JP4224844B2 - 差込式接合金具及びその差し金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、消防ホース等の接合金具に関するものであり、更に述べると、差し金具と受け金具とを有する差込式接合金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の差込式接合金具は、差し金具と受け金具とを備えている。この差し金具は、一端にホース装着部を設け、他端に差込部を設けた差し金具本体と、該差込部の先端に設けられた爪の係止部と、該差し金具本体に摺動可能に嵌着された押し輪と、を備えており、又、前記受け金具は、一端にホース接続部を設け、他端に受入部を設けた受け金具本体と、該受入部の内側に設けられた摺動爪と、前記受入部の外周面に設けられたタイヤと、を備えている。
【0003】
この接合金具は、差し金具の差込部を受け金具の受入部に差し込むと、摺動爪が係止部に係止してロックされる。
又、この接合金具の押し輪を受入部側に向かって押すと、摺動爪が押し上げられて外方に摺動し係止部から外れるので、ロックが解除される。
【発明が解決しようとする課題】
従来例には次の様な問題がある。
(1)押し輪が差し金具本体の外周面より突出しているので、消火作業中などに前記接合金具を落とすと、前記押し輪が最初に床面に衝突し、変形してしまう。そのため、給水中にロックが解除されて差し金具が受け金具から抜けることがある。そうすると、水圧を受けているホースが激しく前後左右に蛇行し始めるので、極めて危険である。また、前記変形により、摺動押し輪の摺動が困難となり、前記ロックの解除を円滑に行うことができなくなることもある。
【0004】
(2)受け金具の付いたホースを監視塔にかけてかわかすと、風等の影響により前記ホースが揺れ動き該監視塔に衝突し、摺動爪が変形することがある。そのため、該摺動爪の摺動が困難となり、差し金具と受け金具との着脱を円滑に行うことができなくなる。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑み、接合金具の差し金具の離脱を防止するとともに、着脱が円滑に行える様にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一端に円錐台状のホース装着部を設け、他端に差込部を設けた差し金具本体と、該差込部の先端に設けられた爪の係止部と、該差込部に嵌着され、スライダ部と鍔部を有する摺動押し輪と、を備えた差込式接合金具の差し金具であって;
前記ホース装着部が、前記押し輪の鍔部の外径より大きな外径の最大外径部を備えており、前記差込部には、前記摺動押し輪の鍔部が当接するストッパ部と、一端が該ストッパ部の外周縁に連続し、他端が前記ホース装着部の外周面に連続する円錐台状面が形成され、該鍔部と前記最大外径部との間に操作用溝が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明の最大外径部は、タイヤにより形成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明は、一端に円錐台状のホース装着部を設け、他端に差込部を設けた差し金具本体と、該差込部の先端に設けられた爪の係止部と、該差込部に嵌着され、スライダ部と鍔部を有する摺動押し輪と、を備えた差し金具であって、前記ホース装着部が、前記押し輪の鍔部の外径より大きな外径の最大外径部を備えており、前記差込部には、前記摺動押し輪の鍔部が当接するストッパ部と、一端が該ストッパ部の外周縁に連続し、他端が前記ホース装着部の外周面に連続する円錐台状面が形成され、該鍔部と前記最大外径部との間には操作用溝が設けられている差し金具と、一端にホース接続部を設け、他端に受入部を設けた受け金具本体と、該受入部の内側に設けられた摺動爪と、前記受入部の外周面に設けられたタイヤと、前記記ホース接続部の外周面に、前記タイヤと連続して設けられた弾性バンドと、を備えている受け金具と、を備えている差込式接合金具である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、差し金具のホース装着部の外周面に、前記押し輪より外方に突出する最大外径部を設けることにより、接合金具が障害物に衝突したときに、前記押し輪が直接衝撃を受けない様にするものである。
又、受け金具のホース接続部の外周面に、受入部のタイヤと連続する弾性バンドを設けることにより、受け金具が障害物に衝突したときに、手動爪等に対する衝撃を和らげるものである。
【0010】
この発明の実施例を図1〜図3により説明する。
差込式接合金具は、受け金具Fと差し金具Mとから構成されている。
【0011】
受け金具Fは、一端にホース接続部1aを設け、他端に受入部1bを設けた受け金具本体1と、該受入部1bの内側に設けられた摺動爪2と、前記受入部1bの外周面に設けられたタイヤ3と、該ホース接続部1aの外周面に設けられた弾性バンド5と、を備えている。
【0012】
受入部1bの先端面には、しめ輪9が設けられているが、しめ輪9は、円筒部9aと、挿入口9b付きのリング板部9cと、から構成され、前記円筒部9aは、タッピングねじ10により受け金具本体1に固定されている。
【0013】
前記摺動爪2は前記円筒部9aの内側に、円周方向に間隔をおいて複数設けられ、各摺動爪2は、板ばね11により中心方向に付勢されている。
【0014】
前記弾性バンド5は、タイヤ3と隣接し、かつ、独立して設けられ、ほぼホース接続部1aの外周面を覆っている。この弾性バンド5として、例えば、タイヤが用いられる。
なお、12はゴムパッキンを示す。
【0015】
差し金具Mは、一端にホース挿着部13aを設け、他端に差込部13bを設けた差し金具本体13と、該差込部13bの先端に設けられた爪の係止部15と、該差込部13bに嵌着された摺動押し輪14と、ホース装着部13aの外周面に設けられた最大外径部25と、を備えている。
【0016】
前記係止部15は、断面L字状に形成され、Oリング18を介して差込部13bの内周面に固定されている。
前記押し輪14は、シリンダ部14aと鍔部14bとから構成され、差込部13bのストッパ壁20と前記爪の係止部15との間を摺動する。
【0017】
ストッパ壁20の外周縁は、円錐台状面21を介してホース装着部13aの外周面に連続している。そのため、ストッパ壁20の外周部側が切り欠かれた状態となっているので、押し輪14が基点に位置し、鍔部14bがストッパ壁20に接しているときには、該鍔部14bと円錐台状面21との間には、操作用溝23が発生するので、押し輪14の操作が容易となる。
【0018】
ホース装着部13aは、円錐台状に形成され、その外周面には、タイヤ25が設けられている。このタイヤ25の外周面は、円錐台状に形成され、その最大外径部の外径Dは前記押し輪14の鍔部14bの外径dより大きい。
なお、ホース装着部13aの外周面の最大外径は、前記鍔部14bの外径dより大きく形成されているが、必ずしもこの様にする必要はなく、例えば、前記外径dと等しく形成しても良い。
【0019】
次に、本実施例の作動について説明する。
差し金具Mのホース装着部13aに第1ホースH2をねじ込んで装着し、受け金具Fのホース接続部1aに第2ホースH1をねじ込んで装着する。
【0020】
前記差し金具Mの差込部13bを受け金具Fの挿入口9bに入れ、押し込むと、差し金具Mの先端部は、摺動爪13の傾斜面2aを押圧し該爪2を外方に押し上げながら前進する。
そして、前記爪2が係止部15の位置に到達すると、中心方向に摺動して係合しロックされる。
【0021】
消火活動の際に、手を滑らせて前記ホースH1、H2が地面に落ちると、先ず最初に接合金具が地面に衝突する。
この時、外径が最も大きい部分、即ち、タイヤ25が最初に地面に衝突するので、衝撃が吸収される。そのため、押し輪14に対する衝撃は緩和されるので、変形することもない。
【0022】
前記接合金具のロックを解除するときには、押し輪14の鍔部14bに指をかけて受入部1b側に押圧する。
この時、鍔部14bと円錐台状面21との間には、操作用溝23が形成されているので、容易に、かつ、確実に鍔部14bに指をかけることができる。
そうすると、シリンダ部14aの先端は、摺動爪2の傾斜面2aを押圧して外方に押し上げるので、該爪2と係止部15との係合が解除される。そのため、差し金具Mを引くと、差込部13bは受入部1bから容易に抜ける。
【0023】
消火活動終了後、前記ホースH1,H2を監視塔にかけてかわかす。
この時、受け金具Fの付いたホースが風等の影響で回動し、監視塔に衝突することがあるが、ホース接続部1aの外周面には、弾性バンド5が設けられているので、その衝撃力を緩和することができる。
【0024】
この発明の第2実施例を図4により説明するが、図1〜図3と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
この実施例と第1実施例との主な相違点は、ホースH1、H2がホース接続部1a、ホース装着部13aの外側に装着され、その端部が締め具30、31により締め付け固定されることである。
【0025】
ホース装着部13aの締め具31は、押し輪14の鍔部14bと操作用隙間33を介して対向している。この締め具31の外周面には、弾性部材34が設けられているが、この弾性部材34は最大外径部であり、その外径は、押し輪14の鍔部14bのそれより大きく形成されている。
【0026】
【発明の効果】
この発明は、差し金具のホース装着部の最大外径部が、摺動押し輪の外径より大きく形成されているので、接合金具が障害物に衝突しても、該押し輪は最大外径部により保護される。従って、押し輪の変形が防止されるので、接合金具のロック解除を円滑に行うことができる。又、従来例と異なり、給水中にロックが解除されることもないので、安全に給水を行うことができる。
【0027】
この発明は、受け金具のホース接続部の外周面に、受入部のタイヤと連続する弾性バンドを設けたので、受け金具が障害物に衝突したときには、その衝撃力は弾性バンドにより緩和される。その為、摺動爪の変形が防止されるので、受け金具と差し金具との着脱を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す差し金具の一部断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す受け金具の一部断面図である。
【図3】差し金具と受け金具との接合状態を示す一部断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す一部断面図であり、差し金具と受け金具との接合状態を示す図である。
【符号の説明】
1 受け金具本体
1a ホース接続部
1b 受入部
2 摺動爪
5 弾性バンド
13 差し金具本体
13a ホース装着部
13b 差込部
14 摺動押し輪
15 爪の係止部
17 タイヤ
23 操作用溝
25 タイヤ
F 受け金具
M 差し金具
Claims (3)
- 一端に円錐台状のホース装着部を設け、他端に差込部を設けた差し金具本体と、該差込部の先端に設けられた爪の係止部と、該差込部に嵌着され、スライダ部と鍔部を有する摺動押し輪と、を備えた差込式接合金具の差し金具であって;
前記ホース装着部が、前記押し輪の鍔部の外径より大きな外径の最大外径部を備えており、
前記差込部には、前記摺動押し輪の鍔部が当接するストッパ部と、一端が該ストッパ部の外周縁に連続し、他端が前記ホース装着部の外周面に連続する円錐台状面が形成され、
該鍔部と前記最大外径部との間に操作用溝が設けられていることを特徴とする差込式接合金具の差込金具。 - 前記最大外径部が、タイヤにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の差込式接合金具の差込金具。
- 一端に円錐台状のホース装着部を設け、他端に差込部を設けた差し金具本体と、該差込部の先端に設けられた爪の係止部と、該差込部に嵌着され、スライダ部と鍔部を有する摺動押し輪と、を備えた差し金具であって、前記ホース装着部が、前記押し輪の鍔部の外径より大きな外径の最大外径部を備えており、前記差込部には、前記摺動押し輪の鍔部が当接するストッパ部と、一端が該ストッパ部の外周縁に連続し、他端が前記ホース装着部の外周面に連続する円錐台状面が形成され、該鍔部と前記最大外径部との間には操作用溝が設けられている差し金具と、
一端にホース接続部を設け、他端に受入部を設けた受け金具本体と、該受入部の内側に設けられた摺動爪と、前記受入部の外周面に設けられたタイヤと、前記記ホース接続部の外周面に、前記タイヤと連続して設けられた弾性バンドと、を備えている受け金具と、
を備えていることを特徴とする差込式接合金具。
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