JP2014085135A - 高精度レゾルバ - Google Patents

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逸男 渡辺
Kazunori Koizumi
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Abstract

【課題】本発明は高精度VR型レゾルバの小径化・薄型化を可能とするレゾルバの鉄心構造を提案することを課題の一つとする。
【解決手段】VR型レゾルバは、環状ステータ基部の円周方向に沿って均等に配されたステータポールを備えるステータと、ステータとの相対的な角度位置を変化させることでステータとの間隙のリラクタンス成分を変化せしめるロータとを備える。ステータとロータのうち少なくとも何れか一方は、複数のラミネーションを回転積層した積層構造として構成され、ステータポール数をP、相数をNとしたとき、各層のラミネーションの積層角度は360度/(P/N)の倍数角を除く角度に設定されている。
【選択図】図36

Description

本発明はモータ駆動システムの駆動装置に関し、特にモータ駆動システムの位置検出器に関し、より詳細には、ブラシの無いDCリアクタンス整流型サーボモータシステムの位置検出器に関する。
例えば、直接駆動型サーボシステムはロボットのようなシステムに広く利用されている。直接駆動モータを使うサーボシステムは、バックラッシを排除し、信頼性を増し、ギアやベルトやカップリングより生起するメインテナンスの問題を減じて機構を簡単にしている。しかしながら、多くの従来のサーボモータシステムは不必要な製造コストに加え多くの操作上の問題を有しており、又望ましくない重量や空間を必要としている。
例えば、従来のリラクタンス型モータのトルクは磁束密度の2乗に比例しており、入力信号に対してモータのトルク出力が非線形と成る。それによってエラー信号を処理するために必要な回路はより複雑なものと成ってしまう。更なる問題は、他のサーボモータはコイルに流す電流の方向を切換える2極電流を必要とし、それにより駆動アンプと電力供給装置の相方ともが複雑なものと成ることである。又、あるモータではフルブリッヂ整流装置を必要とするが、この装置は、可変トランジスタの遅延や逆バイアス等の問題のため高電力レベルでの誘導電流による信頼性の問題がある。又、かかる電力供給には大型の変圧器を必要とするものが常であり、この変圧器がサーボシステムのサイズ、重量及びコストに付加されることになる。更に、従来のサーボシステムの他の問題の一例はモータ中のリップル電流の影響と駆動電源供給のACラインの絶縁性能である。
モータに接続される従来のシンクロ・レゾルバのごとき位置検出器は、1次及び2次巻線を必要とし、スリップリング等の機構を有しており、メインテナンスや信頼性の問題を抱えている。更に、サーボシステムに使用される従来のシンクロ・レゾルバは、デジタル直動式サーボ位置検出装置に必要とされる程の高分解能又は正確さを有していない場合が多い。ある場合には、シンクロ・レゾルバの出力信号は、モータの巻線と干渉することもある。
更に、従来のサーボシステムの他の問題は、モータの整流を比例的に行える場合のみではないことである。即ち、負荷が増す時、モータに供給されねばならない電力量がモータの全軸位置に対し均一ではない。それ故、駆動制御のための信号波の形状、期間及び相等のモータ制御に必要な入力信号はモータのロータ軸位置によって変化することになる。従来のレゾルバではこれらの問題に対する解決策は十分には与えられていない。
本考案は、上記問題を解決することを課題の一つとしている。
さらに、従来のレゾルバ装置としては、例えば、ロータ鉄心とステータ歯間の空隙中のリラクタンスがロータ鉄心位置により変化し、ロータ鉄心1回転でリラクタンス変化の基本波成分が1周期となる構造のステータとロータを持ち、前記リラクタンス変化を検出することにより回転角度位置又は回転速度を検出する2極バリアブルリラクタンス型レゾルバにおいて、3相交流励磁巻線と出力巻線をそれぞれ別に持つ3個のステータ歯を120゜間隔で設け、各相ステータ歯の180゜対称位置に同様の励磁巻線と逆向きの出力巻線を持つステータ歯を設けてA組のステータ歯とし、これらの6個のA組のステータ歯に対し各々90゜ずれた位置に6個のA組と同様な巻線を持つB組のステータ歯を設けたことを特徴とするレゾルバが知られている(特許文献2:特願平1−218344号公報)。
このレゾルバ装置では、各出力巻線からの出力信号を合成した出力電圧と各励磁巻線に印加される励磁電圧の位相差(θ+π/4)を検出し、−π/4の位置に基準点を置くことにより、ロータの回転角度位置θが検出される。
しかしながら、上記従来技術では、3相の各ステータ歯には、磁界を形成するための励磁巻線と、ロータ位置により回転角度分だけ位相変調された出力信号を検出するための出力巻線の2種類の巻線が巻回されているので、巻線のための広いスペースが必要であると共に、前記各ステータ歯において前記2種類の巻線間を絶縁する必要があるという問題点がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目して為されたもので、ステータの各相の磁極に巻回される巻線のためのスペースを小さくすることができると共に、巻線間を絶縁する必要のないレゾルバ装置を提供することも目的の一つとしている。
また、本発明はVR型レゾルバに関し、特に、ダイレクトドライブモータ(DDモータ)の位置検出器として好適な高精度のVR型シンクロレゾルバにも関係する。
従来のこの種の位置検出器としては、例えば特許文献5に記載されたものがある。このVR型シンクロレゾルバは、図33に示すように、環状のレゾルバステータ210の内側に、環状のレゾルバロータ220を組み合わせたインナロータタイプのもので、ステータ210は先端部に複数の極片歯211を有する極片(ポール)212を円周方向に等間隔に複数(例えば18ポール)設けると共に各極片212にコイル213を巻回して固定支持されている。
前記ロータ220は、ステータ210の極片歯211に対向して円周方向に極片歯と同じピッチで形成された多数の歯221(例えば150歯)を有してステータ210同心に配し相対回転自在に支持されている。そして、レゾルバステータ210の各極片212に巻かれたコイル巻線213が、図34に示すように電気的に120°位相を異ならせた3相交流のA相,B相,C相にそれぞれ接続され、モータのコイルの相に対応している。このレゾルバステータ10の電気的に隣り合う極片212,212のそれぞれの位相が互いに120°となるように、レゾルバステータ210の各極片歯11は、レゾルバロータ220の歯221のピッチの整数倍から1/3ピッチずらされている。
いま、レゾルバロータ220が図外のモータロータと同期回転すると、レゾルバロータ220の歯21とレゾルバステータ210の極片歯12との間の空隙(エアギャップ)中のリラクタンスがレゾルバロータ220の位置の変化に応じて変化し、その変化に応じた電流がレゾルバステータ210のコイル巻線213に流れる。その電流を変調信号として検出することにより回転角度位置又は回転速度を検出する。レゾルバロータ220がその1歯分回転すると、レゾルバステータ210側では電気角360°相当の次のような変調信号が検出される。
A相=a・sin(θ)sin(wt)
B相=a・sin(θ−120)sin(wt)
C相=a・sin(θ−240)sin(wt)
例えば、レゾルバロータ220の歯数が150の場合は、その1回転で上記A,B,C相の信号が150サイクル得られる。得られた3相の信号を電気回路で2相変換してcos信号とsin信号としたものをRDC(レゾルバデジタルコンバータ)に入力して位置信号とし、これをDDモータにフィードバックすることにより、その回転速度や回転角度(位置)を正確に制御することができる。
このようなVR型レゾルバにあっては、高分解能を得るためにそのロータの歯数が120,150,160などと多くしてあり、しかもレゾルバのラミネーションの歯先形状はVRモータラミネーションと同様の角形状をしているために、レゾルバが小径であるほど加工精度が厳しくなって歯ピッチ誤差等が生じやすい。歯のピッチ誤差は累積して回転位置検出の全周累積精度を悪化させ、レゾルバの静止角度誤差の原因になる場合がある。
図35は、上記従来のレゾルバロータ220の歯数150、レゾルバステータ210の極片212の数(以下、単に極数という)を18ポールとしたVR型レゾルバにおける、ロータ1回転の全周(絶対)精度を、ロータリーエンコーダを使用して測定し、X−Yプロッタにて記録した例である。その精度は31.66秒すなわち約32秒であった。この精度をより向上させる手段としては、円周等分に配設したレゾルバステータの極数を増やすことが考えられる。
これにより、レゾルバロータの歯ピッチ誤差等の影響が平均化されて少なくなり、全周精度の一層の高精度化が達成される筈である。そこで、次の二点に留意して、上記VR型レゾルバにおけるレゾルバステータの極数(18ポール)の増加の可否を検討してみる。
(1)3相レゾルバを構成するステータの極数は、3の倍数で且つ偶数である。必ず偶数になる理由は、ステータのコイル巻線の巻き方向が各極片毎にCW(時計巻き),CCW(反時計巻き),CW,CCW・・・・・・と交互になるためである。
(2)レゾルバステータの隣合う極片同士の位相が±120°(±1/3ピッチ)でなければならない。
レゾルバロータの歯数が150歯である場合に、この条件を満たし得るレゾルバステータの18ポール以上のポール数と位相差との関係を、表1に示す。
Figure 2014085135
表1から明らかなように、3相レゾルバが構成できるステータ極数は、18ポールと90ポールのみである。しかし90ポールとすると、レゾルバステータの極片の幅がレゾルバロータの歯幅(150歯の歯幅は0.787mm)と同じ程度になってしまう結果、強度的に製造上の問題が生じて実現は難しい。
すなわち、VR型レゾルバの検出精度をより一層向上させるのに、レゾルバステータの極数を増やすことが好ましいが、レゾルバロータの歯数如何により当該極数の増加に限界があり、高精度安定化が困難になるという問題点がある。
そこで本発明は、このような従来のVR型レゾルバにおける一層の精度向上に関する未解決の課題を解決することも目的の一つとしている。すなわち、N相VR型レゾルバのロータ歯数に対するステータの極数を選定することにより容易に製造できる高精度のVR型レゾルバを提供することも目的としている。
また、本発明は高精度VR型レゾルバの鉄心構造及びその製造技術にも関連する。
減速器を用いずに負荷を直接駆動するダイレクトドライブモータは、バックラッシュ、ロストモーションのない高精度な位置決めが可能であるため、NC工作機などのインデックステーブル、搬送装置、組み立て装置のロボットアームなどの各種の用途に用いられており、より小型で高精度な位置決めを可能とするダイレクトドライブモータの開発が望まれている。
特許文献3(特開2000−81344号公報)では、ステータ極数を限界まで増加させることなく、絶対精度10秒以下での位置決めが可能という極めて高精度のVR型レゾルバを得る技術が開示されている
しかし、小型・薄型のダイレクトドライブモータ内にVR型レゾルバを組み込むためにVR型レゾルバを小径化すると、構造的な問題からステータポール数には限界がある。即ち、小型化と高精度化の両立を図るために多ポール化を進めるには構造的な限界がある。さらに、レゾルバが小径であるほど加工精度が厳しくなるため、歯ピッチ誤差等が生じ易い。歯ピッチの誤差は累積して位置検出精度を低下させる原因となる。
そこで、本発明は高精度VR型レゾルバの小径化・薄型化を可能とするレゾルバの鉄心構造及びその製造方法を提案することを目的の一つとする。
また、本発明は、モータに装着してその角度位置や回転速度の検出を行うVR型(可変リラクタンス型)レゾルバに関し、特に、そのロータ歯数を調整して角度精度の向上を図ったものにも関連する。
VR型レゾルバは、そのロータ鉄心とステータ磁極との間の空隙(エアギャップ)中のリラクタンスがロータ位置により変化し、ロータ鉄心の1回転でリラクタンス変化の基本波成分がN周期となるように構成し、そのリラクタンス変化を検出することにより回転角度位置又は回転速度を検出するものである。
その用途は広範にわたり、例えばロボットや搬送機器等の回転駆動ユニット、自動組立機,計測機等のインデックステーブル、NC工作機械,専用機等の加工用インデックスなど種々の機器にダイレクトドライブモータ(DDモータ)として多用されているステップモータの回転角度を閉ループでフィードバック制御して高精度の位置決めを行う場合の回転検出手段などに利用されている。
図57に示したものは、先行技術文献4(特願平3−150041号公報)に開示されたDDモータに用いられている従来例である。図示のDDモータは、VR型ステップモータMからなるもので、モータケーシング501に固定された電磁石で構成したステータ502の外側に、内周面に多数の歯が突設されている鉄心で構成したロータ503をエアギャップを介し対向させている。
このステップモータMのロータ503に、モータ出力軸504(モータケーシング501に軸受505,506を介して回転自在に支持されている)と共に、回転検出器であるレゾルバRのロータ507が固定して装着されモータロータ503と同期回転するようになっている。
一方、レゾルバRのステータ508は、前記レゾルバのロータ507(図示のものはアウターロータタイプであり、ロータ内周面に歯を有する)にエアギャップを介して対向配置され、モータケーシング501に固定して装着されている。
上記従来のレゾルバRにあっては、レゾルバ側ステータ508の磁極はモータ側ステータ502と同様の極歯を有し、各磁極にレゾルバのコイルCLが巻回されている。また、レゾルバ側ロータ507には多数の歯が突設されており、そのロータ歯数は例えば100ケ,120ケ,160ケなど各種あるが、いずれにしてもモータ側ロータ503と同じ歯数(同ピッチ)とされている。
なお、図示のDDモータは、超高真空雰囲気中で使用できる密閉型アクチュエータであって、モータMのステータ502やレゾルバRのステータ508のコイルCL等からの放出ガスで真空雰囲気が汚染されることを防止するべく、モータステータ502とモータロータ503との間の及びレゾルバロータ507とレゾルステータ508との間のエアギャップ内にステンレス鋼等の非磁性金属製の隔壁509を配設して、ステータ側を気密に覆いロータ側とは隔絶してある。
このようなDDモータにVR型レゾルバを搭載して、当該レゾルバの検出信号をフィードバックすることにより、アクチュエータの回転速度や回転角度(位置)を正確に制御することが可能である。
しかしながら、従来のVR型レゾルバにあっては、高分解能を得るためにそのロータの歯数が100ケ,120ケ,160ケなどと多数であり、しかもレゾルバのラミネーションの歯先形状はVRモータラミネーションと同様の角形状をしているために、レゾルバが小径であるほど加工精度が厳しくなって歯ピッチ誤差等が生じやすくなり、且つ組立時のエアギャップ管理も難しくなるという問題点がある。
歯のピッチ誤差は累積して回転位置検出の全周累積精度を悪化させる。また、エアギャップが不均一になると、レゾルバの静止角度誤差や振動,騒音増大の原因になる。
また、DDモータにレゾルバを装着した場合、モータ制御装置ではレゾルバからフィードバックされる位置検出信号を常に読み取り現在位置を確認しながら回転指令を与えているので、レゾルバの検出位置に誤差があるとモータロータの現在位置と回転指令とが食い違って振動発生の原因となる。
その際、レゾルバロータの歯数が多い程に発生する振動周波数が高くなり大きな振動が発生するという問題点がある。例えば、歯数120のモータが1rpsで回転しているとき、このモータに搭載されたレゾルバのロータ歯数がモータと同じく120歯であれば、120Hz/rpsの振動周波数が発生する。
なお、上述したような真空用DDモータ(密閉型アクチュエータ)のように、モータ及びレゾルバの各ステータとロータとのエアギャップの間に隔壁を設けたものにあっては、従来のエアギャップは非常に小さいので当該隔壁の肉厚を極薄にする必要がある。そのため、超高真空状態での使用時に隔壁が膨らむなどの不具合が生じる可能性もあり改良の余地がある。
そこで本発明は、このような従来のVR型レゾルバの種々の未解決の課題を解決することも目的の一つとしている。すなわち、高精度,低振動で且つ小型化も容易な、しかも超高真空仕様にも好適なVR型レゾルバを提供することも目的の一つである。
また、本発明はモータ等の回転角度位置を検出するために用いられるレゾルバ信号を伝達するためのケーブルの配線構造にも関連する。
ダイレクトドライブモータ等の回転角度位置を検出するための装置として、レゾルバ装置が用いられている。一例として挙げるレゾルバ装置は、ロータ鉄心とステータ歯間の空隙中のリラクタンスがロータ鉄心位置により変化することを利用したものであり、1相励磁3相出力タイプのものでは、ステータポールに巻回された巻線に励磁信号を供給すると、位相が120°ずつずれた1サイクルの交流信号A相、B相及びC相が検出される。
従来のダイレクトドライブモータシステムでは、レゾルバに励磁信号を供給するとともに、レゾルバ信号を得るためのレゾルバ用信号ケーブルがドライブユニットとダイレクトドライブモータ間を結線していた。アナログ信号の伝送に使用されるレゾルバ用信号ケーブルは、その選定にあたって、線径が太いものの他に、ケーブル内の線間静電容量が小さいものが好ましい。
しかし、従来のレゾルバ用信号ケーブルでは、図56乃至図58に示すように、励磁信号線と各相検出信号線間の配置、及び各相検出信号線間の配置について、何らの配慮もなく結線されていたため、励磁信号線と各相検出信号線間の静電容量、及び各相検出信号線間の静電容量に不平衡が生じていた。
図56は1相励磁3相出力のレゾルバ用信号ケーブルの断面図であり、650はレゾルバ用信号ケーブル、651はA相検出信号線、652はB相検出信号線、653はC相検出信号線、654はドライブユニットからレゾルバ装置へ励磁信号を供給するための励磁信号線(共通信号線)である。
この形態のレゾルバ用信号ケーブルでは、励磁信号線654とA相検出信号線651、B相検出信号線652、C相検出信号線653間の静電容量を各々CA,CB,CCとすれば、CA=CB≠CCとなり、不平衡である。さらに、A相検出信号線651とB相検出信号線652間の静電容量をCAB、B相検出信号線652とC相検出信号線653間の静電容量をCBC、C相検出信号線653とA相検出信号線651間の静電容量をCCAとすれば、CAB=CBC≠CCAとなり、不平衡である。この不平衡は、例えばケーブルの長さが変更されたときなどにも生じる。この場合も、各相の検出信号線に影響が及び、レゾルバ用信号ケーブルの絶対精度に誤差を生じる原因となっている。
図57は1相励磁で2種類の3相出力を得るレゾルバ用信号ケーブルの断面図であり、660はレゾルバ用信号ケーブル、661〜663は各々第1のA相、B相、及びC相の検出信号線、664〜666は第2のA相、B相、及びC相の検出信号線である。667は励磁信号線(共通信号線)である。
この形態のレゾルバ用信号ケーブルでは、励磁信号線67と第1のA相、B相、及びC相の検出信号線661〜663との間の静電容量を各々C1A,C1B,C1Cとし、励磁信号線667と第2のA相、B相、及びC相の検出信号線664〜666との間の静電容量を各々C2A,C2B,C2Cとすれば、C1A≠C1B≠C1C且つC2A≠C2B≠C2Cと成り、不平衡である。
また、各相の検出信号線相互間においても、第1のA相及びB相間、第1のB相及びC相間、第1のC相及びA相間の検出信号線間の静電容量を各々C1AB,C1BC,C1CAとし、第2のA相及びB相間、第2のB相及びC相間、第2のC相及びA相間の検出信号線間の静電容量を各々C2AB,C2BC,C2CAとすれば、C1AB=C1BC≠C1CAかつC2AB=C2BC≠C2CAとなり、不平衡である。
図58は1相励磁で2種類の3相出力を得るレゾルバ用信号ケーブルの他の構造の断面図であり、670はレゾルバ用信号ケーブル、671〜673は各々第1のA相、B相、及びC相の検出信号線、674〜676は第2のA相、B相、及びC相の検出信号線である。677は励磁信号線(共通信号線)である。この形態のレゾルバ用信号ケーブルでは、励磁信号線677と第1のA相、B相、及びC相の検出信号線671〜673との間の静電容量を各々C1A,C1B,C1Cとし、励磁信号線677と第2のA相、B相、及びC相の検出信号線674〜676との間の静電容量を各々C2A,C2B,C2Cとすれば、C1A=C1B=C1C且つC2A=C2B=C2Cとなり、バランスのとれた配置となっている。
しかしながら、第1のA相及びB相間、第1のB相及びC相間、第1のC相及びA相間の検出信号線間の静電容量を各々C1AB,C1BC,C1CAとし、第2のA相及びB相間、第2のB相及びC相間、第2のC相及びA相間の検出信号線間の静電容量を各々C2AB,C2BC,C2CAとすれば、C1AB=C1BC≠C1CAかつC2AB=C2BC≠C2CAとなり、不平衡である。
上記のように、レゾルバ用信号ケーブル内の励磁信号線及び各相の検出信号線相互間の静電容量が不均衡であると、ケーブルの長さを自由自在に変更したい場合や、極長にしたい場合には、静電容量の不均衡に起因して、各信号線間に電気的な干渉が生じ、レゾルバの測定誤差の原因となる。
したがって、従来のように単に線間静電容量の小さいケーブルの選定だけでは機能を満足できない場合が生じていた。特に、レゾルバ用信号ケーブルを流れる信号は微少なアナログ電流であるため、ケーブル長の長短に影響されて、レゾルバの精度を劣化させ易い。
そこで、本考案は上記問題点を解決し、レゾルバ用信号ケーブル内の励磁信号線と各相の検出信号線間の静電容量、及び各相の検出信号線間の静電容量のバランスを確保することにより、レゾルバ用信号ケーブルの性能向上を図ることも目的の一つとする。
さらに、上記例示したものも含め、本考案の技術分野に関する先行技術としては下記の特許文献が挙げられる。
米国特許出願385034号 特願平1−218344号公報 特開2000−81344号公報 特願平3−150041号公報 特公平7−44813号公報
本発明は、上記した課題のうち、少なくとも一つを解決するものである。
上記した課題の解決手段は、以下の記載より明らかである。
本発明によれば、上記した課題のうち、少なくとも一つを解決することができる。
本考案による位置検出器を用いたサーボモータ制御システムのブロック図である。 第1図の実施例に使用されるモータの縦断面図である。 第2図の線3−3に沿う一部を除去した拡大縦断面図である。 第2図の線4−4に沿う拡大縦断面図である。 第2図の線5−5に沿う拡大縦断面図である。 第1図のブロック図のモータドライバー回路の略図である。 第1図の整流回路の略ブロック図である。 第1図の位置検出器の検出回路の略図である。 シンクロ・レゾルバの他の実施例を示す拡大断面図である。 本発明の一実施例に係るレゾルバ装置に使用される単極レゾルバを示す断面図である。 同レゾルバの磁極に巻回された巻線の結線図である。 本考案の一実施例に係るレゾルバ装置を示す概略構成図である。 同レゾルバ装置に使用される多極レゾルバを示す断面図である。 同レゾルバの磁極に巻回された巻線の結線図である。 (a),(b)は単極レゾルバのA相の各巻線から得られる電流信号を夫々電圧信号に変換したA相信号,相信号を示す波形図である。 (a),(b)は単極レゾルバから得られる3相のレゾルバ信号を2相の信号に変換したcos信号,sin信号を夫々示す波形図である。 レゾルバ・ディジタル変換器を示す概略構成図である。 (a)はディジタル変換された多極レゾルバ信号を示すグラフ、(b)はディジタル変換された単極レゾルバ信号を示すグラフである。 本発明の一実施の形態におけるレゾルバロータとステータとの組合せを説明する模式図である。 図19のVR型レゾルバの全周精度測定結果を示すグラフである。 第1の実施例のレゾルバロータラミネーションの略図である。 そのレゾルバステータの組立図である。 図22の巻線結線図である。 比較例のレゾルバステータの組立図である。 その巻線結線図である。 第1の実施例の全周精度測定結果を示すグラフである。 その比較例の全周精度測定結果を示すグラフである。 第2の実施例のレゾルバステータの組立図である。 その巻線結線図である。 第2の実施例の全周精度測定結果を示すグラフである。 その比較例の全周精度測定結果を示すグラフである。 レゾルバステータの巻線とステータ極片形状との関係を説明する模式図で、(a)は本発明の2歯極片、(b)は一般的な多数歯極片である。 従来のレゾルバロータとステータとの組合せを説明する模式図である。 レゾルバロータの回転でレゾルバステータの巻線を流れるA,B,C相の変調信号を示す概要図である。 従来のVR型レゾルバの全周精度測定結果を示すグラフである。 第1実施形態のVR型レゾルバの平面図である。 第1実施形態のダイレクトドライブモータの断面図である。 レゾルバステータのノッチ部分を中心とする拡大図である。 第2実施形態のVR型レゾルバの平面図である。 第3実施形態のVR型レゾルバの平面図である。 本発明にかかるVR型レゾルバの第1の実施形態で、(a)は一部を省略して示すロータの平面図、(b)はその歯形の部分拡大図である。 (a)は図1のロータと組み合わせるステータのラミネーション平面図、(b)はその巻線仕様図である。 レゾルバの歯数と回転位置測定精度との関係を示すグラフであり、(a)は本発明に係る30歯レゾルバの全周精度測定結果、(b)は従来の120歯レゾルバの全周精度測定結果である。 本発明にかかるVR型レゾルバの第2の実施形態で、(a)はロータの平面図、(b)はその歯形の部分拡大図である。 (a)は図5のロータと組み合わせるステータのラミネーション平面図、(b)はその巻線仕様図である。 (a)は本発明にかかる第2の実施形態(25歯レゾルバ)における全周精度の測定結果、(b)は従来の100歯レゾルバの全周精度の測定結果である。 従来のVR型レゾルバの使用態様の一例を示す半断面図である。 第1の実施形態に係わるレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。 第2の実施形態に係わるレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。 第3の実施形態に係わるレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。 第4の実施形態に係わるレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。 第1の実施形態に係わるダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。 第2の実施形態に係わるダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。 第3の実施形態に係わるダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。 第4の実施形態に係わるダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。 第1の従来例におけるレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。 第2の従来例におけるレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。 第3の従来例におけるレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。
図1において、AC同期リラクタンス型モータ10はパワードライバー回路板13と整流回路基板(変換回路板)11とより成るパワードライバーユニット12により励磁される。更にパワードライバーユニット装置12は、コントローラ・サーボボード14とモータに接続されるシンクロ・レゾルバ16の検出装置17とより入力信号を受ける。
検出装置17の出力はシンクロ−デジタル変換器74により処理された後、コントローラ・サーボボード14へも、フィードバック信号として与えられる。
図2、図3及び図4に示す通り、モータは高トルクロボット用モータとして上述の米国特許出願番号385,034に詳述されている。コントローラ・サーボ基板は公知のもので、ファイネルシステム社(Finell Systems Incorporated、1190−s Mountain Vieu Alviso Road、Sunnyvale、California 94086.)によるFPC−1800モデル等が市販されているものである。この装置ではエラー信号を受けるためのデコーダや、読取られたエラー信号と比較される入力位置制御信号を受けるためのマイクロコンピュータと、アナログ制御信号をサーボパワードライバー装置に出力するためのデジタル−アナログ変換装置及び基準信号源とを有している。
図2、図3、及び図4において、モータ10は円筒形の外側ステータ組立体18と、円筒形内側ステータ組立体20と、カップ形ロータ組立体22とより成っている。ロータ組立体22は軸受マウント24に支持され、そのロータ22の円筒形状部はロータの回転軸と同心とされ内側ステータ組立体18と外側ステータ組立体20の間の環状の空間に入り込んでいる。
図3及び図4に従い、ステータ及びロータ組立体の構成をより詳細に説明する。外側ステータ組立体18は複数の環状積層板26より成り、各積層板26は積層板の内周沿いに等間隔に離間され半径方向内側に突出する複数の極片28を有している。各極片28はその上に巻回される電気コイル32を有し、半径方向に突出する複数のステータ極片歯30を内周面に具備している。
内側ステータ組立体20は同様に、複数の環状積層板34より成り、各積層板34は積層板の外周沿いに等間隔に離間され半径方向外側に突出する複数の極片36を有している。各極片36はその上に巻回されるコイル40を有し、半径方向に突出する複数の極片歯38を外周面に具備している。
極片28及び36は半径方向に延びる線沿いに対向して配置されている。巻線32及び40はこの両巻線32及び40を通って流れる電流が対向するステータ極片28及び36の極片歯30及び38に反対の極性の磁極を作るような連結巻線を形成するよう巻回され互いに接続される。
更に、各ステータ組立体の周回りの一連の巻線32及び40は複数の相例えば3相モータでは相A、B、Cに接続される。次に隣接する相のコイルに付与される電流は前と相とは反対の極性の極片を作る。各相の巻線は以後相A、B、Cに対しそれぞれ35a、35b、35cで表わすものとする。
ロータ22は環状の積層板より成り、この積層板は外周回りに等間隔に形成された歯44そして内周回りに等間隔に形成された歯46を半径方向に突出して有している。歯44及び46は歯30及び38に対向している。
第4図に示す如く、相Bのステータ極片とその後の3番目毎のステータ極片を取り巻くコイルが励磁される時、磁束路48が発生する。この磁束路48は相Bの内側ステータ極片36より、相Bのステータ極片28及び36間のロータ22の一部を横切り、ステータ極片28を通って走っている。この磁束路48は更に、その外周に沿って外側ステータ18を通り、2つの非励磁巻線を過ぎ次の相Bの外側ステータ極片28を通って戻り、更にロータ22を通って、次に隣接する相Bの内側ステータ極片36を通るように続き、内側ステータ20に沿って相Bの元のステータ極片36へと戻り閉ループを完成する。
重要なことは、ロータの中を通って円周方向に走り次のステータ極片への近道をとる磁束が無いことである。その代りに、全磁束はロータを貫通して半径方向外側あるいは半径方向内側に走っている。更に、他相の励磁されないステータ極片28又は36を通って走る磁束も無い。このような磁束を作ることにより、磁束がロータを通って磁束路を完成させねばならないこの種の従前のモータにおけるロータをずっと薄くできる。更に、ステータ極片は、ロータの内外両面上に磁力を付与するので、この種の従前の多くのモータの2倍のトルクを発生する。
この実施例の3相モータの場合一時に、6つの同一の磁束路が形成される。即ち、第1及びその後の3番目毎のステータコイルが同時に励磁され、18極片モータでは、常時、6つのコイルが同時に励磁される。
モータとしての回転力は次の事実より発生する。引き続く各ステータ極片セット上の歯は、隣接するステータ極片間の間隔のためロータの対向する歯とわずかにずれている。それ故例えば、相Bの極片が励磁される時、励磁される極片間に存在するロータ上の歯44及び46は励磁されるステータ極片上の歯30及び38と整合するように成る。この時、次に隣接し励磁されない極片間に位置するロータの歯は、極片が歯の整数倍の間隔とは異なる距離で離間されているので、ステータ極片と整合していない。外側ステータの歯数と外側ステータの歯に面するロータの歯数との差は相の数で割れ、外側ステータ極片の数に等しい。一方、これは内側ステータ極片歯に面するロータについても同じである。
必要なことはロータ歯に対して相隣るステータ極片相互の歯が、ロータ歯のピッチの整数倍とは異なる配置となっていることである。動力が連結する各相のコイルに供給されると、ロータはその歯を引き続き励磁される各相のステータの歯に整合するように移動する。
ある場合には、例えば、分割したステップが必要であるような場合には一時に1相以上の相を部分的に励磁するのが望ましい。それ故相Bのコイルが主に励磁され相Cのコイルが一部励磁されると、相BとCの隣接する極片28及び36を通り半径方向に延び内側及び外側ステータ組立体18及び20を通り周方向に走り、それぞれ、相Cの極片を通って戻る、第2の磁束路50が発生する。隣接する相のコイル巻線は反対の極性の磁極片がある相から次の相へと現われるようよう選ばれる。即ち、相Bの極片28がS極であるなら相Cの極片28はN極となる。
図2、及び図5において、内側及び外側ステータ組立体18及び20は、シンクロ・レゾルバ16の外側ステータ組立体54をも支持するカップ形の支持体52により固定支持されている。シンクロ・レゾルバ16は複数の環状積層板55より成り、各積層板は複数の規則的に周回りに離間され半径方向内側に突出するステータ極片56を有している。各ステータ極片56はその上に巻回される個別のコイル58を有し、又半径方向に突出する複数の極片歯60を内周面に具備している。
それ故、シンクロ・レゾルバのステータ組立体54の構成はモータの外側ステータ18と実質的に同一である。コイル58は相A、B、Cに夫々接続され、モータのコイルの相に対応している。ロータ22は、モータのステータ18及び20を越えて延び検出器ステータ54の内側に対向する先端部42を有し検出器ステータ54と同軸に配置されており、ロータの歯44はシンクロ・レゾルバのステータ極片歯60と同じピッチの歯列として形成され極片歯60に対向している。
なお、3相はA相、B相、C相が電気的に120°位相を異ならせている。したがって電気的に隣合う極b片各々の位相は互いに電気的に120°となるようにロータの歯44に対向する極片56相互の極片歯60は歯のピッチの整数倍から1/3ピッチずらされている。本実施例の場合、極数は18極となっているので、実角度で言うと、60°が電気角の360°に相当する。
図8において、シンクロ・レゾルバは、モータにおけるように磁気抵抗の変化を利用してトルクを発生する代わりに、磁気抵抗の変化に応じた電流が巻線58に流れることを利用している。そしてコイル58が巻回されたステータ極片56に対向するロータ22が回転する時その先端部42との誘導リアクタンスの変化は検知回路17によりモニタされる。歯60と44が整合されると、励磁されたステータ極片の巻線58のインダクタンスは、歯が非整合の時より高くなる。インダクタンスのこの変化は、定交流定電圧源に接続された交流負荷の変動により検知される。この交流電流は各相に直列になっている電流検知抵抗器における電圧降下として現われる。これについて以下に詳述する。
図8において、検知回路17は交流源即ち、オシレータ62を含み、その出力端の一方は抵抗64を通し接地されている。ある相の各巻線、例えば図8で58aと示した相Aの全巻線58は電流検知抵抗66aを通して接地されている。同様に、相Bの巻線58b及び相Cの巻線58cの一方も、個別の電流検知抵抗66b及び66cを通り接地されている。巻線58a、58b及び58cの他端はオシレータ62の接地されない端子に接続されている。
電流検知抵抗66aの両端に発生する電圧は差動増幅器70cの非反転入力端子と入力抵抗68aを経て差動増幅器70aの反転入力端子に供給される。電流検知抵抗66b両端に発生する電圧は差動増幅器70aの非反転入力端子と入力抵抗68bを経て差動増幅器70bの反転入力端子に供給される。更に、電流検知抵抗66cの両端に発生する電圧は差動増幅器70bの非反転入力端子と入力抵抗68cを経て差動増幅器70cの反転入力端子に供給される。各増幅器70a、70b及び70cは、それぞれフィードバック抵抗72a、72b及び72cを有している。
アンプ70a、70b及び70cの出力は個別の相入力としてシンクロ−デジタル変換モジュール74へと与えられる。かかる装置は従来公知で市販されており、その1つにILCデータデバイス社(ILC Date Device Corporation,105 Wilbur Place,Bohemia,New York 11716)のモデルXDC19109−301がある。この装置はその出力としてデジタルシンクロ位置信号を発生する。
デジタル変化モジュール74は、又基準信号を必要とする。これは抵抗76を経て非反転入力端子が接地されている差動増幅器78の反転入力端子へと供給して与えられる。フィードバック抵抗80は増幅器78の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。増幅器78の出力端子はデジタル変換モジュール74の基準信号入力に接続されている。
リアクタンス検知回路17の動作を以下に説明する。巻線58a、58b及び58c内の漏れインダクタンスのため、電流検知抵抗66a、66b及び66cを通る出力信号は約30乃至40%変調され増幅器72a、72b、及び72cにより差動増幅されねばならない。両相に共通の漏れインダクタンス及びリアクタンスがキャンセルされ抵抗66aと66bの両端に発生する電圧の差が信号となる。
3相の夫々は、この方法で3相全てが相A′、相B′、及び相C′に出力を供給するため補正されるまである相を次の相と比較して処理される。基準の相は増幅器78の出力として、電流信号の形で与えられ各相の電流検知抵抗66a、66b及び66cにより発生される90°の相エラーをキャンセルする。相A′、相B′及び相C′の出力と基準信号は標準のシンクロ・レゾルバ出力の様になり、そして一般のシンクロ・レゾルバ−デジタル変換器74に適合する。
図8の実施例は、検出器ステータが図5の如き外側ステータのみか、又は、内側ステータのみか、又はより大きな信号とより高い精度を得るため内外にステータを配したもののいずれにも用いることができる。
光学式エンコーダ等を使用したような従来のレゾルバでは、歯又は極片を整合するためモータの一相をまず励磁して基準点を与えることが必要である。その後、モータが回転すると、光学式エンコーダは、モータがその基準点よりどの程度回転したかを示す一連のデジタルパルスを供給する。モータが高負荷を受けたり、そのプリセット開始点を始めに得られない場合は、この技術ではうまく作動しない。しかしながら第5図に示す如き本発明では、1整流ピッチに対しある絶対位置が得られ、常に正しい関係にある。
本発明によるシンクロ・レゾルバは各相に共通の洩れインダクタンス及びリアクタンスをキャンセルできるため高分解能にできるので、低速回転でも速度情報を得ることができる。
モータとシンクロ・レゾルバには同じ積層板を使用してモータ駆動のための比例整流にそのシンクロ・レゾルバの出力を使っているので更なる利点が得られる。シンクロ・レゾルバのステータ歯の形状は波形や周期や相が、モータの必要性に自動的に合った信号電流を発生する。それ故、モータの歯巾が変えられあるいはロータとステータ間のギャップがモータの設計時に変更されると、モータの歯と同一形状で形成されるシンクロ・レゾルバも又、対応して変更され、新しい設計条件のもとで正しく作動する整流信号を発生する。モータ要素に磁気挙動を有しない光学式エンコーダのような機械的な整流装置とは違って、あたかもモータの歯がレゾルバ自身を調整しているようである。
第6図によりモータ用パワードライバー基板13を説明する。それは連続6アンペア、各相9アンペアのピークまで供給できる3相ユニポーラスイッチングレギュレータアンプ86(チョッパ)を有している。回路13は最大トルクが正しい関係にある3つの個別の波形、相A、相B、及び相Cを受ける。これら波形の巾は命令電流入力により設定されるが、この点について以下に詳述する。第1図のサーボループ構成において、命令電流入力はサーボアンプ14からの出力であり、又、モータ内の電流を制御して負荷トルクと平衡に達する。
相A、相B、及び相Cの信号は個別の入力デジタルオプトカプラ82a、82b及び82cを通してアナログ電流レベルを伝えるよう変調されたパルス巾である。これらオプトカプラはラインの分離と接地保護を与える。変調周波数は特定のものではないが、10KHzと100KHzの間でなければならない。オプトカプラ82a、82b及び82cの出力は個別の積分器84a、84b及び84cに与えられるが、積分器の出力はそれぞれ個別のスイッチングアンプ86a、86b、86cの入力に接続される。続いてスイッチングアンプ86a、86b、86cの出力はモータ10の個別の相の巻線35a、35b及び35cの両端に接続される。
スイッチングアンプ86a、86b及び86cは低音響ノイズのために20KHzでスイッチされるVMOS電界効果トランジスタと高速回復ダイオードより成っている。モータ内のリップル電流は各相内の電流フィードバックループにより除去される。入力のデューティサイクルは0%から100%まで変化するので、モータ巻線への出力は最低から最大出力電流まで直線的に変化する。
モータの極の励磁は唯一つの極性(S又はN)のみ必要であるのでパワードライバー回路13は修正された半波長ブリッジを与えられている。電源88はブリッジ整流器及びコンデンサフィルタを使って、直接ライン作動され、必要な150Vの電圧を提供する。電源は変圧器が無いので、サイズ重量及びコストを低減できるが、2重の分離のため絶縁トランスを付加することも可能である。障害検知回路90は過少及び過大の電圧条件とパワードライバー回路の最大回生の超過に関してラインを監視している。
第7図により整流回路基板11を説明する。第8図のシンクロ・レゾルバより与えられる相信号、相A′、相B′、及び相C′はオシレータ62からの基準相入力をも与えられる同期検知器92への入力である。検知器92より同期的に検知される出力は積分器94により個別に積分され電流変調器96への入力となる。積分器94は同期検知器の出力をフィルタするため設定されている。電流変調器96はコントローラ・サーボボード14からの命令入力信号に応答してこれら信号を変調する。電流変調器96からの個別の相信号出力は個別のパルス巾変調器98a、98b、及び98cによりパルス巾変調されアナログ電流レベルをパワードライバー回路13のデジタルオプトカプラ82a、82b、82cへと伝えるため使用されるパルス巾変調信号を発生する。
整流回路基板11はシンクロ・レゾルバの信号を操作検知し、サーボループ用にそのレベルを標準レベルまで増幅し、パワードライブの相入力を制御し、モータを整流するという3つの機能を有している。シンクロ・レゾルバ16の1回転当り150の出力サイクルがモータの極数に対応しており、同期整流の情報に容易に使用でき、ブラシの無いDCモータを形成するのに使用される。この様に、ドライバー回路13は最大トルクに対し正しい相で3つの波形を受ける一方、波形の振幅は命令入力電流により設定されている。
シンクロ・レゾルバの検出出力を使って、整流回路11はモータの相を正弦加重された電流で連続的かつ比例的に作動する。結果として、モータは従来のDCサーボシステムにおけると同時にアナログ入力信号に応答する。しかしながら正弦加重入力は又ソフトウエア内でも処理でき、この場合、整流回路11とデジタル−アナログ変換器とを排除できる。
コントローラ・サーボボード14内のサーボループマイクロプロセッサの出力レジスタは、わずかな回路基板外のデジタル“カウンタ・タイマ”集積回路によりデューティサイクルを命令し、パワードライバーオプトカプラを直接駆動するのに使用できる。このように、サーボループは単純で、コストが低く、全てがデジタルである。
モータの巻線35に供給される実際の波形は、最小のトルクリップルのためクリップされ又は圧縮された半波の正弦波でなければならない。その相は電流特性に対し最大トルクを与えるに必要な回転方向に、電気的に120°進めるか遅らされなければならない。より高い回転速度が必要で、トルクの低下が許される場合、モータの相励磁タイミングを更に進めることができる。この相タイミングの変調はDC分巻モータにおける界磁弱めに似ている。それはモータの逆起電力を効果的に減じより低トルクでより高速を与える。
また、本発明は、このような従来の問題点に着目して為されたもので、ステータの各相の磁極に巻回される巻線のためのスペースを小さくすることができると共に、巻線間を絶縁する必要のないレゾルバ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、ロータ鉄心とステータ鉄心の空隙中のリラクタンスがロータ鉄心位置により変化するロータとステータから成るレゾルバを備え、前記リラクタンス変化を検出することにより回転角度位置又は回転速度を検出するレゾルバ装置において、前記レゾルバは、ロータ鉄心の1回転でリラクタンスの基本波成分が1周期となる構造の単極レゾルバを備え、前記ステータは、120゜間隔で配置された少なくとも3相の磁極と、該各磁極に巻回された1種類の巻線とを有し、且つ前記各巻線に通電して前記各磁極を励磁する励磁手段と、前記各巻線に流れる電流値を検出する電流検出手段とが設けられ、該検出された電流値を用いて回転角度位置又は回転速度を検出するように構成されているものである。
好ましくは、この課題を達成するために、本考案における前記レゾルバは、前記単極レゾルバに加え、少なくとも3相の磁極及び各磁極に巻回された1種類の巻線を有するステータを備え、ロータ鉄心1回転でリラクタンスの基本波成分が複数周期となる構造の多極レゾルバを備え、且つ検出された前記単極レゾルバ及び多極レゾルバの各巻線の前記電流値を用いて回転角度位置又は回転速度を検出するレゾルバ・ディジタル変換器が設けられているものである。
上記レゾルバ装置では、ステータの各相の磁極に巻回された1種類の各巻線に流れる電流値を検出し、この検出された電流値を用いて回転角度位置又は回転速度が検出される。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第11図は、一実施例に係るレゾルバ装置を示す概略構成図である。
このレゾルバ装置121には、第3図に示すように、メガトルクモータ122(メガトルクは登録商標)の回転子にロータが夫々接続された単極レゾルバ123及び多極レゾルバ124と、該各レゾルバ123,124の巻線に励磁信号を与えると共に、各レゾルバ123,124の巻線に流れる電流値を検出し、この検出した電流値を用いてデジタル位置信号φ及びアナログ速度信号を検出するサーボドライバ125と、該サーボドライバ125から出力されるデジタル位置信号φからメガトルクモータ122の回転角度位置を演算してその位置信号を出力するマイクロコンピュータ等の制御手段(CPU)126とが設けられている。
前記単極レゾルバ123は、第18図に示すように、3相バリアブルリラクタンス形レゾルバであり、ロータ鉄心130aとステータ鉄心131aの空隙132中のリラクタンスがロータ鉄心130aの位置により変化し、ロータ鉄心130aの1回転でリラクタンス変化の基本波成分が1周期となる構造のロータ130とステータ131を備えているものである。即ち、ロータ130の内径中心O1はステータ131の内径中心と一致しているが、ロータ130の外径中心O2がその内径中心O1から一定の偏心量Aだけ偏心するようにロータ鉄心130aの肉厚を変化させてあり、これによって前記リラクタンスが上述したようにロータ鉄心30aの位置により変化する。
前記ステータ131は、120゜間隔で配置されたA相、B相及びC相の3双の磁極と、該A相、B相及びC相に対して夫々180゜ずれた所に配置された相、相及び相の磁極とが配置されている。これら各相には、夫々3つの磁極が配置されており、全部で18個の磁極1331〜13318がステータ131に設けられている。各磁極1331〜13318には、1種類の巻線C1〜C18が巻回されている。そして、第11図に示すように、A相の3本の巻線C1,C2,C3は直列に接続されており、他の各相の3本の巻線もA相と同様に直列に接続されている。また、A相の3本の巻線C1〜C3は、共通端子134と電流検出用抵抗R1の一端との間に接続されている。他の各相の3本の巻線も、A相と同様に共通端子134と電流検出用抵抗R2〜R6の一端との間に夫々接続されている。R1〜R6の各他端は内部でアースされている。
上記構成を有する単極レゾルバ123では、共通端子134にある周波数の正弦波が励磁信号として印加されると、ロータ130が1回転する間に、A相、B相及びC相の各巻線からは、各相毎に120゜ずつ位相のずれた1サイクルの交流信号で、前記リラクタンス変化に応じて電流値が変化した単極レゾルバ信号が、相、相及び相の各巻線からは、A相、B相及びC相の信号に対し夫々180゜位相のずれた単極レゾルバ信号が夫々出力される。
前記多極レゾルバ124は、第12図に示すように、円筒状のロータ140とステータ141とを有し、該ロータ140の外径中心はステータ141の内径中心と一致している。ロータ140の外周面には、多数(例えば150個)の突極状の歯140aが形成されている。ステータ141の内周部には、A相、B相及びC相の各磁極が所定の間隔で交互に配置されており、各相の磁極には巻線CA,CB,CCが夫々巻回されている。
ステータ141の内周面には、各相が120゜ずつ電気角でずれるように、多数(例えば、ロータ140の歯140aが150個の場合には144個)の突極状の歯が形成されている。各相の巻線CA,CB,CCは、第13図に示すように、共通端子142と電流検出用抵抗RA,RB,RCの一端との間に夫々接続されている。RA,RB,RCの他端はアースされている。
上記構成を有する多極レゾルバ124では、共通端子142にある周波数の正弦波が励磁信号として印加されると、ロータ140が1回転する間に、3相の各相毎に150サイクルの交流信号が多極レゾルバ信号として前記各巻線CA,CB,CCから出力される。
前記サーボドライバ125は、例えば6kHz程度の正弦波を出力する発振器150と、アンプ151とを有し、該アンプ151で増幅された正弦波が励磁信号として前記単極レゾルバ123及び多極レゾルバ124の各共通端子134及び142に同時に印加される。また、このサーボドライバ125は、2つの電流/電圧変換器152,153と、減算器154と、2つの3/2相変換器155,156と、アナログスイッチ157と、レゾルバ・ディジタル変換器(RDC)158と、移相器159とを有している。
電流/電圧変換器152は、前記電流検出用抵抗R1〜R6を有し、単極レゾルバ3のA相、B相、C相、相、相及び相の各巻線に流れる電流信号を電流検出用抵抗R1〜R6により電圧信号に変換するものである。具体的には、この変換器152から、下記の電圧信号が減算器154に出力される。A相信号は第14図(a)で、相信号は第14図(b)で夫々示されている。
A相信号=(A0+A1cosθ)・sinωt
A0相信号=(A0−A1cosθ)・sinωt
B相信号={A0+A1cos(θ+(2)/3π)}・sinωt
B0相信号={A0−A1cos(θ+(2)/3π)}・sinωt
C相信号={A0+A1cos(θ+4/3π)}・sinωt
C0相信号={A0−A1cos(θ+4/3π)}・sinωt
ここで、ω=2πfで、fはキャリア周波数である。
前記減算器154は、下記の減算を行ない、下記(1)〜(3)の電圧信号を3相の単極レゾルバ信号(ABS信号)として3/2相変換器155に出力するようになっている。
A相−A0相=2A1cosθ・sinωt (1)
B相−B0相=2A1cos(θ+2/3π)・sinωt (2)
C相−C0相=2A1cos(θ+4/3π)・sinωt (3)
電流/電圧変換器153は、前記電流検出用抵抗RA,RB,RCを有し、多極レゾルバ4のA相、B相及びC相の各巻線に流れる電流信号(3相の交流信号)を電流検出用抵抗RA,RB,RCにより電圧信号に変換し、この電圧信号を3相の多極レゾルバ信号(INC信号)として3/2相変換器156に出力するものである。
前記3/2相変換器55は、前記(1)〜(3)で表わされる3相のABS信号を、2相の信号(下記のcos信号及びsin信号)に変換し、この2相の信号をアナログスイッチ57に出力するようになっている。cos信号は第16図(a)で、sin信号は第16図(b)で夫々示されている。
cos信号=K・cosθ×SINωt
sin信号=K・sinθ×SINωt
前記3/2相変換器156も、3/2相変換器155と同様のもので、電流/電圧変換器153から出力される前記3相の多極レゾルバ信号(INC信号)を2相の信号(cos信号及びsin信号)に変換し、この2相の信号をアナログスイッチ157に出力するようになっている。
前記アナログスイッチ157は、ABS/INC切り換え信号により切り換わるスイッチで、ドライバ電源投入時には3/2相変換器155から2相の信号を選択して通し、その後3/2相変換器156からの2相の信号を選択して通すようになっている。
前記移相器159は、前記アンプ151からの励磁信号の位相を遅らせ、前記ABS又はINCの各cos信号及びsin信号のうちのキャリア信号の位相と同期させたRef信号(sinωt)をレゾルバ・ディジタル変換器158に出力するものである。
前記レゾルバ・ディジタル変換器158は、2相の信号をディジタル信号に変換するもので、一般に市販されているものである。この変換器158として、例えば12ビット仕様のものを用いると、前記2相のABS信号は、4096(パルス/ロータ1回転)のディジタル位置信号φに変換される。即ち、この位置信号φは、単極レゾルバ3のロータ130が1回転する間に、0から4095までカウントアップされたディジタル値(第17図(b)を参照)となる。
一方、前記2相のINC信号は、12ビット仕様の変換器58の場合、4096×150(前記突極状の歯40aの数)=614400(パルス/ロータ1回転)のディジタル位置信号φに変換される。即ち、この位置信号φは、多極レゾルバ104のロータ140が1回転する間に、0から4095までのカウントアップが150回されたディジタル値(第18図(a)を参照)となる。
具体的には、レゾルバ・ディジタル変換器58は、第8図に示すように、高速sin/cos乗算器181と、減算器182と、エラーアンプ183と、同期整流器184と、積分器185と、電圧/周波数変換器186と、カウンター187と、D/A変換器188とを有している。
前記高速sin/cos乗算器181は、前記ABS又はINC信号のcos信号及びsin信号を、
cos信号=cosθ×sinωt
sin信号=sinθ×sinωt
とすると、
cosθ×sinωt×cosφの乗算、及び
sinθ×sinωt×sinφの乗算を行ない、前者の乗算値を減算値182のプラス側入力端子に、後者の乗算値をそのマイナス側入力端子に夫々出力するようになっている。ここで、cosφ及びsinφは、カウンター187のカウント値φがD/A変換器188で2相のアナログ信号に変換された信号である。
減算器82は、
cosθ×sinωt×cosφ−sinθ×sinωt×sinφ=sinωt×sin(θ−φ)の減算を行なう。
この減算値の信号が、エラーアンプ183を介して同期整流器184に入る。該同期整流器184には、前記移相器159からRef信号(sinωt)が入力されているので、該同期整流器184からは、sin(θ−φ)の信号が積分器185に出力されるようになっている。
積分器185は、前記sin(θ−φ)の信号を積分してアナログ速度信号を不図示の表示手段に出力するようになっている。
前記電圧/周波数変換器186は、前記アナログ速度信号の電圧値に応じた周波数のパルス列をカウンター187に出力するものである。
そして、カウンター187は、電圧/周波数変換器186から出力されるパルスをカウントする。
上記レゾルバ・ディジタル変換器158では、前記高速sin/con乗算器181からD/A変換器188までのサーボ系が、sin(θ−φ)=0となるように、即ちθ=φとなるように追従するトラッキング型の信号処理部を採用しており、θ=φとなったときのカウンター187のカウント値をディジタル位置信号φとして出力するようになっている。
そして、前記制御手段(CPU)126は、前記ABSのcos信号及びsin信号がレゾルバ・ディジタル変換器158でディジタル変換されたディジタル位置信号φの値をabsとし、前記INCのcos信号及びsin信号が変換器158でディジタル変換されたディジタル位置信号φの値をincとすると、
abs×150+(2048−inc)+offset値
の演算を行って回転角度位置を算出するようになっている。
次に、上記一実施例の作動を説明する。
メガトルクモータ122の回転子がある回転角度位置まで回転すると、単極レゾルバ123のA相、B相、C相、A0相、B0相及びC0相の各巻線には、その回転角度位置θに応じたリラクタンス変化が電流値の変化として表された電流が流れ、この6つの電流信号が電流/電圧変換器152により電圧信号に変換され、A相、B相、C相、相、相及び相の前記各信号が該変換器152から減算器154に出力される。該変換器152は、上記減算を行ない、前記(1)〜(3)の電圧信号を3相のABS信号として3/2相変換器155に出力する。該3相のABS信号が、3/2相変換器155により、2相のcos信号及びsin信号に変換され、この2相のABS信号がアナログスイッチ157に出力される。
一方、多極レゾルバ124の各巻線CA,CB,CCからは、前記回転角度位置θに応じたサイクルの交流信号がA相、B相及びC相の3相の各相毎に出力され、この3相の交流信号が電流/電圧変換器153により電圧信号に変換され、さらに、この3相の交流信号が3/2相変化器で2相のcos信号及びsin信号に変換され、この2相のINC信号がアナログスイッチ157に出力される。
該アナログスイッチ157は、ドライバ電源投入時には3/2相変換器155からの2相のABS信号を選択して通し、その後3/2相変換器156からの12相のINC信号を選択して通す。
前記2相のABS信号がレゾルバ・ディジタル変換器158に入力されたとき、該変換器158は、この2相のABS信号(cos信号及びsin信号)を上述したようにディジタル変換してディジタル位置信号φを制御手段126に出力する。このときのφの値がabsである。
一方、前記2相のINC信号が前記変換器158に入力されたとき、該変換器158は、この2相のINC信号(cos信号及びsin信号)を上述したようにディジタル変換してディジタル位置信号φを制御手段126に出力する。このときのφの値がincである。
そして、制御手段6は、前記abs及びincを用いてabs×150+(2048−inc)+offset値の演算を行ない、回転角度位置θを算出する。
なお、上記一実施例のレゾルバ装置1の回転角度位置θ検出の分解能は、以下の通りである。
レゾルバ・ディジタル変換器58が12ビット仕様の場合で、
多極レゾルバ124のロータ40の
突極状の歯140aが150個のとき、分解能は614400(パルス/1回転)
突極状の歯140aが120個のとき、分解能は491520(パルス/1回転)
突極状の歯140aが100個のとき、分解能は409600(パルス/1回転)
となる。
また、レゾルバ・ディジタル変換器158が14ビット仕様の場合には、分解能は12ビット仕様の場合の4倍になる。
上記一実施例によれば、前記単極レゾルバ123において、A相、B相、C相、A0相、B0相及びC0相の各相には、夫々3つの磁極が配置されており、且つA相、B相及びC相に対して夫々180゜ずれた所に配置された相、相及び相の磁極が配置されている構造により、該レゾルバ123のロータ130の外径形状の製造誤差等による悪影響を受けにくく、その分だけ回転角度位置の検出精度が向上する。なお、前記各相の磁極の数は3つに限られず、その数は例えば2つであってもよい。
また、上記一実施例によれば、前記レゾルバ・ディジタル変換器158では、その内部のサーボ系として、上述したようなトラッキング型の信号処理部を採用しているので、ディジタル変換の高精度化を容易に図ることができる。
なお、上記一実施例では、前記単極レゾルバ123を3相構造にしてあるが、これを6相構造にしてもよい。
以上詳述した如く、本考案に係るレゾルバ装置によれば、ステータの各相の磁極に巻回された1種類の各巻線に流れる電流値を検出し、この検出された電流値を用いて回転角度位置又は回転速度が検出される。従って、ステータの各相の磁極に巻回される巻線のためのスペースを小さくすることができると共に、巻線間を絶縁する必要がなく、これによって、製造工数及び製造コストを削減できる。
また、ロータ鉄心の1回転でリラクタンスの基本波成分が1周期となる構造の単極レゾルバを備えているので、ロータとステータとの間の絶対的な位置関係である回転角位置を検出することができる。
さらに、単極レゾルバの他に多極レゾルバを備え、両方のレゾルバから得られた電流値に基づき、回転角度位置や回転速度を検出するので、高分解能な回転角度位置を検出することができる。
更に本考案は、このような従来のVR型レゾルバにおける一層の精度向上に関する未解決の課題を解決するためになされたものであり、N相VR型レゾルバのロータ歯数に対するステータの極数を選定することにより容易に製造できる高精度のVR型レゾルバを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための高精度VR型レゾルバの発明は、先端部に複数の極片歯を有する極片を円周等分に複数有して固定支持されると共に各極片に相数Nのコイルを各相毎に直列に巻回してなる環状のステータと、このステータの前記極片歯に対向して円周方向に形成された歯列を有してステータと同心に配し相対回転自在に支持された環状のロータとを備えN相VR型レゾルバにおいて、前記ロータの歯数に対するステータの極数を、全周精度を向上させるために、相数Nの倍数でなる偶数とし、且つ下記(11)式及び(12)式の何れかにより算出した極数とし、DDモータに組込まれたことを特徴とする高精度VR型レゾルバ。
ステータ極数=ロータ歯数/(M+1/N)―――(11)
ステータ極数=ロータ歯数/{M+(N−1)/N}―――(12)
但し、Mは1〜3の整数である。
また、本考案に係る高精度VR型レゾルバは、前記考案において、前記環状のステータのコイル相数N=3、変数M=3に設定すると共に、ロータ歯数を80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280及び300の何れか1つに設定し、ステータ極数を、前記(11)式に従って算出して全周精度を向上させたことを特徴とする。
さらに、本考案に係る高精度VR型レゾルバは、前記考案において、前記環状のステータのコイル相数N=3、変数M=1に設定すると共に、ロータ歯数を80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280及び300の何れか1つに設定し、ステータ極数を、前記(12)式に従って算出して全周精度を向上させたことを特徴とする。
更に、本考案に係る高精度VR型レゾルバは、前記考案に記載の高精度VR型レゾルバにおいて、前記ロータ歯数を160に設定し、前記ステータ歯数48に設定するか又は前記ロータ歯数を120に設定し、前記ステータ歯数を36に設定することを特徴とする。
更に、本考案に係る高精度VR型レゾルバは、前記の高精度VR型レゾルバにおいて、前記ステータのステータ極片形状をコイル巻線の整列型巻可能なくびれのない形状としたことを特徴とする。
以上説明したように、本考案によれば、N相VR型レゾルバにおいて、レゾルバロータの歯数に対するレゾルバステータの極数を、
ステータ極数=ロータ歯数/(M+1/N)―――(11)
ステータ極数=ロータ歯数/{M+(N−1)/N}―――(12)
但し、ステータ極数はNの倍数で且つ偶数、Mは1〜3の整数である
の何れかの式により算出した極数としたことにより、レゾルバステータの極数を限界まで増やすことなく、絶対精度10秒以下での位置決めが可能という極めて高精度のVR型レゾルバが容易に得られるという効果を奏する。
また、VR型レゾルバのリップルは、その加減速時や一定速度時に発生する振動に影響するのであるが、レゾルバの精度を上記のように向上させたことにより、当該リップルの発生が抑制できて低振動化が達成できるという効果が得られる。
さらに、高精度が得られることから、検出器誤差に起因するモータ駆動時の騒音が大幅に低減できるという効果も得られる。
またさらに、レゾルバステータの極片歯数を減らすことができて、レゾルバ巻線方法の簡素化が可能になると共に、均一な巻線になるために3相のバランスの崩れも最小限に抑えることができるという効果も得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
いま、相数N=3相とし、変数M=3とした場合につき、上記(1)式を適用して求めたレゾルバステータの極数及びレゾルバロータ歯数を表2に示す。
Figure 2014085135
この表2の値からロータ数及びステータ極数を選定することにより、高精度3相VR型レゾルバの構成が簡単に得られる。因みに、選定するロータ歯数が多いほど、ステータ極数が増加するためレゾルバの全周精度が向上する。図19に示すレゾルバロータ(アウタロータである)220は、表2の値に基づいて選定した歯数160歯を有する。このロータ歯数160に対応するレゾルバステータ210の極片212の数(極数)は48ポールである。このロータ220とステータ210との組み合わせ図である図19に示すように、ステータ210の極片212は、ロータ220の歯数(3+1/3)ケごとに1ポールづつ存在している。
それらの各極片212には、コイル巻線213が巻かれるため、その巻線スペースを考慮したステータ210の各極片212には、1ポールにつき2ケずつの極片歯211が突設されている。このように(11)式によるステータ極数とロータ歯数との関係を用いてステータ210の極数を増やすことにより、隣合うステータの極片212,212同士の中心角度を小さくできるから、VR型レゾルバの多極化が容易に実現できる。
なお、コイル巻線213のスペースに問題がなければ、ステータ210の各極片212の極片歯211の数は3ケであっても差し支えない。
この場合、ロータ220の歯221に対するステータ極片歯211のピッチずれ量は、1/Nであり、それぞれ電気角0°で0/3歯(すなわち、ずれ無し)、電気角+120°で1/3歯、電気角+240°で2/3歯、電気角+360°(すなわち、次の0°の始点)で3/3歯(1歯)となる。したがって、この3相VR型レゾルバでは、1/3ピッチで電気角+120°(360/3)毎にずれた3相信号を検出する。
図19のレゾルバロータ220の歯数160歯、レゾルバステータ210の極数を48ポールとした本実施の形態のVR型レゾルバの全周精度をロータリーエンコーダを使用して測定し、X−Yプロッタにて記録した例を図20に示す。その精度は3.77秒と極めて高精度であった。
また、上記実施形態においては、変数M=3に設定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、変数M=2に設定したときには、ロータ歯数140でステータ磁極数60、ロータ歯数280でステータ磁極数120を設定することができ、変数M=1に設定すると、下記表3に示すように条件を満足するロータ歯数80、120、160、200、240及び280でステータ磁極数を設定することができる。
Figure 2014085135
さらに、上記実施形態においては、3相レゾルバで、電気角+120°毎のステータ極配置をする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電気角−120°毎のステータ極配置をする場合も可能であり、この場合には、前述した(12)式を適用してステータ極数を決定する。
この場合、変数M=3と設定した場合には、前述した表3におけるロータ歯数で、(12)式を満足し、ステータ極数がNの倍数で且つ偶数であることの条件を満足するのは、ロータ歯数220のときのステータ磁極数60のみであるが、変数M=2と設定した場合には、ロータ歯数80でステータ磁極数30、ロータ歯数160でステータ磁極数60、ロータ歯数240でステータ磁極数90の3つを選択することが可能となり、さらに、変数M=1と設定した場合には、下記表4に示すように全てのロータ歯数で条件を満足するステータ磁極数を決定することができる。
Figure 2014085135
この場合、ロータ220の歯221に対するステータ極片歯211のピッチずれ量は、−1/Nであり、それぞれ電気角0°で0/3歯(すなわち、ずれ無し)、電気角−120°で−1/3歯、電気角−240°で−2/3歯、電気角−360°(すなわち、次の0°の始点)で−3/3歯(−1歯)となる。したがって、この3相VR型レゾルバでは、−1/3ピッチで電気角−120°(−360/3)毎にずれた3相信号を検出する。
本発明のN相VR型レゾルバは、上述のように、±1/Nピッチで電気角(±360/N)°毎にずれたN相の信号を検出するものであり、3相以外の構成にも適用できる。例えば、4相レゾルバの場合は±1/4ピッチで電気角±90°毎にずれた4相の信号を検出し、6相レゾルバの場合は±1/6ピッチで電気角±60°毎にずれた6相の信号を検出する。かくして、本実施形態によれば、変数Mを小さくする程、ステータ磁極数を増加させて、レゾルバの全周精度を向上させることができる。
なお、前記実施の形態では、VR型レゾルバのロータ及びステータに、DDモータのロータ及びステータと同一の積層板を用いているが、レゾルバロータとモータロータとの歯数が同一歯数であれば、特にレゾルバステータの積層板をモータステータの積層板と同一にする必要はない。
また、ロータ歯数としては、上記に限定されるものではなく、68、104、124、132等の任意の歯数を選択することができ、前記(11)式又は(12)式で条件を満足するステータ磁極数を算出可能であればよい。
(実施例)
以下に、本発明の効果を明確にするために、実施例と比較例とを対比して説明する。
実施例1:図21〜図23に、本発明の第1の実施例を示す。
この実施例では、図21に示すレゾルバロータ220の歯221の歯数を120歯とした。これに対し、レゾルバステータ210の極数は(11)式に基づいて36ポールに設定し、その1ポール当たりの極片歯211の歯数は3ケとした。こうして製作した極数36ポールのレゾルバステータ210の組立図を図22、その巻線結線図を図23に示す。
比較例1:一方、レゾルバステータ210の極片12の数が異なる比較例を製作して対比した。その比較例1のVR型レゾルバは、レゾルバロータ220の歯221の歯数を上記第1の実施例のもの(図21)と同じく120歯としたが、レゾルバステータ210の極数は18ポールと少なくし、かつ1ポール当たりの極片歯11の歯数を6ケとした。図24にそのレゾルバステータの組立図を、図25にその巻線結線図を示した。
本実施例1のVR型レゾルバの全周精度をロータリーエンコーダを使用して測定し、X−Yプロッタにて記録した例を図26に示す。その精度は16.53秒と非常に高精度であった。これに対して、上記比較例1の場合の精度は図27に示す通り39.08秒となり、実施例1に比べて半分以下であった。
実施例2:レゾルバロータ220は、実施例1と同じく歯数120歯とした。レゾルバステータ210の方は、その極数は36ポールであるが、ただし1ポール当たりの極片歯11の歯数を2ケとしたものを、別に製作した。図28にそのレゾルバステータ210の組立図を、図29にその巻線結線図を示した。
比較例2:これに対比する比較例2として、比較例1と同じく歯数120歯のアウタロータタイプのレゾルバロータ220に、極数18ポールで1ポール当たりの極片歯の歯数を6ケとしたレゾルバステータ210を組み合わせた従来タイプのVR型レゾルバを別に製作した。
本実施例2のVR型レゾルバの全周精度をロータリーエンコーダを使用して測定し、X−Yプロッタにて記録したものを図30に示す。その精度は8.28秒と極めて高精度であった。これに対して、上記比較例2の場合の精度は図31に示す通り32.78秒となり、実施例2の略1/4近くにすぎなかった。
以上、実施例1,2と比較例1,2とを比べてわかるように、例えば、3相VR型レゾルバを構成するのに、レゾルバ及びモータのロータ歯数を120とした時、レゾルバステータの極数を従来のように18ポールとするよりも、本発明の前記(11)式を適用してレゾルバステータの極数を36ポールとした方が、より高精度の全周精度を実現することができる。
ここで、本発明のVR型レゾルバの製造上の利点を説明する。例えば上記実施例2のレゾルバステータ210(1ポール当たりの極片歯11の歯数を2ケとしたもの)の場合、図32(a)に示すように、その極片12の形状は、コイル巻線213の整列型巻きの採用を可能にする。すなわち、形状にくびれがないので、型巻きされたコイル巻線213(ボビン,空芯コイルなど)を差し込む形で構成することができ、巻線方法の簡素化が図れる。また、均一な巻線になるために、3相のバランスの崩れも最小限に抑えることができる。これに対し、図32(b)に示すような、極片1ポール当たりの極片歯211の歯数の多い一般的なレゾルバステータの場合には、コイル巻線213が極片212の根元に直巻きされており、均一な巻線形状が出来にくい。
更に本発明は、高精度VR型レゾルバの小径化・薄型化を可能とするレゾルバの鉄心構造及びその製造方法を提案することも課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のVR型レゾルバの鉄心構造は、環状ステータ基部の円周方向に沿って均等に配されたステータポールを備えるステータと、前記ステータとの相対的な角度位置を変化させることで前記ステータとの間隙のリラクタンス成分を変化せしめるロータとを備えたVR型レゾルバの鉄心構造であって、前記ステータとロータのうち少なくとも何れか一方は、複数のラミネーションを回転積層した積層構造として構成され、ステータポール数をP、相数をNとしたとき、各層のラミネーションの回転積層角度は360度/(P/N)の倍数角を除く角度に設定されている。
ラミネーションの回転積層角度として、360度/(P/N)の倍数角を除く角度に設定することで、特定の相にのみピッチ誤差が集中することを回避し、ピッチ誤差を全体的に分散させることで、VR型レゾルバの高精度化を図ることができる。
本発明のダイレクトドライブモータは、本発明の鉄心構造を具備するVR型レゾルバを角度位置検出器として備える。本発明のVR型レゾルバは薄型化・小型化が可能であるため、小型のダイレクトドライブモータの角度位置検出器として好適である。
本発明のVR型レゾルバの製造方法は、環状ステータ基部の円周方向に沿って均等に配されたステータポールを備えるステータと、前記ステータとの相対的な角度位置を変化させることで前記ステータとの間隙のリラクタンス成分を変化せしめるロータとを備えたVR型レゾルバの製造方法であって、ステータポール数をP、相数をNとしたとき、前記ステータとロータのうち少なくとも何れか一方を構成するラミネーションの回転積層角度を360度/(P/N)の倍数角を除く角度で回転積層する。
ラミネーションの回転積層角度として、360度/(P/N)の倍数角を除く角度に調整するだけでピッチ誤差を平均化できるため、非常に簡便かつ低コストで高精度VR型レゾルバを得ることができる。
本発明によれば、ラミネーションの回転積層角度として、360度/(P/N)の倍数角を除く角度に設定することで、特定の相にのみピッチ誤差が集中することを回避し、ピッチ誤差を全体的に分散させることで、VR型レゾルバの高精度化を図ることができる。さらに、ラミネーションの積層数を減少させることができ、VR型レゾルバの薄型化・小型化を実現できる。
[発明の実施形態1]
以下、各図を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図37は角度位置検出機能を備えたダイレクトドライブモータの断面図である。同図に示すように、ダイレクトドライブモータには中空筒型のハウジング444内に収容された回転軸443が転がり軸受445を介して回転自在に軸支されている。回転軸443の下端部外周面には鋼板(或いは磁性体であれば他の素材のものに代えてもよい。)で成る薄板を積層し半径方向外側に向かって突出する複数の極歯を有する環状の回転子447が固定されており、これと対向するハウジング内周面には同様の薄板を積層し、半径方向内側に向かって突出する複数の磁極を備える固定子446が配置されている。
回転軸443には、回転軸443の絶対角度位置を検出するための単極レゾルバ440と、相対角度位置を検出するための多極レゾルバ410が組み込まれている。単極レゾルバ440は回転軸443の内周面に固定された環状の成層鉄心(モータ部の回転子447や固定子446と同様に銅板等の磁性体で成る薄板を積層したもの。以下同様。)から成るレゾルバロータ442と、ハウジング444に固定されてレゾルバロータ442と対峙する環状の成層鉄心からなるレゾルバステータ441から成る。多極レゾルバ410は回転軸443の内周面に固定された環状の成層鉄心からなるレゾルバロータ430と、ハウジング444に固定されてレゾルバロータ430と対峙する環状の成層鉄心からなるレゾルバステータ420から成る。
図36は多極レゾルバ410の平面図である。同図に示すように、レゾルバロータ430の内径中心はレゾルバステータ420の内径中心と一致しており、レゾルバロータ430とレゾルバステータ420との間隙のリラクタンスがレゾルバロータ430の回転角度位置により変化し、レゾルバロータ430の1回転でリラクタンス変化の基本波成分が複数周期となる構造を備えている。
レゾルバロータ430の内周面には等間隔に径方向に向けて内歯状に凸設された歯431が計160歯形成されている。レゾルバステータ420の環状ステータ基部421には、A相、B相及びC相のステータポール422が等間隔に径方向に向けて外歯状に48ポール凸設されている。ステータポール422の配列ピッチは、ロータ430の歯数(3+1/3)毎に1ポールとなるように調整されている。
各々のステータポール422の先端には突起状の2つの歯424が形成されている。ステータポール422の胴体部には各相毎に直列的に結線されたステータコイル423が巻回されている。ロータ430の歯431に対する歯424のピッチずれ量は1/3であり、それぞれ電気角0度で0/3歯、電気角+120度で1/3歯、電気角+240度で2/3歯、電気角+360度で3/3歯となる。つまり、多極レゾルバ410は、1/3ピッチで電気角120度毎にずれた3相信号を検出するように構成されている。
ステータ極数(ステータポール数)とロータ歯数(歯431の歯数)は上述の値に限定されるものではなく、任意の値に調整できる。高精度のN相VR型レゾルバを実現するために、ステータ極数としては、相数Nの倍数でなる偶数とし、且つ下記(21)式又は(22)式の何れかにより算出した値とすることが望ましい。ここで、Mは1〜3の整数である。
ステータ極数=ロータ歯数/(M+1/N) (21)
ステータ極数=ロータ歯数/{M+(N−1)/N} (22)
この多極レゾルバは、±1/Nピッチで電気角±360度/N毎にずれたN相の信号を出力するものであり、3相以外の構成にも適用できる。例えば、4相レゾルバの場合は、±1/4ピッチで電気角±90度毎にずれた4相の信号を検出し、6相レゾルバの場合は、±1/6ピッチで電気角±60度毎にずれた6相の信号を検出する。
レゾルバロータ30とレゾルバステータ20は上述の例えば、金型プレスにより歯型形状に加工された複数のラミネーション(珪素鋼板等の薄板)を回転積層して得られた成層鉄心である。ラミネーション1枚あたりの厚みは0.5mm以下が好ましい。ここで、回転積層について説明する。上述の通り、一枚一枚の薄板の成形には通常、金型プレスが用いられる(必要に応じてバリ取り等の仕上げ加工も施される。)。しかし、金型の有する形状誤差、プレス加工時に生じる加工誤差、その他により、加工されたものの形状には、例えば、歯のピッチ誤差などの誤差を含んでいる。このような一枚一枚の鋼板を金型により打ち抜いたときの位置関係を維持したまま積層してしまうと、上記のような形状誤差等の影響が完成後のレゾルバの検出精度の低下に反映してしまうことになる。その影響は本発明が対象とするような、特に高精度を必要とされるダイレクトドライブモータ用等として用いられるものの場合、無視できない場合がある。
そこで、上記の形状誤差等の影響を縮小することを目的として、薄板を積層する際に意図的に一枚一枚の薄板の位置関係を金型により打ち抜いたときの位置関係に対して1歯の角度の倍数だけ回転方向にずらすことが行われており、これを回転積層と称する。薄板の積層枚数が多い場合であれば、例えば、1歯ずつ回転して重ねていく、或いはランダムな回転角度で回転積層した場合でも、平均化効果により十分に高精度なレゾルバを得ることができる場合もある。
しかし、モータの小型化・薄型化を図るため、積層枚数を少なくする必要がある場合、これらのようなやり方では不十分である。少ない積層枚数で効率よく上記の形状誤差等の影響の抑制を図ることが望まれる。また、一枚の薄板の上に次の薄板を重ねる際の回転角度(回転積層角度)を任意に設定すればよいわけではなく、選んだ回転積層角度によっては多数重ねても効果の小さい場合があることがわかった。
そこで、本発明においては、レゾルバロータ430とレゾルバステータ420を構成する各層のラミネーションの回転積層角度として、下記(23)式の倍数角を除く角度に設定する。ここで、Pはステータポール数、Nは相数である。また、回転積層角度とは第1層目を基準とした回転角度のことをいう。
360度/(P/N) (23)
N相多極レゾルバでは、同一相のステータポールが(23)式の角度おきに配置されているため、レゾルバステータ420を構成する各層の回転積層角度として、(23)式の倍数角を除く角度に設定することで、特定の相にのみ歯424のピッチ誤差が集中することを回避できる。このように、特定の相にピッチ誤差の影響が集中するのを避け、歯424のピッチ誤差等を全周にわたって各相に均等に分散させることが完成後のレゾルバの検出精度の向上に特に効果のあることがわかった。
レゾルバステータ420のみならず、レゾルバロータ430についても同様にラミネーションの回転積層角度として、(23)式の倍数角を除く角度に設定することで、完成後、レゾルバロータ430をレゾルバステータ420に対向させた場合に、歯431のピッチ誤差等をN相全てに均等に配分できるため、平均効果により高精度な位置検出精度を得ることができる。
例えば、48ポールの3相レゾルバの場合では、ラミネーションの回転積層角度として、360度/(48/3)=22.5度の倍数を除く角度に設定する。同図に示す例では、レゾルバステータ20の回転積層角度として、2層目の回転積層角度θ1を60度、3層目の回転積層角度θ2を120度、4層目の回転積層角度θ3を180度、5層目の回転積層角度θ4を240度、6層目の回転積層角度θ5を300度としている。このように、各層の回転積層角度は22.5度の倍数を除く角度に設定されていればよく、同図に示す例に限定されるものではない。また、隣接層の回転積層角度の差分θn+1・θnは必ずしも一定である必要はない。
一方、レゾルバロータ430の回転積層角度としては、同図に示すように、2層目の回転積層角度φ1を72度、3層目の回転積層角度φ2を144度、4層目の回転積層角度φ3を216度、5層目の回転積層角度φ4を288度としている。このように、各層の回転積層角度は22.5度の倍数を除く角度に設定されていればよく、同図に示す例に限定されるものではない。また、隣接層の回転積層角度の差分φn+1-φnは必ずしも一定である必要はない。
尚、レゾルバステータ420やレゾルバロータ430について回転積層を施す場合には、例えば、図38のレゾルバステータ420の例に示すように、全周中の一箇所の内周面にノッチ425を施し、所定の回転角度で積層が行われているか否かを積層時に、或いは積層後にチェックし易くするのが好ましい。
同図(A)はラミネーションが表面を向いている場合の平面図であり、同図(B)はラミネーションが裏面を向いている場合の平面図である。このように、ノッチ425を施すことで、ラミネーションの表裏を判別できるため、回転積層に好適である。同図に示す例では、ラミネーションが表面を向いている状態でのステータポール422の中心線をX線とし、ステータポール間の中心線をY線とした場合、例えば、X線とY線の中心線Z上にノッチ425を施している。レゾルバロータ430の場合は同様の要領で外周面にノッチを設ければよい。
以上、説明したように、本実施形態によれば、ステータ極数の比較的多い高精度レゾルバをさらに高精度化することが可能となる。また、ラミネーションの回転積層角度を上述のようにして適宜調整することで、例えば、金型プレス加工により打ち抜かれて得られる一枚一枚のラミネーション(薄板)の有する形状誤差等がレゾルバの検出精度に及ぼす影響を低減できるため、ラミネーションの積層枚数を少なくできる上に小径化にも有効である。ラミネーション1枚あたりの厚みを0.5mm以下に抑えれば、薄型・小型のVR型レゾルバを得ることができる。このような薄型・小型のVR型レゾルバは、NC工作機などのインデックステーブル、搬送装置、組み立て装置のロボットアームなどに組み込まれる小型のダイレクトドライブモータの位置検出装置に好適である。
[発明の実施形態2]
以下、各図を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
図39は第2実施形態のVR型レゾルバ450の平面図である。同図に示すように、同レゾルバ450のレゾルバロータ470の内径中心はレゾルバステータ460の内径中心と一致しており、レゾルバロータ470とレゾルバステータ460との間隙のリラクタンスがレゾルバロータの回転角度位置により変化し、レゾルバロータ470の1回転でリラクタンス変化の基本波成分が複数周期となる構造を備えている。
レゾルバロータ470の内周面には等間隔に径方向に向けて内歯状に凸設された歯471が多数形成されている。レゾルバステータ460の環状ステータ基部461には、A相、B相及びC相のステータポール462が等間隔に径方向に向けて外歯状に18ポール凸設されている。各々のステータポール462にはステータコイル463が巻回されている。
同図に示すような18ポールの3相レゾルバの場合では、ラミネーションの回転積層角度として、360度/(18/3)=60度の倍数を除く角度に設定する。ここでは、レゾルバステータ420の回転積層角度として同図に示すように、2層目の回転積層角度θ1を80度、3層目の回転積層角度θ2を160度、4層目の回転積層角度θ3を240度、5層目の回転積層角度θ4を320度、6層目の回転積層角度θ5を400度としている。このように、各層の回転積層角度は60度の倍数を除く角度に設定されていればよく、同図に示す例に限定されるものではない。また、隣接層の回転積層角度の差分θn+1-θnは必ずしも一定である必要はない。
一方、レゾルバロータ30の回転積層角度としては、同図に示すように、2層目の回転積層角度φ1を72度、3層目の回転積層角度φ2を144度、4層目の回転積層角度φ3を216度、5層目の回転積層角度φ4を288度としている。このように、各層の回転積層角度は60度の倍数を除く角度に設定されていればよく、同図に示す例に限定されるものではない。また、隣接層の回転積層角度の差分φn+1-φnは必ずしも一定である必要はない。
以上、説明したように、本実施形態によれば、上述の第1実施形態の効果に加えて、ステータ極数の比較的少ないレゾルバのピッチ誤差を平均化することで、位置検出精度の向上を図ることができる。
[発明の実施形態3]
以下、各図を参照して本発明の第3実施形態について説明する。
図40は第3実施形態のVR型レゾルバ480の平面図である。同図に示すように、同レゾルバ480のレゾルバロータ400の内径中心はレゾルバステータ490の内径中心と一致しており、レゾルバロータ400とレゾルバステータ490との間隙のリラクタンスがレゾルバロータの回転角度位置により変化し、レゾルバロータ400の1回転でリラクタンス変化の基本波成分が複数周期となる構造を備えている。
レゾルバロータ400の内周面には等間隔に径方向に向けて内歯状に凸設された歯401が多数形成されている。レゾルバステータ490の環状ステータ基部491には、A相、B相及びC相のステータポール492が等間隔に径方向に向けて外歯状に30ポール凸設されている。各々のステータポール492には図示しないステータコイルが巻回される。
同図に示すような30ポールの3相レゾルバの場合では、ラミネーションの回転積層角度として、360度/(30/3)=36度の倍数を除く角度に設定する。ここでは、レゾルバステータ490の回転積層角度として同図に示すように、2層目の回転積層角度θ1を60度、3層目の回転積層角度θ2を120度、4層目の回転積層角度θ3を180度、5層目の回転積層角度θ4を240度、6層目の回転積層角度θ5を300度としている。このように、各層の回転積層角度は36度の倍数を除く角度に設定されていればよく、同図に示す例に限定されるものではない。また、隣接層の回転積層角度の差分θn+1-θnは必ずしも一定である必要はない。
一方、レゾルバロータ100の回転積層角度としては、同図に示すように、2層目の回転積層角度φ1を57.6度、3層目の回転積層角度φ2を115.2度、4層目の回転積層角度φ3を172.8度、5層目の回転積層角度φ4を230.4度、6層目の回転積層角度φ5を288度、7層目の回転積層角度φ6を345.6度、8層目の回転積層角度φ7を403.2度としている。このように、各層の回転積層角度は36度の倍数を除く角度に設定されていればよく、同図に示す例に限定されるものではない。また、隣接層の回転積層角度の差分φn+1-φnは必ずしも一定である必要はない。
尚、本実施形態ではレゾルバステータ490に形成されるボルト挿通孔494の角度間隔を60度、レゾルバロータ400に形成されるボルト挿通孔402の角度間隔を14.4としており、これらについても36度の倍数とは一致しないように選定されている。また、レゾルバステータ490に形成されるノッチ493はステータポール492の中間に位置しているが、ボルト挿通孔494との位置関係から表裏を判別できる。レゾルバロータ400に形成されているノッチ403についても同様にボルト挿通孔402との相対的な位置関係から表裏を判別できる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、上述の第1実施形態の効果に加えて、ステータ極数の比較的少ないレゾルバのピッチ誤差を平均化することで、位置検出精度の向上を図ることができる。
以上、3つの実施形態について述べたが、回転積層角度についてまとめるとともに、より好ましい回転積層角度の決め方について補足する。まず、上記の通り、レゾルバステータ、レゾルバロータとも360度/(P/N)の角度を避けることは基本である。レゾルバステータとレゾルバロータの何れか一方の回転積層角度のみについて、360度/(P/N)の角度を避けるように構成してもある程度の効果を得ることができる。しかし、双方の回転積層角度について、360度/(P/N)の角度を避けるように構成するのがより好ましい。レゾルバステータの場合はともかく、対向するレゾルバロータについても同様であることは注目すべき点である。
特に、レゾルバステータに関しては、上記の条件に加え、上記の各実施形態に示したように、ステータポールの形状誤差、ピッチ誤差等が各相に均等に分散されるように回転積層角度及び積層枚数を決めるのが好ましい。上記の各実施形態では何れも回転積層角度の決め方はこの方法に沿っている。即ち、図1を例にとると、基準角=0度、θ1=60度、θ2=120度、θ3=180度、θ4=240度、θ5=300度のそれぞれに対応するステータポールの符号が順にA,B,C,A,B,Cとなっている。従って、例えば、1層目の図1で基準角に対応するステータポール(ここではA相)の歯が形状誤差、或いは隣のステータポールの歯との間にピッチ誤差があるとすると、その誤差を含むステータポールの歯は、2層目に付いてはC相に、3層目についてはB相に、4層目に付いては再びA相に、5層目に付いてはC相に、そして6層目に付いてはB相に位置することになる。即ち、誤差を有する歯が各相に2枚ずつ割り振られる。このようにして1つの歯の有する誤差を影響が効率的に、効果的に除去できることがわかった。
さらに、特にレゾルバステータについては、上記の条件に加え、回転積層角度については、360度を等分した角度に設定するのがより好ましい。また、少ない枚数で効率よく誤差の影響を分散するために、6層程度で360度に達するように回転積層角度を選ぶのがより好ましい。
また、第3の実施形態のレゾルバロータのように、多少枚数を増やすことが可能であり、最後の薄板の積層角度が360度を超える(2周目に入る)場合、回転積層角度が360度の約数とならないように選ぶことで、即ち、2周目が1周目と歯がずれるように配分することにより、レゾルバロータの歯の有する形状誤差等を効果的に除去可能となる。
上記の各実施形態ではレゾルバロータがレゾルバステータの外周側に配されるアウタロータ型の場合について述べたが、勿論、インナロータ型のレゾルバについても適用可能である。
また、レゾルバロータをボルトで固定する場合にも、本件で示している360度/(P/N)の倍数角を除く(ロータ回転位相角と同じ)角度指定で固定することがさらに好ましく、ボルト固定時に発生するロータの歪みの影響やボルトに起因する渦電流の影響を低減する事に寄与される
更に本発明は、上記の目的を達成するために、本発明に係るVR型レゾルバは、モータと組み合わせて当該モータの回転位置を検出するVR型レゾルバにおいて、レゾルバ側ロータの歯数をモータ側ロータの歯数より少なくしたことを特徴とする。
ここに、前記レゾルバ側ロータの歯形状は、角形にかえて例えばsin波状などの曲線状にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図41〜図42は、アウタロータタイプのVR型レゾルバの一実施形態を示したもので、図41(a)はロータの概略平面図(歯形状は省略)、(b)はその歯形状の拡大図、図42(a)はステータのラミネーションの平面図、(b)は当該ステータの巻線仕様図である。
このVR型レゾルバは、図41(a)のような形状のロータラミネーションを複数枚積層してなる回転自在のロータ鉄心11と、その内側に固定して配設される図42(a)のような形状のステータラミネーションを複数枚積層してなるステータ12とで構成されている。
回転体に一体に取り付けられるロータ511の内周面には、sin波状の同一形状の山からなる複数個のロータ歯TR
が全周にわたり等間隔で形成されている。そのロータ歯TRの歯数は、本レゾルバを搭載する図示しないDDモータのロータの歯数より少なくしてある(即ち、レソルバのロータ歯TRのピッチをモータのそれより拡大してある)。この実施形態では、モータのロータ歯120に対してレゾルバのロータ歯数が1/4の30歯になっている。
一方、レゾルバのステータ512の外周面に突設した磁極の数は、レゾルバのロータ511の歯数の6/5に設定してある。即ち、レゾルバのステータ極数=レゾルバロータ歯数×6/5とし、本実施形態の例では30歯×6/5=36極になっている。ロータ歯数とステータ極数との関係をこのように規定することにより、6相差動レゾルバが構成できる。
図示のステータ512は、30歯6相差動レゾルバのものであり、半径方向に突出する3相18極の第1の磁極A1+〜A6+,B1+〜B6+,C1+〜C6+が所定の間隔を保ってその順に形成され、これら第1の磁極A1+〜A6+,B1+〜B6+,C1+〜C6+のそれぞれの磁極の中間位置に3相18極の第2の磁極A1−〜A6−,B1−〜B6−,C1−〜C6−が形成され、結局各磁極がA1+─C1−─B1+─A1−─C1+─B1−─A2+─C2−─・・・・・・の順序で配列されている。そして、各磁極A1+〜C6−には、励磁巻線LA1+〜LC6−が巻装されている。
各磁極A1+〜C6−の励磁巻線LA1+〜LC6−は、図41(b)に示すように、各第1の磁極A1+〜A6+,B1+〜B6+,C1+〜C6+の励磁巻線LA1+〜LA6+,LB1+〜LB6+,LC1+〜LC6+がそれぞれ直列に接続されてその励磁巻線LA1+,LB1+,LC1+側が単相の交流電源に繋がれると共に、励磁巻線LA6+,LB6+,LC6+側が抵抗を介して接地されるようになっている。
また、残りの第2の磁極A1−〜A6−,B1−〜B6−,C1−〜C6−の励磁巻線LA1−〜LA6−,LB1−〜LB6−,LC1−〜LC6−がそれぞれ直列に接続されてその励磁巻線LA1−,LB1−,LC1−側が同様に単相の交流電源に繋がれると共に、励磁巻線LA6−,LB6−,LC6−側が抵抗を介して接地されるようになっている。
このレゾルバの回路構成は、本出願人が先に出願した特開平5−122916号公報に開示のものと同様であり、その詳細な説明は省くが、前記各励磁巻線励磁巻線LA6+,LB6+,LC6+及びLA6−,LB6−,LC1−とこれらに接続された抵抗との間から導出した出力端子から、レゾルバのステータとロータ歯TRとの間でのリアクタンス変化に応じた電流変化を電圧として検出し、これらのうち同相の検出電流を差動増幅回路に供給して差値を算出し、その出力を相変換回路で2相に変換してパーミアンスの高調波歪みを除去し、これを信号処理回路で信号処理することにより、正確な回転角度又は回転速度を検出するようにしている。
前記信号処理回路は、2相に変換された信号が被乗数として個別に入力されると共に、カウンタからのディジタル回転角度検出値が乗数として入力される2台の乗算器とこれらの乗算出力が入力される減算器と、その減算出力が入力され且つ励磁用単相交流電源からの交流電圧が同期信号として入力される同期整流器と、その出力が入力される電圧制御発振器と、その発振出力パルスが入力されるカウンタとを備えており、同期整流器の出力が速度信号として出力されると共に、カウンタから回転角度を表すディジタル値が出力されるものである。
しかし、レゾルバはそのロータの歯数を減らすと分解能が悪化するのであるが、本発明のレゾルバの場合は、当該カウンタ処理時にステータコイルからの出力信号を逓倍することでロータ歯TRの歯数を減少による分解能の低下を補うようにしている。すなわち、レゾルバロータの歯数を従来の1/4(1/n)にした場合、レゾルバステータコイルからの出力信号をカウンタ処理する際に4(n)逓倍することで従来と同等の分解能を確保するようにしている。
次に作用を述べる。本実施形態のレゾルバのロータ11の歯TRの歯数は30歯であり、本レゾルバを搭載するDDモータのロータの歯数120の1/4にすぎない。このようにレゾルバのロータの歯数が少ないと、一つ一つの歯のピッチ誤差が累積する回転位置検出の全周累積精度は良くなる。いま、ロータの歯数120のDDモータが1rpsで回転しているものとすると、このDDモータに搭載したレゾルバのロータ歯数がモータと同じく120歯であれば、120Hz/rpsの振動周波数が発生する。ところが、この実施形態のレゾルバのロータ歯数は1/4の30歯であるから、レゾルバの位置検出誤差に起因して発生する振動周波数も1/4の30Hz/rpsになり、低振動化する。この低振動化に伴い、レゾルバの全周精度が向上する。
図43は、歯数の異なるレゾルバについて、それぞれの全周精度をロータリーエンコーダを使用して比較測定し、X−Yプロッタにて記録したものであり、同図(a)は本発明の第1の実施形態である30歯レゾルバの全周精度、(b)は従来の120歯レゾルバの全周精度である。30歯レゾルバの全周精度が28.47秒であるのに対し、120歯レゾルバの場合は54.60秒となり、前者は歯数を後者の1/4にしたことにより全周精度はおよそ2倍に向上している。
歯数を少なくした本実施形態のレゾルバは、このように回転位置を高精度に検出できるのみでなく、レゾルバのロータ511の歯数が少ない(歯のピッチが大きい)分、レゾルバステータのピッチが大きくでき、歯先面積も増やすことができる。歯先の面積が増えることによって磁束も増えるので、レゾルバのエアギャップを大きく設定することが可能である。かくして、小径のレゾルバでも、そのエアギャップを従来より大きく設定できるから、加工や組立が従来より容易になる。したがって歯ピッチ誤差等が少なくなり位置検出の全周累積精度が向上するという効果を奏する。
また、真空用DDモータに搭載してステータとロータとのエアギャップの間に隔壁を設け、ステータ側を大気中、ロータ側を真空雰囲気中においた状態で使用する場合にも、従来のように隔壁を極薄にする必要はなく、超高真空状態での使用にも隔壁が膨らむなどの不具合は防止できる。さらに、本実施形態のレゾルバのロータ511の歯TRの形状はsin波状であるから、従来の角形状の歯より単純化され、加工容易である。
図44〜図45は、本発明の第2の実施形態であるインナロータタイプのVR型レゾルバを示したもので、図44(a)はロータの概略平面図、(b)はその歯形状の拡大図、図45(a)はステータのラミネーションの平面図、(b)は当該ステータの巻線仕様図である。この実施形態のVR型レゾルバは、ロータ11の歯が外周側に形成されており且つその歯数がモータロータ歯数100に対して1/4の25歯になっている点、及びステータ12の磁極が内周面に突設され且つその極数が、ロータ11の歯数25の6/5即ち30極になっている点が、上記第1の実施形態とは異なっている。
このレゾルバの場合、第1の磁極としてA1+〜A5+,B1+〜B5+,C1+〜C5+が所定の間隔を保ってその順に形成され、これら第1の磁極それぞれの中間位置に第2の磁極A1−〜A5−,B1−〜B5−,C1−〜C5−が形成され、これらの各磁極がA1+─C1−─B1+─A1−─C1+─B1−─A2+─C2−─・・・・・・の順序で配列されている。そして、各磁極A1+〜C5−には、励磁巻線LA1+〜LC5−が巻装されている。
各磁極A1+〜C5−の励磁巻線LA1+〜LC5−は、図45(b)に示すように、各第1の磁極A1+〜A5+,B1+〜B5+,C1+〜C5+の励磁巻線LA1+〜LA5+,LB1+〜LB5+,LC1+〜LC5+がそれぞれ直列に接続されてその励磁巻線LA1+,LB1+,LC1+側が単相の交流電源に繋がれると共に、励磁巻線LA5+,LB5+,LC5+側が抵抗を介して接地されるようになっている。
また、残りの第2の磁極A1−〜A5−,B1−〜B5−,C1−〜C5−の励磁巻線LA1−〜LA5−,LB1−〜LB5−,LC1−〜LC5−がそれぞれ直列に接続されてその励磁巻線LA1−,LB1−,LC1−側が同様に単相の交流電源に繋がれると共に、励磁巻線LA5−,LB5−,LC5−側が抵抗を介して接地されるようになっている。
その他の構成は上記第1の実施形態の場合と同様である。図46(a)は、このsin波形状の25歯のロータを有する6相差動レゾルバの精度測定例を示したもので、全周精度は63.34秒である。これに対して図46(b)は従来の100歯レゾルバの例で、その全周精度は126.00秒であった。
本実施形態のその他の作用効果は第1の実施形態とほぼ同様であるが、歯数が少なくなっている分より顕著になる。なお、上記各実施形態ではレゾルバロータの歯形をsin波状とした場合を示したが、本発明のレゾルバのロータ歯形は必ずしもsin波状に限らず、角形とすることもできる。
また、本発明は6相差動レゾルバ以外のものにも適用可能である。
以上説明したように、本発明に係るVR型レゾルバによれば、従来はモータロータと同歯数とされているレゾルバ側ロータの歯数をより少なくしたことにより、歯のピッチ誤差の累積による回転位置検出の全周累積精度が従来より向上するという効果を奏する。
また、歯数に比例して発生するレゾルバの振動の周波数が低くなる結果、低振動化が達成できるという効果が得られる。また、レゾルバロータとステータとのエアギャップを従来より広くとることができて、その結果、より小径のレゾルバの製作が可能になり小型化も容易にできるという効果が得られる。更に、広くしたエアギャップを利用して真空用レゾルバの遮断用隔壁の厚さを従来より厚くすることが可能になり、その結果、より高度の真空度(超高真空)にも耐えうる真空用レゾルバを提供できるという効果も得られる。
なお、レゾルバの歯数をモータロータ歯数の1/nに減少させたことに伴うレゾルバの分解能の低下に対しては、制御回路におけるカウンタ処理時にn逓倍することでカバーすることができる。
本発明に係るVR型レゾルバにあっては、従来はモータロータと同歯形の角形に限定されているレゾルバロータの歯形を曲線状、特にsin波状に単純化することにより、設計,加工,組立等の製造工程を簡略化することができるという効果が得られる。
更に、上記の課題を解決するため、本発明のレゾルバ用信号ケーブルは、レゾルバ装置へ励磁信号を供給するための少なくとも1以上の励磁信号線、及びレゾルバ装置から出力される多相レゾルバ信号を伝送するための複数の検出信号線を含む多芯構造のレゾルバ信号用ケーブルにおいて、前記複数の検出信号線の各々と励磁信号線間の静電容量の平均値が概略等しく、かつ、隣り合う相の検出信号線の各々の静電容量の平均値が概略等しくなるように、前記励磁信号線及び検出信号線が配されてなる。かかる構成により、励磁信号線と検出信号線の不平衡、及び多相検出信号線間の不平衡を解消することができ、ケーブル長の変更や極長の使用において、信号の性能が左右されないレゾルバ用信号ケーブルを提供することができる。また、ケーブル内の各信号線の配置まで考慮することにより、ケーブル長の長短や個体差による影響を極力低減することができる。
[発明の実施の形態1]
図48は1相励磁3相出力のレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。同図において、610はレゾルバ用信号ケーブル、611,612,及び613は各々A相、B相、及びC相の検出信号線、614は励磁信号線(共通信号線)であり、4芯構造を成している。各信号線は軸方向に撚れており、どの断面においても正確に同図に示す断面構造となっているわけではないが、平均化すると各信号線の配置は同図に示す位置関係を保っている。
各相の信号線611,612,及び613は各々正三角形の頂点に位置し、励磁信号線614は当該正三角形の重心に位置している。このため、信号線611と信号線612の距離、信号線612と信号線613の距離、信号線613と信号線611の距離は等しく、さらに、各信号線611,612,及び613と励磁信号線614との距離も等しい。このため、各信号線611,612,及び613と励磁信号線614間の静電容量をCA,CB,CCとし、信号線611と信号線612間の静電容量をCAB、信号線612と信号線613間の静電容量をCBC、信号線613と信号線611間の静電容量をCCAとすれば、CA=CB=CC且つCAB=CBC=CCAとなり、各相の検出信号線と励磁信号線間の静電容量、及び各相の検出信号線間の静電容量のバランスを確保することができる。
図52はレゾルバ用信号ケーブル610を中心とするダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。同図において、680はレゾルバ信号に基づいて位置検出を行うドライブユニット、690はレゾルバ装置を含むモータ部である。励磁信号電源681から出力される励磁信号は励磁信号線614を伝達してレゾルバ装置の巻線691に供給される。各相の巻線691からは検出信号線611,612,613を介してレゾルバ信号が出力され、センス抵抗R1,R2,R3を介して検出される。
本実施形態によれば、ケーブル長が自在に選択でき、かつ使用する信号の保証範囲を広げることができる、極長のケーブル長選択が可能となる、生産向上の現場において、信号線の検査に製品と同等品ケーブルを使用する必要がなくなる、線間の静電容量がより小さいものを選定しなくてよい、出荷検査時に使用したケーブルをセットにして管理する必要がない、といったメリットがあり、本実施形態のレゾルバ用信号ケーブルをダイレクトドライブモータシステムに採用することで、位置決め精度の向上と安定、低振動化、低騒音化の面で格段の向上を図ることができる。本実施形態のレゾルバ用信号ケーブルは、例えば、相対位置検出用レゾルバを備えたダイレクトドライブモータのレゾルバ用信号ケーブルとして使用できる。また、本実施形態のレゾルバ用信号ケーブル2本を1組として、相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバの双方を備えたモータに適用し、相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバのレゾルバ信号用ケーブルとして使用できる。
尚、本実施形態は、励磁信号線と検出信号線の不平衡、及び多相検出信号線間の不平衡を解消することのできる配置であれば、芯数、レゾルバ信号の相数等に制限されるものではなく、また、ツイストペア線、ツイストシールド線等にも適用できる。以下に説明する各実施形態においても同様である。
[発明の実施の形態2]
図49は3相励磁3相出力のレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。同図において、620はレゾルバ用信号ケーブル、621,622,及び623は各々A相、B相、及びC相の検出信号線、624,625,及び626は各々A相、B相、及びC相の励磁信号線(共通信号線)であり、6芯構造を成している。各信号線は軸方向に撚れており、どの断面においても正確に同図に示す断面構造となっているわけではないが、平均化すると各信号線の配置は同図に示す位置関係を保っている。
各相の信号線621,622,及び623は第1の正三角形の各頂点に位置し、励磁信号線624,625,及び626は第2の正三角形の各頂点に位置する。第1の正三角形と第2の正三角形は同形同大であり、その重心は各々レゾルバ用信号ケーブル620の中心点に一致し、かつ当該中心点において点対称となっている。
図形の対称性から、信号線621と624の距離、信号線622と625の距離、信号線623と626の距離は各々等しく、また、信号線621と622の距離、信号線622と623の距離、信号線623と621の距離は各々等しい。
このため、信号線621と624間の静電容量をCA、信号線622と625間の静電容量をCB、信号線623と626間の静電容量をCCとし、信号線621と信号線622間の静電容量をCAB、信号線622と信号線623間の静電容量をCBC、信号線623と信号線21間の静電容量をCCAとすれば、CA=CB=CCかつCAB=CBC=CCAとなり、各相の検出信号線と励磁信号線間の静電容量、及び各相の検出信号線間の静電容量のバランスを確保することができる。
図53はレゾルバ用信号ケーブル620を中心とするダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。同図において、680はレゾルバ信号に基づいて位置検出を行うドライブユニット、690はレゾルバ装置を含むモータ部である。励磁信号線6201はドライブユニット680内において一本に収束しており、3本の励磁信号線624,625,626に分岐した状態でレゾルバ信号用ケーブル620内に配線され、モータ部690内において再び一本に収束している。
このように、励磁信号線6201を3本に分けることで、レゾルバ用信号ケーブル620の作成が容易となる。図47に示されているように、上述の実施形態1の構成では検出信号線間の距離が大きくなるため、隣接する検出信号線間の距離を略等間隔にして撚り線を形成することが困難となるが、本実施形態によれば、近接した位置に励磁信号線と検出信号線を配置できるため、撚り線の形成が容易となる。
励磁信号電源681から出力される励磁信号は励磁信号線6201を伝達してレゾルバ装置の巻線691に供給される。各相の巻線691からは検出信号線621,622,623を介してレゾルバ信号が出力され、センス抵抗R1,R2,R3を介して検出される。
本実施形態によれば、上記のメリットがあり、本実施形態のレゾルバ用信号ケーブルをダイレクトドライブモータシステムに採用することで、位置決め精度の向上と安定、低振動化、低騒音化の面で格段の向上を図ることができる。本実施形態のレゾルバ用信号ケーブルは、例えば、相対位置検出用レゾルバを備えたダイレクトドライブモータのレゾルバ用信号ケーブルとして使用できる。また、本実施形態のレゾルバ用信号ケーブル2本を1組として、相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバの双方を備えたモータに適用し、相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバのレゾルバ信号用ケーブルとして使用できる。
[発明の実施の形態3]
図50は1相励磁3相出力のレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。本実施形態では、レゾルバ信号は2種類の3相出力となっており、630はレゾルバ用信号ケーブル、631,632,及び633は各々第1のA相、B相、及びC相の検出信号線、634,635,及び636は各々第2のA相、B相、及びC相の検出信号線、637は励磁信号線(共通信号線)であり、7芯構造を成している。
レゾルバ用信号ケーブル630は相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバの双方を備えたモータ1台、或いは相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバの何れか一方を備えたモータ2台への接続用に用いることができる。
各信号線は軸方向に撚れており、どの断面においても正確に同図に示す断面構造となっているわけではないが、平均化すると各信号線の配置は同図に示す位置関係を保っている。第1のA相、B相、及びC相の検出信号線631,632,及び633は第1の正三角形の各頂点に位置し、第2のA相、B相、及びC相の検出信号線634,635,及び636は第2の正三角形の各頂点に位置している。
第1の正三角形と第2の正三角形は同形同大であり、その重心は各々レゾルバ用信号ケーブル630の中心点に一致し、かつ当該中心点において点対称となっている。また、レゾルバ用信号ケーブル630の中心点は励磁信号線637の中心点に一致する。図形の対称性から、信号線631〜636の各々と励磁信号線637との距離は等しく、また、信号線631と632の距離、信号線632と633の距離、信号線633と631の距離、信号線634と635の距離、信号線635と636の距離、信号線636と634の距離は全て等しい。
このため、信号線31と37間の静電容量をC1A、信号線32と37間の静電容量をC1B、信号線33と37間の静電容量をC1C、信号線34と37間の静電容量をC2A、信号線35と37間の静電容量をC2B、信号線36と37間の静電容量をC2C、信号線31と32間の静電容量をC1A1B、信号線32と33間の静電容量をC1B1C、信号線33と31間の静電容量をC1C1A、信号線34と35間の静電容量をC2A2B、信号線35と36間の静電容量をC2B2C、信号線36と34間の静電容量をC2C2Aとすれば、C1A=C1B=C1C=C2A=C2B=C2CかつC1A1B=C1B1C=C1C1A=C2A2B=C2B2C=C2C2Aとなる。
図54はレゾルバ用信号ケーブル630を中心とするダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。同図において、680はレゾルバ信号に基づいて位置検出を行うドライブユニット、690はレゾルバ装置を含むモータ部である。励磁信号電源681から出力される励磁信号は励磁信号線637を伝達してレゾルバ装置の巻線691に供給される。各相の巻線691からは検出信号線631〜636を介してレゾルバ信号が出力され、センス抵抗R1〜R6を介して検出される。
本実施形態によれば、上記メリットがあり、本実施形態のレゾルバ用信号ケーブルをダイレクトドライブモータシステムに採用することで、位置決め精度の向上と安定、低振動化、低騒音化の面で格段の向上を図ることができる。
[発明の実施の形態4]
図51は1相励磁3相出力のレゾルバ用信号ケーブルの断面構造図である。本実施形態では、レゾルバ信号は2種類の3相出力となっており、640はレゾルバ用信号ケーブル、641,642,及び643は各々第1のA相、B相、及びC相の検出信号線、644,645,及び646は各々第2のA相、B相、及びC相の検出信号線、647,648,及び649は励磁信号線(共通信号線)であり、9芯構造を成している。
レゾルバ用信号ケーブル640は相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバの双方を備えたモータ1台、或いは相対位置検出用レゾルバ及び絶対位置検出用レゾルバの何れか一方を備えたモータ2台への接続用に用いることができる。
各信号線は軸方向に撚れており、撚りのピッチ或いは撚りの方向を外側の6本(符号644〜649)と内側の3本(符号641〜643)とで異なるようにしている。
このことにより、どの断面においても正確に同図に示す断面構造となっているわけではないが、平均化すると各信号線の配置は同図に示す位置関係を保っている。
励磁信号線を3本に分けて図51のように構成したことにより、実施形態3の効果に加えて、2組の検出線同士のクロストークの発生を抑制できる効果が得られる。このような効果を得るべく、励磁信号線を3本に分けるのは、ケーブル部分のみで十分なため、ドライバ装置とモータ部の内部では励磁信号線は1本に収束されている。
第1のA相、B相、及びC相の検出信号線641,642,及び643は第1の正三角形の各頂点に位置し、第2のA相、B相、及びC相の検出信号線644,645,及び646は第2の正三角形の各頂点に位置している。また、励磁信号線647,648,及び649は第3の正三角形の各頂点に位置している。第1、第2及び第3の正三角形の各々の重心はレゾルバ用信号ケーブル640の中心点に一致し、第2の正三角形と第3の正三角形は同形同大で前記中心点に関して点対称である。
また、検出信号線641,642,及び643は内円640Aに内接し、検出信号線644,645,及び646、励磁信号線647,648,及び649は内円640Aに外接している。図形の対称性から、信号線641と647の距離、信号線642と648の距離、信号線643と649の距離は等しく、信号線647と644の距離、信号線649と645の距離、信号線648と646の距離も等しい。また、信号線641と642の距離、信号線642と643の距離、信号線643と641の距離も等しく、信号線644と645、信号線645と646、信号線646と644の距離も等しい。
このため、信号線647と641間の静電容量をC1A、信号線648と642間の静電容量をC1B、信号線649と643間の静電容量をC1C、信号線647と644間の静電容量をC2A、信号線649と645間の静電容量をC2B、信号線648と646間の静電容量をC2C、信号線641と642間の静電容量をC1A1B、信号線642と43間の静電容量をC1B1C、信号線643と641間の静電容量をC1C1A、信号線644と645間の静電容量をC2A2B、信号線645と646間の静電容量をC2B2C、信号線646と644間の静電容量をC2C2Aとすれば、C1A=C1B=C1C且つC2A=C2B=C2CかつC1A1B=C1B1C=C1C1AかつC2A2B=C2B2C=C2C2Aとなる。
図55はレゾルバ用信号ケーブル640を中心とするダイレクトドライブモータシステムの概略構成図である。同図において、680はレゾルバ信号に基づいて位置検出を行うドライブユニット、690はレゾルバ装置を含むモータ部である。励磁信号線6401はドライブユニット680内において一本に収束しており、3本の励磁信号線647,648,649に分岐した状態でレゾルバ信号用ケーブル640内に配線され、モータ部690内において再び一本に収束している。
励磁信号電源681から出力される励磁信号は励磁信号線6401を伝達してレゾルバ装置の巻線691に供給される。各相の巻線691からは検出信号線641〜646を介してレゾルバ信号が出力され、センス抵抗R1〜R6を介して検出される。
本実施形態によれば、上記メリットがあり、本実施形態のレゾルバ用信号ケーブルをダイレクトドライブモータシステムに採用することで、位置決め精度の向上と安定、低振動化、低騒音化の面で格段の向上を図ることができる。
本発明によれば、励磁信号線と検出信号線間の静電容量の不平衡、及び多相検出信号線間の静電容量の不平衡を解消し、ケーブル長の変更や極長の使用において、信号の性能が左右されないレゾルバ用信号ケーブルを提供することができる。
最後に、本発明の趣旨の説明のために以下要旨を記載する。
(1):
環状ステータが複数の極片を有し、複数のコイル巻線が個別のステータ極片上に巻回され複数の相に電気的に接続されており、ロータ手段がステータ極片の巻線のインダクタンスをステータ極片に対するロータ手段の回転位置の関数として変えるためステータ極片に隣接して配置され、各コイル巻線相の他のコイル巻線相に対するインダクタンスの変化を検出し、ロータ手段の回転位置を決め、それを示す出力シグナルを発生する手段を有して成る位置検出装置。
(2):
(1)に記載の位置検出装置において、ステータのコイル巻線の各々に接続される交流源と、コイルの各相を通って流れる交流を検出し、各コイル相内の電流間の差を増幅するための差動増幅手段と、それぞれ電流差を有する相を交流源の相と比較し、ロータ手段の回転位置を示す出力信号を発生する手段と、を有することを特徴とする位置検出装置。
(3):
(1)に記載の位置検出装置において、ステータ極片は各々複数の極片歯を有し、ロータ手段がステータ極片歯に対応してその周周りに等間隔に離間された複数の歯を有する回転自在に配設される環状部材であり、ステータの極片はステータ歯の非整数倍の距離だけ離間して配置されていることを特徴とする位置検出装置。
(4):
(3)に記載の位置検出装置において、装置のロータとステータとはそれぞれ類似の構成のモータのロータとステータに接続されていることを特徴とする位置検出装置。
(5):
(1)または(2)に記載の位置検出装置と、ロータ手段を駆動するため接続されるモータと、入力信号に対応してモータを駆動するための駆動回路と、入力信号を駆動回路に合わせて正しく相調整し命令入力信号と検出信号の出力信号に応答する整流回路と、検出手段の出力信号に部分的に応答し命令入力信号を整流回路に供給するための制御手段と、を組み合わせてなる装置。
(6):
出力軸を有する多相サーボモータと、出力軸の回転位置を表す位置信号を発生するためモータに接続される位置検出装置と、駆動信号に応答してモータを駆動し、出力軸の回転位置の関数としてモータの各相を励磁するため位置信号に応答する整流手段を含んでいる駆動手段とを組み合わせてなる装置。
(7):
(6)の組合せにおいて、出力軸の所定位置を示す位置信号と制御信号に応答し駆動手段への駆動信号を発生し、モータがその出力軸を所定位置まで回転させるための制御手段を更に含む装置。
(8):
(7)の組合せにおいて、位置検出装置は、ステータが複数のステータ極片を有し、個別の巻線が各ステータ極片に電気的に異なる相に接続され、ロータがステータの極片に対するロータの回転位置の関数として、ステータ極片の巻線のインダクタンスを変えるため居にステータ極片に隣接して配置され、出力軸の回転位置の変化がロータの相対回転位置に対応する変化を発生させるよう、ロータとモータが接続され、各コイル巻線の相の他のコイル巻線の相に対するインダクタンスの変化を検出し、ロータの回転位置を決め且つロータの該回転位置を示す出力シグナルを発生する手段を有している装置。
(9):
(6)〜(8)の何れかに記載の組合せで、モータが周回りに配設されたステータ極片を有する環状のステータ組立体と環状のロータ組立体とを有するタイプの交流多相同期リラクタンス型モータであり、位置検出装置はモータのロータ及びステータ組立体の対応する阻止と実質的に同一の構成の素子よりなることを特徴とする装置。
(10):
先端部に複数の極片歯を有する極片を円周方向に等間隔に複数設けた環状の検出器ステータと、該検出器ステータの各極片に巻回されたコイルと、前記検出器ステータの極片歯に対向し円周方向に凹部凸部を有して前記極片歯と同じピッチで形成された歯列を有し、前記検出器ステータと同心とされて相対回転自在に支持された環状の検出器ロータと、前記各コイルに交流電力を供給するオシレータと、前記夫々のコイルに直列に接続された電流検知抵抗とを備え、前記検出器ロータの前記歯列に対して電気的に隣合う前記極片各々の位相は互いに電気的に120度となるように前記歯列の歯に対向する前記極片相互の極片歯は歯のピッチの整数倍から1/3ピッチずらされておりかつ前記電流検知抵抗夫々の両端に生ずる夫々の電圧から各コイル巻線相に対する他のコイル巻線相のインダクタンスの変化を夫々差動増幅することにより3相のレゾルバ信号を得る差動増幅手段とを備えた位置検出器。
(11):
ロータ鉄心とステータ鉄心の空隙中のリラクタンスがロータ鉄心位置により変化するロータとステータから成るレゾルバを備え、前記リラクタンス変化を検出することにより回転角度位置又は回転速度を検出するレゾルバ装置において、
前記レゾルバは、ロータ鉄心の1回転でリラクタンスの基本波成分が1周期となる構造の単極レゾルバを備え、
前記ステータは、120゜間隔で配置された少なくとも3相の磁極と、該各磁極に巻回された1種類の巻線とを有し、且つ
前記各巻線に通電して前記各磁極を励磁する励磁手段と、
前記各巻線に流れる電流値を検出する電流検出手段とが設けられ、
該検出された電流値を用いて回転角度位置又は回転速度を検出するように構成されていることを特徴とするレゾルバ装置。
(12):
前記レゾルバは、前記単極レゾルバに加え、少なくとも3相の磁極及び各磁極に巻回された1種類の巻線を有するステータを備え、ロータ鉄心1回転でリラクタンスの基本波成分が複数周期となる構造の多極レゾルバを備え、且つ
検出された前記単極レゾルバ及び多極レゾルバの各巻線の前記電流値を用いて回転角度位置又は回転速度を検出するレゾルバ・ディジタル変換器が設けられていることを特徴とする(11)記載のレゾルバ装置。
(13):
先端部に複数の極片歯を有する極片を円周等分に複数有して固定支持されると共に各極片に相数Nのコイルを各相毎に直列に巻回してなる環状のステータと、このステータの前記極片歯に対向して円周方向に形成された歯列を有してステータと同心に配し相対回転自在に支持された環状のロータとを備えたN相VR型レゾルバにおいて、前記ロータの歯数に対するステータの極数を、全周精度を向上させるために、相数Nの倍数でなる偶数とし、且つ下記(1)式及び(2)式の何れかにより算出した極数とし、DDモータに組込まれたことを特徴とする高精度VR型レゾルバ。
ステータ極数=ロータ歯数/(M+1/N) …………(1)
ステータ極数=ロータ歯数/{M+(N−1)/N} …………(2)
但し、Mは1〜3の整数である。
(14):
前記環状のステータのコイル相数N=3、変数M=3に設定すると共に、電気角+120°毎のステータ極配置をする場合に、ロータ歯数を80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280及び300の何れか1つに設定し、ステータ極数を、前記(1)式に従って算出して全周精度を向上させたことを特徴とする(13)に記載の高精度VR型レゾルバ。
(15):
前記環状のステータのコイル相数N=3、変数M=1に設定すると共に、電気角−120°毎のステータ極配置をする場合に、ロータ歯数を80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280及び300の何れか1つに設定し、ステータ極数を、前記(2)式に従って算出して全周精度を向上させたことを特徴とする(13)に記載の高精度VR型レゾルバ。
(16):
前記ロータ歯数を160に設定し、前記ステータ歯数48に設定するか又は前記ロータ歯数を120に設定し、前記ステータ歯数を36に設定することを特徴とする(15)に記載の高精度VR型レゾルバ。
(17):
前記ステータのステータ極片形状をコイル巻線の整列型巻可能なくびれのない形状としたことを特徴とする請求項15又は16に記載の高精度VR型レゾルバ。
(18):
環状ステータ基部の円周方向に沿って均等に配されたステータポールを備えるステータと、前記ステータとの相対的な角度位置を変化させることで前記ステータとの間隙のリラクタンス成分を変化せしめるロータとを備えたVR型レゾルバの鉄心構造であって、
前記ステータとロータのうち少なくとも何れか一方は、複数のラミネーションを回転積層した積層構造として構成され、ステータポール数をP、相数をNとしたとき、各層のラミネーションの回転積層角度は360度/(P/N)の倍数角を除く角度に設定されている、VR型レゾルバの鉄心構造。
(19):
(18)に記載の鉄心構造を具備するVR型レゾルバを角度位置検出器として備えたダイレクトドライブモータ。
(20):
環状ステータ基部の円周方向に沿って均等に配されたステータポールを備えるステータと、前記ステータとの相対的な角度位置を変化させることで前記ステータとの間隙のリラクタンス成分を変化せしめるロータとを備えたVR型レゾルバのであって、
ステータポール数をP、相数をNとしたとき、前記ステータとロータのうち少なくとも何れか一方を構成するラミネーションの回転積層角度を360度/(P/N)の倍数角を除く角度で回転積層しているVR型レゾルバ。
(21):
モータと組み合わせて当該モータの回転位置を検出するVR型レゾルバにおいて、レゾルバ側ロータの歯数をモータ側ロータの歯数より少なくしたことを特徴とするVR型レゾルバ。
(22):
円環状に形成されたレゾルバ側ステータと、該ステータの内周面または外周面から突出する複数のステータ磁極と対向する複数のロータ歯を有する円環状のレゾルバ側ロータとからなり、モータと組み合わせて当該モータの回転位置を検出するVR型レゾルバにおいて、モータ側ロータの歯数に対してレゾルバ側ロータの歯数を1/N倍(但し、N:2以上の整数)にし、かつレゾルバ側ロータの外周面または内周面をsin波状に加工して前記ロータ歯を形成したことを特徴とするVR型レゾルバ。
(23):
レゾルバ装置へ励磁信号を供給するための少なくとも1以上の励磁信号線、及び前記レゾルバ装置から出力される多相レゾルバ信号を伝送するための複数の検出信号線を配してなる多芯構造のレゾルバ信号用ケーブルにおいて、
前記複数の検出信号線の各々と励磁信号線間の静電容量の平均値が概略等しく、かつ、隣り合う相の検出信号線間の静電容量の平均値が概略等しくなるように、前記励磁信号線及び検出信号線を配した、レゾルバ用信号ケーブル。
10・・・モータ
11・・・変換回路板
12・・・パワードライバーユニット
13・・・パワードライバー回路
14・・・コントローラ・サーボボード
16・・・シンクロ・レゾルバ
17・・・検出装置
18・・・外側ステータ組立体
20・・・内側ステータ組立体
32・・・外側ステータの極片上のコイル巻線
40・・・内側ステータの極片上のコイル巻線
28・・・外側ステータの極片
36・・・内側ステータの極片
30・・・外側ステータの極片歯
38・・・内側ステータの極片歯
22・・・ロータ
44・・・ロータの歯
46・・・ロータの歯
74・・・シンクロ−デジタル変換器
101・・・レゾルバ装置
103・・・単極レゾルバ(レゾルバ)
130・・・ロータ
130a・・・ロータ鉄心、
131・・・ステータ
131a・・・ステータ鉄心
331〜3318・・・磁極
C1〜C18・・・巻線
150・・・発振器(励磁手段)
152・・・電流/電圧変換器(電流検出手段)
158・・・レゾルバ・ディジタル変換器
410,450,480…VR型レゾルバ
420,460,490…レゾルバステータ
421,461…ステータ基部
422,462…ステータポール
423,463…ステータコイル
430,470,400…レゾルバロータ
507,511 レゾルバのロータ
508,512 レゾルバのステータ
610,620,630,640,650,660,670 レゾルバ用信号ケーブル
611,621,631,634,641,644 A相検出信号線
612,622,632,635,642,645 B相検出信号線
613,623,633,636,643,646 C相検出信号線
614,624,625,626,637,647,648,649 励磁信号線

Claims (23)

  1. 環状ステータが複数の極片を有し、複数のコイル巻線が個別のステータ極片上に巻回され複数の相に電気的に接続されており、ロータ手段がステータ極片の巻線のインダクタンスをステータ極片に対するロータ手段の回転位置の関数として変えるためステータ極片に隣接して配置され、各コイル巻線相の他のコイル巻線相に対するインダクタンスの変化を検出し、ロータ手段の回転位置を決め、それを示す出力シグナルを発生する手段を有して成る位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の位置検出装置において、ステータのコイル巻線の各々に接続される交流源と、コイルの各相を通って流れる交流を検出し、各コイル相内の電流間の差を増幅するための差動増幅手段と、それぞれ電流差を有する相を交流源の相と比較し、ロータ手段の回転位置を示す出力信号を発生する手段と、を有することを特徴とする位置検出装置。
  3. 請求項1に記載の位置検出装置において、ステータ極片は各々複数の極片歯を有し、ロータ手段がステータ極片歯に対応してその周周りに等間隔に離間された複数の歯を有する回転自在に配設される環状部材であり、ステータの極片はステータ歯の非整数倍の距離だけ離間して配置されていることを特徴とする位置検出装置。
  4. 請求項3に記載の位置検出装置において、装置のロータとステータとはそれぞれ類似の構成のモータのロータとステータに接続されていることを特徴とする位置検出装置。
  5. 請求項1または2に記載の位置検出装置と、ロータ手段を駆動するため接続されるモータと、入力信号に対応してモータを駆動するための駆動回路と、入力信号を駆動回路に合わせて正しく相調整し命令入力信号と検出信号の出力信号に応答する整流回路と、検出手段の出力信号に部分的に応答し命令入力信号を整流回路に供給するための制御手段と、を組み合わせてなる装置。
  6. 出力軸を有する多相サーボモータと、出力軸の回転位置を表す位置信号を発生するためモータに接続される位置検出装置と、駆動信号に応答してモータを駆動し、出力軸の回転位置の関数としてモータの各相を励磁するため位置信号に応答する整流手段を含んでいる駆動手段とを組み合わせてなる装置。
  7. 請求項6の組合せにおいて、出力軸の所定位置を示す位置信号と制御信号に応答し駆動手段への駆動信号を発生し、モータがその出力軸を所定位置まで回転させるための制御手段を更に含む装置。
  8. 請求項7の組合せにおいて、位置検出装置は、ステータが複数のステータ極片を有し、個別の巻線が各ステータ極片に電気的に異なる相に接続され、ロータがステータの極片に対するロータの回転位置の関数として、ステータ極片の巻線のインダクタンスを変えるため居にステータ極片に隣接して配置され、出力軸の回転位置の変化がロータの相対回転位置に対応する変化を発生させるよう、ロータとモータが接続され、各コイル巻線の相の他のコイル巻線の相に対するインダクタンスの変化を検出し、ロータの回転位置を決め且つロータの該回転位置を示す出力シグナルを発生する手段を有している装置。
  9. 請求項6〜8の何れかに記載の組合せで、モータが周回りに配設されたステータ極片を有する環状のステータ組立体と環状のロータ組立体とを有するタイプの交流多相同期リラクタンス型モータであり、位置検出装置はモータのロータ及びステータ組立体の対応する阻止と実質的に同一の構成の素子よりなることを特徴とする装置。
  10. 先端部に複数の極片歯を有する極片を円周方向に等間隔に複数設けた環状の検出器ステータと、該検出器ステータの各極片に巻回されたコイルと、前記検出器ステータの極片歯に対向し円周方向に凹部凸部を有して前記極片歯と同じピッチで形成された歯列を有し、前記検出器ステータと同心とされて相対回転自在に支持された環状の検出器ロータと、前記各コイルに交流電力を供給するオシレータと、前記夫々のコイルに直列に接続された電流検知抵抗とを備え、前記検出器ロータの前記歯列に対して電気的に隣合う前記極片各々の位相は互いに電気的に120度となるように前記歯列の歯に対向する前記極片相互の極片歯は歯のピッチの整数倍から1/3ピッチずらされておりかつ前記電流検知抵抗夫々の両端に生ずる夫々の電圧から各コイル巻線相に対する他のコイル巻線相のインダクタンスの変化を夫々差動増幅することにより3相のレゾルバ信号を得る差動増幅手段とを備えた位置検出器。
  11. ロータ鉄心とステータ鉄心の空隙中のリラクタンスがロータ鉄心位置により変化するロータとステータから成るレゾルバを備え、前記リラクタンス変化を検出することにより回転角度位置又は回転速度を検出するレゾルバ装置において、
    前記レゾルバは、ロータ鉄心の1回転でリラクタンスの基本波成分が1周期となる構造の単極レゾルバを備え、
    前記ステータは、120゜間隔で配置された少なくとも3相の磁極と、該各磁極に巻回された1種類の巻線とを有し、且つ
    前記各巻線に通電して前記各磁極を励磁する励磁手段と、
    前記各巻線に流れる電流値を検出する電流検出手段とが設けられ、
    該検出された電流値を用いて回転角度位置又は回転速度を検出するように構成されていることを特徴とするレゾルバ装置。
  12. 前記レゾルバは、前記単極レゾルバに加え、少なくとも3相の磁極及び各磁極に巻回された1種類の巻線を有するステータを備え、ロータ鉄心1回転でリラクタンスの基本波成分が複数周期となる構造の多極レゾルバを備え、且つ
    検出された前記単極レゾルバ及び多極レゾルバの各巻線の前記電流値を用いて回転角度位置又は回転速度を検出するレゾルバ・ディジタル変換器が設けられていることを特徴とする請求項10記載のレゾルバ装置。
  13. 先端部に複数の極片歯を有する極片を円周等分に複数有して固定支持されると共に各極片に相数Nのコイルを各相毎に直列に巻回してなる環状のステータと、このステータの前記極片歯に対向して円周方向に形成された歯列を有してステータと同心に配し相対回転自在に支持された環状のロータとを備えたN相VR型レゾルバにおいて、前記ロータの歯数に対するステータの極数を、全周精度を向上させるために、相数Nの倍数でなる偶数とし、且つ下記(1)式及び(2)式の何れかにより算出した極数とし、DDモータに組込まれたことを特徴とする高精度VR型レゾルバ。
    ステータ極数=ロータ歯数/(M+1/N)―――(1)
    ステータ極数=ロータ歯数/{M+(N−1)/N}―――(2)
    但し、Mは1〜3の整数である。
  14. 前記環状のステータのコイル相数N=3、変数M=3に設定すると共に、電気角+120°毎のステータ極配置をする場合に、ロータ歯数を80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280及び300の何れか1つに設定し、ステータ極数を、前記(1)式に従って算出して全周精度を向上させたことを特徴とする請求項13に記載の高精度VR型レゾルバ。
  15. 前記環状のステータのコイル相数N=3、変数M=1に設定すると共に、電気角−120°毎のステータ極配置をする場合に、ロータ歯数を80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280及び300の何れか1つに設定し、ステータ極数を、前記(2)式に従って算出して全周精度を向上させたことを特徴とする請求項13に記載の高精度VR型レゾルバ。
  16. 前記ロータ歯数を160に設定し、前記ステータ歯数48に設定するか又は前記ロータ歯数を120に設定し、前記ステータ歯数を36に設定することを特徴とする請求項15に記載の高精度VR型レゾルバ。
  17. 前記ステータのステータ極片形状をコイル巻線の整列型巻可能なくびれのない形状としたことを特徴とする請求項15又は16に記載の高精度VR型レゾルバ。
  18. 環状ステータ基部の円周方向に沿って均等に配されたステータポールを備えるステータと、前記ステータとの相対的な角度位置を変化させることで前記ステータとの間隙のリラクタンス成分を変化せしめるロータとを備えたVR型レゾルバの鉄心構造であって、
    前記ステータとロータのうち少なくとも何れか一方は、複数のラミネーションを回転積層した積層構造として構成され、ステータポール数をP、相数をNとしたとき、各層のラミネーションの回転積層角度は360度/(P/N)の倍数角を除く角度に設定されている、VR型レゾルバの鉄心構造。
  19. 請求項18に記載の鉄心構造を具備するVR型レゾルバを角度位置検出器として備えたダイレクトドライブモータ。
  20. 環状ステータ基部の円周方向に沿って均等に配されたステータポールを備えるステータと、前記ステータとの相対的な角度位置を変化させることで前記ステータとの間隙のリラクタンス成分を変化せしめるロータとを備えたVR型レゾルバであって、
    ステータポール数をP、相数をNとしたとき、前記ステータとロータのうち少なくとも何れか一方を構成するラミネーションの回転積層角度を360度/(P/N)の倍数角を除く角度で回転積層する、VR型レゾルバ。
  21. モータと組み合わせて当該モータの回転位置を検出するVR型レゾルバにおいて、レゾルバ側ロータの歯数をモータ側ロータの歯数より少なくしたことを特徴とするVR型レゾルバ。
  22. 円環状に形成されたレゾルバ側ステータと、該ステータの内周面または外周面から突出する複数のステータ磁極と対向する複数のロータ歯を有する円環状のレゾルバ側ロータとからなり、モータと組み合わせて当該モータの回転位置を検出するVR型レゾルバにおいて、モータ側ロータの歯数に対してレゾルバ側ロータの歯数を1/N倍(但し、N:2以上の整数)にし、かつレゾルバ側ロータの外周面または内周面をsin波状に加工して前記ロータ歯を形成したことを特徴とするVR型レゾルバ。
  23. レゾルバ装置へ励磁信号を供給するための少なくとも1以上の励磁信号線、及び前記レゾルバ装置から出力される多相レゾルバ信号を伝送するための複数の検出信号線を配してなる多芯構造のレゾルバ信号用ケーブルにおいて、
    前記複数の検出信号線の各々と励磁信号線間の静電容量の平均値が概略等しく、かつ、隣り合う相の検出信号線間の静電容量の平均値が概略等しくなるように、前記励磁信号線及び検出信号線を配した、レゾルバ用信号ケーブル。
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