JP4226222B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置及び画像形成装置に関し、特にデジタル複写機、及びレーザプリンタ等の書込系に用いられると共にバーコードリーダー等の読取系に用いられる光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光走査装置はパッケージングされた半導体レーザとカップリングレンズとの配置を調整組立した光源部、精密機械加工によるポリゴンミラーやガルバノミラー等の偏向器、複数枚で構成される走査レンズを含んで構成する光学ハウジングの所定の取付部にこれらの位置関係を高精度に管理しながら組付が行われるが、手作業に頼っているため小型化に限界があり、組付に多大なコストがかかるという欠点がある。
【0003】
これに対し、近年シリコンマイクロマシニング技術を利用した光走査デバイスの研究が進められており、特許第2,722,630号明細書、特許第2,668,725号明細書や特開平4−96014号公報に開示されるように半導体レーザチップ、軸受一体の偏向器を単一のシリコン基板上に集積した光走査装置の提案がなされている。半導体製造プロセスを用いるため、きわめて高い位置精度が確保でき、人手を介さず複数個同時に製造できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単一のシリコン基板上に光走査に関わる全ての機能を作り込むには製造プロセス上制限があり、単純に従来と同じレイアウトで一次元的に配置するだけでは基板サイズ的にも無駄が多い。また、薄膜形成とエッチングによるトリミングの繰り返しのため、ある程度厚みが必要な機能に対しては非常に効率が悪いという欠点がある。一方、半導体レーザや偏向器においては各々外部からの電源供給や制御信号のやり取りが必要であるが、光走査装置が小型化されることで電気配線の扱いがかえって厄介になるという問題がある。また、光学性能の劣化や短絡の要因となる塵、ほこりへの対策も当然必要になり、シリコン基板のままでは画像形成装置への組み込みを行うことができない。
【0005】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、光走査装置として小型モジュール化を実現するとともに、製作工程を簡素化することにより生産効率を向上できると共に、偏向器の可動部を小型、軽量化することで負荷を低減し消費電力の低減を図れる光走査装置及び画像形成装置を提供すること目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、発光源と、発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する、本発明に係る光走査装置は、偏向手段は、保持手段と該保持手段に保持された可動部を備え、発光源及び偏向手段と接続された電極を備え、偏向手段の保持手段を設けた電極基板と、少なくとも発光源を実装し、偏向手段の保持手段を貫通させる貫通孔を備えた光学基板と、発光源からの光ビームを偏向手段の可動部へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなるフレーム基板と、封止基板とを、電極基板、光学基板、フレーム基板、封止基板の順番で、順次積層して接合し、偏向手段の可動部は貫通孔を貫通した保持手段により光学基板上で保持されることにより発光源及び偏向手段の可動部を内包して密閉することに特徴がある。よって、内外の電気的な接続が容易に行うことができると共に、ハンダ付けにより光走査装置自体の固定が行うことができるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。また、偏向手段の可動部を密閉保持することにより騒音も低減できる。
【0007】
また、光学基板に、発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装したことにより、光源基板を層状に積み上げるだけで電気配線がなされ、発光源と偏向手段との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0009】
また、偏向手段により偏向走査された光ビームを積層面と非平行な方向へと射出する第2の反射手段を具備したことにより、走査装置を実装面にハンダ付け固定する際に実装面上での設置角度および位置を調節することで被走査面上での走査線の傾き及び走査位置を容易に合わせることができるので、ネジ締め等の作業も不要となり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0010】
更には第2の反射手段をフレーム基板に一体的に形成してなることにより、厄介な位置決めを行うことなく層状に積み上げるだけで射出方向の精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0011】
また、偏向手段により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズの一部を封止基板に形成してなることにより、厄介な位置決めを行うことなく層状に積み上げるだけで走査レンズと発光源及び偏向手段との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0012】
また、別の発明として、発光源と、発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査装置は、発光源及び偏向手段と接続された電極を備えた電極基板と、偏向手段の可動部を設けた偏向部基板と、少なくとも発光源を実装した光学基板と、発光源からの光ビームを偏向手段の可動部へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなるフレーム基板と、封止基板とを、電極基板、偏向部基板と、光学基板、フレーム基板、封止基板の順番で、順次積層して接合することにより発光源及び偏向手段の可動部を内包して密閉することに特徴がある。また、光学基板に、発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装した。よって、内外の電気的な接続が容易に行うことができると共に、ハンダ付けにより光走査装置自体の固定が行うことができるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。また、偏向手段の可動部を密閉保持することにより騒音も低減できる。更に、光源基板と偏向部基板とを層状に積み上げるだけで発光源と偏向手段との配置精度が確保できる上、各々の電気配線がなされるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。また、発光源と偏向手段を上下方向に重ねて配置できるので装置サイズを小型化することができる。
【0013】
更に、別の発明として、上記記載の光走査装置を具備した画像形成装置に特徴がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の光走査装置は、発光源と、該発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査装置であって、偏向手段は、保持手段と該保持手段に保持された可動部を備え、発光源及び偏向手段と接続された電極を備え、偏向手段の保持手段を設けた電極基板と、少なくとも発光源を実装し、偏向手段の保持手段を貫通させる貫通孔を備えた光学基板と、発光源からの光ビームを偏向手段の可動部へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなるフレーム基板と、封止基板とを、電極基板、光学基板、フレーム基板、封止基板の順番で、順次積層して接合し、偏向手段の可動部は貫通孔を貫通した保持手段により光学基板上で保持されることにより発光源及び偏向手段の可動部を内包して密閉する。
【0015】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す分解斜視図である。同図において、セラミック成形による電極基板101にはポリゴンミラーの回転軸102及びリード端子103が一体的に形成される。シリコン基板104には金属被膜を蒸着することで図示しない電極と配線パターンが形成され、リード端子103とワイヤーボンディング等により接続される。ポリゴンモータを駆動するコイル部107も配線パターンの一部として渦巻き状のパターンを形成してなるが、本実施例ではこの渦巻き状のパターンを窒化膜等の絶縁層を介して回転方向に位相を変え3層に形成しており位相の異なる電流を加えることで駆動している。
【0016】
また、半導体レーザチップ105はシリコン基板104の基板上にエピタキシャル技術を用い直接AlGaAs層を堆積させ、半導体レーザを構成するクラッド層、活性層を形成できるが、本実施例では別体で製造した複数の発光源を有する半導体レーザアレイチップを実装面に平行に発光源が配列するようにサブマウントを介して実装している。一方、半導体レーザの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード116はシリコン基板104の基板上に直接GaAs層を堆積させて形成している。カップリングレンズ106はポリイミド膜やSiO2膜等を堆積して直接形成することも可能であるが、本実施例では光束径0.5mmを確保するため生産効率が悪いことから別体で製造し実装している。
【0017】
更に、カップリングレンズ106は石英等の誘電体で形成され実装面に垂直な方向には屈折率分布をもたせ、平行な方向には非球面に形状をダイシングした高さ0.5mmの短冊状の形状をなし各方向で焦点距離の異なるアナモフィックレンズを構成している。本実施例では、半導体レーザアレイチップは2個の発光源が100μm間隔で形成され、カップリングレンズ106の屈折率分布の中心位置を実装面と角度θ傾けて設けることで前述した各発光源の射出方向を各々異なる方向とすることができ被走査面上では各ビームスポットが実装面と垂直な方向(副走査方向)に所定の間隔で配列して2ラインを同時に走査する。なお、半導体レーザの発光源数は2以外でもよく、1でも同様である。カップリングレンズ106から射出した光ビームは主走査(積層面に平行な側)では平行光束に、副走査方向にはポリゴンミラー110反射面近傍で一旦集束するようにレイアウトがなされている。図中、制御回路108,109は各々半導体レーザチップ105、コイル部107への電流供給を制御する回路で、基板上に直接形成している。ポリゴンミラー110はAl板のプレス加工により成形され各側面を鏡面加工し中央部穴にスリーブ117を挿入している。下面にはコイル部107に対向して板状のマグネット111を接合し、前述したセラミック一体成形による回転軸102にスリーブ117を係合し数μm程度のクリアランスで回転軸支される。スリーブ117の内側にヘリングボーン溝を設けることで動圧空気軸受を形成することも可能である。
【0018】
また、フレーム基板112は半導体レーザからの光ビームをポリゴンミラー110に導く第1の反射部113とポリゴンミラー110により偏向走査された光ビームを射出する第2の反射部114が形成され、ポリゴンミラー110の回転スペースを確保する。本実施例ではフレーム基板112についても単結晶Si基板を用い異方性エッチングにより反射部を形成した。封止板118は透明部材よりなり光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能、例えば面倒れの補正機能をその射出窓115に持たせている。また、本実施例ではガラス基板の表面に濃度変化をもたせたフォトリソグラフィにより非球面形状の開口部を形成しているが、回折格子や分布屈折率レンズであっても、更にレンズ部のみを貼り合せてもよい。当然、レンズ機能をもたせなくてもよい。上記した電極基板101、シリコン基板104、フレーム基板112、封止板118を順次積層して接合することで光走査モジュールを構成し、半導体レーザチップ105、ポリゴンミラー110を密閉して格納する。格納部は酸化を防ぐため窒素等の気体を封入したり、外気より気圧を下げ空気抵抗の影響を減らすこともできる。
【0019】
以上のような構成を有する光走査モジュールは、図2に示すように、主走査を複数領域に分割し各領域に対して各々光走査モジュール122を割り当てるよう一つの電装基板121上に複数個配列される。電装基板121には各走査開始側および終端側で光ビームを検出する同期検知センサ123及び前述した制御回路108,109の周辺回路等が形成されており、各光走査モジュール122間の走査線の角度、走査位置を合わせて位置決めされハンダ付け固定される。光走査モジュール122を射出した光ビームは走査レンズ124を介して被走査面126上に結像する。走査レンズ124は各々のレンズ部が一体的に樹脂成形されており同期検知センサ123へは光走査モジュール122から射出した光ビームを走査レンズ近傍に配備されたミラー125で戻して入射させる。光走査モジュール122の配列数は図2に示す例では3個であるが、全走査幅に応じて増減する。なお、本実施例では主走査を複数に分割し2本のビームで走査したが、全走査幅を1つの光走査モジュールで走査しても、また1ビームでの走査であっても構成は同様である。
【0020】
以下、光走査モジュールの他の実施例について述べる。電装基板への装着手段は同様であるので省略する。
図3の(a)は本発明の第2の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す分解斜視図であり、同図の(b)は断面図である。同図において、セラミック成形による電極基板201にはポリゴンミラーの軸受202及びリード端子203が一体的に形成される。また、電極基板201には金属被膜をトリミングすることでポリゴンモータを駆動するコイル部207を第1の実施例と同様に3層にパターン形成している。シリコン基板216には図示しない配線パターンが形成され、半導体レーザチップ204、半導体レーザの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード205を実装してワイヤーボンディング等により接続される。カップリングレンズ206は第1の実施例と同様、誘電体で形成し実装面に垂直な方向には屈折率分布をもたせ、平行な方向には非球面に形状をダイシングした短冊状の形状をなし各方向で焦点距離の異なるアナモフィックレンズを構成している。カップリングレンズ206を射出した光束径はポリゴンミラー210の1面分の面積よりも大きくなるようレイアウトされており、ポリゴンミラー210に照射した光束の内、反射された分のみが走査される。図中、制御回路208,209は各々半導体レーザチップ204、コイル部207への電流供給を制御する回路で、基板上に直接形成している。なお、これら制御回路は各々ベアチップとして電極基板201上に実装してもよい。ポリゴンミラー210はAl板のプレス加工により成形され各側面を斜めに鏡面加工し中央部穴にシャフト218を挿入する。下面にはコイル部207に対向して板状のマグネット211を接合し、裏側に突出したシャフトを軸受202に係合し回転軸支する。
【0021】
また、フレーム基板212は2枚を接合して構成され上層は第1の実施例と同様、単結晶Si基板を用い異方性エッチングによりポリゴンミラー210により偏向走査され蹴上げられた光ビームを反射し射出する反射部214を形成する。図3の(b)に示すように、下層には半導体レーザの背面光をモニタ用のフォトダイオード205に入射させるミラー部217を形成するとともに、ポリゴンミラー210の回転スペースを確保する。封止板219は透明部材より成り光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能をその射出窓215に持たせている。電極基板201、フレーム基板212、封止板219を順次積層して接合することで光走査モジュールを構成する。
【0022】
図4の(a)は本発明の第3の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す分解斜視図であり、同図の(b)は断面図である。同図において、セラミック成形による電極基板301にはリード端子302が一体的に形成される。第1のシリコン基板303には図4の(b)に示すように基板上に堆積させた多結晶Si層から偏向ディスク部304をエッチングにより切り出し、ステータ部322と分離した後に軸受のクリアランス部だけに酸化膜を形成し、さらに多結晶Siを堆積して軸部323を形成するという工程を経て軸受部を一体的に形成している。ステータ部322には金属被膜を蒸着することで固定子となる複数の電極306が放射状に形成され、偏向ディスク部304の円周にもそれと対向して電極307が形成されており、固定子への電流の印加を順次切り換えることにより静電力によって駆動する。偏向ディスク部304にはエッチングにより周方向に向けて凹凸を形成して回折格子305と成し、金属被膜で同時にコートされる。入射した光ビームはディスクの回転につれて変化する格子の角度に応じてその約1.5倍の反射角で走査される。回折格子305の表面は円周方向に複数領域に分割され、本実施例では1回転で6面分の走査を行う。
【0023】
また、第2のシリコン基板308には同様に金属被膜を蒸着しすることで図示しない配線パターンが形成され、前述したリード端子とワイヤーボンディング等により接続がなされる。半導体レーザチップ309は第1の実施例と同様、別体で製造した複数の発光源を有する半導体レーザアレイチップを用いるが、実装面に垂直に発光源が配列するようサブマウント324を介して実装している。一方、半導体レーザの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード310は第2のシリコン基板308上に直接形成している。カップリングレンズ311は実装面に平行な方向と垂直な方向とで曲率が異なる円筒状のアナモフィックレンズとなしシリコン基板上に形成したV溝312に円周部の一部を当接して設置する。なお、V溝312はカップリングレンズ311の中心軸と半導体レーザの放射中心とが一致するように形成されている。半導体レーザは2個の発光源が14μmの間隔で形成され、被走査面上では各ビームスポットが実装面と垂直な方向(副走査方向)に所定の間隔で配列して2ラインを同時に走査する。カップリングレンズ311から射出した光ビームは、第1の実施例と同様、副走査方向では偏向面の近傍で集束するように、レイアウトされており、ディスクの振れ等による光軸のずれは被走査面で補正される。
【0024】
更に、フレーム基板313はカップリングレンズ311から射出した光ビームを第2のシリコン基板308上に形成したアパーチャ316を通して偏向器である偏向ディスク部304へと導く反射部314及び半導体レーザの背面光をフォトダイオード310へと導く反射部315が形成される。本実施例では第1の実施例と同様、単結晶Si基板を用い異方性エッチングにより反射部を形成した。アパーチャ316では光ビームの光束径を整形し、外乱光を遮断する。偏向ディスク部304で偏向走査された光ビームは第2のシリコン基板308に設けた開口317を通過して射出される。封止板318は透明部材よりなり光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能、例えば波長変化に伴う回折格子での反射角度補正機能をその射出窓319に持たせている。図中、制御回路320,321は各々半導体レーザ309、固定子の電極306への電流供給を制御する回路で、第2のシリコン基板308、第1のシリコン基板303上に各々直接形成している。上記した電極基板301、第1のシリコン基板303、第2のシリコン基板308、フレーム基板313、封止板318を順次積層して接合することで光走査モジュールを構成する。
【0025】
図5の(a)は本発明の第4の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す分解斜視図であり、同図の(b)は断面図である。同図において、セラミック成形による電極基板401にはリード端子402が一体的に形成され、更に一対のマグネット403が設けられている。第1のシリコン基板404には2本のねじり梁405により軸支されたミラー部406を異方性エッチングにより形成される。ミラー部406の周縁には金属被膜を蒸着することでコイル部が形成されており、同コイルに電流を流すことでその外側に設けられたマグネット403との電磁力によりねじり梁405を回転軸として振幅する。ミラー部406の中央部分は同金属被膜により反射面となしている。なお、ミラー部406は偏向速度を共振周波数と一致するようにねじり梁405の太さを設定すればより低負荷で振幅させることができる。
【0026】
また、第2のシリコン基板407には金属被膜を蒸着することで図示しない配線パターンが形成され、前述したリード端子とワイヤーボンディング等により接続される。半導体レーザチップ408は第3の実施例と同様、別体で製造した複数の発光源を有する半導体レーザアレイチップを実装面に垂直に発光源が配列するように実装し、半導体レーザの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード409は第2のシリコン基板407上に直接形成している。カップリングレンズ410は円筒状と成しシリコン基板上に形成したV溝411に円周部の一部を当接させて設置する。
【0027】
更に、フレーム基板412は単結晶Si基板を用い異方性エッチングによりカップリングレンズから射出した光ビームを第2のシリコン基板407上に形成したアパーチャ413を通してミラー部406へと導く反射部414及び半導体レーザの背面光をフォトダイオード409へと導く反射部415が形成される。ミラー部406で偏向走査された光ビームは図5の(b)に示すように第2のシリコン基板407の裏側にg=数100μmの間隔をもって対向して設けた反射部416との間で、本実施例ではN=4回往復して反射させて、開口部417を通過して射出される。本実施例の場合、ミラー部406の振幅角度θ1は約3°でありN=4回の反射により反射点を副走査方向に徐々に移動しながら走査角度を3°×2N=24°まで拡大させることができる。ここで、反射部415とミラー部406との間隔をg、ミラー部への光ビームの副走査方向入射角度をβ、入射する副走査方向での光束径をω(実施例ではアパーチャ413の径)とすると、間隔gはミラー部406の振幅角度θ1に伴って反射を重ねる毎に増えていくので、少なくとも上記反射部の幅LはL>2(N−2)g・tanβ+ωであり、回転軸に対称に中央から両端に向って開口部417側に徐々に広がるようにしている。封止板418は透明部材よりなり光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能、例えばミラー部406への斜入射に伴う走査線の曲がり補正機能をその射出窓419に持たせている。図中、制御回路420,421は各々半導体レーザ408、コイル部への電流供給を制御する回路で、各々第2のシリコン基板407、第1のシリコン基板404上に直接形成している。上記した電極基板401、第1のシリコン基板404、第2のシリコン基板407、フレーム基板412、封止板418を順次積層して接合することで光走査モジュールを構成する。
【0028】
次に、上記実施例の光走査装置を用いた画像形成装置としてデジタル複写機、レーザプリンタ及び普通紙ファクシミリ等があるが、その内デジタル複写機を例にして以下に説明する。
【0029】
図6は別の発明の画像形成装置としてのデジタル複写機の全体構成を示す概略断面図である。同図において、デジタル複写機は、主に、複写機本体500と画像読取ユニット600を含んで構成されている。そして、複写機本体500は、光走査装置501と、用紙を収容するカセット502,502’と、カセット502,502’から用紙を1枚ずつ取り出す給紙ローラ503,503’と、搬送タイミングをコントロールするレジストローラ504と、転写帯電器505と、感光体ドラム506、現像ローラ507、帯電ローラ508等を一体化されているプロセスカートリッジ509と、ハロゲンヒータが内臓された定着ローラ510と、加圧ローラ511と、搬送ローラ512と、排紙ローラ513とを含んで構成されている。また、画像読取ユニット600は、原稿台に固定された原稿の読み取り部601における画像を結像レンズ602を介してCCD等の光電変換素子603上に結像させ、ミラー群604を移動して順次、電子データに変換する。このような構成を有するデジタル複写機において、先ず光走査装置501によって画像信号に応じて半導体レーザが変調され、帯電ローラ508によって一様に帯電された感光体ドラム506上に潜像を形成し、現像ローラ507から供給されるトナーによって顕像化される。一方、給紙ローラ503又は503’によって取り出された用紙はレジストローラ504によって光走査装置501の画像書き出しのタイミングに合わせて搬送されトナー像が転写される。転写された画像は定着ローラ510により定着されて排紙される。
【0030】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、発光源と、発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する、本発明に係る光走査装置は、偏向手段は、保持手段と該保持手段に保持された可動部を備え、発光源及び偏向手段と接続された電極を備え、偏向手段の保持手段を設けた電極基板と、少なくとも発光源を実装し、偏向手段の保持手段を貫通させる貫通孔を備えた光学基板と、発光源からの光ビームを偏向手段の可動部へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなるフレーム基板と、封止基板とを、電極基板、光学基板、フレーム基板、封止基板の順番で、順次積層して接合し、偏向手段の可動部は貫通孔を貫通した保持手段により光学基板上で保持されることにより発光源及び偏向手段の可動部を内包して密閉することに特徴がある。よって、内外の電気的な接続が容易に行うことができると共に、ハンダ付けにより光走査装置自体の固定が行うことができるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。また、偏向手段の可動部を密閉保持することにより騒音も低減できる。
【0032】
また、光学基板に、発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装したことにより、光源基板を層状に積み上げるだけで電気配線がなされ、発光源と偏向手段との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0034】
また、偏向手段により偏向走査された光ビームを積層面と非平行な方向へと射出する第2の反射手段を具備したことにより、走査装置を実装面にハンダ付け固定する際に実装面上での設置角度および位置を調節することで被走査面上での走査線の傾き及び走査位置を容易に合わせることができるので、ネジ締め等の作業も不要となり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0035】
更には第2の反射手段をフレーム基板に一体的に形成してなることにより、厄介な位置決めを行うことなく層状に積み上げるだけで射出方向の精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0036】
また、偏向手段により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズの一部を封止基板に形成してなることにより、厄介な位置決めを行うことなく層状に積み上げるだけで走査レンズと発光源及び偏向手段との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0037】
また、別の発明として、発光源と、発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査装置は、発光源及び偏向手段と接続された電極を備えた電極基板と、偏向手段の可動部を設けた偏向部基板と、少なくとも発光源を実装した光学基板と、発光源からの光ビームを偏向手段の可動部へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなるフレーム基板と、封止基板とを、電極基板、偏向部基板と、光学基板、フレーム基板、封止基板の順番で、順次積層して接合することにより発光源及び偏向手段の可動部を内包して密閉することに特徴がある。また、光学基板に、発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装した。よって、内外の電気的な接続が容易に行うことができると共に、ハンダ付けにより光走査装置自体の固定が行うことができるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。また、偏向手段の可動部を密閉保持することにより騒音も低減できる。更に、光源基板と偏向部基板とを層状に積み上げるだけで発光源と偏向手段との配置精度が確保できる上、各々の電気配線がなされるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。また、発光源と偏向手段を上下方向に重ねて配置できるので装置サイズを小型化することができる。
【0038】
更に、別の発明として、上記記載の光走査装置を具備した画像形成装置に特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の光走査モジュールを複数個配列して構成する光走査装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施例に係る光走査装置における光走査モジュールの構成を示す図である。
【図6】別の発明の画像形成装置としてのデジタル複写機の全体構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
101;電極基板、102;回転軸、103;リード端子、
104;シリコン基板、105;半導体レーザチップ、
106;カップリングレンズ、107;コイル部、108,109;制御回路、
110;ポリゴンミラー、111;マグネット、112;フレーム基板、
113;第1の反射部、114;第2の反射部、115;射出窓、
116;フォトダイオード、117;スリーブ、118;封止板。
Claims (11)
- 発光源と、該発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査装置において、
前記偏向手段は、保持手段と該保持手段に保持された可動部を備え、
前記発光源及び前記偏向手段と接続された電極を備え、前記偏向手段の保持手段を設けた電極基板と、
少なくとも前記発光源を実装し、前記偏向手段の保持手段を貫通させる貫通孔を備えた光学基板と、
前記発光源からの光ビームを前記偏向手段の可動部へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなるフレーム基板と、
封止基板と、
を前記電極基板、前記光学基板、前記フレーム基板、前記封止基板の順番で、順次積層して接合し、前記偏向手段の可動部は前記貫通孔を貫通した前記保持手段により前記光学基板上で保持されることにより前記発光源及び前記偏向手段の可動部を内包して密閉することを特徴とする光走査装置。 - 前記光学基板に、前記発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装した請求項1記載の光走査装置。
- 前記偏向手段により偏向走査された光ビームを積層面と非平行な方向へと射出する第2の反射手段を具備した請求項1又は2に記載の光走査装置。
- 前記第2の反射手段を前記フレーム基板に一体的に形成してなる請求項3記載の光走査装置。
- 前記偏向手段により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズの一部を前記封止基板に形成してなる請求項1〜4のいずれかに記載の光走査装置。
- 発光源と、該発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査装置において、
前記発光源及び前記偏向手段と接続された電極を備えた電極基板と、
前記偏向手段の可動部を設けた偏向部基板と、
少なくとも前記発光源を実装した光学基板と、
前記発光源からの光ビームを前記偏向手段の可動部へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなるフレーム基板と、
封止基板と、
を前記電極基板、前記偏向部基板と、前記光学基板、前記フレーム基板、前記封止基板の順番で、順次積層して接合することにより前記発光源及び前記偏向手段の可動部を内包して密閉することを特徴とする光走査装置。 - 前記光学基板に、前記発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装した請求項6記載の光走査装置。
- 前記発光源からの光ビームを前記モニタ手段へと導く第2の反射手段を具備した請求項6又は7に記載の光走査装置。
- 前記第2の反射手段を前記フレーム基板に一体的に形成してなる請求項8記載の光走査装置。
- 前記偏向手段により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズの一部を前記封止基板に形成してなる請求項6〜9のいずれかに記載の光走査装置。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の光走査装置を具備した画像形成装置。
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