を5/95/40(sccm)とし、基板側(試料ステージ)に500WのRF(13.56MHz)電力を投入し、66.5Paの圧力でプラズマを生成してエッチングを行う。以上により、図1(C)に示す構造を得る。
【0029】
さらに、エッチングが終了したところで、再びプラズマ処理を行う。なお、ここで行うプラズマ処理の方法としては、先に図1(A)に説明したのと同じ方法で行う。そして、このプラズマ処理により、エッチング後に露出した有機樹脂膜102の側面部分(図1(C)の領域a(105))の表面改質を行うことができる。すなわち、図1(D)の領域a(105)にも同様に第2のバリア膜106が形成される。
【0030】
以上のように、有機樹脂膜の露出面および、レジスト膜と有機樹脂膜との界面にプラズマ処理によりバリア膜(第1のバリア膜103および第2のバリア膜106)を形成したところで、レジスト剥離液を用いて、レジスト膜104を剥離する(図2(E))。なお、剥離の方法としては、O−ジクロルベンゼンを主成分(56wt%)とし、フェノール(23wt%)、アルキルベンゼンスルホン酸(21wt%)を成分とする「710剥離液」(東京応化工業製)にレジスト膜104を基板101と共に10分間、浸けることにより剥離を行う。また、この時基板101上に存在する有機樹脂膜102は、基板との接触面以外は全てプラズマ処理により、表面改質がなされているため、有機樹脂膜102の内部に剥離液が浸透するのを防ぐことができる。よって、レジスト剥離時に剥離液によって有機樹脂膜102が膨潤するのを防ぐことができる。
【0031】
なお、ここで有機樹脂膜の表面をプラズマ処理することにより生じる、有機樹脂膜を剥離液に浸けた際の有機樹脂膜の膨潤防止効果について、レジスト剥離処理の前後における有機樹脂膜の状態について、剥離液浸積時間に対する有機樹脂膜の膜厚の測定を行った。結果を図4に示す。なお、測定に用いる有機樹脂膜はアクリル(オプトマーSS6699G(JSR製))であり、プラズマ処理の際に導入したガスは、N2、O2、Arである。さらにプラズマ処理時間の異なる場合(10sec、30sec)についても測定した。
【0032】
また、図4のグラフにおいて、横軸に有機樹脂膜の剥離液への浸積時間(min)をとり、縦軸に有機樹脂膜の膜厚を取っている。なお、浸積時間に伴う膜厚変化が小さい程、バリア膜の効果が大きく、剥離液の浸透に伴う有機樹脂膜の膨潤を防ぐ効果を有しているということができる。図4に示す結果からは、N2ガスを用いてプラズマ処理を行うことにより形成したバリア膜が有機樹脂膜の膨潤に最も効果のあるという結果が得られた。
【0033】
なお、図3に示す接触角の結果と、図4に示した有機樹脂膜の耐膨潤性向上の結果から、表面状態の変化が小さく、かつ接触角を小さくすることができるN2を用いたプラズマ処理が有機樹脂膜の膨潤を防止するためのバリア膜の形成に最も適していることが分かった。
【0034】
以上により、有機樹脂膜の表面をプラズマ処理することにより、有機樹脂膜を剥離液に浸した際に生じる有機樹脂膜の膨潤を防ぐ機能を有するバリア膜の形成が可能となった。
【0035】
(実施の形態2)
実施の形態1では、有機樹脂膜とレジスト膜との界面にバリア膜が形成するために、有機樹脂膜を形成した後で、有機樹脂膜の表面をプラズマ処理し、レジスト膜を形成するという方法について示したが、本発明では、有機樹脂膜上に絶縁膜を形成し、実施の形態1で示した有機樹脂膜表面のプラズマ処理により形成されたバリア膜の代わりとすることもできる。
【0036】
図5(A)に示すように基板501上に有機樹脂膜502が形成された後、有機樹脂膜502上に絶縁膜503が形成される。なお、本実施の形態2では、有機樹脂膜502は、アクリルからなる膜を塗布法により1.0〜2.0μmの膜厚に形成する。なお、その他の有機樹脂材料としてはアクリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を用いることができる。
【0037】
また、有機樹脂膜502上に形成される絶縁膜503としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素などの珪素を含む絶縁材料を用いることができる。本実施の形態2においては、スパッタリング法により窒化珪素膜もしくは酸化窒化珪素膜からなる絶縁膜503を100nmの膜厚で形成する。
【0038】
なお、ターゲットは珪素を用い、スパッタガスにN2およびArとを用い、それぞれのガスの流量比を20/20(sccm)とする。また、成膜時の圧力は0.4Pa、成膜電力は800Wで、半径6inchの円型ターゲットを用いる。なお、成膜温度は、室温〜200℃程度で行うことができるが、本実施の形態2では.200℃で成膜を行う。
【0039】
絶縁膜503が形成されたところで、絶縁膜503上にレジストを塗布する。なお、レジスト塗布後にフォトリソグラフィーによりレジストを所定の形状にパターニングし、レジスト膜504を形成する。さらに、有機樹脂膜502の一部であって、レジスト膜504に覆われていない部分をエッチングする(図5(B))。
【0040】
まず、レジスト膜504に覆われていない部分の絶縁膜503をエッチングする。この場合のエッチング条件としては、CF4とO2とHeとを原料ガスに用い、それぞれのガス流量比を40/60/35(sccm)とし、基板側(試料ステージ)に400WのRF(13.56MHz)電力を投入し、53.2Paの圧力でプラズマを生成してエッチングを行う。
【0041】
次にレジスト膜504に覆われていない部分の有機樹脂膜502をエッチングする。この場合のエッチング条件としては、CF4とO2とHeとを原料ガスに用い、それぞれのガス流量比を5/95/40(sccm)とし、基板側(試料ステージ)に500WのRF(13.56MHz)電力を投入し、66.5Paの圧力でプラズマを生成してエッチングを行う。以上により、図5(B)に示す構造を得る。
【0042】
さらに、エッチングが終了したところで、プラズマ処理を行う。なお、ここで行うプラズマ処理の方法としては、実施の形態1で示したのと同様に図2に示す処理室内でN2ガスを用いてプラズマ処理を行う。ここで処理室に供給されるN2ガスの流量は80sccmであり、処理時間を20secとする。なお、高周波電源205に印加される電圧や、RF発振周波数は、実施の形態1に示すのと同じ条件で行うものとする。
【0043】
そして、このプラズマ処理により、エッチング後に露出した有機樹脂膜502および絶縁膜503の側面部分(図5(C)の領域b(505))の表面改質を行うことができる。すなわち、図5(D)の領域b(505)にバリア膜が形成される。
【0044】
最後に、レジスト膜504を剥離することにより、絶縁膜503およびプラズマ処理により形成されたバリア膜で覆われた有機樹脂膜502が得られる。なお、本実施の形態2において、レジスト膜504の剥離は、実施の形態1で示したものと同じ「710剥離液」を用いて行う。また、本実施の形態2において、有機樹脂膜502は、絶縁膜503およびバリア膜で覆われているので、レジスト膜504を剥離するために有機樹脂膜502を剥離液に浸けた場合において、剥離液により有機樹脂膜502が膨潤することなくレジスト膜504の剥離を行うことができる。
【0045】
(実施の形態3)
本実施例では、有機樹脂膜として感光性アクリルを用いた場合であって、さらに有機樹脂膜上に導電膜から成る配線をパターニングする場合について、図6を用いて説明する。
【0046】
図6において、基板601上に感光性の有機樹脂材料からなる有機樹脂膜602を形成する。なお、ここで用いる有機樹脂材料としては感光性アクリル、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド等を用いることができるが、本実施例では、感光性アクリルを用いて形成する。
【0047】
次に、有機樹脂膜602をフォトリソグラフィー法でパターニングすることにより、図6(B)に示す構造が得られる。そして、パターニングされた有機樹脂膜602の表面をプラズマ処理する。これにより、有機樹脂膜602の表面にバリア膜603が形成される。
【0048】
なお、ここで行うプラズマ処理の方法としては、実施の形態1で示したのと同様に図2に示す処理室201の内部にN2ガスを用いてプラズマ処理を行う。ここで処理室201に供給されるN2ガスの流量は80sccmであり、処理時間を20secとする。なお、高周波電源205に印加される電圧や、RF発振周波数は、実施の形態1に示すのと同じ条件で行うものとする。
【0049】
そして、このプラズマ処理により、有機樹脂膜602の露出表面における表面改質を行うことができる。すなわち、有機樹脂膜602の露出表面にバリア膜603を形成することができる。
【0050】
次に、図6(D)に示すようにバリア膜603上に導電膜604を形成する。
【0051】
なお、導電膜604に用いる材料としては、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料を用いて形成する。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、Ag:Pd:Cu合金を用いてもよい。本実施の形態3においては、膜厚100nmのチタン膜、膜厚350nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚100nmのチタン膜を順次積層した3層構造とする。
【0052】
そして、導電膜604をパターニングするためのマスクとなるレジスト膜605をフォトリソグラフィー法により所望の位置に形成した後、レジスト膜605に覆われた部分を残して導電膜604をエッチングし、配線606を形成する。
【0053】
なお、導電膜604のエッチングには、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いる。また、この時の条件としては、基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。なお、基板側の電極面積サイズは、12.5cm×12.5cmであり、コイル型の電極面積サイズ(ここではコイルの設けられた石英円板)は、直径25cmの円板である。
【0054】
なお、本実施の形態3における導電膜604は、3層構造であることから、エッチング条件を変えながら、エッチングを行う。
【0055】
ここでのエッチング条件としては、BCl3とCl2とを原料ガスに用い、それぞれのガス流量比を60/20(sccm)とし、基板側(試料ステージ)に100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、1.2Paの圧力でコイル型の電極に450WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、エッチングを行う。
【0056】
最後に、配線606上のレジスト膜605を剥離液により剥離することにより、有機樹脂膜上に配線パターンが形成される。なお、本実施の形態3において、レジスト膜605の剥離は、実施の形態1で示したものと同じ「710剥離液」を用いて行う。また、本実施の形態3において、感光性アクリルからなる有機樹脂膜602は、バリア膜603で覆われているので、レジスト膜605を剥離するために有機樹脂膜602を剥離液に浸けた場合において、剥離液により有機樹脂膜502が膨潤することなくレジスト膜605の剥離を行うことができる。
【0057】
(実施の形態4)
本実施の形態においては、本発明のプラズマ処理がなされた有機樹脂膜をその一部に含む半導体素子基板について図7を用いて説明する。
【0058】
図7において、基板701上に島状の半導体膜が形成されており、半導体膜の一部に不純物を添加することによりソース702およびドレイン703を形成する。なお、半導体膜の一部であって、不純物が添加されていない領域にはチャネル領域704が形成されている。
【0059】
また、ソース702、ドレイン703及びチャネル領域704を覆ってゲート絶縁膜705が形成されている。なお、ゲート絶縁膜705は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素といった珪素を含む絶縁膜で形成される。
【0060】
また、チャネル領域704上にゲート絶縁膜705を介してゲート電極706が形成されており、ゲート電極706上に有機樹脂膜からなる層間絶縁膜707が形成されている。
【0061】
なお、層間絶縁膜707は、有機樹脂膜を成膜した後、本発明のN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行うことにより、有機樹脂膜の表面特性を改質した後、レジスト膜を用いたパターニングにより有機樹脂膜の一部をエッチングして形成される。ここでは、有機樹脂膜の部分エッチング後にも再びN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理が行われている。
【0062】
そして、剥離液を用いてレジスト膜を剥離した後、導電膜からなるソース電極、ドレイン電極、その他の配線を形成することにより、基板701上に図7(A)に示すような半導体素子を形成される。
【0063】
さらに、本実施の形態4では、実施の形態3で示したように、層間絶縁膜を形成する材料を感光性の有機樹脂材料を用いて形成し、さらに有機樹脂膜上に導電膜をパターン形成することにより、半導体素子が形成される場合について図7(B)を用いて説明する。
【0064】
図7(B)において、基板221上には、ソース222、ドレイン223、およびチャネル領域224が形成され、チャネル領域224上には、ゲート絶縁膜725を介してゲート電極726が形成されている。
【0065】
さらに、ゲート電極726を覆って形成される層間絶縁膜727は、感光性の有機樹脂膜で形成されており、フォトリソグラフィー法によるパターニングの後、本発明のプラズマ処理を行うことにより、有機樹脂膜表面の表面改質がなされている。
【0066】
また、層間絶縁膜727と接して形成されるソース電極229、ドレイン電極230、その他の配線は、有機樹脂膜上に形成された導電膜をレジスト膜を用いてパターニングすることにより形成される。
【0067】
最後に剥離液を用いてレジスト膜を剥離することにより、基板701上に図7(B)に示すような半導体素子が形成される。
【0068】
【発明の効果】
本発明を実施することにより、有機樹脂膜を有する半導体素子基板の作製において、有機樹脂膜表面を予めプラズマ処理することにより、露出する有機樹脂膜の表面に剥離液が浸透するのを防ぐための機能を設けることができるため、有機樹脂膜を膨潤させることなくパターン形成時に用いたレジスト膜を剥離することができる。これにより、レジスト膜剥離後の工程で、有機樹脂膜上に薄膜を形成する際に生じる成膜不良などの問題を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体素子基板の作製方法について説明する図。
【図2】 プラズマ処理室について説明する図。
【図3】 有機樹脂膜表面の接触角を測定したデータ。
【図4】 剥離液の浸積時間に伴う有機樹脂膜の膜厚変化を測定したデータ。
【図5】 本発明の半導体素子基板の作製方法について説明する図。
【図6】 本発明の半導体素子基板の作製方法について説明する図。
【図7】 本発明により形成された半導体素子基板について説明する図。
【符号の説明】
101 基板
102 有機樹脂膜
103 第1のバリア膜
104 レジスト膜
106 第2のバリア膜
Claims (5)
- 基板上に有機樹脂膜を形成し、
前記有機樹脂膜の膜表面における水に対する接触角が40°以下となるように前記有機樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いた第1のプラズマ処理を行い、
前記有機樹脂膜上にレジスト膜をパターン形成し、
前記レジスト膜に覆われた部分を残して前記有機樹脂膜をエッチングし、
前記エッチングにより露出した前記有機樹脂膜の膜表面における水に対する接触角が40°以下となるように前記有機樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いた第2のプラズマ処理を行い、
剥離液を用いて前記レジスト膜を除去することを特徴とする半導体素子基板の作製方法。 - 基板上にアクリル樹脂膜を形成し、
前記アクリル樹脂膜の膜表面における水に対する接触角が40°以下となるように前記アクリル樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いた第1のプラズマ処理を行い、
前記アクリル樹脂膜上にレジスト膜をパターン形成し、
前記レジスト膜に覆われた部分を残して前記アクリル樹脂膜をエッチングし、
前記エッチングにより露出した前記アクリル樹脂膜の膜表面における水に対する接触角が40°以下となるように前記アクリル樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いた第2のプラズマ処理を行い、
剥離液を用いて前記レジスト膜を除去することを特徴とする半導体素子基板の作製方法。 - 基板上に有機樹脂膜を形成し、
前記有機樹脂膜上に酸化珪素、窒化珪素、または酸化窒化珪素からなる絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜上にレジスト膜をパターン形成し、
前記レジスト膜に覆われた部分を残して前記絶縁膜および前記有機樹脂膜をエッチングし、
前記エッチングにより露出した前記有機樹脂膜の膜表面における水に対する接触角が40°以下となるように前記有機樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行い、
剥離液を用いて前記レジスト膜を除去することを特徴とする半導体素子基板の作製方法。 - 基板上にソース、ドレイン、チャネル領域、および前記チャネル領域と重なる位置にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極を含む半導体素子を形成し、
前記半導体素子を覆って有機樹脂膜をパターン形成し、
パターン形成された前記有機樹脂膜の膜表面における水に対する接触角が40°以下となるように前記有機樹脂膜の膜表面にN2、O2、またはArガスを用いたプラズマ処理を行い、
前記有機樹脂膜上であって前記ソースおよび前記ドレインと接して導電膜を形成し、
前記導電膜上にレジスト膜をパターン形成し、
前記レジスト膜に覆われた部分を残して前記導電膜をエッチングし、
剥離液を用いて前記レジスト膜を除去することを特徴とする半導体素子基板の作製方法。 - 請求項3または請求項4において、
前記有機樹脂膜は、感光性アクリル、感光性ポリイミド、感光性ポリアミドのいずれか一であることを特徴とする半導体素子基板の作製方法。
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