JP4224799B2 - レンジフード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理時に発生した油煙等を捕集して屋外に排出するレンジフードに関する。
【0002】
【従来の技術】
フード本体内部に送風機とフィルターを取付け、送風機を駆動することで調理時に発生した油煙等をフィルターを通して吸引し、排気ダクトを通して屋外に排出するレンジフードが知られている。
このレンジフードによれば、油煙等の油脂成分をフィルターで捕集し、油脂成分の少ない油煙等を屋外に排出できる。
【0003】
前述のフィルターには油脂成分が付着するので、そのフィルターを洗浄液で洗浄する洗浄装置付レンジフードが種々提案されている。
【0004】
また、フィルターで捕集仕切れなかった油脂成分は送風機に入り込み、排気ダクトを通して屋外に排出されるので、その送風機内部、排気ダクト内部に油脂成分が付着する。
このことを解消するために、特開平8−219517号公報に示すように、送風機内部に水分を噴霧して油脂成分を凝縮させながら汚水として回収するレンジフードが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の洗浄装置付レンジフードでは、洗浄液を供給する給水管と洗浄後の汚れた洗浄液を排出する排水管をフード本体に接続することがある。
この給水管と排水管は内壁と外壁との間(つまり壁内)に配設して室内から見えないようにしている。
【0006】
このように、給水管と排水管を接続する必要がある洗浄装置付レンジフードを取付ける場合には壁内で配管接続工事をするので、壁に穴をあけたり、壁の一部をこわしたりすることになり施工性が非常に悪く、洗浄装置を備えない通常のレンジフードを取付ける場合に比べ施工工事が大幅に面倒で、長時間がかかるので、施工コストが非常に高くなる。
【0007】
以上の様に既設の建物又は既設の建物をリフォームする時に給水管、排水管を備えた洗浄装置付レンジフードを取付ける場合の施工コストが非常に高く、現実的には難しいものとなる。
また、上記理由によりマンション等の集合住宅への取付けは建築当初から計画し配管工事されたものではないと取付けできない。
【0008】
なお、建家を新築する時に洗浄装置付レンジフードを取付けるには、壁工事の際にあらかじめ壁内に給水管、排水管を配管して収納できるので、簡単に取付けできる。
【0009】
また、特開平8−219517号公報に示すレンジフードでは給水管と排水管がキッチン室から見えるので見栄えが悪い。
見栄えを良くするために給水管と排水管を壁内に配設すると前述の洗浄装置付レンジフードと同様な不具合を生じる。
【0010】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにしたレンジフードを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、フード本体5と送風機24を備え、そのフード本体5内部に給水管40と排水管41を突出したレンジフードにおいて、
キッチン室の壁1における調理器具2と対向した部分に、表面板10と左右の側面板11で横断面略コ字状の配管収納カバー3を取付け、この配管収納カバー3と壁1との間に配管収納空間部15を調理器具2近くまで連続して形成し、
この配管収納カバー3の表面板10の上部に配管貫通孔16を形成し、
前記フード本体5は上面板20と背面板21と前面板22と左右の側面板23で下面を開口した箱形状で、その背面板21に配管貫通孔21aを形成し、
前記フード本体5は、前記配管収納カバー3の表面板10の上部に、前記背面板21の配管貫通孔21aが前記表面板10の配管貫通孔16と対向するように取付け、
前記給水管40、排水管41を、前記配管収納空間部15内に配設し、その給水管40、排水管41を、前記表面板10の配管貫通孔16、背面板21の配管貫通孔21aを通して前記フード本体5内部に突出したことを特徴とするレンジフードである。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、給水管40を配管収納カバー3の下部より突出して壁1よりも室内側に突出した水道配管に接続したレンジフードである。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、排水管41を配管収納カバー3の下部から突出してシンク6の排水用配管44に接続したレンジフードである。
【0015】
【作 用】
第1の発明によれば、壁1と配管収納カバー3で形成した配管収納空間部15内に給水管40、排水管41を配設したので、その給水管40、排水管41を壁1内部に配設しなくともキッチン室から見えない。
これによって、壁1に穴をあけたり、こわしたりせずに給水管40、排水管41を簡単な配管工事で見栄え良く配管できる。
したがって、既設の建物や既設の建物をリフォームする時に給水管、排水管を備えたレンジフードを施工コストが安く、しかも見栄え良く簡単に取付けできる。
【0016】
また、配管収納カバー3の表面板10の上部にフード本体5を取付け、給水管40、排水管41を、その表面板10の配管貫通孔16、背面板21の配管貫通孔21aを通してフード本体1内部に突出してあるので、配管収納空間部15からフード本体5に突出する給水管40、排水管41が見えない。
【0017】
また、配管収納カバー3は調理器具2近くまで連続しているし、その配管収納カバー3の上部にフード本体5が取付けてあるので、調理時に発生した油煙等がフード本体5内に吸い込まれる時に、その油煙等が配管収納カバー3に触れて壁1に触れることがない。
これによって、油煙等で壁1が汚れることがなく、配管収納カバー3が汚れるが、その配管収納カバー3は拭き取り清掃し易いから清掃が容易である。
つまり、配管収納カバー3が壁1を保護するキッチンパネルの役目を果す。
【0018】
また、給水管40、排水管41に油煙等が触れることがなく、給水管40、排水管41が油煙等で汚れることがない。
【0019】
第2の発明によれば、給水管40を水道配管に接続してあるので、水道水を利用できる。
しかも、壁1よりも室内側に突出した水道配管に接続したので、水道配管に接続するために壁1に穴をあけたりしなくとも良く、施工コストがより安くなる。
【0020】
第3の発明によれば、排水管41に流れる汚れた洗浄液等はシンク6の排水用配管44に流出するから、特別な排水用配管が不要である。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、キッチン室の壁1の調理器具2と対向した部分に配管収納カバー3が取付けてある。この配管収納カバー3の下端面3aは調理器具置台2aの上面と若干の隙間を置いて対向している。前記配管収納カバー3の上部にレンジフード4のフード本体5が取付けてある。
調理器具2と隣り合ってシンク6が配設され、このシンク6の上方の壁1に水道蛇口7が取付けてある。
【0022】
図2と図3に示すように、配管収納カバー3は表面板10と左右の側面板11と上面板12で横断面略コ字状で上面が閉塞され、かつ下面と背面を開口したフード本体5の左右寸法と略同一幅でへん平長尺な略箱形状で、前記側面板11、上面板12には取付用フランジ13が一体的に設けてある。この取付用フランジ13をねじなどの固着具14で壁1に固定して取付けられ、壁1との間に配管収納空間部15を形成する。
前記表面板10の上部寄りに配管貫通孔16とレンジフード固定用穴17が形成してある。配管貫通孔16は大きな4角形状となっているが、後述する給水管、排水管が貫通する程度の大きさの孔として2つ形成しても良い。また、前記配管収納カバー3の表面にはフック素塗装やシリコン塗装等の溌油加工が施してあり、付着した油脂成分などを拭取り易くしてある。これによって配管収納カバー3を拭き取り清浄性の良いキッチンパネルとして使用できる。
【0023】
前記フード本体5は上面板20と背面板21と前面板22と左右の側面板23で下面を開口した箱形状で、そのフード本体5の内部に送風機24と洗浄液槽25が取付けてある。フード本体5は配管収納カバー3の表面板10の上部にレンジフード固定用穴17に螺合したねじ等で取付けられる。背面板21には配管貫通孔16と対向した配管貫通孔21aが形成してある。
【0024】
前記送風機24はファンケーシング26内にファン27を設け、モータ28でファン27を回転することで吸込口29から空気を吸込んで吐出口30から吐出する。前記ファンケーシング26内にはフィルター31が取付けてある。吐出口30と連続して排出ダクト32が取付けてある。
【0025】
このようであるから、調理時に発生した油煙等の油脂成分がフィルター31で捕集され、油脂成分の少ない油煙等が排出ダクト32で屋外に排出される。
【0026】
前記洗浄液槽25内の洗浄液はモータ33で駆動される洗浄液ポンプ34でパイプ35に圧送され、そのパイプ35がファンケーシング26内に突出している。これによって、フィルター31が洗浄液で洗浄され、その洗浄した洗浄液はファンケーシング26の底部に形成した孔36から洗浄液槽25内に流れ落ちる。
【0027】
このようであるから、フィルター31は洗浄液で洗浄されるし、その洗浄液は再利用されるので、循環式の洗浄装置付レンジフードを形成している。
【0028】
前記洗浄液槽25に洗浄液を供給する給水管40と洗浄液槽25内の汚れた洗浄液を排出する排水管41は前記壁1と配管収納カバー3との間の配管収納空間部15内に配設(配管)してある。
前記給水管40は自在に曲げることができる金属管であるフレキシブル管で、その一端部は配管貫通孔16を貫通してフード本体5の背面板21に形成した配管貫通孔21aよりフード本体5内に突出し、電磁式の給水弁42を経て前記洗浄液槽25に接続している。
【0029】
この給水管40の他端部は配管収納カバー3の下部より突出しシンク6と壁1の間を通って水道蛇口7が接続された壁1よりも室内側に突出した水道配管に接続してある。
なお、給水管40の他端部は湯沸かし器の給水管接続部に接続しても良い。つまり、給水管40の他端部は壁1よりも室内側に突出している水道配管部分に接続しても良い。また、給水用ポンプを設け、その吐出側に接続しても良い。すなわち給水管40の他端部は給水源に接続すれば良い。
【0030】
前記排水管41は樹脂パイプなどのフレキシブル管で、その一端部は配管貫通孔16を貫通してフード本体5の背面板21に形成した配管貫通孔21aよりフード本体5内に突出し、電磁式の排水弁43を経て前記洗浄液槽25の底部排水孔に接続している。
【0031】
この排水管41の他端部は配管収納カバー3の下部から突出し、シンク6の排水用配管44に接続してある。
なお、排水管41の他端部はシンク6の下方や調理器具2の下方に置いた容器に接続し、汚れた洗浄液を容器内に溜め、定期的に容器を持ち出して排水するようにしても良い。つまり、排水管41の他端部は排水部に接続すれば良い。
【0032】
前記配管収納カバー3は伸縮式としても良い。
例えば図4に示すように固定配管収納カバー3−1の下部に可動配管収納カバー3−2を摺動可能に嵌め合せる。
前記固定配管収納カバー3−1は表面板10と左右の側面板11と上面板12で横断面略コ字状で下面と背面が開口した幅広、へん平長尺な略箱形状である。
【0033】
前記可動配管収納カバー3−2は表面板50と左右の側面板51で横断面略字状の長尺で、その表面板50、側面板51が固定配管収納カバー3−1の内面に摺動自在に接している。側面板51の下縁に取付片52が一体的に設けてあり、この取付片52をねじ53で壁1に固定して伸縮しないようにする。
【0034】
このようにすれば、床から調理器具2までの高さ(調理器具置台2aの高さ)に応じて可動配管収納カバー3−2を摺動することで配管収納カバー3の長さを調整できる。
【0035】
前記配管収納カバー3の表面板10にキッチンパネルを折り畳み自在に取付けても良い。
例えば図5に示すように、表面板10の左右両側縁に第1キッチンパネル54と第2キッチンパネル55をヒンジ56で表面板10と直角な姿勢と表面板10と平行な姿勢に揺動自在に取付ける。
【0036】
このようにすれば、第1・第2キッチンパネル54,55を表面板10と直角な姿勢とすることで、調理時に発生した油はねが周囲に飛散することを防止できる。
【0037】
以上の実施の形態では配管収納カバー3の上部にフード本体5を取付けしたが、フード本体5を壁1に取付け、このフード本体5の下部と連続して配管収納カバー3を壁1に取付けても良い。
【0038】
以上の実施の形態では送風機24のファンケーシング26内にフィルター31を設け、このフィルター31を洗浄液で洗浄するようにしたが、送風機24のファンケーシング26の吸込口29と対向してフィルター31を取付け、このフィルター31を洗浄液で洗浄するようにしても良い。いずれにしても洗浄装置付レンジフードの給水管、排水管の配管構造に適用できる。
【0039】
また、特開平8−219517号公報に示すレンジフードの給水管、排水管の配管構造に適用できる。
【0040】
また、フィルターを取付けずにファンケーシング26の内面に凹凸を形成し、その凹凸に油煙等の油脂成分を付着して捕獲し、その凹凸に洗浄液を吹きつけて汚水として排水するタイプのレンジフードの給水管、排水管の配管構造に適用できる。
【0041】
また、給水管40、排水管41を複数の管を接続したものとしても良い。例えば洗浄液槽25に接続した一側管と、配管収納空間部15内に配設した中間管と、給水部、排水部に接続した他側管を接続したものとし、それらをクイックジョイントなどで接続する。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、壁1と配管収納カバー3で形成した配管収納空間部15内に給水管40、排水管41を配設したので、その給水管40、排水管41を壁1内部に配設しなくともキッチン室から見えない。
これによって、壁1に穴をあけたり、こわしたりせずに給水管40、排水管41を簡単な配管工事で見栄え良く配管できる。
したがって、既設の建物や既設の建物をリフォームする時に給水管、排水管を備えたレンジフードを施工コストが安く、しかも見栄え良く簡単に取付けできる。
【0043】
また、配管収納カバー3の表面板10の上部にフード本体5を取付け、給水管40、排水管41を、その表面板10の配管貫通孔16、背面板21の配管貫通孔21aを通してフード本体1内部に突出してあるので、配管収納空間部15からフード本体5に突出する給水管40、排水管41が見えない。
【0044】
また、配管収納カバー3は調理器具2近くまで連続しているし、その配管収納カバー3の上部にフード本体5が取付けてあるので、調理時に発生した油煙等がフード本体5内に吸い込まれる時に、その油煙等が配管収納カバー3に触れて壁1に触れることがない。
これによって、油煙等で壁1が汚れることがなく、配管収納カバー3が汚れるが、その配管収納カバー3は拭き取り清掃し易いから清掃が容易である。
つまり、配管収納カバー3が壁1を保護するキッチンパネルの役目を果す。
【0045】
また、給水管40、排水管41に油煙等が触れることがなく、給水管40、排水管41が油煙等で汚れることがない。
【0046】
請求項2に係る発明によれば、給水管40を水道配管に接続してあるので、水道水を利用できる。
しかも、壁1よりも室内側に突出した水道配管に接続したので、水道配管に接続するために壁1に穴をあけたりしなくとも良く、施工コストがより安くなる。
【0047】
請求項3に係る発明によれば、排水管41に流れる汚れた洗浄液等はシンク6の排水用配管44に流出するから、特別な排水用配管が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キッチンの調理器具、シンク部分の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】フード本体と配管収納カバーの斜視図である。
【図4】伸縮自在な配管収納カバーの斜視図である。
【図5】キッチンパネルを取付けた配管収納カバーの斜視図である。
【符号の説明】
1…壁、2…調理器具、3…配管収納カバー、4…レンジフード、5…フード本体、6…シンク、15…配管収納空間部、24…送風機、25…洗浄液槽、40…給水管、41…排水管、44…排水用配管。
Claims (3)
- フード本体5と送風機24を備え、そのフード本体5内部に給水管40と排水管41を突出したレンジフードにおいて、
キッチン室の壁1における調理器具2と対向した部分に、表面板10と左右の側面板11で横断面略コ字状の配管収納カバー3を取付け、この配管収納カバー3と壁1との間に配管収納空間部15を調理器具2近くまで連続して形成し、
この配管収納カバー3の表面板10の上部に配管貫通孔16を形成し、
前記フード本体5は上面板20と背面板21と前面板22と左右の側面板23で下面を開口した箱形状で、その背面板21に配管貫通孔21aを形成し、
前記フード本体5は、前記配管収納カバー3の表面板10の上部に、前記背面板21の配管貫通孔21aが前記表面板10の配管貫通孔16と対向するように取付け、
前記給水管40、排水管41を、前記配管収納空間部15内に配設し、その給水管40、排水管41を、前記表面板10の配管貫通孔16、背面板21の配管貫通孔21aを通して前記フード本体5内部に突出したことを特徴とするレンジフード。 - 給水管40を配管収納カバー3の下部より突出して壁1よりも室内側に突出した水道配管に接続した請求項1記載のレンジフード。
- 排水管41を配管収納カバー3の下部から突出してシンク6の排水用配管44に接続した請求項1又は2記載のレンジフード。
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