JP4224697B2 - 内燃機関の最適点火時期設定方法及び最適点火時期設定装置 - Google Patents

内燃機関の最適点火時期設定方法及び最適点火時期設定装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の発生トルクが最大となる最適点火時期を設定する内燃機関の最適点火時期設定方法及び最適点火時期設定装置に関するものである。
一般に、図13に示すように、内燃機関の発生トルクは点火時期によって変化し、発生トルクが最大となる最適点火時期をMBT(Minimum spark advance for Best Torque )と言う。このMBTは、図14A〜図14Eに示すように、回転速度、負荷(シリンダ充填空気量)、空燃比(A/F)、吸気バルブタイミング進角量(吸気VVT進角量)、冷却水温等の運転条件パラメータによって変化する。これは筒内に充填された混合気の燃焼速度が各運転条件パラメータによって変化するためである。このように、MBTは運転条件によって変化するため、内燃機関の点火時期をMBTに制御して効率良く運転するには、内燃機関の開発過程で、全ての運転条件(運転条件パラメータの全ての組み合わせ)について点火時期と発生トルクとの関係を計測してMBTを求めておく必要がある。
しかし、近年の内燃機関は、今後、益々厳しくなる排ガス規制や燃費規制に対応するために、可変バルブタイミング機構、可変バルブリフト機構、排気還流システム等の様々な機能を搭載しているため、運転条件パラメータの組み合わせの数が非常に多くなる傾向にあり、全ての運転条件について点火時期と発生トルクとの関係を計測してMBTを求める作業が非常に面倒なものとなってきている。
そこで、例えば、特許文献1(特開平11−190681号公報)の技術を利用して、測定プログラムによる自動処理によって点火時期と発生トルクとの関係を計測する処理と、それらの計測データに基づいてMBTを決定する処理とを自動的に行うようにしたものがある。
また、内燃機関の低温時のMBTを求める場合には、例えば、内燃機関を停止した状態で、内燃機関に冷却風を当てたり、冷却装置で冷却した冷却水や潤滑油を内燃機関の冷却水路や潤滑油路に循環させてたりして、内燃機関全体を所定温度(例えば−20℃)まで強制的に冷却する。この後、図15に示すように、内燃機関を所定の運転条件で運転し、この暖機運転中に冷却水温が上昇する過程で、各温度領域内で点火時期を所定範囲で変更して点火時期と発生トルクとの関係を計測する処理を繰り返して、それらの計測データに基づいてMBTを求めることで、所定の運転条件における低温時のMBTを求める。以上の処理を全ての運転条件について実施することで、全ての運転条件における低温時のMBTを求めるようにしている。
特開平11−190681号公報(第2頁等)
しかしながら、上記従来のMBT算出方法では、1つの運転条件におけるMBTを算出する際に、その運転条件において点火時期を変更して多数点(例えば10点)で点火時期とトルクのデータを計測する必要がある。このため、前述したように、測定プログラムによって点火時期と発生トルクを計測してMBTを決定する処理を自動化しても、全ての運転条件について点火時期を変更して多数点で点火時期とトルクのデータを計測するという事情は変わらず、データの計測工数が非常に多くなってしまう。
また、前述したように、低温時のMBTを求める場合には、例えば、図15に示すように、暖機運転中に冷却水温が上昇する過程で、各温度領域内で点火時期を所定範囲で変更して多数点で点火時期と発生トルクとの関係を計測する必要があるため、運転条件を変更する余裕がなく、運転条件を固定したまま各温度領域内で点火時期と発生トルクとの関係を計測して、所定の運転条件における低温時のMBTを求めるようにしている。このため、1回の暖機運転中に1つの運転条件における低温時のMBTしか求めることができず、全ての運転条件における低温時のMBTを求めるには、内燃機関の強制冷却と暖機運転とを運転条件パラメータの全ての組み合わせの数だけ繰り返す必要がある。通常、内燃機関を冷却するのには2時間程度の冷却時間が必要となるため、全ての運転条件における低温時のMBTを求めるには膨大な時間が必要となる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の第1の目的は、最適点火時期(MBT)の設定に必要なデータの計測工数を低減できるようにすることであり、第2の目的は、全ての運転条件における低温時の最適点火時期を能率良く設定できるようにすることである。
一般に、内燃機関の筒内混合気の燃焼過程には、燃焼遅れ期間と主燃焼期間がある。燃焼遅れ期間は、燃焼質量割合が例えば0〜10%の期間であり、主燃焼期間は、燃焼質量割合が例えば10〜90%の期間である。最近の本発明者らの研究によると、第1の特徴として、最適点火時期(MBT)における主燃焼期間の開始位置は、温度よってほとんど変化せずにほぼ一定となり、第2の特徴として、燃焼遅れ期間の長さは、温度によって変化するが、燃焼位置(燃焼遅れ期間の中間位置)が所定範囲の場合、同一温度であれば点火時期(又は燃焼位置)によってほとんど変化せずにほぼ一定となることが判明した。
これらの特徴に着目して、本発明の請求項1、に係る発明は、所定温度で所定点火時期における燃焼遅れ期間又はそれに相関するデータ(以下「燃焼遅れ期間データ」と総称する)を計測し、この燃焼遅れ期間データと、適当な温度で計測した最適点火時期における主燃焼期間の開始位置又はそれに相関するデータ(以下「主燃焼期間開始位置データ」と総称する)とに基づいて前記所定温度における最適点火時期を設定する技術思想であり、具体的には、内燃機関の低温時に所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測し、この燃焼遅れ期間データと、内燃機関の暖機後に計測した最適点火時期における主燃焼期間開始位置データとに基づいて低温時における最適点火時期を設定するようにしたものである。
前記第1の特徴から、適当な温度で計測した最適点火時期における主燃焼期間開始位置データは、所定温度で最適点火時期における主燃焼期間の開始位置の代用情報となり、前記第2の特徴から、所定温度で所定点火時期における燃焼遅れ期間データは、所定温度で最適点火時期における燃焼遅れ期間の長さの代用情報となる。従って、これらのデータを用いれば、所定温度で最適点火時期における主燃焼期間の開始位置と燃焼遅れ期間の長さとを把握することができるため、所定温度における最適点火時期(つまり、主燃焼期間の開始位置から燃焼遅れ期間の長さ分だけ溯った位置)を算出することができる。このようにすれば、1つの運転条件における最適点火時期を設定する際に、その運転条件において1点の点火時期で燃焼遅れ期間データを計測するだけで、最適点火時期を設定することが可能となり、最適点火時期の設定に必要なデータの計測工数を低減することができる。
この場合、請求項1,4に係る発明では、燃機関の低温時に所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測し、この燃焼遅れ期間データと、内燃機関の暖機後に計測した最適点火時期における主燃焼期間開始位置データとに基づいて低温時における最適点火時期を設定することを特徴としている。本発明は、1点の点火時期で燃焼遅れ期間データを計測するだけで、最適点火時期を設定することができるので、請求項1,4のように、低温時の最適点火時期を設定する場合に適用すれば、暖機運転中に冷却水温が上昇する過程で、各温度領域内で複数の運転条件について燃焼遅れ期間データを計測することが可能となり、1回の暖機運転中に複数の運転条件における低温時の最適点火時期を設定することができる。このため、全ての運転条件における低温時の最適点火時期を求める際に、内燃機関の強制冷却と暖機運転の繰り返し回数を、従来よりも少なくすることができて、全ての運転条件における低温時の最適点火時期を設定するのに必要な時間を大幅に短縮化することができる。
ところで、前記第2の特徴として、燃焼遅れ期間の長さは、燃焼位置(燃焼遅れ期間の中間位置)が所定範囲の場合、同一温度であれば点火時期(又は燃焼位置)によってほとんど変化せずにほぼ一定となるとみなしたが、厳密に見ると、燃焼遅れ期間の長さは燃焼位置によって多少変化し、特に、燃焼位置がTDC(上死点)から進角側へ離れるほど燃焼遅れ期間の長さの変化量が大きくなる傾向がある。
そこで、請求項2,5のように、最適点火時期を設定する際に、所定点火時期における燃焼遅れ期間データを燃焼位置に応じて補正するようにしても良い。このようにすれば、燃焼位置に応じて燃焼遅れ期間の長さが変化するのに対応して燃焼遅れ期間データを補正することができ、最適点火時期の算出精度を向上させることができる。
また、請求項3,6のように、所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測する際に、内燃機関の運転条件を連続的に変更しながら各運転条件毎に所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測するようにしても良い。このようにすれば、複数の運転条件について所定点火時期における燃焼遅れ期間データを連続的に計測して、複数の運転条件について最適点火時期を連続的に設定することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を次の2つの実施例1、2を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図9に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて最適点火時期(以下「MBT」という)設定システムの構成を説明する。MBT設定用のエンジン11(内燃機関)の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、DCモータ等によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。
更に、スロットルバルブ14の下流側には、サージタンク15が設けられ、このサージタンク15には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド16が設けられ、各気筒の吸気マニホールド16の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁17が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ18が取り付けられ、各点火プラグ18の火花放電によって筒内の混合気に着火される。一方、エンジン11の排気管19には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ20(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、筒内圧力を検出する筒内圧力センサ21と、冷却水温を検出する冷却水温センサ(図示せず)と、エンジン11のクランク軸が一定クランク角(例えば30℃A)回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ22が取り付けられている。このクランク角センサ22の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。尚、筒内圧力センサ21は、点火プラグ18に内蔵したタイプであっても良いし、点火プラグ18とは別に設けたタイプであっても良い。
筒内圧センサ21の出力は、出力変換アンプ23を介してMBT設定用コンピュータ24に入力される。このMBT設定用コンピュータ24は、後述する図9の低温時MBT算出プログラムを実行することで、最適点火時期設定手段として機能し、全ての運転条件(シリンダ充填空気量、吸気バルブタイミング等の運転条件パラメータの全ての組み合わせ)について低温時のMBTを算出する。
以下、MBT設定用コンピュータ24によるMBTの算出方法について具体的に説明する。図2に示すように、まず、筒内圧センサ21で検出した筒内圧データに基づいて燃焼質量割合X[%]を次式により分解能ごと算出する。
X(n) =Q(n) /Qmax ×100 0≦n<datenum
ここで、Qは熱発生量、Qmax は最大熱発生量、datenum はサイクル当りのデータ数である。
熱発生量Qは、次のようにして分解能ごとに算出する。
燃焼質量割合開始点の前のとき(0≦n<Cstart )の熱発生量Qは次式により算出する。ここで、Cstart は燃焼質量割合開始点データ番号である。
Q(n) =Q(n-1)
燃焼質量割合範囲内のとき(Cstart ≦n≦Cend )の熱発生量Qは次のようにして算出する。ここで、Cend は燃焼質量割合終了点データ番号である。
dQ(n) >0のときには次式により算出する。
Q(n) =Q(n-1) +dQ(n) ×D
dQ(n) =1/{K(n) −1}
×{V(n) ×dP(n) +K(n) ×P(n) ×dV(n) }
ここで、Dは角度分解能[deg ]、K(n) はnステップでの比熱比、V(n) はnステップでの燃焼室容積、dP(n) はnステップでの筒内圧力上昇率、P(n) はnステップでの筒内圧力、dV(n) はnステップでの燃焼室容積変化率である。
dQ(n) ≦0のときには次式により算出する。
Q(n) =Q(n-1)
燃焼質量割合終了点の後のとき(n>Cend )の熱発生量Qは次式により算出する。
Q(n) =Q(Cend)
以上のようにして、筒内圧データに基づいて燃焼質量割合を算出した後、この燃焼質量割合に基づいて燃焼遅れ期間と主燃焼期間とを算出する。ここで、燃焼遅れ期間は、点火プラグ18の周りに火炎が形成されて徐々に成長する期間であり、燃焼質量割合が例えば0〜10%の期間に相当する。一方、主燃焼期間は、混合気の温度が上昇して火炎が一気に伝播して本格的に燃焼する期間であり、燃焼質量割合が例えば10〜90%の期間に相当する。トルクが発生するのは、主に、この主燃焼期間である。
本発明者らは、図3乃至図6に示すように、所定の運転条件で冷却水温(エンジン温度の代用情報)が−10℃付近のときと85℃付近のときについて、それぞれ点火時期を変更して各点火時期における燃焼遅れ期間と主燃焼期間とを計測し、それらの計測データに基づいて燃焼遅れ期間と主燃焼期間について考察した。
その結果、図3及び図4に示すように、第1の特徴として、MBTにおける主燃焼期間の開始位置及び長さは、冷却水温よってほとんど変化せずにほぼ一定となることが判明した。更に、図3、図5及び図6に示すように、第2の特徴として、燃焼遅れ期間の長さは、冷却水温によって変化するが、燃焼位置(燃焼遅れ期間の中間位置)が所定範囲(例えばMBTの±10℃Aの範囲)の場合、同一温度であれば点火時期(又は燃焼位置)によってほとんど変化せずにほぼ一定(例えば変化量が2℃A以内)となることが判明した。
本実施例1では、これらの特徴に着目して、図7に示すように、予め、暖機後(例えば冷却水温が85℃のとき)に、所定の運転条件でMBTにおける主燃焼期間の開始位置を計測しておき、エンジン11を強制冷却した後、低温時(例えば冷却水温が85℃よりも低い所定温度のとき)に、所定の運転条件で所定点火時期における燃焼遅れ期間を計測し、暖機後に計測したMBTにおける主燃焼期間の開始位置から低温時に計測した所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さ分だけ溯った位置を算出し、その位置を低温時におけるMBTとする。これにより、1つの運転条件におけるMBTを設定する際に、その運転条件において1点の点火時期で燃焼遅れ期間を計測するだけで、MBTを設定することができる。
全ての運転条件(シリンダ充填空気量、吸気バルブタイミング等の運転条件パラメータの全ての組み合わせ)について低温時のMBTを設定する場合には、予め、例えば、暖機後(冷却水温が例えば85℃に昇温したとき)に、全ての運転条件について点火時期と発生トルクとの関係を計測してMBTを決定する際に、全ての運転条件についてMBTにおける主燃焼期間の開始位置を計測しておく。
この後、エンジン11を停止した状態で、エンジン11に冷却風を当てたり、冷却装置で冷却した冷却水や潤滑油をエンジン11の冷却水路や潤滑油路に循環させてたりして、エンジン11全体を所定温度(例えば−20℃)まで強制的に冷却する。この後、図8に示すように、エンジン11を始動し、暖機運転中に冷却水温が上昇する過程で、各温度領域内で運転条件(例えばシリンダ充填空気量と吸気バルブタイミングの組み合わせ)を連続的に変更しながら各運転条件毎に低温時の所定点火時期における燃焼遅れ期間を計測する処理を繰り返す。
このようにして各運転条件について低温時に計測した所定点火時期における燃焼遅れ期間と、同じ運転条件で暖機後に計測したMBTにおける主燃焼期間の開始位置とを用いて、各運転条件について低温時におけるMBT(つまり、暖機後に計測したMBTにおける主燃焼期間の開始位置から低温時に計測した所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さ分だけ溯った位置)を求めることで、1回の暖機運転中に複数の運転条件における低温時のMBTを求める。これらの処理を繰り返して全ての運転条件における低温時のMBTを求める。
以上説明したMBT設定用コンピュータ24によるMBTの算出は、図9に示す低温時MBT算出プログラムに従って実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン11の暖機後に、全ての運転条件について点火時期と発生トルクとの関係を計測してMBTを決定する。その際、全ての運転条件についてMBTにおける主燃焼期間の開始位置を計測しておく。この後、ステップ102に進み、全ての運転条件について暖機後に計測したMBTにおける主燃焼期間の開始点Msを記憶する。
この後、ステップ103に進み、エンジン11を強制冷却した後の暖機運転中に冷却水温が上昇する過程で、各温度領域内で運転条件を連続的に変更して、各運転条件について所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さNを計測する。
この後、ステップ104に進み、各運転条件についてMBTにおける主燃焼期間の開始点MSから所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さNだけ溯った位置を算出し、その位置を低温時におけるMBTとする。
MBT=Ms+N
これらのステップ103、104の処理を繰り返して全ての運転条件における低温時のMBTを求める。
以上説明した本実施例1によれば、1つの運転条件におけるMBTを設定する際に、その運転条件において1点の点火時期で燃焼遅れ期間データを計測するだけで、MBTを設定することができ、MBTの設定に必要なデータの計測工数を低減することができる。しかも、低温時のMBTを設定する場合に、暖機運転中に冷却水温が上昇する過程で、各温度領域内で運転条件を連続的に変更して各運転条件について所定点火時期における燃焼遅れ期間を計測するようにしたので、各温度領域内で複数の運転条件について燃焼遅れ期間を計測することが可能となり、1回の暖機運転中に複数の運転条件(例えば9通りの運転条件)における低温時のMBTを設定することができる。このため、全ての運転条件における低温時のMBTを求める際に、エンジン11の強制冷却と暖機運転の繰り返し回数を、従来よりも低減することができて、全ての運転条件における低温時のMBTを設定するのに必要な時間を大幅に短縮化することができ、低温時のMBTを能率良く設定することができる。
次に、図10乃至図12を用いて本発明の実施例2を説明する。前述した第2の特徴として、燃焼遅れ期間の長さは、燃焼位置(燃焼遅れ期間の中間位置)が所定範囲の場合、同一温度であれば点火時期(又は燃焼位置)によってほとんど変化せずにほぼ一定となるとみなしたが、厳密に見ると、図10に示すように燃焼遅れ期間の長さは燃焼位置によって多少変化し、特に、燃焼位置がTDC(上死点)から進角側へ離れるほど燃焼遅れ期間の長さの変化量が大きくなる傾向がある。
そこで、本実施例2では、最適点火時期を設定する際に、次のようにして所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さを燃焼位置に応じて補正するようにしている。
図11に示すように、基準点(例えば−5℃A ATDC)に対する燃焼遅れ期間の変化量Yと燃焼位置Xとの関係は、次のような関係式で表すことができる。
Y=aX2 +bX
上記関係式を用いて、例えば、燃焼位置に基づいてMBTにおける燃焼遅れ期間の変化量と所定点火時期における燃焼遅れ期間の変化量とを求め、この変化量の差を所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さに加算することで、所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さを補正する(つまり、MBTにおける燃焼遅れ期間の長さに変換する)。
本実施例2の低温時のMBTの設定は、図12に示す低温時MBT算出プログラムに従って実行される。本プログラムでは、エンジン11の暖機後に、全ての運転条件についてMBTを決定し、その際に計測したMBTにおける主燃焼期間の開始点Msを記憶する(ステップ201、202)。
この後、ステップ203に進み、低温時に各運転条件について所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さNを計測した後、ステップ204に進み、上記関係式を用いて、燃焼遅れ期間の長さNを燃焼位置に応じて補正する。
Nc ←N
この後、ステップ205に進み、各運転条件についてMBTにおける主燃焼期間の開始点MSから補正後の所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さNc だけ溯った位置を算出し、その位置を低温時におけるMBTとする。
MBT=Ms+Nc
これらのステップ203〜205の処理を繰り返して全ての運転条件における低温時のMBTを求める。
以上説明した本実施例2では、MBTを設定する際に、所定点火時期における燃焼遅れ期間の長さ燃焼位置に応じて補正するようにしたので、燃焼位置に応じて燃焼遅れ期間の長さが変化するのに対応して燃焼遅れ期間の長さを補正することができ、MBTの算出精度を向上させることができる。
尚、上記各実施例1、2では、1つの運転条件におけるMBTを設定する際に、その運転条件において1点の点火時期で燃焼遅れ期間データを計測するようにしたが、2点以上の点火時期で燃焼遅れ期間を計測して、それらの平均値等を用いるようにしても良く、この場合でも、点火時期の計測点の数を従来よりも少なくすれば、計測工数を低減することができる。
また、上記各実施例1、2では、暖機後に計測したMBTにおける主燃焼期間の開始位置を用いるようにしたが、これに限定されず、低温時に計測したMBTにおける主燃焼期間の開始位置を用いるようにしても良い。
また、上記各実施例1、2では、MBTを設定する際に、主燃焼期間の開始位置と燃焼遅れ期間を用いたが、これに限定されず、主燃焼期間の開始位置に相関するデータ(筒内圧データ、燃焼質量割合データ等)や燃焼遅れ期間に相関するデータ(筒内圧データ、燃焼質量割合データ等)を用いるようにしても良い。
また、上記各実施例1、2では、MBTを設定する際に、主燃焼期間の開始位置を用いたが、これに限定されず、主燃焼期間の開始相当位置(例えば主燃焼期間の開始位置から約50%位置までの間の所定位置)を用いるようにしても良い(図7参照)。これは、MBTにおける主燃焼期間の開始位置から約50%位置までは、温度よってほとんど変化せずにほぼ一定となるからである。
また、上記各実施例1、2では、本発明を低温時のMBTの設定に適用したが、本発明は、暖機後の異なる温度についてMBTを設定する場合に適用しても良い。
本発明の実施例1におけるMBT設定システムの概略構成図である。 燃焼遅れ期間と主燃焼期間を説明するための図である。 異なる冷却水温において点火時期と燃焼遅れ期間と主燃焼期間との関係を示すタイムチャートである。 異なる冷却水温において燃焼位置と主燃焼期間の長さとの関係を示す図である。 異なる冷却水温において燃焼位置と燃焼遅れ期間の長さとの関係を示す図である。 燃焼位置と燃焼遅れ期間の長さとの関係を示す図である。 MBTの設定方法を説明するためのタイムチャートである。 運転条件を変更しながら燃焼遅れ期間を計測する方法を説明するためのタイムチャートである。 実施例1の低温時MBT算出プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 燃焼位置と燃焼遅れ期間の長さとの関係を示す図である。 燃焼遅れ期間の補正方法を説明するための図である。 実施例2の低温時MBT算出プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 点火時期とトルクとの関係を示す図である。 回転速度とMBTとの関係を示す図である。 シリンダ充填空気量とMBTとの関係を示す図である。 A/FとMBTとの関係を示す図である。 吸気VVT進角量とMBTとの関係を示す図である。 冷却水温とMBTとの関係を示す図である。 従来の低温時のMBTの設定方法を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…スロットルバルブ、17…燃料噴射弁、18…点火プラグ、19…排気管、20…排出ガスセンサ、21…筒内圧力センサ、22…クランク角センサ、24…MBT設定用コンピュータ(最適点火時期設定手段)

Claims (6)

  1. 内燃機関の発生トルクが最大となる最適点火時期を設定する内燃機関の最適点火時期設定方法であって、所定温度で所定点火時期における燃焼遅れ期間又はそれに相関するデータ(以下「燃焼遅れ期間データ」と総称する)を計測し、この燃焼遅れ期間データと、適当な温度で計測した最適点火時期における主燃焼期間の開始位置又はそれに相関するデータ(以下「主燃焼期間開始位置データ」と総称する)とに基づいて前記所定温度における最適点火時期を設定する内燃機関の最適点火時期設定方法において、
    内燃機関の低温時に前記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測し、この燃焼遅れ期間データと、内燃機関の暖機後に計測した前記最適点火時期における主燃焼期間開始位置データとに基づいて低温時における最適点火時期を設定することを特徴とする内燃機関の最適点火時期設定方法。
  2. 記最適点火時期を設定する際に、前記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを燃焼位置に応じて補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の最適点火時期設定方法。
  3. 記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測する際に、内燃機関の運転条件を連続的に変更しながら各運転条件毎に前記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の最適点火時期設定方法。
  4. 内燃機関の発生トルクが最大となる最適点火時期を設定する内燃機関の最適点火時期設定装置において、
    所定温度で所定点火時期における燃焼遅れ期間又はそれに相関するデータ(以下「燃焼遅れ期間データ」と総称する)を計測し、この燃焼遅れ期間データと、適当な温度で計測した最適点火時期における主燃焼期間の開始位置又はそれに相関するデータ(以下「主燃焼期間開始位置データ」と総称する)とに基づいて前記所定温度における最適点火時期を設定する最適点火時期設定手段を備え、
    前記最適点火時期設定手段は、内燃機関の低温時に前記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測し、この燃焼遅れ期間データと、内燃機関の暖機後に計測した前記最適点火時期における主燃焼期間開始位置データとに基づいて低温時における最適点火時期を設定することを特徴とする内燃機関の最適点火時期設定装置。
  5. 記最適点火時期設定手段は、前記最適点火時期を設定する際に、前記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを燃焼位置に応じて補正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の最適点火時期設定装置。
  6. 記最適点火時期設定手段は、前記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測する際に、内燃機関の運転条件を連続的に変更しながら各運転条件毎に前記所定点火時期における燃焼遅れ期間データを計測することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の最適点火時期設定装置。
JP2003354695A 2003-10-15 2003-10-15 内燃機関の最適点火時期設定方法及び最適点火時期設定装置 Expired - Fee Related JP4224697B2 (ja)

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