JP4223765B2 - 白金材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
開示技術は、白金中に酸化物粒子を分散させた酸化物分散強化型の白金材料を製造する技術分野に属し、特に酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの少なくとも一種が微細分散された酸化物分散強化型白金材料の製造技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、周知の如くガラス溶解用に用いられる構造材料には、高温での耐食性に優れる白金材料が用いられているが、この種の白金材料に要求される特性としては、高温時でのクリープ強度が重要視され、クリープ破断時間の延長が求められている。
【0003】
かかるクリープ破断時間の延長を図るという要求に対処するに、白金中に酸化物を微細に分散させた白金材料が当業者に知られており、例えば特公昭54−3803号公報記載の発明等が提案されてはいる。
【0004】
しかしながら、これらの製造技術としては、合金にした白金を噴霧等の手段により合金粉末化するものであった。このように合金粉末を製造することにより内部酸化させた粉末を使用する内部酸化法等種々の製造方法が提案されてはいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の方法のように白金を噴霧等の手段により分散させる態様では、ある程度のクリープ強度は得られはするものの、それ以上のクリープ強度を得難い難点があり、該種噴霧法による粉末製造方法では、フレームガンを使う態様を用いると、ワイヤー状に加工しなければならず、結果的に焼結に適さない粉末も出てくるため工程も増える欠点があり、これに伴い歩留りが悪くなる傾向があった。
【0006】
【発明の目的】
そこで、この出願の発明の目的は、酸化物分散強化型白金材料の新たな製造方法を提供することにより、該白金材料中への酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの分散を簡便にでき、クリープ強度を充分に出来るようにし、工程の短縮及び歩留り向上を図ることによる製造コストの低下を図ることが出来るようにして金属産業における冶金製造技術利用分野に益する優れた酸化物分散強化型白金材料の製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする手段】
上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの発明の構成は、前述課題を解決するためには、白金粉末と硝酸ジルコニルをエタノール、ブタノール、イソプロパノール等のアルコールに溶解した硝酸ジルコニルアルコール溶液、硝酸イットリウムをエタノール、ブタノール、イソプロパノール等のアルコールに溶解した硝酸イットリウムアルコール溶液の少なくとも一種を混合,攪拌しながら乾固することにより白金表面に該硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムをコーティングした後、該白金粉末を550〜800℃で焼成処理、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムとして表面に担持させた白金粉末を、プレス等の成形処理を行い成形体とするか、またはるつぼに無加圧で充填したものを、焼結処理および鍛造処理を行い、白金インゴットを形成し、該白金インゴットを冷間圧延(伸線)および800℃以上の熱処理を繰り返して行うことを基幹とし、而して、上記酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの少なくとも一種を表面に担持させた白金粉末に使用する白金が、粒径0.05〜10μmの粉末に調製されたものであるようにし、又、上記焼結処理を真空中、水素もしくは分解アンモニアガス雰囲気中、または窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で800〜1200℃,1時間〜24時間焼結した後、さらに大気中もしくは真空中、または窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で1300〜1700℃,0時間〜24時間焼結を行うようにし、更に、上記鍛造処理を800℃以上の加熱下で、鍛造を行うようにもした技術的手段を講じたものである。
【0008】
【作用】
而して上述構成において、発明者等は鋭意研究した結果、次のような酸化物分散強化型白金材料の製造技術を見出すに至ったものであり、この出願の発明は、白金中に酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの微細粉末を分散させた酸化物分散強化白金材料の製造を行うに際し、硝酸ジルコニルアルコール溶液,硝酸イットリウムアルコール溶液の少なくとも一種と白金粉末とを混合、攪拌、乾固させることにより該白金表面に硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムの少なくとも一種を極薄くコーティングし、さらに白金粉末を550〜800℃で焼成することにより、白金粉末表面にコーティングした硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムが、分解、凝集し微細な酸化物粒子となり、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの微粒子を表面に担持させた白金粉末を形成するようにし、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムを表面に担持させた白金粉末を、プレス等により成形処理するか、又はるつぼ等に無加圧状態で充填し、タッピングを行ったものを、一次焼結として真空中、水素もしくは分解アンモニアガス雰囲気中、又は窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で800〜1200℃で1時間〜24時間仮焼結を行い、さらに二次焼結として大気中もしくは真空中、または窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で1300〜1700℃,0時間〜24時間本焼結を行い焼結体とし、さらに該焼結体に対し鍛造処理を行い、白金インゴットを形成し、該インゴットを熱処理及び冷間加工を繰り返し、所定の形状に加工するようにするものであり、上述の如くこの出願の発明の製造方法により、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの少なくとも一種を白金中に、微細に分散することにより得られた白金材料は、十分なクリープ強度が得られ、さらに酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの添加量のコントロールが簡便に出来るため、強度のコントロールが簡便に行えるものである。
【0009】
而して、この出願の発明に係る酸化物分散強化型強化白金材料の製造方法は、白金粉末と硝酸ジルコニルアルコール溶液,硝酸イットリウムアルコール溶液の少なくとも一種を混合、攪拌、加熱し、アルコール溶媒を除去し、白金粉末の表面に硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムの少なくとも一種を薄膜状にコーティングさせ、さらに550〜800℃に加熱、硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムを酸化ジルコニウム,酸化イットリウムにし、該酸化ジルコニウム,酸化イットリウムを表面に担持させた白金粉末を形成するようにし、この際、一部固化したものは、ボールミル等により粉砕する。
【0010】
そして、さらに酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの少なくとも一種を表面に担持させた白金粉末をプレス等により成形するか、るつぼ等の容器に無加圧で充填し、焼結処理を水素もしくは分解アンモニアガス雰囲気中、もしくは真空中、窒素ガスまたはアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で800〜1200℃,1時間〜24時間焼結して一次焼結処理とする。さらに大気中もしくは真空中、窒素ガスまたはアルゴンガス等の不活性雰囲気中で1300〜1700℃,0時間〜24時間二次焼結し、二段階の焼結を行う。
【0011】
このようにして得られた焼結体は、800℃以上で加熱後、鍛造を行い、さらに800℃以上の熱処理および冷間圧延(伸線)を繰り返して行うようにしたものである。
【0012】
【発明が実施しようとする形態】
以下、この出願の発明の製造方法について実施例の態様として順を追って説明すれば以下のとおりである。
先ず、この出願の発明における製造方法では、所定量の硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムの少なくとも一種をエタノール、ブタノール、イソプロパノール等のアルコールに加熱溶解させ、アルコール溶液にした後、所定の粒度分布の白金粉末を用意し、該アルコール溶液を白金粉末中に所定に添加、攪拌、加熱し、アルコール溶媒を除去することにより、硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムの少なくとも一種を白金表面に薄膜状にコーティングし、硝酸ジルコニル,硝酸イットリウム担持白金粉末を所定に形成する。
【0013】
該アルコール溶液にする理由としては、水を溶媒とすると、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムを焼成する際、過度に凝集して酸化物粒子が粗大化し易く、目的とするクリープ強度が低下する傾向があるためアルコール溶液としたものである。
【0014】
得られた硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムを担持した白金粉末を、550〜800℃で熱処理を行い、脱硝し酸化ジルコニウム,酸化イットリウムに分解させ、さらに薄膜状にコーティングした部分が加熱により凝集を起し、微細な酸化ジルコニウム,酸化イットリウム粒子となり、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの少なくとも一種を表面に所定に担持させた白金粉末を形成することが出来る。
【0015】
尚、焼結の前に焼成を行うのは、焼結時に硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムが分解の際に生じるガス成分が白金中に内在し、空隙や巣等の内部欠陥となりクリープ強度が低下するためである。
【0016】
又、焼成処理の際、一部固化した場合には、ボールミル等の所定の破砕機により粉砕し、粉体に戻しておくことが望ましい。
【0017】
さらに、この出願の発明に係る酸化物分散型強化白金材料の製造に際して、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの少なくとも一種を担持させるのに使用する白金粉末の粒径は0.05〜10μmの範囲を用いることが望ましく、粒径が0.05μm未満の場合は、製造および取扱に困難性があり、焼成処理の際、一部白金が焼結して塊状になり易く、ボールミル等でも粉砕され難いものであり、又、粒径が10μmより大きい場合、成形性が悪く、また酸化物を分散させる際、酸化物の分布にムラが生じ易く、その上クリープ強度にばらつきが大きくなり易い。
【0018】
このように白金粉末を0.05〜10μmの粒径の範囲で用いると、酸化物の分散状況が均一となり、クリープ強度等のばらつきが少なくなるものである。
【0019】
次にCIP、プレス等により成形体を形成するか、白金粉末をるつぼに無加圧で充填し、水素または分解アンモニアガス雰囲気中、もしくは真空中、窒素ガスまたはアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で800〜1200℃,1時間〜24時間で一次焼結を行い、さらに一次焼結した試料を大気中もしくは真空中、窒素ガスまたはアルゴンガス等の不活性雰囲気中で1300℃〜1700℃,0時間〜24時間で前述の如く二次焼結を行う。
【0020】
尚、一次焼結は水素もしくは分解アンモニアガス雰囲気中で行うことにより粉末表面を清浄化し、焼結後の空隙等の内部欠陥の発生が少なくなるため、望ましいが、真空中、窒素ガスまたはアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中でも可能である。
【0021】
しかしながら、大気中で前記一次焼結を行うと白金に吸着していたガスが内在し、空隙や巣等の内部欠陥が発生しやすいため好ましくない。
【0022】
次に、前記二次焼結を行い、焼結密度を上昇させるが、ここで該二次焼結の雰囲気において、水素もしくは分解アンモニアガス雰囲気中で焼結の最終段階まで行うと水素脆化を起す恐れがあるため、水素雰囲気もしくは分解アンモニアガス雰囲気以外で行うことが推奨されるものである。
【0023】
尚、一次焼結で800〜1200℃,1時間〜24時間、該二次焼結で1300℃以上,0時間〜24時間としたのは、一次焼結では粉末を仮焼結させる程度に留めるための温度と時間であり、800℃未満の場合、十分焼結されておらず焼結体が崩れる恐れがあるためであり、1200℃より上では吸着ガスが十分抜けきらない状態で焼結が進行しすぎ、空隙や巣等の内部欠陥を内在した状態になる恐れがあるためである。
【0024】
そして、二次焼結では十分焼結させるため1300℃〜1700℃,0時間〜24時間としている。該二次焼結温度を1300℃以上としたのは、1300℃未満では十分な焼結がなされず、鍛造等の加工時に割れが発生するためであり、又、1700℃を超えると、分散させた酸化物が過度に凝集、粗大化しクリープ強度が低下するためである。
【0025】
尚、るつぼに充填し焼結を行う場合、一次焼結後、該るつぼから外し、二次焼結を行うことが好ましい。
【0026】
また、鍛造は800℃以上に加熱後行うことが好ましい。それは800℃未満では鍛造時に割れが発生する可能性があるためであり、鍛造処理の方法については特に制限されない。
【0027】
以上のように成形、焼結、鍛造を行い、白金インゴットを形成、さらに冷間圧延、及び熱処理を行う。圧延率については特に指定はなく、熱処理温度は、800℃以上、より好ましくは1000℃以上で行うことが好ましい。
【0028】
【発明が実施しようとする形態】
次に、この出願の発明の実施形態について、実施例の態様として比較例、従来例を参考としてこれらと共に説明すれば以下の通りである。
【0029】
【実施例1】
粒径が約2μmの白金粉末を500g用意した。
又、硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2・2H2O]と硝酸イットリウム[Y(NO3)3・6H2O]を白金重量に対しZrO2として1400ppm,Y2O3として100ppmとなるように精秤、200mlのエタノールに加え加熱溶解しエタノール溶液を調製した。
白金粉末とエタノール溶液をエバポレーターにより混合攪拌、加熱し、エタノール溶媒を除去し、硝酸ジルコニルおよび硝酸イットリウム担持の白金粉末を形成する。形成した白金粉末を600℃、2時間大気中で焼成した。
焼成した粉末は、一部固化していたため、ボールミルにより粉砕した後、アルミナるつぼに無加圧で充填、一次焼結処理として水素雰囲気中で1000℃、4時間熱処理を施した。
而して、前記一次焼結を行った後、焼結体をるつぼから取り出し、前記二次焼結として大気中で室温から1600℃まで昇温した後、保持しない状態でそのまま徐冷した。
得られた二次焼結体を1000℃程度に加熱した後、熱間鍛造を行い白金インゴットに形成した。
該白金インゴットを50%の圧延率で冷間圧延を行った後、1000℃、30分熱処理を繰返し、所定の白金材料を形成した。この実施態様での白金材料を分析したところ、白金材料中に酸化物が約0.14wt%含有していることが分かった。
【0030】
【比較例1】
粒径が約2μmの白金粉末を500g用意した。
また硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2・2H2O]と硝酸イットリウム[Y(NO3)3・6H2O]を白金重量に対しZrO2が1400ppm,Y2O3が100ppmとなるように精秤、200mlの蒸留水に加え加熱溶解し水溶液を作製した。
白金粉末と水溶液をエバポレーターにより攪拌、加熱し、溶媒を除去、硝酸ジルコニルおよび硝酸イットリウム担持白金粉末を形成する。形成した白金粉末を600℃、2時間大気中で焼成した。
焼成した粉末は、一部固化したため、ボールミルにより粉砕した後、アルミナるつぼに無加圧で充填、一次焼結処理として水素雰囲気中で1000℃、4時間熱処理を施した。
而して、前記一次焼結を行った後、焼結体をるつぼから外し、前記二次焼結として大気中で室温から1600℃まで昇温した後、保持せずそのまま炉冷を行った。
得られた成形体を1000℃程度に加熱した後、鍛造を行い、白金インゴットに形成した。
該白金インゴットを50%の圧延率で冷間圧延を行った後、1000℃、30分熱処理を繰返し、所定の白金材料を形成した。この比較例の態様での白金材料を分析したところ、白金材料中に酸化物が約0.13wt%含有していることが分かった。
【0031】
【従来例1】
白金にジルコニウムを1500ppm添加し、真空溶解にて溶解し白金合金のインゴットを作製、該インゴットを鍛造、溝ロール、線引きし、白金ワイヤーを作製した。白金ワイヤーをフレームガンにより水中に噴霧させ、白金合金粉末を作製、その後篩に掛け50μm以下の粉末を得た。
このようにして得られた白金粉末を、大気中で1200℃で24時間保持し、酸化処理を行った。酸化処理した粉末を、金型内に充填し、プレスにより圧縮成形を行い、大気中で1500℃、5時間焼結を行った。
得られた成形体を1000℃程度に加熱した後、鍛造を行い白金インゴットとした。
白金インゴットを加工率50%程度で冷間圧延を行った後、1000℃、30分熱処理を行う工程を繰返し、所定の白金材料を形成した。この従来例1での白金材料を分析したところ、白金材料中に酸化ジルコニウムが約0.12wt%含有していることが分かった。
【0032】
次の表1に実施例1、比較例1、従来例1の各白金材料について、1400℃における高温クリープ特性を示す。試験片形状は厚さ0.5mm、幅3mmとした。
【表1】
Figure 0004223765
【0033】
該表1で示したように、溶媒に水を用いた比較例1ではクリープ破断時間が短くなっている。一方、実施例1では、従来例1を上回る破断時間となっており良好な結果が得られた。
【0034】
又、表2に白金の投入量に対する各工程の歩留率を示す。歩留率は投入量に対し、使用した量の割合としている。
【表2】
Figure 0004223765
【0035】
該表2より明らかなように、従来例1のフレームガンによる粉末製造では、粉末粒径のバラツキが大きく、焼結に適した粒径の粉末の歩留りは低下する。また、工程自体も多くなるためコストが高くなる傾向がある。一方、実施例1では、使用する粉末のロスがほとんどないため、歩留率が高く工程も少なくて済むため、コストダウンが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、白金中へ酸化ジルコニウム粒子および酸化イットリウム粒子を簡便に分散させることが可能であり、工程の短縮および歩留りの向上が可能であり、製造コストを低減できる。
【0037】
又、表1に示す様にこの出願の発明によればクリープ強度を充分に満足する結果が得られるという優れた効果が奏される。
【0038】
そして、強化型白金材料には空隙や巣等の欠陥部が生じにくいという優れた効果が奏される。
【0039】
又、結果的に割れなども生ぜず良好な製品精度が保持できるという優れた効果が奏される。
【0040】
又、鍛造処理についても特段の制限はなく、自由度が高いという利点もある。

Claims (4)

  1. 硝酸ジルコニルアルコール溶液,硝酸イットリウムアルコール溶液の少なくとも一種と白金粉末とを混合、攪拌しながら乾固させることにより白金粉末表面に硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムの少なくとも一種をコーティングし、
    さらに該白金粉末を550〜800℃で焼成処理することにより、白金粉末表面にコーティングした硝酸ジルコニル,硝酸イットリウムを、分解、凝集させ微細な酸化物粒子とし、その結果、酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの微粒子を表面に担持させた白金粉末が形成されるようにし、
    酸化ジルコニウム,酸化イットリウムを表面に担持させた上記白金粉末に対し、成形処理を行い成形体とするか、またはるつぼに無加圧で充填したものを、焼結処理および鍛造処理を行い、白金インゴットを形成し、
    該白金インゴットを冷間圧延および800℃以上の熱処理を繰り返して行うことを特徴とする酸化物分散強化型白金材料の製造方法。
  2. 上記酸化ジルコニウム,酸化イットリウムの少なくとも一種を表面に担持させた白金粉末に使用する白金が、粒径0.05〜10μmの粉末に調製されたものであることを特徴とする請求項1記載の酸化物分散強化型白金材料の製造方法。
  3. 上記焼結処理を真空中、水素もしくは分解アンモニアガス雰囲気中、または窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で800〜1200℃,1時間〜24時間焼結した後、さらに大気中もしくは真空中、または窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で1300〜1700℃,0時間〜24時間焼結を行うようにすることを特徴とする請求項1〜2いずれか記載の酸化物分散強化型白金材料の製造方法。
  4. 上記鍛造処理を800℃以上の加熱下で行うことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の酸化物分散強化型白金材料の製造方法。
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