以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明によるファイリングシステムの要部構成を示す図である。
図1に示すように、このファイリングシステムは、複数(N)の文書収納棚1(1)、1(2)、1(3)、1(4)、・・・・、1(N)と、入出庫用プラットフォーム2と、文書収納棚制御機構3と、制御ユニット4と、IDタグリーダー/ライター5と、入出力機器6とによって構成されている。
そして、複数(N)の文書収納棚1(1)乃至1(N)は、それぞれ文書ファイル載置面の端部にコ字型の枠体7が立設され、枠体7の内部を複数の文書ファイル収納区画9に仕切る複数の仕切板8が立設される。この場合、各文書収納棚1(1)乃至1(N)には、それぞれ棚番号が割り振られている。入出庫用プラットフォーム2は、文書ファイル載置面に、複数の仕切板8と同枚数のガイド板10が立設されて複数の文書ファイル入出力区画11が形成され、各文書ファイル入出力区画11にそれぞれ光センサ12とLED表示器13が対向配置される。また、文書収納棚制御機構3は、複数(N)の文書収納棚1(1)乃至1(N)の両側面を保持する一対のチェーン14と、一対のチェーン14を同方向に同時に移動させる回転駆動体15と、回転駆動体15に連結されたモータ16と、モータ16の駆動を制御するモータ駆動ユニット17とを備える。
制御ユニット4は、コントローラ18と、文書保管情報データベース19と、モータ駆動ユニット17に結合される棚駆動インターフェイス20と、IDタグに情報を送受信するIDタグリーダー/ライター5に結合されるIDタグリーダーインターフェイス21と、複数の光センサ12に結合されるセンサ用インターフェイス22と、複数のLED表示器13に結合される表示用インターフェイス23と、入出力機器6に結合される入出力インターフェイス24とを備える。IDタグリーダー/ライター5は、出庫用プラットフォーム2の近傍に配置されたアンテナ25に接続される。入出力機器6は、液晶ディスプレイ装置26と、キーボード27と、カード読み取り器28とを備える。
カルテからなる多数の文書ファイル29は、それぞれ、側面にRDIDタグ30が装着され、通常、1つの文書ファイル29を1つの文書ファイル収納区画9に収納している。ただし、場合によっては、文書ファイル収納区画9に収納可能であれば、場合によっては、2つまたはそれ以上の文書ファイル29を1つの文書ファイル収納区画9に収納することも可能である。また、それぞれのRFIDタグ30は、固有に割り付けられたIDを保持し、そのIDを見ることにより文書ファイル29の特定をすることができるようになっている。
かかる構成において、文書収納棚1(1)乃至1(N)を移動させる際には、コントローラ18の制御によりモータ駆動ユニット17を介してモータ16を回転駆動させると、回転駆動体15が回転し、その回転とともに一対のチェーン14が移動し、一対のチェーン14に結合されている文書収納棚1(1)乃至1(N)が同時に移動する。このとき、文書収納棚1(1)を希望したとすると、文書収納棚1(1)が出庫用プラットフォーム2の水平位置に一致したとき、回転駆動体15の回転が停止し、入出庫用プラットフォーム2に対する文書収納棚1(1)の位置決めが行われたことになる。
ここで、図2は、位置決めされたときの入出庫用プラットフォーム2と文書収納棚1(1)との状態を示す上面図である。
図2において、図1に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
図2に示されるように、文書収納棚1(1)から一つの文書ファイル29を出庫するとき、または、一つの文書ファイル29を文書収納棚1(1)に入庫するとき、その文書ファイル29は入出庫用プラットフォーム2を経由して行われるもので、そのとき当該文書ファイル29が光センサ12の上部を通過したとき、当該文書ファイル29の出庫または入庫を検知する。そして、入出庫を検知した光センサ27の配置位置から文書ファイル29が入出庫された文書ファイル収納区画9が判るものである。この場合の検出分解能は、光センサ12の配置密度によって決まるが、光センサ12の寸法は一般的に数ミリ程度であるので、数ミリ程度の精度で位置の検出が行われ、文書ファイル29の保管と管理には十分な精度である。
文書ファイル29の出庫時には、ファイリングシステムが検索した文書ファイル収納区画9を作業者に伝えるため、その文書ファイル収納区画9に対応した文書ファイル入出力区画11に配置されたLED表示器12を点灯させる。作業者は、点灯したLED表示器12を見ることにより、検索した文書ファイル収納区画9にある文書ファイル29を出庫することができる。このLED表示器12は作業者に特定の位置を伝えることが目的であるので、作業者が確認できるものであれば、LED表示器以外の表示器、例えば、ネオン管や液晶等の表示起であってもよい。
入出庫用プラットフォーム2の横方向近傍には、IDタグリーダー/ライター5に接続されたアンテナ25が配置される。このアンテナ25は、入出庫用プラットフォーム2上を通過して入出庫される文書ファイル29に装着されているRFIDタグ30からの送信情報を受信し、IDタグリーダー/ライター5がそのRFIDタグ30のIDを読み取り、読み取ったIDから文書ファイル29の特定が行われる。
次に、制御ユニット4の機能について述べる。
文書保管情報データベース19は、図3に図示されたようなデータを格納しているもので、1件毎の文書データとして、各文書ファイル29に装着されたRFIDタグ30に割り振られたタグID19(1)と使用時にユーザが理解しやすいように名付けた文書ID(文書ファイル名)19(2)と文書ファイル29の文書ファイル収納位置を駆動位置の駆動単位番号(駆動単位が複数存在する場合)とその駆動単位内での棚番号とその棚内での区画番号の組み合わせで構成された格納位置データ19(3)と最後にその文書ファイル29に対して行われた操作と作業者のIDの操作時刻とを組み合わせて記録した入出庫ログ19(4)と文書ファイル29の内容、例えば、患者氏名、カルテの所属する診療科名、入院または外来の区別等を説明する文書属性データ19(5)からなる。
棚駆動インターフェイス20は、コントローラ18からの指示によって位置決めする棚番号の機械的座標を指定し、モータ駆動ユニット17に移動量を送る。このとき、モータ駆動ユニット17は、指定された機械的座標位置までモーター16を回転駆動し、所望する棚番号の位置決めを行う。IDタグリーダーインターフェイス21は、IDタグリーダー/ライター5に対してRFIDタグ30の持つID情報の読み込みまたは書き込みを指示し、読み取ったID情報をコントローラ18に回答する。センサ用インターフェイス22は、文書ファイル29の通過を検出した光センサ12の特定を行い、コントローラ18に該当する文書ファイル収納区画9を通知する。表示用インターフェイス23は、コントローラ18からの指示により指定された文書ファイル入出力区画11のLED表示器12を点灯させる。入出力インターフェイス24は、液晶ディスプレイ装置26とキーボード27に接続され、作業者の情報の入力や作業者への情報の伝達を行う。
次に、図4乃至図6は、本発明に係るファイリングシステムにおける文書ファイルの入庫シーケンスを示すフローチャートである。
ここで、図4は、特定の文書ファイルを、事前に定めた格納位置(想定位置)に入庫する際の想定位置入庫シーケンスであって、例えば出庫前と同じ位置に文書ファイルを戻したり、文書の所属する属性に応じて特定の棚に入庫したりする必要がある場合に用いるものである。
始めに、ステップS1において、コントローラ18は、既定位置入庫処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの文書IDの入力を受ける。
次に、ステップS2において、コントローラ18は、入力された文書IDが文書保管情報データベース19に存在する(有効文書ID)であるか否かを判断する。そして、存在すると判断した(Y)ときは次のステップS3に移行し、一方、存在しないと判断した(N)ときは他のステップS4に移行する。
次いで、ステップS3において、コントローラ18は、文書保管情報データベース19を検索し、タグIDを引き当てる。
一方、ステップS4において、コントローラ18は、文書IDの再入力または新規文書として登録することを促すメッセージの出力等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS5において、コントローラ18は、今回保管すべき文書ファイル29の格納位置を引き当てる。
続く、ステップS6において、コントローラ18は、引き当てた文書ファイル29の格納位置がある文書収納棚を位置決めする。
次に、ステップS7において、コントローラ18は、文書ファイル29を格納すべき文書ファイル入出力区画11のLED表示器13を点灯する。
次いで、ステップS8において、コントローラ18は、光センサ12の読み取りを行う。
続いて、ステップS9において、コントローラ18は、文書ファイルが入庫された文書ファイル入出力区画11が正しいか否かを判断する。そして、正しいと判断した(Y)ときは次のステップS10に移行し、一方、正しくないと判断した(N)ときは他のステップS11に移行する。
続く、ステップS10において、コントローラ18は、タグID28を読み取る。
一方、ステップS11において、コントローラ18は、ステップS11において、コントローラ18は、新しい文書ファイル入出力区画11として更新したりする判断を作業者に仰ぐ等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS12において、コントローラ18は、読み取ったタグID28が正しいか否かを判断する。そして、正しいと判断した(Y)ときは次の入庫のやり直しを指示したり、入庫した文書ファイル入出力区画11をステップS13に移行し、一方、正しくないと判断した(N)ときは他のステップS14に移行する。
次に、ステップS13において、コントローラ18は、入出庫ログを更新する。 この処理が行われると、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りという終了処理が行われる。
次に、図5は、文書ファイルを作業者が希望する格納位置に入庫する際の希望位置入庫シーケンスであって、例えば、出庫前とは異なる位置に文書ファイルを戻したり、文書の所属する属性に応じて特定の欄に移動入庫したりする必要がある場合に用いるものである。
始めに、ステップS15において、コントローラ18は、希望格納位置入庫処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの希望する格納位置の入力を受ける。
次に、ステップS16において、コントローラ18は、その希望格納位置が空いているか、または、1つの文書ファイル収納区画9に複数の文書ファイル29を保管している場合、その保管文書ファイル数の上限値に達していないか否かを判断する。そして、空きがあるまたは上限値に達していないと判断した(Y)ときは次のステップS17に移行し、一方、空きがないまたは上限値に達していると判断した(N)ときは他のステップS18に移行する。
次いで、ステップS17において、コントローラ18は、希望する格納位置がある文書収納棚を移動して位置決めする。
一方、ステップS18において、コントローラ18は、希望格納位置の再入力を促すメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS19において、コントローラ18は、文書ファイル29を格納すべき文書ファイル入出力区画11のLED表示器13を点灯する。
続く、ステップS20において、コントローラ18は、格納する文書ファイル29のタグIDを読み取る。
次に、ステップS21において、コントローラ18は、文書保管情報データベース19を検索し、タグIDを引き当てる。
次いで、ステップS22において、コントローラ18は、引き当てたタグIDにおける文書IDが存在するか否かを判断する。そして、存在すると判断した(Y)ときは次のステップS24に移行し、一方、存在しないと判断した(N)ときは他のステップS23に移行する。
続いて、ステップS23において、コントローラ18は、新規文書として文書データを作成する。
続く、ステップS24において、コントローラ18は、光センサ12の読み取りを行う。
次に、ステップS25において、コントローラ18は、文書ファイル29が入庫された文書ファイル入出力区画11が正しい区画であるか否かを判断する。そして、正しい区画であると判断した(Y)ときは次のステップS26に移行し、一方、誤っている区画であると判断した(N)ときは他のステップS27に移行する。
次いで、ステップS26において、コントローラ18は、文書ファイル29の格納位置を更新する。
一方、ステップS27において、コントローラ18は、入庫のやり直しを指示したり、入庫した区画を新しい区画として更新したりする判断を作業者に仰ぐ等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS28において、コントローラ18は、入出庫ログを更新する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
続く、図6は、文書ファイルを事前に決めずに任意の格納位置に入庫する際の任意位置入庫シーケンスであって、例えば、どこでも収納できる区画に収納したい場合に用いるものである。
始めに、ステップS29において、コントローラ18は、任意格納位置入庫処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの希望棚番号の入力を受ける。
次に、ステップS30において、コントローラ18は、該当する棚番号の文書収納棚に空いている文書ファイル収納区画9が存在するか否かを判断する。そして、存在すると判断した(Y)ときは次のステップS31に移行し、一方、存在しないと判断した(N)ときは他のステップS32に移行する。
次いで、ステップS31において、コントローラ18は、空いている文書ファイル収納区画9がある文書収納棚を移動して位置決めする。
一方、ステップS32において、コントローラ18は、希望棚番号の再入力を促すメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS33において、コントローラ18は、IDタグリーダー/ライター5によりタグIDを読み取る。
続く、ステップS34において、コントローラ18は、文書保管情報データベース19を検索し、タグIDを引き当てる。
次に、ステップS35において、コントローラ18は、引き当てたタグIDにおける文書IDが存在するか否かを判断する。そして、存在すると判断した(Y)ときは次のステップS37に移行し、一方、存在しないと判断した(N)ときは他のステップS36に移行する。
次いで、ステップS36において、コントローラ18は、新規文書として文書データを作成する。
続いて、ステップS37において、コントローラ18は、光センサ12の読み取りを行う。
続く、ステップS38において、コントローラ18は、文書ファイル29の格納位置を更新する。
次に、ステップS39において、コントローラ18は、入出庫ログを更新する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
続いて、図7乃至図11は、作業者がキーボード27による入力により文書データを新規に作成するシーケンス及び文書データを更新するシーケンスを示すフローチャートである。
ここで、図7は、作業者がキーボード27による文書IDの入力により、新規の文書データを手動で作成するシーケンスである。
始めに、ステップS40において、コントローラ18は、新規文書手動作成処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの文書IDの入力を受ける。
次に、ステップS41において、コントローラ18は、入力された文書IDが文書保管情報データベース19に存在しない(未使用の文書ID)ものであるか否かを判断する。そして、存在しないと判断した(Y)ときは次のステップS42に移行し、一方、存在すると判断した(N)ときは他のステップS43に移行する。
次いで、ステップS42において、コントローラ18は、タグIDの読み取りを行う。
一方、ステップS43において、コントローラ18は、文書IDを再入力することを促すメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS44において、コントローラ18は、読み取ったタグIDが未使用であるか否かを判断する。そして、未使用であると判断した(Y)ときは次のステップS45に移行し、一方、使用されたものであると判断した(N)ときは他のステップS44に移行する。
このとき、ステップS45において、コントローラ18は、存在している文書データの削除処理を先に行うか、新規データの作成を中断するかの判断を促すエラーメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続く、ステップS46において、コントローラ18は、作業者がキーボード27による文書属性の入力を受ける。
次に、ステップS47において、コントローラ18は、入力された文書ID、タグID、文書属性という各種の文書データを文書保管情報データベース19に登録する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
次に、図8は、タグIDの読み取りにより、新規の文書データを手動で作成するシーケンスである。
始めに、ステップS48において、コントローラ18は、新規文書データ手動作成処理が開始されると、タグIDの読み取りを行う。
次に、ステップS49において、コントローラ18は、読み取ったタグIDが未使用であるか否かを判断する。そして、未使用であると判断した(Y)ときは次のステップS50に移行し、一方、使用中であると判断した(N)ときは他のステップS51に移行する。
次いで、ステップS50において、コントローラ18は、キーボード27による文書IDの入力を受ける。
一方、ステップS51において、コントローラ18は、存在中の文書データの削除処理を先に行うか、新規データの作成を中断するかの判断を促すエラーメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS52において、コントローラ18は、入力された文書IDが文書保管情報データベース19に存在しない(未使用の文書ID)ものであるか否かを判断する。そして、存在しないと判断した(Y)ときは次のステップS53に移行し、一方、存在すると判断した(N)ときは他のステップS54に移行する。
続く、ステップS53において、コントローラ18は、作業者がキーボード27による文書属性の入力を受ける。
一方、ステップS54において、コントローラ18は、文書IDを再入力することを促すメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
次に、ステップS55において、コントローラ18は、入力された文書ID、タグID、文書属性という各種の文書データを文書保管情報データベース19に登録する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
次いで、図9は、作業者によるキーボード27からの文書IDの入力により、登録済み文書データを手動で更新するシーケンスである。
始めに、ステップS56において、コントローラ18は、登録済み文書データ手動作成処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの文書IDの入力を受ける。
次に、ステップS57において、コントローラ18は、入力された文書IDが文書保管情報データベース19に登録済みのものであるか否かを判断する。そして、登録済みであると判断した(Y)ときは次のステップS58に移行し、一方、未登録であると判断した(N)ときは他のステップS59に移行する。
次いで、ステップS58において、コントローラ18は、新しい文書IDの入力を受け付ける。なお、このステップS58は、後述するステップS60及びステップS62とともに省略可能である。
一方、ステップS59において、コントローラ18は、文書IDを再入力することを促すエラーメッセージ等を出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS60において、コントローラ18は、新しい文書IDが未使用のものであるか否かを判断する。そして、未使用のものであると判断した(Y)ときは次のステップS61に移行し、一方、使用中であると判断した(N)ときは他のステップS62に移行する。
続く、ステップS61において、コントローラ18は、作業者がキーボード27による文書属性の入力を受ける。
次に、ステップS62において、コントローラ18は、新しい文書IDの再入力を行うか、文書IDの更新は行わないかの判断を促すエラーメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
次いで、ステップS63において、コントローラ18は、文書ID、タグID、文書属性とい各種の文書データを文書保管情報データベース19に登録する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
続く、図10は、タグIDの読み取りにより、登録済み文書データを手動で更新するシーケンスである。
始めに、ステップS64において、コントローラ18は、登録済み文書データ手動作成処理が開始されると、タグIDの読み込みを行う。
次に、ステップS65において、コントローラ18は、読み込んだタグIDが登録済みのものであるか否かを判断する。そして、登録済みのものであると判断した(Y)ときは次のステップS66に移行し、一方、未登録のものであると判断した(N)ときは他のステップS67に移行する。
次いで、ステップS66において、コントローラ18は、新しい文書IDの入力を受け付ける。なお、このステップS66は、後述するステップS68及びステップS07とともに省略可能である。
一方、ステップS67において、コントローラ18は、タグIDの再読み込みを行うか、新規データの作成を行うかの判断を促すエラーメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS68において、コントローラ102は、入力された新しい文書IDが未使用のものであるか否かを判断する。そして、未使用のものであると判断した(Y)ときは次のステップS69に移行し、一方、使用中であると判断した(N)ときは他のステップS70に移行する。
続く、ステップS69において、コントローラ18は、作業者がキーボード27による文書属性の入力を受ける。
次に、ステップS70において、コントローラ18は、新しい文書IDの再入力を行うか、文書IDの更新は行わないかの判断を促すエラーメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
次いで、ステップS71において、コントローラ18は、文書ID、タグID、文書属性とい各種の文書データを文書保管情報データベース19に登録する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
次いで、図11は、文書ファイル29の保管場所を移動したとき、その文書ファイル格納位置データを自動で更新するシーケンスである。
始めに、ステップS72において、コントローラ18は、文書格納位置更新処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの対象棚番号の入力を受ける。
次に、ステップS73において、コントローラ18は、入力された対象棚番号の文書収納棚を位置決めする。
次いで、ステップS74において、コントローラ18は、作業者による文書ファイル29の文書ファイル収納区画9からの取り出し及びその格納位置(取り出し位置)を光センサ12によって検知する。
続いて、ステップS75において、コントローラ18は、取り出した文書ファイル29のタグIDを読み込む。
続く、ステップS76において、コントローラ18は、読み込んだタグIDが登録済みのものであるか否かを判断する。そして、登録済みのものであると判断した(Y)ときは次のステップS77に移行し、一方、未登録のものであると判断した(N)ときは他のステップS78に移行する。
次に、ステップS77において、コントローラ18は、文書ファイル29の格納位置データを更新する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
一方、ステップS78において、コントローラ18は、タグIDの再読み込みを行うか、新規データの作成を行うかの判断を促すエラーメッセージおよび警告音等を出力する等のエラー処理を行う。
次に、図12は、一件の指定した文書ファイル29を出庫するシーケンス(一文書出庫処理)である。
始めに、ステップS79において、コントローラ18は、一文書出庫処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの文書IDの入力を受ける。
次に、ステップS80において、コントローラ18は、入力された文書IDが文書保管情報データベース19に存在する(有効な文書ID)ものであるか否かを判断する。そして、存在すると判断した(Y)ときは次のステップS81に移行し、一方、存在しないと判断した(N)ときは他のステップS82に移行する。
次いで、ステップS81において、コントローラ18は、文書保管情報データベース19を検索し、タグIDと格納位置との引き当てを行う。
一方、ステップS82において、コントローラ18は、文書IDの再入力または新規文書として登録することを促すメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS83において、コントローラ18は、引き当てた格納位置の文書収納棚を移動させて位置決めする。
続く、ステップS84において、コントローラ18は、対象文書ファイル29を格納している文書ファイル入出力区画11区画のLEDを点灯する。
続く、ステップS85において、コントローラ18は、対象文書ファイル29のタグIDを読み取る。
次に、ステップS86において、コントローラ18は、読み取ったタグIDが出庫対象文書ファイル29のものであるか否かを判断する。そして、出庫対象文書ファイル29のものであると判断した(Y)ときは次のステップS87に移行し、一方、出庫対象文書ファイル29のものでないと判断した(N)ときは他のステップS88に移行する。
次いで、ステップS87において、コントローラ18は、入出庫ログを更新する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
一方、ステップS88において、コントローラ18は、誤った文書ファイルを出庫しようとしたとしたことによるエラーメッセージやエラー音を出力し、もとの位置に文書ファイル29を戻すように促す等のエラー処理を行う。
次いで、図13は、複数の指定した文書を連続して出庫するシーケンス(複数文書出庫処理)である。
始めに、ステップS89において、コントローラ18は、複数文書出庫処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの文書IDの入力を受ける。
次に、ステップS90において、コントローラ18は、入力された文書IDが文書保管情報データベース19に存在する(有効な文書ID)ものであるか否かを判断する。そして、存在すると判断した(Y)ときは次のステップS91に移行し、一方、存在しないと判断した(N)ときは他のステップS92に移行する。
次いで、ステップS91において、コントローラ18は、作業者からの入力によって出庫すべき文書の文書IDが全件入力されたか否かをで判断する。そして、既に全件入力されたと判断した(Y)ときは次のステップS93に移行し、一方、未だ全件入力されていないと判断した(N)ときは前のステップS89に戻り、再びステップS89以降の処理が実行される。
一方、ステップS92において、コントローラ18は、文書IDを再入力するまたは新規文書として登録することを促すメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS93において、コントローラ18は、入力された文書IDを棚番号毎にソートする。このステップS93を行うことにより同じ文書収納棚に格納された文書ファイル29を文書収納棚の新たな移動と位置決めとを抜いた状態で出庫できるようになる。
続く、ステップS94において、コントローラ18は、ソート結果の先頭から当該文書ファイル29の格納位置の引き当てを行う。
次に、ステップS95において、コントローラ18は、当該文書ファイル29が格納されている文書収納棚を移動させて位置決めを行う。
次いで、ステップS96において、コントローラ18は、当該文書ファイル29を格納してある文書ファイル入出力区画11のLED表示器13を点灯する。
続いて、ステップS97において、コントローラ18は、出庫される文書ファイル29のタグID28を読み取る。
続く、ステップS98において、コントローラ18は、読み取ったタグID28が出庫対象文書ファイル29のものであるか否かを判断する。そして、出庫対象文書ファイル29のものであると判断した(Y)ときは次のステップS99に移行し、一方、出庫対象文書ファイル29のものでないと判断した(N)ときは他のステップS100に移行する。
次に、ステップS99において、コントローラ18は、入出庫ログの更新をする。
一方、ステップS100において、コントローラ18は、誤った文書ファイル29を出庫しようとしたものとしてエラーメッセージまたはエラー音を出力し、もとの位置に当該文書ファイル29を戻すように促す等のエラー処理を行う。
次いで、ステップS101において、コントローラ18は、現在位置決めされている文書収納棚から出庫すべき文書ファイル29の出庫が完了したか否かを判断する。そして、既に出庫が完了したと判断した(Y)ときは次のステップS102に移行し、一方、未だ出庫が完了しいないと判断した(N)ときは前のステップS96の戻り、再びステップS96以降の処理が実行される。
続いて、ステップS101において、コントローラ18は、既に出庫すべき全ての文書ファイル29の出庫が完了したか否かを判断する。そして、既に全ての文書ファイル29の出庫が完了したと判断した(Y)ときはLED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行い、一方、未だ全ての文書ファイル29の出庫が完了していないと判断した(N)ときは前のステップS94の戻り、再びステップS94以降の処理が実行される。
続いて、図14は、棚番号を指定すれば、文書IDを指定しないでも出庫できるシーケンス(任意位置出庫処理)である。
このシーケンスは、文書ファイル29を引っ越しさせる等の事情により全部の文書ファイル29を一度に出庫させる場合や、現物の文書ファイル29を目で確認して出庫する文書ファイル29を選択する場合等に用いるものである。
始めに、ステップS103において、コントローラ18は、複数文書出庫処理が開始されると、作業者によるキーボード27からの出庫希望棚番号の入力を受ける。
次に、ステップS104において、コントローラ18は、対象となる文書収納棚に格納されている文書ファイル29が存在するか否かを判断する。そして、存在すると判断した(Y)ときは次のステップS105に移行し、一方、存在していないと判断した(N)ときは他のステップS106に移行する。
次いで、ステップS105において、コントローラ18は、対象となる文書収納棚を移動して位置決めする。
一方、ステップS106において、コントローラ18は、希望棚番号を再入力することを促すメッセージを出力する等のエラー処理を行う。
続いて、ステップS107において、コントローラ18は、出庫された文書ファイル29のタグIDを読み取る。
続く、ステップS108において、コントローラ18は、光センサ12によって出庫された文書ファイル29の位置を読み取る。
次に、ステップS109において、コントローラ18は、入手庫ログを更新する。この処理が行われた後、LED表示器13の消灯や初期メニューへの戻りといった終了処理を行う。
ところで、前述の実施の形態に係るファイリングシステムに用いられるRFIDタグ30は、内蔵電池を保持するものを用いた例を示しているが、内蔵電池を保持しないRFIDタグを用いることも可能である。そして、内蔵電池を保持しないRFIDタグを用いた際には、それぞれのRFIDタグを駆動する内蔵電池を交換する手間が省けるので、その分、メンテナンスフリーのファイリングシステムを得ることができる。
また、前述の実施の形態に係るファイリングシステムは、据付き型の光センサ12を用いて入出庫文書ファイル29の位置決定を行っているものであるが、かかる光センサ12を用いる代わりに、レーザ光を用いたレーザセンサを用いることも可能である。
ここで、図15は、入出庫文書ファイル29の位置決定のためにレーザセンサを用いた例を示す上面図であって、ファイリングシステムにおける該当構成部分を表しているものである。なお、図15において、図2に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
図15に示すように、本例のファイリングシステムは、レーザビーム31(1)を出射するレーザセンサ31と、変換ユニット32とを備えている。そして、レーザセンサ31は、レーザビーム31(1)の出射時に文書ファイル29までの距離を測定するもので、測定された距離データは、測定距離と文書収納棚における文書ファイル収納区画9(文書ファイル入出力区画11)を関連付けたテーブルもしくは換算式を備えた変換ユニット32によって文書収納棚内の文書ファイル収納区画データに変換される。
かかる構成を用いれば、測定する文書ファイル29までの距離を0.5mm程度の精度で直接知ることができる。また、レーザセンサ31のレーザビームスポットは直径1mm程度と極小のものであるため、レーザビームを文書収納棚に近接させた状態でレーザセンサ31を配置することが可能になる。このレーザセンサ31を用いて極力文書収納棚に近い位置で文書ファイル29までの距離を測定すれば、入出庫文書ファイル29が斜行した状態で入出庫されるときでも、文書ファイル29の正確な位置を知ることができ、場合によってはガイド板10の設置を省くことができる。
さらに、前述の実施の形態に係るファイリングシステムは、複数の文書収納棚1(1)乃至1(N)が移動可能であり、入出庫用プラットフォーム2が固定されているものであるが、文書収納棚の配置総数(M)が少ない小規模ファイリングシステムであるような場合は、複数の文書収納棚1(1)乃至1(M)をそれぞれ固定するようにし、入出庫用プラットフォーム2を移動可能にすることもできる。
図16は、かかる小規模ファイリングシステムに使用されるファイリングシステムの構成例を示す斜視図であって、その要部構成を表しているものである。なお、図16において、図1に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
図16に示すように、複数の文書収納棚1(1)乃至1(M)は、筐体33に上下方向に配置固定され、入出庫用プラットフォーム2は、複数の文書収納棚1(1)乃至1(M)に沿って上下方向に移動できるような構成になっている。この場合、入出庫用プラットフォーム2は、モータ16(図16に図示なし)に結合された駆動機構34によって上下するもので、駆動機構34の回転棒34(1)が入出庫プラットフォーム2に螺合され、モータ16の回転により回転棒34(1)が回転し、それにより入出庫用プラットフォーム2が上下方向に移動する。また、この例では、入出庫用プラットフォーム2が上下方向に移動するのに伴って、入出庫プラットフォーム2の文書ファイル載置面にアンテナ25が立設されている。
図16に図示された小規模ファイリングシステムの動作は、固定配置されている複数の文書収納棚1(1)乃至1(M)の中の選択された1つの文書収納棚、例えば文書収納棚1(1)の位置に入出庫用プラットフォーム2が移動する点が前述の図1に図示されたファイリングシステムの動作と異なるだけで、それ以外の動作は同じであるので、この小規模ファイリングシステムの動作説明については、重複するのでその動作説明を省略する。