JP4223892B2 - 角度位置検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は極数の異なる複数のレゾルバを組み込んだ角度位置検出装置に関し、特に、外部基準エンコーダを用いることなく絶対位置精度の向上を図ることの可能な角度位置検出装置に関する。
減速器を用いずに負荷を直接駆動するダイレクトドライブモータは、バックラッシュ、ロストモーションのない高精度な位置決めが可能であるため、NC工作機などのインデックステーブル、搬送装置、組み立て装置のロボットアームなどの各種の用途に用いられており、より小型で高精度な位置決めを可能とするダイレクトドライブモータの開発が望まれている。
かかるダイレクトドライブモータに用いられる角度検出装置として、単極レゾルバと多極レゾルバを組み合わせたものが知られている。このような角度検出装置において、単極レゾルバは、そのメカ的芯ズレなどが絶対精度に影響し易く、特に径を小さくし小型化しようとすると絶対精度の向上が困難となる。一方、多極レゾルバの極数を多くし分解能を高めようとする場合には、単極レゾルバには多極レゾルバの1極分以下の精度が要求されるので、誤差の許容値が小さくなる。従って、高分解能と絶対測定の両立が困難であった。
特公平8−1388号公報(特許文献1)では、1回転検出レゾルバと多極レゾルバを備えた角度検出装置において、基準エンコーダを用いて補正データを作成し、出力精度を高めることが提案されている。
特公平8−1388号公報
しかし、基準エンコーダを用いる方法では装置が複雑化し、小型化及び高精度化の要請に十分対応することができない。
本発明は、簡単な装置構成で高分解能と絶対測定を両立させた角度位置検出装置を提案することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の角度位置検出装置は、回転軸の回転角度位置に応じた信号を出力するように構成され互いに異なる極数を有する複数のレゾルバを備え、前記複数のレゾルバのうち多極側の出力を基準に少極側のレゾルバの精度を補正する機能を備えることとした。
上記角度位置検出装置においては、多極側のレゾルバの出力に基づき、前記回転軸を少極側のレゾルバの極数より多い所定数の位置までそれぞれ回転させ、それぞれの位置における少極側のレゾルバの出力を読取る手段と、前記多極側のレゾルバの出力と、前記それぞれの位置における少極側のレゾルバの出力に基づき、前記少極側のレゾルバの出力の補正量を算出する手段と、前記補正量と、前記回転軸の任意の検出位置における前記少極側のレゾルバの出力に基づき、前記検出位置に関する補正後のデータを出力する手段と、を備えることが望ましい。
かかる構成により、高分解能と絶対測定を両立させることができる。
[発明の実施形態1]
以下、各図を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態のダイレクトドライブモータの断面図である。同図に示すように、ダイレクトドライブモータ10は、中空筒型のインナハウジング11の外周側面に固設された軸受13を介して回転軸12が回転自在に軸支されている。回転軸12はその内部にインナハウジング11を重装できるように中空円筒体として構成されている。
回転軸12は筒壁の肉厚が凹凸状に変化しており、インナハウジング11との間隙に単極レゾルバ20と多極レゾルバ30を収容するための室内空間1と、モータ部16を収容するための室内空間2を画成している。これらの室内空間1及び2は軸受13によって分離画成されており、モータ部16からの漏れ磁束が室内空間1に及ばないようにある程度の距離をおいて隔てられている。室内空間1及び2の間に軸受13などが介在せず、両者が近接している場合には、モータ部16からの漏れ磁束が室内空間1に及ばないように遮蔽部材を設けるのが望ましい。
モータ部16は回転子14と固定子15から構成されるアウタロータ式のPMモータである。回転子14は回転軸12の内壁において円周方向に沿ってN極及びS極が交互に固着された永久磁石から成る。固定子15は薄い鉄板を複数積層して成るモータコアであり、微小のエアギャップをおいて回転子14と対向するようにインナハウジング11の外壁に固定されている。ここでは、モータ部16として、アウタロータ式のPMモータを例示するが、インナロータ式のPMモータを採用してもよい。また、モータ部16として、PMモータ以外の各種のモータを採用できる。例えば、回転子14として永久磁石の代わりに薄い鉄板を積層して成り、内歯状又は外歯状の極歯を所定数備えるものであってもよい。
一方、単極レゾルバ20は、回転軸12の内周面に固定された環状のレゾルバロータ21と、このレゾルバロータ21に対向するようにインナハウジング11の外周壁に固定されたレゾルバステータ22とを備えて構成されている。同様に多極レゾルバ30は、回転軸12の内周面に固定された環状のレゾルバロータ31と、このレゾルバロータ31に対向するようにインナハウジング11の外壁に固定されたレゾルバステータ32とを備えて構成されている。
単極レゾルバ20と多極レゾルバ30はロータ間座18とステータ間座19とを介して上下二段の積層構造となるように室内空間1内において微小な空隙をおいて固定されている。すなわち、回転軸12の内周壁に複数のボルト18aにより固定されるレゾルバロータ21及び31の間にはロータ間座18が介装される一方で、インナハウジング11の外周壁にボルト19aにより固定されるレゾルバステータ22及び32の間にはステータ間座19が介装されている。
室内空間1を画成するインナハウジング11及び回転軸12と、室内空間1内に装着されるロータ間座18及びステータ間座19はそれぞれ非磁性体で構成するのが好ましい。室内空間1を画成するこれらの部材を非磁性体で構成することにより、モータ部16からの漏れ磁束が室内空間1に及ばないように構成することができる。
図2は単極レゾルバ20の平面図である。同図に示すように、単極レゾルバ20は、レゾルバロータ21とレゾルバステータ22との間隙のリラクタンスがレゾルバロータ21の回転角度位置により変化し、レゾルバロータ21の1回転でリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるように構成された3相VR型レゾルバである。すなわち、レゾルバステータ22の外径中心、内径中心、及びレゾルバロータ21の外径中心はダイレクトドライブモータの回転中心O1と一致するが、レゾルバロータ21の内径中心O2は回転中心O1に対してΔxだけ偏心するように、レゾルバロータ21の径方向の肉厚を連続的に変化させている。
レゾルバステータ22の外周には120°間隔でA相、B相及びC相を構成する計18個のステータポール23が等間隔に外歯状に凸設されている。各々のステータポール23にはステータコイルC1〜C18を巻回したコイルボビン24が装着されている。コイルボビン24の材質として、適度な弾力性のある非磁性体であれば、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性樹脂であれば、射出成形が容易である。
ステータコイルC1〜C18の共通端子に励磁信号が印加されると、レゾルバロータ21が1回転する間にA相、B相及びC相の各ステータコイルC1〜C18からは120°位相がずれた1サイクルの電流信号が各々出力される。単極レゾルバ20から出力される単極レゾルバ信号により絶対的な回転角度位置を検出することができる。
図3は単極レゾルバ20のステータポール23に巻回された各々のステータコイルC1〜C18の結線図である。共通端子COMに励磁信号が印加されると、A相、B相及びC相を構成するステータコイルC1〜C6,C7〜C12,C13〜C18を流れる電流信号の各々は検出抵抗R1,R2,R3から成る電流/電圧変換器41aによって電圧信号に変換される。この電圧信号は単極レゾルバ信号(ABS信号)として後述する3/2相変換器42aに供給される。
図4は多極レゾルバ30の平面図である。同図に示すように、レゾルバロータ31の内径中心Oはレゾルバステータ32の内径中心Oと一致しており、レゾルバロータ31とレゾルバステータ32との間隙のリラクタンスがレゾルバロータ31の回転角度位置により変化し、レゾルバロータ31の1回転でリラクタンス変化の基本波成分が複数周期となる構造を備えている。レゾルバロータ31の内周面には等間隔に径方向に向けて内歯状に凸設された極歯35が計24個形成されている。レゾルバステータ32の外周面にはA相、B相及びC相が120°の電気角でずれるように計18個のステータポール33が等間隔に径方向に向けて外歯状に凸設されている。
各々のステータポール33には、予めステータコイルCA〜CCが巻回されたコイルボビン34が装着されている。ステータコイルCA〜CCの共通線に励磁信号が供給されると、レゾルバロータ31が1回転する間に各相毎に24サイクルの交流信号が出力される。多極レゾルバ30から出力される多極レゾルバ信号により相対的な回転角度位置を検出することができる。
図5は多極レゾルバ30のステータポール33に巻回された各々のステータコイルCA〜CCの結線図である。共通端子COMに励磁信号が印加されると、A相、B相及びC相を構成するステータコイルCa,Cb,Ccを流れるレゾルバ信号の各々は検出抵抗Ra,Rb,Rcから成る電流/電圧変換器41bによって電圧信号に変換される。この電圧信号は多極レゾルバ信号(INC信号)として後述する3/2相変換器42bに供給される。
尚、ステータポール32の数は相数(この例では3)の倍数であればよく、18個に限定されるものではない。また、この例では、極歯35が24個形成されているが、この極歯35の数は24に限定されるものではない。また、極歯35をさらに電気的に細分割することにより、多極レゾルバ30の分解能をさらに向上させることもできる。また、上記の説明では、単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30のステータポールを外歯とし、レゾルバステータの外側にレゾルバロータが配される構成を例示したが、これに限らず、ステータポールを内歯とし、レゾルバステータの内側にレゾルバロータが配される構成としてもよい。また、レゾルバ信号の相数についても、3相レゾルバに限らず、2相レゾルバ、4相レゾルバ、6相レゾルバなどを用いることもできる。
図6は本実施形態の角度位置検出装置を含むブロック構成図である。角度位置検出装置は、ダイレクトドライブモータ10に組み込まれた単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30と、これらを制御するドライブユニット60の一部から構成される。ドライブユニット60は、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30の何れか一方に励磁信号を供給してレゾルバ信号を取り込み、デジタル角度信号φを出力するサーボドライバ50と、デジタル角度信号φから回転角度位置信号を生成し、パワーアンプ62を介してダイレクトドライブモータ10に電力を供給するCPU61とを備えて構成されている。ドライブユニット60と単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30はレゾルバケーブル71で結線されており、同ユニット60とモータ部16はモータケーブル72で結線されている。
サーボドライバ50は、発信器51から出力される励磁信号を増幅器52にて適度な信号レベルに増幅し、単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30の共通端子COMに励磁信号を供給する。
単極レゾルバ20から出力される電流信号は電流/電圧変換器41aによってABS信号に変換された後、3/2相変換器42aによって2相信号(sin信号,cos信号)に変換されてアナログスイッチ43に供給される。
ここで、発信器51の発信角周波数をωとし、高次成分を無視すると、電流/電圧変換器41aで得られる各相のレゾルバ信号は下記の(1)式〜(3)式に示す通りとなる。ここでは、説明の便宜上、A相を基準としてB相及びC相の位相がそれぞれ120度遅れる場合を例示する。また、3/2相変換器42aで得られる2相信号を(4)式〜(5)式に示す。(5)式において、sqr(x)は引数xの平方根を返す関数とする。
φA=(A1+A2sinθ)・sinωt …(1)
φB={B1+B2sin(θ−2π/3)}・sinωt …(2)
φC={C1+C2sin(θ−4π/3)}・sinωt …(3)
sin信号=φA−(φB+φC)/2 …(4)
cos信号=sqr(3/4)・(φB−φC) …(5)
一方、励磁信号は多極レゾルバ30にも供給される。多極レゾルバ30から出力される電流信号は電流/電圧変換器41bによってINC信号に変換された後、3/2相変換器42bによって2相信号(sin信号,cos信号)に変換されてアナログスイッチ43に供給される。
アナログスイッチ43はCPU61からのABS/INC切換信号によって切り換え制御されるスイッチ素子であり、2相のABS信号と2相のINC信号の何れか一方を選択的に通過させてRDC(レゾルバ・デジタル・コンバータ)44へ供給する。
移相器45は発信器51から出力される励磁信号の位相を遅らせ、2相に変換されたABS信号又はINC信号のsin信号及びcos信号のうちのキャリア信号の位相と同期させたRef信号をRDC44に供給する。RDC44はアナログスイッチ43から供給される2相信号をデジタル化し、CPU61にデジタル角度信号φを出力する。RDC44からは発信器51の発振角周波数による同期整流後のアナログ速度信号が出力される。
補正量記憶メモリ63は、フラッシュROMなどの記憶装置からなり、後述の補正量を記憶する。
尚、上述の説明においては、単極レゾルバ20として3相レゾルバを用いる構成を例示したが、本発明はこれに限られるものではなく、単極レゾルバ20として6相レゾルバを用いることもできる。6相レゾルバを用いる場合には、レゾルバ信号として、上述の(1)式〜(3)式に替えて下記の(6)式〜(11)式が用いられるので、図7に示すように、電流/電圧変換器41aと3/2相変換器42aとの間に減算器46aを介在させればよい。減算器46aは各相のレゾルバ信号の差分dA,dB,dCを演算して6相レゾルバ信号を(12)式〜(14)式の3相レゾルバ信号に変換する。同式の3相レゾルバ信号は3/2相変換器42aによって2相信号に変換される。
φA+=(A1+A2sinθ)・sinωt …(6)
φA−=(A1+A2sin(θ−π))・sinωt …(7)
φB+={B1+B2sin(θ−2π/3)}・sinωt …(8)
φB−={B1+B2sin(θ−2π/3−π)}・sinωt …(9)
φC+={C1+C2sin(θ−4π/3)}・sinωt …(10)
φC−={C1+C2sin(θ−4π/3−π)}・sinωt …(11)
dA=2A2sinθ・sinωt …(12)
dB=2B2sin(θ−2π/3)・sinωt …(13)
dC=2C2sin(θ−4π/3)・sinωt …(14)
さらに、例えば、2相レゾルバ、4相レゾルバなどの他の種類のレゾルバを用いる場合には、それぞれの場合に合わせて適宜検出回路部40の構成を変更すればよい。
また、上述の説明においては励磁信号が単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30の双方に供給される構成となっているが、本発明はこれに限られるものではなく、励磁信号が単極レゾルバ20又は多極レゾルバ30の何れかに供給されるように選択的に切り換えることにより、レゾルバ相互間の磁気的干渉を防止するようにしてもよい。
図8はデジタル変換されたレゾルバ信号のグラフである。RDC44として12ビット仕様の変換器を用いると、2相のABS信号は同図(B)に示すように、レゾルバロータ1回転あたり4096(=212)パルスのデジタル角度信号φに変換される。つまり、ABS信号は単極レゾルバ20が一回転する間に、0から4095までカウントアップされたデジタル値となる。一方、2相のINC信号は同図(A)に示すように、レゾルバロータ1回転あたり4096×24(極歯35の総数)=98304パルスのデジタル角度信号φに変換される。つまり、INC信号は、多極レゾルバ30が一回転する間に、0から4095までのカウントアップが24回繰り返されたデジタル値となる。
同図において、offset値とは、ABS信号の基本成分波の始点に相当する回転角0度を基準とした場合に、INC信号の24周期の基本波成分のうち一つの基本波成分とのずれの値のことである。
CPU61はこれらのデジタル角度信号φを取り込み、ダイレクトドライブモータ10の回転角度位置を演算する。2相のABS信号がRDC44でデジタル信号に変換されたデジタル角度信号φの値をabsとし、2相のINC信号がRDC44でデジタル信号に変換されたデジタル角度信号φの値をincとすれば、回転角度位置は、abs×24+(2048−inc)+offset値の演算により求めることができる。補正量記憶メモリ63に後述の補正量が記憶されている場合は、absの値は補正後の値を用いる。
CPU61は、パワーアンプ62を介してダイレクトドライブモータ10に電力が供給されるように、回転角度位置信号を出力する。
尚、レゾルバ信号からデジタル角度信号φを得るためには、必ずしもハードウエア(3/2相変換器、RDCなど)で処理する必要はなく、レゾルバ信号をA/D変換し、ソフトウエアによる情報処理でデジタル角度信号φを得るように構成してもよい。
図9はCPU61による補正量算出処理ルーチンを記述したフローチャートである。多極レゾルバ30は分解能及び絶対精度が高いため、この多極レゾルバ30を利用して単極レゾルバ20の誤差を測定し、補正量を算出する。
まず、ステップS1において電源ONとなったことを検出した場合、ステップS2において単極レゾルバ20の出力に基づくデジタル角度信号φの値absを読み取る。単極レゾルバ20の出力を読み取ったら、ステップS3において単極レゾルバ20の位置信号absが0となる位置までの回転指令をパワーアンプ62に与え、モータ72を回転させる。
次に、ステップS4以降の誤差測定処理に移行する。具体的には、単極レゾルバ20の極数より多い数、例えば多極レゾルバ30の極数又はこれより少ない数だけ、それぞれ位置決めし、その位置毎の単極レゾルバ20の誤差を測定する。図9の例ではまず、ステップS5において、所定角度の回転指令信号をパワーアンプ62に与え、所定位置までモータ72を回転させる。その際の位置決めは、多極レゾルバ30の出力に基づくデジタル角度信号φの値incをもとに行うことにより、真値に近い位置決めが可能である。次にステップS6において、当該回転後の位置における単極レゾルバ20の位置信号absを読み込む。そしてステップS7において、真値との差を算出し、単極レゾルバ20の誤差Eとする。
図10に、機械角30度ごとに一周測定した結果の例を示す。単極レゾルバ20の位置信号absが12bitで表示される場合、absは0から4095までの数値範囲で出力される。機械角30度の真値は341(=4096×30/360)となる。その位置における単極レゾルバの位置信号absが342であった場合、単極レゾルバ20の誤差Eは、+1となる。
次にステップS8において、上記単極レゾルバの誤差に基づいて補正量データを作成する。具体的には、n回目の測定における単極レゾルバの誤差E(n)と、前回の測定における単極レゾルバの誤差E(n−1)の平均値を算出し、これを補正量とする。図10の例では、前回の位置における単極レゾルバの誤差が0であったため、補正量は+0.5となる。
作成された補正量データは、ステップS9において補正量記憶メモリ63に記憶される。以上の動作を繰り返し、1周分(図10の例では12箇所)の位置決め、測定及び補正量データの作成が終了したら(ステップS10:YES)、一連の処理を終了する。
図11に、図10の誤差の測定結果及び補正量データの適用結果がグラフで表示されている。隣り合う測定位置間の誤差Eの差(図11に符号Dで示す差)が、多極数によって決まる要求精度内に収まっていれば、精度の高いアブソリュート出力を得ることができる。この要求精度は、多極数が20なら12bitで102.4、多極数が200なら10.2と、多極数が増えるほど厳しくなる。隣り合う測定位置間の誤差の差が要求精度内に収まらない場合もあり得るが、そのときは、より多くの測定位置で測定し、補正量を算出する必要がある。例えば、上記の例では30度ごとに12箇所の測定をしたが、それで要求精度内に収まらない場合は例えば15度ごとに24箇所の測定をすればよい。
図12はCPU61の位置検出処理ルーチンを記述したフローチャートである。上記の処理によって算出及び記憶された補正量データに従って、アブソリュート位置が算出される。
まず、ステップS11において電源がONとなったことを検出した場合、ステップS12において、その位置における単極レゾルバの出力を取り込む。詳しくは、発信器51から出力される励磁信号が単極レゾルバ20に供給され、回転角度位置に対応したリラクタンスが電流信号として検出回路部40に供給される。検出回路部40ではこの電流信号を電流/電圧変換器41aで電圧信号に変換した後、3/2相変換器42aによって2相信号に変換し、アナログスイッチ43に供給する。CPU61はアナログスイッチ43を通過すべき信号として2相のABS信号を選択するようにABS/INC切換信号を出力する。2相のABS信号はアナログスイッチ43を通過してRDC44でデジタル信号に変換され、デジタル角度信号φとしてCPU61に供給される。CPU61はこのデジタル角度信号φの値をabsとして取得する。
次にステップS13において、上記補正量データを補正量記憶メモリ63から読み取り、この補正量に基づいてアブソリュート位置データを算出する。つまり、補正量が正であれば、単極レゾルバに基づくデジタル角度信号の値absから補正量を差し引く。
次にステップS14において、多極レゾルバ30の出力を取り込む。詳しくは、発信器51から出力される励磁信号が多極レゾルバ30に供給され、回転角度位置に対応したリラクタンスが電流信号として検出回路部40に供給される。検出回路部40ではこの電流信号を電流/電圧変換器41bで電圧信号に変換した後、3/2相変換器42bによって2相信号に変換し、アナログスイッチ43に供給する。CPU61はアナログスイッチ43を通過すべき信号として2相のINC信号を選択するようにABS/INC切換信号を出力する。2相のINC信号はアナログスイッチ43を通過してRDC44でデジタル信号に変換され、デジタル角度信号φとしてCPU61に供給される。CPU61はこのデジタル角度信号φの値をincとして取得する。
以上の処理により、電源投入直後のアブソリュート位置を正確に得ることができる。アブソリュート位置は、電源投入直後のみ必要な情報であり、以降の駆動はincつまり多極レゾルバの位置信号を用いた駆動となる。
CPU61は電源OFFを検知すると(ステップS15)、本制御ルーチンを終了する。
尚、上記の説明では、ダイレクトドライブモータ10に組み込まれる少極レゾルバ及び多極レゾルバとして、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30を備える構成を例示したが、本発明はこれに限られるものではなく、任意の異種レゾルバをダイレクトドライブモータ10に組み込む場合にも適用できる。2種類のレゾルバを組み合わせた構成例を以下に例示する。
(組み合わせ例1)
本組み合わせ例は、PMモータのロータ位置検出機能を実装するタイプであり、PMモータの極数と同数の極数(例えば、20歯)を備えるレゾルバを第1レゾルバとし、高分解能位置検出用レゾルバ(例えば、120歯)を第2レゾルバとしている。例えば、電源投入時にまず第1レゾルバによるデジタル角度信号の読み取りを行い、次いで第2レゾルバのデジタル角度信号の読み取りを行うことによって、PMモータとの位相差からロータの回転位置を検知できるため、以後は第2レゾルバからの信号に基づき回転角度位置とともにPMモータの励磁タイミングを認識できる。つまり、第1レゾルバはUVWセンサ(例えば、ホール素子)の代わりとして機能するため、UVWセンサを省略できる。
(組み合わせ例2)
本組み合わせ例は、所定の角度範囲で回転軸12の絶対角度位置を検出するタイプであり、360度/Mの角度範囲で絶対角度位置を検出するには、M極レゾルバを第1レゾルバとし、高分解能のレゾルバ(例えば、極数120)を第2レゾルバとしている。但し、Mは2以上の整数である。多極レゾルバをこのように組み合わせることで、例えば、ロボットアームを180度、120度、90度等の予め定められた所定の角度範囲内で旋回させる用途に好適である。第1レゾルバのロータ形状は、レゾルバロータとレゾルバステータのギャップが周期的に変化する構成であれば、特に制限はなく、各種の形状を採用できる。例えば、極数2の第1レゾルバを製作するのであれば、レゾルバロータの形状を楕円形状、ヒョウタン形状、歯形状などの各種の形状を採用できる。
[発明の実施形態2]
図13は本発明の第2実施形態に係わる角度位置検出装置のブロック構成図である。基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、図6と同符号のブロックは同一ブロックであるとしてその詳細な説明を省略する。本実施形態においては、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30に替えて、複数の少極レゾルバと多極レゾルバをダイレクトライブモータ10に組み込んでいる。ここでは、同モータ10の回転軸に3種類のレゾルバ81〜83を組み込み、各レゾルバに励磁信号を供給している。
同図に示すように、検出回路部40は、電流/電圧変換器41a〜41cと、3/2相変換器42a〜42cと、アナログスイッチ43と、RDC44と、移相器45を備えて構成されている。各々のレゾルバ81〜83から出力される電流信号は電流/電圧変換器41a〜41cによってレゾルバ信号に変換され、3/2相変換器42a〜42cによって2相信号に変換される。アナログスイッチ43はこれら3種類の2相信号を選択的に通過させ、RDC44に供給する。第1レゾルバ81〜第3レゾルバ83の組み合わせ例として、例えば、以下に示す例が好適である。
例えば、PMモータのロータ位置検出機能と絶対位置検機能を実装する。PMモータの極数と同数の極数(例えば、20歯)を備えるレゾルバを第1レゾルバ81とし、高分解能位置検出用レゾルバ(例えば、120歯)を第2レゾルバ82とし、単極レゾルバを第3レゾルバとしている。本組み合わせにより、第1実施形態の組み合わせ例1の効果に加えて、ダイレクトドライブモータ10の絶対角度位置を検出できる。
以上は回転角度を検出するレゾルバ装置について説明したが、本発明は少極と多極を組み合わせた検出器であれば直線型へも応用することができる。
以上述べたように本発明の各実施形態によれば、外部基準を用いることなく自らのシステム機能によってアブソリュート補正をすることができるので、簡単な構成でアブソリュート機能を高精度に実現することができ、高分解能とアブソリュート機能の両立が可能である。また、組立時のメカ的誤差の許容度が増し、製造工程を簡略化することができる。
また、最終ユーザによる補正も可能であり、メンテナンスを容易にすることができる。更に過大な衝撃が加わって絶対精度が悪化した場合も補正量を演算し直すだけで済み、モータごと交換する必要がない。
また、ドライバ等に故障が起きた場合でも、補正量記憶メモリ63をフラッシュROMなどで構成してあれば、そのドライバだけ交換すればよく、レゾルバと補正量記憶メモリの組み合わせをそのまま使うことができるなど、互換性が飛躍的に向上する。
ダイレクトドライブモータの断面図である。 単極レゾルバの平面図である。 単極レゾルバのステータコイルの結線図である。 多極レゾルバの平面図である。 多極レゾルバのステータコイルの結線図である。 第1実施形態の角度位置検出装置のブロック構成図である。 検出回路部のハードウエア構成の一部である。 デジタル変換されたレゾルバ信号のグラフである。 補正量算出処理ルーチンのフローチャートである。 機械角30度ごとに一周測定した場合の測定結果を示す図である。 図10の誤差の測定結果及び補正量データの適用結果を示すグラフである。 位置検出処理ルーチンのフローチャートである。 第2実施形態の角度位置検出装置のブロック構成図である。
符号の説明
10…DDモータ 20…単極レゾルバ 30…多極レゾルバ 40…検出回路部 41…電流/電圧変換器 42…3/2相変換器 43…アナログスイッチ 44…RDC 45…移相器 50…サーボドライバ 60…ドライブユニット 61…CPU 63…補正量記憶メモリ

Claims (2)

  1. 回転軸の回転角度位置に応じた信号を出力するように構成され互いに異なる極数を有する複数のレゾルバを備え、
    前記複数のレゾルバのうち多極側の出力を基準に少極側のレゾルバの精度を補正する機能を備えた、角度位置検出装置。
  2. 請求項1において、
    多極側のレゾルバの出力に基づき、前記回転軸を少極側のレゾルバの極数より多い所定数の位置までそれぞれ回転させ、それぞれの位置における少極側のレゾルバの出力を読取る手段と、
    前記多極側のレゾルバの出力と、前記それぞれの位置における少極側のレゾルバの出力に基づき、前記少極側のレゾルバの出力の補正量を算出する手段と、
    前記補正量と、前記回転軸の任意の検出位置における前記少極側のレゾルバの出力に基づき、前記検出位置に関する補正後のデータを出力する手段と、
    を備えた、角度位置検出装置。
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